(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6683826
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】プロファイルドクランプ用のプレポジショナおよびそのようなプレポジショナを備える連結配置
(51)【国際特許分類】
F16L 23/04 20060101AFI20200413BHJP
F16L 23/08 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
F16L23/04
F16L23/08
【請求項の数】16
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-546610(P2018-546610)
(86)(22)【出願日】2017年3月2日
(65)【公表番号】特表2019-508643(P2019-508643A)
(43)【公表日】2019年3月28日
(86)【国際出願番号】EP2017054975
(87)【国際公開番号】WO2017149104
(87)【国際公開日】20170908
【審査請求日】2018年10月31日
(31)【優先権主張番号】102016103986.1
(32)【優先日】2016年3月4日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591044393
【氏名又は名称】ノルマ ジャーマニー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ペイズ
(72)【発明者】
【氏名】マニュエル ボードウィン
(72)【発明者】
【氏名】エルカン カヤシク
(72)【発明者】
【氏名】ベン コットル
【審査官】
柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3184161(JP,U)
【文献】
欧州特許出願公開第01840439(EP,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0277466(US,A1)
【文献】
米国特許第05782499(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 23/04
F16L 23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロファイルドクランプ用のプレポジショナであって、
第1部材および第2部材を有する2つの部材で構成され、
前記第1部材が管路端部に締結可能であり、
前記第2部材が前記プロファイルドクランプに締結可能であり、
前記第1部材が、前記管路端部に固定可能な脚部と、該脚部に対して径方向外側にオフセットされ、凹部を備える保持部とを有する段形状であり、
前記第2部材が、径方向に延在し前記凹部内に挿入可能なピンを備えるプレポジショナ。
【請求項2】
前記凹部が円周方向に延在し、前記凹部の一端で開口している溝である請求項1に記載のプレポジショナ。
【請求項3】
前記ピンが、前記溝内に円周方向に挿入可能な案内ピンである請求項2に記載のプレポジショナ。
【請求項4】
前記案内ピンが、径方向の内側端部に前記溝よりも幅の広い拡幅部を備え、
該拡幅部が前記保持部と前記管路端部との間に挿入可能である請求項3に記載のプレポジショナ。
【請求項5】
前記第2部材が、前記溝内に位置する前記案内ピンと一緒に、前記第1部材に対して径方向に移動可能である請求項3または請求項4に記載のプレポジショナ。
【請求項6】
前記凹部が、閉じた円周端部を有する開口部である請求項1に記載のプレポジショナ。
【請求項7】
前記ピンが前記開口部に部分的に挿入され、前記ピンが前記開口部内に更に挿入可能である場合に、前記第2部材が前記第1部材に対して旋回可能である請求項6に記載のプレポジショナ。
【請求項8】
前記凹部がラッチングくびれを備える請求項1から請求項5のいずれかに記載のプレポジショナ。
【請求項9】
前記ピンが、軸方向に延在するブリッジによって前記プロファイルドクランプに固定可能である請求項1から請求項8のいずれかに記載のプレポジショナ。
【請求項10】
前記第1部材が脚部を備え、
前記保持部の、前記脚部から離れた一端が固定されていない請求項1から請求項9のいずれかに記載のプレポジショナ。
【請求項11】
前記第1部材が2つの脚部を備え、
該脚部の間に前記保持部が配置されている請求項1から請求項9のいずれかに記載のプレポジショナ。
【請求項12】
前記脚部および前記保持部が円周方向に横に並んでいる請求項11に記載のプレポジショナ。
【請求項13】
管路端部と、
請求項1から請求項12のいずれかに記載のプレポジショナによって前記管路端部に保持された前記プロファイルドクランプとを備え、
前記プレポジショナの前記第1部材が前記管路端部に締結され、
前記プレポジショナの前記第2部材が前記プロファイルドクランプに固定されている連結配置。
【請求項14】
前記プレポジショナの前記ブリッジが、前記プロファイルドクランプのクランプストリップの径方向の外側表面に締結されている請求項13に記載の連結配置。
【請求項15】
前記プレポジショナが連結部材を備え、
該連結部材が前記プロファイルドクランプのクランプストリップの2つの半片を互いに連結し、前記連結部材から前記ブリッジが続いている請求項13または請求項14に記載の連結配置。
【請求項16】
前記管路端部と前記保持部との間の径方向距離が、大きさに関して、少なくとも、前記プロファイルドクランプを締め付けたときに生じる直径の減少に相当する請求項13から請求項15のいずれかに記載の連結配置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載のプロファイルドクランプ用のプレポジショナおよびそのようなプレポジショナを有する連結配置に関する。
【背景技術】
【0002】
プロファイルドクランプは、一般的に、管路の両端に連結フランジを備える2つの管路を連結するために使用される。この場合、プロファイルドクランプは、通常、互いに離れた端面において2つの連結フランジを取り囲み、締め付け中に、連結フランジを軸方向に互いに押し付ける。プロファイルドクランプは、一般的に、この目的のために実質的にV字形状のプロファイルを有する。従って、プロファイルドクランプの締め付け中、連結フランジには、径方向の力だけでなく、管路端部を互いに押し付ける軸方向の力も作用する。
【0003】
しかし、開示されているプロファイルドクランプの組み立ては、多くの適用範囲において比較的困難である。特に、空間条件が窮屈な場合、取付工にとって、一方で連結フランジを互いに押し付け、他方でプロファイルドクランプを所定の位置に動かして締め付けることは難題である。この場合、管路連結の所望の位置へは片側からのみ接近可能な場合も頻繁にある。
【0004】
プレポジショナによって、プロファイルドクランプを管路端部の所望の位置にその時点で配置し、その後で締め付けることができる。この場合、管路端部に固定されたピンの形の1つの部材と、プロファイルドクランプのクランプストリップに固定された、ピン用の軸方向案内溝を有するタブの形の他の部材との、2つの部材からプレポジショナを組み立てることが知られている。この場合、タブの材料の弾性力によって、プロファイルドクランプが締め付けられるときに生じる径方向の移動が可能となる。案内溝の中にピンを挿入するために、プロファイルドクランプを軸方向に移動させることが必要であり、この移動は連結フランジによって困難となる場合が頻繁にある。その結果、組み立ては比較的時間を要し、高費用となる。
【発明の概要】
【0005】
ここで本発明の基礎をなす目的は、簡単な組み立てが可能なプレポジショナを提供することである。
【0006】
この目的は、請求項1に記載の特徴を有するプレポジショナ、または請求項13に記載の特徴を有する連結配置によって達成される。有益な設計が従属請求項の目的である。
【0007】
本発明は、プロファイルドクランプ用のプレポジショナであって、第1部材および第2部材を有する2つの部材で構成され、第1部材が管路端部に締結可能であり、第2部材がプロファイルドクランプに締結可能であり、前記第1部材が、前記管路端部に固定可能な脚部と、径方向外側にオフセットされ、前記脚部とは反対側にあり、凹部を備える保持部とを有するスターラップ形状であり、前記第2部材が、円周方向にまたは径方向に延在し、前記凹部内に挿入可能なピンを備えるプレポジショナが提供される。
【0008】
この構成により、ピンと凹部の縁部との間の相互作用が軸方向の移動の自由度を制限し、適用可能な場合は旋回移動と併せて、円周方向または径方向への相対的移動の結果として、2つの部材は互いに移動して係合することができる。その結果、プロファイルドクランプの事前位置決めが、新規のプレポジショナによって、労力または費用をほとんど要することなく可能になる。
【0009】
この場合、第2部材が、溝内に位置する案内ピンによって、第1部材に対して径方向に移動可能であることが特に好ましい。これによって、プロファイルドクランプを締め付けたときに生じる、プレポジショナの部材間の変位が妨げられない。また、案内ピンは径方向に、より小さい範囲またはより大きい範囲で溝内に入ることができ、この移動に必要な移動空間は、溝が設けられている第1部材の保持部の径方向の間隔によって提供される。
【0010】
好ましくは、前記凹部が、円周方向に延在し、特に片側が開いた溝として設けられてもよい。
これにより、プロファイルドクランプがすでに連結フランジに配置されている場合に、組み立て中にプロファイルドクランプの円周方向への移動も容易に可能である。従って、簡単な組み立てが可能となる。
【0011】
好ましくは、前記ピンが、前記溝内に円周方向に挿入可能な案内ピンであってもよい。
これにより、プロファイルドクランプはフランジ上に事前に配置することができ、この場合、ピンはプロファイルドクランプをフランジに対して回転させることにより、溝内に移動させることができる。その時に占める位置は、溝内のピンによって少なくとも軸方向に固定されている。
【0012】
好ましくは、前記案内ピンが、径方向の内側端部に前記溝よりも幅の広い拡幅部を備え、該拡幅部が前記保持部と前記管路端部との間に挿入可能であってもよい。
拡幅部によって、案内ピンが径方向に引き抜かれることが防止されるので、径方向での相対的移動が制限される。その一方で、プロファイルドクランプを締め付けるときに必要な、案内ピンの更なる挿入が加えて可能である。そして、案内ピンは、径方向の外側端部にて第2部材に連結している。
【0013】
好ましくは、前記凹部が、閉じた円周端部を有する開口部であってもよい。
これにより、開口部に挿入されたピンは軸方向だけでなく、円周の両方向に対しても固定されることになる。
【0014】
好ましくは、前記ピンが前記開口部内に部分的に挿入され、前記ピンが前記開口部内に更に挿入可能である場合に、前記第2部材が前記第1部材に対して旋回可能であってもよい。
この場合、この旋回移動により、プロファイルドクランプはプレポジショナと同時にフランジの周りに配置される。組み立て中は、まずピンの自由端を開口部内に挿入し、次に旋回移動を行いさえすればよい。従って、プレポジショナを用いることで、一工程で、プロファイルドクランプがフランジ上に事前に取り付けられるだけでなく、その位置も固定される。
【0015】
好ましくは、前記凹部がラッチングくびれを備えていてもよい。このラッチングくびれ、すなわち特に溝のくびれは、円周方向の移動を完全に抑制することなく、ピンが凹部から意図せずに外れることを防止することができる。溝は、ラッチングくびれによって、保持ブラケットと同様に機能する。ピンがラッチングくびれをいったん過ぎると、ピンは対照的に、案内溝の閉じた端部の領域内で、全方向への移動性が制限されて、一定の移動の自由度を有して保持される。
【0016】
好ましくは、前記ピンが、軸方向に延在するブリッジによって、前記プロファイルドクランプに固定可能であってもよい。
この場合、ブリッジはピンの径方向の外側端部と協働する。ピンは、第1部材も連結フランジから所望の距離を置いて配置され得るように、プロファイルドクランプに対して軸方向にオフセットされ得る。
【0017】
好ましくは、前記第1部材が脚部を備え、前記保持部の、前記脚部から離れた端部が固定されていなくてもよい。
従って、第1部材は、円周方向に比較的短い長さを備え、その結果、比較的少ない、材料費用で、従って質量で作製することができる。加えて、保持部の自由端によって、第1部材は径方向への一定の弾性力を有することになる。従って、プロファイルドクランプを締め付けたときの、第1の部材と第2部材との間の圧力の生成が回避される。同時に、この弾性力を使用して、より単純な方法でプロファイルドクランプをフランジに取り付けることができる。
【0018】
また、前記第1部材が2つの脚部を備え、該脚部の間に前記保持部が配置されていてもよい。
その結果、第1部材は非常に堅固な形で実現することができ、管路端部に2箇所で連結することができる。
【0019】
この場合、脚部および保持部は、好ましくは、円周方向に横に並んでいる。このとき、第1部材は、軸方向に比較的わずかな空間しか占めない。同時に、円周方向に比較的高い程度の安定性が得られ、ピンの溝内への挿入、および軸方向での位置の固定にとって好都合である。
【0020】
上記において述べた目的は、管路端部と、請求項1から請求項12のいずれかに記載のプレポジショナによって管路端部に保持された前記プロファイルドクランプとを備え、前記プレポジショナの前記第1部材が前記管路端部に締結され、前記プレポジショナの前記第2部材が前記プロファイルドクランプに締結される、連結配置によって実現される。
【0021】
本発明に係るプレポジショナによって、凹部内に挿入されたピンによって、管路端部に対する、プロファイルドクランプの、単純な回転移動または径方向移動に、特に旋回移動を併せた結果として、プレポジショナの2つの部材の間を連結することができる。この場合、プレポジショナにより、径方向における、および適用可能な場合は円周方向における、位置変化および位置差異の補償が可能になる。対照的に、軸方向では比較的、画定された位置が保持される。
【0022】
好ましくは、前記プレポジショナの前記ブリッジが、前記プロファイルドクランプのクランプストリップの径方向の外側表面に締結されていてもよい。
一般的に、そこには十分な空間が利用可能であり、プレポジショナはクランプストリップに、例えば、溶接、クリンプ加工またはリベット締めにより、最小限の労力と費用で締結することができる。加えて、プレポジショナはクランプストリップの内側表面と連結フランジとの間の接触を妨げることはない。
【0023】
好ましくは、前記プレポジショナが連結部材を備え、該連結部材が前記プロファイルドクランプのクランプストリップの2つの半片を互いに連結し、前記連結部材から前記ブリッジが続いていてもよい。
一般的に、プロファイルドクランプの場合には、連結部材は同時に、プロファイルドクランプを十分に広げ、連結フランジの周りに配置するために、スプリング部材として働く。この場合、ブリッジ、および特にピンを含む連結部材は、金属薄板部品または類似物から、例えば、打抜きおよびそれに続く再加工により、1つの部品として作製することができる。この場合、ブリッジは連結部材の長手方向側の、特に中央に位置し、実質的に側面に直角に軸方向に延在し、それに対して連結部材は円周方向に延在している。ブリッジの、連結部材から離れた端部では、ブリッジはピンと結合し、ピンは径方向に延在するように、ブリッジに対して90°曲げられている。その時、径方向の内側端部において、ピンは1つまたは2つの脚を備えることができ、脚も軸方向に延在しており、対応する曲げにより得ることもできる。
【0024】
好ましくは、前記管路端部と前記保持部との間の径方向距離が、大きさに関して、少なくとも前記プロファイルドクランプを締め付けたときに生じる直径の減少に相当していてもよい。
その結果、プロファイルドクランプを締め付けたときであっても、ピンが管路端部と接触することがないように、径方向に十分な空間が利用可能である。
【0025】
更なる特徴、詳細および利点は、請求項の文言から、および図面により例示的な実施形態の以下の記述から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】第1実施形態に係るプレポジショナを備えるプロファイルドクランプの空間表現を示す。
【
図2】プレポジショナのスターラップ形状の第1部材を示す。
【
図4】第2実施形態に係るプレポジショナを備えるプロファイルドクランプを示す。
【
図5】
図4のプロファイルドクランプのフランジへの組み立て前の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、少なくとも2つの半片2a,2bを有するクランプストリップ2を備えるプロファイルドクランプ1を示す。クランプストリップ2の2つの半片2a,2bは、第1部材4および第2部材5を備えるプレポジショナ3によって互いに連結されている。
【0028】
第1部材4は管路端部6に締結され、第2部材5はプロファイルド・クランプ1上に固定されている。
第1部材4は2つの脚部7,8を備え、脚部7,8の間に、脚部7,8に対して径方向外側にオフセットされた保持部9が設けられている。これにより、第2部材5のピン10であって、案内ピンとして実現されるピンを挿入することができる空間が、保持部9および管路端部6との間に形成される。
【0029】
円周方向に延在し、円周方向の一端が開き反対端が閉じた溝11の形の凹部が、案内ピン10をガイドするために、第1部材4の保持部9内に実現される。その結果、第1部材4と第2部材5との間での、円周方向に向いた取り付け時の移動の結果、案内ピンは溝11内に移動することができる。この組み立て時の移動は矢印12で表している。
【0030】
案内ピン10と共に、第2部材5はブリッジ13および連結部材14を有する。この場合、連結部材14はプロファイルドクランプの円周方向に延在し、クランプストリップ2の2つの半片2a,2bを、互いにつながった形で連結する。この目的のために、連結部材は、例えば、スポット溶接またはクリンプ接続により、クランプストリップ2の外側表面上に締結される。
【0031】
ブリッジ13は軸方向に、連結部材14に直角に延在し、連結部材14の長手方向側の中央から突出している。その結果、ブリッジ13の端部に、連結部材14から離れて位置する案内ピン10は、プロファイルドクランプから軸方向に間隔を置いて配置することができる。
【0032】
図2に、プレポジショナの第1部材4を示す。その開放端部において、溝11が、閉じた端部に向かって幅が広がるラッチングくびれ15を備えている。溝11の幅は、プロファイルドクランプを締め付けたときに、案内ピン11が、摩擦損失および追加的な応力を避けるのに十分な軸方向の余裕を有するようになっている。
【0033】
図3に、プレポジショナの第2部材5を示す。連結部材14は、対応する金属薄板部品またはプラスチック材料部品から、ブリッジ13および案内ピン10と共に一体として形成される。自由端において、案内ピン10は2つの反対側に向いた脚16,17を備え、案内ピン10が径方向に溝11から引き抜かれることを防止し、および管路端部に対する衝撃の際に、比較的平坦な接触面を提供する。これにより、管路端部への損傷のあらゆる危険が最小限に抑えられる。
【0034】
図4は、プレポジショナ3の更なる好ましい設計を有するプロファイルドクランプ1を示し、
図1から
図3における実施形態に示すように、同一または対応する部材は同一の参照符号を付与している。
【0035】
この場合、第1部材4の保持部9内の凹部18は、閉じた円周端部を有する開口部として設けられており、凹部18内には、ピン10の曲がった端部16が軸方向に延在し、径方向での位置固定ももたらすように、第2部材5のピン10が挿入される。加えて、第1部材4は脚部7によってのみ管路端部6に固定され、それに対して保持部9の、脚部7から離れた一端は、固定されていない。これにより、第1部材4は一定の可撓性を有することが可能となる。
【0036】
図5は、プロファイルドクランプ1が管路端部6に対して旋回した結果、プレポジショナ3にどのように取り付けられているかを示す。
図5に示す開始状態の場合には、ピン10の脚16はすでに開口部18内に挿入されている。その後の旋回により、プロファイルドクランプ1がフランジ上に配置されるだけでなく、ピン10も開口部18の中に更に移動し、最終的に脚16がブリッジ13から軸方向に離れた、保持部9の側面に位置するに至る。その結果、空間の全方向に対する位置が(遊びを有して)固定され、しかしその固定は、それに連結されたプロファイルドクランプ1の直径の低減を伴う締め付けが妨げられない程度に、少なくとも径方向に十分な遊びを有する。
【0037】
本発明に係るプレポジショナにより、プロファイルドクランプのリングフランジ上への非常に簡単な事前位置決めが可能となり、プレポジショナの2つの部材は、プロファイルドクランプがいったんフランジ上に配置されている場合はプロファイルドクランプの単純な回転移動、またはプロファイルドクランプの旋回移動、のいずれかにより、互いに係合することが可能である。この場合、リングフランジによって困難になるまたは妨げられる、軸方向の移動は不要である。一方で、管路端部から径方向に間隔を置いた保持部により、十分な距離にわたる径方向への相対移動が容易に可能となり、それによりプロファイルドクランプの締め付けが妨げられることはない。
【0038】
本発明は上述の実施形態のうちの1つに限定されず、多種多様な方法に変形可能である。
【0039】
請求項、明細書および図面から生じる、構造詳細、空間配置および方法ステップを含む、全ての特徴および利点は、それら単独、それ自体、および最も多様な組み合わせにより本発明を構成することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 プロファイルドクランプ
2 クランプストリップ
3 プレポジショナ
4 第1部材
5 第2部材
6 管路端部
7 脚部
8 脚部
9 保持部
10 案内ピン
11 溝
12 矢印
13 ブリッジ
14 連結部材
15 ラッチングくびれ
16 脚
17 脚
18 開口部