(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6683681
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】コンバージョンに対する様々なユーザ・インタラクションの貢献度の決定
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20200413BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20200413BHJP
G09F 19/00 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
G06Q30/02 382
G06F13/00 540P
G09F19/00 Z
【請求項の数】18
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-503909(P2017-503909)
(86)(22)【出願日】2015年6月15日
(65)【公表番号】特表2017-529587(P2017-529587A)
(43)【公表日】2017年10月5日
(86)【国際出願番号】US2015035815
(87)【国際公開番号】WO2016014170
(87)【国際公開日】20160128
【審査請求日】2018年3月23日
(31)【優先権主張番号】14/340,588
(32)【優先日】2014年7月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508178054
【氏名又は名称】フェイスブック,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】特許業務法人World IP
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】フィリオ、セルジオ シルベイラ クレメンテ
(72)【発明者】
【氏名】マクヒュー、ジェイソン ジョージ
【審査官】
今井 悠太
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−018446(JP,A)
【文献】
特表2012−516520(JP,A)
【文献】
特開2011−159264(JP,A)
【文献】
特開2010−250752(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0072971(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G06F 13/00
G09F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに実装された方法であって、
オンライン・システムにおいて、前記オンライン・システムのユーザを識別する複数のタイプの識別子の各々に対して関連付けられている信頼値を記憶する工程であって、1つのタイプの識別子に対して関連付けられている信頼値は、前記タイプの識別子が前記オンライン・システムのユーザを識別する蓋然性の尺度を提供し、前記複数のタイプの識別子は、オンライン・システム・ユーザ識別子、クライアント・デバイス識別子、およびアプリケーション識別子のうちの2以上を含む、工程と、
広告に対して関連付けられているコンバージョンを説明する情報を受信する工程であって、前記情報は、前記コンバージョンに対して関連付けられている、前記オンライン・システムのアクションを行ったユーザを識別する前記識別子を含む、受信する工程と、
前記コンバージョンに対して関連付けられている、前記オンライン・システムの前記アクションを行ったユーザを識別する各タイプの識別子に対して関連付けられている、前記コンバージョンが帰属することが可能な1以上のインタラクションを取り出す工程と、
取り出された1以上の前記インタラクションの各々に対して重みを関連付ける工程であって、取り出されたインタラクションに対して関連付けられている重みは、前記コンバージョンに対して関連付けられている、前記オンライン・システムの前記アクションを行ったユーザを識別する1つのタイプの識別子に関連付けられている前記信頼値に少なくとも部分的に基づく、工程と、
前記重みおよび取り出された前記1以上のインタラクションを、前記コンバージョンに対する取り出された前記1以上のインタラクションのうちの1以上に対して前記重みに基づき貢献量を割り当てるように構成された属性モデルへ通信する工程と、
を備える、方法。
【請求項2】
前記記憶する工程は、
前記信頼値に少なくとも部分的に基づいて、前記オンライン・システムのユーザを識別する前記複数のタイプの識別子をランク付けする工程
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンバージョンが帰属することが可能な前記1以上のインタラクションは、前記アクションを行ったユーザに対して関連付けられている1以上の過去のコンバージョンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記コンバージョンが帰属することが可能な前記1以上のインタラクションは、1以上の広告を見ること、1以上の広告とインタラクションすること、1以上の広告に対して関連付けられている1以上のオブジェクトに対してアクセスすること、前記広告に対して関連付けられている広告主に対して関連付けられている1以上の購入を行うこと、前記広告に対して関連付けられている前記広告主に対して関連付けられている1以上のサービスを要求すること、前記広告に対して関連付けられている前記広告主に対して関連付けられている1以上のイベントに参加すること、1以上のサードパーティ・サービスに加入すること、および、これらの任意の組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
取り出された前記1以上のインタラクションの各々に対して関連付けられている前記重みと、前記属性モデルとに少なくとも部分的に基づいて、前記コンバージョンに対する前記アクションを行ったユーザの取り出された前記1以上のインタラクションのうちの1以上の前記貢献量を決定する工程
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記決定する工程は、
取り出された前記1以上のインタラクションの各々に対して関連付けられている前記アクションを行ったユーザを識別するタイプの識別子に対して関連付けられている前記信頼値に少なくとも部分的に基づいて、前記コンバージョンに対して関連付けられている前記オンライン・システムの前記アクションを行ったユーザを識別する各タイプの識別子に対して関連付けられている、前記コンバージョンが帰属することが可能な取り出された前記1以上のインタラクションのサブセットを識別する工程と、
前記重みに少なくとも部分的に基づいて、前記コンバージョンに対する取り出された前記1以上のインタラクションの前記サブセットにおける前記インタラクションの各々の前記貢献量を決定する工程と、
を備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記識別する工程は、
前記信頼値に少なくとも部分的に基づいて、前記タイプの識別子をランク付けする工程と、
前記ランク付けにおいて少なくとも閾値順位を有するタイプの識別子に対して関連付けられている取り出されたインタラクションを選択する工程と、
を備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記取り出す工程は、
前記コンバージョンに対して関連付けられている、前記オンライン・システムの前記アクションを行ったユーザを識別する複数のタイプの識別子に対して関連付けられているインタラクションを取り出す工程
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記取り出す工程は、
前記1以上のインタラクションに対して関連付けられている、前記アクションを行ったユーザを識別する複数のタイプの識別子を識別する工程であって、前記複数のタイプの識別子は、前記アクションを行ったユーザの少なくとも閾値割合の前記1以上のインタラクションに対して関連付けられている、工程と、
前記アクションを行ったユーザを識別する前記複数のタイプの識別子のサブセットに対して関連付けられている、前記オンライン・システムの前記アクションを行ったユーザの1以上のさらなるインタラクションを識別する工程と、
前記アクションを行ったユーザを識別する前記複数のタイプの識別子を、前記アクションを行ったユーザの前記1以上のさらなるインタラクションに対して関連付ける工程と、
前記アクションを行ったユーザを識別する少なくとも1つのタイプの識別子に対して関連付けられている、前記コンバージョンが帰属することが可能な1以上のインタラクションを取り出す工程と、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
オンライン・システムが、コンバージョンに対して関連付けられている、前記オンライン・システムのユーザを識別する情報を含む、広告に対して関連付けられている前記コンバージョンを説明する情報を受信する工程と、
前記オンライン・システムが、前記ユーザを識別する受信された前記情報に基づいて、前記ユーザを識別する1以上のタイプの識別子を識別する工程であって、前記1以上のタイプの識別子は、オンライン・システム・ユーザ識別子、クライアント・デバイス識別子、およびアプリケーション識別子を含む、工程と、
を備える方法であって、
前記識別する工程は、
前記オンライン・システムのユーザを識別する前記1以上のタイプの識別子の各々に関連付けられている信頼値を取り出す工程であって、識別子のタイプに関連付けられている信頼値は、前記タイプの識別子が前記オンライン・システムのユーザを識別する蓋然性の尺度を提供する、工程を備え、
前記方法は、
前記オンライン・システムが、前記ユーザを識別する識別された前記1以上のタイプの識別子に少なくとも部分的に基づいて、前記コンバージョンが帰属することが可能な1以上のインタラクションを取り出す工程と、
前記オンライン・システムが、取り出された前記1以上のインタラクションを、前記コンバージョンに対する取り出された前記1以上のインタラクションのうちの1以上に対して貢献量を割り当てるように構成された属性モデルへ通信する工程と、
前記オンライン・システムが、前記属性モデルと、前記1以上のインタラクションの各々に関連付けられているユーザを識別する前記1以上のタイプの識別子とに少なくとも部分的に基づいて、前記コンバージョンが前記コンバージョンに帰属することが可能な前記1以上のインタラクションのうちの各々の前記貢献量を決定する工程と、をさらに備え、
前記貢献量を決定する工程は、
前記信頼値に少なくとも部分的に基づいて、前記1以上のインタラクションのうちの各々に対して関連付けられた重みに基づき貢献量を割り当てる工程、
を備える、方法。
【請求項11】
前記識別する工程は、
前記信頼値に少なくとも部分的に基づいて、前記オンライン・システムのユーザを識別する前記1以上のタイプの識別子をランク付けする工程
をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記コンバージョンが帰属することが可能な取り出された1以上の前記インタラクションは、前記ユーザに対して関連付けられている1以上の過去のコンバージョンを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記コンバージョンが帰属することが可能な取り出された前記1以上のインタラクションは、1以上の広告を見ること、1以上の広告とインタラクションすること、1以上の広告に対して関連付けられている1以上のオブジェクトに対してアクセスすること、前記広告に対して関連付けられている広告主に対して関連付けられている1以上の購入を行うこと、前記広告に対して関連付けられている前記広告主に対して関連付けられている1以上のサービスを要求すること、前記広告に対して関連付けられている前記広告主に対して関連付けられている1以上のイベントに参加すること、1以上のサードパーティ・サービスに加入すること、および、これらの任意の組み合わせから成る群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記決定する工程は、
前記コンバージョンが帰属することが可能な前記1以上のインタラクションの各々に対して関連付けられている前記ユーザを識別する1以上のタイプの識別子に対して関連付けられている前記重みに少なくとも部分的に基づいて、前記コンバージョンに対する前記ユーザの前記1以上のインタラクションの各々の貢献度を決定する工程、
を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記決定する工程は、
前記信頼値に少なくとも部分的に基づいて、前記コンバージョンが帰属することが可能な取り出された前記1以上のインタラクションのサブセットを識別する工程と、
前記信頼値に少なくとも部分的に基づいて、前記コンバージョンが帰属することが可能な取り出された前記1以上のインタラクションの前記サブセット内の前記インタラクションの各々の貢献度を決定する工程と、
をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記1以上のインタラクションの前記サブセットを識別する工程は、
前記信頼値に少なくとも部分的に基づいて、前記タイプの識別子をランク付けする工程と、
前記ランク付けにおいて少なくとも閾値順位を有するタイプの識別子に対して関連付けられている取り出されたインタラクションを選択する工程と、
を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
命令がエンコードされた非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
コンバージョンに対して関連付けられている、オンライン・システムのユーザを識別する情報を含む、広告に対して関連付けられている前記コンバージョンを説明する情報を受信する工程と、
前記ユーザを識別する受信された前記情報に基づいて、前記ユーザを識別する1以上の タイプの識別子を識別する工程であって、前記1以上のタイプの識別子は、オンライン・ システム・ユーザ識別子、クライアント・デバイス識別子、およびアプリケーション識別子を含む、工程と、
を行わせる、記憶媒体であって、
前記識別する工程は、
前記オンライン・システムのユーザを識別する前記1以上のタイプの識別子の各々に関連付けられている信頼値を取り出す工程であって、識別子のタイプに関連付けられている信頼値は、前記タイプの識別子が前記オンライン・システムのユーザを識別する蓋然性の尺度を提供する、工程を備え、
前記命令は、前記プロセッサに、
前記ユーザを識別する識別された前記1以上のタイプの識別子に少なくとも部分的に基づいて、前記コンバージョンが帰属することが可能な1以上のインタラクションを取り出す工程と、
取り出された前記1以上のインタラクションを、前記コンバージョンに対する取り出された前記1以上のインタラクションのうちの1以上に対して貢献量を割り当てるように構成された属性モデルへ通信する工程と、
前記属性モデルと、前記1以上のインタラクションの各々に関連付けられているユーザを識別する前記1以上のタイプの識別子とに少なくとも部分的に基づいて、前記コンバージョンが前記コンバージョンに帰属することが可能な前記1以上のインタラクションのうちの各々の前記貢献量を決定する工程と、
をさらに行わせ、前記貢献量を決定する工程は、
前記信頼値に少なくとも部分的に基づいて、前記1以上のインタラクションのうちの各々に対して関連付けられた重みに基づき貢献量を割り当てる工程、
を備える、記憶媒体。
【請求項18】
前記識別する工程は、
前記信頼値に少なくとも部分的に基づいて、前記オンライン・システムのユーザを識別する前記1以上のタイプの識別子をランク付けする工程
を備える、請求項17に記載の記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、コンバージョンをモニタリングすることに関し、特に、実行されたコンバージョンに対するインタラクションの貢献度を決定することに関する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツ・プロバイダは、コンテンツ・プロバイダによって提示用にオンライン・システムに対して提供されるコンテンツに対してコンバージョンを関連付け得る。コンバージョンは、コンテンツを提示された場合にコンテンツ・プロバイダがオンライン・システムのユーザに実行して欲しいインタラクションまたはインタラクションのタイプを識別する。例えば、コンテンツ・プロバイダは、コンバージョンを、オンライン・システムによって提示されるコンテンツに対して関連付けられているウェブサイトに対してユーザがアクセスするためのコンテンツ、またはオンライン・システムによって提示されるコンテンツによって識別されるアプリケーションをインストールするためのコンテンツに対して関連付ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ユーザは、オンライン・システムによって提示されるコンテンツに対して関連付けられているコンバージョンを実行する前に、オンライン・システムによってキャプチャされる複数のインタラクションを実行することが多い。ユーザによって実行された様々なインタラクションは、ユーザがコンバージョンを実行する蓋然性を増加または減少させることがある。しかしながら、オンライン・システムへ通信される、ユーザによって実行された様々なインタラクションを説明する情報は、そのユーザを識別する異なるタイプの情報を含むことがある。異なるタイプのユーザ識別情報のこうした使用は、ユーザによって実行されたコンバージョンに対して貢献した可能性がある、ユーザによる過去のインタラクションを、従来のオンライン・システムが正確に識別することを妨げる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ユーザに対して関連付けられているコンバージョンに対する、ユーザによる様々なインタラクションの貢献度についての、より正確な情報を広告主に提供するために、オンライン・システムは、コンバージョンに先立って、ユーザによるインタラクションを識別し、コンバージョンに対する異なるインタラクションの貢献度を決定する。コンバージョンに対するインタラクションの貢献度は、コンバージョンを実行するユーザに対する、そのインタラクションの影響の尺度を提供する。オンライン・システムは、オンライン・システムに対して識別されたコンバージョンに対して関連付けられている情報だけでなく、ユーザによって実行された様々なインタラクションを説明する情報も記憶する。オンライン・システムによるインタラクションに対して関連付けられている情報の例は、インタラクションのタイプの説明(例えば、広告のインプレッション、広告またはリンクとのインタラクション、オンラインで実行された検索、オンライン購入等)、インタラクションを実行するユーザを識別する情報(例えば、オンライン・システム・ユーザ識別子、デバイス識別子等)、およびインタラクションに対して関連付けられている時刻(例えば、タイムスタンプ)を含む。また、オンライン・システムは、あるタイプの情報の能力の尺度を示す信頼値を、ユーザを識別する様々なタイプの情報に対して関連付けて、ユーザを正確に識別する。例えば、オンライン・システムは、オンライン・システム・ユーザ識別子に対して、デバイス識別子に対して関連付けられている信頼値よりも高い信頼値を関連付ける。なぜなら、複数のユーザが1つのデバイスを共有することがあるからである。いくつかの
実施形態において、オンライン・システムは、ユーザを識別する複数のタイプの情報を、それらに関連付けられている信頼値に基づいてランク付けし、ランク付けにおいて、より上位の順位は、あるタイプの情報がユーザを正確に識別する、より高い能力を示す。オンライン・システムが、コンバージョンを説明する情報を受信した場合、オンライン・システムは、受信された情報によって、ユーザを識別する情報を識別する。次いで、オンライン・システムは、ユーザを識別する情報に対して関連付けられているインタラクション、およびユーザを識別する他のタイプの情報に対して関連付けられているインタラクションを識別する。
【0005】
属性モデルは、コンバージョンに対するソースの貢献度を評価するために、取り出されたインタラクションに対して適用される。いくつかの実施形態において、属性モデルは、コンバージョンに対する様々なインタラクションの貢献度を識別するために、異なるインタラクションに対して重みを適用する。様々な実施形態において、重みは、ユーザを識別する複数のタイプの情報に対して関連付けられている信頼値に少なくとも部分的に基づく。また、属性モデルは、取り出されたインタラクションのサブセット、例えば、少なくとも閾値信頼値を有するユーザを識別する1つのタイプの情報に対して関連付けられている取り出されたインタラクションなどに対して適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態に係る、オンライン・システムが動作するシステム環境のブロック図。
【
図2】一実施形態に係る、オンライン・システムのブロック図。
【
図3】一実施形態に係る、コンバージョンを1つまたは複数のインタラクションに対して帰属させるための方法のフローチャート。
【
図4】一実施形態に係る、インタラクションおよびコンバージョンを、アクションを行ったユーザを識別する複数のタイプの情報に対して関連付ける情報の例の図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図は、専ら説明を目的として、様々な実施形態を描いている。当業者は、本明細書で説明される原理から逸脱することなく、本明細書で説明される構造および方法の代替的な実施形態が利用され得ることを、以下の説明から容易に認識するであろう。
【0008】
システム・アーキテクチャ
図1は、オンライン・システム140のためのシステム環境100のハイレベルブロック図である。
図1によって示されるシステム環境100は、1つまたは複数のクライアント・デバイス110と、ネットワーク120と、1つまたは複数のサードパーティ・システム130と、オンライン・システム140とを備える。代替構成では、異なるおよび/または追加の構成要素がシステム環境100に含まれ得る。
【0009】
クライアント・デバイス110は、ユーザ入力を受信すること、ならびに、ネットワーク120を通じてデータを送信および/または受信することが可能な、1つまたは複数のコンピューティング・デバイスである。一実施形態では、クライアント・デバイス110は、デスクトップまたはラップトップ・コンピュータなど、従来のコンピュータ・システムである。代替的に、クライアント・デバイス110は、携帯情報端末(PDA)、モバイル電話、スマートフォンまたは別の好適なデバイスなど、コンピュータ機能を有するデバイスであり得る。クライアント・デバイス110は、ネットワーク120を通じて通信するように構成される。一実施形態では、クライアント・デバイス110は、クライアント・デバイス110のユーザがオンライン・システム140と対話することを可能にするアプリケーションを実行する。例えば、クライアント・デバイス110は、ネットワーク120を通じてクライアント・デバイス110とクライアント・システム140との間の
対話を可能にするために、ブラウザ・アプリケーションを実行する。別の実施形態では、クライアント・デバイス110は、IOS(登録商標)またはANDROID(登録商標)など、クライアント・デバイス110のネイティブ・オペレーティング・システム上で動くアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を通じて、ソーシャル・ネットワーキング・システム140と対話する。クライアント・デバイス11は、1つまたは複数のユーザに関連付けられてもよい。一実施形態では、ユーザは、ユーザに関連付けられているクライアント・デバイス110を通じて、複数のアプリケーション、サードパーティ・システム130、または、これらの組合せにアクセスしてもよい。 クライアント・デバイス110は、ネットワーク120を通じて通信するように構成されており、ネットワーク120は、有線通信システムおよび/または無線通信システムの両方を使用して、ローカル・エリア・ネットワークおよび/またはワイド・エリア・ネットワークの任意の組合せを備え得る。一実施形態では、ネットワーク120は、標準的な通信技術および/またはプロトコルを使用する。例えば、ネットワーク120は、イーサネット(登録商標)、802.11、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMAX)、3G、4G、符号分割多元接続(CDMA)、デジタル加入者回線(DSL)などの技術を使用する通信リンクを含む。ネットワーク120を通じて通信するために使用されるネットワーキング・プロトコルの例は、マルチプロトコル・ラベル・スイッチング(MPLS)、伝送制御プロトコル/インターネット・プロトコル(TCP/IP)、ハイパーテキスト・トランスポート・プロトコル(HTTP)、簡易メール転送プロトコル(SMTP)、およびファイル転送プロトコル(FTP)を含む。ネットワーク120上で交換されるデータは、ハイパーテキスト・マークアップ言語(HTML)または拡張マークアップ言語(XML)など、任意の好適なフォーマットを使用して表され得る。一実施形態では、ネットワーク120の通信リンクの全部または一部は、任意の好適な1つまたは複数の技法を使用して暗号化され得る。
【0010】
1つまたは複数のサードパーティ・システム130は、オンライン・システム140と通信するために、ネットワーク120に対して結合されることが可能であり、オンライン・システム140は、
図2に関連して、以下でさらに説明される。1つの実施形態において、サードパーティ・システム130は、クライアント・デバイス110による実行のためにアプリケーションを説明する情報を通信し、またはクライアント・デバイス上で実行されるアプリケーションによる使用のためにクライアント・デバイス110へデータを通信するアプリケーション・プロバイダである。他の実施形態において、サードパーティ・システム130は、提示用のコンテンツまたは他の情報を、クライアント・デバイス110を介して提供する。サードパーティ・システム130は、広告、コンテンツ、またはサードパーティ・システム130によって提供されるアプリケーションについての情報などの情報を、オンライン・システム140へも通信し得る。
【0011】
図2は、オンライン・システム140のアーキテクチャのブロック図である。
図2に示されるオンライン・システム140は、アクション・ログ210aと、フィルタリング・モジュール215と、属性モジュール220と、ウェブ・サーバ225とを含む。他の実施形態において、オンライン・システム140は、様々なアプリケーションのための、さらなる構成要素、より少ない構成要素、または異なる構成要素を含んでもよい。ネットワーク・インターフェース、セキュリティ機能、負荷分散装置、フェイルオーバ・サーバ、管理およびネットワーク運用コンソール等などの従来の構成要素は、システム・アーキテクチャの詳細を曖昧にしないように、図示されていない。
【0012】
オンライン・システム140の各ユーザは、ユーザ・プロフィールに対して関連付けられており、ユーザ・プロフィールは、ユーザ・プロフィール・ストア205内に記憶される。ユーザ・プロフィールは、ユーザによって明示的に共有された、ユーザについての宣言情報を含み、オンライン・システム140によって推測されたプロフィール情報も含み
得る。1つの実施形態において、ユーザ・プロフィールは、複数のデータ・フィールドを含み、各々が、対応するオンライン・システム・システム・ユーザの1つまたは複数の属性を説明する。ユーザ・プロフィールにおいて記憶される情報の例は、職歴、学歴、ジェンダー、趣味または嗜好、ロケーション等などの、経歴情報、人口統計情報、および他のタイプの説明情報を含む。ユーザ・プロフィール・ストア205内のユーザ・プロフィールは、アクション・ログ210内に記憶されたアクションに対する参照も維持し得る。
【0013】
様々な実施形態において、ユーザに対して関連付けられている複数の物理的ロケーションが、ユーザのユーザ・プロフィール内に含まれる。ロケーション・タイプは、各物理的ロケーションに対して関連付けられ、その物理的ロケーションの1つまたは複数の特性を説明する。例えば、ロケーション・タイプは、物理的ロケーションが決定されたソースを特定する。1つの実施形態において、物理的ロケーションに対して関連付けられているロケーション・タイプは、ロケーション・タイプのセットから選択される。例えば、あるロケーション・タイプは、ユーザによって特定され、またはユーザに対して関連付けられている情報によって推測される静的な物理的ロケーション(例えば、故郷、居住地)を識別し、別のロケーション・タイプは、ユーザによってオンライン・システム140に対して提供されたコンテンツにおいて識別された物理的ロケーション(例えば、ユーザによるオンライン・システム140に対する投稿によって識別されたロケーション、ユーザがクライアント・デバイス110を介してチェックインしたロケーション)を識別し、さらなるロケーション・タイプは、ユーザに対して関連付けられているクライアント・デバイス110によってオンライン・システム140へ通信された情報によって識別された物理的ロケーションを識別する(例えば、オンライン・システム140に対して関連付けられているアプリケーションを実行しているクライアント・デバイス110によって、オンライン・システム140へ通信される全地球測位システム(Global Positioning System)座標)。しかしながら、他の実施形態において、物理的ロケーションに対して関連付けられているロケーション・タイプは、物理的ロケーションの任意の適切な特性、または特性の組み合わせを識別してもよい。また、いくつかの実施形態において、ロケーション・タイプは、ユーザの現在の物理的ロケーションを識別する。例えば、オンライン・システム140は、(例えば、ユーザに対して関連付けられているクライアント・デバイス110によってオンライン・システム140へ通信された情報、および/または上記で議論されたユーザによってオンライン・システム140へ提供されたコンテンツを介して)クライアント・デバイス110から受信された情報に対して関連付けられているタイムスタンプと現在の時刻とを比較することによって、ユーザに対して関連付けられている物理的ロケーションがユーザの現在の物理的ロケーションであるかを決定する。比較された時刻における差異が、閾値未満である場合、オンライン・システム140は、ユーザに対して関連付けられている物理的ロケーションがユーザの現在のロケーションであると識別する。
【0014】
異なるロケーション・タイプを異なる物理的ロケーションに対して関連付けることは、異なる物理的ロケーションに対してユーザが現在関連付けられているべき可能性がどのくらいあるかという指標を、ユーザ・プロフィールが提供することを可能にする。例えば、物理的ロケーションがクライアント・デバイス110からオンライン・システム140によって受信された情報によって識別されたことを示すロケーション・タイプに対して関連付けられている物理的ロケーションは、物理的ロケーションがユーザによって特定された静的な物理的ロケーションであることを示すロケーション・タイプに対して関連付けられている物理的ロケーションよりも、現在の時刻においてユーザに対して関連付けられている比較的高い蓋然性を有する。オンライン・システム140は、物理的ロケーションに関連して受信されるさらなる情報に基づいて、物理的ロケーションに対して関連付けられているロケーション・タイプを決定し得る。いくつかの実施形態において、ロケーション・タイプを特定するメタデータは、物理的ロケーションに関連して、オンライン・システム
140によって受信される。
【0015】
アクション・ログ210は、外部のウェブサイトなど、サードパーティ・システム130上で取られ、オンライン・システム140に通信されるユーザ・アクションを記憶することもできる。例えば、電子商取引ウェブサイトは、電子商取引ウェブサイトがオンライン・システム140のユーザを識別することを可能にするソーシャル・プラグインを通じて、オンライン・システム140のユーザを認識することができる。オンライン・システム140のユーザが一意に識別可能であるので、前述した例などの電子商取引ウェブサイトは、ユーザとの関連付けのために、オンライン・システム140の外部のユーザのアクションについての情報を、オンライン・システム140に通信することができる。したがって、アクション・ログ210は、ウェブ・ページ閲覧履歴、関った広告、行われた購買、サードパーティ・サービスへの加入(例えば、映画の定期視聴、音楽の定期視聴、電子ブックの定期購読など)、ならびに、ショッピングおよび購入からの他のパターンを含む、ユーザがサードパーティ・システム130上で実施するアクションについての情報を記録することができる。
【0016】
アクション・ログ210は、オンライン・システム・ユーザに対して関連付けられているコンバージョンだけでなく、オンライン・システム・ユーザによるコンテンツに対するインタラクションを説明する情報も含む。コンバージョンは、広告主によって望まれる、ユーザによって実行されるアクションであり、モニタリングまたは追跡されるべきであることが広告主によって特定された、ユーザの1つまたは複数のインタラクションに対して帰属し得る。1つの実施形態において、アクション・ログ210は、インタラクションおよびコンバージョンに対して関連付けられている情報を記憶する様々なデータベースを含む。例えば、アクション・ログ210は、広告主に対して関連付けられている複数のインタラクションおよびコンバージョンに対して関連付けられている情報を記憶する、書き込み最適化データベース(write−optimized database)を含む。さらなる例として、アクション・ログ210は、コンバージョンに対して関連付けられているユーザ識別情報と一致するユーザ識別情報に対して関連付けられている複数のインタラクションに対して関連付けられている情報を記憶する、読み出し最適化データベース(read−optimized database)を含む。代替的に、アクション・ログ210は、最も頻繁なタイプのインタラクションについて最適化された単一のデータベースを含む。例えば、アクション・ログ210は、データベースに対する書き込みが最も一般的なアクションである実装例においては、書き込み最適化データベースを含む。異なるタイプのデータベースを含むことは、アクション・ログ210が一定のタイプの情報についての取り出し回数を最適化すること、および他のタイプの情報の記憶を最適化することを可能にする。
【0017】
アクション・ログ210内に記憶されるインタラクションまたはコンバージョンに対して関連付けられている例示的なタイプの情報は、インタラクションのタイプの説明(例えば、広告のインプレッション、広告またはリンクのアクセス、ユーザによって実行された検索、ユーザに対して関連付けられている過去のコンバージョン)、およびインタラクションまたはコンバージョンに対して関連付けられている時刻(例えば、タイムスタンプ)を含む。また、アクション・ログは、ユーザ識別情報を各インタラクションまたは各コンバージョンに対して関連付けて、そのインタラクションまたはそのコンバージョンを実行したユーザを識別する。ユーザを識別する複数のタイプの情報は、インタラクションまたはコンバージョンに対して関連付けられ得る。例示的なタイプのユーザ識別情報は、オンライン・システム・ユーザ識別子、クライアント・デバイス識別子、アプリケーション識別子、および任意の他の適切な情報を含む。
【0018】
フィルタリング・モジュール215は、インタラクションおよびコンバージョンに対し
て関連付けられている情報に対してデータベース内で広告主によってインデックスを付ける。例えば、フィルタリング・モジュール215は、様々な広告主に対して関連付けられている複数のインタラクションおよびコンバージョンに対して関連付けられている情報をアクション・ログ210から取り出し、取り出された情報に対して、各広告主に対して関連付けられているデータベース内でインデックスを付ける。フィルタリング・モジュール215は、コンバージョンに対して関連付けられているユーザ識別情報、およびインタラクションに対して関連付けられているユーザ識別情報に基づいて、アクション・ログ210からのコンバージョンに対して関連付けられているインタラクションもフィルタリングする。例えば、フィルタリング・モジュール215は、コンバージョンに対して関連付けられているユーザ識別情報と一致するユーザ識別情報に対して関連付けられているインタラクションに対して関連付けられている情報をアクション・ログ210から取り出し、取り出された情報を後の取り出しのためにデータベース内に記憶する。
【0019】
コンバージョンに対して関連付けられているユーザ識別情報に対して関連付けられているインタラクションに対して関連付けられている情報をアクション・ログ210から取り出す場合、フィルタリング・モジュール215は、ユーザを識別する様々なタイプの情報に対して関連付けられている情報をアクション・ログ210から取り出す。例えば、オンライン・システム140は、様々なタイプのユーザ識別情報(例えば、オンライン・システム・ユーザ識別子、デバイス識別子、アプリケーション識別子)をユーザに対して関連付ける。コンバージョンに対して関連付けられている、あるタイプのユーザ識別情報が、そのコンバージョンに対して関連付けられているユーザ識別情報と一致する場合、フィルタリング・モジュール215は、ユーザを識別するさらなるタイプの情報も決定し得る。さらなるタイプのユーザ識別情報に対して関連付けられているインタラクションは、フィルタリング・モジュール215によって取り出され、ユーザに対して関連付けられている複数のタイプのユーザ識別情報に対して関連付けられているインタラクションの取り出しを可能にする。
【0020】
属性モジュール220は、コンバージョンに対する異なるインタラクションの貢献度を識別するために、識別されたコンバージョンに対して適用される1つまたは複数の属性ルールを含む。1つの実施形態において、フィルタリング・モジュール215は、コンバージョンに対して関連付けられているユーザを識別する情報と、そのユーザを識別する少なくとも1つのタイプの情報に対して関連付けられている1つまたは複数のタイプのインタラクションに対して関連付けられているインタラクションとを、属性モジュール220へ通信する。属性モジュール220は、異なるタイプのユーザ識別情報に対して関連付けられている信頼値を含み、あるタイプのユーザ識別情報に対して関連付けられている信頼値は、あるタイプのユーザ識別情報が、オンライン・システム140の特定のユーザを識別する蓋然性の尺度を提供する。例えば、オンライン・システム・ユーザ識別子は、クライアント・デバイス識別子よりも大きい信頼値に対して関連付けられている。なぜなら、オンライン・システム・ユーザ識別子は、オンライン・システム140の特定のユーザを識別する、より高い蓋然性を有するからである。信頼値を複数のタイプのユーザ・インタラクションに対して関連付けることは、
図3に関連して、以下でさらに説明される。
【0021】
いくつかの実施形態において、属性モジュール220は、異なるインタラクションに対して関連付けられている複数のタイプのユーザ識別情報に基づいて、フィルタリング・モジュール215から受け取られた様々なインタラクションに対して重みを関連付ける。例えば、あるインタラクションに対して関連付けられている重みは、そのインタラクションに対して関連付けられているユーザを識別する1つのタイプの情報に対して関連付けられている信頼値と比例するので、より高い信頼値を有するユーザを識別する複数のタイプの情報に対して関連付けられているインタラクションは、それに応じて、より大きい重みに対して関連付けられている。属性モジュール220は、コンバージョンに対する様々なイ
ンタラクションの貢献度を決定する際に、様々なインタラクションに対して関連付けられている重みを考慮する。いくつかの実施形態において、属性モジュール220は、ユーザおよび/またはインタラクションに対して関連付けられている他の情報に基づいて、フィルタリング・モジュール215から受信される様々なインタラクションに対して重みを関連付ける。例えば、属性モジュール220は、会話が発生した時刻から経過した時間量に基づいて、アド・インプレッション、クリック、または他のインタラクションの重要度を低減させる「時間減衰」モデルを含む。
【0022】
ウェブ・サーバ225は、オンライン・システム140を、ネットワーク120を通じて、1つまたは複数のクライアント・デバイス110、および1つまたは複数のサードパーティ・システム130に結び付ける。ウェブ・サーバ225は、ウェブ・ページ、ならびにJAVA(登録商標)、FLASH(登録商標)、およびXMLなどの他のコンテンツに対してサービスを行う。ウェブ・サーバ225は、メッセージを、例えば、インスタント・メッセージ、待ち行列に入れられるメッセージ(例えば、電子メール)、テキスト・メッセージ、ショート・メッセージ・サービス(SMS)メッセージ、または他の任意の適切なメッセージング技法を使用して送信されるメッセージを受信し、オンライン・システム140とクライアント・デバイス110の間で転送する。ユーザは、コンテンツ・ストア210内に記憶された情報(例えば、画像または動画)をアップロードするために、ウェブ・サーバ225に対して要求を送信することができる。加えて、ウェブ・サーバ225は、IOS(登録商標)、ANDROID(登録商標)、WEBOS(登録商標)、またはBlackberry(登録商標)OSなど、ネイティブ・クライアント・デバイス・オペレーティング・システムに対してデータを直接的に送信するために、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)機能を提供することができる。
【0023】
コンバージョンに対するインタラクションの貢献度を決定
図3は、広告に対して関連付けられているコンバージョンに対する様々なインタラクションの貢献度を決定するための方法の1つの実施形態のフローチャートである。他の実施形態において、本方法は、
図3によって図示された工程とは異なる工程、さらなる工程、または、より少ない工程を含む。また、いくつかの実施形態において、
図3に関連して説明される工程は、異なる順序で実行されてもよい。
【0024】
オンライン・システム140は、オンライン・システム・ユーザを識別する様々なタイプの情報に対して関連付けられている信頼値を記憶する(305)。ユーザを識別する1つのタイプの情報に対して関連付けられている信頼値は、そのタイプの情報がユーザを正確に識別する蓋然性の尺度を提供する。ユーザを識別する例示的なタイプの情報は、オンライン・システム・ユーザ識別子、クライアント・デバイス識別子、およびアプリケーション識別子を含む。1つの実施形態において、オンライン・システム140は、ユーザを識別する複数のタイプの情報を、それらに関連付けられている信頼値に基づいてランク付けする。例えば、複数のタイプのユーザ識別情報のランク付けは、そのランク付けのより上位の順位において、ユーザを正確に識別する可能性がより高い、ユーザを識別する複数のタイプの情報(例えば、より高い信頼値に対して関連付けられている複数のタイプのユーザ識別情報)を有する。
【0025】
また、オンライン・システム140は、オンライン・システム140のユーザに対して関連付けられている1つまたは複数のインタラクションを説明する情報を受信し(310)、その1つまたは複数のインタラクションを説明する情報を記憶する(315)。例えば、オンライン・システム140は、広告内に埋め込まれた追跡ピクセルを介して、オンライン・システム140のユーザに対して広告が提示されたことを示す情報を受信し(310)、オンライン・システム・ユーザ識別子、ブラウザ識別子、およびクライアント・デバイス識別子を用いてユーザを識別し、ユーザに対して広告が提示された時刻を示す。
ユーザ・インタラクションを説明する情報は、リアルタイムで受信されても、または、ほぼリアルタイムで受信されてもよい。いくつかの実施形態において、オンライン・システム140は、オンライン・システム140のユーザではないエンティティに対して関連付けられているインタラクションを説明する情報を受信し(310)、記憶する(315)。例えば、オンライン・システム140は、広告とのインタラクションを識別する情報、そのインタラクションに対して関連付けられているタイムスタンプ、および、そのインタラクションを実行するために使用されたクライアント・デバイス110に対して関連付けられているクライアント・デバイス識別子を受信する(310)。いくつかの実施形態において、オンライン・システム140は、広告との1つまたは複数のインタラクションを説明する情報を、書き込み最適化データベース内に記憶して(315)、そのインタラクションを説明する情報をより効率的に記憶する。
【0026】
オンライン・システム140は、広告に対して関連付けられ、かつ、アクションを行ったユーザに対して関連付けられているコンバージョンを説明する情報を受信する(320)。上述されたように、コンバージョンは、広告の提示に対する所望のタイプのインタラクションとして、広告主によって広告に対して関連付けられている1つのタイプのアクションである。コンバージョンの例は、購入、広告とのインタラクション、またはオンライン・システム140のアクションを行ったユーザおよび広告に対して関連付けられている他の適切なインタラクションを含む。コンバージョンを説明する情報は、サードパーティ・システム130上の追跡ピクセルもしくは他の追跡メカニズムから、または任意の適切なソースから、受信され得る(320)。また、コンバージョンを説明する情報は、リアルタイムで受信されても、または、ほぼリアルタイムで受信されてもよい。コンバージョンを説明する情報は、アクションを行ったユーザを識別する情報(例えば、オンライン・システム・ユーザ識別子、クライアント・デバイス識別子、アプリケーション識別子)、コンバージョンの説明、およびコンバージョンに対して関連付けられている時刻を含む。オンライン・システム140は、コンバージョンを説明する情報を記憶する(325)。例えば、オンライン・システム140は、コンバージョンと、コンバージョンに対して関連付けられている広告主に対して関連付けられている他のインタラクションとを説明する情報を、アクション・ログ210内の書き込み最適化データベース内に記憶する(325)。
【0027】
アクションを行ったユーザを識別する情報は、コンバージョンを説明する情報によって識別され(330)、アクションを行ったユーザに対して関連付けられている1つまたは複数のさらなるインタラクションを説明する情報は、アクションを行ったユーザを識別する情報を使用して取り出される(335)。また、いくつかの実施形態において、アクションを行ったユーザを識別する情報が、ユーザを識別する特定のタイプの情報である場合、アクションを行ったユーザを識別する他のタイプの情報が識別され、アクションを行ったユーザを識別する他のタイプの情報に対して関連付けられているインタラクションも取り出される(335)。例えば、アクションを行ったユーザを識別する情報が、デバイス識別子である場合、オンライン・システム140は、アクションを行ったユーザを識別する他のタイプの情報(例えば、オンライン・システム・ユーザ識別子、アプリケーション識別子)を識別し、アクションを行ったユーザを識別する他のタイプの情報に対して関連付けられているインタラクションを、デバイス識別子に対して関連付けられているインタラクションと共に取り出す(335)。
【0028】
1つの実施形態において、オンライン・システム140によって受信された、コンバージョンおよび1つまたは複数のインタラクションを説明する情報は、実行されたインタラクションのタイプについての情報、インタラクションまたはコンバージョンを実行するユーザを識別する1つまたは複数のタイプの情報、および各インタラクションまたは各コンバージョンに対して関連付けられている時刻を含めて、書き込み最適化データベースにお
いて記憶される。オンライン・システム140が、コンバージョンを説明する情報を受信した場合(320)、受信された情報によって、アクションを行ったユーザに対して関連付けられている1つまたは複数のタイプのユーザ識別情報が識別され(330)、コンバージョンを説明する情報に含まれるユーザを識別する1つのタイプの情報と一致する、アクションを行ったユーザを識別する少なくとも1つのタイプの情報を有する、アクションを行ったユーザに対して関連付けられている1つまたは複数のさらなるインタラクションを取り出す(335)ために使用される。いくつかの実施形態において、取り出された1つまたは複数のさらなるインタラクションを説明する情報は、オンライン・システム140による後の情報の取り出しを促進するために、読み出し最適化データベースにおいて記憶される。
【0029】
いくつかの実施形態において、インタラクションおよび/またはコンバージョンに対して関連付けられているユーザを識別する情報は、推測され得る。ユーザを識別する1つのタイプの情報に対して関連付けられている少なくとも閾値数または閾値割合のインタラクションが、ユーザを識別するさらなるタイプの情報に対しても関連付けられている場合、ユーザを識別するそのタイプの情報に対して関連付けられているインタラクションは、ユーザを識別するさらなるタイプの情報に対しても関連付けられていると推測される。例えば、デバイス識別子に対して関連付けられている少なくとも閾値割合のインタラクションが、オンライン・システム・ユーザ識別子に対しても関連付けられている場合、デバイス識別子のみに対して関連付けられているインタラクションは、オンライン・システム・ユーザ識別子に対しても関連付けられていると推測される。あるタイプのユーザ識別情報に対して関連付けられている、推測された関連付けを有するインタラクションのコンバージョンに対する貢献度は、割り引かれてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、オンライン・システム140は、インタラクションを説明する取り出された情報を、その情報の後の取り出しを最適化するロケーションにおいて記憶する(340)。例えば、取り出された情報は、取り出された情報の後のアクセスを促進するために、アクション・ログ210とは別個のデータベース内に記憶される(340)。いくつかの実施形態において、取り出された情報は、読み出し最適化データベース内に記憶され(340)、取り出された情報に対してオンライン・システム140がより迅速にアクセスすることを可能にする。
【0031】
インタラクションを説明する取り出された情報に基づいて、オンライン・システム140は、インタラクションを属性モデルへ通信し、属性モデルは、コンバージョンに対する様々なインタラクションの貢献値を決定する。1つの実施形態において、オンライン・システム140は、コンバージョンに対する様々なインタラクションの貢献度を決定する(345)。重みは、取り出された情報による様々なインタラクションに対して関連付けられている。1つの実施形態において、重みは、取り出された情報によって説明される各インタラクションに対して関連付けられている。インタラクションに対して関連付けられている重みは、コンバージョンに対するインタラクションの貢献の量の尺度を提供する。様々な実施形態において、インタラクションに対して関連付けられている重みは、インタラクションに対して関連付けられているユーザを識別する1つのタイプの情報に少なくとも部分的に基づく。インタラクションに対して関連付けられている重みは、そのインタラクションに対して関連付けられているアクションを行ったユーザを識別する1つのタイプの情報に対して関連付けられている信頼値に比例し得る。例えば、より高い信頼値を有するタイプのユーザ識別情報に対して関連付けられているインタラクションは、より大きい重みに対して関連付けられている。いくつかの実施形態において、オンライン・システム140は、様々なインタラクションに対して関連付けられている重みを決定し、重みおよびインタラクションを説明する情報を属性モデルへ通信し、属性モデルは、重みに少なくとも部分的に基づいて、コンバージョンに対する様々なインタラクションの貢献値を決定す
る(345)。いくつかの実施形態において、オンライン・システムは、ユーザおよび/またはインタラクションに対して関連付けられている他の情報(例えば、インタラクション以降に経過した時間の長さ、およびコンバージョンが発生した時刻)に基づいて、様々なインタラクションを重み付けする。
【0032】
属性モデルまたは1つもしくは複数の属性ルールは、コンバージョンに対する様々なインタラクションの貢献度を決定する(345)ために、取り出された情報に対応するインタラクションに対して適用される。属性ルールまたは属性モデルは、コンバージョンに対する様々なインタラクションの貢献度を決定する際(345)に、様々なインタラクションに対して関連付けられている重みに対して適用されてもよい。例えば、インタラクションは、様々なインタラクションに対して関連付けられているアクションを行ったユーザを識別する複数のタイプの情報に対して関連付けられている信頼値に基づいてランク付けされ、ランク付けにおいて少なくとも閾値順位にあるインタラクションは、属性モデルへ通信され、属性モデルは、コンバージョンに対するインタラクションの貢献度を決定する。別の例として、少なくとも閾値信頼値を有するアクションを行ったユーザを識別する1つのタイプの情報に対して関連付けられているインタラクションが、属性モデルへ通信される。様々な実施形態において、コンバージョンに対するインタラクションの貢献度は、インタラクションに対して関連付けられている重みに少なくとも部分的に基づく。オンライン・システム140は、コンバージョンに対する様々なインタラクションの貢献度を識別する属性モデルまたは属性ルールの適用に基づいて、広告主のために属性レポートを作成し得る。
【0033】
インタラクションの例示的な識別
図4は、インタラクションを、アクションを行ったユーザを識別する複数のタイプの情報405に対して関連付ける情報の例を示す。
図4の例においては、オンライン・システム・ユーザ識別子、クライアント・デバイス識別子、およびアプリケーション識別子が、アクションを行ったユーザを識別する複数のタイプの情報405である。例示の目的のために、
図4は、アクションを行ったユーザに対して関連付けられているオンライン・システム・ユーザ識別子と、アプリケーション識別子とを含む、アクションを行ったユーザに対して関連付けられているコンバージョン410を説明する情報をオンライン・システム140が受信する例を説明する。
【0034】
コンバージョン410を説明する情報に含まれるオンライン・システム・ユーザ識別子およびアプリケーション識別子に基づいて、オンライン・システム140は、アクションを行ったユーザを識別する様々なタイプの情報に対して関連付けられているインタラクションを取り出す。
図4の例において、オンライン・システム140は、アクションを行ったユーザに対してそれぞれ関連付けられているが、アクションを行ったユーザを識別する異なるタイプの情報405に対して関連付けられているインタラクション415、420、425を取り出す。インタラクション415は、アクションを行ったユーザに対して関連付けられているクライアント・デバイス識別子に対して関連付けられている。インタラクション420は、アクションを行ったユーザに対してそれぞれ関連付けられているオンライン・システム・ユーザ識別子、クライアント・デバイス識別子、およびアプリケーション識別子に対して関連付けられている。また、インタラクション425は、アクションを行ったユーザに対して関連付けられているクライアント・デバイス識別子およびアプリケーション識別子に対して関連付けられている。
【0035】
アクションを行ったユーザに対して関連付けられている複数のタイプの情報405に対して関連付けられているインタラクションから、オンライン・システム140は、コンバージョン410に対しても関連付けられている、ユーザを識別する情報に対して関連付けられている1つまたは複数のインタラクションを識別する。
図4の例において、インタラ
クション420は、コンバージョンに対して関連付けられているオンライン・システム・ユーザ識別子に関連付けられており、インタラクション425は、コンバージョン410に対して関連付けられているアプリケーション識別子に対して関連付けられている。したがって、オンライン・システム140は、属性モデルまたは1つもしくは複数の属性ルールを、インタラクション420およびインタラクション425に対して適用して、コンバージョン410に対するインタラクション420とインタラクション425との両方の貢献度を決定する。
図3に関連して上述されたように、重みは、各インタラクションに対して関連付けられているアクションを行ったユーザを識別する複数のタイプの情報に対して関連付けられている信頼値に基づいて、インタラクション420およびインタラクション425に対して関連付けられ得る。例えば、オンライン・システム・ユーザ識別子が、アプリケーション識別子よりも高い信頼値を有する場合、インタラクション425よりもインタラクション420に対して、より大きい重みが関連付けられている。様々な実施形態において、インタラクションに対して関連付けられている重みは、コンバージョン410に対する各インタラクションの貢献度を決定するために、属性モデルまたは属性ルールによって使用される。
【0036】
まとめ
上記の本発明の実施形態の説明は、例示の目的で提示されており、網羅的なものであるように、または本発明を開示された特許権に限定するように意図されていない。上記の開示に鑑みて、多くの修正および変形形態が可能であることは、当業者であれば了解されるであろう。
【0037】
この説明のいくつかの部分は、情報に対する操作のアルゴリズムおよび記号表現の観点から、本発明の実施形態を説明している。これらのアルゴリズムに関する説明および表現は、データ処理分野における当業者によって、自らの作業の本質を他の当業者に有効に伝えるために一般に使用される。これらの操作は、機能的、計算的、または論理的に説明されるが、コンピュータ・プログラムまたは等価な電気回路、マイクロコードなどによって実装されることが理解される。さらにまた、これらの操作の配列を、一般性を損なうことなく、モジュールと呼ぶことが場合によっては好都合であることも判明している。説明された操作およびそれらの関連付けられたモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組合せにおいて具現化され得る。
【0038】
本願明細書で説明された工程、操作、またはプロセスのうちのいずれかが、1または複数のハードウェアまたはソフトウェア・モジュールによって、単独でまたは他のデバイスと組合せて、実施または実装され得る。一実施形態では、ソフトウェア・モジュールは、説明された工程、操作、またはプロセスのうちのいずれかまたはすべてを実施するためにコンピュータ・プロセッサによって実行され得るコンピュータ・プログラム・コードを含有するコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータ・プログラム製品によって実装される。
【0039】
一実施形態はまた、本願明細書の操作を実施するための装置にも関し得る。この装置は、要求された目的のために特別に構築されてよく、および/または、コンピュータに記憶されたコンピュータ・プログラムによって選択的に起動または再構成される汎用コンピューティング・デバイスを備えてよい。そのようなコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム・バスに結合され得る、非一時的な有形のコンピュータ可読記憶媒体、または電子命令を記憶するために好適な任意のタイプの媒体に記憶され得る。さらに、本願明細書で言及される任意のコンピューティング・システムは、単一のプロセッサを含んでよく、または、増大されたコンピューティング力のために複数のプロセッサ設計を採用するアーキテクチャであってよい。
【0040】
一実施形態はまた、本願明細書で説明されたコンピューティング・プロセスによって作り出される製品にも関し得る。そのような製品は、コンピューティング・プロセスから得られる情報を備えることができ、その場合、その情報は、非一時的な有形のコンピュータ可読記憶媒体に記憶され、本願明細書で説明されたコンピュータ・プログラム製品または他のデータの組合せの任意の実施形態を含み得る。
【0041】
最後に、本願明細書で使用される言語は、主に読み易さおよび教示目的のために選択されており、本発明の特許権を線引きまたは制限するように選択されていないことがある。したがって、本特許権の範囲は、この発明を実施するための形態によってではなく、本願明細書に基づく出願において出るいずれかの請求項によって限定されることが意図される。したがって、本実施形態の開示は、以下の特許請求の範囲に記載される特許権の範囲を限定するのではなく例示することが意図される。