特許第6683839号(P6683839)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6683839モバイル装置識別子を設定する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6683839
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】モバイル装置識別子を設定する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/60 20180101AFI20200413BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20200413BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20200413BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   G06F8/60
   G06F21/62
   G06Q50/10
   H04M11/00 302
【請求項の数】10
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-556305(P2018-556305)
(86)(22)【出願日】2017年4月19日
(65)【公表番号】特表2019-515385(P2019-515385A)
(43)【公表日】2019年6月6日
(86)【国際出願番号】CN2017081032
(87)【国際公開番号】WO2017186037
(87)【国際公開日】20171102
【審査請求日】2018年12月14日
(31)【優先権主張番号】201610282544.0
(32)【優先日】2016年4月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510330264
【氏名又は名称】アリババ・グループ・ホールディング・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALIBABA GROUP HOLDING LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100119987
【弁理士】
【氏名又は名称】伊坪 公一
(72)【発明者】
【氏名】クー スーユアン
【審査官】 坂庭 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第104811931(CN,A)
【文献】 特開2016−062489(JP,A)
【文献】 米国特許第08838967(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0012817(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/60
G06F 21/62
G06Q 50/10
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル装置識別子を設定する方法であって、
ターゲットモバイル装置のAPPリストを取得するステップと、
前記ターゲットモバイル装置の前記APPリストと装置ライブラリに保存されているいくつかのAPPリストとの間のマッチングを実行し、前記ターゲットモバイル装置の前記APPリストと前記装置ライブラリ内の各APPリストとにおける同一のAPPの数を判定するステップであって、対応する装置識別子が、前記いくつかのAPPリストに対して予め割り当てられている、ステップと、
前記判定された同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達したかどうかを判定するステップと、
前記ターゲットモバイル装置の前記APPリストと前記装置ライブラリ内の各APPリストの任意の一つとにおける前記同一のAPPの数が、前記予め設定されている閾値に到達した際に、前記装置ライブラリ内の前記一つのAPPリストに対応する前記装置識別子を前記ターゲットモバイル装置の装置識別子として設定するステップと、
を具備し、
前記予め設定された閾値は、前記装置ライブラリ内の前記APPリストの間における同一のAPPの数に基づいて統計分析を実行することによって取得された最適な閾値であり、
前記方法は、
設定済みの基準値を算出するべく前記いくつかのAPPリストにおけるAPP量のペア化された比較を実施するステップであって、前記設定済みの基準値は、前記比較されたAPPリストの前記APP量の最小値、最大値、平均値、又は差を具備する、ステップと、
前記算出された基準値に基づいて少なくとも一つの値インターバルをパーティション化するステップと、
前記それぞれのパーティション化された値インターバルごとに前記最適な閾値を設定するべく、それぞれのパーティション化された値インターバルに含まれているAPPリストペアの前記APPリストにおける前記同一のAPPの数の統計分析を実施するステップと、
を更に具備する、方法。
【請求項2】
前記APPリストは、いくつかの指定されたAPPを含んでおり、前記指定されたAPPは、異なるモバイル装置の間のAPPインストールの相違点を特徴付けると共に異なるモバイル装置を弁別する能力を有するAPPを具備する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記それぞれのパーティション化された値インターバルごとに前記最適な閾値を設定するべくそれぞれのパーティション化された値インターバルに含まれている前記APPリストペアの前記APPリストにおける前記同一のAPPの数の統計分析を実施する前記ステップは、
設定済みの最適な閾値サーチ範囲からターゲットサーチ閾値を順番に読取るステップと、
前記それぞれの値インターバルごとに、第一数の値を取得するべく、前記APPリストにおける前記同一のAPPの数が前記ターゲットサーチ閾値を上回っていると共に前記APPリストに対応している前記モバイル装置識別子が同一であるAPPリストペアの数を総計するステップと、
前記それぞれの値インターバルごとに、第二数の値を取得するべく、前記APPリストにおける前記同一のAPPの数が前記ターゲットサーチ閾値以下であると共に前記APPリストに対応している前記モバイル装置識別子が同一ではないAPPリストペアの数を総計するステップと、
最良の候補閾値を取得するべく前記第二数の値に対する前記第一数の値の比率を算出し、且つ、前記値インターバルの対応する最適な閾値として機能するように、前記最適な閾値サーチ範囲内のすべての前記ターゲットサーチ閾値の前記算出済みの最良の候補閾値の前記最大値を見出すか、或いは、
最良の候補閾値を取得するべく前記第一数の値に対する前記第二数の値の比率を算出し、且つ、前記値インターバルの対応する最適な閾値として機能するように、前記最適な閾値サーチ範囲内のすべての前記ターゲットサーチ閾値の前記算出済みの最良の候補閾値の前記最小値を見出すステップと、
を具備する、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記判定された同一のAPPの数が、予め設定された閾値に到達したかどうかを判定する前記ステップの前に、前記方法は、
前記ターゲットモバイル装置の前記APPリストにおける前記APPの数を総計するステップと、
前記ターゲットモバイル装置の前記APPリストにおける前記APPの数を前記装置ライブラリに保存されている前記APPリストのそれぞれにおける前記APPの数と別個に比較し、且つ、前記予め設定された基準値を算出するステップと、
前記算出された基準値が位置している前記値インターバルを調査するステップと、
前記予め設定された閾値として機能するように、前記値インターバルに対応する前記最適な閾値を取得するステップと、
を更に具備する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ターゲットモバイル装置の前記APPリストと前記装置ライブラリの各APPリストとにおける前記同一のAPPの数が、前記予め設定された閾値に到達しない際に、ある装置識別子を前記ターゲットモバイル装置に対して割り当て、且つ、前記ターゲットモバイル装置の前記APPリストと、前記ターゲットモバイル装置に割り当てられた前記装置識別子と、を前記装置ライブラリ内に保存するステップ、
を更に具備する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
モバイル装置識別子を設定する装置であって、
ターゲットモバイル装置のAPPリストを取得するように構成された収集モジュールと、
前記ターゲットモバイル装置の前記APPリストと装置ライブラリに保存されているいくつかのAPPリストとの間のマッチングを実行し、前記ターゲットモバイル装置の前記APPリストと前記装置ライブラリ内の各APPリストとにおける同一のAPPの数を判定するマッチングモジュールであって、対応する装置識別子が、前記いくつかのAPPリストに対して予め割り当てられている、マッチングモジュールと、
前記判定された同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達したかどうかを判定するように構成された判定モジュールと、
前記ターゲットモバイル装置の前記APPリストと前記装置ライブラリ内の各APPリストの任意の一つとにおける前記同一のAPPの数が、前記予め設定された閾値に到達した際に、前記装置ライブラリ内の前記一つのAPPリストに対応する前記装置識別子を前記ターゲットモバイル装置の装置識別子として設定するように構成された設定モジュールと、
を具備し、
前記予め設定された閾値は、前記装置ライブラリ内の前記APPリストの間における同一のAPPの数に基づいて統計分析を実行することによって取得された最適な閾値であり、
前記装置は、
設定済みの基準値を算出するべく、前記いくつかのAPPリストにおけるAPP量のペア化された比較を実施し、前記算出された基準値に基づいて少なくとも一つの値インターバルをパーティション化し、且つ、前記それぞれのパーティション化された値インターバルごとに前記最適な閾値を設定するべくそれぞれのパーティション化された値インターバルに含まれているAPPリストペアの前記APPリストにおける前記同一のAPPの数の統計分析を実施する、ように構成された統計モジュール、
を更に具備する、装置。
【請求項7】
前記APPリストは、いくつかの指定されたAPPを含んでおり、前記指定されたAPPは、異なるモバイル装置の間のAPPインストールの相違点を特徴付けると共に異なるモバイル装置を弁別する能力を有するAPPを具備する、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記統計モジュールは、
設定された最適な閾値サーチ範囲からターゲットサーチ閾値を順番に読取り、
前記それぞれの値インターバルごとに、第一数の値を取得するべく、前記APPリストにおける前記同一のAPPの数が前記ターゲットサーチ閾値を上回っていると共に前記APPリストに対応している前記モバイル装置識別子が同一であるAPPリストの数を総計し、
前記それぞれの値インターバルごとに、第二数の値を取得するべく、前記APPリストにおける前記同一のAPPの数が前記ターゲットサーチ閾値以下であると共に前記APPリストに対応している前記モバイル装置識別子が同一ではないAPPリストペアの数を総計し、且つ、
最良の候補閾値を取得するべく前記第二数の値に対する前記第一数の値の比率を算出し、且つ、前記値インターバルの対応する最適な閾値として機能するように、前記最適な閾値サーチ範囲内のすべての前記ターゲットサーチ閾値の前記算出済みの最良の候補閾値の最大値を見出すか、或いは、
最良の候補閾値を取得するべく前記第一数の値に対する前記第二数の値の比率を算出し、且つ、前記値インターバルの対応する最適な閾値として機能するように、前記最適な閾値サーチ範囲内のすべての前記ターゲットサーチ閾値の前記算出済みの最良の候補閾値の最小値を見出す、
ように構成されている、請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は、
前記判定モジュールが、前記判定された同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達したかどうかを判定する前に、前記ターゲットモバイル装置の前記APPリストにおける前記APPの数を総計し、前記ターゲットモバイル装置の前記APPリストにおける前記APPの数を前記装置ライブラリに保存されている前記APPリストのそれぞれにおける前記APPの数と別個に比較し、且つ、前記予め設定された基準値を算出し、前記算出された基準値が位置している前記値インターバルを調査し、且つ、前記予め設定された閾値として機能するように、前記値インターバルに対応している前記最適な閾値を取得する、ように構成された調査モジュール、
を更に具備する、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記設定モジュールは、
前記ターゲットモバイル装置の前記APPリストと前記装置ライブラリの各APPリストとにおける前記同一のAPPの数が、前記予め設定された閾値に到達しない際に、ある装置識別子を前記ターゲットモバイル装置に割り当て、且つ、前記ターゲットモバイル装置の前記APPリストと、前記ターゲットモバイル装置に割り当てられた前記装置識別子と、を前記装置ライブラリ内に保存する、
ように更に構成されている、請求項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年4月29日付けで出願されると共に「METHOD AND APPARATUS FOR SETTING MOBILE DEVICE IDENTIFIER」という名称を有する中国特許出願第 201610282544.0 号の優先権を主張するものであり、この特許文献のすべての内容は、引用により、そのすべてが本明細書に包含される。
【0002】
本出願は、通信の分野に関し、且つ、更に詳しくは、モバイル装置識別子を設定する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
モバイルインターネットの急速な発展に伴い、インターネットアプリケーションが益々広がっている。従って、特に、ハッカーの不正行為が大きな経済的損失をもたらしている電子商取引の分野において、セキュリティ及び保護の重要性が益々増大している。
【0004】
携帯電話機などの特定の装置のアイデンティティを判定するには、装置を識別するための特定の装置識別子を通常は具備する、装置指紋を使用することができる。装置指紋によれば、装置をユーザの振る舞いと相関させることができる。例えば、装置指紋は、所与の携帯電話機によってログオンされたアカウントにおいて直近の日付において実施された取引を調査することにより、装置指紋に基づいて取引のセキュリティ分析の次元を増大させて、セキュリティ及び保護作業の効率と、応答の精度と、を改善するべく、使用することができる。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、モバイル装置識別子を設定する方法を提示しており、方法は、
ターゲットモバイル装置のAPPリストを取得するステップと、
ターゲットモバイル装置のAPPリストと装置ライブラリに保存されているいくつかのAPPリストとの間においてマッチングを実行し、ターゲットモバイル装置のAPPリストと装置ライブラリ内の各APPリストとにおける同一のAPPの数を判定するステップであって、対応する装置識別子が、該いくつかのAPPリストに対して予め割り当てられている、ステップと、
判定された同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達したかどうかを判定するステップと、
ターゲットモバイル装置のAPPリストと装置ライブラリ内の各APPリストの任意の一つとにおける同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達した際に、装置ライブラリ内の該一つのAPPリストに対応している装置識別子をターゲットモバイル装置の装置識別子として設定するステップと、
を具備する。
【0006】
任意選択により、APPリストは、いくつかの指定されたAPPを含んでおり、指定されたAPPは、異なるモバイル装置の間におけるAPPインストールの相違点を特徴付けると共に異なるモバイル装置を弁別する能力を有するAPPを具備する。
【0007】
任意選択により、予め設定された閾値は、装置ライブラリのAPPリストの間における同一のAPPの数に基づいて統計分析を実行することによって取得された最適な閾値であり、
方法は、
設定済みの基準値を算出するべくいくつかのAPPリストにおけるAPP量のペア化された比較を実施するステップであって、設定済みの基準値は、比較されたAPPリストのAPP量の最小値、最大値、平均値、又は差を具備する、ステップと、
算出された基準値に基づいて少なくとも一つの値インターバルをパーティション化するステップと、
それぞれのパーティション化された値インターバルごとに最適な閾値を設定するべく、それぞれのパーティション化された値インターバルに含まれているAPPリストペアのうちのAPPリストにおける同一のAPPの数の統計分析を実施するステップと、
を具備する。
【0008】
任意選択により、それぞれのパーティション化された値インターバルごとに最適な閾値を設定するべくそれぞれのパーティション化された値インターバルに含まれているAPPリストペアのうちのAPPリストにおける同一のAPPの数の統計分析を実施するステップは、
設定済みの最適な閾値サーチ範囲からターゲットサーチ閾値を順番に読取るステップと、
それぞれの値インターバルごとに、第一数の値を取得するべく、APPリストにおける同一のAPPの数がターゲットサーチ閾値を上回っていると共にAPPリストに対応しているモバイル装置識別子が同一であるAPPリストペアの数を総計するステップと、
それぞれの値インターバルごとに、第二数の値を取得するべく、APPリストにおける同一のAPPの数がターゲットサーチ閾値以下であると共にAPPリストに対応しているモバイル装置識別子が同一ではないAPPリストペアの数を総計するステップと、
最良の候補閾値を取得するべく第二数の値に対する第一数の値の比率を算出し、且つ、値インターバルの対応する最適な閾値として機能するように、最適な閾値サーチ範囲内のすべてのサーチ閾値の算出済みの最良の候補閾値の最大値を見出すか、或いは、
最良の候補閾値を取得するべく第一数の値に対する第二数の値の比率を算出し、且つ、値インターバルの対応する最適な閾値として機能するように、最適な閾値サーチ範囲内のすべてのサーチ閾値の算出済みの最良の候補閾値の最小値を見出すステップと、
を具備する。
【0009】
任意選択により、判定された同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達したかどうかを判定する前に、方法は、
ターゲットモバイル装置のAPPリストにおけるAPPの数を総計するステップと、
ターゲットモバイル装置のAPPリストにおけるAPPの数を装置ライブラリ内に保存されているAPPリストのそれぞれにおけるAPPリストの数と別個に比較し、且つ、予め設定された基準値を算出するステップと、
算出された基準値が位置している値インターバルを調査するステップと、
予め設定された閾値として機能するように、値インターバルに対応する最適な閾値を取得するステップと、
を更に具備する。
【0010】
又、任意選択により、方法は、
ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリのAPPリストにおける同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達しない際に装置識別子をターゲットモバイル装置に割り当て、且つ、ターゲットモバイル装置のAPPリストと、ターゲットモバイル装置に割り当てられた装置識別子と、を装置ライブラリ内において保存するステップ、
をも具備する。
【0011】
又、本出願は、モバイル装置識別子を設定する装置をも提示しており、装置は、
ターゲットモバイル装置のAPPリストを取得するように構成された収集モジュールと、
ターゲットモバイル装置のAPPリストと装置ライブラリに保存されているいくつかのAPPリストとの間のマッチングを実行し、ターゲットモバイル装置のAPPリストと装置ライブラリ内の各APPリストとにおける同一のAPPの数を判定するマッチングモジュールであって、対応している装置識別子が、該いくつかのAPPリストに対して予め割り当てられている、マッチングモジュールと、
判定された同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達したかどうかを判定するように構成された判定モジュールと、
ターゲットモバイル装置のAPPリストと装置ライブラリ内の各APPリストの任意の一つとにおける同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達した際に、装置ライブラリ内の該一つのAPPリストに対応している装置識別子をターゲットモバイル装置の装置識別子として設定するように構成された設定モジュールと、
を具備する。
【0012】
任意選択により、APPリストは、いくつかの指定されたAPPを含んでおり、指定されたAPPは、異なるモバイル装置の間におけるAPPインストールの相違点を特徴付けると共に異なるモバイル装置を弁別する能力を有するAPPを具備する。
【0013】
任意選択により、予め設定された閾値は、装置ライブラリのAPPリストの間における同一のAPPの数に基づいて統計分析を実行することによって判定された最適な閾値であり、
装置は、
設定済みの基準値を算出するべくいくつかのAPPリストにおけるAPP量のペア化された比較を実施し、算出された基準値に基づいて少なくとも一つの値インターバルをパーティション化し、且つ、それぞれのパーティション化された値インターバル内に含まれているAPPリストペアのうちのAPPリストにおける同一のAPPの数の統計分析を実施するように構成された統計モジュール、
をも具備する。
【0014】
任意選択により、統計モジュールは、
設定された最適な閾値サーチ範囲からターゲットサーチ閾値を順番に読取り、
それぞれの値インターバルごとに、第一数の値を取得するべく、APPリストにおける同一のAPPの数がターゲットサーチ閾値を上回っていると共にAPPリストに対応しているモバイル装置識別子が同一であるAPPリストペアの数を総計し、
それぞれの値インターバルごとに、第二数の値を取得するべく、APPリストにおける同一のAPPの数がターゲットサーチ閾値以下であると共にAPPリストに対応しているモバイル装置識別子が同一ではないAPPリストペアの数を総計し、
最良の候補閾値を取得するべく第二数の値に対する第一数の値の比率を算出し、且つ、値インターバルの対応する最適な閾値として機能するように、最適な閾値サーチ範囲内のすべてのサーチ閾値の算出済みの最良の候補閾値の最大数を見出すか、或いは、
最良の候補閾値を取得するべく第一数の値に対する第二数の値の比率を算出し、且つ、値インターバルの対応する最適な閾値として機能するように、最適な閾値サーチ範囲内のすべてのサーチ閾値の算出済みの最良の候補閾値の最小値を見出す、
ように構成されている。
【0015】
又、任意選択により、装置は、
判定された同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達したかどうかを判定モジュールが判定する前に、ターゲットモバイル装置のAPPリストにおけるAPPの数を総計し、ターゲットモバイル装置のAPPリストにおけるAPPの数を装置ライブラリ内に保存されているそれぞれのAPPリストにおけるAPPの数と別個に比較し、且つ、予め設定された基準値を算出し、算出された基準値が位置している値インターバルを調査し、且つ、予め設定された閾値として機能するように、値インターバルに対応する最適な閾値を取得するように構成された調査モジュール、
をも具備する。
【0016】
任意選択により、設定モジュールは、
ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリのAPPリストにおける同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達しない際に、装置識別子をターゲットモバイル装置に割り当て、且つ、ターゲットモバイル装置のAPPリストと、ターゲットモバイル装置に割り当てられた装置識別子と、を装置ライブラリ内において保存する、
ように更に構成されている。
【0017】
本出願においては、ターゲットモバイル装置のAPPリストを収集すると共にターゲットモバイル装置のAPPリストと装置ライブラリ内に保存されているいくつかのAPPリストとの間のマッチングを実行することにより、ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリのAPPリストにおける同一のAPPの数が判定され、且つ、判定された同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達したかどうかが判定されている。ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリのAPPリストの任意のものにおける同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達した際に、装置ライブラリの一つのAPPリストに対応している装置識別子が、ターゲットモバイル装置の装置識別子として設定される。従って、モバイル装置を識別するべく、且つ、モバイル装置識別子を設定するべく、APPリスト情報をマッチングすることによって取得される、モバイル装置上においてインストールされたAPPの相違点を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本出願の一実施形態による、モバイル装置識別子を設定する方法のフローチャートである。
図2図2は、本出願の一実施形態による、上述の予め設定された閾値を設定するべく、装置ライブラリのAPPリストにおける同一のAPPの数の統計分析を使用するステップのフローチャートである。
図3図3は、本出願の一実施形態による、ターゲットモバイル装置用の最適な閾値を判定するべく、APPリストのマッチングを使用するステップのフローチャートである。
図4図4は、本出願の一実施形態による、モバイル装置識別子を設定する装置の論理ブロック図である。
図5図5は、本出願の一実施形態による、モバイル装置識別子を設定する装置を担持するサーバのハードウェア構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
関連技術においては、モバイル装置を識別すると共にモバイル装置の装置識別子を設定するステップは、通常、モバイル装置の複数の装置属性の属性値を収集することにより、実行されている。同一の属性セットに基づいて、このモバイル装置と装置ライブラリ内のモバイル装置との属性値の間の相違点を取得するべく、マッチングが、予め識別されたモバイル装置の装置ライブラリ内において実施される。次いで、このモバイル装置と同一のモバイル装置が装置ライブラリ内に存在しているかどうかを判定するべく、マッチングが、この相違点と予め設定された閾値との間において実施される。
【0020】
但し、益々複雑化するインターネット環境においては、装置属性に基づいたモバイル装置の識別では、もはや、実際のセキュリティ及び保護の要件を充足することができない。例えば、電子商取引の分野においては、モバイル装置の装置属性を変更することによって未知の装置が既知の装置として識別されることにより、セキュリティリスクがもたらされる可能性が非常に高い。
【0021】
本開示は、このようなケースの場合に、モバイル装置識別子を設定する方法を提示している。ターゲットモバイル装置のAPPリストを収集すると共にターゲットモバイル装置のAPPリストと装置ライブラリ内に保存されているいくつかのAPPリストとの間のマッチングを実行することにより、ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリのAPPライブラリにおける同一のAPPの数が判定され、且つ、判定された同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達したかどうかが判定される。ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリのAPPリストの任意のものにおける同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達した際に、装置ライブラリの一つのAPPリストに対応している装置識別子が、ターゲットモバイル装置の装置識別子として設定される。従って、モバイル装置を識別するべく、且つ、モバイル装置識別子を設定するべく、APPリスト情報をマッチングすることによって取得される、モバイル装置上においてインストールされたAPPの相違点を使用することができる。
【0022】
以下は、適用シナリオとの組合せにおいて実施形態を使用した本出願の説明である。
【0023】
図1を参照されたい。図1は、サーバに対して適用される、本出願の一実施形態による、モバイル装置識別子を設定する方法である。方法は、以下のステップを実行する。
【0024】
ステップ101:ターゲットモバイル装置のAPPリストを取得する。
【0025】
ステップ102:ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリのAPPリストにおける同一のAPPの数を判定するべく、ターゲットモバイル装置のAPPリストと装置ライブラリ内に保存されているいくつかのAPPリストとの間のマッチングを実行する。この場合には、対応する装置識別子が、いくつかのAPPリストに対して予め割り当てられている。
【0026】
ステップ103:判定された同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達したかどうかを判定する。予め設定された閾値は、装置ライブラリのAPPリストの間における同一のAPPの数に基づいて統計分析を実行することによって取得された最適な閾値である。
【0027】
ステップ104:ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリのAPPリストの任意のものにおける同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達した際に、装置ライブラリの一つのAPPリストに対応している装置識別子をターゲットモバイル装置の装置識別子として設定する。
【0028】
モバイル装置は、例えば、スマートフォンなどの、スマートモバイル装置を具備することができる。
【0029】
サーバは、サーバ、サーバクラスタ、又はサーバクラスタ上において構築されたクラウドプラットフォームを具備することができる。
【0030】
APPリストは、モバイル装置上においてインストールされたAPPに関する情報から構成されたリストを具備することができる。例示用の一用途においては、サーバは、モバイル装置上においてインストールされたAPPに関する情報を収集してもよく、次いで、モバイル装置に対応するAPPリストを生成するべく、このモバイル装置上においてインストールされているAPPに関する収集済みの情報を使用することができる。
【0031】
モバイル装置上においてインストールされているAPPの数及びタイプは、しばしば、様々なモバイル装置の間において異なることになる。従って、この例においては、サーバは、モバイル装置のAPPリストのマッチングを実施することにより、モバイル装置の間におけるインストールされているAPPの数及びタイプの相違点に基づいてモバイル装置を識別することができる。従って、一意の装置識別子を異なるモバイル装置に割り当てることができる。
【0032】
この例においては、サーバは、データスクレイピングに基づいて、モバイル装置上においてインストールされているAPPに関する情報を収集することができる。「データスクレイピング」とは、予め設定されたアルゴリズムに基づいて、大量のデータ内において隠蔽された情報についてサーチするプロセスを意味し得る。
【0033】
予め設定されたアルゴリズムに基づいて、サーバは、モバイル装置によって生成された大量のデータをデータサンプルとして使用することにより、計算を実施してもよく、モバイル装置によって生成された大量のデータ内において、モバイル装置上においてインストールされているAPPに関する情報についてサーチしてもよく、且つ、次いで、モバイル装置上においてインストールされているAPPに関するサーチ済みの情報に基づいてモバイル装置のAPPリストを生成してもよい。
【0034】
この例においては、サーバがデータスクレイピングを実行する際に利用されるアルゴリズムについての特別の制限は、課されていない。当業者は、本出願の技術的方式を実装する際に、関係する技術における説明を参照することができる。例えば、例示用の一用途においては、アルゴリズムは、統計オンライン分析処理及び機械学習アルゴリズムを具備することができる。
【0035】
これに加えて、この例においては、サーバは、モバイル装置のアイデンティティを判定するべく、且つ、一意の装置識別子をモバイル装置に割り当てるべく、モバイル装置上においてインストールされているAPPの数及びタイプの相違点を使用していることに留意されたい。従って、サーバがモバイル装置上においてインストールされているAPPに関する情報を収集するべくデータスクレイピングを使用する際には、高度な装置弁別性を有する、それらのAPPに関する情報を収集するべく、優先順位を付与することができる。
【0036】
ここで、高度な装置弁別性を有するAPPは、しばしば、異なるモバイル装置の間におけるAPPインストールの相違点を特徴付けることができるAPPを具備することになる。即ち、これらの高度な弁別性を有するAPPの場合には、それらが同時に異なるモバイル装置上においてインストールされる確率は、相対的に小さく、且つ、それらが異なる時点においてインストールされる確率も、相対的に小さい。従って、これらの異なるモバイル装置上においてインストールされた高度な弁別性を有するAPPのマッチングを実行することにより、異なるモバイル装置上においてインストールされているAPPの相違点を正確に反映させ、これにより、異なるモバイル装置のアイデンティティを一意に判定できるようにすることができる。
【0037】
一方においては、(Alipay などの)相対的に広範な用途を有するAPPの場合には、このAPPが、異なるモバイル装置上においてインストールされる、非常に大きな確率が存在しており、従って、このAPPが有する装置の弁別性のレベルは低い。
【0038】
他方において、珍しい用途を有するAPPの場合には、このAPPが、モバイル装置上においてインストールされてはいない、非常に大きな確率が存在しており、従って、このAPPが有する装置の弁別性のレベルも、低い。
【0039】
相対的に乏しいレベルの装置の弁別性しか有していないAPPは、モバイル装置上においてインストールされているAPPの相違点を正確に反映することができない。従って、サーバが、APPリストを生成するべく、相対的に乏しいレベルの弁別性しか有していないAPPを使用している場合に、サーバが、APPリストのマッチングから結果的に得られるインストール済みのAPPの間の相違点に基づいて装置を識別しようとした際には、二つの異なる装置が同一の装置として識別されることになる可能性がある。
【0040】
逆に、同時に異なるモバイル装置上においてインストールされる確率が相対的に小さく、且つ、異なる時点においてインストールされる確率も相対的に小さい、APPは、高度な装置弁別性を有する。
【0041】
例えば、様々なタイプの銀行クライアントAppの場合には、これらのAPPが、同時に、且つ、異なる時点において、異なるユーザのモバイル装置上においてインストールされる確率は、中程度である。又、異なるユーザによって使用される銀行APPの組合せも、同一ではない。例えば、いくつかのユーザは、自身のモバイル装置上において中国建設銀行(China Construction Bank)のAPPと中国通商銀行(China Merchants Bank)のAPPとの組合せを使用しており、且つ、いくつかのユーザは、自身のモバイル装置上においてICBC銀行のAPPと交通銀行(Bank of Communications)との組合せを使用している。従って、これらのAPPの組合せを使用することにより、異なる装置の弁別において、非常に良好な結果を得ることができる。
【0042】
この例においては、サーバが、多数のモバイル装置のAPPリストを収集するべくデータスクレイピングを使用した後に、サーバは、統合されたフォーマットを使用することにより、収集されたAPPリストのコード化及び保存を実施することができる。
【0043】
収集されたAPPリストをコード化する例示用の実装方式においては、サーバは、APPリストが、指定されたAPPを含んでいるかどうかに基づいてコード化を実施することができる。ここで、指定されたAPPが、上述のように、高度な弁別性を有するAPPを具備する場合には、コード化モードは、0、1コード化であってもよい。
【0044】
例えば、サーバは、高度な弁別性を有するいくつかのAPPを予め指定してもよく、且つ、次いで、収集されたAPPリストを調査することにより、高度な弁別性を有する、APPリストのAPPを1としてコード化することができると共に、高度な弁別性を有していない、APPリストのAPPを0としてコード化することができる。次いで、コード化されたAPPリストのフォーマットに従って、標準的な保存が実施される。
【0045】
又、収集されたAPPリストをコード化する別の例示用の実装方式においては、サーバは、APPリストにおけるすべてのAPPの連番に基づいてAPPリストのコード化を実施することもできる。
【0046】
例えば、サーバは、モバイル装置によってインストールされ得るすべてのAPPの均一な数字化を実施することができる。次いで、サーバは、APPリストをコード化するべく、このAPPの連番を使用し、且つ、次いで、コード化されたAPPリストのフォーマットに従って、標準的な保存が実施される。コード化されたAPPリストは、当該モバイル装置によってインストールされているすべてのAPPの連番を含むことになる。
【0047】
統合されたフォーマットによる収集済みのAPPのコード化を通じて、収集されたAPPリスト内の情報を標準的な簡単な数として定量化することにより、異なるモバイル装置上においてインストールされているAPPの数及びタイプの相違点を判定するための、APPリストのマッチングを使用した後のプロセスを更に高速且つ容易なものとすることができる。
【0048】
当然のことながら、実際の用途においては、収集されたAPPリストをコード化する際に、その他のコード化の形態を使用することもできる。この例においては、それらの個別の説明は省略する。
【0049】
この例においては、サーバが、収集されたAPPリストのコード化及び保存を実施した後に、サーバは、装置ライブラリを生成するべく、コード化されたAPPリストからAPPリストのうちのいくつかを選択することができる(例えば、装置ライブラリを生成するべく、対応するモバイル装置のアイデンティティが明瞭に判明しているAPPリストを選択することができる)。この時点において、装置ライブラリ内のそれぞれのレコードは、対応するモバイル装置上においてインストールされているAPPのリストに対応している。
【0050】
ここで、サーバは、対応する装置識別子を装置ライブラリ内に保存されているAPPリストに対して割り当てることができる。この装置識別子は、APPリストに対応しているモバイル装置を識別する情報を具備することができる。例えば、装置識別子は、モバイル装置のIMEI、MAC、又はモバイル装置上の識別ファイルなどの、情報を具備することができる。
【0051】
これに加えて、しばしば、装置ライブラリ内のAPPリストの収集時点の間には、(例えば、それぞれのAPPリストの収集時点の連続的な順序などの)特定の時間的な関係が存在しており、且つ、モバイル装置上においてインストールされているAPPは、時間の経過と共に変化し得ることにも留意されたい。従って、装置ライブラリ内において保存されているAPPリストにおいて、同一の装置識別子が、異なる記録済みの情報を有するAPPリストに対して割り当てられるという状況が存在し得る。
【0052】
この例においては、サーバは、ターゲットモバイル装置のアイデンティティを判定すると共にその装置の装置識別子を設定する必要がある際に、APPリストのマッチングを実施するべく、完全な装置ライブラリ、即ち、データベース、を生成している。ここで、ターゲットモバイル装置は、そのAPPリストをサーバが収集し得ると共にそのアイデンティティが判定され得ない未知の装置を具備することができる。
【0053】
ターゲットモバイル装置のアイデンティティを判定する際に、サーバは、ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリのAPPリストにおける同一のAPPの数を予め設定された閾値と比較することができる。この同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達したかどうかを判定することにより、このターゲットモバイル装置が、装置ライブラリのAPPリストに対応する装置と同一であるかどうかが判定される。
【0054】
この例においては、予め設定されている閾値は、装置ライブラリ内のAPPリストにおける同一のAPPの数に基づいて統計分析を実施した後に見出される最適な閾値であることに留意されたい。
【0055】
図2を参照されたい。図2は、この例によって例示されている、装置ライブラリのAPPリストにおける同一のAPPの数の統計分析を実施することにより、予め設定された閾値を設定するプロセスのフローチャートである。プロセスは、以下のステップを具備する。
【0056】
ステップ201:設定済みの基準値を算出するべく、装置ライブラリ内に保存されているいくつかのAPPリストにおけるAPP量のペア化された比較を実施する。設定済みの基準値は、比較されたAPPリストのAPP量の最小値、最大値、平均値、又は差を具備する。
【0057】
ステップ202:算出された基準値に基づいて、少なくとも一つの値インターバルをパーティション化する。
【0058】
この例においては、装置ライブラリ内に保存されているいくつかのAPPリストにおけるAPP量のペア化された比較を実施する際に、装置ライブラリ内に保存されているいくつかのAPPリストペアを取得するべく、APPリストをペアにおいて比較することができる。その後に、それぞれのAPPリストペアごとのAPP量が比較される。
【0059】
ここで、「ペア化」とは、装置ライブラリ内に保存されているすべてのAPPリストのうちから、任意の二つのAPPリストが一つにグループ化されることを意味している。この結果、装置ライブラリ内に保存されているすべてのAPPリストから、すべての可能なAPPリストのペアを取得することができる。
【0060】
例えば、装置ライブラリが、A1、A2、及びA3という、三つのAPPリストを具備していると仮定しよう。ペア化によって生成されるAPPリストのペアは、(A1,A2)、(A1,A3)、及び(A2,A3)という、三つのAPPリストペアを具備する。
【0061】
ペア化の結果として得られるAPPリストペアの数は、通常、装置ライブラリ内に保存されているAPPリストの数によって決定される。例えば、装置ライブラリが、1000個のAPPリストを保存している際には、ペア化によって得られるAPPリストペアの数は、C1000というレベルになり得る。
【0062】
いくつかのAPPリストペアがペア化を通じて取得された後に、サーバは、それぞれのAPPリストペアのうちのAPPリストにおけるAPPの数を総計することができると共に、APPリストペアのうちのAPPリストにおけるAPPの数を比較することができる。比較の後に、サーバは、予め設定されている基準値を抽出することができると共に、次いで、抽出された基準値に基づいて、少なくとも一つの値インターバルをパーティション化することができる。
【0063】
ここで、例示用の一実装方式においては、予め設定された基準値は、比較されたAPPリストのAPP量の間の最小値、最大値、平均値、又は差を具備することができる。
【0064】
比較されたAPPリストのAPP量の間における最小値を基準値として使用する例においては、それぞれのAPPリストペアは、A1及びA2という二つのAPPリストを含むことが可能であり、且つ、サーバは、それぞれ、A1及びA2というAPPリストにおいてインストールされているAPPの数としてNA1及びNA2を算出することができる。次いで、最小値Nminを得るべく、NA1及びNA2が比較される。ここでは、Nminが基準値である。最終的に、Nmin値は、すべてのAPPリストペアごとに見出すことが可能であり、且つ、サーバは、少なくとも一つの値インターバルを取得するべく、取得されたNmin値に基づいて、それぞれのAPPリストペアごとに、インターバルのパーティション化を実施することができる。
【0065】
同様に、予め設定されている基準値が、比較されたAPPリストのAPP量の間における最大値、平均値、又は差である際には、NA1とNA2との間における最大値、平均値、又は差(絶対値)を基準値として使用することにより、且つ、この基準値に基づいて数値インターバルのパーティション化を実施することにより、同一の処理を実行することができる。
【0066】
この例においては、予め設定された基準値に基づいた数値インターバルのパーティション化の戦略についての特別な制限は、課されていない。実装の際には、ユーザが、固定的なパーティション化を手動で実施してもよく、或いは、サーバが、予め設定されたインターバルパーティション化アルゴリズムに基づいて、パーティション化を実施することもできる。
【0067】
これに加えて、この例においては、パーティション化された数値インターバルについての制限も、課されてはいない。例えば、ユーザが、固定的なパーティション化を手動で実施する際には、ユーザが、その要件に基づいて、データインターバルの数を設定してもよく、パーティション化が、予め設定されたパーティションアルゴリズムに基づいている際には、このアルゴリズムが、データインバーバルの数を判定する。
【0068】
サーバが、算出された基準値に基づいて、少なくとも一つの値インバーバルをパーティション化した後に、このパーティション化された値インターバルは、いくつかのAPPリストペアを含むことになる。
【0069】
比較されたAPPリストのAPP量の間における最小値を基準値として使用する例を依然として参照し、最終的なパーティション化済みの値インターバルが[1,6]であるものとしよう。ランダムなAPPリストペアの場合に、このAPPリストペアが、A1及びA2という二つのAPPリストを含んでいる場合には、A1及びA2というAPPリストにおけるインストール済みのAPPの数は、NA1及びNA2であり、且つ、NA1及びNA2のうちの最小値がNminである。Nminの値が値インターバル[1,6]に含まれている場合に、このAPPリストペアは、この値インバーバルに属している。即ち、値インターバル[1,6]は、算出されたNmin値がインターバル[1,6]に含まれている、すべてのAPPリストペアを含むことになる。
【0070】
ステップ203:設定済みの最適な閾値サーチ範囲から、ターゲットサーチ閾値を順番に読取る。
【0071】
ステップ204:それぞれの値インターバルごとに、第一数の値を取得するべく、APPリストにおける同一のAPPの数がターゲットサーチ閾値を上回っていると共にAPPリストに対応しているモバイル装置識別子が同一であるAPPリストペアの数を総計する。
【0072】
ステップ205:それぞれの値インターバルごとに、第二数の値を取得するべく、APPリストにおける同一のAPPの数がターゲットサーチ閾値以下であると共にAPPリストに対応しているモバイル装置識別子が同一ではないAPPリストペアの数を総計する。
【0073】
この例においては、少なくとも一つの値インターバルが、算出された基準値に基づいてパーティション化された後に、サーバは、それぞれの値インターバルに対応する最適な閾値を設定するべく、それぞれのパーティション化された値インターバル内のAPPリストペアにおける同一のAPPの数に基づいて統計分析を実施することができる。
【0074】
それぞれの値インバーバルごとに最適な閾値を設定する際に、サーバは、それぞれの数値インターバルごとに最適な閾値サーチ範囲を予め設定することが可能であり、且つ、サーバは、この最適な閾値サーチ範囲内からターゲットサーチ閾値を順番に読取ることができる。例えば、設定された最適な閾値サーチ範囲が[1,10]であると仮定しよう。サーバは、インターバル内のすべて整数閾値の読取りが完了する時点まで、このインターバル内において、ターゲットサーチ閾値1、2、3...を順番に読取ることができる。
【0075】
例示用の一実装方式においては、サーバは、最適な閾値サーチ範囲から最適なサーチ閾値を読取っており、
一方において、サーバは、第一数の値を取得するべく、APPリストにおける同一のAPPの数がターゲットサーチ閾値を上回っていると共にAPPリストに対応している装置識別子が同一であるそれぞれの値インターバル内のAPPリストペアの数を総計することが可能であり、
他方において、サーバは、第二数の値を取得するべく、APPリストにおける同一のAPPの数がターゲットサーチ閾値以下であると共にAPPリストに対応している装置識別子が同一ではないそれぞれの値インターバル内のAPPリストペアの数を総計することができる。
【0076】
サーバが第一数の値及び第二数の値を総計した後に、サーバは、それぞれのインターバルに対応する最適な閾値を設定するべく、この第二数の値に対する第一数の値の比率を使用することができる。
【0077】
ステップ206:最良の候補閾値を取得するべく第二数の値に対する第一数の値の比率を算出し、且つ、値インターバルの対応する最適な閾値として機能するように、最適な閾値サーチ範囲内のすべてのサーチ閾値の算出済みの最良の候補閾値の最大値を見出すか、或いは、
最良の候補閾値を取得するべく第一数の値に対する第二数の値の比率を算出し、且つ、値インターバルの対応する最適な閾値として機能するように、最適な閾値サーチ範囲内のすべてのサーチ閾値の算出済みの最良の候補閾値の最小値を見出す。
【0078】
この例においては、サーバが、総計された第一数及び第二数の値に基づいて、それぞれの数値インターバルごとに最適な閾値を設定する際に、
一実装モードにおいて、サーバは、第二数の値に対する第一数の値の比率を算出することが可能であり、且つ、この比率が、読取られたターゲットサーチ閾値に基づいた、且つ、現時点の値インターバルについて算出された、最良の候補閾値として機能するようにすることができる。
【0079】
サーバは、計算プロセスを反復することにより、最適な閾値サーチ範囲から読取られたそれぞれのターゲットサーチ閾値ごとに、最良の候補閾値を算出することができる。次いで、サーバは、現時点の値インターバルに対応する最適な閾値として機能するように、この最適な閾値サーチ範囲内のすべてのサーチ閾値について算出されたすべての最良の候補閾値から最大値を算出する。
【0080】
別の実装モードにおいては、サーバは、第一数の値に対する第二数の値の比率を計算することが可能であり、且つ、この比率が、現時点の値インターバルについて算出された、読取られたターゲットサーチ閾値に基づいた、最良の候補閾値として機能するようにすることができる。
【0081】
サーバは、計算プロセスを反復することにより、最適な閾値サーチ範囲から読取られたそれぞれのターゲットサーチ閾値ごとに最良の候補閾値を算出することができる。次いで、サーバは、現時点の値インターバルに対応する最適な閾値として機能するように、この最適な閾値サーチ範囲内のすべてのサーチ閾値について算出されたすべての最良の候補閾値から、最小値を算出することができる。
【0082】
この例においては、上述の計算方法に基づいて、サーバは、それぞれのパーティション化された値インターバルに対応する最適な閾値を設定することができる。それぞれの値インターバルに対応する最適な閾値の設定が完了した後に、サーバは、将来におけるこの対応性の引用を促進するべく、それぞれの値インターバルとその他の最適な閾値との間の対応性を装置ライブラリ内においてデータテーブルの形態で保存することができる。
【0083】
これにより、サーバが、最適な閾値を設定するべく、装置ライブラリのAPPリストにおける同一のAPPの数に基づいて統計分析を実施するプロセスが終了する。
【0084】
サーバが、ターゲットモジュール装置のAPPリスト及び装置ライブラリ内に保存されているいくつかのAPPリストにおける同一のAPPの数を判定した後に、サーバは、ターゲットモバイル装置が装置ライブラリ内の既存の装置であるかどうかを判定するべく、この同一のAPPの数を最適な閾値と比較することができる。
【0085】
図3を参照されたい。図3は、この例によって示されている、ターゲットモバイル装置用の最適な閾値を判定するべくAPPリストのマッチングを使用するステップのプロセスのフローチャートである。
【0086】
ステップ301:ターゲットモバイル装置のAPPリストにおけるAPPの数を総計する。
【0087】
この例においては、サーバがターゲットモバイル装置のAPPリストを収集した後に、まず、サーバは、装置ライブラリ内のAPPリストと同一のコード化モードを使用することにより、収集済みのターゲットモバイル装置APPリストをコード化することができる。
【0088】
コード化が完了した後に、コード化されたAPPリストにおいて記録されている情報に基づいて、サーバは、このターゲットモバイル装置上においてインストールされているAPPの数を総計することができる。
【0089】
例えば、ターゲットモバイル装置のAPPリストは、APPリストが、指定されたAPPを含んでいるかどうか、に基づいた0、1コード化モードを利用しているものと仮定しよう。APPリストに含まれている指定されたAPPは、1としてコード化され、且つ、指定されたもの以外のAPPは、0としてコード化されている。サーバが、ターゲットモバイル装置のAPPリストにおけるAPPの数を判定する際に、サーバは、このAPPリスト内の1としてコード化されているAPPの数を直接的に総計することができる。
【0090】
同様に、サーバは、装置ライブラリのAPPリストにおけるAPPの数を総計するべく、同一のモードを使用することもできる。
【0091】
ステッ302:ターゲットモバイル装置のAPPリストにおけるAPPの数を装置ライブラリ内に保存されているそれぞれのAPPリストにおけるAPPの数と別個に比較し、且つ、予め設定された基準値を算出する。
【0092】
サーバが、ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリのAPPリストにおけるAPPの数を判定した後に、サーバは、ターゲットモバイル装置のAPPリストのAPP量と装置ライブラリ内に保存されているAPPリストのAPP量との間のマッチングを一つずつ実施することができると共に、予め設定された基準値を抽出することができる。
【0093】
ここで、この抽出された基準値は、最適な閾値を設定するべく、装置ライブラリのAPPリストにおける同一のAPPの数により、サーバによって統計分析される必要があり、且つ、数値インターバルをパーティション化する際に使用される基準値と一貫性を有している必要がある。
【0094】
例えば、値インターバルが、比較されたAPPリストのAPP数の最小値に基づいて、サーバにより、パーティション化されるものと仮定しよう。ターゲットモバイル装置のAPPリストのAPP量と装置ライブラリ内に保存されているAPPリストのAPP量との間のマッチングを一つずつ実施する状態においてサーバによって抽出される基準値は、ターゲットモバイル装置のAPPリストのAPP量及び装置ライブラリ内に保存されているAPPリストのAPP量のうちの最小値となる。
【0095】
ステップ303:この算出された基準値が位置している値インターバルを調査し、且つ、予め設定された閾値として機能するように、この値インターバルに対応する最適な閾値を取得する。
【0096】
この例においては、サーバが、ターゲットモバイル装置のAPPリストのAPP量と装置ライブラリ内に保存されているAPPリストのAPP量との間のマッチングを一つずつ実施し、且つ、予め設定された基準値を抽出した後に、サーバは、抽出された基準値が位置している値インターバルを調査することができる。
【0097】
これに先立って、サーバは、装置ライブラリ内のAPPリストにおける同一のAPPの数に基づいて統計分析を実施しており、それぞれの値インターバルごとに最適な閾値を設定しており、且つ、それぞれの値インターバルとその最適な閾値との間の対応性を保存している。従って、基準値が位置している値インターバルを調査した後に、サーバは、基準値が位置している値インターバルに対応する最適な閾値を調査するべく、この対応性を使用することができる。
【0098】
この調査された最適な閾値が、ターゲットモバイル装置が装置ライブラリ内の既存の装置であるかどうかを判定するべく使用される、予め設定された閾値である。
【0099】
この例においては、サーバが、ターゲットモバイル装置に対応する最適な閾値を判定した後に、サーバは、ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリのAPPリストにおける同一のAPPの数を判定するべく、ターゲットモバイル装置のAPPリストと装置ライブラリ内に保存されているAPPリストとの間のマッチングを一つずつ実施するように継続することができる。
【0100】
ここで、同一のAPPの数は、ターゲットモバイル装置上において、且つ、装置ライブラリ内の装置上において、インストールされている同一のAPPの数である。
【0101】
例えば、ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリのAPPリストの両方が、APPリストが、指定されたAPPを含んでいるかどうかに基づいた、0,1コード化モードを利用しているものと仮定しよう。APPリスト内に含まれている指定されたAPPは、1としてコード化され、且つ、指定されたもの以外のAPPは、0としてコード化されている。サーバが、ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリの所与のAPPリストにおける同一のAPPの数を判定する際に、サーバは、二つのマッチングされたAPPリスト内の1としてコード化されているAPPの数を直接的に総計することができる。
【0102】
サーバが、ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリのAPPリストのそれぞれにおける同一のAPPの数を総計した後に、サーバは、この同一のAPPの数を判定済みの最適な閾値と比較することが可能であり、且つ、判定された同一のAPPの数が、この最適な閾値に到達したかどうかを判定することができる。
【0103】
ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリの所与のAPPリストにおける同一のAPPの数がこの最適な閾値に到達した際には、それは、ターゲットモバイル装置が、装置ライブラリのこのAPPリストに対応するモバイル装置と同一の装置であり得ることを意味している。これらの状況下において、サーバは、装置ライブラリのこのAPPリストに対して予め割り当てられている装置識別子をターゲットモバイル装置の装置識別子として直接的に設定することができる。
【0104】
この時点において、APPリストのマッチングに基づいて、サーバは、ターゲットモバイル装置を正常に識別しており、且つ、ターゲットモバイル装置の対応する装置識別子を設定している。この後に、サーバは、その装置識別子に基づいて、ターゲットモバイル装置用のセキュリティ及び保護作業を実行することができる。
【0105】
例えば、電子商取引の分野においては、サーバは、ターゲットモバイル装置の装置識別子を装置指紋として使用することができる。この装置指紋に基づいて、サーバは、このモバイル装置を使用することによってログオンされたアカウントにおけるすべての最近の取引を調査することが可能であり、且つ、次いで、セキュリティ及び保護作業の効率を改善するべく、すべての調査された取引の取引セキュリティ分析を実施することができる。
【0106】
当然のことながら、ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリのすべてのAPPリストにおける同一のAPPの数が最適な閾値に到達しない場合には、それは、ターゲットモバイル装置が、装置ライブラリ内のAPPリストに対応するすべてのモバイル装置とは異なり得ることを意味している。このような際には、ターゲットモバイル装置は、装置ライブラリ内における既存の装置ではない。これらの状況下においては、サーバは、予め設定された識別子割当戦略に基づいて、このターゲットの無線識別のために、装置ライブラリ内のAPPリストのすべてと異なっている、新しい装置識別子を割り当てることができる。この後に、このターゲットモバイル装置のAPPリスト及びターゲットモバイル装置の割り当てられた装置識別子は、将来の問合せのために、装置ライブラリに保存される。
【0107】
先行する実施形態が示しているように、本出願は、ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリのAPPリストにおける同一のAPPの数を判定するべく、且つ、判定された同一のAPPの数が、予め設定された閾値に到達したかどうかを判定するべく、ターゲットモバイル装置のAPPリストの集合体と、ターゲットモバイル装置のAPPリストと装置ライブラリ内に保存されているいくつかのAPPリストとの間のマッチングと、を使用している。ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリのAPPリストの任意のものにおける同一のAPPリストの数が、予め設定されている閾値に到達した際に、装置ライブラリ内の一つのAPPリストに対応している装置識別子が、ターゲットモバイル装置の装置識別子として設定される。従って、モバイル装置を識別するべく、且つ、モバイル装置用の装置識別子を設定するべく、APPリスト情報をマッチングすることによって得られる、モバイル装置上においてインストールされているAPPの相違点を使用することができる。本出願における予め設定された閾値は、装置ライブラリのAPPリストにおける同一のAPPの数に基づいて統計分析を実施した後に見出される最適な閾値であることから、装置識別の精度を改善することができる。
【0108】
又、上述の方法実施形態に対応する方式により、本出願は、装置実施形態をも提供している。
【0109】
図4を参照されたい。本出願は、サーバに対して適用される、モバイル装置識別子40を設定する装置を提示している。ここで、図5に示されているように、モバイル装置識別子を設定する装置40を担持するサーバのハードウェア構造は、通常、CPU、メモリ、不揮発性メモリ、ネットワークインタフェース、及び内部バスを具備する。ソフトウェア実装の一例においては、モバイル装置識別子を設定する装置40は、通常、CPU上において実行された後に、組み合わせられたソフトウェア−ハードウェア論理装置を形成する、メモリに読み込まれるコンピュータプログラムとして理解することが可能であり、装置40は、
ターゲットモバイル装置のAPPリストを取得するように構成された収集モジュール401と、
ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリのAPPリストにおける同一のAPPの数を判定するべく、ターゲットモバイル装置のAPPリストと装置ライブラリ内に保存されているいくつかのAPPリストとの間のマッチングを実行するマッチングモジュール402であって、対応する装置識別子は、いくつかのAPPリストに対して予め割り当てられている、マッチングモジュール402と、
判定された同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達したかどうかを判定するように構成された判定モジュール403と、
ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリのAPPリストの任意のものにおける同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達した際に、装置ライブラリ内の一つのAPPリストに対応している装置識別子をターゲットモバイル装置の装置識別子として設定するように構成された設定モジュール404と、
を具備する。
【0110】
この例においては、APPリストは、いくつかの指定されたAPPを含んでおり、指定されたAPPは、異なるモバイル装置の間のAPPインストールの相違点を特徴付けると共に異なるモバイル装置を弁別する能力を有するAPPを具備する。
【0111】
又、この例においては、予め設定された閾値は、装置ライブラリのAPPリストの間における同一のAPPの数に基づいて統計分析を実行することによって取得された最適な閾値であり、装置40は、
設定済みの基準値を取得するべく、いくつかのAPPリストにおけるAPP量のペア化された比較を実施し、算出された基準値に基づいて少なくとも一つの値インターバルをパーティション化し、且つ、それぞれのパーティション化された値インターバルに含まれているAPPリストペアのAPPリストにおける同一のAPPの数の統計分析を実施するように構成された統計モジュール405、
をも具備する。
【0112】
この例においては、統計モジュール405は、
設定された最適な閾値サーチ範囲からターゲットサーチ閾値を順番に読取り、
それぞれの値インターバルごとに、第一数の値を取得するべく、APPリストにおける同一のAPPの数がターゲットサーチ閾値を上回っていると共にAPPリストに対応しているモバイル装置識別子が同一であるAPPリストペアの数を総計し、
それぞれの値インターバルごとに、第二数の値を取得するべく、APPリストにおける同一のAPPの数がターゲットサーチ閾値以下であると共にAPPリストに対応しているモバイル装置識別子が同一ではないAPPリストペアの数を総計し、
最良の候補閾値を取得するべく第二数の値に対する第一数の値の比率を算出し、且つ、値インターバルの対応する最適な閾値として機能するように、最適な閾値サーチ範囲内のすべてのサーチ閾値の算出済みの最良の候補閾値の最大数を見出するか、或いは、
最良の候補閾値を取得するべく第一数の値に対する第二数の値の比率を算出し、且つ、値インターバルの対応する最適な閾値として機能するように、最適な閾値サーチ範囲内のすべてのサーチ閾値の算出済みの最良の候補閾値の最小値を見出す、
ように構成されている。
【0113】
又、この例において、装置40は、
判定モジュールが、判定された同一のAPPの数が、予め設定されている閾値に到達したかどうかを判定する前に、ターゲットモバイル装置のAPPリストにおけるAPPの数を総計し、ターゲットモバイル装置のAPPリストにおけるAPPの数を装置ライブラリ内に保存されているそれぞれのAPPリストにおけるAPPの数と別個に比較し、且つ、予め設定された基準値を算出し、この算出された基準値が位置している値インターバルを調査し、且つ、予め設定された閾値として機能するように、この値インターバルに対応する最適な閾値を取得するべく構成された調査モジュール406、
をも具備する。
【0114】
この例においては、設定モジュール404は、
ターゲットモバイル装置のAPPリスト及び装置ライブラリのAPPリストにおける同一のAPPの数が、予め設定された閾値に到達しない際に、装置識別子をターゲットモバイル装置に割り当て、且つ、ターゲットモバイル装置のAPPリストと、ターゲットモバイル装置に割り当てられた装置識別子と、を装置ライブラリ内において保存する、
ように更に構成されている。
【0115】
この説明と、本明細書において開示されている本発明の実装と、に鑑み、当業者は、本出願のためのその他の実装方式を容易に想起することができる。本出願は、本出願の任意の変更、使用、又は適応変化を含むように設計されている。これらの変更、使用、又は適応変化は、本出願の一般的な原理に準拠しており、且つ、本出願によって開示されてはいない当技術分野における一般的な知識又は慣習的な技術手段を具備する。説明及び実施形態は、例示を目的としたものであるに過ぎない。本出願の真の範囲及び精神は、添付の請求項によって示されている。
【0116】
本出願は、上述の、且つ、添付図面に示されている、構造そのままに限定されるものではなく、且つ、本出願の範囲を逸脱することなしに、変更及び変形が実施され得ることを理解されたい。本出願の範囲を限定するものは、添付の請求項のみである。
【0117】
以上の内容は、本出願の好適な実施形態であるに過ぎない。これらは、本出願を限定するものではない。本出願の精神及び原理内において実施されるすべての変更、等価な置換、及び改善は、本出願の保護の範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5