(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態のエアロゾル生成装置の電源ユニットについて説明するが、先ず、電源ユニットが装着されたエアロゾル吸引器について、
図1〜
図6を参照しながら説明する。
【0015】
(エアロゾル吸引器)
エアロゾル吸引器1は、燃焼を伴わずに香味を吸引するための器具であり、所定方向(以下、長手方向Aと呼ぶ)に沿って延びる棒形状を有する。エアロゾル吸引器1は、
図1及び
図2に示すように、長手方向Aに沿って電源ユニット10と、第1カートリッジ20と、第2カートリッジ30と、がこの順に設けられている。第1カートリッジ20は、電源ユニット10に対して着脱可能であり、第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20に対して着脱可能である。言い換えると、第1カートリッジ20及び第2カートリッジ30は、それぞれ交換可能である。
【0016】
(電源ユニット)
本実施形態の電源ユニット10は、
図3〜
図6に示すように、円筒状の電源ユニットケース11の内部に電源12、充電器13、制御部50、各種センサ等を収容する。
【0017】
電源12は、充電可能な二次電池であり、好ましくは、リチウムイオン二次電池である。本実施形態の電源12は、電極や不図示の電解液などの各種構成要素を収容する円筒形状のケース12aを備える。電源12の長さ方向(長手方向A)の一端部又は両端部には、正負の電極となる一対のタブ12b(
図8参照)が設けられる。換言すれば、電源12の長さ方向の両端の一方には正極用のタブ12bが、電源12の長さ方向の両端の他端に正極用のタブ12bが設けられてもよい。または、電源12の長さ方向の一端に、正極用のタブ12bと負極用のタブ12bの双方が設けられてもよい。また、電源12は、長さ方向の一端部又は両端部に、電源12の内圧が所定の圧力を超えたとき開弁する不図示の安全弁を備える。
【0018】
電源ユニットケース11の長手方向Aの一端側(第1カートリッジ20側)に位置するトップ部11aには、放電端子41が設けられる。放電端子41は、トップ部11aの上面から第1カートリッジ20に向かって突出するように設けられ、第1カートリッジ20の負荷21と電気的に接続可能に構成される。
【0019】
また、トップ部11aの上面には、放電端子41の近傍に、第1カートリッジ20の負荷21に空気を供給する空気供給部42が設けられている。
【0020】
電源ユニットケース11の長手方向Aの他端側(第1カートリッジ20と反対側)に位置するボトム部11bには、電源12を充電可能な外部電源60(
図5参照)と電気的に接続可能な充電端子43が設けられる。充電端子43は、ボトム部11bの側面に設けられ、USB端子、microUSB端子、Lightning(登録商標)端子の少なくとも1つが接続可能である。
【0021】
なお、充電端子43は、外部電源60から供給される電力を非接触で受電可能な受電部であってもよい。このような場合、充電端子43(受電部)は、受電コイルから構成されていてもよい。非接触による電力伝送(Wireless Power Transfer)の方式は、電磁誘導型でもよいし、磁気共鳴型でもよい。また、充電端子43は、外部電源60から供給される電力を無接点で受電可能な受電部であってもよい。別の一例として、充電端子43は、USB端子、microUSB端子、Lightning(登録商標)端子の少なくとも1つが接続可能であり、且つ上述した受電部を有していてもよい。
【0022】
即ち、電源ユニット10は、放電端子41と充電端子43とが別体に構成され、且つ、長手方向Aにおいて離間して配置されるので、充電端子43には、放電端子41を介した電源12の放電が可能な状態で、外部電源60を電気的に接続することができるように構成される。また、電源ユニット10では、充電端子43と外部電源60が電気的に接続されている状態で、エアロゾル生成要求を検出した場合、電源12の充電と放電とが同時に行われることが禁止される。
【0023】
また、電源ユニットケース11には、ユーザが操作可能な操作部14が、トップ部11aの側面に充電端子43とは反対側を向くように設けられる。より詳述すると、操作部14と充電端子43は、操作部14と充電端子43を結ぶ直線と長手方向Aにおける電源ユニット10の中心線Lの交点について点対称の関係にある。操作部14は、ボタン式のスイッチ、タッチパネル等から構成され、ユーザの使用意思を反映して制御部50及び各種センサを起動/遮断する際等に利用される。操作部14の近傍には、制御部50及びパフ動作を検出する吸気センサ15が設けられている。
【0024】
充電器13は、充電端子43から電源12へ入力される充電電力を制御する。充電器13は、充電端子43に接続される充電ケーブルに搭載された交流を直流に変換するインバータ61等からの直流を大きさの異なる直流に変換するコンバータ、電圧計、電流計、プロセッサ等を含む充電ICを用いて構成される。
【0025】
制御部50は、
図6に示すように、充電器13、操作部14、パフ(吸気)動作を検出する吸気センサ15、電源12の電圧を測定する電圧センサ16、温度を検出する温度センサ17、吸気センサ15とは別体、且つ電源ユニットケース11内で静電容量を検出する静電容量センサ80等の各種センサ装置、及びパフ動作の回数又は負荷21への通電時間等を記憶するメモリー18に接続され、エアロゾル吸引器1の各種の制御を行う。吸気センサ15は、コンデンサマイクロフォンや圧力センサ等から構成されていてもよい。制御部50は、具体的にはプロセッサ(MCU:マイクロコントローラユニット)である。このプロセッサの構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路である。制御部50の詳細については後述する。
【0026】
また、電源ユニットケース11には、内部に外気を取り込む空気取込口11cが設けられている。なお、空気取込口11cは、操作部14の周囲に設けられていてもよく、充電端子43の周囲に設けられていてもよい。
【0027】
(第1カートリッジ)
第1カートリッジ20は、
図3に示すように、円筒状のカートリッジケース27の内部に、エアロゾル源22を貯留するリザーバ23と、エアロゾル源22を霧化する電気的な負荷21と、リザーバ23から負荷21へエアロゾル源を引き込むウィック24と、エアロゾル源22が霧化されることで発生したエアロゾルが第2カートリッジ30に向かって流れるエアロゾル流路25と、第2カートリッジ30の一部を収容するエンドキャップ26と、を備える。
【0028】
リザーバ23は、エアロゾル流路25の周囲を囲むように区画形成され、エアロゾル源22を貯留する。リザーバ23には、樹脂ウェブや綿等の多孔体が収容され、且つ、エアロゾル源22が多孔体に含浸されていてもよい。リザーバ23には、樹脂ウェブ又は綿上の多孔質体が収容されず、エアロゾル源22のみが貯留されていてもよい。エアロゾル源22は、グリセリン、プロピレングリコール、水などの液体を含む。
【0029】
ウィック24は、リザーバ23から毛管現象を利用してエアロゾル源22を負荷21へ引き込む液保持部材であって、例えば、ガラス繊維や多孔質セラミックなどによって構成される。
【0030】
負荷21は、電源12から放電端子41を介して供給される電力によって燃焼を伴わずにエアロゾル源22を霧化する。負荷21は、所定ピッチで巻き回される電熱線(コイル)によって構成されている。なお、負荷21は、エアロゾル源22を霧化してエアロゾルを発生可能な素子であればよく、例えば、発熱素子、又は超音波発生器である。発熱素子としては、発熱抵抗体、セラミックヒータ、及び誘導加熱式のヒータ等が挙げられる。
【0031】
エアロゾル流路25は、負荷21の下流側であって、電源ユニット10の中心線L上に設けられる。
【0032】
エンドキャップ26は、第2カートリッジ30の一部を収容するカートリッジ収容部26aと、エアロゾル流路25とカートリッジ収容部26aとを連通させる連通路26bと、を備える。
【0033】
(第2カートリッジ)
第2カートリッジ30は、香味源31を貯留する。第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20のエンドキャップ26に設けられたカートリッジ収容部26aに着脱可能に収容される。第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20側とは反対側の端部が、ユーザの吸口32となっている。なお、吸口32は、第2カートリッジ30と一体不可分に構成される場合に限らず、第2カートリッジ30と着脱可能に構成されてもよい。このように吸口32を電源ユニット10と第1カートリッジ20とは別体に構成することで、吸口32を衛生的に保つことができる。
【0034】
第2カートリッジ30は、負荷21によってエアロゾル源22が霧化されることで発生したエアロゾルを香味源31に通すことによってエアロゾルに香味を付与する。香味源31を構成する原料片としては、刻みたばこ、たばこ原料を粒状に成形した成形体を用いることができる。香味源31は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、漢方、ハーブ等)によって構成されてもよい。香味源31には、メントールなどの香料が付与されていてもよい。
【0035】
本実施形態のエアロゾル吸引器1では、エアロゾル源22と香味源31と負荷21とによって、香味が付加されたエアロゾルを発生させることができる。つまり、エアロゾル源22と香味源31は、エアロゾルを発生させるエアロゾル生成源と言うことができる。
【0036】
エアロゾル吸引器1に用いられるエアロゾル生成源の構成は、エアロゾル源22と香味源31とが別体になっている構成の他、エアロゾル源22と香味源31とが一体的に形成されている構成、香味源31が省略されて香味源31に含まれ得る物質がエアロゾル源22に付加された構成、香味源31の代わりに薬剤等がエアロゾル源22に付加された構成等であってもよい。
【0037】
このように構成されたエアロゾル吸引器1では、
図3中、矢印Bで示すように、電源ユニットケース11に設けられた空気取込口11cから流入した空気が、空気供給部42から第1カートリッジ20の負荷21付近を通過する。負荷21は、ウィック24によってリザーバ23から引き込まれた又は移動させられたエアロゾル源22を霧化する。霧化されて発生したエアロゾルは、空気取込口11cから流入した空気と共にエアロゾル流路25を流れ、連通路26bを介して第2カートリッジ30に供給される。第2カートリッジ30に供給されたエアロゾルは、香味源31を通過することで香味が付与され、吸口32に供給される。
【0038】
また、エアロゾル吸引器1には、各種情報を報知する報知部45が設けられている。報知部45は、発光素子によって構成されていてもよく、振動素子によって構成されていてもよく、音出力素子によって構成されていてもよい。また、報知部45は、発光素子、振動素子及び音出力素子のうち、2以上の素子の組合せであってもよい。報知部45は、電源ユニット10、第1カートリッジ20、及び第2カートリッジ30のいずれに設けられてもよいが、電源12からの導線を短くするため電源ユニット10に設けられることが好ましい。例えば、操作部14の周囲が透光性を有し、LED等の発光素子によって発光するように構成される。
【0039】
(電気回路)
続いて、電源ユニット10の電気回路について
図5を参照しながら説明する。
電源ユニット10は、電源12と、放電端子41を構成する正極側放電端子41a及び負極側放電端子41bと、充電端子43を構成する正極側充電端子43a及び負極側充電端子43bと、電源12の正極側と正極側放電端子41aとの間及び電源12の負極側と負極側放電端子41bとの間に接続される制御部50と、充電端子43と電源12との電力伝達経路上に配置される充電器13と、電源12と並列に接続される電圧センサ16と、電源12と放電端子41との電力伝達経路上に配置されるスイッチ19と、制御部50に接続される静電容量センサ80と、を備える。スイッチ19は、例えばMOSFETにより構成され、制御部50がゲート電圧を調整することによって開閉制御される。
【0040】
(制御部)
制御部50は、
図6に示すように、エアロゾル生成要求検出部51と、液体検知部52と、電力制御部53と、報知制御部54と、を備える。
【0041】
エアロゾル生成要求検出部51は、吸気センサ15の出力結果に基づいてエアロゾル生成の要求を検出する。吸気センサ15は、吸口32を通じたユーザの吸引により生じた電源ユニット10内の圧力変化の値を出力するよう構成されている。吸気センサ15は、例えば、空気取込口11cから吸口32に向けて吸引される空気の流量(すなわち、ユーザのパフ動作)に応じて変化する気圧に応じた出力値(例えば、電圧値又は電流値)を出力する圧力センサである。
【0042】
液体検知部52は、静電容量センサ80の出力に基づいて、電源ユニットケース11の内部における液体の漏出を検知(以下、液体の漏出検知という)したり、電源ユニットケース11の内部への液体の浸入を検知(以下、液体の浸入検知という)したりする。また、液体検知部52は、検知結果に応じて電源12の充放電を禁止する。このような液体検知部52によれば、液体の漏出、液体の浸入等がエアロゾル吸引器1の動作に与える影響を回避できる。また、静電容量センサ80を用いることで、安価な構成ながら高精度に液体の漏出及び液体の浸入を検知できる。なお、液体検知部52の具体的な処理手順は後述する。
【0043】
報知制御部54は、各種情報を報知するように報知部45を制御する。例えば、報知制御部54は、第2カートリッジ30の交換タイミングの検出に応じて、第2カートリッジ30の交換タイミングを報知するように報知部45を制御する。報知制御部54は、メモリー18に記憶されたパフ動作の回数又は負荷21への累積通電時間に基づいて、第2カートリッジ30の交換タイミングを報知する。報知制御部54は、第2カートリッジ30の交換タイミングの報知に限らず、第1カートリッジ20の交換タイミングの報知、電源12の交換タイミング、電源12の充電タイミング等を報知してもよい。
【0044】
電力制御部53は、エアロゾル生成要求検出部51がエアロゾル生成の要求を検出した際に放電端子41を介した電源12の放電を、スイッチ19のオン/オフによって制御する。
【0045】
電力制御部53は、負荷21によってエアロゾル源が霧化されることで生成されるエアロゾルの量が所望範囲に収まるように、言い換えると、電源12から負荷21に供給される電力量が一定範囲となるように制御する。具体的に説明すると、電力制御部53は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御によってスイッチ19のオン/オフを制御する。これに代えて、電力制御部53は、PFM(Pulse Frequency Modulation:パルス周波数変調)制御によってスイッチ19のオン/オフを制御してもよい。
【0046】
電力制御部53は、負荷21への電力供給を開始してから所定期間が経過した場合に、電源12から負荷21に対する電力供給を停止してもよい。言い換えると、電力制御部53は、ユーザが実際にパフ動作を行っているパフ期間内であっても、パフ期間が所定期間を超えた場合に、電源12から負荷21に対する電力供給を停止する。所定期間は、ユーザのパフ期間のばらつきを抑制するために定められる。電力制御部53は、電源12の蓄電量に応じて、1回のパフ動作におけるスイッチ19のオン/オフのデューティ比を制御する。例えば、電力制御部53は、電源12から負荷21に電力を供給するオン時間の間隔(パルス間隔)を制御したり、電源12から負荷21に電力を供給するオン時間の長さ(パルス幅)を制御したりする。
【0047】
また、電力制御部53は、充電端子43と外部電源60との電気的な接続を検出し、充電器13を介した電源12の充電を制御する。
【0048】
(基板構成)
図7に示すように、電源ユニット10は、充電端子43などが設けられる第1回路基板71と、制御部50、充電器13、スイッチ19などが設けられる第2回路基板72と、第1回路基板71と第2回路基板72とを電気的に接続する導電部材73と、を備える。本実施形態の導電部材73は、フレキシブルプリント回路基板(FPCB)を用いて構成されるが、導線で構成してもよい。
【0049】
第1回路基板71と第2回路基板72は、互いに離間して配置されている。具体的には、電源12の長さ方向(長手方向A)において一端側に第1回路基板71が設けられ、電源12の長さ方向(長手方向A)において他端側に第2回路基板72が設けられ、電源12の周面に沿って電源12の長さ方向に延在する導電部材73を介して第1回路基板71と第2回路基板72とが電気的に接続されている。
【0050】
(液体の漏出検知)
つぎに、制御部50(液体検知部52)による液体の漏出検知について、
図7、
図8、
図9A、
図9B及び
図9Cを参照して説明する。本実施形態では、電源ユニットケース11の内部において漏出する液体として、電源12の電解液を想定している。以下の説明において、「電解液」の用語は、イオン液体と難燃性の有機溶媒のどちらを示しても良い旨に留意されたい。
【0051】
なお、電源12は電解質として電解液以外を有していてもよい。一例として、電源12は、固体又はゲル状の固体電解質と電解液の双方を有していてもよい。また、電解液は、複数の液体を含む混合溶液であってもよい。また、電解液は、電源12の性能を向上させるためのリチウム塩などが添加材として添加されていてもよい。
【0052】
静電容量センサ80は、センサ用の電極81とGND電位との間に発生する静電容量の変化に基づいて、物体や流体などを検知するセンサであり、本実施形態では、電源12から漏出した電解液を検知する。本実施形態の静電容量センサ80は、電極81とGND電位との間に、電解液を吸収して電極81に導く第1多孔質体82を挟んで擬似的なコンデンサを構成し、該コンデンサの静電容量を制御部50で計測する。例えば、制御部50は、静電容量センサ80が構成するコンデンサの充放電を行い、それに要した時間に基づいて静電容量を計測する。このような静電容量センサ80によれば、第1多孔質体82が電解液を吸収すると、静電容量が変化するので、制御部50は、電源12から漏出した電解液を精度良く検出できる。また、電極81は金属板、第1多孔質体82はコットンシート、スポンジ、脱脂綿などで構成できるので、安価な構成で電源12の電解液漏れを検知することが可能になる。電極81及び第1多孔質体82はユニット化されて静電容量センサユニットを構成してもよい。なお、静電容量センサ80を1つの電極81のみを有する疑似的なコンデンサではなく、対向する2つの電極81を有するコンデンサで構成してもよい。
【0053】
静電容量センサ80は、電源12において電解液が漏出しやすい箇所に配置されることが望ましい。電源12は、通常、タブ12bや安全弁の近傍で電解液漏れが生じやすいので、第1多孔質体82の少なくとも一部は、タブ12bや安全弁に当接するように配置される、又はタブ12bや安全弁の近傍に配置されることが望ましい。このようにすると、電源12のタブ12bや安全弁の近傍で電解液漏れが発生した場合に、電解液漏れを効果的且つ迅速に検知できる。第1多孔質体82の少なくとも一部が、タブ12bや安全弁に当接するように配置されるとは、第1多孔質体82の全体がタブ12bや安全弁に当接することを含むことは言うまでもなく、第1多孔質体82がタブ12bや安全弁から離間しつつ第1多孔質体82の一部(例えば、腕部)がタブ12bや安全弁に向かって延びタブ12bや安全弁に当接することを含む。また、第1多孔質体82の少なくとも一部が、タブ12bや安全弁の近傍に配置されるとは、第1多孔質体82の全体がタブ12bや安全弁の近傍に位置することは言うまでもなく、第1多孔質体82がタブ12bや安全弁から離間しつつ第1多孔質体82の一部(例えば、腕部)がタブ12bや安全弁の近傍に位置することを含む。なお、近傍とは、電解液が漏出した際に電解液と接触し得る位置を少なくとも含む位置である。
【0054】
第1多孔質体82の全体がタブ12bや安全弁に当接するように配置される、又は、タブ12bや安全弁の近傍に配置される場合は、電解液漏れが生じると静電容量センサ80の静電容量が素早く変化するため、電解液漏れを迅速に検知できる。第1多孔質体82がタブ12bや安全弁から離間しつつ第1多孔質体82の一部がタブ12bや安全弁に向かって延びタブ12bや安全弁に当接し、又はタブ12bや安全弁の近傍に位置する場合は、静電容量センサ80をタブ12bや安全弁から離間して配置できるため、電源ユニットケース11内の電子部品の配置の自由度が向上する。その結果、電源ユニット10を小型化することができる。
【0055】
図7に示すように、電源12の一端側に静電容量センサ80を配置し、電源12の他端側に制御部50(第2回路基板72)を配置する場合、静電容量センサ80を制御部50に接続する導線83は、フレキシブルプリント回路基板である導電部材73に組み込むことが望ましい。このようにすると、電源ユニット10の省配線化が図れる。
【0056】
なお、電源ユニットケース11の内部に配置され、電源12を保持する不図示の電源ホルダを備える電源ユニット10の場合は、第1多孔質体82の少なくとも一部が電源12と電源ホルダとの間に配置されることが望ましい。本願発明者らが鋭意検討した結果、電源ホルダは電源12との間に不可避の隙間を生じさせ、電解液はこの隙間に浸入しやすいことが判明した。このようにすると、電源12と電源ホルダとの間に電解液が漏れ込んだ場合でも、電解液漏れを検知できる。なお、電源12と電源ホルダとの間に、第1多孔質体82に加えて静電容量センサ80を配置してもよい。電源ホルダは、導電性であってもよく、非導電性であってもよい。
【0057】
図9Aに示すように、静電容量センサ80において、電極81に対向する面の第1多孔質体82の面積は、電極81の面積と等しくすることができる。このようにすると、第1多孔質体82のどこに電解液が吸収されても電解液漏れを検知できる。なお、電極81に対向する面の第1多孔質体82の面積とは、
図9Aにおける点線で示すように、電極81を第1多孔質体82に向かって平行に投影した領域に含まれる第1多孔質体82の面積を意味する。なお、第1多孔質体82がタブ12bや安全弁から離間しつつ第1多孔質体82の一部がタブ12bや安全弁に向かって延びタブ12bや安全弁に当接し、又はタブ12bや安全弁の近傍に位置する場合、この第1多孔質体82の一部は、電極81を第1多孔質体82に向かって平行に投影した領域に含まれない旨に留意されたい。これは
図9Bや
図9Cで示す実施形態においても同様である。
【0058】
また、
図9Bに示すように、静電容量センサ80において、電極81に対向する面の第1多孔質体82の面積は、電極81の面積より小さくすることができる。このようにすると、電極81や第1多孔質体82の大きさに多少の誤差があっても、電解液漏れを検知できる。また、金属で形成されるため剛性を有する電極81に比べ、多孔質状の第1多孔質体82の形状は僅かな外力によって変形しやすいため、
図9Bに示すように電極81と第1多孔質体82を構成することが好ましい。
【0059】
なお、
図9Cに示すように、静電容量センサ80において、電極81に対向する面の第1多孔質体82の面積は、電極81の面積より大きくすることも可能であるが、このようにすると、第1多孔質体82が電解液を吸収しても静電容量センサ80の出力が変化しない箇所が生じる。
【0060】
第1多孔質体82は、吸収した電解液によって静電容量センサ80の静電容量が有意差を持って変化することが好ましい。さらに、第1多孔質体82は、吸収した電解液を静電容量センサ80の静電容量を変化させる箇所へ迅速に輸送することが好ましい。このような背景の下、第1多孔質体82のサイズなどの物性は制限されることが好ましい。その結果、漏れた電解液の量によっては、第1多孔質体82が電解液を吸収しきれない虞がある。なお、第1多孔質体82が吸収しきれない電解液には、第1多孔質体82に一旦は接触しつつも吸収しきれなかったものと、第1多孔質体82が接触できなかったものが含まれる点に留意されたい。
【0061】
そこで、
図7及び
図8に示すように、回路基板71、72の近傍に静電容量センサ80を配置する場合は、静電容量センサ80(電極81)と回路基板71、72との間に第2多孔質体84を設けることが望ましい。このようにすると、第2多孔質体84が、第1多孔質体82では吸収することができない電解液を、吸収することができる。その結果、1多孔質体82では吸収することができない電解液から回路基板71、72を保護することができる。
【0062】
前述した通り、第1多孔質体82の役割を果たせるように、第1多孔質体82の物性は制限されることが好ましい。一方、第2多孔質体84の役割は回路基板71、72の保護であるため、第1多孔質体82と同様には物性が制限されない。電解液漏れを迅速に検知しつつ、漏れた電解液から回路基板などの他の電子部品を保護しようとすると、第1多孔質体82と第2多孔質体84は次のような違いを有していることが好ましい。
【0063】
電極81に対向する面の第2多孔質体84の面積は、電極81の面積より大きいことが望ましい。このようにすると、電解液から回路基板71、72をより効果的に保護することができる。第2多孔質体84の面積には、
図9Aから
図9Cを用いて説明したような電極81の面積との関係で定まる制限が加わらない。従って、第1多孔質体82では吸収することができない電解液を、大きな面積を有する第2多孔質体84で吸収することができる。
【0064】
また、第1多孔質体82の物性と第2多孔質体84の物性は異なることが望ましい。このようにすると、第1多孔質体82及び第2多孔質体84の物性を変えることで、それぞれの多孔質体82、84に求められる要件に応じて適切な多孔質体を選ぶことができる。
【0065】
例えば、第2多孔質体84は、第1多孔質体82より多くの液体を保持することが可能な物性を有する。このようにすると、電解液から回路基板71、72をより効果的に保護することができる。第1多孔質体82が多くの液体を保持できるような物性を有していると、吸収した電解液を静電容量センサ80の静電容量を変化させる箇所への輸送が遅れる虞がある。一方、第2多孔質体84には、液体を保持できる量に対する制限が加わらない。従って、第1多孔質体82では吸収することができない電解液を、大きな面積を有する第2多孔質体84で吸収することができる。
【0066】
また、第1多孔質体82は、第2多孔質体84より早く液体を輸送することが可能な物性を有する。このようにすると、電解液漏れをより早期に検知できる。一般的な多孔質体では液体を輸送する速度と液体を保持できる量はトレードオフの関係にあるため、第2多孔質体84の物性は、液体を輸送する速度よりも液体を保持できる量を優先するように設計される。これにより、電解液漏れを早期に検知しつつも、第1多孔質体82では吸収することができない電解液を、大きな面積を有する第2多孔質体84で吸収することができる。
【0067】
また、第2多孔質体84の厚さ方向の大きさである厚みは、第1多孔質体82の厚さ方向の大きさである厚みより厚い。換言すれば、第2多孔質体84は、第1多孔質体82より厚い。このようにすると、第1多孔質体82の方が薄いため電解液漏れをより早期に検知できる。一方、第2多孔質体84の方が厚いため、多くの電解液を保持することができる。これにより、電解液漏れを早期に検知しつつも、第1多孔質体82では吸収することができない電解液を、大きな面積を有する第2多孔質体84で吸収することができる。
【0068】
また、第2多孔質体84の主面の面積は、第1多孔質体82の主面の面積より大きい。換言すれば、第2多孔質体84は、第1多孔質体82より大きい。このようにすると、第2多孔質体84は多くの電解液を保持できるため、第1多孔質体82が吸収できない電解液から回路基板71、72をより効果的に保護することができる。
【0069】
また、第2多孔質体84の開気孔率は、第1多孔質体82の開気孔率より高い。このようにすると、第2多孔質体84は多くの電解液を保持できるため、第1多孔質体82が吸収できない電解液から回路基板71、72をより効果的に保護することができる。
【0070】
上述した実施形態においては、第2多孔質体84による回路基板71、72の保護について説明したが、第2多孔質体84で保護される対象は回路基板に限られない。別の一例において、回路基板から離間したセンサ、抵抗、コイルなどの電子部品を第2多孔質体84によって保護してもよい。別の一例として、電源ユニットケース11に設けられた開口から電解液が漏れないように第2多孔質体84を用いてもよい。
【0071】
(液体の浸入検知)
つぎに、制御部50(液体検知部52)による液体の浸入検知について説明する。本実施形態では、電源ユニットケース11の内部に浸入する液体として、水没時に浸入する水を想定している。なお、液体の浸入検知に用いる静電容量センサ80の構造は、液体の漏出検知に用いる静電容量センサ80の構造と略同様である。液体の浸入検知に用いられる静電容量センサ80においても、
図9Aから
図9Cを用いて説明したような電極81と第1多孔質体82の関係が成り立つことが好ましい。液体の浸入検知に用いられる静電容量センサ80においても、第1多孔質体82と第2多孔質体84の双方を有していることが好ましい。
【0072】
制御部50は、静電容量センサ80の出力に基づき、電源ユニットケース11に設けられる開口K1〜K5からの水の浸入を検知する。例えば、静電容量センサ80の電極81へ水を導く第1多孔質体82の少なくとも一部は、開口K1〜K5に当接するように配置される、又は開口K1〜K5の近傍に配置されることが望ましい。このようにすると、開口K1〜K5から水が浸入した場合に水の浸入を効果的に検知できる。第1多孔質体82の少なくとも一部が、開口K1〜K5に当接するように配置されるとは、第1多孔質体82の全体が開口K1〜K5に当接することを含むことは言うまでもなく、第1多孔質体82が開口K1〜K5から離間しつつ第1多孔質体82の一部(例えば、腕部)が開口K1〜K5に向かって延び開口K1〜K5に当接することを含む。また、第1多孔質体82の少なくとも一部が、開口K1〜K5の近傍に配置されるとは、第1多孔質体82の全体が開口K1〜K5の近傍に位置することを含むことは言うまでもなく、第1多孔質体82が開口K1〜K5から離間しつつ第1多孔質体82の一部(例えば、腕部)が開口K1〜K5の近傍に位置することを含む。なお、近傍とは、水が浸入した際に水と接触し得る位置である。
【0073】
第1多孔質体82の全体が開口K1〜K5に当接するように配置される、又は、開口K1〜K5の近傍に配置される場合は、水没が生じると静電容量センサ80の静電容量が素早く変化するため、水没を迅速に検知できる。第1多孔質体82が開口K1〜K5から離間しつつ第1多孔質体82の一部が開口K1〜K5に向かって延び開口K1〜K5に当接し、又は開口K1〜K5の近傍に位置する場合は、静電容量センサ80を開口K1〜K5から離間して配置できるため、電源ユニットケース11内の電子部品の配置の自由度が向上する。その結果、電源ユニット10を小型化することができる。
【0074】
図4に示すように、開口K1は、電源ユニットケース11において、充電端子43の周囲に形成される。電源ユニットケース11内における開口K1の近傍に静電容量センサ80を配置すると、充電端子43の周囲からの水の浸入を検知できる。さらに、水の浸入がエアロゾル吸引器1の動作に与える影響を回避できる。
【0075】
また、開口K2は、前述した空気取込口11cである。電源ユニットケース11内における開口K2の近傍に静電容量センサ80を配置すると、空気取込口11cからの水の浸入を検知できる。さらに、水の浸入がエアロゾル吸引器1の動作に与える影響を回避できる。
【0076】
また、開口K3は、電源ユニットケース11において、操作部14の周囲に形成される。電源ユニットケース11内における開口K3の近傍に静電容量センサ80を配置すると、操作部14の周囲からの水の浸入を検知できる。さらに、水の浸入がエアロゾル吸引器1の動作に与える影響を回避できる。
【0077】
また、開口K4は、電源ユニットケース11において、放電端子41の周囲に形成される。電源ユニットケース11内における開口K4の近傍に静電容量センサ80を配置すると、放電端子41の周囲からの水の浸入を検知できる。さらに、水の浸入がエアロゾル吸引器1の動作に与える影響を回避できる。
【0078】
また、開口K5は、前述した空気供給部42である。電源ユニットケース11内における開口K5の近傍に静電容量センサ80を配置すると、空気供給部42からの水の浸入を検知できる。さらに、水の浸入がエアロゾル吸引器1の動作に与える影響を回避できる。
【0079】
上述した開口K1〜K5のうち、開口K2と開口K5は、空気の流路として電源ユニットケース11へ積極的に設けられる。従って、開口K2と開口K5そのものが水の浸入経路になり得る。一方、開口K1、K3、K4は電源ユニットケース11に別体の部品を組み付けるために設けられる。従って、正確には、開口K1、K3、K4においては、電源ユニットケース11と組み付けられる部品の製品公差を吸収するためのバッファが、水の浸入経路となり得る。
【0080】
なお、静電容量センサ80や第1多孔質体82の位置を調整することで、液体の漏出検知と液体の浸入検知との両方を検知することができる。液体の漏出検知と液体の浸入検知との両方を検知することで、電源ユニット10及びエアロゾル吸引器1の安全性を向上させることができる。
【0081】
(制御例)
つぎに、制御部50の具体的な制御手順について、
図10〜
図14を参照して説明する。本開示では、制御部50の具体的な制御手順として、3つの制御例を示す。
【0082】
まず、表1にエアロゾル吸引器1の内部に存在し得る誘電体のうち代表的なものとその比誘電率を示す。
【0084】
図12及び
図14においては、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)とジエチルカーボネートのいずれか1つ又はこれらの混合溶液を電解液に用いると想定している。混合溶液の比誘電率又は誘電率は、混合溶液を構成する各溶液の比誘電率又は誘電率をその割合に応じて足し合わせることで求められることが知られている。従って、2.8〜65.0を電解液が取り得る比誘電率として示している。また、80.4を常温の水が取り得る比誘電率とし、2.8未満を電解液、水等の液体が存在しない場合の比誘電率として示している。しかし、これに限らず電解液の成分等に応じて比誘電率の取り得る値を設定することができる。
【0085】
電解液が取り得る比誘電率は、実験的に求めてもよいし、混合溶液を構成する各液体の既知の比誘電率をその組成比に応じて足し合わせることで求めてもよい。なお、以下の説明では比誘電率に代えて誘電率を用いてもよい。
【0086】
図10に示す制御例1の場合、制御部50は、静電容量センサ80の出力と電解液の誘電率又は電解液の比誘電率に基づく第1閾値(
図14参照:第3閾値と同等)との比較に基づき、電解液の漏出を検知する。
【0087】
図11及び
図12に示す制御例2の場合、制御部50は、静電容量センサ80の出力と電解液の誘電率以下且つ水の誘電率以下の誘電率又は電解液の比誘電率以下且つ水の比誘電率以下の比誘電率に基づく第2閾値(
図12参照)との比較に基づき、電解液の漏出と水の浸入を区別せずに検知する。別の一例として、第2閾値は、電解液の誘電率と水の誘電率のうち低い方、又は、電解液の比誘電率と水の比誘電率のうち低い方に基づいて設定されてもよい。なお、
図12で示す実施例では電解液の誘電率及び比誘電率が水の誘電率及び比誘電率より低いため、第2閾値は、電解液の誘電率又は比誘電率に基づいて設定されればよい。電解液にエチレンカーボネート(EC)を用いることで、水の誘電率及び比誘電率が電解液の誘電率及び比誘電率より低い場合は、第2閾値は水の誘電率又は比誘電率に基づいて設定されればよい。
【0088】
図13及び
図14に示す制御例3の場合、制御部50は、静電容量センサ80の出力と電解液の誘電率又は電解液の比誘電率に基づく第3閾値(
図14参照)に基づき、電解液の漏出を検知し、静電容量センサ80の出力と水の誘電率又は水の比誘電率に基づく第4閾値(
図14参照)に基づき、水の浸入を検知する。
【0089】
つまり、電解液漏れのみを検知する場合と、電解液漏れと水の浸入を区別なく検知する場合と、電解液漏れと水の浸入を区別して検知する場合とに応じて、適切な制御例を選択できる。以下、各制御例について詳細に説明する。
【0090】
(制御例1)
図10に示すように、制御部50は、制御例1を実行する場合、最初に、制御部50の内部で生成した電流でコンデンサ(静電容量センサ80が構成する疑似コンデンサ又はコンデンサ)を充電し(S101)、タイマを起動する(S102)。その後、制御部50は、コンデンサの充電完了を繰り返し判断し(S103)、判断結果がYESになったらコンデンサに蓄えられた電荷を解放し、コンデンサの充電又は充放電に要した時間Tを取得する(S104)。
【0091】
つぎに、制御部50は、時間Tが第1閾値よりも大きいか否かを判断し(S105)、この判断結果がNOの場合は、静電容量が小さいと判定(S106)、つまり電解液漏れが発生していないと判断して1回の検知処理を終了する。一方、制御部50は、ステップS105でYESと判断すると、静電容量が中程度であると判定(S107)、つまり電解液漏れを検知したと判断し(S108)、電源12から少なくとも負荷21に対する放電処理と電源12の充電処理を禁止する(S109)。報知制御部54は、ステップS109と同時に又はステップS109の前後で、電解液漏れを検知したことを知らせるように報知部54を制御してもよい。また、制御部50は、ステップS109において電源12に対する充放電処理を全て禁止するような制御を行ってもよい。また、制御部50は、ステップS109において電源12から制御部50以外に対する放電処理を禁止するような制御を行ってもよい。
【0092】
なお、制御部50は、ステップS105における判断結果がYESの場合は、時間Tが水の誘電率又は水の比誘電率に基づく他の閾値より小さいか否かを判断してもよい。制御部50は、この判断結果がYESの場合のみ、処理をステップS108に進めてもよい。このようにすれば、電解液漏れを正確に検知することができる。
【0093】
前述した通り、本実施形態では、第1閾値は、電解液の誘電率又は電解液の比誘電率に基づき設定されてよい。電解液の誘電率又は電解液の比誘電率が分かれば、電解液漏れ発生時における静電容量センサ80の静電容量が導き出される。この導き出された静電容量から、電解液漏れ発生時におけるコンデンサの充電又は充放電に要した時間を導き出し、この値を第1閾値に用いてもよい。別の一例として、電解液漏れの発生時におけるコンデンサの充電又は充放電に要した時間を実験的に求め、これを第1閾値に用いてもよい。これらのように設定された第1閾値が、電解液の誘電率又は電解液の比誘電率に基づいていることは明らかであろう。
【0094】
なお、本実施形態では、ステップS105では時間Tと時間の次元を有する第1閾値を比較した。これに代えて、ステップS105では時間Tを誘電率に変換して、変換値と誘電率の次元を有する第1閾値と比較してもよい。また、ステップS105では時間Tを比誘電率に変換して、変換値と比誘電率に対応する第1閾値と比較してもよい。
【0095】
(制御例2)
図11に示すように、制御部50は、制御例2を実行する場合、最初に、制御部50の内部で生成した電流でコンデンサ(静電容量センサ80が構成する疑似コンデンサ又はコンデンサ)を充電し(S201)、タイマを起動する(S202)。その後、制御部50は、コンデンサの充電完了を繰り返し判断し(S203)、判断結果がYESになったらコンデンサに蓄えられた電荷を解放し、コンデンサの充電又は充放電に要した時間Tを取得する(S204)。
【0096】
つぎに、制御部50は、時間Tが第2閾値よりも大きいか否かを判断し(S205)、この判断結果がNOの場合は、静電容量が小さいと判定(S206)、つまり電解液漏れや水没が発生していないと判断して1回の検知処理を終了する。一方、制御部50は、ステップS205でYESと判断すると、静電容量が中程度であると判定(S207)、つまり電解液漏れ又は水没を検知したと判断し(S208)、電源12から少なくとも負荷21に対する放電処理と電源12の充電処理を禁止する(S209)。報知制御部54は、ステップS209と同時に又はステップS209の前後で、電解液漏れを検知したことを知らせるように報知部54を制御してもよい。また、制御部50は、ステップS209において電源12に対する充放電処理を全て禁止するような制御を行ってもよい。また、制御部50は、ステップS209において電源12から制御部50以外に対する放電処理を禁止するような制御を行ってもよい。
【0097】
なお、本実施形態では、ステップS205では時間Tと時間の次元を有する第1閾値を比較した。これに代えて、ステップS205では時間Tを誘電率に変換して、変換値と誘電率の次元を有する第1閾値と比較してもよい。また、ステップS205では時間Tを比誘電率に変換して、変換値と比誘電率に対応する第1閾値と比較してもよい。
【0098】
前述した通り、第2閾値は、電解液の誘電率以下且つ水の誘電率以下の誘電率又は電解液の比誘電率以下且つ水の比誘電率以下の比誘電率に基づき設定されてよい。電解液及び水の誘電率又は比誘電率が分かれば、電解液漏れと水没の発生時における静電容量センサ80のそれぞれの静電容量が導き出される。この導き出された静電容量から、電解液漏れと水没の発生時におけるコンデンサの充電又は充放電に要したそれぞれの時間が導き出し、これらのうち小さい値を第2閾値に用いてもよい。別の一例として、電解液漏れと水没の発生時におけるコンデンサの充電又は充放電に要した時間を実験的にそれぞれ求め、これらのうち小さい値を第2閾値に用いてもよい。これらのように設定された第2閾値が、電解液の誘電率以下且つ水の誘電率以下の誘電率又は電解液の比誘電率以下且つ水の比誘電率以下の比誘電率に基づいていることは明らかであろう。
【0099】
また、第2閾値は、電解液の誘電率と水の誘電率のうち低い方、又は、電解液の比誘電率と水の比誘電率のうち低い方に基づいて設定されてもよい。電解液及び水の誘電率又は比誘電率が分かれば、電解液漏れと水没の発生時における静電容量センサ80のそれぞれの静電容量が導き出される。この導き出された静電容量から、電解液漏れと水没の発生時におけるコンデンサの充電又は充放電に要したそれぞれの時間を導き出し、これらのうち小さい値を第2閾値に用いてもよい。別の一例として、電解液漏れと水没の発生時におけるコンデンサの充電又は充放電に要した時間を実験的にそれぞれ求め、これらのうち小さい値を第2閾値に用いてもよい。これらのように設定された第2閾値が、電解液の誘電率と水の誘電率のうち低い方、又は、電解液の比誘電率と水の比誘電率のうち低い方に基づいていることは明らかであろう。
【0100】
(制御例3)
図13に示すように、制御部50は、制御例3を実行する場合、最初に、制御部50の内部で生成した電流でコンデンサ(静電容量センサ80が構成する疑似コンデンサ又はコンデンサ)を充電し(S301)、タイマを起動する(S302)。その後、制御部50は、コンデンサの充電完了を繰り返し判断し(S303)、判断結果がYESになったらコンデンサに蓄えられた電荷を解放し、コンデンサの充電又は充放電に要した時間Tを取得する(S304)。
【0101】
つぎに、制御部50は、時間Tが第3閾値よりも大きいか否かを判断し(S305)、この判断結果がNOの場合は、静電容量が小さいと判定(S306)、つまり電解液漏れや水没が発生していないと判断して1回の検知処理を終了する。一方、制御部50は、ステップS305でYESと判断すると、時間Tが第4閾値(第4閾値>第3閾値)よりも小さいか否かを判断し(S307)、この判断結果がNOの場合は、静電容量が大きいと判定(S308)、つまり水没が発生したと判断し(S309)、1回の検知処理を終了する。また、制御部50は、ステップS307の判断結果がYESの場合、静電容量が中程度であると判定(S310)、つまり電解液漏れを検知したと判断し(S311)、電源12から負荷21に対する放電処理と電源12の充電処理を禁止する(S312)。報知制御部54は、ステップS312と同時に又はステップS312の前後で、電解液漏れを検知したことを知らせるように報知部54を制御してもよい。また、制御部50は、ステップS312において電源12に対する充放電処理を全て禁止するような制御を行ってもよい。また、制御部50は、ステップS312において電源12から制御部50以外に対する放電処理を禁止するような制御を行ってもよい。
【0102】
前述した通り、第3閾値は、電解液の誘電率又は電解液の比誘電率に基づき設定されてよい。電解液の誘電率又は比誘電率が分かれば、電解液漏れ発生時における静電容量センサ80の静電容量が導き出される。この導き出された静電容量から、電解液漏れ発生時におけるコンデンサの充電又は充放電に要した時間を導き出し、この値を第3閾値に用いてもよい。別の一例として、電解液漏れ発生時におけるコンデンサの充電又は充放電に要した時間を実験的にそれぞれ算出し、この値を第3閾値に用いてもよい。これらのように設定された第3閾値が、電解液の誘電率又は電解液の比誘電率に基づいていることは明らかであろう。
【0103】
前述した通り、第4閾値は、水の誘電率又は水の比誘電率に基づき設定されてよい。水の誘電率又は比誘電率が分かれば、水没発生時における静電容量センサ80の静電容量が導き出される。この導き出された静電容量から、水没発生時におけるコンデンサの充電又は充放電に要した時間を導き出し、この値を第4閾値に用いてもよい。別の一例として、水没発生時におけるコンデンサの充電又は充放電に要した時間を実験的にそれぞれ算出し、この値を第4閾値に用いてもよい。これらのように設定された第4閾値が、水の誘電率又は水の比誘電率に基づいていることは明らかであろう。
【0104】
上述した実施形態では、電解液の誘電率及び比誘電率が水の誘電率及び比誘電率より低いと想定したものである。従って、制御部50は、ステップS308で静電容量が大きいと判定された場合は水没が発生したと判断し(ステップS309)、ステップS310で静電容量が中程度であると判定された場合は電解液漏れを検知したと判断している(ステップS311)。水の誘電率及び比誘電率が電解液の誘電率及び比誘電率より低い場合は、ステップS308で静電容量が大きいと判定された場合は電解液漏れを検知したと判断し(ステップS309)、ステップS310で静電容量が中程度であると判定された場合は水没が発生したと判断する(ステップS311)。
【0105】
なお、制御部50は、ステップS309の後にステップS312と同様の処理を行ってもよい。また、報知制御部54は、ステップS309の後に水没を検知したことを知らせるように報知部54を制御してもよい。
【0106】
なお、本発明は、上記した実施形態に限らず、適宜、変形、改良、等が可能である。例えば、制御部50は、電解液の漏出検知を行うことなく、静電容量センサ80の出力と水の誘電率又は水の比誘電率に基づく閾値(前術した第4閾値)との比較に基づき、開口K1〜K5からの水の浸入のみを検知してもよい。
【0107】
なお、水没は電源ユニットケース11への液体の浸入の一例に過ぎない旨に留意されたい。液体検知部52は、雨に濡れることや液体を零すことによって電源ユニットケース11の内部へ液体が浸入した場合も、上述した制御手順によってこれを検知してもよい。
【0108】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0109】
(1)
エアロゾル源からエアロゾルを発生させるための負荷へ放電可能な電源(電源12)と、
前記電源を制御する制御部(制御部50)と、
前記電源及び前記制御部を収容する筐体(電源ユニットケース11)と、を備えるエアロゾル生成装置(エアロゾル吸引器1)の電源ユニット(電源ユニット10)であって、
前記制御部は、前記筐体の内部における液体の漏出と前記筐体の内部への液体の浸入の少なくとも一方を検知可能に構成される、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0110】
(1)によれば、制御部が筐体の内部における液体の漏出と筐体の内部への液体の浸入との少なくとも一方を検知することができる。また、液体の漏出と液体の浸入の少なくとも一方がエアロゾル生成装置の動作に与える影響を回避できる。
【0111】
(2)
(1)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
静電容量センサ(静電容量センサ80)をさらに備え、
前記制御部は、前記静電容量センサの出力に基づき、前記漏出と前記浸入の少なくとも一方を検知可能に構成される、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0112】
(2)によれば、静電容量センサを用いることで、安価な構成ながら高精度に液体の漏出、液体の浸入等を検知できる。
【0113】
(3)
(2)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記電源は、電解液を含み、
前記制御部は、前記静電容量センサの出力に基づき、前記漏出として前記電解液の漏出を検知可能に構成される、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0114】
(3)によれば、電源の電解液漏れを検知することできる。また、電解液漏れがエアロゾル生成装置の動作に与える影響を回避できる。
【0115】
(4)
(3)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記静電容量センサへ前記電解液を導く第1多孔質体(第1多孔質体82)と、
前記筐体の内部に配置され、前記電源を保持する電源ホルダと、をさらに備え、
前記第1多孔質体の少なくとも一部は、前記電源と前記電源ホルダとの間に配置される、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0116】
(4)によれば、電源と電源ホルダとの間に静電容量センサへ電解液を導く第1多孔質体の少なくとも一部を配置するため、電源と電源ホルダとの間に電解液が漏れ込んだ場合でも、電解液漏れを検知できる。
【0117】
(5)
(3)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記静電容量センサへ前記電解液を導く第1多孔質体(第1多孔質体82)をさらに備え、
前記電源は、安全弁及びタブ(タブ12b)の少なくとも一方を備え、
前記第1多孔質体の少なくとも一部は、前記安全弁及び前記タブの前記少なくとも一方に当接するように、又は前記安全弁及び前記タブの前記少なくとも一方の近傍に配置される、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0118】
(5)によれば、安全弁及びタブの少なくとも一方に当接するように、又は近傍に静電容量センサへ電解液を導く第1多孔質体の少なくとも一部を配置するため、電解液漏れが発生しやすい電源の安全弁、タブ等で電解液漏れが発生した場合に電解液漏れを効果的且つ迅速に検知できる。
【0119】
(6)
(4)又は(5)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記静電容量センサは、電極(電極81)を備え、
前記電極に対向する面の前記第1多孔質体の面積は、前記電極の面積と等しい、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0120】
(6)によれば、電極に対向する面の第1多孔質体の面積は、電極の面積と等しいので、第1多孔質体のどこに電解液が吸収されても電解液漏れを検知できる。
【0121】
(7)
(4)又は(5)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記静電容量センサは、電極(電極81)を備え、
前記電極に対向する面の前記第1多孔質体の面積は、前記電極の面積より小さい、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0122】
(7)によれば、電極に対向する面の第1多孔質体の面積は、電極の面積よりも小さいので、静電容量センサ及び/又は第1多孔質体の大きさに多少の誤差があっても、電解液漏れを検知できる。
【0123】
(8)
(4)〜(7)のいずれかに記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
回路基板(第1回路基板71、第2回路基板72)を備え、
前記電源ユニットは、前記静電容量センサと前記回路基板との間に設けられる第2多孔質体(第2多孔質体84)と、をさらに備える、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0124】
(8)によれば、静電容量センサと回路基板との間に第2多孔質体が設けられるため電解液から回路基板を保護(隔離)することができる。
【0125】
(9)
(8)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記第1多孔質体の物性は、前記第2多孔質体の物性とは異なる、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0126】
(9)によれば、第1多孔質体及び第2多孔質体の物性を変えることで、それぞれの多孔質体に求められる要件に応じて適切な多孔質体を選ぶことができる。
【0127】
(10)
(8)又は(9)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記第2多孔質体は、前記第1多孔質体より多くの前記電解液を保持することが可能である、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0128】
(10)によれば、第2多孔質体の液保持能力の方が高いため、電解液から回路基板をより効果的に保護することができる。
【0129】
(11)
(8)又は(9)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記第1多孔質体は、前記第2多孔質体より早く前記電解液を輸送することが可能である、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0130】
(11)によれば、第1多孔質体の液輸送能力の方が高いため、電解液を静電容量センサへ早く輸送でき、電解液漏れをより早期に検知できる。
【0131】
(12)
(8)又は(9)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記第2多孔質体は、前記第1多孔質体より厚い、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0132】
(12)によれば、第1多孔質体の方が薄いため、電解液を静電容量センサへ早く輸送でき、電解液漏れをより早期に検知できる。
【0133】
(13)
(8)又は(9)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記第2多孔質体は、前記第1多孔質体より大きい、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0134】
(13)によれば、第2多孔質体の方が大きいため、第2多孔質体が多くの電解液を逃がさずに保持することができ、電解液から回路基板をより効果的に保護することができる。
【0135】
(14)
(8)又は(9)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記第2多孔質体の開気孔率は、前記第1多孔質体の開気孔率より高い、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0136】
(14)によれば、第2多孔質体の方が開気孔率が高いため、第2多孔質体が多くの電解液を逃がさずに保持することができ、電解液から回路基板をより効果的に保護することができる。
【0137】
(15)
(8)〜(14)のいずれかに記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記静電容量センサは、電極(電極81)を備え、
前記電極に対向する面の前記第2多孔質体の面積は、前記電極の面積より大きい、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0138】
(15)によれば、電極に対向する面の第2多孔質体の面積は、電極の面積よりも大きいので、第2多孔質体が多くの電解液を逃がさずに保持することができ、電解液から回路基板をより効果的に保護することができる。
【0139】
(16)
(3)〜(15)のいずれかに記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記制御部は、前記静電容量センサの出力と前記電解液の誘電率又は前記電解液の比誘電率に基づく閾値との比較に基づき、前記電解液の漏出を検知可能に構成される、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0140】
(16)によれば、静電容量センサの出力と電解液の誘電率又は電解液の比誘電率に基づく閾値(第1閾値)との比較により、電解液漏れだけを区別して検知できる。
【0141】
(17)
(2)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記筐体は、開口(開口K1〜K5)を備え、
前記制御部は、前記静電容量センサの出力に基づき、前記浸入として前記開口からの水の浸入を検知可能に構成される、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0142】
(17)によれば、開口からの水の浸入を検知することができる。また、水の浸入がエアロゾル生成装置の動作に与える影響を回避できる。
【0143】
(18)
(17)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記静電容量センサへ前記水を導く多孔質体(第1多孔質体82)をさらに備え、
前記多孔質体の少なくとも一部は、前記開口に当接するように、又は前記開口の近傍に配置される、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0144】
(18)によれば、筐体の開口に当接するように、又は開口の近傍に静電容量センサへ水を導く多孔質体の少なくとも一部を配置するため、開口から水が浸入した場合に水の浸入を効果的に検知できる。
【0145】
(19)
(17)又は(18)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
充電器又は充電ケーブルと電気的に接続可能なコネクタ(充電端子43)をさらに備え、
前記開口は、前記コネクタの周囲に形成される、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0146】
(19)によれば、コネクタからの水の浸入を検知することができる。また、水の浸入がエアロゾル生成装置の動作に与える影響を回避できる。
【0147】
(20)
(17)又は(18)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記筐体は、ユーザが吸引するときに外気が導入される導入口(空気取込口11c)を備え、
前記開口は、前記導入口である、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0148】
(20)によれば、導入口からの水の浸入を検知することができる。また、水の浸入がエアロゾル生成装置の動作に与える影響を回避できる。
【0149】
(21)
(17)又は(18)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
操作可能なインターフェース(操作部14)をさらに備え、
前記開口は、前記インターフェースの周囲に形成される、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0150】
(21)によれば、操作ボタン等のインターフェースからの水の浸入を検知することができる。また、水の浸入がエアロゾル生成装置の動作に与える影響を回避できる。
【0151】
(22)
(17)又は(18)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記負荷と電気的に接続可能な端子(放電端子41)をさらに備え、
前記開口は、前記端子の周囲に形成される、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0152】
(22)によれば、負荷と電気的に接続可能な端子からの水の浸入を検知することできる。また、水の浸入がエアロゾル生成装置の動作に与える影響を回避できる。
【0153】
(23)
(17)又は(18)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
ユーザの吸引を検知可能な吸引センサ(吸気センサ15)をさらに備え、
前記筐体は、外気と前記吸引センサの一部を大気開放する開放口(空気供給部42)を備え、
前記開口は、前記開放口である、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0154】
(23)によれば、吸引センサの一部を大気開放する開放口からの水の浸入を検知することができる。また、水の浸入がエアロゾル生成装置の動作に与える影響を回避できる。
【0155】
(24)
(17)〜(23)のいずれかに記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記制御部は、前記静電容量センサの出力と前記水の誘電率又は前記水の比誘電率に基づく閾値(第4閾値)との比較に基づき、前記開口からの前記水の浸入を検知可能に構成される、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0156】
(24)によれば、静電容量センサの出力と水の誘電率又は水の比誘電率に基づく閾値との比較により、水没だけを区別して検知できる。
【0157】
(25)
(1)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
静電容量センサ(静電容量センサ80)を備え、
前記制御部は、前記静電容量センサの出力に基づき、前記漏出と前記浸入を区別せずに検知可能に構成される、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0158】
(25)によれば、静電容量センサを用いて、液体の漏出と浸入を区別せずに判断するため、閾値の設定が容易となる。また、液体の漏出と浸入を判断するアルゴリズムが簡略化されるため、エアロゾル生成装置の電源ユニットのコストを低減できる。
【0159】
(26)
(25)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記電源は、電解液を含み、
前記制御部は、前記静電容量センサの出力と前記電解液の誘電率以下且つ水の誘電率以下の誘電率又は前記電解液の比誘電率以下且つ前記水の比誘電率以下の比誘電率に基づく閾値(第2閾値)との比較に基づき、前記電解液の漏出と前記水の浸入を区別せずに検知可能に構成される、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0160】
(26)によれば、静電容量センサの出力と、電解液の誘電率以下且つ水の誘電率以下の誘電率又は電解液の比誘電率以下及び水の比誘電率以下の比誘電率に基づく閾値との比較により、電解液漏れと水の浸入を区別せずに検知できる。また、液体の漏出と浸入を判断するアルゴリズムが簡略化されるため、エアロゾル生成装置の電源ユニットのコストを低減できる。
【0161】
(27)
(1)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
静電容量センサ(静電容量センサ80)をさらに備え、
前記電源は、電解液を含み、
前記制御部は、
前記静電容量センサの出力と前記電解液の誘電率又は前記電解液の比誘電率に基づく閾値(第3閾値)に基づき、前記漏出として前記電解液の漏出を検知可能に構成され、
前記静電容量センサの出力と水の誘電率又は前記水の比誘電率に基づく他の閾値(第4閾値)に基づき、前記浸入として前記水の浸入を検知可能に構成される、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0162】
(27)によれば、静電容量センサの出力と閾値との比較により電解液漏れを検知できるとともに、静電容量センサの出力と他の閾値との比較により水没を検知できる。これにより、電解液漏れと水の浸入を適切に区別して検知できる。従って、電解液漏れと水の浸入それぞれに対して適切な対策を採ることができる。
【0163】
(28)
エアロゾル源からエアロゾルを発生させるための負荷へ放電可能な電源(電源12)と、
前記電源を制御する制御部(制御部50)と、
前記電源及び前記制御部を収容する筐体(電源ユニットケース11)と、
ユーザの吸引を検知可能な吸引センサ(吸気センサ15)と、を備えるエアロゾル生成装置(エアロゾル吸引器1)の電源ユニット(電源ユニット10)であって、
前記吸引センサとは別体、且つ、前記筐体に収容される静電容量センサ(静電容量センサ80)をさらに備え、
前記制御部は、前記電源、前記吸引センサ、及び前記静電容量センサと電気的に接続される、エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0164】
(28)によれば、吸引センサとは別体の静電容量センサにより、筐体の内部における液体の漏出と筐体の内部への液体の浸入との少なくとも一方を検知することができる。また、液体の漏出と液体の浸入の少なくとも一方がエアロゾル生成装置の動作に与える影響を回避できる。
【0165】
(29)
エアロゾル源からエアロゾルを発生させるための負荷へ放電可能な電源(電源12)が筐体(電源ユニットケース11)に収容されたエアロゾル生成装置(エアロゾル吸引器1)の電源ユニット(電源ユニット10)の制御方法であって、
前記筐体の内部における液体の漏出と前記筐体の内部への液体の浸入の少なくとも一方を検知する、エアロゾル生成装置の電源ユニットの制御方法。
【0166】
(29)によれば、筐体の内部における液体の漏出と筐体の内部への液体の浸入との少なくとも一方を検知することができる。また、液体の漏出と液体の浸入の少なくとも一方がエアロゾル生成装置の動作に与える影響を回避できる。
【0167】
(30)
エアロゾル源からエアロゾルを発生させるための負荷へ放電可能な電源(電源12)が筐体(電源ユニットケース11)に収容されたエアロゾル生成装置(エアロゾル吸引器1)の電源ユニット(電源ユニット10)の制御プログラムあって、
前記筐体の内部における液体の漏出と前記筐体の内部への液体の浸入の少なくとも一方を検知するステップをコンピュータ(制御部50)に実行させるためのエアロゾル生成装置の電源ユニットの制御プログラム。
【0168】
(30)によれば、筐体の内部における液体の漏出と筐体の内部への液体の浸入との少なくとも一方を検知することができる。また、液体の漏出と液体の浸入の少なくとも一方がエアロゾル生成装置の動作に与える影響を回避できる。
【課題】液体の漏出と液体の浸入の少なくとも一方がエアロゾル生成装置の動作に与える影響を回避可能なエアロゾル生成装置の電源ユニット、エアロゾル生成装置の電源ユニットの制御方法、及び、エアロゾル生成装置の電源ユニットの制御プログラムを提供する。
【解決手段】エアロゾル吸引器1の電源ユニット10は、エアロゾル源からエアロゾルを発生させるための負荷へ放電可能な電源12と、電源12を制御する制御部50と、電源12及び制御部50を収容する電源ユニットケース11と、を備える。制御部50は、電源ユニットケース11の内部における液体の漏出と電源ユニットケース11の内部への液体の浸入の少なくとも一方を検知可能に構成される。