特許第6683763号(P6683763)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6683763
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】補強部材およびランドセル
(51)【国際特許分類】
   A45F 3/04 20060101AFI20200413BHJP
   A45C 13/30 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   A45F3/04 400G
   A45C13/30 M
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-111326(P2018-111326)
(22)【出願日】2018年6月11日
(65)【公開番号】特開2019-213615(P2019-213615A)
(43)【公開日】2019年12月19日
【審査請求日】2018年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】391043756
【氏名又は名称】株式会社セイバン
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 正章
(72)【発明者】
【氏名】亀田 和哉
【審査官】 新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−285328(JP,A)
【文献】 特開平09−140438(JP,A)
【文献】 実開昭63−014520(JP,U)
【文献】 特開2008−073331(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3078686(JP,U)
【文献】 米国特許第01490941(US,A)
【文献】 実開平2−19230(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45F 3/04
A45C 13/30
A41F 9/00
A45C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックル本体と、前記バックル本体に当接可能なピンと、前記ピンが挿入されるベルト穴が設けられたベルト本体とを含むベルトに取り付けるための補強部材であって、
前記ベルトの前記ベルト本体を挿通可能な挿通空間が設けられた取付部と、
前記取付部に接続され、前記ピンが係止される係止穴が設けられた舌片部とを備え、
前記舌片部は、前記挿通空間に前記ベルト本体が挿通された状態で、前記ベルト穴に挿入された前記ピンが前記係止穴に係止されるように構成されており、
前記係止穴は前記舌片部を厚さ方向に貫通するように構成されており、
前記係止穴は前記ベルト穴に重なるように構成されており、
前記舌片部は、第1舌片部材と、第2舌片部材とを含んでおり、
前記第1舌片部材および前記第2舌片部材は、前記ベルト本体を挟むように配置されており、
前記第1舌片部材および前記第2舌片部材の各々に前記係止穴が設けられている、補強部材。
【請求項2】
前記ベルト本体は、上ベルトと、下ベルトとを含み、
前記ベルトは、前記下ベルトに取り付けられており、かつ前記上ベルトおよび前記舌片部を挿通可能な環状部材とを含み、
前記舌片部は、前記環状部材に前記上ベルトとともに挿通された状態で、前記環状部材に保持されるように構成されている、請求項1に記載の補強部材。
【請求項3】
前記係止穴の直径は、前記ベルト穴の直径よりも小さい、請求項1または2に記載の補強部材。
【請求項4】
前記挿通空間に前記ベルト本体が挿通された状態で、前記舌片部の幅は前記舌片部に重なる前記ベルト本体の幅よりも大きい、請求項1〜3のいずれか1項に記載の補強部材。
【請求項5】
反射部材をさらに備え、
前記反射部材は、前記取付部の外表面に取り付けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の補強部材。
【請求項6】
前記舌片部の硬度は、前記ベルト本体の硬度よりも大きい、請求項1〜5のいずれか1項に記載の補強部材。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の前記補強部材と、
前記補強部材が取り付けられた前記ベルトとを備えた、ランドセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補強部材およびランドセルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ランドセルのベルトには、ベルトの長さを調整するためのバックルが設けられている。例えば、特開2012−130471号公報(特許文献1)には、バックルが設けられたベルトを備えたランドセルが記載されている。このランドセルのベルトは、上ベルトと、下ベルトとを含んでいる。上ベルトと下ベルトとはバックルにより連結されている。バックルは、バックル本体(連結環)と、ピン(止着針)とを含んでいる。バックル本体に挿通された上ベルトのベルト穴にピンが挿入されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−130471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記公報に記載されたランドセルでは、単純に、ベルト穴にピンが挿入されているため、ピンと接触することによりベルト穴が大きく変形する。例えば、ランドセルが展示された際にベルト穴が大きく変形すると、このランドセルは販売に適さないものとして販売されないことがある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ピンと接触することによりベルト穴が変形することを抑制することができる補強部材およびそれを備えたランドセルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の補強部材は、バックル本体と、バックル本体に当接可能なピンと、ピンが挿入されるベルト穴が設けられたベルト本体とを含むベルトに取り付けるための補強部材である。補強部材は、ベルトのベルト本体を挿通可能な挿通空間が設けられた取付部と、取付部に接続され、ピンが係止される係止穴が設けられた舌片部とを備えている。舌片部は、挿通空間にベルト本体が挿通された状態で、ベルト穴に挿入されたピンが係止穴に係止されるように構成されている。係止穴は舌片部を厚さ方向に貫通するように構成されている。係止穴はベルト穴に重なるように構成されている。舌片部は、第1舌片部材と、第2舌片部材とを含んでいる。第1舌片部材および第2舌片部材は、ベルト本体を挟むように配置されている。第1舌片部材および第2舌片部材の各々に係止穴が設けられている
【発明の効果】
【0007】
本発明の補強部材によれば、舌片部は、挿通空間にベルト本体が挿通された状態で、ベルト穴に挿入されたピンが係止穴に係止されるように構成されている。このため、補強部材により、ピンがベルト穴に接触することを抑制することができる。したがって、ピンと接触することによりベルト穴が変形することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施の形態におけるランドセルの概略斜視図である。
図2】本発明の一実施の形態における補強部材がランドセルのベルトに取り付けられた状態を示す概略正面図である。
図3】本発明の一実施の形態における補強部材がランドセルのベルトに取り付けられた状態を示す概略背面図である。
図4】本発明の一実施の形態における補強部材がランドセルのベルトに取り付けられた状態を示す概略側面図である。
図5】本発明の一実施の形態における補強部材がランドセルのベルトに取り付けられた状態を示す概略断面図である。
図6】本発明の一実施の形態における補強部材を上端側から見た概略斜視図である。
図7】本発明の一実施の形態における補強部材を下端側から見た概略斜視図である。
図8】本発明の一実施の形態における補強部材の概略分解斜視図である。
図9】本発明の一実施の形態における変形例1の補強部材の概略斜視図である。
図10】本発明の一実施の形態における変形例2の補強部材の概略斜視図である。
図11】本発明の一実施の形態における変形例3の補強部材の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態について図に基づいて説明する。なお、以下の図においては、同一または相当する部分に同一の符号を付すものとし、重複する説明は繰り返さない。
【0010】
最初に本発明の一実施の形態における補強部材が取り付けられたベルトを備えたランドセルの構成について説明する。
【0011】
図1を参照して、本実施の形態におけるランドセル100は、収容部1と、蓋部2と、一対のベルト3と、連結部材4と、補強部材10とを主に有している。収容部1は、背部1aと、一対の側部1bと、正面部1cと、底部1dとを有している。収容部1は上端に開口部を有している。収容部1は開口部に連通する内部空間を有している。内部空間は、背部1a、一対の側部1b、正面部1cおよび底部1dのそれぞれの内周面によって取り囲まれた空間である。収容部1は開口部を通して内部空間に教科書等を収容可能に構成されている。蓋部2は、収容部1の背部1aの上端に接続されており、背部1aの上端を基端にして開口部を開閉可能に構成されている。
【0012】
一対のベルト3はそれぞれ収容部1に接続されている。具体的には、一対のベルト3のそれぞれの一端が連結部材4を介して背部1aの上端部に接続されている。また一対のベルト3のそれぞれの他端が図示しない接続部材を介して底部1dに接続されている。一対のベルト3は、左右に1本ずつ設けられている。一対のベルト3は、使用者がランドセル100を背負ったときに使用者の両肩に装着されるように構成されている。
【0013】
ベルト3は、ベルト本体31と、バックル32とを主に有している。ベルト本体31は、上ベルト3aと、下ベルト3bとを含んでいる。上ベルト3aにベルト穴3a1が設けられている。ベルト穴3a1は複数個設けられている。ベルト穴3a1は、上ベルト3aを厚さ方向に貫通するように設けられている。上ベルト3aの上端が連結部材4によって背部1aの上端部に取り付けられている。下ベルト3bの下端が図示しない接続部材によって底部1dに取り付けている。
【0014】
上ベルト3aと下ベルト3bとはバックル32によって連結されている。バックル32によってベルト3の長さ調整が可能となる。バックル32は、ピン3cと、バックル本体3dとを有している。バックル32は下ベルト3bの上端に取り付けられている。ピン3cは、ベルト穴3a1に挿入されるように構成されている。ピン3cは、バックル本体3dに当接可能に構成されている。バックル本体3dは、上ベルト3aを挿通可能に構成されている。また、バックル本体3dは、後述する補強部材10の舌片部12を挿通可能に構成されている。
【0015】
ベルト3は、環状部材3eおよび環状部材3fをさらに含んでいる。環状部材3eおよび環状部材3fは下ベルト3bに取り付けられている。環状部材3eおよび環状部材3fは環状に構成されている。環状部材3eおよび環状部材3fは上ベルト3aを挿通可能に構成されている。また、環状部材3eは、後述する補強部材10の舌片部12を挿通可能に構成されている。
【0016】
環状部材3eおよび環状部材3fは互いに離れて配置されている。環状部材3eはバックル32と隣り合うように配置されている。環状部材3fは、環状部材3eよりも下ベルト3bの下端側に配置されている。環状部材3fは下ベルト3bを挿通可能に構成されている。環状部材3fは下ベルト3bに沿って上下に移動可能に構成されている。
【0017】
ベルト3は、カバー部材3gをさらに含んでいる。カバー部材3gは下ベルト3bの上端に取り付けられている。カバー部材3gは下ベルト3bの上端から張り出した張出部3g1を含んでいる。カバー部材3gは、張出部3g1に上ベルト3aを挿通可能に構成されている。張出部3g1は、上ベルト3aが挿通された状態で、上ベルト3aとバックル本体3dとの間に配置されている。なお、図2図5では、説明の便宜のため、カバー部材3gの張出部3g1は部分的に省略されている。
【0018】
図1および図2を参照して、補強部材10は、ベルト3に取り付けるためのものである。補強部材10はベルト穴3a1を補強するためのものである。補強部材10は、一対のベルト3の各々に取り付けられている。
【0019】
図2および図3を参照して、補強部材10は、取付部11と、舌片部12とを備えている。取付部11はベルト本体31に取り付けられるように構成されている。取付部11にはベルト3のベルト本体31を挿通可能な挿通空間SP(図6参照)が設けられている。舌片部12は、取付部11に接続されている。舌片部12は、ベルト本体31に沿って延在するように構成されている。舌片部12は、ベルト本体31に沿って曲がるように可撓性を有している。舌片部12にはピン3cが係止される係止穴13が設けられている。係止穴13は舌片部12厚さ方向に貫通するように構成されている。係止穴13はベルト穴3a1に重なるように構成されている。
【0020】
舌片部12は、第1舌片部材12aと、第2舌片部材12bとを含んでいる。第1舌片部材12aおよび第2舌片部材12bは、ベルト本体31を挟むように配置されている。第1舌片部材12aおよび第2舌片部材12bの各々に係止穴13が設けられている。
【0021】
舌片部12の係止穴13の直径は、ベルト穴3a1の直径よりも小さい。取付部11の挿通空間SPにベルト本体31が挿通された状態で、舌片部12の幅は舌片部12に重なるベルト本体31の幅よりも大きい。つまり、舌片部12がベルト本体31に重なる領域において舌片部12の幅はベルト本体31の幅よりも大きい。また、舌片部12の幅は、取付部11の幅よりも小さい。
【0022】
図4および図5を参照して、ベルト穴3a1は上ベルト3aの表面から裏面に亘って貫通するように設けられている。ピン3cは上ベルト3aの裏面から表面にベルト穴3a1に挿入されている。ピン3cの先端はバックル本体3dに係止されている。ピン3cの上側および下側の部分は舌片部12の係止穴13に係止されている。舌片部12は、取付部11の挿通空間SPにベルト本体31が挿通された状態で、ベルト穴3a1に挿入されたピン3cが係止穴13に係止されるように構成されている。このため、舌片部12がベルト穴3a1に接触することを抑制することが可能となる。
【0023】
舌片部12は、環状部材3eに上ベルト3aとともに挿通された状態で、環状部材3eに保持されるように構成されている。このため、環状部材3eにより舌片部12の先端を保持することが可能となる。また、舌片部12は、環状部材3eに加えて環状部材3fに保持されるように構成されていてもよい。
【0024】
舌片部12の硬度は、ベルト本体31の硬度よりも大きい。舌片部12の材料は、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)である。ベルト本体31の材料は、例えば人工皮革、天然皮革等である。
【0025】
図6および図7を参照して、取付部11は環状に構成されている。取付部11の上端に第1開口OP1が設けられており、下端に第2開口OP2が設けられている。第1開口OP1は第2開口OP2に対向するように配置されている。挿通空間SPは、第1開口OP1と第2開口OP2とを繋ぐように構成されている。取付部11の外壁部は、挿通空間SPを囲むように構成されている。
【0026】
なお、本実施の形態では、取付部11の外壁部は、挿通空間SPを全周に亘って囲むように構成されているが、ベルト3(図1参照)が挿通空間SPに挿通された状態で取付部11がベルト3に取り付けられていればよく、取付部11の外壁部は、挿通空間SPを全周に亘って囲んでいなくてもよい。
【0027】
舌片部12は、第2開口OP2に対して第1開口OP1と反対側に向けて取付部11から突出している。第1舌片部材12aおよび第2舌片部材12bは互いに向かい合うように配置されている。第1舌片部材12aおよび第2舌片部材12bの各々の係止穴13は、第1舌片部材12aおよび第2舌片部材が互いに向かい合うよう方向に重なるように配置されている。
【0028】
舌片部12は舌片状に構成されている。つまり、舌片部12は薄板状に構成されている。舌片部12の厚みは、例えば0.8mmである。舌片部12は正面視において略長方形状に構成されている。舌片部12は取付部11に片持ち支持されている。すなわち、舌片部12の根元は取付部11に固定された固定端であり、舌片部12の先端は自由に移動可能な自由端である。舌片部12の先端の両端はラウンド形状に構成されている。また、第1舌片部材12aおよび第2舌片部材12bは互いに同じ形状に構成されている。
【0029】
図6図8を参照して、取付部11は、一方端部11aと、他方端部11bと、固定部材11cとを含んでいる。図6および図7に示されるように、補強部材10は、一方端部11aに他方端部11bが重なるように折り曲げられている。なお、図8では、説明の便宜のため、取付部11を展開して示している。
【0030】
一方端部11aに他方端部11bが重ねられた状態で一方端部11aおよび他方端部11bは固定部材11cにより固定されている。具体的には、固定部材11cは、第1固定部材11c1と、第2固定部材11c2とを含んでいる。第1固定部材11c1は、第1頭部H1と、凸部PPとを有している。凸部PPは、第1頭部H1から第2固定部材11c2に向けて突出している。第2固定部材11c2は、第2頭部H2と、凹部HPとを有している。凹部HPは、第2頭部H2から第1固定部材11c1に向けて突出する壁部と、壁部の中央に設けられた凹みとを有している。
【0031】
また、一方端部11aおよび他方端部11bの各々には貫通孔14が設けられている。固定部材11cは、一方端部11aおよび他方端部11bの各々の貫通孔14に凸部PPおよび凹部HPが挿入された状態で、凸部PPが凹部HPに係合するように構成されている。このため、取付部11を折り曲げることによりベルト本体31に取り付けることが可能となる。
【0032】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態における補強部材10によれば、舌片部12は、取付部11の挿通空間SPにベルト本体31が挿通された状態で、ベルト穴3a1に挿入されたピン3cが係止穴13に係止されるように構成されている。このため、補強部材10により、ピン3cがベルト穴3a1に接触することを抑制することができる。したがって、ピン3cと接触することによりベルト穴3a1が変形することを抑制することができる。
【0033】
これにより、ランドセル100が展示された際にベルト穴3a1が変形することを抑制することができるため、このランドセル100を販売に適した状態に維持することができる。よって、このランドセル100を展示後に販売することができる。
【0034】
本実施の形態における補強部材10によれば、舌片部12は、環状部材3eに上ベルト3aとともに挿通された状態で、環状部材3eに保持されるように構成されている。このため、環状部材3eにより舌片部12を保持することができる。したがって、補強部材10を取付部11と環状部材3eとでベルト本体31に保持することができる。これにより、補強部材10をしっかりとベルト本体31に保持することができる。
【0035】
本実施の形態における補強部材10によれば、補強部材10の係止穴13の直径は、ベルト3のベルト穴3a1の直径よりも小さい。このため、ピン3cを係止穴13に係止することにより、ピン3cをベルト穴3a1に接触しないようにすることが容易となる。したがって、ピン3cと接触することによりベルト穴3a1が変形することを抑制することが容易となる。
【0036】
本実施の形態における補強部材10によれば、挿通空間SPにベルト本体31が挿通された状態で、舌片部12の幅は舌片部12に重なるベルト本体31の幅よりも大きい。このため、舌片部12によりベルト本体31を保護することが容易となる。
【0037】
本実施の形態における補強部材10によれば、舌片部12の硬度は、ベルト本体31の硬度よりも大きい。このため、ピン3cが舌片部12に接触した際に、ピン3cを係止することが容易となる。
【0038】
次に、本発明の一実施の形態における変形例1〜3の補強部材10について説明する。
図9を参照して、本発明の一実施の形態における変形例1の補強部材10について説明する。本実施の形態における変形例1の補強部材10は、反射部材15をさらに備えている。反射部材15は、取付部11の外表面に取り付けられている。本実施の形態における変形例1では、反射部材15は固定部材11cに取り付けられている。
【0039】
本発明の一実施の形態における変形例1の補強部材10によれば、反射部材15は、取付部11の外表面に取り付けられている。このため、反射部材15が車のライトなどを反射することにより、車のドライバーの注意を喚起することが可能となる。したがって、ランドセル100の使用者の安全性を向上させることができる。
【0040】
また、反射部材15が固定部材11cに取り付けられているため、反射部材15を取付部11に取り付けることが容易となる。
【0041】
続いて、図10を参照して、本発明の一実施の形態における変形例2の補強部材10について説明する。本実施の形態における変形例2の補強部材10では、図6に示す取付部11は固定部材11cを有していない。つまり、取付部11は筒状に構成されている。このため、補強部材10の構造を簡略化することが可能となる。また、補強部材10のコストを低減することが可能となる。
【0042】
さらに、図11を参照して、本発明の一実施の形態における変形例3の補強部材10について説明する。本実施の形態における変形例3の補強部材10では、舌片部12は1つである。このため、補強部材10の構造を簡略化することが可能となる。また、補強部材10のコストを低減することが可能となる。
【0043】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【符号の説明】
【0044】
1 収容部、2 蓋部、3 ベルト、3a 上ベルト、3a1 ベルト穴、3b 下ベルト、3c ピン、3d バックル本体、3e,3f 環状部材、3g カバー部材、4 連結部材、10 補強部材、11 取付部、11a 一方端部、11b 他方端部、11c 固定部材、12 舌片部、12a 第1舌片部材、12b 第2舌片部材、13 係止穴、14 貫通孔、15 反射部材、31 ベルト本体、32 バックル、SP 挿通空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11