(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
図1に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
【0011】
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像や後述の保留表示を用いた演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
【0012】
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
【0013】
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する始動ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ)124と、が遊技盤110に配設されている。なお、
図1において、ゲート124は、遊技領域111の左右にそれぞれ設けられており、左側のゲート124は124Lと記載し、右側のゲート124は124Rと記載している。また、ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器の作動契機となる入賞口をいう。具体的には、第1始動口121および第2始動口122には、入賞の際に遊技球の通過を検知するスイッチ(後述の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212)が設けられている。そして、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した際にこのスイッチが遊技球の通過を検知することが、特別図柄表示器を作動させる契機となる。
【0014】
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ(開閉部材)123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば0.15秒ないし1.8秒間)および規定回数(例えば1回ないし3回)だけ開く。
【0015】
パチンコ遊技機100は、遊技状態として、大当たり抽選の当選確率に基づき、当選確率の低い低確率状態と、低確率状態よりも当選確率の高い高確率状態とを有している。そして、大当たりや特別図柄抽選の抽選回数を契機とするなど所定の条件に基づいて低確率状態と高確率状態とのいずれかの状態に制御される。
また、パチンコ遊技機100は、遊技状態として、第2始動口122への入賞機会が少ない電サポ無状態と、電サポ無状態よりも第2始動口122への入賞機会が多い電サポ状態とを有している。そして、例えば、大当たりや特別図柄抽選の抽選回数を契機とするなど所定の条件において、電サポ無状態と、電サポ状態とのいずれかの状態に制御される。電サポ状態とは、例えば、普通図柄変動時間を短縮すること、電動チューリップ123の開時間を延長すること、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にすること、のいずれか一つまたは複数の組合せによって制御される遊技状態である。
また、パチンコ遊技機100は、遊技状態として、特別図柄変動時間が長い時短無状態と、時短無状態よりも特別図柄変動時間が短い時短状態とを有している。
なお、本実施の形態においては、電サポ状態と時短状態とは同時に制御されるものとする。また、以下の説明においては、電サポ状態かつ時短状態のことを単に時短状態とし、電サポ無状態かつ時短無状態のことを単に時短無状態とする。
【0016】
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選を行わない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。そして、大入賞口125には、大入賞口125を開閉する大入賞口扉125Dが設けられている。以下の説明において、大入賞口扉125Dの開閉状態や開閉動作のことを、便宜的に、大入賞口125の開閉状態や開閉動作として説明する場合がある。
本実施の形態では、遊技盤110の左下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
【0017】
また、遊技盤110の裏面には、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
【0018】
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
【0019】
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。ここで、スピーカ156から出力される音は、サウンドエフェクト音(SE音)である。SE音には、人物や動物の声、楽器音、電子合成音、確定音(キュインキュイン)、エラー報知音、入賞音、領域指定音、あるいはスロットマシンにおける停止ボタン操作時の停止音など種々の音が含まれ得る。なお、詳細は後述するが、特殊音は、エラー音、入賞音、領域指定音などを含む。また、同じく詳細は後述するが、異常入賞、磁気検知などの一部のエラー音は無音期間中に遊技者が音量調整の操作をしても音量の変更はできないが、下皿満タンエラーなどの他の一部のエラー音は無音期間中に音量調整の操作をすると音量の調整が可能である。枠ランプ157は、LED等の発光体で構成され、点灯・点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
【0020】
図2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、
図2(a)は、遊技盤110の左下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、
図2(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、
図2(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止表示させて抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止表示させて抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過したことに基づき、普通図柄を変動表示した後に停止表示させて抽選結果を表示する。本実施の形態では、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって特別図柄抽選の抽選結果が表示される。同様に、普通図柄表示器223も、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって普通図柄抽選の抽選結果が表示される。
【0021】
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。本実施の形態では、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
【0022】
ここで、保留について説明する。特別図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した場合、特別図柄が変動中であるために、後の入賞に基づく特別図柄の変動表示動作を開始することができない。そのため、後の入賞は規定個数(例えば4個)を限度に記憶され、その入賞した遊技球に対する特別図柄を始動させるための権利が、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、保留される。
なお、普通図柄に関しても、特別図柄と同様の処理を行う。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未変動数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
【0023】
さらに、表示器130は、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224を備えている。本実施の形態では、状態表示器224は、3個のLEDを配列した表示装置で構成されている。3個のLEDのうち1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄抽選の当選確率が高確率である高確率状態となっているか否かを点灯により報知するものである。また、他の1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄変動時間が短い時短状態となっているか否かを点灯により報知するものである。さらに他の1つは、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態となっているか否かを点灯により報知するものである。
【0024】
また、表示器130は、特別図柄抽選の抽選結果に応じて行われる大当たり遊技において大入賞口125が作動される際のラウンド数を表示するラウンド数表示器225を備えている。なお、大当たり遊技については後述する。ラウンド数表示器225は、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって大当たり遊技における大入賞口125の作動ラウンド数が表示される。
【0025】
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。
図2(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。図示の例において、複数の画像の中から1つの画像を選択する操作を受け付ける演出を行う場合を考える。この場合、例えば、遊技者が十字に配列された4つのキーからなる演出キー162を操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを指示し、演出ボタン161を操作することにより、指示した画像を選択するような演出を行うことができる。また、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやハンドル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
【0026】
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。
図4は、本実施の形態の画像/音響制御部およびランプ制御部の説明図である。
【0027】
図3に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部330と、を備えている。
【0028】
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
【0029】
遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の遊技状態を、高確率状態または低確率状態のいずれか、時短無状態または時短状態のいずれかで制御する。これにより、パチンコ遊技機100の遊技状態は、高確率状態および時短状態である高確率時短遊技状態、低確率状態および時短状態である低確率時短遊技状態、高確率状態および時短無状態である高確率時短無遊技状態、低確率状態および時短無状態である低確率時短無遊技状態のいずれかとなる。そして、遊技制御部200は、上述のように大当たりや特別図柄抽選の抽選回数を契機とするなど所定の条件に基づき、高確率状態と低確率状態とを切り替え、時短無状態と時短状態とを切り替える。また、遊技制御部200は、時短状態において、時短無状態よりも普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、電動チューリップ123の開時間を延長する等の制御を行う。
【0030】
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞したことを契機として特別図柄抽選に用いられる乱数値を取得する。そして、遊技制御部200は、取得した乱数値を用いて特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選の判定結果に応じて大当たり遊技等の特別遊技を行う。特別遊技において、遊技制御部200は、特別電動役物である大入賞口125が閉鎖条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを、大当たり図柄(種類)に応じて予め定められた回数だけ繰り返すように制御する。そして、遊技制御部200は、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
【0031】
また、遊技制御部200は、ゲート124を遊技球が通過したことを契機として普通図柄抽選に用いられる乱数値を取得する。そして、遊技制御部200は、取得した乱数値を用いて普通図柄抽選を行い、普通図柄抽選の判定結果に応じて電動チューリップ123の作動を制御する。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動中に遊技球が第1始動口121または第2始動口122へ入賞したことにより発生する保留や、普通図柄変動中に遊技球がゲート124を通過したことにより発生する保留の設定を行う。
さらに、遊技制御部200は、特別図柄抽選および普通図柄抽選の判定結果、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報、保留の設定情報等の遊技制御に伴う情報を、後述するコマンドにより演出制御部300に送る。
【0032】
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部330に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部330に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部330に指示しない。
払出制御部330が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部330から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
【0033】
遊技制御部200には、検知手段として、
図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125の大入賞口扉125Dを閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口扉開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
【0034】
また、遊技制御部200には、特別図柄の変動中に第1始動口121へ入賞した未変動分の保留個数を表示する第1特別図柄保留表示器218と、特別図柄の変動中に第2始動口122へ入賞した未変動分の保留個数を表示する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄の変動中にゲート124を通過した未変動分の保留個数を表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
【0035】
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口扉開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
【0036】
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板350が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部330から取得した、払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板350を介してホストコンピュータに送信する。
【0037】
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部330は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU331と、CPU331にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM332と、CPU331の作業用メモリ等として用いられるRAM333と、を備えている。
そして、払出制御部330は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部330は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部334を制御する。ここでの払出駆動部334は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
【0038】
また、払出制御部330には、払出駆動部334により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部335と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部336と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部337と、が接続されている。そして、払出制御部330は、払出球検出部335、球有り検出部336および満タン検出部337にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部330には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板340が接続されている。そして、払出制御部330は、例えば払出駆動部334に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部335にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板340を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
【0039】
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
【0040】
さらに、演出制御部300には、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、が接続されている。
【0041】
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、
図4に示すように、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、VDP(Video Display Processor)314と、CGROM315と、SNDROM316とを備えている。
【0042】
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、CGROM315には、画像表示部114において遊技中に表示する背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。また、SNDROM316には、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。
CPU311は、演出制御部300から送られた保留数コマンドもしくは変動演出開始コマンドに基づいて、アニメーションパターンの解析や、描画に関するコマンドをまとめたディスプレイリストの作成、およびディスプレイリストのVDP314への送信などを行う。
【0043】
VDP314は、CPU311から受信したディスプレイリストに基づいて、CGROM315やSNDROM316にそれぞれ記憶された画像データや音響データを読み出す。さらには、VDP314は、読み出した画像データを用いて背景画像表示、装飾図柄表示、装飾図柄変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための描画処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。そして、VDP314は、描画処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、VDP314は、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
なお、本実施の形態では、VDP314が描画処理に併せて音声処理も行うよう構成しているが、これに限定されず、音声処理を専用で行うプロセッサを別途設けても構わない。
【0044】
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
【0045】
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
【0046】
なお、本実施の形態では、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部330各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
また、
図4を参照して説明した構成例では、演出ボタン161および演出キー162は、演出制御部300に接続され、演出制御部300によって制御されるが、これに限定されない。演出ボタン161および演出キー162は、ランプ制御部320に接続され、このランプ制御部320によって制御されてもよい。
【0047】
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図5は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。
図5に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部236と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部237と、電動チューリップ動作制御部238と、賞球処理部239と、出力制御部240と、乱数制御部241と、を備えている。
【0048】
乱数取得部231は、特別図柄抽選に用いられる乱数値と、普通図柄抽選に用いられる乱数値とを取得する。特別図柄抽選に用いられる乱数値の場合、具体的には、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞したことを条件として、乱数の種類ごとに、所定の範囲の数値の中から1つの数値(乱数値)が選択(取得)される。取得された乱数値は、特別図柄判定部234による判定に用いられる。詳しくは後述するが、特別図柄抽選に用いられる乱数としては、大当たりか否かを示す大当たり乱数、図柄の種類を示す図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数等が有る。
また、普通図柄抽選に用いられる乱数値の場合、具体的には、ゲート124を遊技球が通過したことを条件として、所定の範囲の数値の中から1つの数値(乱数値)が選択(取得)される。取得された乱数値は、普通図柄判定部232による判定に用いられる。なお、普通図柄抽選に用いられる乱数としては、当たりか否かを示す当たり乱数の他、当たりの種類を示す図柄乱数や変動パターン乱数等が設定される場合もある。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄抽選が行われた場合に、抽選結果に応じて、第1特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動を制御する。
【0049】
特別図柄判定部234は、特別図柄の変動開始時に、後述する
図20に示すような乱数テーブルを用いて、特別図柄抽選の抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の図柄の種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。すなわち、乱数取得部231は、検知手段である第1始動口スイッチ211または第2始動口スイッチ212により遊技球の通過が検知されたことを契機として特別図柄に関する乱数値を取得し、特別図柄判定部234は、取得した乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを判定する。なお、前述した特別図柄の抽選(大当たり抽選)は、乱数取得部231および特別図柄判定部234における処理のことをいう。
【0050】
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態かの組み合わせによって図柄の種類が決まる。すなわち、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に基づく図柄の種類としては、大当たり遊技の終了後に、高確率時短遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短遊技状態の大当たり)、低確率時短遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短遊技状態の大当たり)、高確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短無遊技状態の大当たり)、低確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短無遊技状態の大当たり)が有り得る。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられている。
【0051】
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば29.5秒経過または10個の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間(例えば0.9秒)だけ大入賞口125が開状態となるラウンドが所定回数(例えば2回)繰り返される。
【0052】
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、一定時間(例えば0.9秒)だけ大入賞口125が開状態となる態様が所定回数(例えば2回)行われる小当たり遊技が行われる。なお、小当たり当選時には、小当たり遊技が終了した後においても小当たり当選前の遊技状態を継続する。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても高確率時短遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が低確率時短無遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても低確率時短無遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
【0053】
変動パターン選択部235は、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。具体的には、変動パターン選択部235は、大当たり遊技を行うか否かの判定結果および特別図柄変動にともなう装飾図柄変動演出においてリーチ演出を行うことが可能な変動パターン(例えば13.5秒以上)とするか否かの判定結果等に基づいて、変動パターンを決定する。そして、変動パターン選択部235により選択された変動パターンに基づいて、特別図柄変動制御部233が特別図柄の変動を制御する。変動パターン選択部235および特別図柄変動制御部233の動作の詳細については後述する。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
【0054】
普通図柄判定部232は、普通図柄の変動開始時に、後述する
図20(d)に示すような乱数テーブルを用いて、普通図柄の抽選結果が「当たりか否か」を判定する。すなわち、普通図柄判定部232は、乱数取得部231により取得された普通図柄抽選用の乱数値に基づいて、電動チューリップ123を開閉作動させる補助遊技を行うか否かを判定する。また、普通図柄抽選において複数の種類の当たりが設定される場合は、普通図柄判定部232は、判定結果が当たりであった場合の「当たりの種類」を判定する。なお、普通図柄抽選は、乱数取得部231および普通図柄判定部232により行われる処理である。
普通図柄変動制御部236は、普通図柄抽選が行われた場合に、抽選結果に応じて、普通図柄表示器223による普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部238は、普通図柄判定部232により普通図柄抽選において「当たり」と判定された場合に、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。電動チューリップ123の作動パターンについては後述するが、例えば0.15秒の開放時間で1回開く作動パターン、および0.90秒の開放時間で2回開放する作動パターンなどがある。
【0055】
大入賞口動作制御部237は、特別図柄判定部234により特別図柄抽選において「大当たり」と判定された場合に、大当たり遊技として、当選した図柄の種類に基づいて特定される作動パターンで大入賞口125の開放動作を制御する。また、大入賞口動作制御部237は、特別図柄判定部234により特別図柄抽選において「小当たり」と判定された場合に、小当たり遊技として、規定時間および規定回数だけ大入賞口125を開放する。例えば、大入賞口125が0.90秒の開放時間で2回開放する作動パターンなどがある。
賞球処理部239は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部240は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部330へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部241は、乱数取得部231が所定のタイミングで取得する各種の乱数値を更新する。
【0056】
〔遊技機の基本動作〕
次に、パチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の遊技制御部200は、電源が投入されると、起動時の基本処理(復旧処理)を実行する。そして、基本処理を行った後、遊技制御部200は、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を繰り返し実行する。また、電源を遮断する際には、遊技制御部200は、一連の電源遮断時処理を実行する。
【0057】
図6は、遊技制御部200による基本処理の動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源が投入されると、まず、RAM203(
図3参照)へのアクセスを許可する(ステップ(以下、ステップを「S」と記載する)601)。そして、遊技制御部200は、RAM203をクリアするためのRAMクリアスイッチがONとなっているか否かを判断する(S602)。
RAMクリアスイッチがOFFである場合(S602でNo)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時の動作に関するバックアップフラグがONとなっているか否かを判断する(S603)。
バックアップフラグがONである場合(S603でYes)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時に作成されたチェックサムが正常か否かを判断する(S604)。
チェックサムが正常である場合(S604でYes)、次に、遊技制御部200は、復帰処理を実行する(S605)。この復帰処理において、遊技制御部200は、電源が遮断された状態からの復帰に伴う、演出制御部300等のサブ制御手段の設定を行う。具体的には、遊技制御部200は、電源が遮断される際におけるパチンコ遊技機100の遊技状態(大当たり遊技中か否か、高確率状態と低確率状態のいずれか、時短状態と時短無状態のいずれか)を反映させるように、サブ制御手段を設定するためのコマンドを演出制御部300へ出力する。また、この復帰処理において、遊技制御部200は、バックアップフラグをOFFにする。
【0058】
一方、RAMクリアスイッチがON(S602でYes)、バックアップフラグがOFF(S603でNo)、チェックサムが異常(S604でNo)のいずれかに該当する場合、次に遊技制御部200は、初期化処理として、RAM203の記憶内容をクリアし(S606)、RAM203の作業領域を設定する(S607)。そして、遊技制御部200は、サブ制御手段を設定(初期化)するためのコマンドを演出制御部300へ出力し、サブ基板(サブ制御手段)の設定を行う(S608)。サブ基板の設定には、各サブ基板に搭載されているRAM303、RAM313、RAM323をクリアすること等が含まれる。
【0059】
復帰処理(S605参照)が終了した後、またはサブ基板の設定(S608参照)が終了した後、遊技制御部200は、遊技制御に用いられる各種のカウンタおよびタイマーを設定する(S609)。そして、遊技制御部200は、割り込み許可(S610)、割り込み禁止(S611)、図柄乱数制御処理(S612)、初期値乱数更新処理(S613)、電源遮断フラグがONとなっているか否かの判断(S614)をループ処理として繰り返し実行する。
ここで、割り込み許可(S610)および割り込み禁止(S611)は、このループ処理(S610〜S614)の実行中に割り込み処理の実行を可能とするために設けられている。本実施の形態では、この割り込み処理により、遊技制御における主制御処理が実行される。主制御処理の詳細については後述する。
図柄乱数制御処理(S612)において、遊技制御部200は、特別図柄抽選で用いられる変動パターン乱数の更新を行う。
初期値乱数更新処理(S613)において、遊技制御部200は、遊技制御において用いられる各種の乱数値の初期値を更新する。
電源遮断フラグの判断において、電源遮断フラグがOFFである場合(S614でNo)、パチンコ遊技機100の電源は遮断されず、遊技制御部200は、ループ処理(S610〜S614)と共に割り込みによる主制御処理を繰り返し実行する。一方、電源遮断フラグがONである場合(S614でYes)、遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源を遮断するための処理(電源遮断時処理)を開始する。
【0060】
図7は、遊技制御部200による電源遮断時処理の動作を示すフローチャートである。
電源遮断時処理において、遊技制御部200は、まず、各種の出力を行うための出力ポートの設定をクリアする(S701)。次に、遊技制御部200は、チェックサムを作成し、RAM203に格納する(S702)。次に、遊技制御部200は、バックアップフラグをONにし(S703)、RAM203へのアクセスを禁止して(S704)、無限ループに移行する。
【0061】
〔遊技機の主制御処理〕
次に、パチンコ遊技機100の主制御処理を説明する。
遊技制御部200は、主制御処理において、パチンコ遊技機100における遊技を制御すると共に、サブ制御手段である演出制御部300に対して演出の制御を指示し、払出制御部330に対して賞球の払い出しの制御を指示する。
【0062】
図8は、遊技制御部200の主制御処理を示すフローチャートである。
主制御処理は、遊技制御における一連の処理からなり、予め設定された一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行される。本実施の形態において、遊技制御部200は、予め設定された一定時間ごとに割り込みを発生させ、
図6に示すループ処理の中で割り込みが許可(S610参照)されると、割り込み処理として主制御処理を実行する。
図8に示すように、主制御処理では、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(S801〜S806)。
【0063】
乱数更新処理(S801)では、遊技制御部200は、乱数制御部241の機能(サブルーチン)を呼び出し、遊技制御部200による遊技制御で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
【0064】
スイッチ処理(S802)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200は、乱数取得部231の機能(サブルーチン)を呼び出し、
図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。また、詳しくは後述するが、第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212において事前判定処理を行う場合は、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235の各機能(サブルーチン)を呼び出し、事前判定のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200は、乱数取得部231の機能(サブルーチン)を呼び出し、
図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
【0065】
図柄処理(S803)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200は、特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235の各機能(サブルーチン)を呼び出し、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
普通図柄処理では、遊技制御部200は、普通図柄判定部232および普通図柄変動制御部236の機能(サブルーチン)を呼び出し、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
【0066】
電動役物処理(S804)としては、大入賞口処理および電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200は、大入賞口動作制御部237の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて特別電動役物である大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200は、電動チューリップ動作制御部238の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて普通電動役物である電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
【0067】
賞球処理(S805)では、遊技制御部200は、賞球処理部239の機能(サブルーチン)を呼び出し、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
【0068】
出力処理(S806)では、遊技制御部200は、出力制御部240の機能(サブルーチン)を呼び出し、演出制御用のコマンドを演出制御部300へ出力し、払い出し制御用のコマンドを払出制御部330へ出力する。演出制御用コマンドは、S802からS804までの各処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。払い出し制御用コマンドは、S805の処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。RAM203には、制御用コマンドの種類ごとに格納領域が設定されている。
【0069】
出力制御部240は、RAM203の各制御用コマンドの格納領域を順に調べ、個々の格納領域に制御用コマンドが格納されていれば(すなわち、S802〜S805の処理で制御用コマンドが生成されていれば)、その制御用コマンドを読み出し、出力先(演出制御部300または払出制御部330)へ出力する。
【0070】
本実施の形態では、
図8に示したように、一連の主制御処理の最後に出力処理を行う。すなわち、第1の処理手段としての上記各機能によるS802〜S805の各処理において生成されたコマンドを、その各処理においてはRAM203の対応する格納領域に格納しておく。そして、これらの処理の後に、第2の処理手段としての出力制御部240が、RAM203の格納領域に蓄積された、各処理で生成されたコマンドをまとめて出力する。言い換えれば、本実施の形態では、主制御処理を1サイクル実行すると、その1サイクルの実行において生成されたコマンドが、その1サイクルの実行における最後のコマンド生成が行われた後に、出力される。
【0071】
〔遊技機の基本動作の変形例〕
なお、
図6乃至
図8を参照して説明した動作例では、基本処理におけるループ処理の部分で割り込みを許可し、割り込み処理として一連の処理からなる主制御処理を実行した。しかしながら、主制御処理は、一定時間ごとに繰り返し実行されるように構成されていれば良く、具体的な実現手段(実行手順)は、
図6乃至
図8に示した例には限定されない。例えば、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れておき、所定のタイミングで経過時間を計測し、一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに主制御処理へ戻る構成としても良い。また、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れる一方で、
図6乃至
図8を参照して説明した動作と同様に、一定時間ごとに割り込みを発生させ、割り込みが発生したならば基本処理中に組み入れられた主制御処理へ戻る構成としても良い。
【0072】
また、基本処理で生成されたコマンドを出力する場合は、原則として、コマンドを生成する度に、RAM203のコマンド格納領域に格納し、第2の処理手段である出力制御部240の機能を呼び出して出力する。基本処理は、遊技の進行に関わる主制御処理とは異なり、電源投入時にのみ行われる初期動作等の特別な処理である。また、基本処理は、電源投入時のパチンコ遊技機100の状態等の条件に基づく分岐により処理手順が変動する場合があるため、出力処理に漏れが無いように、生成したコマンドを速やかに出力する処理である。なお、関連する複数の処理により連続的にコマンドが生成される場合等、具体的な処理の要請に応じて、複数のコマンドをRAM203のコマンド格納領域に格納し、まとめて出力する処理手順を採っても良い。
【0073】
〔遊技制御部による乱数更新処理〕
特別図柄抽選等の遊技制御における各種の抽選に用いられる判定情報としての乱数値は、カウンタによって計数され、所定の初期値から始まって、
図8に示す主制御処理の乱数更新処理(S801)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(
図9)およびゲートスイッチ処理(
図10)で取得され、特別図柄処理(
図11)や普通図柄処理(
図16)で使用される。この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、計数された乱数値が、設定されている乱数の最大値(例えば、後述する
図20(a)に示した大当たり乱数では299)に達した後は、再び初期値に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、更新間隔や初期値の情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、主制御処理から
図6に示す基本処理に戻った後、S613の初期値乱数更新処理において、各乱数の初期値をランダムに変更する。
【0074】
〔遊技制御部による始動口スイッチ処理〕
図9は、
図8のS802に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。
図9を参照すると、遊技制御部200は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(S901)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第1始動口121の入賞における未変動分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(S902)。
図9に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(S902でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
【0075】
一方、保留数U1が上限値未満である場合(S902でYes)、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による判定のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S903)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、S801の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により、後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたははずれを決定する大当たり乱数値、図柄の種類(大当たり遊技の終了後における時短状態か時短無状態、高確率状態と低確率状態、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数値、はずれのときに後述のリーチ演出を実行可能な変動パターン(変動時間)にするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
【0076】
次に、遊技制御部200は、事前判定処理を行う(S904)。事前判定処理とは、上記図柄処理(S803)における特別図柄処理によりも前に、始動口への入賞にともない取得される乱数の判定を行う(事前判定)処理である。
【0077】
そして、演出制御部300は、事前判定処理によって判定された乱数の判定結果(事前判定結果)に基づいて、上記図柄処理(S803)における特別図柄処理による判定結果が報知されるよりも前に、その判定結果を示唆する予告演出を行うことができる。この予告演出は、例えば、始動口への入賞にともない取得される乱数の発生に応じて、画像表示部114に表示される保留表示演出(後述)等を用いて行われる。
【0078】
そして、遊技制御部200は、保留数U1の値を1加算する(S905)。
この後、遊技制御部200は、事前判定結果を演出制御部300に通知するために、S904の事前判定処理による事前判定情報を含む事前判定結果コマンドをRAM203にセットする(S906)。
さらに、遊技制御部200は、S905による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S907)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
【0079】
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。
図9を参照すると、次に遊技制御部200は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212がONとなったか否かを判断する(S908)。第2始動口スイッチ212がONとなったならば、次に、遊技制御部200は、第2始動口122の入賞における未変動分の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(S909)。
図9に示す例では、上限値を4個としている。保留数U2が上限値に達している場合は(S909でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
【0080】
一方、保留数U2が上限値未満である場合(S909でYes)、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S910)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のS903と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値など)が取得される。このとき取得される乱数値は、S801の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。
【0081】
次に、遊技制御部200は、事前判定処理を行う(S911)。この事前判定処理の内容は、上記のS904と同様である。
そして、遊技制御部200は、保留数U2の値を1加算する(S912)。
この後、遊技制御部200は、事前判定結果を演出制御部300に通知するために、S911の事前判定処理による事前判定情報を含む事前判定結果コマンドをRAM203にセットする(S913)。
さらに、遊技制御部200は、S912による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S914)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
【0082】
なお、図示は省略するが、低確率時短無遊技状態においては第2始動口122への入賞にともなう事前判定処理(S911)を不実行(禁則)とする制御を行い、高確率時短遊技状態においては第1始動口121への入賞にともなう事前判定処理(S904)を不実行とする制御を行ってもよい。
【0083】
〔遊技制御部によるゲートスイッチ処理〕
図10は、ゲート124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(S1001)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(S1002)。
図10に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(S1002でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
【0084】
一方、保留数Gが上限値未満である場合(S1002でYes)、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S1003)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数値など)が取得される。
【0085】
次に、遊技制御部200は、保留数Gの値を1加算する(S1004)。
S1004で保留数Gの値が加算された後、遊技制御部200は、S1004による保留数Gの増加を演出制御部300に通知するための保留数G増加コマンドをRAM203にセットし(S1005)、ゲート124における入賞に対する処理を終了する。
【0086】
〔遊技制御部による特別図柄処理〕
図11は、
図8のS803に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において大当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1101)。ここで、大当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果に応じて行われる大当たり遊技を実行中であるか否かを識別するためにセットされるフラグである。
【0087】
大当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は大当たり遊技を実行中であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(S1101でYes)。なお、大当たり遊技を実行中とは、前回の特別図柄抽選の判定および変動にかかる遊技である大当たり遊技を実行しているときとして捉えることができる。さて、大当たり遊技フラグがOFFである場合(S1101でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(S1102)。特別図柄変動中でない場合(S1102でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未変動分の保留数U1、U2(
図9参照)に関する処理を行う(S1103〜S1106)。本実施の形態では、第1始動口121の入賞に係る保留数U1と第2始動口122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口に設けられたスイッチごとに個別に行う。
【0088】
具体的には、特別図柄変動制御部233は、まず第2始動口122の入賞に係る保留数U2が1以上か判断する(S1103)。保留数U2が1以上である場合(S1103でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U2の値を1減算する(S1104)。一方、保留数U2=0である場合は(S1103でNo)、特別図柄変動制御部233は、次に第1始動口121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(S1105)。保留数U1が1以上である場合(S1105でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U1の値を1減算する(S1106)。一方、保留数U1=0である場合は(S1105でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(S1116)。
なお、本実施の形態では、第2始動口122の入賞に係る保留数U2に関する処理を優先させて行う。すなわち、保留数U2が1以上である場合は保留数U2に関する処理を行い、保留数U2=0である場合に保留数U1に関する処理を行う(S803〜S806参照)。これに対し、第1始動口121と第2始動口122のどちらの入賞かに関わらず、入賞した順に保留数U1、U2を減算していくような制御とすることも可能である。
【0089】
S1104またはS1106で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(S1107)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理(S1116、後述する
図15参照)においてセットされる。
【0090】
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(S1108、S1109)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222に変動表示される特別図柄の変動用の設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。なお、これらの情報は演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる。
【0091】
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、
図2に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(S1110)。そして、この設定内容を示す設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(S1111)。S1111でセットされた変動開始コマンドは、
図8のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
【0092】
S1102で特別図柄変動中と判断された場合(S1102でYes)、またはS1111で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過したか否かを判断する(S1112)。すなわち、S1110で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がS1109の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S1112でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
【0093】
一方、変動時間を経過した場合(S1112でYes)、特別図柄変動制御部233は、まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動をS1108の大当たり判定処理で決定された図柄で停止する(S1113)。後述する装飾図柄を停止させるための変動停止コマンドをRAM203にセットする(S1114)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(S1115)。停止中処理の内容については後述する。S1114でセットされた変動停止コマンドは、
図8のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
【0094】
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図12は、大当たり判定処理(
図11のS1108)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(S1201)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(S1202、S1205)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、
図9のS903またはS910で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(
図20(a)参照)。
【0095】
S1201の乱数判定の結果が大当たりだった場合(S1202でYes)、次に特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数値の判定を行う(S1203)。この判定の結果に応じて、図柄の種類(高確率時短遊技状態の大当たり、低確率時短無遊技状態の大当たりなど)が決定される。何れの大当たりとなるかは、
図9のS903またはS910で取得した大当たり図柄乱数の値が、図柄の種類ごとに予め設定された値のうちの何れと一致したかによって決定される(
図20(b)参照)。
【0096】
以上の判定の後、特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たり図柄を設定情報としてRAM203にセットする(S1204)。
【0097】
S1201の乱数判定の結果が小当たりだった場合(S1202でNo、S1205でYes)、次に特別図柄判定部234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S1206)。
【0098】
S1201の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(S1202、S1205でNo)、次に特別図柄判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S1207)。
【0099】
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図13は、変動パターン選択処理(
図11のS1109)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、パチンコ遊技機100の遊技状態(時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態か)を参照する(S1301)。そして、大当たり判定処理(
図12)のS1202の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1302)。そして、大当たりだった場合(S1302でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1303)。
【0100】
一方、大当たりしなかった場合(S1302でNo)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数値の判定を行う(S1304)。リーチ演出を実行可能な変動パターンとするか否かは、
図9のS903またはS910で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(
図20(c)参照)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を実行可能な変動パターン(変動時間)とする場合(S1305でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1306)。また、リーチ演出を実行可能な変動パターン(変動時間)としない場合(S1305でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1307)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間3秒、7秒、13秒、15秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
【0101】
次に、変動パターン選択部235は、
図9のS903またはS910で取得した変動パターン乱数値およびS1303、S1306、S1307でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数値の判定を行う(S1308)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、パチンコ遊技機100の遊技状態(時短状態か時短無し状態か、および高確率状態か低確率状態か)、特別図柄抽選の結果(大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か)等の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる。
【0102】
この後、変動パターン選択部235は、S1308で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(S1309)。S1309でセットされた変動パターンの設定情報は、
図11のS1111でセットされる変動開始コマンドに含まれ、
図8のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。本実施の形態で選択される変動パターンおよびその設定の詳細については後述する。
【0103】
〔遊技制御部による停止中処理〕
図14は、停止中処理(
図11のS1115)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1401)。時短フラグがONである場合(S1401でYes)、遊技制御部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(S1402)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(S1403)。そして、抽選回数J=0であれば(S1403でYes)、時短フラグをOFFにする(S1404)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(
図17)における遊技状態設定処理(
図18)で行われる。
【0104】
時短フラグがOFFであった場合(S1401でNo)またはS1404で時短フラグをOFFにした後、あるいはS1402で減算した後の抽選回数Jの値が0でない場合(S1403でNo)、次に遊技制御部200は、RAM203のフラグ設定において高確率状態であることを示すフラグ(以下、高確フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1405)。なお、この高確フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、高確率時短遊技状態であり、高確フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、高確率時短無遊技状態である。
【0105】
高確フラグがONである場合(S1405でYes)、遊技制御部200は、高確率状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(S1406)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(S1407)。そして、抽選回数X=0であれば(S1407でYes)、高確フラグをOFFにする(S1408)。なお、高確フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(
図17)における遊技状態設定処理(
図18)で行われる。
【0106】
高確フラグがOFFであった場合(S1405でNo)またはS1408で高確フラグをOFFにした後、あるいはS1406で減算した後の抽選回数Xの値が0でない場合(S1407でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1409)。そして、大当たりだった場合(S1409でYes)、次に遊技制御部200は、図柄の種類を判断する(S1410)。なお、ここでは図柄の種類の判断の一例として、長当たりか否かが判断される。
【0107】
ここで、大当たりか否かの判断は、大当たり判定処理(
図12)の判定結果に基づいて判断することができる。例えば、後述する
図20(b)の図表に示す図柄の何れかがセットされているならば、S1409でYesである。大当たり判定処理によりRAM203に、はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、S1409でNoである。
【0108】
例えば低確率図柄Aなど図柄の種類が長当たりであった場合(S1410でYes)、遊技制御部200は、長当たり遊技フラグをONにする(S1411)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、図柄の種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)となる。なお、ここでは長当たりにおいて、高確率状態か低確率状態かを区別していない。高確率状態となるか低確率状態となるかは、後述の大入賞口処理(
図17)における遊技状態設定処理(
図18)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
【0109】
例えば高確率図柄Eなど図柄の種類が長当たりでなかった場合(S1410でNo)、遊技制御部200は、短当たり遊技フラグをONにする(S1412)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、図柄の種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)となる。長当たりの場合と同様、短当たりの場合も高確率状態か低確率状態かを区別していない。
【0110】
S1411またはS1412で大当たり遊技フラグをONにした後、遊技制御部200は、抽選回数J、Xの値を初期化する(S1413)。また、遊技制御部200は、S1401において時短フラグがONであって、S1403において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(S1414)。同様に、S1405において高確フラグがONであって、S1407において抽選回数Xが0でなかった場合に、高確フラグをOFFにする(S1414)。
【0111】
S1413で抽選回数J、Xの値を初期化した後、遊技制御部200は、オープニング動作を開始する(S1417)。ここで、オープニング動作の内容は、S1411、S1412の何れで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。言い替えると、特別図柄抽選の判定結果に応じたオープニング動作が設定される。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において大当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(S1418)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、
図8のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
【0112】
これに対し、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(S1409でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(S1415)。小当たりでなかった場合は(S1415でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(S1415でYes)、遊技制御部200は、小当たり遊技を開始する(S1416)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、大入賞口125を所定回数開閉し、所定時間経過後に終了する。
【0113】
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図15は、客待ち設定処理(
図11のS1116)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(S1501)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
【0114】
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(S1501でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合(S1501でNo)、遊技制御部200は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(S1502)、客待ちフラグをONにする(S1503)。S1502でセットされた客待ちコマンドは、
図8のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。ここで、客待ちフラグとは、上記
図11における客待ち設定処理(S1116)で説明した通り、大当たり遊技を実行中でなく(S1101でNo)、特別図柄の変動中でもなく(S1102でNo)、さらに保留が無い状態(S1103およびS1105でNo)である場合に、セットされるフラグである。
【0115】
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図16は、
図8のS803に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1601)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(
図19)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
【0116】
補助遊技フラグがONである場合、既に補助遊技状態となっており、普通図柄が停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(S1601でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(S1601でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(S1602)。普通図柄変動中でない場合(S1602でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、普通図柄の未変動分の保留数G(
図10参照)が1以上か判断する(S1603)。保留数G=0である場合は(S1603でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
【0117】
これに対し、保留数Gが1以上である場合(S1603でYes)、普通図柄変動制御部236は、保留数Gの値を1減算する(S1604)。そして、普通図柄判定部232が、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(S1605)。当選したか否かは、
図10のS1003で取得した当たり乱数の値が、後述する
図20(d)に示すテーブル等において当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
【0118】
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(S1606)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。
【0119】
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄の変動時間の設定を行う(S1607)。この変動時間は、
図14におけるS1404、S1414、後述の
図18におけるS1804、S1807等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、S1607による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄変動制御部236は、S1607の設定内容に基づき、
図2(a)および
図3に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(S1608)。なお、普通図柄の変動パターンを抽選により決定することもできる。この場合、例えば、遊技球がゲート124を通過した際に、乱数取得部231が普通図柄の変動パターン乱数値を取得し、S1607において、普通図柄変動制御部236が普通図柄の変動パターン乱数値を判定することにより、変動時間が設定される。
【0120】
S1608で普通図柄の変動を開始した後、またはS1602で普通図柄変動中と判断された場合(S1602でYes)、普通図柄変動制御部236は、変動時間を経過したか否かを判断する(S1609)。すなわち、S1608で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がS1607で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S1609でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
【0121】
一方、変動時間を経過した場合(S1609でYes)、普通図柄変動制御部236は、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(S1610)。そして、普通図柄変動制御部236は、S1605の判定結果が当選であったか否かを判断する(S1611)。当選であったならば(S1611でYes)、補助遊技フラグをONにする(S1612)。一方、抽選にはずれたならば(S1611でNo)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
【0122】
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図17は、
図8のS804に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において大当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1701)。大当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(S1701でNo)。一方、大当たり遊技フラグがONである場合(S1701でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、パチンコ遊技機100が停止中処理(
図14)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(S1702)。
【0123】
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(S1702でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(S1703)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1703でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(S1703でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動設定を行い(S1704)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(S1705)、大入賞口125の作動のラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(S1706)、大入賞口125を作動開始(開放)する(S1707)。
【0124】
S1704の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合の例としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。なお、大当たり遊技においては、大入賞口125の作動を複数回(複数ラウンド)連続して行うことが規定されている。一例としては、長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を1回行う。さらに説明をすると、0.9秒開放して1.0秒閉鎖した後、0.9秒開放する。一方、小当たりの場合、例えば、0.9秒開放して1.0秒閉鎖した後、0.9秒開放する。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
【0125】
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、大当たり遊技のラウンド数Rだけ、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
【0126】
次に、大入賞口動作制御部237は、S1704で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(S1708)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(S1708でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(S1709)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1709でNo)。一方、開放時間を経過したか(S1708でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(S1709でYes)、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125を作動終了(閉口)する(S1710)。
【0127】
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数RがS1704で設定された最大値に達したか否かを判断する(S1711)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(S1711でNo)。
【0128】
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(S1711でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング動作を開始する(S1712)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技において設定されたエンディング動作のうち、大当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部237は、演出制御部300において大当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(S1713)。このエンディングコマンドは、
図8のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
【0129】
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(S1714)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(S1717)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1717でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(S1717でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、遊技制御部200による遊技状態設定処理を経た後(S1718)、大当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(S1719)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
【0130】
S1702で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(S1702でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング中か否かを判断する(S1715)。そして、エンディング中であるならば(S1715でYes)、上記S1717以降の動作を実行する。
【0131】
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(S1715でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(S1716)。そして、作動中でないならば(S1716でNo)、上記S1705以降の動作を実行し、作動中であるならば(S1716でYes)、上記S1708以降の動作を実行する。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
【0132】
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(S1717でYes)に実行される、遊技制御部200による遊技状態設定処理(S1718)の内容を
図18に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、
図17のS1701で大当たり遊技フラグがONとなっている。そこで、
図18に示すように、遊技制御部200は、まず、その図柄の種類を判断する(S1801、S1802、S1803、S1806)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(
図12)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(
図12)のS1202、S1203、S1205と概ね同様であるので、S1202、S1203、S1205の判断結果を用いても良い。
【0133】
小当たりである場合(S1801でYes)、遊技状態は変更しないので、遊技状態設定処理を終了する。
図柄の種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1801でNo、S1802、S1803でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(S1804)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(S1805)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態において特別図柄抽選の抽選結果がはずれとなる抽選が連続して100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
【0134】
一方、図柄の種類が低確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1801でNo、1802でYes、S1803でNo)、遊技制御部200は、時短フラグ、高確フラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するRAM203の遊技状態の設定は、低確率時短無遊技状態となる。
【0135】
図柄の種類が高確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1801、S1802でNo、S1806でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにし(S1807)、抽選回数Jの初期値を設定する(S1808)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では10000回である。また、遊技制御部200は、高確フラグをONにし(S1809)、抽選回数Xの初期値を設定する(S1810)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では10000回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短遊技状態となる。そして、この高確率時短遊技状態において特別図柄抽選の抽選結果がはずれとなる抽選が連続して10000回行われたならば、高確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
【0136】
一方、図柄の種類が高確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1801、S1802、S1806でNo)、遊技制御部200は、高確フラグのみをONにし(S1809)、抽選回数Xの初期値(10000回)を設定する(S1810)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短無遊技状態となる。そして、この高確率時短無遊技状態において特別図柄抽選の抽選結果がはずれとなる抽選が連続して10000回行われたならば、高確率時短無遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
【0137】
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図19は、
図8のS804に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1901)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(S1901でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(S1901でYes)、次に電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(S1902)。
【0138】
電動チューリップ123が作動中でない場合(S1902でNo)、電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(S1903)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(S1904)。ここで、作動パターンは、
図14におけるS1404、S1414、
図18におけるS1804、S1807等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、S1903による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。なお、時短フラグがONの場合またはOFFの場合における電動チューリップ123の作動パターン(補助遊技の種類)を複数用意し、普通図柄処理(
図16参照)で判定される当たりの種類に応じて、作動パターンを設定するように構成しても良い。
【0139】
S1902で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(S1902でYes)、またはS1904で電動チューリップ123を作動させた後、電動チューリップ動作制御部238は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(S1905)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(S1905でNo)。一方、開放時間を経過したならば(S1905でYes)、電動チューリップ動作制御部238は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(S1906)。
【0140】
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(
図12)、変動パターン選択処理(
図13)、普通図柄処理(
図16)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図20は、本実施の形態において特別図柄抽選および普通図柄抽選で用いられる乱数(判定テーブル)の構成例を示す図である。
図20(a)には特別図柄抽選で用いられる大当たり乱数の構成例、
図20(b)には特別図柄抽選で用いられる大当たり図柄乱数の構成例、
図20(c)には特別図柄抽選で用いられるリーチ乱数の構成例、
図20(d)には普通図柄抽選で用いられる当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
【0141】
図20(a)を参照すると、大当たり乱数の判定値として、大当たり判定時のパチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の場合の大当たりと大当たり判定時の遊技状態が高確率状態の場合の大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲は、何れも0〜299の300個である。低確率状態の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また高確率状態の特別図柄抽選の場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(=1/30)である。すなわち図示の例では、高確率状態で始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、低確率状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が10倍となる。また、小当たりの当選値は、低確率状態か高確率状態かに関わらず3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
ここで、低確率状態の特別図柄抽選を例に説明をすると、上記第1始動口121または第2始動口122への入賞を契機として取得した大当たり乱数値(S903、S910参照)が、
図20(a)における低確率状態の大当たり抽選の当選値である「5」と一致するかが判定される。詳細な説明は省略するが、高確率状態の特別図柄抽選および小当たりの特別図柄抽選についても同様である。
【0142】
図20(b)を参照すると、大当たり図柄には、低確率図柄A、低確率図柄B、高確率図柄A、高確率図柄B、高確率図柄C、高確率図柄D、高確率図柄E、潜確図柄の8種類が用意されている。ここで、低確率図柄Aおよび低確率図柄Bは、低確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち低確率図柄Aは長当たり(8ラウンド)かつ低確率時短遊技状態の大当たりであることを示す。低確率図柄Bは長当たり(4ラウンド)かつ低確率時短遊技状態の大当たりであることを示す。高確率図柄Aおよび高確率図柄Bは長当たり(15ラウンド)かつ高確率時短遊技状態の大当たりであることを示す。高確率図柄Cおよび高確率図柄Dは、長当たり(8ラウンド)かつ高確率時短遊技状態の大当たりであることを示す。高確率図柄Eは、短当たり(2ラウンド)かつ高確率時短無遊技状態の大当たりであることを示す。潜確図柄は、短当たり(2ラウンド)かつ高確率時短無遊技状態の大当たりであることを表す図柄である。したがって、高確率図柄Eと潜確図柄とは大当たり遊技後の遊技状態が同じであるが、潜確図柄は、高確率状態であることを遊技者に明確に報知しない潜伏演出を行う条件とするために高確率図柄Eとは分けて設けられている。乱数の値の範囲は0〜249の250個である。また、大当たり図柄乱数では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々について当選値が設定される。
【0143】
低確率図柄Aでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として35個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Aでの当選となる確率は、35/250(=7/50)である。
低確率図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Bでの当選となる確率は、15/250(=3/50)である。
【0144】
高確率図柄Aでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として20個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、20/250(=2/25)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として150個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、150/250(=15/25)である。
【0145】
高確率図柄Bでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として5個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、5/250(=1/50)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
【0146】
高確率図柄Cでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Cでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として10個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、10/250(=1/25)である。
【0147】
高確率図柄Dでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Dでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として10個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Dでの当選となる確率は、10/250(=1/25)である。
【0148】
高確率図柄Eでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Eでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として5個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Eでの当選となる確率は、5/250(=1/50)である。
【0149】
潜確図柄では、第1始動口121に入賞した場合の当選値として100個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に潜確図柄での当選となる確率は、100/250(=2/5)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
【0150】
ここで、低確率図柄Aを例に説明をすると、上記第1始動口121または第2始動口122への入賞を契機として取得した大当たり図柄乱数値(S903、S910参照)が、
図20(b)における低確率図柄Aの当選値である「0〜34」と一致するかが判定される。詳細な説明は省略するが、低確率図柄Bなどの特別図柄抽選についても同様である。
【0151】
以上のように、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合における図柄の種類の当選確率を相違させることにより、様々な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤110における第1始動口121と第2始動口122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口121と第2始動口122の何れか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的な遊技への参加を促すことも可能である。
【0152】
次に、リーチ乱数の判定について説明する。なお、リーチ乱数の振り分けは、後述するように保留数に応じて設定されている。ここでは、例として保留数が0個であるときの、リーチ乱数について説明をする。
図20(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を実行可能な変動パターン(変動時間)とする(例えば、13.5秒以上)抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を実行可能な変動パターンとしない(例えば、13.5秒未満)抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。ここで、リーチ演出は、特別図柄変動時に画像表示部114において行われる演出である。以下、リーチ演出を実行可能な変動パターンとしない特別図柄変動時の演出をリーチ無し演出と呼び、これに対応してリーチ演出を実行可能な変動パターンとする特別図柄変動時の演出をリーチ有り演出と呼ぶ。
【0153】
ここで、リーチ有を例に説明をすると、上記第1始動口121または第2始動口122への入賞を契機として取得したリーチ乱数値(S903、S910参照)が、
図20(c)におけるリーチ有の当選値である「0〜21」と一致するかが判定される。詳細な説明は省略するが、リーチ無の特別図柄抽選についても同様である。
【0154】
多くの場合、特別図柄変動時には、第1特別図柄表示器221および第2特別図柄表示器222(以下、これらを区別しない場合は特別図柄表示器221、222と記載)の表示制御に連動させて、画像表示部114において装飾図柄を用いた演出が行われる。装飾図柄は、例えば、1乃至8の数字が縦方向に連続して記された数列からなる図柄が三列表示されて構成される。また、装飾図柄は、例えば、青、緑、赤など複数の色のいずれかで表示されている。そして、特別図柄表示器221、222における特別図柄の変動表示が開始されるのと同時に、画像表示部114に表示された装飾図柄がスクロールを開始する。また、特別図柄の変動表示の開始(装飾図柄のスクロール開始)から所定時間経過後、特別図柄が停止表示されるのと同時に、装飾図柄も確定停止する。一般に、特別図柄抽選の判定結果が大当たりである場合、装飾図柄の停止表示では、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が三つ揃って並ぶ。この特別図柄の変動表示に伴って行われる装飾図柄を用いた演出を変動演出と呼ぶ。
【0155】
リーチ有り演出においては、変動演出として、装飾図柄に関して例えば次のような動作が行われる。まず、縦(横)方向にスクロールする装飾図柄を確定停止するまでに、まず、いずれか2つの図柄(数列)が先に仮停止する。このとき、横(縦)または斜めにわたる一直線上に同一の数字が仮停止される。さらに説明をすると、装飾図柄が縦方向にスクロールしていれば、横方向の一列で同一の数字が仮停止される。
次に、最後の一列がスクロール速度を徐々に遅くして、一直線上に同一の数字が三つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与える。そして、最後の一列が仮停止した後、3つの図柄が確定停止する。
ここで、リーチ有り演出では、3つの図柄を確定停止させる前に、SPリーチ演出やSP・SPリーチ演出が行われる場合がある。なお、SPリーチ演出は、一般にスーパーリーチやスペシャルリーチと呼ばれ、リーチよりも大当たりすることを期待させる演出であり、さまざまなキャラクタが登場したり、ストーリーが展開したりする動画像の演出である。また、SP・SPリーチは、一般にスーパースーパーリーチやスペシャルスペシャルリーチと呼ばれ、SPリーチよりも大当たりすることを期待させる演出であり、さまざまなキャラクタが登場したり、ストーリーが展開したりする動画像の演出である。
また、後述する
図21に示すように、本実施の形態では、変動時間がより長い(例えば90秒や60秒)場合に、SPリーチやSP・SPリーチ演出を実行するように設定している。なお、リーチ有り演出と共に行われる上記の変動演出をリーチ時変動演出とも呼ぶ。
一方、リーチ無し演出においては、縦(横)方向にスクロールする装飾図柄が確定停止するまでに、例えばリーチ有り演出のような遊技者に期待感を与える演出が抑制され、横(縦)または斜めにわたる一直線上に同一の数字が揃わない状態で図柄が確定停止される。
【0156】
このように、リーチ乱数は、大当たり乱数の判定の結果がはずれであった場合に、画像表示部114においてリーチ演出を実行可能な変動パターンとするリーチ有り演出を行うか、リーチ演出を実行可能な変動パターンとしないリーチ無し演出を行うかを決定するための乱数である。また、保留数に応じてリーチ有り演出の実行割合を変えるなどすることにより、効率の良い遊技進行を可能にしつつ、遊技者に対して適度に期待感が与えられる。
付言すると、大当たりに当選した場合には、リーチ有り演出が行われ、最終的に横(縦)または斜めにわたる一直線上に、同一の数字が揃った状態で装飾図柄が確定停止する態様とすることができる。これに対して、小当たりに当選した場合やはずれの場合のリーチ有り演出は、上記一直線上に、同一の数字が揃わない状態で装飾図柄が確定停止する。
【0157】
次に、普通図柄抽選に用いられる当たり乱数の判定について説明する。
図20(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選が行われると、9/10の確率で当選する。
【0158】
ここで、時短フラグOFFを例に説明をすると、上記ゲート124、第1始動口121または第2始動口122の遊技球の通過を契機として取得した当たり乱数値(S1003参照)が、
図20(d)における時短フラグOFFの当選値である「0」と一致するかが判定される。詳細な説明は省略するが、時短フラグONの普通図柄抽選についても同様である。
【0159】
また、特に図示していないが、普通図柄抽選で当たりと判定された場合に行われる補助遊技の内容(電動チューリップ123の開放パターン)が異なる複数の当たりを設定することができる。この場合、例えば、特別図柄抽選における図柄の種類を特定する大当たり図柄乱数(
図20(b)参照)と同様に、普通図柄抽選における当たりの種類を特定するための当たり図柄乱数が設定される。そして、遊技制御部200は、乱数取得部231により、ゲートスイッチ処理(
図10参照)で当たり乱数の乱数値と共に、当たり図柄乱数の乱数値を取得し、普通図柄判定部232により、取得された乱数値に基づいて当たりの種類を特定する。
なお、
図20の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
【0160】
〔変動パターンの設定例〕
次に、
図13に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンとテーブルの設定例について説明する。
図21は、
図13に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンとテーブルの設定例を示す図である。なお、
図21には、低確率時短無遊技状態の設定例を示している。図示は省略するが、高確率時短遊技状態など他の遊技状態に関しては、変動パターン選択処理において選択される変動パターンの設定のテーブルが個別に設けられる。
また、
図21には、第1始動口121に遊技球が入賞した場合の設定例を示している。第2始動口122に遊技球が入賞する場合に関しては、変動パターン選択処理において選択される変動パターンの設定のテーブルが個別に設けられてもよいし、第1始動口121に遊技球が入賞した場合に参照するテーブルを共用して参照するようにしてもよい。
【0161】
図21に示すように、特別図柄変動制御部233は、特別図柄抽選の判定結果が大当たりの場合(
図13のS1302でYesの場合)、大当たり図柄および変動パターン乱数に基づいて変動パターンを決定する。具体的には、特別図柄変動制御部233は、乱数取得部231によって大当たり乱数値とともに取得された変動パターン乱数値(S903参照)が、大当たり図柄ごとに割り振られた変動パターン乱数値のいずれと一致するかに基づいて、変動パターンを決定する。例えば、大当たり図柄が「高確率図柄A」であり、変動パターン乱数が「51」である場合、
図21における「高確率図柄A」に割り振られた変動パターン乱数範囲「50〜69」に一致するので、変動パターンとして「PB3」が選択される。なお、この「PB3」における特別図柄変動時間は、「90.18秒」である。
【0162】
また、特別図柄変動制御部233は、特別図柄抽選の判定結果がはずれの場合(
図13のS1302でNoの場合)、第1特別図柄抽選の保留数U1、リーチ乱数、および変動パターン乱数に基づいて変動パターンを決定する。具体的には、特別図柄変動制御部233は、第1特別図柄抽選の保留数U1が「0」である場合、乱数取得部231によって大当たり乱数値とともに取得されたリーチ乱数値(S903参照)が、
図21における「はずれ」の保留数「0」に割り振られたリーチ乱数範囲「0〜21」に割り振られるのか、リーチ乱数範囲「22〜249」に割り振られるのかを判定する。そして、この取得されたリーチ乱数がリーチ乱数範囲「0〜21」に含まれる場合、乱数取得部231によって大当たり乱数値とともに取得された変動パターン乱数値(S903参照)が、リーチ乱数範囲「0〜21」に割り振られた変動パターン乱数値のいずれと一致するかに基づいて、変動パターンを決定する。例えば、変動パターン乱数が「51」である場合、変動パターン乱数範囲「50〜89」に一致するので、変動パターンとして「PR4」が選択される。
【0163】
上記のように、遊技制御部200は、遊技球が始動口121、122に入賞した際に取得した変動パターン乱数値(
図9のS903、S910参照)と、パチンコ遊技機100の遊技状態、リーチ演出の有無、保留数等の条件とに基づいて特別図柄の変動パターンを決定する。そして、決定された特別図柄の変動パターンの情報は、変動開始コマンドに含まれて、遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。演出制御部300では、後述するように、特別図柄変動時の演出として、変動開始コマンドに含まれる変動パターンの情報に基づいて特定される変動時間に対応する(その変動時間で実行可能な)演出が選択されて実行される。
【0164】
〔事前判定に基づく予告演出を行うための遊技制御部のRAMおよび演出制御部のRAMの構成〕
続いて、事前判定に基づく予告演出を実行するための、本実施の形態における遊技制御部200のRAM203および演出制御部300のRAM303の構成について説明する。
図22は、本実施の形態に係る遊技制御部200のRAM203(
図3参照)の構成例を説明するブロック図である。
図22(a)は、記憶領域204の構成を示すブロック図であり、
図22(b)は、
図22(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
【0165】
図22(a)に示すように、RAM203は、大当たり乱数抽選により取得した大当たり乱数を記憶する特別図柄保留記憶領域としての記憶領域204を備えている。この記憶領域204は、第1始動口121の保留数と第2始動口122の保留数の最大値に対応する8つの記憶部を有している(各保留数の上限値が4の場合)。具体的に説明すると、記憶領域204は、第1記憶部204a、第2記憶部204b、第3記憶部204c、第4記憶部204d、第5記憶部204e、第6記憶部204f、第7記憶部204g、第8記憶部204hを有している。
【0166】
また、
図22(b)に示すように、これらの記憶部204a〜204hの各々は、入賞した始動口(第1始動口121または第2始動口122)の別を表す情報が記憶される領域と、取得された大当たり乱数が記憶される領域と、図柄乱数が記憶される領域と、リーチ乱数が記憶される領域と、変動パターン乱数が記憶される領域と、を有する。すなわち、記憶部204a〜204hの各々には、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数が記憶される。
【0167】
ここで、各乱数は、第1記憶部204aから順に記憶していく。より具体的に説明すると、例えば、第1記憶部204a〜第8記憶部204hの何れにも乱数が記憶されていないときには、取得した乱数が第1記憶部204aに記憶されることになる。また、例えば、第1記憶部204a〜第4記憶部204dに乱数がすでに記憶されているときには、取得した乱数が第5記憶部204eに記憶されることになる。
【0168】
図23は、本実施の形態に係る演出制御部300のRAM303(
図3参照)の構成例を説明するブロック図である。
図23(a)は、保留記憶領域305、306の構成を示すブロック図であり、
図23(b)は、
図23(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図23(a)に示すように、RAM303は、保留球が保留されている状況を記憶する保留状況記憶領域としての第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306を備えている。この第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306は、第1始動口121への入賞に対する保留および第2始動口122への入賞に対する保留にそれぞれ対応しており、各々4つの記憶部を有している。具体的には、第1保留記憶領域305は、第1記憶部305a、第2記憶部305b、第3記憶部305c、第4記憶部305dを有している。また、第2保留記憶領域306は、第1記憶部306a、第2記憶部306b、第3記憶部306c、第4記憶部306dを有している。
【0169】
また、
図23(b)に示すように、これらの記憶部305a〜305d、306a〜306dの各々は、保留フラグをON/OFFする保留フラグ記憶領域と、報知フラグをON/OFFする報知フラグ記憶領域と、を有している。保留フラグは、各記憶部305a〜305d、306a〜306dごとに保留球の有無を識別するためのフラグである。すなわち、例えば第1始動口121への入賞による保留数が3である場合、第1〜3記憶部305a、305b、305cの3つの保留フラグ記憶領域において、保留フラグがONとなる。報知フラグは、個々の保留球に関して事前判定結果に基づいて予告演出を行うか否かを設定するためのフラグである。本実施の形態のパチンコ遊技機100では、演出制御部300において、遊技状態や演出の状況に応じて事前判定結果に基づく予告演出を行うか否かを設定可能としている。そこで、予告演出を行う場合には報知フラグをONとし、予告演出を行わない場合には報知フラグをOFFとする。詳細は後述するが、事前判定演出選択処理(S2703)の結果、例えば上記3つの保留球のうち3番目の保留球に対して予告演出を行う場合は、事前判定の対象となった第3記憶部305cの報知フラグ記憶領域において、報知フラグがONとなる。
【0170】
また、特に図示しないが、
図22(a)に示した構成とは別に、RAM203は、事前判定情報が記憶される領域(以下、事前判定情報格納領域)を有する。事前判定情報とは、上記の各乱数に基づく事前判定処理(
図9のS904、S911参照)によって得られた情報である。事前判定情報の内容は、特別図柄処理(
図11参照)における各種の判定結果として得られる情報と同様であり、具体的には、大当たりしたか否か(および小当たりしたか否か)、大当たりであった場合にはその図柄の種類、変動パターン(変動時間)がリーチ演出を実行可能な長さであるか、変動パターンの内容といったことを示すための情報である。事前判定情報格納領域に格納された事前判定情報は、事前判定処理が行われた入賞球(保留球)に対応する保留に関する情報(以下、保留情報)と共に、あるいはこの保留情報とは別に独自のタイミングで、事前判定結果コマンドに含められて遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。
【0171】
〔事前判定処理〕
次に、事前判定処理(
図9のS904、S911参照)について詳細に説明する。
本実施の形態における事前判定処理では、特別図柄処理(
図11参照)と同一の判定を実行することにより、特別図柄処理で大当たりと判定されるか否か、言い替えると当該変動で大当たりと判定されるか否かを判定する。具体的には、遊技制御部200では、
図20や
図21を参照しながら説明した乱数の構成例と同様の乱数テーブルを用いて以下のとおり事前判定を行う。
【0172】
図24は、本実施の形態に係る事前判定処理(
図9のS904、S911)の内容を示すフローチャートである。
図24に示すように、遊技制御部200は、まず、遊技状態が高確率状態か否かを判断し(S2401)、高確率状態であると判断すると(S2401でYes)、高確率状態用のテーブルを選択して、大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定を行う(S2402)。一方、S2401でNoと判断した場合には、低確率状態用のテーブルを選択して、大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定を行う(S2403)。
【0173】
S2402またはS2403の大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定の後、遊技制御部200は、遊技状態が時短状態か否かを判断し(S2404)、時短状態であると判断すると(S2404でYes)、時短状態用のテーブルを選択して、リーチ乱数の事前判定を行う(S2405)。さらに、時短状態用のテーブルを選択して、変動パターン乱数の事前判定を行う(S2406)。
一方、S2404でNoと判断した場合には、時短無状態用のテーブルを選択して、リーチ乱数の事前判定を行う(S2407)。さらに、時短無状態用のテーブルを選択して、変動パターン乱数の事前判定を行う(S2408)。
【0174】
この後、遊技制御部200は、上述のとおり得られた大当たり乱数の事前判定の結果、大当たり図柄乱数の事前判定の結果、リーチ乱数の事前判定の結果、および変動パターンの事前判定の結果を、事前判定情報として事前判定情報格納領域に記憶する(S2409)。さらに、演出制御部300に事前判定情報を送信するために、事前判定情報を含む事前判定結果コマンドをRAM203にセットする(S2410)。
【0175】
ここで、上述の事前判定は、始動口121、122への遊技球の入賞に応じて取得された乱数値(
図9のS903、S910参照)と、大当たり判定処理で用いられる判定テーブル(
図20参照)と同様の構成の判定テーブルとを用いて行った。すなわち、使用する判定テーブルを選択した後の判定自体は、大当たり判定処理における判定(
図12のS1201参照)と同様である。そこで、本実施の形態では、特別図柄処理(
図11参照)で用いた大当たり判定処理のサブルーチン(
図11のS1108および
図12参照)を呼び出し、上記の事前判定における乱数の判定を行う。
【0176】
このような構成としたことにより、本実施の形態では、事前判定処理における乱数の判定を行うために、大当たり判定処理とは別に乱数を判定する処理機能(サブルーチン)を用意する必要がない。そのため、制御命令の数を削減し、大当たり判定処理および事前判定処理に関するプログラムのサイズの増大を抑制することができる。また、上記のように、事前判定に用いる判定テーブルを大当たり判定で用いる判定テーブルと同様の構成とする場合には、大当たり判定で用いる判定テーブルを事前判定においても用いるようにしても良い。
【0177】
また、ここでは特別図柄抽選に関する事前判定(大当たりか否か)についてのみ説明したが、本実施の形態では、特別図柄抽選における変動パターンについても、先読み(事前判定)を行う。特別図柄抽選における変動パターンの選択は、始動口121、122への遊技球の入賞に応じて取得された変動パターン選択用の乱数値(
図9のS903、S910参照)と変動パターンテーブル(
図21参照)とを用いて行われる(
図11のS1109および
図13参照)。したがって、変動パターンの先読みにおいても、入賞時に取得した変動パターン選択用の乱数値と、特別図柄処理の変動パターン選択処理で用いた変動パターンテーブルと同様の構成の先読みテーブルを用いて、選択される変動パターンを先読みすることができる。
【0178】
この場合、変動パターン選択処理で選択される変動パターンを先読みするために、特別図柄処理(
図11参照)で用いた変動パターン選択処理のサブルーチン(
図11のS1109および
図13参照)を呼び出して用いることができる。また、変動パターン選択の先読みに用いる先読みテーブルに関しても、特別図柄処理の変動パターン選択処理で用いられる変動パターンテーブルを用いて良い。このように構成すれば、変動パターン選択の先読みに関する制御命令の数を削減し、プログラムのサイズの増大を抑制することができる。
【0179】
なお、事前判定処理と特別図柄変動時の大当たり判定処理とを、同様の判定テーブル群を用い同じサブルーチンにて行った場合、各処理の実行時が異なるために、事前判定結果と特別図柄変動時の大当たり判定処理による判定結果とが異なる場合があり得る。すなわち、事前判定処理の実行後、特別図柄変動開始時までにパチンコ遊技機100の遊技状態(高確率状態か低確率状態か、時短状態か時短無状態か)が変化した場合である。この場合、判定テーブルは遊技状態に応じて異なる種類のものが用いられるため、事前判定処理の実行時と大当たり判定処理の実行時とでは、判定に用いられる具体的な判定テーブルが異なることになる。そのため、始動口121、122への入賞時に獲得した同一の乱数値を使用しても、事前判定結果と大当たり判定処理の判定結果と異なる場合がある。このような場合、演出制御部300において、事前判定処理の実行後、特別図柄変動の開始時までに遊技状態が変化する場合は、事前判定結果に基づく演出を不実行とする(禁則)制御等を行っても構わない。
【0180】
〔コマンドの構成および伝送方式〕
ここで、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンド(演出制御用コマンドおよび設定用コマンド)の構成および伝送方式について説明する。
図25−1は、コマンドの構成を示す図である。
図25−1(a)はコマンドのデータ構造を示し、
図25−1(b)はコマンドのビット列としての構造を示す。
【0181】
図25−1(a)に示すように、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドは、1コマンドが2バイトで構成される。このコマンドは、第1データ部としての1バイトの「コード」と、第2データ部としての1バイトの「データ」で構成されている。「コード」は、コマンドの種類を示し、「データ」は、コマンドの値を示す。このコマンドは、1本のシリアル信号により調歩同期を用いて、遊技制御部200から演出制御部300へ送信される。なお、より一般的には、第1データ部である「コード」は、aビット(aは2以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定され、第2データ部である「データ」は、n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている。
【0182】
調歩同期を用いるため、コマンドを構成する「コード」および「データ」の各々の先頭には1ビットのスタートビット(図中、「S」と記載されたビット)が設けられ、最後尾には1ビットのエンドビット(図中、「E」と記載されたビット)が設けられる。また、コマンドを構成する「コード」および「データ」の各々には1ビットのパリティビット(図中、「P」と記載されたビット)が設けられる。
【0183】
図25−1(a)に示したように、コマンドを構成する「コード」と「データ」とは、どちらも1バイト(8ビット)のデータサイズを有する。そして、伝送される際、「コード」および「データ」には、それぞれ、スタートビット、エンドビットおよびパリティビットが設けられる。そのため、コマンドを受信する演出制御部300において、受信したデータ列がコマンドの「コード」であるのか「データ」であるのかを、データ列の外形から識別することは容易ではない。そこで、本実施の形態では、「コード」と「データ」とを識別するためのフラグを設定する。具体的には、「コード」を構成する8ビット値の特定箇所の値と、「データ」を構成する8ビット値のうち「コード」の特定箇所に対応する箇所の値とが異なるようにする。
【0184】
図25−1(b)に示す例では、「コード」および「データ」のそれぞれの先頭の1ビットをフラグとして用いている。すなわち、「コード」を構成する8ビット値においては、先頭の1ビットの値を「1」とし、「データ」を構成する8ビット値においては、先頭の1ビットの値を「0」とする。これにより、演出制御部300は、受信したデータ列のスタートビットに続く先頭の1ビットの値を調べることにより、そのデータ列が「コード」か「データ」かを識別することができる。なお、フラグの具体的な値は例示に過ぎず、「コード」と「データ」とを識別可能であれば、上記に示す値とは異なる値を用いても良い。
【0185】
ここで、「コード」は先頭の1ビットの値が「1」に特定されているので、「コード」が取り得る値の範囲は、10000000B(=80H)から11111111B(=FFH)までの128個である。なお、各値に付された文字「B」は2進数表記であることを示し、文字「H」は16進数表記であることを示す。また、「データ」は先頭の1ビットの値が「0」に特定されているので、「データ」が取り得る値の範囲は、00000000B(=00H)から01111111B(=7FH)までの128個である。すなわち、
図25−1(a)、(b)に示す構成によれば、各々128種類の値を取り得る、128種類のコマンドを設定することができる。
【0186】
ところで、パチンコ遊技機100では、遊技状態や特別図柄抽選の判定結果等に応じて多くの種類の演出が実行される。そのため、演出制御用のコマンドも多くのコマンド数が用意される。特に、コマンドの具体的な内容を示す値である「データ」は、上記の128個では不足することもあり得る。一方、コマンドの種類を示す「コード」は、通常、上記の128個よりも小さい数で足りる。そこで、「コード」のビット列の一部を、「データ」の値を記述するために用いることが考えられる。
【0187】
例えば、「コード」の最後尾の1ビットを「データ」の値の記述に用いる場合を考える。以下、「コード」および「データ」を構成する8ビットのビット列における各ビットを、第1ビット〜第8ビットと呼ぶ。また、「コード」を構成するビット列とは別に、実際にコマンドの種類を示す「コード」の値を「コード値」と呼び、「データ」を構成するビット列とは別に、実際にコマンドの値を示す「データ」の値を「データ値」と呼ぶ。すると、コード値は、「コード」のビット列のうち、第1ビットから第7ビットまでを用いて記述され、データ値は、「データ」のビット列の全て(第1ビットから第8ビットまで)と、「コード」の第8ビットとを用いて記述される。
【0188】
このように構成すれば、コード値の取り得る範囲は、第1ビットの値が「1」に特定されており、全体で7ビットのサイズであるので、1000000B(=40H)から1111111B(=7FH)までの64個である。また、データ値の取り得る範囲は、第1ビットの値が「0」に特定された「データ」の8ビットで表現される128個と「コード」の第8ビットの値「0」、「1」とを合わせて、256個である。したがって、データ値として256種類の値を持つコマンドを設定することが可能となる。
【0189】
なお、「コード」の一部を用いてデータ値を記述する場合における上記の構成は例示に過ぎず、具体的なビット数や値は上記の構成例には限定されない。例えば、「コード」の第7ビットおよび第8ビットを用いてデータ値を記述するように構成しても良い。より一般的には、第1データ部である「コード」を構成する所定のビットと、第2データ部である「データ」を構成するビットとを用いて、所定の種類のデータ(データ値)が記録される。そして、第1データ部である「コード」における上記の所定のビットを除く残りのビットを用いて、所定の種類のデータ(データ値)とは異なる他の種類のデータ(コード値)が記録される。言い換えると、第2データ部である「データ」を構成するaビットと、第1データ部である「コード」を構成するbビット(bはa−1よりも小さく、1以上の整数)とを用いて、(a+b)ビットのサイズのデータ値が記録される。
【0190】
また、扱うことができるデータ値の数を増やす手段としては、データ値を記述する「データ」のビット列を増やすことも考えられる。例えば、データ値を記述するビット列として、「第1データ」と「第2データ」とを用意することが考えられる。この場合、各ビット列を8ビットとすれば、合計で16ビットのビット列によりデータ値を記述することが可能となる。「第1データ」と「第2データ」とを識別するために、8ビットのビット列のうち第2ビットをフラグとして用いることにすると、例えば、「第1データ」の第1ビットおよび第2ビットを「00B」とし、「第2データ」の第1ビットおよび第2ビットは「01B」とすることができる。なお、第1ビットは、「コード」と識別するためのフラグとして値「0」となっている。すなわち、第2データ部である「データ」は、個々のデータ値を表すビット列(「第1データ」、「第2データ」、……)のサイズである8ビットごとに(より一般的には、上記aビットごとに)、先頭の1ビットの値と同じ値が設定される。
【0191】
このように構成すると、「第1データ」の取り得る値の範囲は、00000000B(=00H)から00111111B(=3FH)までの64個であり、「第2データ」の取り得る値の範囲は、01000000B(=40H)から01111111B(=7FH)までの64個であるので、合計で4096(=64×64)個となる。なお、ここでは、「コード」と「データ」(「第1データ」および「第2データ」)を識別するためのフラグとして第1ビットを用い、「第1データ」と「第2データ」とを識別するためのフラグとして第2ビットを用いることとしたが、第1、第2ビットを用いて4種類のビット列を識別するためのフラグを設定しても良い。例えば、「コード」は第1、第2ビットの値を「11B」とし、「データ」は第1、第2ビットの値を「00B」、「01B」、「10B」の何れかとすることが考えられる。
【0192】
〔遊技制御部のRAMにおけるコマンド出力のための構成例〕
図25−2は、RAM203におけるコマンド格納領域の構成例を示す図である。
図25−2に示すように、遊技制御部200のRAM203は、
図8に示した主制御処理等の各種の処理により生成される個々のコマンドが割り当てられたコマンド格納領域(記憶領域)を有する。
図25−2に示す例では、領域01から領域031までの31個のコマンド格納領域がRAM203に設定されている。ここで、各コマンド格納領域に対するコマンドの割り当ては、必ずしも1対1の対応関係とはならない。例えば、同時に生成されることがない複数のコマンドを、同一のコマンド格納領域に割り当てることが可能である。
図25−2に示す例では、領域01、領域09、領域012、領域019、領域020、領域021、領域022、領域023、領域030に対して複数のコマンドが割り当てられており、その他のコマンド格納領域にはそれぞれ1個ずつのコマンドが割り当てられている。
【0193】
図25−2に示す例において、領域01には、電源投入に関するコマンドが割り当てられている。電源投入に関するコマンドには、RAMクリア時の電源投入を制御するコマンドと、復旧時の電源投入を制御するコマンドとがある。これらのコマンドは、生成される場面が異なるので同時に生成されることがなく、いずれも領域01に割り当てられている。
【0194】
領域02〜領域04には、第1始動口121への入賞に関する3つのコマンド(図では「始動口1入賞」と記載)が割り当てられている。第1始動口121への入賞に関するコマンドの一つは、第1始動口121への入賞に基づく事前判定(
図9のS904参照)における判定(先読み)結果を示すコマンド(図では「特
図1図柄先読み」と記載)であり、領域02に割り当てられている。他の一つは、判定結果と共に特定される変動パターンの先読み(事前判定)結果を示すコマンド(図では「特
図1変動パターン先読み」と記載)であり、領域03に割り当てられている。さらに他の一つは、第1始動口121への入賞に基づき特別図柄抽選の保留数を更新(ここでは値を1増加)したことを示すコマンド(図では「特
図1保留(+1)」と記載)であり、領域04に割り当てられている。
【0195】
領域05〜領域07には、第2始動口122への入賞に関する3つのコマンド(図では「始動口2入賞」と記載)が割り当てられている。第2始動口122への入賞に関するコマンドの一つは、第2始動口122への入賞に基づく事前判定(
図9のS911参照)における判定結果を示すコマンド(図では「特
図2図柄先読み」と記載)であり、領域05に割り当てられている。他の一つは、判定結果と共に特定される変動パターンの先読み結果を示すコマンド(図では「特
図2変動パターン先読み」と記載)であり、領域06に割り当てられている。さらに他の一つは、第2始動口122への入賞に基づき特別図柄抽選の保留数を更新(ここでは値を1増加)したことを示すコマンド(図では「特
図2保留(+1)」と記載)であり、領域07に割り当てられている。
【0196】
領域08〜領域010には、普通図柄抽選に関する5つのコマンド(図では、それぞれ「普図保留」、「普図種類」、「普図確定」、「普図開閉」、「普図保留」と記載)が割り当てられている。普通図柄抽選に関するコマンドのうち、「普図保留」コマンドの一つは、遊技球がゲート124を通過したことに基づき普通図柄抽選の保留数を更新(ここでは値を1増加)したことを示すコマンド(図では「普図保留(+1)」と記載)であり、領域08に割り当てられている。「普図種類」コマンドは、普通図柄抽選において、判定結果を表す普通図柄を指定し、普通図柄表示器223の変動表示を開始したことを示すコマンド(図では「普通図柄変動開始」と記載)であり、領域09に割り当てられている。「普図確定」コマンドは、普通図柄抽選において、普通図柄表示器223を停止表示させ、普通図柄抽選の判定結果を表す普通図柄を確定させたことを示すコマンド(図では「普通図柄確定」と記載)であり、領域09に割り当てられている。「普図開閉」コマンドは、普通図柄抽選の判定結果に基づき普通電動役物である電動チューリップ123を作動させること(補助遊技)を示すコマンド(図では「普電開放・閉鎖」と記載)であり、領域09に割り当てられている。「普図保留」コマンドの他の一つは、普通図柄抽選の処理が行われたことにより保留数を更新(ここでは値を1減少)したことを示すコマンド(図では「普図保留(−1)」と記載)であり、領域010に割り当てられている。
【0197】
ここで、普通図柄抽選の処理において、普通図柄の変動表示、普通図柄の停止表示、補助遊技による電動チューリップ123の作動は、一連の操作として順次実行される。そして、電動チューリップ123の作動中に他の遊技球がゲート124を通過したことに基づく普通図柄の変動表示が開始されることはない(
図16参照)。そのため、上記の「普図種類」、「普図確定」、「普電開閉」の3種類のコマンドは、いずれも同時に生成されることはない。そこで、
図25−2に示す例では、これら3種類のコマンドを同一のコマンド格納領域(領域09)に割り当てている。
【0198】
領域011〜領域014には、特別図柄抽選に関する9つのコマンド(図では、「特図変動」、「特図特電」と記載)が割り当てられている。特別図柄抽選に関するコマンドのうち、「特図変動」コマンドの一つは、パチンコ遊技機100の現在の遊技状態(高確率状態か低確率状態か、時短状態か時短無状態か)を示すコマンド(図では「遊技状態」と記載)であり、領域011に割り当てられている。「特図変動」コマンドの他の一つは、特別図柄抽選において、特別図柄抽選の判定結果を表す特別図柄を指定し、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222の変動表示を開始したことを示すコマンド(図では「特図指定」と記載)であり、領域012に割り当てられている。「特図変動」コマンドのさらに他の一つは、特別図柄抽選において行われる特別図柄変動の変動パターンを特定するコマンド(図では「変動パターン」と記載)であり、領域013に割り当てられる。「特図変動」コマンドのさらに他の一つは、特別図柄抽選の処理が行われたことにより保留数を更新(ここでは値を1減少)したことを示すコマンド(図では「特図保留(−1)」と記載)であり、領域014に割り当てられている。
【0199】
一方、「特図特電」コマンドの一つは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを示すコマンド(図では「客待ち」と記載)であり、領域012に割り当てられている。「特図特電」コマンドの他の一つは、特別図柄抽選の判定結果に基づき特別電動役物である大入賞口125を作動させること(特別遊技、大当たり遊技)を示すコマンド(図では「特電開放」と記載)であり、領域012に割り当てられている。「特図特電」コマンドのさらに他の一つは、大当たり遊技のオープニング動作が開始されたことを示すコマンド(図では「大当たりOP」と記載)であり、領域012に割り当てられている。「特図特電」コマンドのさらに他の一つは、大当たり遊技のエンディング動作が開始されたことを示すコマンド(図では「大当たりED」と記載)であり、領域012に割り当てられている。「特図特電」コマンドのさらに他の一つは、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222を停止表示させ、特別図柄抽選の判定結果を表す特別図柄を確定させたことを示すコマンド(図では「特図確定」と記載)であり、領域012に割り当てられている。
【0200】
ここで、特別図柄抽選の処理において、特別図柄の変動表示、特別図柄の停止表示、特別遊技による大入賞口125の作動は、一連の操作として順次実行される。そして、特別遊技の実行中に他の遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示が開始されることはない(
図11参照)。また、大当たり遊技では、オープニング動作、大入賞口125の作動、エンディング動作が、一連の操作として順次実行される。そのため、上記の「特図変動」コマンドにおける「特図指定」コマンドおよび5種類の「特図特電」コマンドは、いずれも同時に生成されることはない。そこで、
図25−2に示す例では、これら6種類のコマンドを同一のコマンド格納領域(領域012)に割り当てている。
【0201】
領域015〜領域018には、スイッチ検出に関する4つのコマンド(図では「スイッチ通過」と記載)が割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドの一つは、遊技領域111の左側のゲート124Lを遊技球が通過したことを示すコマンド(図では「左ゲート通過」と記載)であり、領域015に割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドの他の一つは、遊技領域111の右側のゲート124Rを遊技球が通過したことを示すコマンド(図では「右ゲート通過」と記載)であり、領域016に割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドのさらに他の一つは、第2始動口122に遊技球が入賞したことを示すコマンド(図では「始動口SW2通過(電チュー)」と記載)であり、領域017に割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドのさらに他の一つは、大入賞口125に遊技球が入賞したことを示すコマンド(図では「大入賞口入賞」と記載)であり、領域018に割り当てられている。
【0202】
領域019〜領域030には、エラーに関するコマンド(図では「エラー」と記載)が割り当てられている。パチンコ遊技機100の遊技制御部200が検出するエラーとしては、例えば、払出球が皿153(
図1、
図2(b)参照)に一杯になったことを示す満タンエラー、枠部材150の前面枠が開状態となっていることを示す扉開放エラー、払い出しユニットによる遊技球の払い出しができなくなったことを示す払い出しエラー、ゲートスイッチ214や始動口スイッチ211、212等の各種の検知スイッチが未接続となっていることを示すスイッチ未接続エラー等がある。
図25−2に示す例では、これらのエラーが、それぞれ領域019〜領域023に割り当てられている。また、エラーごとに、各エラーが発生したことを示すコマンド(図では「〜エラー開始」と記載)と、各エラーが解消したことを示すコマンド(図では「〜エラー終了」と記載)とが、同一のコマンド格納領域に割り当てられている。
【0203】
この他、パチンコ遊技機100の仕様や機能に応じて種々の制御項目やエラー項目を設定し、制御項目に応じたコマンド、エラーが発生したことを示すコマンド、エラーの種類によってはエラーが解消したことを示すコマンド等を生成するように構成して良い。そして、これらのコマンドを、コマンド格納領域に適宜割り当てることができる。
図25−2に示す例では、領域024〜領域030に、種々のエラーに関するコマンドが個別に割り当てられている。また、領域031に、特定の入賞を検出して通知するためのコマンド(図では「入賞通知指定」と記載)が割り当てられている。
【0204】
以上のように、遊技制御部200のRAM203に設けられたコマンド格納領域は、1つのコマンド格納領域に対して一種類または複数種類のコマンドが対応付けられている。そして、
図8に示した主制御処理において、遊技制御部200は、生成したコマンドを、そのコマンドに対応付けられているコマンド格納領域に格納していく。
ここで、主制御処理では、1サイクルの処理が実行される度に、必ずしも全てのコマンドが生成される訳ではない。例えば、第1始動口121や第2始動口122への入賞がないときは、上記の始動口121、122への入賞に関するコマンドや「特図変動」コマンドは生成されない。また、普通図柄抽選に関するコマンドのうちの「普図開閉」コマンドや「特図特電」コマンドは、これらの電動役物を作動させるべきタイミングでなければ生成されない。また、エラーの発生に関するコマンドは、そもそもエラーが発生していなければ生成されない。
したがって、主制御処理の出力処理(
図8のS806参照)が行われる際には、通常、RAM203に設けられたコマンド格納領域のうち、いくつかのコマンド格納領域にはコマンドが格納されており、他のコマンド格納領域にはコマンドが格納されていない状態となる。
【0205】
〔コマンドの出力動作〕
図25−3は、出力制御部240による出力処理の内容を示すフローチャートである。
本実施の形態では、出力制御部240は、
図25−2に示したRAM203のコマンド格納領域の上から順に(領域番号の順に)着目し、各コマンド格納領域に格納されているコマンドを出力する。
【0206】
図25−3に示すように、遊技制御部200の出力制御部240は、まず、RAM203に設けられたコマンド格納領域のうち、先頭のコマンド格納領域(
図25−2に示す例では領域01)に着目し(S2501)、コマンドが格納されているか否かを調べる(S2502)。そして、コマンドが格納されているならば(S2502でYes)、出力制御部240は、格納されているコマンドを読み出して演出制御部300へ出力する(S2503)。
【0207】
着目したコマンド格納領域(初期的には領域01)にコマンドが格納されていなかった場合(S2502でNo)、またはS2503でコマンド格納領域に格納されていたコマンドを出力した後、出力制御部240は、次の領域番号のコマンド格納領域が有るか否かを調べる(S2504)。次のコマンド格納領域が有る場合(S2504でYes)、出力制御部240は、そのコマンド格納領域に着目し(S2505)、S2502へ戻って、コマンドの有無の確認(S2502)、出力(S2503)を繰り返す。そして、最後のコマンド格納領域(
図25−2に示す例では領域031)に対して処理を行ったならば、次の領域番号のコマンド格納領域が無いので(S2504でNo)、出力処理を終了する。
【0208】
〔コマンドの出力順の設定〕
主制御処理においては、
図9乃至
図19を参照して説明した各処理においてコマンドが生成されると、通常、直ちに生成されたコマンドがRAM203の対応するコマンド格納領域に格納される。すなわち、コマンド格納領域へのコマンドの格納は、一般に、コマンドが生成された順に行われる。
一方、
図25−3を参照して説明したように、出力制御部240による出力処理では、一定の順序(上記の例では領域番号の順)で各コマンド格納領域に着目し、格納されているコマンドを出力する。すなわち、コマンドの出力は、コマンドが生成された順に関わらず、予め定められた特定の順序で行われる。これは、コマンドに基づく演出制御部300の演出制御において混乱を防ぐために、特定のコマンドに関しては特定の順序で演出制御部300に送信されることが望ましい場合があるためである。すなわち、演出制御部300は遊技制御部200から受信した順にコマンドに基づく演出制御を実行するため、コマンドを受信する順番が異なることによって、演出制御に矛盾が生じる等の混乱が生じる場合があるので、これを防止する必要がある。
【0209】
なお、上記のように遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドに従い、演出制御部300は、例えば画像表示部114、盤ランプ116、スピーカ156、枠ランプ157などを制御する。例えば、扉開放エラー開始を示すコマンドを演出制御部300が受信した際には、演出制御部300は、「係員を呼んで下さい。」とのメッセージや、異常状態を示す画像などを画像表示部114に表示させる。また、演出制御部300は、スピーカ156から、異常状態を示す警報などを出力させるとともに、楽曲や音声、効果音などを出力させることを制限する。また、演出制御部300は、異常状態を示す態様として、例えば赤色で盤ランプ116や枠ランプ157を点灯させる。
【0210】
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図26は、演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、
図26(a)に示すメイン処理と、
図26(b)に示す割り込み処理とからなる。
図26(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(S2601)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(S2602)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(S2603)、割り込み処理を受け付ける。
【0211】
割り込み処理は、S2602で設定された周期にしたがって定期的に行われる。
図26(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(S2611)。このコマンド受信処理において、演出内容(演出パターン)が選択される。また、演出制御部300は、遊技者による演出ボタン161等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(S2612)。この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信処理を行う(S2613)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
【0212】
〔演出制御部によるコマンド受信処理〕
図27は、コマンド受信処理(
図26(b)のS2611)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドを受信したか否かを判断する(S2701)。なお、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、
図9に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(S906、S907、S913、S914)、
図8に示した出力処理(S806)で演出制御部300へ送信されたコマンドである。
そして、演出制御部300は、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドを受信したと判断した場合(S2701でYes)、RAM303に保持されている保留数の値を1加算する(S2702)。さらに、演出制御部300は、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドに基づいて、事前判定演出選択処理を行う(S2703)。なお、事前判定演出選択処理の内容については後に説明する。
【0213】
受信したコマンドが事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドでない場合(S2701でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが変動開始コマンドか否かを判断する(S2704)。この変動開始コマンドは、遊技制御部200において、
図11に示した特別図柄処理においてセットされ(S1111)、
図8に示した出力処理(S806)で演出制御部300へ送信されたコマンドである。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(S2704でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(S2705)。また、変動開始コマンドを受信した際は、演出選択処理において用いられる演出制御用の乱数値が取得される。この乱数値は、
図26(a)に示すメイン処理のS2603で定期的に更新される乱数値である。演出選択処理の詳細については後述する。
【0214】
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンドおよび変動開始コマンドでない場合(S2701およびS2704でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが変動停止コマンドか否かを判断する(S2706)。この変動停止コマンドは、遊技制御部200において、
図11に示した特別図柄処理においてセットされ(S1114)、
図8に示した出力処理(S806)で演出制御部300へ送信されたコマンドである。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(S2706でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(S2707)。なお、変動演出終了中処理においては、演出制御部300は、受信した変動停止コマンドを解析し、図柄変動の演出の終了を指示するための変動演出終了コマンドをRAM303にセットする。
【0215】
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンドおよび変動停止コマンドでない場合(S2701、S2704およびS2706でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり遊技のオープニング動作を開始するためのオープニングコマンドか否かを判断する(S2708)。このオープニングコマンドは、
図14に示した停止中処理においてセットされ(S1418)、
図8に示した出力処理(S806)で演出制御部300へ送信されたコマンドである。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(S2708でYes)、演出制御部300は、大当たり演出選択処理を実行する(S2709)。大当たり演出選択処理の詳細については後述する。
【0216】
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンドおよびオープニングコマンドでない場合(S2701、S2704、S2706およびS2708でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり遊技のエンディング動作を開始するためのエンディングコマンドか否かを判断する(S2710)。このエンディングコマンドは、
図17に示した大入賞口処理においてセットされ(S1713)、
図8に示した出力処理(S806)で演出制御部300へ送信されたコマンドである。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(S2710でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(S2711)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
【0217】
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンドおよびエンディングコマンドでない場合(S2701、S2704、S2706、S2708およびS2710でNo)、次に演出制御部300は、受信したコマンドが客待ち状態に移行するための客待ちコマンド受信処理を実行する(S2712)。具体的には、演出制御部300は、客待ちコマンドを受信した場合、客待ち演出(デモ演出)を行うための客待ち演出コマンドをRAM303にセットして客待ちコマンド受信処理を終了する。
【0218】
図28は、
図27の事前判定演出選択処理(S2703)および演出選択処理(S2705)の内容を示すフローチャートである。
事前判定演出選択処理において、演出制御部300は、まず、遊技制御部200から受信した事前判定結果コマンドを解析する(S2801)。さらに、演出制御部300は、遊技制御部200から受信した保留数増加コマンドを解析する(S2802)。そして、演出制御部300は、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドに基づいて、事前判定演出で用いられる演出パターン(事前判定演出パターン)を選択する(S2803)。
【0219】
そして、演出制御部300は、加算後の保留数の値と、事前判定演出選択処理において選択された事前判定演出パターンの情報とが含まれる保留数コマンドをRAM303にセットする(S2804)。なお、保留数コマンドには、画像/音響制御部310のCPU311に対して選択された事前判定演出パターンを通知するために、当該パターンを示す情報が含まれる。CPU311は保留数コマンドを受信することで、選択された事前判定演出パターンに対応する画像や音響をVDP314に描画、出力処理させるためのディスプレイリスト等の作成を行う。VDP314は当該ディスプレイリスト等に基づいて、選択された事前判定演出パターンを表すための画像データや音響データをCGROM315やSNDROM316から読み出して、事前判定演出を画像表示部114やスピーカ156を用いて表現する。
【0220】
演出選択処理において、演出制御部300は、まず、受信した変動開始コマンドを解析する(S2811)。また、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(S2812)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(図柄の種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)などに基づき、画像表示部114に表示する画像による図柄変動の変動演出パターンを選択する(S2813)。
【0221】
最後に、演出制御部300は、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットする(S2814)。なお、変動演出開始コマンドには、CPU311に対して選択された変動演出パターンを通知するために、当該パターンを示す情報が含まれる。CPU311は変動演出開始コマンドを受信することで、選択された変動演出パターンに対応する画像や音響をVDP314に描画、出力処理させるためのディスプレイリスト等の作成を行う。VDP314は当該ディスプレイリスト等に基づいて、選択された変動演出パターンを表すための画像データや音響データをCGROM315やSNDROM316から読み出して、変動演出を画像表示部114やスピーカ156を用いて表現する。
【0222】
詳述しないが、S2813における図柄変動の変動演出パターンの選択処理では、変動パターンに基づいて変動演出パターンが決定される。ここで決定された変動演出パターンに基づいて、装飾図柄の変動表示、背景演出および予告演出等が決定される。なお、装飾図柄の変動表示とは、第1特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222で行われる特別図柄の変動表示に伴い、画像表示部114にて行われる演出表示である。この装飾図柄の変動表示において、リーチ演出等が実行される。なお、本実施の形態とは異なり、変動パターンに対して複数の変動演出パターンが設定されている場合には、演出乱数(
図26(a)のS2603において更新されている乱数の一つであり、変動開始コマンド受信時に演出乱数値を取得)を用いて、抽選により変動演出パターンを選択してもよい。
【0223】
図29は、
図27の大当たり演出選択処理(S2709)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンド(大当たり図柄の種別についての情報を含む)を解析し(S3001)、演出のパターン(大当たり演出パターン)を選択する(S3002)。そして、演出制御部300は、選択した大当たり演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する大当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、大当たり演出選択処理を終了する(S3003)。これにより、大当たり中の演出が決定される。なお、大当たり演出パターンの選択(S3002)において、コマンド受信時に取得される乱数値に基づく判定を行っても良い。
【0224】
図30は、
図27のエンディング演出選択処理(S2711)の内容を示すフローチャートである。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンド(大当たり図柄の種別についての情報を含む)を解析し(S3101)、演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(S3102)。そして、演出制御部300は、選択したエンディング演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(S3103)。なお、エンディング演出パターンの選択(S3102)において、コマンド受信時に取得される乱数値に基づく判定を行っても良い。
【0225】
以上のようにしてコマンド受信処理が完了すると、RAM303には、変動演出開始コマンド、変動演出終了コマンド、大当たり演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、客待ち演出コマンドの何れかがセットされている。
【0226】
図31は、演出ボタン処理(
図26(b)のS2612)の内容を示すフローチャートである。
この演出ボタン処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン161等の操作手段が所定の受付期間(有効期間)中に操作されたか否かを判断する(S3301)。ここで、操作手段の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
【0227】
演出ボタン161等の操作手段が操作されたならば(S3301でYes)、演出制御部300は、操作手段の操作内容を示す情報を含む演出ボタンコマンドをRAM303にセットして演出ボタン処理を終了する(S3302)。
【0228】
この後、演出制御部300は、
図26(b)のコマンド送信処理(S2613)を行って、上記のコマンド受信処理および演出ボタン処理でRAM303にセットされたコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信する。そして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320が、受信したコマンドに基づき、画像表示部114による画像表示、スピーカ156による音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等を制御して、設定された演出を実行する。
【0229】
〔変動演出パターンテーブル〕
図32および
図33は、
図28(b)の演出選択処理における変動演出パターン選択(S2813)において用いられる変動演出パターンテーブルの設定例を示す図である。なお、
図32は低確率時短無遊技状態における大当たり用の変動演出パターンテーブルを示し、
図33は低確率時短無遊技状態における小当たりおよびはずれ用の変動演出パターンテーブルを示す。
【0230】
図32に示す大当たり用の変動演出パターンテーブルには、複数の変動演出パターンが設定されている。上記の
図21を用いて設定される変動パターン「PA1」〜「PA6」、「PB1」〜「PB14」、および「PC1〜PC2」に対して、変動演出パターン「EA1」〜「EA6」、「EB1」〜「EB14」、および「EC1〜EC2」が1対1で対応付けられている。
また、
図33に示す小当たりおよびはずれ用の変動演出パターンテーブルには、複数の変動演出パターンが設定されている。上記の
図21を用いて設定される変動パターン「PD1〜PD2」および「PR1」〜「PR10」に対して、変動演出パターン「ES1〜ES2」および「ER1」〜「ER10」が1対1で対応付けられている。
【0231】
ここで、変動演出とは、装飾図柄を変動表示させてから停止表示することによって、特別図柄抽選の判定結果(つまり、大当たりしたか否か)を演出的に報知するための演出である。
また、図示の変動演出パターンにおいては、「疑似連続回数」、「ノーマル」、「SPリーチ」、および「SPSPリーチ」が設定されている。なお、図示のテーブルの各欄における「‐」は、該当する演出が実行されないことを示す。
【0232】
ここで、「疑似連続回数」は、疑似連続演出(疑似連)の回数である。この疑似連続演出は、特別図柄の一変動分の変動表示において、複数回分の装飾図柄の変動表示が行われているかのように見せる演出である。疑似連続演出においては、演出制御部300は、リーチ状態とする前に、装飾図柄を変動させた後、装飾図柄を一旦仮停止させ、その後再び装飾図柄の変動表示を開始させる。言い替えると、疑似連続演出においては、装飾図柄の変動開始後、設定された疑似連続回数だけ装飾図柄の仮停止と再変動とを繰り返した後、確定停止させることで、特別図柄の一変動分の変動表示を終える。ここで、仮停止とは、一見して装飾図柄が停止しているように見えるものの、実際には図柄がわずかに揺れ動いている疑似的な停止状態である。言い替えると、装飾図柄の仮停止は、遊技制御上は変動が継続しているものとして扱われる状態である。また、装飾図柄の確定停止とは、特別図柄の一変動分の変動表示において、停止図柄として確定させる状態をいう。
図示の例においては、「疑似連続回数」が「‐」、「1」、「2」、「3」すなわち0回から3回の間で設定される。また、疑似連続回数は、期待度と関連付けて設定されている。すなわち、疑似連続回数が多いほど、期待度が高くなるように設定されている。
【0233】
「ノーマル」は、リーチ演出の種別を示す。図示の例においては、リーチ演出の種別として、「N1」、「N2」、「N3」のいずれかが実行される。
「SPリーチ」は、SPリーチ演出の種別を示す。図示の例においては、SPリーチ演出の種別として、「SP1」、「SP2」、「SP3」、「SP4」のいずれかが実行される。また、「SP1」、「SP2」、「SP3」の順で、数字が大きいほど、期待度が高くなるように設定されている。
【0234】
「SPSPリーチ」とは、SPSPリーチ演出の種別を示す。図示の例においては、SPSPリーチ演出の種別として、「SPSP1」、「SPSP2」、「SPSP3」のいずれかが実行される。また、「SPSP1」、「SPSP2」、「SPSP3」の順で、数字が大きいほど、期待度が高くなるように設定されている。
【0235】
さて、演出制御部300は、
図32に示すテーブルに基づいて、変動演出パターンを決定する。具体的には、演出制御部300は、
図32に示すテーブルに基づいて、変動パターン選択処理(
図13参照)にて設定される変動パターンに対応した変動演出パターンを選択する。
例えば、
図32において、「大当たり図柄」が「高確率図柄A」であり、かつ変動パターンが「PB1」である場合、変動演出パターンとして「EB1」が選択される。そして、この変動演出パターン「EB1」においては、「疑似連続回数」は「−」、すなわち疑似連続演出は実行されない。また、「ノーマル」として「N1」が実行され、「SPリーチ」として「SP1」が実行される。また、「SPSPリーチ」は「−」、すなわち実行されない。
【0236】
〔変動期間音演出〕
まず、本実施形態においては、図柄変動が開始されると、演出制御部300の画像/音響制御部310が、画像表示部114に装飾図柄を表示させるとともに、スピーカ156に所定の音(演出音)を出力させる。そして、このスピーカ156により出力される音を変化させることにより、特別図柄変動が実行されている際の演出を盛り上げる。さらに説明をすると、本実施形態においては、スピーカ156が演出音を出力する期間と、スピーカ156が演出音を出力しない期間(無音期間、詳細は後述)とを組み合わせて演出を実行する。
【0237】
以下、
図34を参照しながら、特別図柄変動を開始してから停止するまでの間に、スピーカ156や画像表示部114などによって実行される、演出音(所定の音)を用いた演出(変動期間音演出)について説明をする。
【0238】
図34は、変動期間音演出を説明するタイミングチャートである。より具体的には、
図34の「パターン1」は
図32に示す変動演出パターン「EB1」、「パターン2」および「パターン3」は
図33に示す変動演出パターン「ER3」および「ER2」に基づいて実行される変動期間音演出のタイミングチャートを示す。
【0239】
まず、スピーカ156は、演出制御部300の画像/音響制御部310が制御することにより、演出音として種々の音を出力する。図示の例におけるスピーカ156は、例えば楽曲、導入音、爆発音、および確定音などを出力する。
ここで、楽曲は、バックグラウンドミュージック(BGM)である。図示の例の楽曲は、楽曲Aおよび楽曲Bを含む。楽曲Aおよび楽曲Bは、互いに異なる楽曲である。楽曲Bは、楽曲Aと比較して、大当たりすることを期待させる程度である期待度(信頼度)がより高くなるように設定されている。すなわち、楽曲として、楽曲Aおよび楽曲Bのいずれが出力されるかに応じて、大当たりの当選の期待度が遊技者に対して報知または示唆される。
【0240】
また、導入音は、後述する無音期間の開始にともない出力される演出音である。すなわち、導入音は、無音期間が開始されることを遊技者に報知または示唆する。さらに言い替えると、導入音は、無音期間前にそれまで出力されていた演出音(例えば楽曲A)が停止した後に出力される演出音である。
【0241】
ここで、導入音は、それまで出力されていた演出音(例えば楽曲A)とは異なる音であることが好ましい。さらに説明をすると、導入音は、無音期間が開始される際にのみ出力される音であることが好ましい。
【0242】
また、導入音が出力される時間(継続時間)は、遊技者の注意を喚起できる程度の長さであり、かつ比較的短時間である。言い替えると、導入音が出力される時間は、図柄変動開始から導入音が出力されるまでの時間よりも短時間である。具体的には、約0.1秒間〜3秒間、より好ましくは約0.1秒間〜1秒間の範囲で出力される。図示の例における導入音としては、電子音の「ピンポーン」という演出音が出力されるものとする。なお、ここでは便宜上、楽曲Aが停止した後に導入音が出力されることを説明したがこれに限定されない。すなわち、後述するクロスフェードにより、再生されている楽曲Aに重ねて導入音を出力してもよい。
【0243】
爆発音は、後述する無音期間中に出力される演出音(SE音)である。さらに説明をすると、爆発音は、無音期間中に例外的に出力される特別な演出音である。ここで、爆発音としては、爆発音Aおよび爆発音Bのいずれかが出力される。図示の例における爆発音Aおよび爆発音Bは、ともに電子音の「ドカーン」という効果音である。そして、爆発音Aは、爆発音Bと比較して、低音および大音量である。また、爆発音Aは、爆発音Bと比較して、期待度がより高くなるように設定されている。すなわち、爆発音Aおよび爆発音Bのいずれが出力されるかに応じて、大当たりの当選の期待度が遊技者に対して報知または示唆される。なお、爆発音は、爆発音が出力されない場合と比較して、期待度がより高くなるように設定されている。さらに説明をすると、爆発音が出力されない場合、爆発音Bが出力される場合、爆発音Aが出力される場合の順で、後になるほど期待度が高くなるように設定されている。
【0244】
ここで、爆発音が出力される時間(継続時間)は、遊技者の注意を喚起できる程度の長さであり、かつ比較的短時間である。爆発音が出力される時間(期間)は、無音期間の継続時間よりも短い。具体的には、約0.1秒間〜3秒間、より好ましくは約0.1秒間〜1秒間の範囲で出力される。なお、この爆発音は、楽曲Aで出力される音および導入音とは異なる音であることが好ましい。さらに説明をすると、爆発音は、無音期間中にのみ出力される音であることが好ましい。
【0245】
確定音は、変動演出の終了にともない出力される演出音である。すなわち、確定音は、装飾図柄が停止(確定停止)することを遊技者に報知する。ここで、確定音としては、確定音Aおよび確定音Bのいずれかが出力される。確定音Aは特別図柄抽選の抽選結果が大当たりである場合に出力され、確定音Bは特別図柄抽選の抽選結果がはずれである場合に出力される。したがって、確定音は、特別図柄抽選の抽選結果を遊技者に対して報知する。例えば、スピーカ156は、確定音Aとして「ズシャーン!」という音を出力し、確定音Bとして「チュン!」という音を出力する。
【0246】
さて、本実施の形態においては、無音演出が実行される。無音演出とは、所定の期間、スピーカ156から音を出力しない制御を行う演出である。すなわち、無音演出とは、スピーカ156から出力される音の音量をゼロとする(無音とする)期間、すなわち無音期間を設ける演出である。
【0247】
この無音期間の継続時間は、遊技者が演出音の停止を認識できる程度の長さである。例えば、無音期間の継続時間は、約0.5秒間〜20秒間の範囲、より好ましくは約3秒間〜10秒間の範囲である。また、無音期間は、導入音あるいは爆発音が出力される時間よりも長い。
【0248】
ここで、無音期間の継続時間は、変動パターンに関わらず常に一定の長さに設定(制御)される。なお、この例とは異なり、所定の条件に応じて、無音期間の長さを変更する制御例も考えられる。例えば、期待度に応じて、無音期間の長さを設定してもよい。具体的には、期待度が高い場合は、期待度が低い場合と比較して、無音期間をより長く設定してもよい。このように設定することにより、無音期間が長いほど、遊技者の期待感(ドキドキ感)が煽られ得る。言い替えると、遊技者が、無音期間が長く続くことを期待するという演出効果が得られる。
【0249】
また、無音期間においては、スピーカ156が爆発音以外の演出音を出力してもよい。また、上記無音期間に変えて、スピーカ156が出力する演出音の音量を抑制する期間(抑音期間)としてもよい。すなわち、無音演出には、無音期間において完全に無音でなくても、楽曲を小さく出力する態様や、内部的に出力する態様も含まれる。さらに説明をすると、無音期間前と比較して遊技者が聞き取り困難な音量あるいは音域で、スピーカ156が音を出力していてもよい。例えば、パチンコ遊技機100(
図1参照)がホールに設置された状態において、遊技者が聞き取れない程度の音量で楽曲Aを出力してもよい。また、一部の遊技者には聞き取り容易で、他の遊技者には聞き取り難い音(例えば、モスキート音)をスピーカ156が出力してもよい。
【0250】
ここで、
図34に示すパターン1は期待度が高い演出(高期待度演出)であり、パターン2は期待度が中程度の演出(中期待度演出)であり、パターン3は期待度が低い演出(低期待度演出)である。また、
図34の「パターン1」における特別図柄抽選の抽選結果は大当たりであり、
図34の「パターン2」および「パターン3」における特別図柄抽選の抽選結果ははずれである。
【0251】
なお、特別図柄の変動パターン(変動時間)は、
図34の「パターン1」、「パターン2」、および「パターン3」の順で、後になるほど短くなる。また、「パターン1」および「パターン2」においては無音期間中に「爆発音」が出力され、
図34の「パターン3」においては「爆発音」が出力されない。
以下、「パターン1」、「パターン2」および「パターン3」につき、各々詳細に説明をする。
【0252】
まず、「パターン1」について説明をする。
図34に示すように、「パターン1」においては、図柄変動の開始とともにスピーカ156が楽曲Aを所定の期間出力(再生)した後、導入音を出力する。このとき、導入音の出力とともに楽曲Aの出力は停止される。そして、スピーカ156は、無音演出を実行する。また、高期待度演出である「パターン1」においては、無音期間中に爆発音Aが出力される。そして、無音期間終了後に、無音期間の前に出力されていた楽曲Aとは異なる楽曲Bが出力される。その後、図柄変動の停止とともに楽曲Bが停止し、確定音Aが出力される。
【0253】
次に、「パターン2」について説明をする。
図34に示すように、「パターン2」においては、図柄変動の開始とともにスピーカ156が楽曲Aを出力した後、導入音を出力する。このとき、導入音の出力とともに楽曲Aの出力は停止される。そして、スピーカ156は、無音演出を実行する。また、中期待度演出である「パターン2」においては、無音期間中に爆発音Bが出力される。そして、無音期間終了後に、無音演出の前に出力されていた楽曲Aとは異なる楽曲Bが出力される。その後、図柄変動の停止とともに楽曲Bが停止し、確定音Bが出力される。なお、無音期間が終了してから図柄変動の停止までの時間は、「パターン1」と比較して「パターン2」の方が短い。また、無音期間が開始されてから爆発音が出力されるタイミングは、「パターン1」と「パターン2」とで一致する。
【0254】
次に、「パターン3」について説明をする。
図34に示すように、「パターン3」においては、図柄変動の開始とともにスピーカ156が楽曲Aを出力した後、導入音を出力する。このとき、導入音の出力とともに楽曲Aの出力は停止される。そして、スピーカ156は、無音演出を実行する。なお、低期待度演出である「パターン3」においては、無音期間中に爆発音は出力されない。そして、無音期間終了後に、無音期間の前と同様に楽曲Aが出力される。その後、図柄変動の停止とともに楽曲Aが停止し、確定音Bが出力される。なお、無音期間が終了してから図柄変動の停止までの時間は、「パターン1」および「パターン2」と比較して「パターン3」の方が短い。さらに説明をすると、無音演出の終了後に楽曲の出力が継続する時間は、「パターン1」、「パターン2」、および「パターン3」の順で、後になるほど短くなる。
【0255】
上記のように、高期待度演出である「パターン1」および中期待度演出である「パターン2」においては爆発音が出力され、低期待度演出である「パターン3」においては爆発音が出力されない。そして、爆発音が出力されない場合と比較して、爆発音が出力されると、期待度がより高くなるように設定されている。このことにより、遊技者は爆発音が出力されることを期待する。
【0256】
また、爆発音が出力される場合であっても、爆発音Bが出力される場合と比較して、爆発音Aが出力される場合の方が、期待度がより高くなるように設定されている。このことにより、遊技者は爆発音Aが出力されることを期待する。
【0257】
このように遊技者が期待感をもって聞き取ろうとする爆発音の演出効果をより際立たせるために、本実施の形態においては爆発音以外の演出音の出力が抑制される。すなわち、無音演出の継続中に、爆発音が出力される。さらに説明をすると、無音期間を開始してから所定の時間経過後に爆発音の出力が開始される。また、無音演出の終了前に、爆発音の出力が終了する。すなわち、爆発音の出力が終了した後に、再び演出音が出力されない状態となる。なお、爆発音の出力が終了するタイミングよりも前に、演出音(例えば楽曲B)の出力が開始されてもよい。なお、詳細は後述するが、無音演出の継続中(無音期間中)に、画像表示部114によって実行される演出態様を抑制する(控えめにする)ことにより、爆発音の演出効果がより際立つ。
【0258】
また、図示の例においては、無音演出の開始にともない、導入音が出力される。この導入音を出力することにより、爆発音が出力され得ることを遊技者に報知(示唆)する。したがって、導入音を聞いた遊技者は、爆発音が出力されることを期待する。言い替えると、導入音を出力することにより、爆発音が出るか否かについて遊技者を煽る。また、導入音を出力することにより、爆発音Bよりも期待度が高い爆発音Aが出るか否かについて遊技者を煽る。
【0259】
付言すると、上述のように図柄変動の開始にともない出力されていた楽曲Aが、導入音の出力とともに唐突に終了するように演出を行うことにより、遊技者に驚きを提供し得る。また、無音期間を経てスピーカ156による演出音の出力が再開される際に、楽曲Aおよび楽曲Bのいずれが出力されるかにより、遊技者が期待度を推量する楽しみを提供し得る。付言すると、パターン1およびパターン2においては、無音期間の前後で出力される楽曲が変化することにより、遊技者を煽ることができる。
【0260】
また、パターン1およびパターン2においては、無音期間中に爆発音が出力されると、遊技者は期待感を高めた状態すなわち興奮した状態となる。このような状態において、無音期間後に楽曲を変化させることで、遊技者をさらに興奮させることができる。
【0261】
また、本実施の形態においては、無音期間を設けることにより、楽曲が変更されたことを遊技者がより確実に認識できる。また、無音期間を設けることにより、楽曲が変わる可能性があると遊技者に期待をさせることができる。
【0262】
さらに、無音期間は、遊技者による演出ボタン161(
図1参照)などの操作をともなわずに所定のタイミングで開始される。このことにより、無音期間が唐突に開始された印象を遊技者に与え得る。
【0263】
なお、「パターン3」において無音期間後に出力される楽曲Aは、無音期間前から継続して出力される。詳細は後述するが、音量をゼロ(消音、ミュート)としながら、楽曲Aは無音期間の間も進行する。そして、無音期間後に再び音量を大きくすることで、楽曲Aの出力が再開される。なお、この例とは異なり、無音期間中に楽曲Aを停止させ、無音期間後に停止していた箇所から楽曲Aの出力を再開してもよいし、無音期間後に楽曲Aを冒頭から出力し直してもよい。
【0264】
また、図示の例においては、無音期間中に爆発音を出力し、無音期間後に楽曲を変化させることを説明したが、これに限定されない。例えば、無音期間中に爆発音を出力しながら、無音期間後に楽曲を変化させない態様でもよい。あるいは、無音期間中に爆発音を出力せず、無音期間後に楽曲を変化させる態様でもよい。
【0265】
〔変動期間音演出の表示画像〕
図35は、「パターン1」において実行される変動期間音演出の表示画像を説明する図である。
次に、
図35を参照しながら、変動期間音演出において画像表示部114に表示される画像を説明する。
【0266】
まず、画像表示部114は、演出制御部300が制御することにより、演出画像として種々の画像を表示する。図示の例における演出画像は、背景P11、装飾図柄P12、保留画像P13、煽り画像P14、爆発画像P16、次回画像P18、第1SP画像P20、第2SP画像P21(後述する
図36参照)、第4図柄P23、保留数表示P24などを含む。
【0267】
背景P11は、例えばパチンコ遊技機100の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する画像(街並みや風景)などである。この画像は、時間の経過とともに変化しながら表示される画像(動画)である。また、背景P11は、黒色や白色などの単色画像であってもよい。この単色の画像は、時間の経過とともに変化しない画像(静止画)である。また、この単色画像は、画像表示部114の画像表示領域全体を実質的に占める範囲に表示される画像である。
【0268】
装飾図柄P12は、所謂演出図柄であり、図示の例においては3つの装飾図柄として表示される。演出制御部300は、装飾図柄P12の変動演出において、3つの装飾図柄P12を例えば縦スクロールにて変動表示させた後、左側の装飾図柄、右側の装飾図柄、中央の装飾図柄を順に仮停止させ、最後に全ての装飾図柄P12を確定停止させる。なお、図示の例における装飾図柄P12の左右の装飾図柄が画像表示部114における画像表示領域の隅(左上および右上の隅)に表示され、中央の装飾図柄が非表示となることや(
図35(f)参照)、装飾図柄P12の左右の装飾図柄が画像表示領域の隅(左上および右上の隅)に表示され、中央の装飾図柄が左右の装飾図柄よりも大きく表示されること(
図35(g)参照)などがある。
【0269】
保留画像P13は、大当たり判定の権利が保留されていることを示す画像である。すなわち、RAM303(
図3等参照)における今回の保留球に対応する記憶領域の情報に基づいて、保留画像P13が表示される。また、保留画像P13は、例えば事前判定処理による事前判定結果に基づいて、色などの表示態様が変化することによって、大当たりの当選の期待度を報知または示唆する。ここで、保留画像P13の色などの表示態様は、事前判定処理による事前判定結果が大当たりの場合の方が、はずれの場合よりも、期待度が高い種別の表示態様となるように設定されている。例えば、保留画像P13の色として白、青、黄、緑、赤、金が設定される場合に、この順番で期待度がより高くなるように設定されてもよい。
【0270】
煽り画像P14は、無音演出の開始にともない表示される画像である。図示の例における煽り画像P14は、音を立てないよう注意を促すジェスチャーのキャラクタの画像とともに、「シー!」という文字列を含む画像である。なお、この例における煽り画像P14は、時間の経過とともに変化しない画像、すなわち静止画像である。
【0271】
爆発画像P16は、爆発音が出力されることにともない表示される画像である。図示の例における爆発画像P16は、スピーカ156により爆発音が出力されていることを報知するキャラクタの画像である。なお、爆発画像P16は、煽り画像P14と同一のキャラクタを示す画像である。すなわち、爆発画像P16と煽り画像P14とは、互いに関連する画像である。
【0272】
次回画像P18は、大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する画像である。すなわち、次回画像P18は、高期待度演出として表示される画像である。図示の例における次回画像P18は、「次回!」の文字列を含む画像である。
【0273】
第1SP画像P20は、SPリーチが開始されることにともない表示される画像である。図示の例における第1SP画像P20は、キャラクタの画像と、キャラクタを中心としたエフェクト画像とを含む。
【0274】
第2SP画像P21(後述する
図36(e)参照)は、SPリーチが開始されることにともない表示される画像である。また、第2SP画像P21は、第1SP画像P20よりも期待度が低い画像である。さらに説明をすると、第2SP画像P21は、第1SP画像P20と共通するキャラクタの画像を含む。また、第2SP画像P21は、第1SP画像P20とは異なり、エフェクト画像を含まない。
【0275】
第4図柄P23は、特別図柄が変動中(装飾図柄P12が変動表示中)であることを示す画像である。この第4図柄P23は、演出制御部300に制御されて、特別図柄の変動および停止に応じて異なる態様で表示される。図示の例においては、第4図柄P23は、上記装飾図柄P12と対応する3つの画像である。この第4図柄P23は、装飾図柄P12よりも寸法の小さい画像として表示される。また、第4図柄P23は、装飾図柄P12よりも装飾性の低い画像として表示される。
【0276】
保留数表示P24は、保留数を示す画像である。すなわち、RAM303(
図3等参照)における保留球に対応する記憶領域の情報に基づいて、保留数表示P24が表示される。ここで、保留数表示P24は、第1始動口121および第2始動口122それぞれへの入賞についての保留数に応じて、表示する数字を変化させる。
【0277】
以下では、上記
図34を参照しながら説明した「パターン1」、「パターン2」、および「パターン3」の各々において表示される、変動期間音演出の表示画像について詳細に説明をする。
【0278】
〔パターン1〕
まず、
図35を参照しながら、「パターン1」において実行される変動期間音演出の表示画像について説明をする。
【0279】
図35(a)に示すように、図柄変動が開始された状態においては、画像表示部114に背景P11、装飾図柄P12、保留画像P13、第4図柄P23、および保留数表示P24が表示される。また、図柄変動が開始されることにともない、スピーカ156が楽曲Aを出力する。このとき、背景P11として、風景画像が動画で表示される。
【0280】
そして、
図35(b)に示すように、無音演出の開始とともに、装飾図柄P12および保留画像P13が非表示となり、煽り画像P14が表示される。また、スピーカ156は、導入音を出力した後、無音となる。さらに説明をすると、スピーカ156は楽曲Aおよび楽曲Bのいずれも出力していない状態となる。このとき、背景P11として、白色の単色画像が静止画で表示される。なお、以下で説明する
図35(c)以降の背景P11においても、継続して白色の単色画像が表示される。
【0281】
そして、
図35(c)に示すように、無音演出が開始されてから所定の期間が経過した後、すなわちスピーカ156から爆発音Aが出力されるタイミングで、煽り画像P14が非表示となり、爆発画像P16が表示される。なお、この爆発音Aが出力される際に、爆発音A以外の演出音(例えば、楽曲A)は出力されず、無音演出が継続して実行されている状態である。
【0282】
そして、
図35(d)に示すように、無音演出が終了することにともない、次回画像P18が表示される。このとき、装飾図柄P12および保留画像P13は表示されない。また、スピーカ156においては楽曲Bが出力される。すなわち、無音演出の前後で、スピーカ156から出力される楽曲が楽曲Aから楽曲Bに変化する。
【0283】
そして、
図35(e)に示すように、次回画像P18が非表示となり、装飾図柄P12および保留画像P13が表示される。このとき、装飾図柄P12においてリーチ演出が実行される。また、スピーカ156においては楽曲Bが継続して出力される。
【0284】
そして、
図35(f)に示すように、SPリーチ演出の開始にともない、リーチ状態の装飾図柄P12における左右の装飾図柄が画像表示部114における画像表示領域の隅に移動し、中央の装飾図柄が非表示となる。そして、第1SP画像P20が表示される。また、スピーカ156においては楽曲Bが継続して出力される。
【0285】
そして、
図35(g)に示すように、図柄変動の終了にともない、第1SP画像P20が非表示となり、装飾図柄P12における中央の装飾図柄が表示される。図示の例における装飾図柄P12の組み合わせ「777」は、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりの場合の組み合わせの一例である。また、スピーカ156においては確定音Aが出力される。
【0286】
さて、上記
図35(a)乃至(g)に示すように、第4図柄P23および保留数表示P24の表示が維持されることで、遊技者が遊技の状態(例えば、特別図柄が変動中であるか否か、保留球の数)を容易に把握することが可能となる。
【0287】
また、
図35(b)に示すように、無音演出の開始とともに、装飾図柄P12および保留画像P13を非表示とすることにより、遊技者が無音演出に集中することが可能となる。また、無音演出の開始とともに、煽り画像P14が表示されることにより、遊技者がより無音演出に集中することが可能となる。なお、煽り画像P14および背景P11は静止画像であることから、仮に煽り画像P14や背景P11の画像が時間とともに変化する場合と比較して、遊技者の興味が無音演出以外に向かうことを抑制し得る。
【0288】
〔パターン2〕
図36は、「パターン2」において実行される変動期間音演出の表示画像を説明する図である。
次に、
図36を参照しながら、「パターン2」において実行される変動期間音演出の表示画像について説明をする。
【0289】
図36(a)および(b)は、上記「パターン1」における
図35(a)および(b)に示す変動期間音演出と同様である。詳細な説明は省略するが、
図36(a)においては、画像表示部114に装飾図柄P12などが表示され、スピーカ156から楽曲Aが出力される。そして、
図36(b)に示すように、無音演出の開始とともに煽り画像P14が表示され、スピーカ156は導入音を出力後に無音となる。
【0290】
次に、
図36(c)に示すように、無音演出が開始されてから所定の期間が経過した後、すなわちスピーカ156から爆発音Aが出力されるタイミングで、煽り画像P14が非表示となり爆発画像P16が表示される。このとき、スピーカ156は、爆発音Bを出力する。
【0291】
次に、
図36(d)に示すように、無音演出が終了することにともない、爆発画像P16が非表示となり、装飾図柄P12および保留画像P13が表示される。このとき、装飾図柄P12においてリーチ演出が実行される。また、スピーカ156においては、楽曲Bが出力される。すなわち、無音演出の前後で、スピーカ156から出力される楽曲が楽曲Aから楽曲Bに変化する。
【0292】
そして、
図36(e)に示すように、SPリーチ演出の開始にともない、リーチ状態の装飾図柄P12における左右の装飾図柄が画像表示部114における画像表示領域の隅に移動するとともに、中央の装飾図柄が非表示となる。そして、第2SP画像P21が表示される。また、スピーカ156においては楽曲Bが継続して出力される。
【0293】
そして、
図36(f)に示すように、図柄変動の終了にともない、第2SP画像P21が非表示となり、装飾図柄P12における中央の装飾図柄が表示される。図示の例における装飾図柄P12の組み合わせ「676」は、特別図柄抽選の抽選結果がはずれの場合の組み合わせの一例である。また、スピーカ156においては確定音Bが出力される。
【0294】
なお、
図36の「パターン2」においては、
図35の「パターン1」とは異なり、次回画像P18は表示されない。また、
図36の「パターン2」においては、
図35の「パターン1」とは異なり、数字図柄「7」よりも期待度が低い数字図柄「6」を用いてリーチ演出が実行される。これらの差異により、遊技者は期待度を推測することが可能となる。
【0295】
〔パターン3〕
図37は、「パターン3」において実行される変動期間音演出の表示画像を説明する図である。
次に、
図37を参照しながら、「パターン3」において実行される変動期間音演出の表示画像について説明をする。
【0296】
図37(a)および(b)は、上記「パターン1」における
図35(a)および(b)に示す変動期間音演出と同様である。詳細な説明は省略するが、
図37(a)においては、画像表示部114に装飾図柄P12などが表示され、スピーカ156から楽曲Aが出力される。そして、
図37(b)に示すように、無音演出の開始とともに煽り画像P14が表示され、スピーカ156は導入音を出力後に無音となる。
【0297】
次に、
図37(c)に示すように、無音演出が終了することにともない、煽り画像P14が非表示となり、装飾図柄P12および保留画像P13が表示される。また、スピーカ156においては、楽曲Aが出力される。すなわち、無音演出の前後で、スピーカ156から出力される楽曲が変化しない。
【0298】
そして、
図37(d)に示すように、図柄変動の終了にともない、装飾図柄P12が仮停止後に確定停止される。図示の例における装飾図柄P12の組み合わせ「423」は、特別図柄抽選の抽選結果がはずれの場合の組み合わせの一例である。また、スピーカ156においては確定音Bが出力される。
【0299】
なお、
図37の「パターン3」においては、
図35の「パターン1」および
図36の「パターン2」と異なり、無音演出の前後で、スピーカ156から出力される楽曲が変化しない。また、「パターン3」においては、「パターン1」および「パターン2」と異なり、リーチ演出が実行されない。また、「パターン3」においては、「パターン1」および「パターン2」と異なり、爆発画像P16(
図36(c)参照)が表示されない。また、「パターン3」においては、「パターン1」と異なり、次回画像P18(
図36(d)参照)が表示されない。これらの差異により、遊技者は期待度を推測することが可能となる。
【0300】
〔各パターンの比較〕
本実施の形態においては、上記のように無音演出の終了後にスピーカ156が楽曲Aを出力させる場合と、楽曲Bを出力させる場合とがある。そして、楽曲Aと比較して、楽曲Bを出力させる場合の方が、より期待度が高くなる。
【0301】
また、無音演出を実行中に、例外的に爆発音(SE音)を出力可能である。この爆発音には、爆発音Aと爆発音Bがある。そして、爆発音Bよりも爆発音Aが出力された方が、無音演出の終了後に楽曲Bが出力され易い。すなわち、爆発音Bよりも爆発音Aが出力された方が、期待度が高い。また、爆発音が出力されない場合よりも、爆発音が出力された方が、無音演出の終了後に楽曲Bが出力され易い。すなわち、爆発音が出力されない場合よりも、爆発音が出力された方が、期待度が高い。
【0302】
ここで、本実施の形態においては、無音演出中にあえて爆発音を出力することで、爆発音をより目立たせることができる。この爆発音により、無音期間後がどうなるかを遊技者がより期待感を持って楽しむことができる。さらに説明をすると、無音期間を開始させるため、楽曲Aの音量が減少(フェード)した時点で遊技者が期待感を持つことが可能である。さらに説明をすると、図示の例においては、爆発音の出力タイミングを、あえて無音演出中としている。このことにより、爆発音の演出効果をより高めることが可能である。
【0303】
また、「パターン1」乃至「パターン3」において、無音演出の開始にともない画像表示部114に煽り画像P14が表示され、スピーカ156が導入音を出力する。すなわち、「パターン1」乃至「パターン3」の無音演出開始時に実行される演出が共通する。このことにより、遊技者が爆発音に対してより集中することが可能になる。
【0304】
なお、無音演出後の演出は、図示の例に限定されない。例えば、
図35の「パターン1」とは異なり、無音演出後に、
図35(e)に示すリーチ演出を実行せずに高期待度演出に発展する演出であってもよい。あるいは、
図35(e)に示すリーチ演出を実行する前に、高期待度演出に発展する演出であってもよい。
【0305】
また、例えば
図37の「パターン3」とは異なり、無音演出後に、ステージ切替演出を実行してもよい。そして、ステージ切替演出後に、リーチ演出を実行することなく特別図柄抽選の抽選結果がはずれの組み合わせで、装飾図柄P12が停止表示されてもよい。なお、ステージ切替演出は、複数設定される演出上の場面(ステージ)に応じて実行される演出である。このステージ切替演出においては、ステージ切替条件の成立を契機として、複数のステージのうちのいずれかのステージに切り替えて、そのステージに固有の演出が実行される。
【0306】
〔音量調整〕
次に、スピーカ156が出力する演出音の音量調整について説明をする。
上記においては説明を省略したが、パチンコ遊技機100(
図1参照)のスピーカ156が出力する演出音の音量は調整可能である。さらに説明をすると、演出キー162および音量調整スイッチ(不図示)によって、演出音の音量レベルを変更することができる。
【0307】
ここで、音量調整スイッチ(不図示)について説明をする。音量調整スイッチは、パチンコ遊技機100(
図1参照)における遊技盤110(
図1参照)と反対側の面(裏面)に設けられるスイッチである。この音量調整スイッチは、例えば回転式のロータリースイッチにより構成される。そして、音量調整スイッチは、パチンコ遊技機100の裏面に設けられているため、遊技者は操作することができず、ホールの店員等によって操作可能である。この音量調整スイッチからの信号は、画像/音響制御部310(
図4参照)のCPU311に入力される。
【0308】
音量調整スイッチは、パチンコ遊技機100の電源投入後の通電時に、例えば「0」から「5」までの6段階の音量レベルを調整可能である。音量調整スイッチによって調整可能な「0」から「5」までの音量レベルは、遊技者が演出キー162によって調整可能な音量レベルのスタート値(初期値)である。
【0309】
音量調整スイッチの操作によって調整される音量レベル、および演出キー162によって調整される音量レベルは、いずれも画像/音響制御部310(
図4参照)が備えるVRAM(不図示)の音量レベル設定領域に設定される。この音量レベル設定領域で設定される音量レベルの音量値は、パチンコ遊技機100で出力可能な音量の上限値であり、これをマスターボリュームという。
【0310】
さて、画像/音響制御部310のROM312には、音情報テーブルが記憶されている。また、音情報テーブルには、演出音の音データを特定する音情報が格納されている。さらに、音情報には、音データに固有の「基本音量」が対応付けられている。演出音の音データは、その音データ固有の基本音量(「1」〜「4」のいずれか)に、音量レベル設定領域に設定されている現在の音量レベル(「0」〜「5」のいずれか)であるマスターボリュームを掛け合わせた数値に基づく出力音量で、スピーカ156から出力される。
【0311】
ここで、SNDROM316(
図3参照)には、音データが記憶されている。この音データは、画像/音響制御部310が備えるROM312の音情報テーブルに格納されている音情報によって特定される。
【0312】
また、VDP314(
図3参照)は、画像/音響制御部310(
図4参照)のCPU311からの再生命令に基づいて、ROM312に記憶されている音データを読み出して音声再生領域で再生させる。
【0313】
〔音声再生領域〕
図38は、音声再生領域の構成を説明するための図である。
次に、
図38を参照しながら、音声再生領域の構成を説明する。音声再生領域は、音データを再生するための記憶領域である。また、音声再生領域は、画像/音響制御部310(
図4参照)が備えるVRAMに設けられる。
【0314】
まず、
図38に示すように、音声再生領域は「CH0」〜「CH13」の14チャンネルから構成される。音声再生領域において、「ステレオデータ」を記憶するための連続する2つのチャンネルによって「ペアCH」を構成している。そして、「モノラルデータ」は、この「ペアCH」の一方のチャンネルに記憶される。
【0315】
ここで、スピーカ156が出力する演出音の音データには、比較的データ量が大きい「ステレオデータ」と、比較的データ量の小さい「モノラルデータ」とがある。例えば、楽曲は「ステレオデータ」であり、図示の例における導入音、爆発音、確定音、領域指定音、およびエラー報知音は「モノラルデータ」である。
【0316】
領域指定音は、遊技の進行に応じて、遊技盤110(
図1参照)における遊技球を発射するべき領域を指定する音声である。図示の例における領域指定音は、左打ち報知音と右打ち報知音とを含む。左打ち報知音は、遊技盤110における左側遊技領域に向けて遊技球を発射するよう促す音声である。また、右打ち報知音は、遊技盤110における右側遊技領域に向けて遊技球を発射するよう促す音声である。
【0317】
次に、エラー報知音について説明をする。図示の例におけるエラー報知音は、異常入賞エラー、磁気検出エラー、扉開放エラー、下皿満タンエラーを含む。
【0318】
異常入賞エラーは、大入賞口扉125D(
図1参照)の開放時など所定の時期以外において遊技球が入賞した場合に検出されるエラーである。磁気検出エラーは、遊技制御部200(
図3参照)に接続される磁気検出センサ(図示せず)によって所定の値以上の磁力を検出した場合に検出されるエラーである。扉開放エラーは、枠部材150(
図1参照)に支持されている扉が開放された場合に検出されるエラーである。下皿満タンエラーは、皿153(下皿、
図1参照)が遊技球で満杯となった場合に検出されるエラーである。
【0319】
ここで、エラー報知音は、楽曲など他の演出音と比較して、遊技者に報知するべき重要性としての優先度が高い。そこで、図示の例においては、「CH0」〜「CH3」は、各エラー報知音を再生するための固定のチャンネルとして確保されている。具体的には、「CH0」に「エラー報知音1(異常入賞)」、「CH1」に「エラー報知音2(磁気検出)」、「CH2」に「エラー報知音3(扉開放)」、「CH3」に「エラー報知音4(下皿満タン)」がそれぞれ記憶されている。そして、これらのエラーのうちのいずれかが検知された場合には、その発生したエラーのエラー報知音の再生命令に基づいて、そのエラー報知音に固有のチャンネルが指定され、その指定されたチャンネルにおいて、エラー報知音のモノラルデータが再生される。
【0320】
一方、演出音の音データは「CH4」〜「CH13」のいずれかで再生するように設定されている。なお、演出音の音データは、その演出音を再生するタイミングになると、「CH4」〜「CH13」のうちの指定されたチャンネルに記憶され、再生が終了すると、そのチャンネルから消去される。
【0321】
図示の例においては、「CH4」に「左打ち報知音」、「CH5」に「右打ち報知音」、「CH6」および「CH7」に「楽曲A」、「CH8」および「CH9」に「楽曲B」、「CH10」に「導入音」、「CH11」に「爆発音A」、「CH12」に「確定音A」、「CH13」に「入賞音」がそれぞれ記憶されているものとして説明をする。なお、各チャンネルに記憶される演出音は任意に設定することが可能であり、図示の例に限定されるものではない。
【0322】
さて、
図38に示す音声再生領域における「CH0」〜「CH13」の各チャンネルには、「基本音量」、「チャンネルボリューム」、「マスターボリューム」、「出力音量」が設定される。
【0323】
「基本音量」は、音データ(WAVデータ)自体が持つ音の大きさを示す値である。「基本音量」は、遊技者に報知するべき優先度に応じて、例えば「1」〜「5」の間で設定可能である。なお、以下では「基本音量」を数値として説明をするが、音データの波形の大きさそのものにより、音の大きさを定めてもよい。
【0324】
ここで、
図38に示す例においては、エラー報知音の種別に応じて「基本音量」が異なる。具体的には、「エラー報知音1(異常入賞)」、「エラー報知音2(磁気検出)」、および「エラー報知音3(扉開放)」は、「基本音量」が最大の「5」である。一方で、「エラー報知音4(下皿満タン)」の音データは、「基本音量」が「4」である。これは、下皿満タンエラーは、異常入賞エラー、磁気検出エラー、および扉開放エラーと比較して、遊技者による不正行為に直接関連する可能性が低く、遊技者に報知する優先度が低いためである。付言すると、「左打ち報知音」および「右打ち報知音」は、エラー報知音ではないものの、「楽曲A」などと比較して遊技者に報知する優先度が高い。そのため、「左打ち報知音」および「右打ち報知音」の「基本音量」は、「楽曲A」などよりも大きい「4」である。
【0325】
「チャンネルボリューム」は、各チャンネルに指定される音量値である。「チャンネルボリューム」は、各チャンネルにおいて、基準とされる出力音量の100%となる最大ボリューム「1」から、0%となる全ミュート「0」までの間で設定可能である。
【0326】
「マスターボリューム」は、上記のようにパチンコ遊技機100で出力可能な音量の上限値(音量値)である。「マスターボリューム」は、例えば「0」〜「5」の間で設定可能である。
【0327】
「出力音量」は、スピーカ156から出力される音の音量である。「出力音量」は、音データが持つ「基本音量」と「チャンネルボリューム」と「マスターボリューム」とに基づいて定められる。さらに説明をすると、「出力音量」は、「基本音量」と「チャンネルボリューム」と「マスターボリューム」とを掛け合わせて得られる数値である。「マスターボリューム」は、例えば「0」〜「25」の間で設定可能である。
【0328】
さて、上記のように遊技者に報知するべき優先度が高いエラー報知音は、固定の「CH0」〜「CH3」によって再生される。この固定のチャンネルである「CH0」〜「CH3」のうち、「CH0」〜「CH2」は、「CH3」〜「CH13」とは異なり、演出キー162に対する操作などを無視して「出力音量」が算出される。具体的には、「CH0」〜「CH2」の「マスターボリューム」は、常に最大値に指定されている。
【0329】
図示の例においては、
図38(a)に示すように演出キー162に対する操作などにより「マスターボリューム」が最大値である「5」で設定されている場合には、「CH0」〜「CH13」の全てのチャンネルにおける「マスターボリューム」が「5」となる。また、
図38(b)に示すように「マスターボリューム」が最大値よりも小さな「3」で設定されている場合には、「CH3」〜「CH13」における「マスターボリューム」は「3」となる一方で、「CH0」〜「CH2」における「マスターボリューム」は「5」となる。
【0330】
さらに説明をすると、「CH0」〜「CH2」によって再生される「エラー報知音1(異常入賞)」、「エラー報知音2(磁気検出)」、および「エラー報知音3(扉開放)」の音データは、その音データに固有の基本音量「5」に、「マスターボリューム」として最大の音量レベル「5」の音量を掛け合わせて得られる「出力音量」で出力される。
【0331】
一方で、「エラー報知音4(下皿満タン)」の音データは、「エラー報知音1(異常入賞)」、「エラー報知音2(磁気検出)」、および「エラー報知音3(扉開放)」とは異なり、固有の基本音量「4」に対して、音量レベル設定領域に設定されている「マスターボリューム」を掛け合わせて得られる「出力音量」で出力される。これは、上記のように下皿満タンエラーは、異常入賞エラーなどと比較して遊技者に報知するべき優先度が低いためである。なお、図示の例とは異なり、「エラー報知音4(下皿満タン)」の音データについても、「エラー報知音1(異常入賞)」などと同様に、音量レベル設定領域に設定されている「マスターボリューム」に関わらず「出力音量」が設定されてもよい。
【0332】
次に、「出力音量」を変化させる処理であるフェード(フェードアウト、フェードイン)およびミュートについて説明をする。これらのフェードアウト、フェードイン、ミュートは、
図38に示す「チャンネルボリューム」を変化させることにともない、「出力音量」を変化させることで実行される。
【0333】
ここで、フェードアウトにおいては、出力中の演出音の「出力音量」を「1」から徐々に減少させ「0」とする処理が実行される。また、フェードインにおいては、出力中の演出音の「出力音量」を「0」から徐々に増加させ「1」とする処理が実行される。
【0334】
また、ミュートにおいては、出力中の演出音の「出力音量」を「0」とする処理が実行される。なお、ミュートが実行されている状態においては、「出力音量」が「0」であるが、演出音自体は再生されている。
また、遊技者に報知するべき優先度が高いエラー報知音が出力されている場合は、可変チャンネルである「CH4」〜「CH13」は、全てミュートされてもよい。
【0335】
〔無音期間の音量制御〕
図39は、無音演出における演出音のタイミングチャートである。
次に、
図38および
図39を参照しながら、無音演出における演出音の音量制御について説明をする。ここでは、上記
図34などを用いて説明した「パターン3」における演出音の音量変化について説明する。
【0336】
まず、「パターン3」においては、無音期間を経ても楽曲が変わらない。すなわち、無音期間の前後いずれも楽曲Aを出力する。この楽曲Aは、例えば「CH6」および「CH7」の2つのチャンネルから出力される。また、導入音は、例えば「CH10」から出力される。
【0337】
そして、楽曲Aおよび導入音の切り替えが、「クロスフェード」で実行される。ここで、「クロスフェード」とは、2つの演出音が切り替わる際に、それまで出力されていた演出音によるフェードアウト(FO)と、新たに出力される演出音によるフェードイン(FI)とがともに行なわれることである。具体的には、無音期間が開始される際に、「CH6」および「CH7」の楽曲Aをフェードアウトするとともに、「CH10」の導入音をフェードインする。
【0338】
以下、
図39を参照しながら具体的に説明をする。まず、タイミングT0において、楽曲Aは100%の大きさの出力音量で出力されており、導入音は出力されていない。そして、導入音は、フェードインによって、タイミングT1での0%からタイミングT2での100%の大きさの出力音量まで徐々に増加する。一方、楽曲Aは、フェードアウトによって、タイミングT2での100%の大きさからタイミングT3での0%の大きさの出力音量まで徐々に減少する。
【0339】
そして、導入音は、タイミングT2からタイミングT4まで100%の大きさで出力された後、フェードアウトによって、タイミングT4での100%の大きさからタイミングT5での0%の大きさの出力音量まで徐々に減少する。
【0340】
また、楽曲Aは、タイミングT3からタイミングT6まで0%の大きさで出力(ミュート処理)される。そして、フェードインによって、タイミングT6での0%の大きさからタイミングT7での100%の大きさの出力音量まで徐々に増加する。
【0341】
上記のように、無音期間を開始する際に、導入音を出力させるとともに楽曲Aをフェードアウトする。このような制御を行うことにより、例えば無音期間を開始する際に導入音を出力させない場合と比較して、無音期間が開始されることを遊技者がより確実に認識し得る。また、上記制御を行うことのより、例えば楽曲Aがフェードアウトせず、あるタイミングで100%の大きさの出力音量から0%に切り替わる場合と比較して、遊技者が感じる違和感を低減し得る。
【0342】
ここで、図示の例における無音期間は、フェードアウトによって楽曲Aの出力音量が100%から減少し始めるタイミングT2から、フェードインによって楽曲Aの出力音量が再び100%になるタイミングT7までの期間をいう。なお、無音期間はこれに限定されるものではなく、例えば、フェードインによって導入音の出力音量が0%から増加し始めるタイミングT1と、曲Aの出力音量が再び100%になるタイミングT7との間を無音期間としてもよい。あるいは、楽曲Aの出力音量が0%であるタイミングT3からタイミングT6までの間を、無音期間としてもよい。
【0343】
また、導入音が出力される期間は、例えばフェードインによって導入音の出力音量が0%から増加し始めるタイミングT1から、フェードアウトによって導入音の出力音量が再び0%となるタイミングT5の間の期間である。なお、導入音が出力される期間はこれに限定されるものではなく、例えば、導入音の出力音量が100%であるタイミングT2からタイミングT4までの間を、導入音が出力される期間としてもよい。
【0344】
また、図示の例におけるクロスフェードは、導入音の出力音量がフェードインによって100%の大きさとなった後(タイミングT2)で、楽曲Aの出力音量がフェードアウトによって100%から減少し始めることを説明したが、これに限定されない。例えば、導入音の出力音量がフェードインによって0%から増加し始めるタイミングと、楽曲Aの出力音量がフェードアウトによって100%から減少し始めるタイミングとが一致してもよい。また、導入音の出力音量がフェードインによって100%となるタイミングと、楽曲Aの出力音量がフェードアウトによって0%となるタイミングとが一致してもよい。さらに説明をすると、導入音のフェードインと楽曲Aのフェードアウトとが、一致したタイミングで実行(開始および終了)されてもよい。
【0345】
〔音量変更操作〕
さて、無音期間においても、例えば遊技者が演出キー162(
図2参照)を操作することによって、演出音の「出力音量」を変更(音量変更)することが可能である。さらに説明をすると、ミュート処理されていないチャンネルにおいては、無音期間中であっても音量変更が可能である。
【0346】
図39に示す例の無音期間中においては、「楽曲A」を出力する「CH6」および「CH7」はミュート処理されている。したがって、遊技者が無音期間中に演出キー162を操作した場合、画像/音響制御部310(
図4参照)などによる制御としては「マスターボリューム」を変化させるものの、「楽曲A」の「出力音量」は「0」のままである。すなわち、遊技者の操作に関わらず、「出力音量」は変化しない。また、無音期間終了後に、例えば「楽曲A」を出力する場合、「楽曲A」の「出力音量」は操作に従い変化した「出力音量」である。
【0347】
一方で、例えば無音期間中において「爆発音A」を出力する場合、爆発音Aを出力するチャンネルはミュート処理されない。この場合、遊技者が無音期間中に演出キー162を操作すると、その後に出力される「爆発音A」の「出力音量」が変化する。
【0348】
付言すると、「爆発音A」のフェードを実行している際に演出キー162が操作されると、この操作に従い変化した「出力音量」で「爆発音A」のフェードが実行される。
【0349】
なお、「CH0」〜「CH2」から出力される「エラー報知音1(異常入賞)」、「エラー報知音2(磁気検出)」、および「エラー報知音3(扉開放)」は、遊技者に報知するべき優先度が高い。したがって、遊技者が無音期間中に演出キー162を操作しても、「エラー報知音1(異常入賞)」、「エラー報知音2(磁気検出)」、および「エラー報知音3(扉開放)」の「出力音量」は変化しない。付言すると、エラー報知音を出力する「CH0」〜「CH2」は、ミュート処理されない。
【0350】
また、パチンコ遊技機100(
図1参照)においては、例えば遊技者が演出キー162を操作することによって、盤ランプ116(
図1参照)や枠ランプ157(
図1参照)などの発光量を変更(光量変更)することが可能である。そして、無音期間中であっても光量変更が可能である。ここで、上記のように、音量変更における「楽曲A」の「出力音量」は無音期間中は変化せず、無音期間後に変更後の「出力音量」となる。一方で、光量変化は、無音期間中であっても変更後の光量で盤ランプ116などが発光する。
【0351】
〔ミュート処理〕
上記のように、例えば無音期間中において、楽曲Aを出力するチャンネルはミュート処理され、爆発音Aを出力するチャンネルはミュート処理しない。このことにより、爆発音Aの演出効果をより際立たせることが可能となる。また、チャンネルごとにミュート処理を実行するか否かを切り替えることで、例えばスピーカ156から出力される演出音全体を一括してミュート処理する場合と比較して、演出音の制御が容易となる。
【0352】
〔チャンネル切替〕
ここで、上記のように「パターン3」においては、無音期間を経ても楽曲が変化しない。そして、例えば
図38に示すように、「楽曲A」は「CH6」および「CH7」から出力される。したがって、「パターン3」においては、無音期間を経ても演出音を出力するチャンネルが変更されない。
【0353】
一方で、上記
図34などを用いて説明した「パターン1」および「パターン2」においては、無音期間を経ると楽曲が変化する。すなわち、「楽曲A」が出力されている状態で無音期間となり、無音期間後は「楽曲B」が出力される。また、例えば
図38に示すように、「楽曲A」は「CH6」および「CH7」から出力されるのに対して、「楽曲B」は「CH8」および「CH9」から出力される。したがって、「パターン1」および「パターン2」においては、無音期間を経ると演出音を出力するチャンネルが変更される。具体的には、無音期間の前後で、「CH6」および「CH7」から、他のチャンネルである「CH8」および「CH9」に切り替わる。
【0354】
このことにより、例えば同一のチャンネルを利用して演出音を出力する場合と比較して、「楽曲A」の出力終了タイミングや、「楽曲B」の出力開始タイミングを設定する自由度が増す。すなわち、無音期間の前後で「楽曲A」から「楽曲B」に切り替える演出の制御が容易となる。
【0355】
なお、
図38においては、「CH6」および「CH7」に「楽曲A」が記憶されるとともに、「CH8」および「CH9」に「楽曲B」が記憶されることを示したが、「楽曲A」および「楽曲B」が各チャンネルに記憶されるタイミングは互いにずれていてもよい。すなわち、「CH6」および「CH7」に「楽曲A」が記憶され、「楽曲A」が出力される際には「CH8」および「CH9」に「楽曲B」が記憶されておらず、無音期間において「楽曲A」の「出力音量」が「0」となった後に、「CH8」および「CH9」に「楽曲B」が記憶されてもよい。
【0356】
〔楽曲切り替えおよび特殊音の組み合わせ〕
図40は、他の実施形態における楽曲切り替えおよび特殊音の組み合わせについて説明をする図である。より具体的には、
図40(a)は楽曲切り替えおよび特殊音の組み合わせにおける期待度を説明する図であり、
図40(b)は楽曲切り替えおよび特殊音の組み合わせの変動演出パターンを説明する図である。
【0357】
次に、
図40を参照しながら、他の実施形態における楽曲切り替えおよび特殊音の組み合わせについて説明をする。
まず、上記では無音期間中に特殊な演出音である爆発音(特殊音)を出力することを説明した。また、上記では爆発音Aおよび爆発音Bを説明するとともに、爆発音Aが爆発音Bよりも期待度が高いことを説明した。ここで、無音期間中に出力される特殊音としては、爆発音以外の演出音が出力されてもよい。例えば、特殊音として確定音を出力してもよい。ここで、確定音とは特別図柄抽選の抽選結果が大当たりであることを報知する演出音である。また、この確定音は、爆発音Aおよび爆発音Bよりも期待度が高く設定されている。
【0358】
次に、
図40(a)を参照しながら、無音期間の前後における楽曲切り替えと、無音期間中に出力される特殊音との組み合わせにおける期待度について説明をする。
上述のように無音期間の前後で楽曲が変わる場合(
図40(a)の「楽曲A→B」参照)、無音期間の前後で楽曲が変わらない場合(
図40(a)の「楽曲A→A」参照)よりも期待度が高い。また、特殊音としては、確定音、爆発音A、爆発音B、特殊音無しの順で、後になるほど期待度が低くなるように設定されている。
【0359】
したがって、例えば
図40(a)に示す組み合わせのうち、無音期間の前後で楽曲が変わる「楽曲A→B」および特殊音が「確定音」の場合は期待度が最も高く(図中「高x高」参照)、無音期間の前後で楽曲が変わらない「楽曲A→A」およびおよび特殊音が「無し」の場合は期待度が最も低い(図中「低x低」参照)。また、無音期間中に出力される特殊音によって、無音期間の前後で楽曲が変わる期待度が変化する。また、楽曲が変わらない場合であっても、無音期間中に出力される特殊音によって期待度が変化する。
【0360】
次に、
図40(b)を参照しながら、無音期間の前後における楽曲切り替えと、無音期間中に出力される特殊音との組み合わせにおける、変動演出パターンの設定について説明をする。
変動演出パターンは、無音期間の前後における楽曲切り替えと、無音期間中に出力される特殊音との組み合わせごとに設定されてもよい。
【0361】
例えば、
図40(b)において期待度が最も高い「楽曲A→B」および「確定音」の組み合わせにおいては、変動演出パターン「EB1−EB6」が設定されている。すなわち、「楽曲A→B」および「確定音」の組み合わせにおいては、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりの場合において、遊技者に最も有利な大当たり図柄の種別(例えば、
図32に示す「高確率図柄A」)が設定されている。また、この組み合わせにおいては、特別図柄抽選の抽選結果がはずれの場合に選択される変動演出パターン(例えば、
図33の「ER1−ER10」)は設定されない(禁則)。
【0362】
例えば、
図40(b)において期待度が最も低い「楽曲A→A」および特殊音「無し」の組み合わせにおいては、変動演出パターン「ER1−ER10」が設定されている。すなわち、「楽曲A→A」および特殊音「無し」の組み合わせにおいては、特別図柄抽選の抽選結果がハズレの場合に選択される変動演出パターンが設定されている。また、この組み合わせにおいては、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりの場合に選択される変動演出パターン(例えば、
図32のEB1−EB14)は設定されない(禁則)。
【0363】
また、ハズレ時の変動演出パターン「ER1−ER10」は、「ER10」に近いほど期待度が高くなる。したがって、変動演出パターン「ER1−ER10」のうち変動演出パターン「ER10」に近い変動演出パターンが選ばれるほど、「楽曲A→B」および特殊音「爆発音A」の組合せが選ばれ易くなっている。さらに説明をすると、例えばSPSPに発展せずにSPで終わる変動演出パターン「ER5」においては、上記「楽曲A→B」および特殊音「爆発音A」の組合せが選ばれ難くなっている。一方で、SPSPに発展して終わる変動演出パターン「ER6」においては、上記「楽曲A→B」および特殊音「爆発音A」の組合せが選ばれ易くなっている。
【0364】
〔変形例〕
上記
図35などの説明においては、無音演出において、煽り画像P14および爆発画像P16が表示されることを説明したが、これに限定されない。例えば、煽り画像P14および爆発画像P16の一方または両方を表示しなくともよい。さらに説明をすると、無音演出の開始とともに、装飾図柄P12および保留画像P13を非表示とし、背景P11、第4図柄P23、および保留数表示P24を表示する態様であってもよい。
【0365】
さて、変動期間音演出として、モード突入演出が実行されることが有る。このモード突入演出は、特殊なモード(例えばチャンスモード)に移行することを報知する演出である。そして、モード突入演出が実行された後、所定の期間(例えば、特別図柄の次の変動表示から所定の変動回数)にわたって特殊なモードに移行した状態であることを示す演出が実行される。そして、実行されるモードごとに、スピーカ156から出力される楽曲(BGM)が切り替わってもよい。この場合、各BGM(モード)で上記無音演出が実行される。さらに説明をすると、遊技状態ごとに複数のモードを有してもよい。例えば、低確率時短無遊技状態で複数のモード、高確率時短遊技状態で複数のモードを有してもよい。そして、各々のモードにおいて、上記無音演出が実行される。なお、複数のモードのうちの特定のモードでは、無音演出を実行しなくてもよい。すなわち、モードごとに、無音演出を実行するか否かを設定してもよい。
【0366】
また、無音期間中には、例えば第1始動口121(
図1参照)などへの入球音(入賞音)、保留が発生したことを示す保留発生音、保留が変化したことを示す保留変化音、あるいはエラーが発生したことを示すエラー音などが、スピーカ156から出力されない(禁止される)設定としてもよい。
【0367】
また、無音演出は、特別図柄の一変動分の変動表示において複数回実行されてもよい。さらに、無音演出は、リーチ演出の前に実行されていもよい。したがって、例えば、特別図柄の一変動分の変動表示において、リーチ演出前とリーチ演出後の2回、無音演出を実行する態様であってもよい。
【0368】
また、無音期間中に音量調整可能な特殊音(出力音)と、音量調整不可能な特殊音とが設けられてもよい。例えば、無音期間中に出力される特殊音のうち、確定音および爆発音Aなどは遊技者を確実に煽るため音量調整不可能とし、爆発音Bは無音期間中に音量調整が可能としてもよい。
【0369】
ここで、無音期間の開始から特殊音が出力されるまでの間に、音量調整が可能な表示(例えば、文字列「音量調整できるよ!!」の表示)を行ってもよい。また、この表示を行う場合は、表示を行わない場合と比較して、無音期間の開始から特殊音が出力されるまでの時間を長く設定してもよい。このことにより、遊技者が音量調整を確実に行うことが可能となる。さらに、この表示がなされ遊技者が演出キー162の操作をした場合において、音量調整がなされると爆発音Bが出力されることを示唆し、音量調整がなされないと確定音または爆発音Aが出力されることを示唆するよう設定してもよい。このことにより、遊技者に事前に期待感を与えることが可能となる。
【0370】
ここで、無音期間中に音量調整がなされると、音量が変化したことを示す所定の効果音(例えば、「ド」、「レ」、「ミ」、「ファ」、「ソ」)をスピーカ156から出力してもよい。また、無音期間中に音量調整がなされると、煽り画像P14(
図35(b)参照)に重ねて、あるいは煽り画像P14に替えて、音量ゲージの画像(不図示)を画像表示部114に表示してもよい。なお、効果音の出力と、音量ゲージの表示とはいずれか一方を実行してもよいし、両方を実行してもよいし、いずれも実行しなくてもよい。
【0371】
また、無音演出を、事前判定処理による事前判定結果に基づき実行される先読み演出において実行してもよい。例えば、先読みによる連続演出で、先読対象の変動であるターゲット変動よりも前の変動では無音演出を実行しつつ楽曲の切り替えを実行しない演出を繰り返し、ターゲット変動で無音演出を実行しかつ楽曲の切り替えを実行する演出としてもよい。
【0372】
さて、仮にパチンコ遊技機100に設定が存在する場合、無音期間において爆発音を出力するか否かを、パチンコ遊技機100の設定によって変えてもよい。あるいは、無音期間において爆発音を出力する場合には、爆発音の種別(爆発音Aおよび爆発音B)をパチンコ遊技機100の設定によって変えてもよい。このように無音演出の実行態様をパチンコ遊技機100の設定に応じて変更することにより、遊技者がパチンコ遊技機100の設定を推測することができる。
【0373】
なお、パチンコ遊技機100の設定とは、例えば6段階(設定1から設定6)からなる。そして、設定1から設定6に進むにつれて、大当たり抽選の当選確率が高くなるものである。例えば、設定1では大当たり確率1/300とし、設定6では大当たり確率1/250とするものである。このとき、遊技状態が高確率状態になった場合の大当たり抽選の当選確率(高確率)は、低確率状態の当選確率の10倍を超えない範囲で、各設定共通にするのがよい。例えば、設定1においては低確率1/300かつ高確率1/30とし、設定6においては低確率1/250かつ高確率1/30とするのがよい。このようにすることで、遊技状態が高確率時短遊技状態となるいわゆる確変状態の性能が、設定にかかわらず同一となり、パチンコ遊技機100において最も出玉が獲得できる遊技状態で遊技者が感じる不快感を解消することができる。
【0374】
また、上記においてはパチンコ遊技機100(
図1参照)において無音演出を実行することを説明したが、パチンコ遊技機100以外の遊技機に設けられてもよい。例えば、スロットマシンにおいて、上記無音演出を実行してもよい。
【0375】
また、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例どうしを組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。