特許第6683875号(P6683875)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6683875
(24)【登録日】2020年3月30日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】人工心臓弁
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20200413BHJP
【FI】
   A61F2/24
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】77
(21)【出願番号】特願2019-187281(P2019-187281)
(22)【出願日】2019年10月11日
(62)【分割の表示】特願2018-227799(P2018-227799)の分割
【原出願日】2012年8月13日
(65)【公開番号】特開2020-22782(P2020-22782A)
(43)【公開日】2020年2月13日
【審査請求日】2019年10月17日
(31)【優先権主張番号】61/615,264
(32)【優先日】2012年3月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/522,542
(32)【優先日】2011年8月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/522,468
(32)【優先日】2011年8月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/523,134
(32)【優先日】2011年8月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/522,450
(32)【優先日】2011年8月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/522,476
(32)【優先日】2011年8月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/564,462
(32)【優先日】2011年11月29日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514034940
【氏名又は名称】テンダイン ホールディングス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ヴィドルンド、 ロバート
(72)【発明者】
【氏名】シャンケレリ、 ケマル
(72)【発明者】
【氏名】ロゾンスキ、 ルシアン
(72)【発明者】
【氏名】ルター、 ゲオルク
【審査官】 白川 敬寛
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/037141(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/072084(WO,A2)
【文献】 国際公開第2010/008548(WO,A2)
【文献】 特表2009−508641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓の心房と心室との間の生来の弁輪に移植するための人工心臓弁であって、
近位心房端と反対側の遠位心室端を有する自己拡張管状ステントと、
前記ステント内に配置され、1組の弁尖を支持する弁尖アセンブリと、
前記管状ステントに取り付けられかつ前記管状ステントを取り囲み、前記管状ステントの壁と共に断面がV字形状を形成するカラーであって、前記ステントの遠位心室端で始まり、前記生来の弁輪内で前記ステントの遠位心室端から前記ステントの近位心房端に向かって直径が拡大するカラーと
を含む、人工心臓弁。
【請求項2】
前記カラーは、安定化された組織及び合成材料のうちの1つによって覆われたニチノール形状記憶材料のウェブから形成されている、請求項1に記載の人工心臓弁。
【請求項3】
前記カラーは、前記ステントとは別個に形成され、前記ステントに取り付けられている、請求項1に記載の人工心臓弁。
【請求項4】
前記カラーはワイヤのループから形成されている、請求項1に記載の人工心臓弁。
【請求項5】
前記カラーは、ポリエステル織物材料で形成されている取り付けられたパネルから構成されている、請求項1に記載の人工心臓弁。
【請求項6】
前記カラーは、メッシュ状の構造を提供するように穴が開けられているパネルから構築され、前記ステントは、規則正しいカットアウトが形成されているチューブから構築されている、請求項1に記載の人工心臓弁。
【請求項7】
前記ステント及び前記カラーは、単一のステントカラー構造として一体的に製造されている、請求項に記載の人工心臓弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]無し
[連邦政府によって支援された研究または開発に関する声明]この発明を研究または開発するのに連邦政府資金は使われなかった。
[共同研究合意した個人または団体]適用外
[ここに引用によって組み込まれ含まれる配列一覧]適用外
この発明は、経カテーテル僧坊弁置換補綴とそのための配送デバイスを含むがそれらに限定はされない、人工弁についての様々な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
知られている現状は以下の通りである。
【0003】
心臓弁膜症、特に大動脈および僧坊弁疾患は、米国において顕著な健康問題である。年間約90,000回の弁置換が米国では行われている。伝統的な弁置換手術、心臓弁の同所性置換は、「心臓切開」外科手術である。簡単に、手術は胸部の外科的切開と、人工心肺での体外循環の始動と、心臓の停止および切開と、疾患した弁の切除および置換と、心臓の再起動を必要とする。弁置換手術は典型的には、それ以外は健康な人において1−4%の死亡率リスクがあるが、主に体外循環の必要のために、顕著により高い罹患率が手術と関連付けられている。更には、心臓切開手術はしばしば、高齢の患者においては殆ど耐え難いものである。
【0004】
よって、もし手術の体外的コンポーネントが排除できれば、罹患率と弁置換治療のコストは顕著に削減されるであろう。
【0005】
経カテーテルのやり方での大動脈弁の置換が強い探究の的であった一方で、より少ない関心でしか僧坊弁には焦点が当てられてこなかった。これは一部には、生来の僧坊弁装置と関連付けられたより大きな複雑さのレベルと、よって置換補綴の挿入および係留についてのより大きな困難のレベルを反映したものである。
【0006】
カテーテル配備型(経カテーテル)大動脈弁置換のためのいくつかのデザインが、開発の様々なステージにある。Edwards SAPIEN経カテーテル心臓弁は、従来の心臓切開型弁手術にはハイリスクであると考えられた石灰化大動脈弁疾患をもった患者での臨床試験が現在行われている。この弁は、逆行性経動脈(経大腿)アプローチまたは順行性経心尖(経心室)アプローチを介して配備可能である。Edwards SAPIENおよびその他の経カテーテル大動脈弁置換デザインの鍵となる側面は、主要な係留メカニズムとして弁組織と係合する側方固着(例えば、尖叉)へのそれらの依存である。そのようなデザインは基本的には、心臓周期中の移動を防止することを弁ハウジングまたはステントの周りの外周摩擦に頼る。この係留メカニズムは、石灰化した大動脈弁弁輪によって容易になり、それにいくらかは依存し得る。このデザインはまた、弁ハウジングまたはステントがある程度の剛性を有することを要求する。
【0007】
少なくとも1つの経カテーテル僧坊弁デザインが現在開発中である。Endovalveは、三弁尖生体人工弁を配送する折り畳みの三脚状デザインを使用する。これは最小侵襲性の経心房アプローチから配備されるようにデザインされており、最終的には経静脈心房中隔切開配送に適応され得る。このデザインは、弁輪および弁尖組織と係合するようにデザインされた「独自の握把特徴」を使用する。よってこのデバイスの係留メカニズムは本質的には、経カテーテル大動脈弁置換デザインで使われたものと同等である。
【0008】
1つの問題点は、ステント付き弁の製造において一般的に使用されるニチノールワイヤー材料の繰り返し変形が関与する。金属ワイヤー材料の疲労破壊は、破滅的な構造破損に結果としてなり得て、それによって弁サポート構造が弱体化し破損する。単一のワイヤーの破損は、弁全体の構造的な崩壊を必ずしも引き起こさないかもしれないが、時間が経つと、この可能性が実際的な現実となる。弁破損の帰結が患者の死を意味する時、重要性が誇張されることはできない。
【0009】
いくつかを挙げると、設置された人工弁の周りの弁傍漏洩、生来の僧坊弁弁輪内の人工弁についての良好なフィットと安定性の欠如、心房組織浸食、金属性構造上の過剰な磨耗、僧坊弁弁輪の後部側における大動脈との干渉、配備および除去における困難、およびカスタマイズの欠如での問題点を含んだ、様々な問題点がこの分野に存在し続けている。従って、ここに開示された改良発明についての需要が存在する。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、経カテーテル配送システムを使って閉じた脈動する心臓中に配備されることを意図された人工弁についての改良に関する。発明は、改良された安定性、補綴の内殖を提供し、大きな周期に渡って構造的一体性を維持し、生体適合性の問題に対処し、交連逆流に対処し、血液適合性の問題に対処する。加えて、発明は、材料の望まれない腰折れ、弁輪内の人工弁の封止の欠如、望まれない繊維の捩り、およびステントへのカバーの取り付け中に弾性から生じる困難さに関する問題点に対処する。
【0011】
改良された表面
好ましい実施形態では、拡張可能な管状ステントと拡張可能な内部弁尖アセンブリを有する人工心臓弁のための多層カバーであって、前記ステントは、内壁と外壁を有する管状ワイヤーフォームであり、前記弁尖アセンブリは、弁を形成するようにステント内に配置され、安定化された組織または合成材料からなり、多層カバーは、安定化された組織または合成材料の少なくとも2つの層からなり、第1の層はポリエステル材料からなり、第2の層はポリエステル材料または安定化された組織からなり、第1の層がステントの内壁に取り付けられ第2の層がステントの外壁に取り付けられている、多層カバーが提供される。
【0012】
別の好ましい実施形態では、安定化された組織が、生後30日の牛、羊、馬または豚の心膜、または動物の小腸粘膜下組織由来のものであるものが提供される。
【0013】
別の好ましい実施形態では、合成材料が、ポリエステル、ポリウレタンおよびポリテトラフルオロエチレンからなるグループから選択されているものが提供される。
【0014】
別の好ましい実施形態では、第1の層と第2の層は、厚さが約0.001インチ(0.0254mm)から約0.015インチ(0.3809mm)までの範囲であるもの、または代替的に約0.002インチ(0.0508mm)から約0.010インチ(0.254mm)までの範囲であるもの、または代替的に第1の層と第2の層は、厚さが約0.005インチ(0.127mm)であるものが提供される。
【0015】
別の好ましい実施形態では、安定化された組織または合成材料が、抗凝固剤で処理されているものが提供される。
【0016】
別の好ましい実施形態では、安定化された組織または合成材料が、ヘパリン処置されているものが提供される。
【0017】
別の好ましい実施形態では、第1の層と第2の層が共に合成材料であるものが提供される。
【0018】
別の好ましい実施形態では、合成材料が、ポリエステル、ポリウレタンおよびポリテトラフルオロエチレンからなるグループから選択されているものが提供される。
【0019】
別の好ましい実施形態では、合成材料が、電気紡糸されているものが提供される。
【0020】
別の好ましい実施形態では、ステント管状ワイヤーフォームは、一端部にオープンガスケット状封止カフを有する管状本体部分からなる単体形状として形成され、管状本体部分と封止カフは、超弾性金属の同じピースから形成され、第1の層と第2の層は、ステントの実質的に全てを覆うように伸びるものが提供される。
【0021】
別の好ましい実施形態では、超弾性金属が、ニッケル−チタン合金であるものが提供される。
【0022】
別の好ましい実施形態では、ここに記載されたおよび/または請求された多層カバーを有する人工弁が提供される。
【0023】
別の好ましい実施形態では、患者における僧坊弁逆流を治療する方法であって、ここに提供された人工心臓弁を、患者の僧坊弁弁輪中に外科手術的に配備するステップからなる、方法が提供される。
【0024】
別の好ましい実施形態では、患者における三尖弁逆流を治療する方法であって、ここに提供された人工心臓弁を、患者の三尖弁弁輪中に外科手術的に配備するステップからなる、方法が提供される。
【0025】
シャトルコック環状弁
別の実施形態では、心室心筋への係留のためにテザーを使う自己拡張するニチノール本体によってサポートされた人工心膜弁が提供される。
【0026】
別の好ましい実施形態では、環状カラーと内部弁尖アセンブリを有する拡張可能な管状ステントからなる人工心膜弁であって、ステントは、外側表面上を安定化された組織、合成繊維材料、またはその両方の組み合わせで覆われており、内部弁尖アセンブリは、ステントの内腔と共に配置され、安定化された組織、合成繊維材料、またはその両方の組み合わせからなり、環状カラーは、ステント本体の遠位端から超弾性金属で作られたカラーサポート構造まで広がるポリエステルまたはポリエステル状繊維または金属メッシュのウェブであり、カラーは、ステントに1つのエッジ上で接続された平坦な円形バンドを形成し、ステントの遠位端においてかまたはその近くでステントの外部の周りに放射状に伸びている、人工心膜弁が提供される。
【0027】
別の好ましい実施形態では、内部弁尖アセンブリが、鞍形状のものである、人工心膜弁が提供される。
【0028】
別の好ましい実施形態では、ステントカバーが、安定化された組織である、人工心膜弁が提供される。
【0029】
別の好ましい実施形態では、弁尖アセンブリが、安定化された組織からなる、人工心膜弁が提供される。
【0030】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁が弾性であり、患者内での配備のために配送カテーテル中に圧縮されており、配送カテーテルから人工心膜弁が排出された際に、弁がその機能的形状まで拡張する、人工心膜弁が提供される。
【0031】
別の好ましい実施形態では、ステントとカラーサポート構造は、超弾性金属の同じピースから形成されている、人工心膜弁が提供される。
【0032】
別の好ましい実施形態では、超弾性金属が、ニッケル−チタン合金である、人工心膜弁が提供される。
【0033】
別の好ましい実施形態では、ステントとカラーが、カテーテル配送システム中への折り畳みを容易にするために、予め決められた形状でレーザー切断されている、人工心膜弁が提供される。
【0034】
別の好ましい実施形態では、ステントが延性のある金属から構築されており、一旦弁が弁輪に配置されると、拡張のためにバルーンを必要とする、人工心膜弁が提供される。
【0035】
別の好ましい実施形態では、安定化された組織が、生後30日の牛、羊、馬または豚の心膜、または動物の小腸粘膜下組織由来のものである、人工心膜弁が提供される。
【0036】
別の好ましい実施形態では、合成材料が、ポリエステル、ポリウレタンおよびポリテトラフルオロエチレンからなるグループから選択されている、人工心膜弁が提供される。
【0037】
別の好ましい実施形態では、安定化された組織または合成材料が、抗凝固剤で処理されている、人工心膜弁が提供される。
【0038】
別の好ましい実施形態では、安定化された組織または合成材料が、ヘパリン処置されている、人工心膜弁が提供される。
【0039】
別の好ましい実施形態では、ステントに対するカラーの角度が、約5°と約45°の間の範囲からなる、人工心膜弁が提供される。
【0040】
別の好ましい実施形態では、カラーは、約2ミリメートルと約20ミリメートルの間で拡張された管状ステントの壁を越えて横方向に伸びる、人工心膜弁が提供される。
【0041】
別の好ましい実施形態では、管状ステントが、複数のテザー取り付け構造を有する、人工心膜弁が提供される。
【0042】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁を組織に係留するために人工心膜弁に取り付けられた複数のテザーからさらになる、人工心膜弁が提供される。
【0043】
別の好ましい実施形態では、複数のテザーの少なくとも1つが弾性テザーである、人工心膜弁が提供される。
【0044】
別の好ましい実施形態では、複数のテザーの少なくとも1つが生体吸収性テザーである、人工心膜弁が提供される。
【0045】
別の好ましい実施形態では、複数のテザーの少なくとも1つが位置決めテザーであり、複数のテザーの少なくとも1つが係留テザーである、人工心膜弁が提供される。
【0046】
別の好ましい実施形態では、カラーサポート構造に取り付けられた少なくとも1つのテザーと、ステント本体に取り付けられた少なくとも1つのテザーからさらになる、人工心膜弁が提供される。
【0047】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁に取り付けられた複数のテザーからさらになり、複数のテザーの1つが心外膜テザー保持デバイスに取り付けられている、人工心膜弁が提供される。
【0048】
別の好ましい実施形態では、弁尖アセンブリは、別のワイヤーサポート構造無しに安定化された組織または合成材料だけから構築されており、弁尖アセンブリが、弁尖ハウジングに取り付けられた複数の弁尖からなり、弁尖アセンブリが、ステントの内腔内に配置され、弁尖アセンブリとステントの内壁の間に封止ジョイントを提供するようにステントに取り付けられている、人工心膜弁が提供される。
【0049】
別の好ましい実施形態では、弁が、横方向断面ではD字形状である3次元構造を有する、人工心膜弁が提供される。
【0050】
別の好ましい実施形態では、弁が、横方向断面では腎臓形状である3次元構造を有する、人工心膜弁が提供される。
【0051】
別の好ましい実施形態では、患者における僧坊弁逆流を治療する方法であって、ここに開示され請求された人工心膜弁を、患者の僧坊弁弁輪中に外科手術的に配備するステップからなる方法が提供される。
【0052】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁は、左心室に入るために心尖アプローチを使って、肋間スペースを通して心膜に直接的にアクセスし、人工心膜弁を僧坊弁弁輪中に配備することによって配備される、方法が提供される。
【0053】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁は、左心室に入るために開胸、胸骨切開、または最小侵襲性の胸部、胸部検査、または経横隔膜アプローチを通して心膜に直接的にアクセスすることによって配備される、方法が提供される。
【0054】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁は、左心室に入るために側方心室壁を通じたアプローチを使って、肋間スペースを通して心膜に直接的にアクセスすることによって配備される、方法が提供される。
【0055】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁は、経静脈的心房中隔開口術アプローチを使って、心膜の左心房にアクセスすることによって配備される、方法が提供される。
【0056】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁は、経動脈的逆行性大動脈弁アプローチを使って、心膜の左心室にアクセスすることによって配備される、方法が提供される。
【0057】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁は、経静脈的心室中隔開口術アプローチを使って、心膜の左心室にアクセスすることによって配備される、方法が提供される。
【0058】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁を左心室内の組織に繋留することからさらになる、方法が提供される。
【0059】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁が、心外膜テザー保持デバイスを使って、左心室の心尖に繋留される、方法が提供される。
【0060】
別の好ましい実施形態では、組織が、乳頭筋組織、中隔組織、または心室壁組織から選択される、方法が提供される。
【0061】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁が、心室中隔の心尖に繋留される、方法が提供される。
【0062】
別の好ましい実施形態では、患者における三尖弁逆流を治療する方法であって、ここに開示され請求された人工心膜弁を、患者の三尖弁弁輪中に外科手術的に配備するステップからなる方法が提供される。
【0063】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁は、右心室に入るために心尖アプローチを使って、肋間スペースを通して心膜に直接的にアクセスすることによって配備される、または人工心膜弁は、右心室に入るために開胸、胸骨切開、または最小侵襲性の胸部、胸部検査、または経横隔膜アプローチを通して心膜に直接的にアクセスすることによって配備される、または人工心膜弁は、右心室に入るために側方心室壁を通じたアプローチを使って、肋間スペースを通して心膜に直接的にアクセスすることによって配備される、または人工心膜弁は、経静脈的アプローチを使って、心膜の右心房にアクセスすることによって配備される、方法が提供される。
【0064】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁を右心室内の組織に繋留することからさらになる、方法が提供される。
【0065】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁が、心外膜テザー保持デバイスを使って、右心室の心尖に繋留される、方法が提供される。
【0066】
別の好ましい実施形態では、組織が、乳頭筋組織、中隔組織、または心室壁組織から選択される、方法が提供される。
【0067】
ばねアンカー
一実施形態では、人工心膜弁ステントへの取り付けと腱索の周回のために形造られた形状記憶特性をもった少なくとも2つのコイルからなる、ばね形状のアンカー。
【0068】
好ましい実施形態では、アンカーが、限定無しに、ニッケル−チタン、銅−亜鉛−ニッケル、または銅−アルミニウム−ニッケルを含んだ、形状記憶の外科手術級合金のグループの1つ以上から作製されている。
【0069】
別の好ましい実施形態では、アンカーが、限定無しに、プリポリマー法によって作られたイオンまたはメソゲン成分をもったポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンオキサイド(PEO)のブロックコポリマー、ポリスチレンおよびポリ(1,4−ブタジエン)を含んだブロックコポリマー、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)およびポリテトラハイドロフランから作られたABAトリブロックコポリマー、およびセラミックMn添加(Pb,Sr)TiO3を含んだ、形状記憶ポリマーまたはセラミックのグループの1つ以上から作製されている。
【0070】
別の好ましい実施形態では、アンカーを形成している形状記憶材料が、ワイヤーまたはバンドに引き延ばされているかまたは形成されている。
【0071】
別の好ましい実施形態では、ワイヤーが、0.012インチのニッケル−チタンワイヤーである。
【0072】
別の好ましい実施形態では、ワイヤーまたはバンドは、配備された際に、開いた先端をもったばね状形状に開くように形成されている。
【0073】
別の好ましい実施形態では、ばねアンカーの近位ループが、溶接、はんだ付けを介してかまたは接着剤の使用によって、関連付けられた人工心膜弁のステントコンポーネントのベースに融着されている。
【0074】
別の好ましい実施形態では、ばねアンカーの近位ループをステントのベースに接合するのに使われる接着剤が、限定無しに、以下のグループの1つ以上から選ばれている:限定無しに、エポキシ樹脂、エポキシパティ、エチレン−ビニルアセテート、フェノルフォルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリサルファイド、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロライド、プリビニルピロリドン、シリコーン、およびスチレンアクリリックコポリマーを含んだ合成ポリマー糊;アクリルニトリル、シアノアクリレート、アクリリックおよびレゾルシノール糊のような合成モノマー糊;およびポリスチレンセメント/ブタノンおよびジクロロメタンのような溶剤式糊。
【0075】
別の好ましい実施形態では、コイルのループが、ステントのベースの円周と等しいかまたはそれを超えている。
【0076】
別の好ましい実施形態では、ばねアンカーの全てのループが、等しい円周のものである。
【0077】
別の好ましい実施形態では、ばねアンカーの近位ループは、円周が人工弁ステントのベースと等しく、さらに各連続するループは、円周が徐々に増加する。
【0078】
別の好ましい実施形態では、ばねアンカーの融着された近位ループと人工弁ステントが、人工心膜弁を組織に係留するための複数のテザーに取り付けられている。
【0079】
別の好ましい実施形態では、アンカーが、カテーテル配送システム中への折り畳みを容易にするために、予め決められた形状でレーザー切断されている。
【0080】
別の好ましい実施形態では、アンカーが、生体適合性の安定化された組織または合成材料で覆われている。
【0081】
別の好ましい実施形態では、安定化された組織が、生後30日の牛、羊、馬または豚の心膜、または動物の小腸粘膜下組織由来のものである。
【0082】
別の好ましい実施形態では、合成材料が、ポリエステル、ポリウレタンおよびポリテトラフルオロエチレンからなるグループから選択されている。
【0083】
別の好ましい実施形態では、安定化された組織または合成材料が、抗凝固剤で処理されている。
【0084】
別の好ましい実施形態では、安定化された組織または合成材料が、ヘパリン処置されている。
【0085】
患者における僧坊弁逆流を治療する方法であって、人工心膜弁を、患者の僧坊弁弁輪中に外科手術的に配備すると同時に、請求項1のばねアンカーを対応する腱索の周りに配備するステップからなる方法。
【0086】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁と取り付けられたばねアンカーは、左心室に入るために心尖アプローチを使って、肋間スペースを通して心臓に直接的にアクセスし、人工心膜弁を僧坊弁弁輪中に配備しばねアンカーを腱索の周りに配備することによって配備される、方法。
【0087】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁と取り付けられたばねアンカーは、左心室に入るために開胸、胸骨切開、または最小侵襲性の胸部、胸部検査、または経横隔膜アプローチを通して心臓に直接的にアクセスすることによって配備される、方法。
【0088】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁と取り付けられたばねアンカーは、左心室に入るために側方心室壁を通じたアプローチを使って、肋間スペースを通して心臓に直接的にアクセスすることによって配備される、方法。
【0089】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁と取り付けられたばねアンカーは、経静脈的心房中隔開口術アプローチを使って、心膜の左心房にアクセスすることによって配備される、方法。
【0090】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁と取り付けられたばねアンカーは、経動脈的逆行性大動脈弁アプローチを使って、心膜の左心室にアクセスすることによって配備される、方法。
【0091】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁と取り付けられたアンカーは、経静脈的心室中隔開口術アプローチを使って、心膜の左心室にアクセスすることによって配備される、方法。
【0092】
別の好ましい実施形態では、ばねアンカーが、既知の経カテーテル外科手術ツールを使って、アンカーを回転運動に導くことによって、腱索の周りにしっかり保持される、方法。
【0093】
別の好ましい実施形態では、ばねアンカーが、既知の経カテーテル外科手術ツールを使って、1つ以上のコイルループの円周内で腱索を引っ張ることによって、腱索の周りにしっかり保持される、方法。
【0094】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁が、心外膜テザー保持デバイスを使って、限定無しに、左心室の心尖、乳頭筋組織、中隔組織、心室壁組織、心室中隔の心尖を含んだ、心膜組織エリアの1つ以上に繋留される、方法。
【0095】
患者における三尖弁逆流を治療する方法であって、人工心膜弁を、患者の三尖弁弁輪中に外科手術的に配備すると同時に、請求項1のばねアンカーを対応する腱索の周りに配備するステップからなる方法。
【0096】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁と取り付けられたばねアンカーは、右心室に入るために心尖アプローチを使って、肋間スペースを通して心膜に直接的にアクセスすることによって配備される、方法。
【0097】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁と取り付けられたばねアンカーは、右心室に入るために開胸、胸骨切開、または最小侵襲性の胸部、胸部検査、または経横隔膜アプローチを通して心膜に直接的にアクセスすることによって配備される、方法。
【0098】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁と取り付けられたばねアンカーは、右心室に入るために側方心室壁を通じたアプローチを使って、肋間スペースを通して心膜に直接的にアクセスすることによって配備される、方法。
【0099】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁と取り付けられたばねアンカーは、経静脈的アプローチを使って、心膜の右心房にアクセスすることによって配備される、方法。
【0100】
別の好ましい実施形態では、ばねアンカーが、既知の経カテーテル外科手術ツールを使って、アンカーを回転運動に導くことによって、腱索の周りにしっかり保持される、方法。
【0101】
別の好ましい実施形態では、ばねアンカーが、既知の経カテーテル外科手術ツールを使って、1つ以上のコイルループの円周内で腱索を引っ張ることによって、腱索の周りにしっかり保持される、方法。
【0102】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁を右心室内の組織に繋留することからさらになる、方法。
【0103】
別の好ましい実施形態では、人工心膜弁が、心外膜テザー保持デバイスを使って、右心室の心尖に繋留される、方法。
【0104】
別の好ましい実施形態では、組織が、乳頭筋組織、中隔組織、または心室壁組織から選択される、方法。
【0105】
環状クランプ
一実施形態では、(a)ピンで作られ、オプションでばねによって取り囲まれた蝶番であって、前記ピンは、2つの互いに組み合わされた中間部材中の穴を通して伸びており、該蝶番は、閉じたかまたは開いた位置に操作されることができるものと、(b)各中間部材が、(i)近位側と遠位側をもったフッターセクションと、(ii)2つの平坦なプレートで、各プレートの遠位端がフッターセクションの近位側の狭いエッジに取り付けられて、調節可能な角度で平行にそこから伸びるものと、(iii)各そのようなプレートの近位端が、ピンの挿入に適応するような直径の中心に位置する円形の穴を含むものと、(iv)フッターセクションの内部端の中心から平坦なフランジが突出し、そのようなフランジが、蝶番を開いたり閉じたりするように、耐圧部材が取り付けられることを許容するための中心に位置する穴を含むものと、からなるものと、(c)2つ以上の半円形のフィンガーであって、蝶番を閉じた際に、半円形の開いた側が内向きに面し、閉じた側が外向きに面するように、等しい数のそのようなフィンガーが各中間部材の遠位端に取り付けられており、フィンガーまたはフィンガーの二重のセットが、蝶番が閉じるにつれてお互いに向かって動き、蝶番が開くにつれてお互いから離れるように動くものと、(d)閉じた際に半円形のフィンガーが互いに組み合わされるようなずらされたやり方で中間部材に取り付けられているものと、(e)各半円形のフィンガーの先端が、弁輪組織を貫通することが可能な尖りを形成するように先細りになっているものと、からなる人工弁クランプ。
【0106】
別の好ましい実施形態では、(a)ピンで作られ、オプションでばねによって取り囲まれた蝶番であって、前記ピンは、2つ以上の閉じる部材の各々の近位端中の穴を通して伸びており、該蝶番は、閉じたかまたは開いた位置に操作されることができるものと、(b)2つ以上の閉じる部材であって、蝶番を閉じた際に、半円形の開いた側が内向きに面し、閉じた側が外向きに面するように、各々が半円形状に外向きに分岐している真っ直ぐなベースをもち、各閉じる部材または2つ以上の閉じる部材のセットが、蝶番が閉じるにつれてお互いに向かって、蝶番が開くにつれてお互いから離れるように、反対方向にお互いと平行に動くものと、(c)閉じた際に半円形の部材が互いに組み合わされるようなずらされたやり方でピンに取り付けられているものと、(d)各閉じる部材の先端が、弁輪組織を貫通することが可能な尖りを形成するように先細りになっているものと、からなる人工弁クランプ。
【0107】
別の好ましい実施形態では、(a)組み紐にされたかまたはレーザー切断されたステントと、(b)人工的ステント弁輪内に位置して、前記弁輪を周回し、人工的ステント弁輪の内側表面から発するチューブからさらになる吸引フィンのためのアセンブリと、(c)人工的ステント弁輪内に位置して、前記弁輪を周回し、人工的ステント弁輪の内側表面から発するチューブからさらになるグルーフィンのためのアセンブリと、(d)グルーフィンアセンブリと吸引フィンアセンブリの各々と経心尖配送カテーテルの間の接続と、(e)人工的ステント弁輪の外側表面の周りに間隔をおいて分散された一連のクランプデバイスであって、各々が安全ベルト上にクランプしており、そのようなベルトの除去に際して開くものと、(f)複数のワイヤーであって、ワイヤー上の引っ張りがクランプデバイスを閉じるように、各々がクランプデバイスの後部側に取り付けられたものと、(g)案内カテーテルであって、カテーテルを周回する複数の穴からなり、1つ以上のワイヤーが各そのような穴から発しているカテーテル内腔内に、ステップ(f)のワイヤーが含まれているものと、からなる人工僧坊弁ステントを係留するためのシステム。
【0108】
別の好ましい実施形態では、デバイスが、限定されないが、形状記憶合金を含んだ、1つ以上のタイプの医療的に受け入れ可能な金属性合金、天然または合成ポリマーまたはセラミックからなる、上記の人工弁係留デバイスの1つ。
【0109】
別の好ましい実施形態では、エレメンツの先細りになっている先端が、限定されないが、アンカーを組織から引き出す際の容易さのための引込み能力有りまたは無しの、釣り針または矢尻デザインを含んだ、更なる係留特徴からなる、上記の人工弁係留デバイスの1つ。
【0110】
改良されたカフ/カラーの変形例
一実施形態では、経カテーテル配送システムを使って閉じた脈動する心臓中に配備されることができる、改良された輪郭をもった心房カフ/カラーを有する圧縮可能な人工心臓弁置換の改良されたデザインと機能。議論されるデザインは、最小侵襲性のやり方を介したデバイスの配備に焦点を当てており、例として、肋間または剣状突起下のスペースを弁導入のために利用する最小侵襲性の外科手術を考える。これを達成するために、弁は、それが配送システム内にフィットするように圧縮され、二次的に配送システムから標的位置、例えば僧坊弁または三尖弁の弁輪中に排出されることができるようなやり方で形成されている。
【0111】
好ましい実施形態では、局所的に僧坊弁弁輪の輪郭に沿う心房カフ/カラーを含んだ人工僧坊弁が提供される。
【0112】
別の好ましい実施形態では、配備された人工僧坊弁を血行動態的漏洩に対して封止する方法であって、心房カフ/カラーをもった人工僧坊弁を配備に先立ってフィットさせることからなり、心房カフ/カラーは、病理学的に欠陥のある僧坊弁の交連の輪郭に沿うように構築されかつ病理学的に欠陥のある僧坊弁の癒合ゾーンの輪郭に沿うように構築されており、心房カフ/カラーは、拡張可能な管状の組み紐にされたワイヤーステントの一端部から来るワイヤーから形成されており、心房カフ/カラーは、安定化された組織または合成材料で覆われており、心房カフ/カラーの交連輪郭コンポーネンツと心房カフ/カラーの癒合ゾーン輪郭コンポーネンツが、完全なかまたは部分的な鞍形状を形成しており、交連輪郭コンポーネンツが、僧坊弁交連と直接通信しており、癒合ゾーン輪郭コンポーネンツが、僧坊弁癒合ゾーンと直接通信している、方法が提供される。
【0113】
好ましい実施形態では、心房カフ/カラー形状が、キノコ形である。
【0114】
別の好ましい実施形態では、心房カフ/カラー形状が、爪状である。
【0115】
別の好ましい実施形態では、心房カフ/カラー形状が、腎臓形である。
【0116】
別の好ましい実施形態では、心房カフ/カラー形状が、卵形である。
【0117】
別の好ましい実施形態では、心房カフ/カラー形状が、正方形の端部を有する先端を切った卵形である。
【0118】
別の好ましい実施形態では、心房カフ/カラー形状が、2つか3つのブレードを有するプロペラ形状である。
【0119】
別の好ましい実施形態では、心房カフ/カラー形状が、十字形である。
【0120】
別の好ましい実施形態では、心房カフ/カラー形状が、平坦な放射状の覆われたループを有する花弁形状である。
【0121】
別の好ましい実施形態では、心房カフ/カラー形状が、不規則またはアメーバ状である。
【0122】
別の好ましい実施形態では、心房カフ/カラー形状が、杯形状である。
【0123】
別の好ましい実施形態では、心房カフ/カラー形状が、部分的に半円状のファン形状である。
【0124】
別の好ましい実施形態では、心房カフ/カラー形状が、長方形のU字形状である。
【0125】
別の好ましい実施形態では、心房カフ/カラーが、延性のある金属から構築されている。
【0126】
別の好ましい実施形態では、心房カフ/カラー形状が、生後30日の牛、羊、馬または豚の心膜、または動物の小腸粘膜下組織由来のものである安定化された組織のカバーで構築されている。
【0127】
別の好ましい実施形態では、心房カフ/カラー形状が、ポリエステル、ポリウレタンおよびポリテトラフルオロエチレンからなるグループから選択されている合成材料のカバーで構築されている。
【0128】
別の好ましい実施形態では、安定化された組織または合成材料が、抗凝固剤で処理されている。
【0129】
別の好ましい実施形態では、人工心臓弁を組織に係留するステップが、心房カフ/カラーに複数のテザーを使うことからさらになる、方法。
【0130】
別の好ましい実施形態では、複数のテザーの少なくとも1つが弾性テザーである。
【0131】
別の好ましい実施形態では、複数のテザーの少なくとも1つが生体吸収性テザーである。
【0132】
改良されたステントデザイン
実施形態は、経カテーテル配送システムを使って閉じた脈動する心臓中に配備されることができる、改良されたステント構造−機能プロファイルを有する予め構成された圧縮可能な経カテーテル人工心臓弁置換のデザインと機能に関する。議論されるデザインは、最小侵襲性のやり方を介したデバイスの配備に焦点を当てており、例として、肋間または剣状突起下のスペースを弁導入のために利用する最小侵襲性の外科手術を考える。これを達成するために、弁は、それが配送システム内にフィットするように圧縮され、二次的に配送システムから標的位置、例えば僧坊弁または三尖弁の弁輪中に排出されることができるようなやり方で形成されている。
【0133】
好ましい実施形態では、局所的に僧坊弁構造および/または弁輪の輪郭に沿う改良されたステントを含んだ人工僧坊弁が提供される。
【0134】
別の好ましい実施形態では、低い高さ対幅プロファイルを有するステント本体をもった人工心臓弁が提供される。
【0135】
好ましい実施形態では、人工僧坊弁は、断面が半円状のD字形状である改良されたステント本体を含む。
【0136】
好ましい実施形態では、人工僧坊弁は、曲がった管状ステント構造である改良されたステント本体を含み、曲がりは、前部弁尖から離れるように、隣接する例えば大動脈弁尖の癒合との干渉から離れるように、向けられている。
【0137】
好ましい実施形態では、人工僧坊弁は、低い高さ対幅プロファイルを有する改良されたステント本体を含み、ステント内に配置された弁尖構造は、ステント本体の心房端においてかまたはその近くに配置される。
【0138】
別の好ましい実施形態では、人工僧坊弁は、組み紐にされたワイヤー(心房端)とレーザー切断された金属(弁輪または心室端)の両方、またはその逆、から作られているステント本体を有する。
【0139】
好ましい実施形態では、人工心臓弁は、様々な長さの関節で繋がれたワイヤーループを有するカフを有する。
【0140】
別の好ましい実施形態では、人工心臓弁は、心臓収縮と関連付けられた生理学的動きまたは立体構造的変化中に従順性を提供するように少なくとも1つの弾性テザーを有する。
【0141】
別の好ましい実施形態では、人工心臓弁は、超弾性金属から作られたステント本体とカフを有する。
【0142】
別の好ましい実施形態では、人工心臓弁は、弁傍漏洩を防止するために弁カフを僧坊弁弁輪中に配置するのに使われるテザーを有する。
【0143】
別の好ましい実施形態では、テザーは生体吸収性であり、補綴の生物学的固着が起こるまでの一時的な係留を提供する。生物学的固着は、弁尖組織と補綴の間の繊維性癒着または心臓拡張の反転による補綴上への圧縮、またはその両方からなる。
【0144】
別の好ましい実施形態では、人工心臓弁は、人工心臓弁のためのカフを有し、前記カフは組織で覆われている。
【0145】
別の好ましい実施形態では、カフは、拡張可能なポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)またはポリエステルから選択された合成ポリマーで覆われている。
【0146】
別の好ましい実施形態では、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、心膜および小腸粘膜下組織からなるグループから選択された材料から構築された弁尖材料を有する人工心臓弁が提供される。
【0147】
別の好ましい実施形態では、抗凝固剤で処理されている表面を有する人工心臓弁が提供される。
【0148】
別の好ましい実施形態では、カフを有し、カフに取り付けられた係留テザーを含んだ人工心臓弁が提供される。
【0149】
別の好ましい実施形態では、カフを有し、カフに取り付けられ両交連先端にある係留テザーを含んだ人工心臓弁が提供される。
【0150】
別の好ましい実施形態では、カフを有し、身体に対するカフ取り付けは、約60°から約150°の角度内である、人工心臓弁が提供される。
【0151】
別の好ましい実施形態では、デバイスを僧坊弁弁輪中に係留するのに有用なテザーとバーブの組み合わせを含んだ人工心臓弁が提供される。
【0152】
別の実施形態では、カフのワイヤーは、等しいかまたは可変な長さの一連の放射状に伸びるループとして形成される。
【0153】
別の実施形態では、カフは、拡張されて配備されたステントの高さ(h)とカフが組織上に伸びる横方向距離(l)の間の関係の比に応じて、拡張された管状ステントを越えて横方向に伸びる。好ましくは、h/l比は、1:10から10:1までの範囲であることができ、より好ましくは、限定無しに、1:3、1:2、1:1、2:1と、1.25:2.0、1.5:2.0等々のようなそれらの間の分数範囲を含む。カフは、約3ミリメートルと約30ミリメートルの間で横方向(l)に伸びることができることが、1つの非限定的な例では構想されている。
【0154】
別の実施形態では、管状ステントが第1の端部と第2の端部を有し、カフがステント自体から形成されるかまたは代替的に別々に形成され、カフがステントの第1の端部に位置し、管状ステントの第2の端部が複数のテザー取り付け構造を有するという特徴が提供される。
【0155】
別の実施形態では、人工心臓弁を組織に対して係留するためのおよび/または人工心臓弁を位置決めするための複数のテザーからさらになるという特徴が提供される。
【0156】
別の実施形態では、心外膜テザー保持デバイスからさらになり、テザーが約2cmから約20cmまでの長さで伸び、心外膜テザー保持デバイスにしっかり留められているという特徴が提供される。心室内のいくつかの病理学的条件は、約8cmから約15cmまでか、または上記の範囲内に記載されたようにそれ以上の、心房−心尖テザーを要求し得る。
【0157】
別の実施形態では、人工心臓弁の配送のためのカテーテル配送システムであって、その中に配置された人工心臓弁を有する配送カテーテルと、人工心臓弁を排出するための栓子からなるものが提供される。
【0158】
別の実施形態では、カテーテル配送システムを準備するためのアセンブリキットであって、ファンネル、導入器、ワイヤースネア、栓子、配送カテーテル、および人工心臓弁からなり、圧縮ファンネルが、導入器への取り付けのための開口を有し、前記導入器が、配送カテーテルの直径内にフィットする直径を有するチューブからなり、前記栓子が、1つの端部においてハンドルともう1つの端部においてキャップがフィットされたチューブからなり、前記キャップが、ワイヤースネアがその中を通して移動することを許容するための開口部を有し、前記栓子が、導入器の直径内にフィットする直径を有し、前記人工心臓弁が、圧縮可能であり、配送カテーテル内にフィットするもの、が提供される。
【0159】
別の実施形態では、患者における僧坊弁逆流および/または三尖弁逆流を治療する方法であって、ここに記載された人工心臓弁を、標的弁構造の弁輪、例えば患者の僧坊弁弁輪および三尖弁弁輪、中に外科手術的に配備するステップからなる方法が提供される。
【0160】
別の実施形態では、人工心臓弁は、左(または右)心室に入るために心尖アプローチを使って、肋間スペースを通して心臓に直接的にアクセスし、カテーテル配送システムを使って、人工心臓弁を弁輪中に配備することによって配備されるという特徴が提供される。
【0161】
別の実施形態では、人工心臓弁は、左(または右)心室に入るために開胸、胸骨切開、または最小侵襲性の胸部、胸部検査、または経横隔膜アプローチを通して心臓に直接的にアクセスし、カテーテル配送システムを使って、人工心臓弁を弁輪中に配備することによって配備されるという特徴が提供される。
【0162】
別の実施形態では、人工心臓弁は、左または右心室に入るために側方アプローチを使って、肋間スペースを通して心臓に直接的にアクセスし、カテーテル配送システムを使って、人工心臓弁を弁輪中に配備することによって配備されるという特徴が提供される。
【0163】
別の実施形態では、人工心臓弁は、左心臓に入るために順行性−経(心房)中隔的(経静脈的−経(心房)中隔的)アプローチかまたは逆行性(経動脈的−経大動脈的)カテーテルアプローチのどちらかを使って、左心臓にアクセスし、カテーテル配送システムを使って、人工心臓弁を僧坊弁弁輪中に配備することによって配備されるという特徴が提供される。
【0164】
別の実施形態では、人工心臓弁は、心室中隔の心尖を通して左心室にアクセスすること(経静脈的−経(心室)中隔的アプローチ)によって逆行性アプローチから僧坊弁弁輪中に配備されるという特徴が提供される。
【0165】
別の実施形態では、人工心臓弁は、逆行性経心室中隔アプローチを使って僧坊弁位置中に配備され、テザーが心室中隔の右心室側中または上に繋留されるという特徴がある。
【0166】
別の実施形態では、人工心臓弁を左心室内の組織に繋留することからさらになるという特徴が提供される。
【0167】
別の実施形態では、人工心臓弁が、心外膜テザー保持デバイスを使って、左心室の心尖に繋留されるという特徴が提供される。
【0168】
別の実施形態では、最小侵襲性の心臓カテーテル技術を使っている患者から1つ以上のテザーを有する人工心臓弁を素早く除去するための取り出し方法であって、スネア取り付けを有するカテーテルで1つ以上のテザーを捕捉するステップと、捕捉したテザーを除去カテーテルに接続された折り畳み可能なファンネル取り付け中に導くステップと、人工心臓弁が折り畳まれ圧縮された立体構造中に適合するようにテザーを引っ張るステップと、今や圧縮された人工心臓弁を以降の摘出のために除去カテーテル中に押し込むステップと、からなる方法が提供される。取り出し方法は、ここに記載された通りの人工心臓弁またはあらゆる好適なテザー付きの折り畳み可能な医療用デバイスを捕捉するための使用について構想されている。好ましい実施形態では、方法は、左または右心室のどちらかから人工心臓弁を摘出するのに使われる。方法は、中断された外科手術的配備中に補綴器具を摘出するのに特に有用であり得る。
【0169】
ナローゲージのステント
実施形態は、経カテーテル配送システムを使って閉じた脈動する心臓中に配備されることができる、狭い直径のステント本体を有する圧縮可能な人工心臓弁置換のデザインと機能に関する。議論されるデザインは、生来の僧坊弁弁輪内にフィットするが、生来の僧坊弁弁尖の終端に位置する生来の交連弁尖を圧縮またはその開閉と実質的に干渉はしない、人工僧坊弁に焦点を当てている。
【0170】
以前のデバイスでのように、このデバイスの配備は、好ましくは肋間または剣状突起下のスペースを経皮弁導入のために利用する最小侵襲性の外科手術を介してであるが、技術分野で知られているように、内視鏡カテーテルに基づいた順行性、逆行性または経中隔の配備であることもできる。これを達成するために、弁は、それが配送システム内にフィットするように圧縮され、二次的に配送システムから標的位置、例えば僧坊弁または三尖弁の弁輪中に排出されることができるようなやり方で形成されている。
【0171】
従って、それを必要とする患者における交連逆流および/または二次的僧坊弁逆流の治療のための人工心臓弁を配備する方法であって、人工僧坊弁の選択と配送のために生来の僧坊弁弁輪の直径を測定するように心臓撮像デバイスを使うステップからなり、改良が、同じかまたは異なる心臓撮像デバイスを使うことと、断面弁尖直径を規定するために後部弁尖の後部エッジから前部弁尖と後部弁尖の前部エッジまでの距離を測定することからなり、前記断面弁尖直径が、僧坊弁弁輪の最大直径よりも実質的に小さく、前記最大直径は、前外側の交連に隣接する僧坊弁弁輪から後内側の交連に隣接する僧坊弁弁輪までの距離として規定されている、方法が提供される。
【0172】
好ましい実施形態では、ここでの使用のために、カフを有する拡張可能な管状ステントと、拡張可能な内部弁尖アセンブリからなる人工経カテーテル弁であって、前記ステントの直径が交連カスプの内部先端の間の距離以下であり、前記弁尖アセンブリが、ステント内に配置され、安定化された組織または合成材料からなるものが提供される。
【0173】
1つの好ましい実施形態では、ステントの直径が、交連カスプの内部先端の間の距離に近似する、ここに記載された通りの人工心臓弁がまた提供される。
【0174】
別の好ましい実施形態では、ステントの直径が、18mmと32mmの間である、ここに記載された通りの人工心臓弁がまた提供される。
【0175】
別の好ましい実施形態では、ステントの直径が、20mmと30mmの間である、ここに記載された通りの人工心臓弁がまた提供される。
【0176】
別の好ましい実施形態では、ステントの直径が、23mmと28mmの間である、ここに記載された通りの人工心臓弁がまた提供される。
【0177】
別の好ましい実施形態では、ステントが、僧坊弁エリアの75%と99%の間を覆うようなサイズにされている、ここに記載された通りの人工心臓弁がまた提供される。
【0178】
別の好ましい実施形態では、ステントが、僧坊弁エリアの85%と98%の間を覆うようなサイズにされている、ここに記載された通りの人工心臓弁がまた提供される。
【0179】
別の好ましい実施形態では、ステントが、僧坊弁エリアの92%と97%の間を覆うようなサイズにされている、ここに記載された通りの人工心臓弁がまた提供される。
【0180】
別の好ましい実施形態では、ステントが、20%以下の僧坊弁逆流を許容するようなサイズにされている、ここに記載された通りの人工心臓弁がまた提供される。
【0181】
別の好ましい実施形態では、ステントが、10%以下の僧坊弁逆流を許容するようなサイズにされている、ここに記載された通りの人工心臓弁がまた提供される。
【0182】
別の好ましい実施形態では、ステントが、5%以下の僧坊弁逆流を許容するようなサイズにされている、ここに記載された通りの人工心臓弁がまた提供される。
【0183】
別の好ましい実施形態では、カフが、安定化された組織または合成材料で覆われている超弾性金属で作られた関節で繋がれた構造を有し、交連の上に横たわるカフの部分だけが覆われずに残されている、交連逆流および/または二次的僧坊弁逆流の治療のためのナローゲージの人工心臓弁がまた提供される。
【0184】
別の好ましい実施形態では、患者における僧坊弁二次的逆流を治療する方法であって、ここに記載された通りのナローゲージの人工心臓弁を、患者の僧坊弁弁輪中に外科手術的に配備するステップからなる方法がまた提供される。
【0185】
別の好ましい実施形態では、人工心臓弁が、左心室に入るために心尖アプローチを使って、肋間スペースを通して心臓に直接的にアクセスし、人工心臓弁を僧坊弁弁輪中に配備することによって配備されるもの、または人工心臓弁が、左心室に入るために開胸、胸骨切開、または最小侵襲性の胸部、胸部検査、または経横隔膜アプローチを通して心臓に直接的にアクセスすることによって配備されるもの、または人工心臓弁が、左心室に入るために側方心室壁を通じたアプローチを使って、肋間スペースを通して心臓に直接的にアクセスすることによって配備されるもの、または人工心臓弁が、経静脈的心房中隔開口術アプローチを使って、心臓の左心房にアクセスすることによって配備されるもの、または人工心臓弁が、経動脈的逆行性大動脈弁アプローチを使って、心臓の左心室にアクセスすることによって配備されるもの、または人工心臓弁が、経静脈的心室中隔開口術アプローチを使って、心臓の左心室にアクセスすることによって配備されるもの、がまた提供される。
【0186】
別の好ましい実施形態では、人工心臓弁が、心外膜テザー保持デバイスを使って、左心室の心尖に繋留される方法がまた提供される。
【0187】
別の好ましい実施形態では、(1)既知の撮像技術を使って、生来の弁の面積と逆流率を測定することと、(2)ステップ(1)の測定に基づいて、生来の交連を通して1%と20%の間の逆流率を許容するように請求項1の人工弁のサイズを決めることと、(3)そのような人工弁を生来の僧坊弁弁輪内に移植することによって、患者における交連逆流または二次的僧坊弁逆流を治療する方法がまた提供される。
【図面の簡単な説明】
【0188】
改良された表面
図1図1は、本発明による人工弁の一実施形態を示す図面の斜視図である。
図2図2は、本発明の多層化アプローチを示す図面の斜視破断図である。
図2A図2Aは、本発明の多層化アプローチを示す図面である。
図2B図2Bは、本発明の多層化アプローチを示す図面である。
図3A図3Aは、処理された組織、ステントおよび合成材料のサンドウィッチ化の非限定的な変形例を示す一連の図面である。
図3B図3Bは、処理された組織、ステントおよび合成材料のサンドウィッチ化の非限定的な変形例を示す一連の図面である。
図3C図3Cは、処理された組織、ステントおよび合成材料のサンドウィッチ化の非限定的な変形例を示す一連の図面である。
図4A図4Aは、ここで使われ得るナノポアと電気紡糸された合成材料のスケールを示す一連の電子顕微鏡写真である。
図4B図4Bは、ここで使われ得るナノポアと電気紡糸された合成材料のスケールを示す一連の電子顕微鏡写真である。
図4C図4Cは、ここで使われ得るナノポアと電気紡糸された合成材料のスケールを示す一連の電子顕微鏡写真である。
図5A図5Aは、発明の或る部分、特にカフのための組織、を示す分解図である。
図5B図5Bは、発明の或る部分、特にステントの裸のワイヤー本体、を示す分解図である。
図5C図5Cは、発明の或る部分、特に合成材料層、を示す分解図である。
図5D図5Dは、発明の或る部分、特に内部弁尖コンポーネント、を示す分解図である。
図6図6は、本発明による心尖アプローチを使って心臓にアクセスしている人工弁を含んだ配送カテーテルをもった心臓の破断図である。図6は、人工弁の配備のために僧坊弁を通しておよび左心房中に進められた配送カテーテルを示す。
図7図7は、本発明による側方アプローチを使って心臓にアクセスしている人工弁を含んだ配送カテーテルをもった心臓の破断図である。図7は、人工弁の配備のために僧坊弁までおよび左心房中に進められた配送カテーテルを示す。
図8図8は、本発明による心尖アプローチを使って心臓の右心室にアクセスしている人工弁を含んだ配送カテーテルをもった心臓の破断図である。図8は、人工弁の配備のために三尖弁を通しておよび右心房中に進められた配送カテーテルを示す。
図9A図9Aは、どのように弁がカテーテルから配備されるかを描いた一連の図面である。
図9B図9Bは、どのように弁がカテーテルから配備されるかを描いた一連の図面である。
図9C図9Cは、どのように弁がカテーテルから配備されるかを描いた一連の図面である。
図9D図9Dは、どのように弁がカテーテルから配備されるかを描いた一連の図面である。
図10図10は、心臓の僧坊弁の弁輪内に配備された本発明による人工弁の一実施形態の詳細な断面図であり、それが(a)心房カフと(b)心尖に接続された心室テザーを使って係留されており、それらは保持プレジットによって保持されているように示されている。
図11図11は、心臓の僧坊弁の弁輪内に配備され、(a)心房カフと(b)乳頭筋に接続された心室テザーおよび/または心室壁および/または中隔を使って係留されており、それらは各々1つ以上の保持組織アンカーによって保持されている、本発明による人工弁の一実施形態の詳細な側方斜視図である。
【0189】
シャトルコック環状弁
図12図12は、左心室内の組織に繋留された本発明によるカラー付きステントの斜視図の描写である。
図13A図13Aは、どのようなカラーがステント本体の外壁上の変動する点から発することができるかを示す側面図の描写である。
図13B図13Bは、どのようなカラーがステント本体の外壁上の変動する点から発することができるかを示す側面図の描写である。
図14A図14Aは、どのように弁の弁尖が変動することができ、二尖弁/僧坊弁および三尖弁の実施形態を含み得るかを示した描写である。
図14B図14Bは、どのように弁の弁尖が変動することができ、二尖弁/僧坊弁および三尖弁の実施形態を含み得るかを示した描写である。
図14C図14Cは、どのように弁の弁尖が変動することができ、二尖弁/僧坊弁および三尖弁の実施形態を含み得るかを示した描写である。
図15図15は、どのようにステント本体とカラーサポート構造が、薄い組織で覆われ得るかと、どのようにカラーがステントの遠位端からカラーサポート構造のエッジまで広がる弾性ポリマー材料のウェブであり得るかを示す側面図描写である。
図16図16は、左心房と心室の間に完全な封止を形成している、僧坊弁弁輪と共に配備された本発明の一実施形態の斜視図描写であり、どのようにカラーが一体化されたステント−サポート構造アセンブリの間に広がるメッシュ材料であり得るかを示し、心膜表面上のプレジットへの取り付けのための左心室の心尖へのテザーを含んだ、多数の係留テザーが本発明の範囲内として構想されていることを示す。
図17図17は、本発明による心尖アプローチを使って心臓にアクセスしている人工弁を含んだ配送カテーテルをもった心臓の破断図である。図17は、人工弁の配備のために僧坊弁を通しておよび左心房中に進められた配送カテーテルを示す。
図18図18は、本発明による側方アプローチを使って心臓にアクセスしている人工弁を含んだ配送カテーテルをもった心臓の破断図である。図18は、人工弁の配備のために僧坊弁までおよび左心房中に進められた配送カテーテルを示す。
図19図19は、本発明による心尖アプローチを使って心臓の右心室にアクセスしている人工弁を含んだ配送カテーテルをもった心臓の破断図である。図19は、人工弁の配備のために三尖弁を通しておよび右心房中に進められた配送カテーテルを示す。
図20A図20Aは、D字形状およびインゲン豆形状を含んで、どのように3次元形状が変動し得るかの描写である。
図20B図20Bは、D字形状およびインゲン豆形状を含んで、どのように3次元形状が変動し得るかの描写である。
図20C図20Cは、D字形状およびインゲン豆形状を含んで、どのように3次元形状が変動し得るかの描写である。
図20D図20Dは、D字形状およびインゲン豆形状を含んで、どのように3次元形状が変動し得るかの描写である。
【0190】
ばねアンカー
図21図21は、本発明によるカラー無しステントに取り付けられたばね形状のアンカーの斜視図の描写である。
図22図22は、腱索の周りに回転可能にフィットすることによって人間の心臓の僧坊弁弁輪中に取り付けられたステントを保持するばね形状のアンカーの斜視図の描写である。
図23A図23Aは、どのように弁の弁尖が変動することができ、二尖弁/僧坊弁および三尖弁の実施形態を含み得るかを示した描写である。
図23B図23Bは、どのように弁の弁尖が変動することができ、二尖弁/僧坊弁および三尖弁の実施形態を含み得るかを示した描写である。
図23C図23Cは、どのように弁の弁尖が変動することができ、二尖弁/僧坊弁および三尖弁の実施形態を含み得るかを示した描写である。
図24図24は、左心房と心室の間に完全な封止を形成している、僧坊弁弁輪内に配備された人工弁から発する本発明の一実施形態の斜視図描写である。図24は、一体化されたステント−サポート構造アセンブリの間に広がるメッシュ材料から作られ、人工弁のカラー付きバージョンを示し、腱索の周りに配備されたばねアンカーに加えて、心膜表面上のプレジットへの取り付けのための左心室の心尖へのテザーを含んだ、本発明の範囲内として構想された複数の係留テザーを更に描く。
図25図25は、本発明による左心室中まで心尖アプローチを使って心臓にアクセスしている人工弁を含み、ばねアンカーで腱索を回転可能に取り囲んでいる配送カテーテルをもった心臓の破断図である。
図26図26は、本発明による側方アプローチを使って心臓にアクセスしている人工弁を含んだ配送カテーテルをもった心臓の破断図である。図26は、ばねアンカーの配備に先立って人工弁の配備のために僧坊弁までおよび左心房中に進められた配送カテーテルを示す。
図27図27は、本発明による心尖アプローチを使って心臓の右心室にアクセスしている人工弁とばねアンカーを含んだ配送カテーテルをもった心臓の破断図である。図27は、ばねアンカーの配備に先立って人工弁の配備のために三尖弁を通しておよび右心房中に進められた配送カテーテルを示す。
【0191】
環状クランプ
図28A図28Aは、外側の周りに位置する4つのクランプ型の環状係留部材をもった組み紐にされたワイヤーステントの斜視図を示す。
図28B図28Bは、同じ4つのクランプ型の環状係留部材をもった組み紐にされたワイヤーステントの側面図を示す。
図29図29は、クランプ型の環状係留部材の側面図を示す。
図30A図30Aは、開いた位置におけるクランプ型の環状係留部材の斜視図を示し、以下の部分からなる:ピン、ばね、2つの互いに組み合わされた中央部材、各々が先細りになった尖りをもった、半円形フィンガーの2つのペア。
図30B図30Bは、図30Aに示されたのと同じクランプだが、半円形のフィンガーの端部が互いに組み合わされた、閉じた位置においての斜視図を示す。
図31A図31Aは、図30Aに示されたクランプ型の環状係留部材だが、各中央部材のフランジ部分にそのようなフランジ中の中心にある穴を介して取り付けられた耐圧部材をもち、クランプを開いて保持するために圧力を掛けているものの側面図を示す。耐圧部材は、真っ直ぐの位置におけるカテーテルから発し、それを開いて保持するためにクランプ上に外向きの圧力を掛けている。
図31B図31Bは、クランプと耐圧部材の部分的分解図を示し、中央部材フランジの中心にある穴と、各耐圧部材の取り付けスタッドを実証している。図は、耐圧部材のクリンプされた尖りがそれらのハウジングから伸び、耐圧部材がクランプの中央部材から解放されることを引き起こすにつれての解放の瞬間を示し、それによりばねのトルクがクランプをスナップして閉じることを許容している。
図32A図32Aは、同じデザインの別のフィンガーとの連結のための外側リッジに沿ったスロットと1つのサイドに沿った一連の三角形の突起をもった、単一の半円形フィンガーの斜視図を示す。
図32B図32Bは、図32Aに描かれたのと同じ半円形フィンガーの側面図を示す。
図33A図33Aは、工作機械用スロットと、クランプアセンブリの他のコンポーネンツとの連結のためのリッジ付きロック機構をもった、図33Aに示されたクランプアセンブリの中央部材の中心部分コンポーネントの外側および遠位側の斜視図を示す。
図33B図33Bは、図33Aに描かれたのと同じ中央部分コンポーネントの内側および遠位側の斜視図を示す。
図34A図34Aは、4つの閉じる部材のセットからなり、各々がそれを通してピンが通されているその近位端中に直接開けられた穴をもち、第1と第3の閉じる部材が1つの方向に閉じる一方で第2と第4の閉じる部材が反対方向に閉じるように閉じる部材が互いに組み合わされている、開いた位置におけるクランプアセンブリの斜視図を示す。各閉じる部材は、先細りになった遠位先端を有する。
図34B図34Bは、図34Aと同じアセンブリを、閉じた位置において示す。
図35A図35Aは、4つの閉じる部材のセットからなり、各々がそれを通してピンが通されているその近位端中に直接開けられた穴をもち、第1と第3の閉じる部材が1つの方向に閉じる一方で第2と第4の閉じる部材が反対方向に閉じるように閉じる部材が互いに組み合わされている、開いた位置におけるクランプアセンブリの側面斜視図を示す。各閉じる部材は、釣り針特徴をもった先細りになった遠位先端を有する。
図35B図35Bは、図34Aと同じアセンブリを角度を付けた視点から示す。
図36A図36Aは、図35Aのクランプアセンブリの側面図を、閉じた位置において示す。
図36B図36Bは、図36Aと同じアセンブリを角度を付けた視点から示す。
図37A図37Aは、クランプアセンブリの様々なコンポーネンツの種々の可能な寸法を示す。
図37B図37Bは、クランプアセンブリの様々なコンポーネンツの種々の可能な寸法を示す。
図37C図37Cは、クランプアセンブリの様々なコンポーネンツの種々の可能な寸法を示す。
図37D図37Dは、クランプアセンブリの様々なコンポーネンツの種々の可能な寸法を示す。
図37E図37Eは、クランプアセンブリの様々なコンポーネンツの種々の可能な寸法を示す。
図37F図37Fは、クランプアセンブリの様々なコンポーネンツの種々の可能な寸法を示す。
図38図38は、吸引フィンとグルーフィンのためのスタッドアセンブリからなる環状コンポーネントをもった組み紐にされたステントを示す。
図39図39は、図38のステントの環状コンポーネントの断面を示し、吸引とグルーの適用のための2つの安定な内部チューブを実証している。
図40図40は、グラバーに対するステントの角度を実証しているライン描写である。
図41図41は、その周りに人工弁輪が取り付けられている組み紐にされたステントの下方の角度からの斜視図であり、人工弁輪を周回する一連のクランピングデバイスで、各そのようなデバイスが安全ベルトをクランプダウンしているものを更に実証している。
図42図42は、カテーテル本体の周りの穴から発して人工弁輪を通して図41に描かれたクランプデバイスに取り付けられたワイヤーをもった、図41に描かれたステント内に位置する案内カテーテルの斜視図を実証する。
図43図43は、図42のガイドカテーテル、ステントおよび紐の近接図を示す。
図44図44は、図41−43の案内カテーテル、紐およびステントアセンブリの下方図を示し、それにより紐をカテーテルを通して引っ張ることがクランプデバイスを安全ベルトの周りに閉じるところのメカニズムを実証している。
図45図45は、図41−44の案内カテーテル、紐およびステントアセンブリのステント内部の視点からの近接図を示し、案内カテーテルの断面と人工弁輪の断面を実証し、各紐による人工弁輪の貫通と各紐のクランピングデバイスへの接続を実証している。
【0192】
改良されたカフ/カラーの変形例
図46図46は、改良された心房カフ/カラーの一実施形態の斜視図であり、そこではカフ/カラーへの形状がキノコ形である。
図47図47は、心房カフ/カラーを示す一実施形態の斜視図であり、そこでは形状が爪状である。
図48図48は、心房カフ/カラーを示す一実施形態の斜視図であり、そこでは形状が腎臓形である。
図49図49は、心房カフ/カラーを示す一実施形態の斜視図であり、そこでは形状が卵形である。
図50図50は、心房カフ/カラーを示す一実施形態の斜視図であり、そこでは形状が正方形の端部を有する先端を切った卵形である。
図51図51は、心房カフ/カラーを鋭角の封止構造として示す一実施形態の斜視図である。
図52図52は、心房カフ/カラーとほぼその同じ平面上の位置/高さにおける内部の弁尖を示す一実施形態の斜視図である。
図53図53は、心房カフ/カラーを示す一実施形態の斜視図であり、そこでは形状がプロペラ形状である。
図54図54は、心房カフ/カラーを示す一実施形態の斜視図であり、そこでは形状が十字形である。
図55図55は、心房カフ/カラーを示す一実施形態の斜視図であり、そこでは形状が平坦な放射状の覆われたループを有する花弁形状である。
図56図56は、心房カフ/カラーを示す一実施形態の斜視図であり、そこでは形状が平坦な放射状の覆われた星状ループを有する花弁形状である。
図57図57は、心房カフ/カラーを示す一実施形態の斜視図であり、そこでは形状が平坦な放射状の覆われた星状ループを有する花弁形状であり、どのようにそれらが封止を実現するために縦方向に移動することができるかを描いている。
図58図58は、心房カフ/カラーを示す一実施形態の斜視図であり、そこでは形状が不規則またはアメーバ状である。
図59図59は、心房カフ/カラーを示す一実施形態の斜視図であり、そこでは形状が杯形状である。
図60図60は、心房カフ/カラーを示す一実施形態の斜視図であり、そこでは形状が部分的に半円状のファン形状である。
図61図61は、心房カフ/カラーを示す一実施形態の斜視図であり、そこでは形状が先が上を向いた長方形のU字形状である。
図62A図62Aは、後部から前部への、前向きの角度でステント本体に取り付けられた心房カフ/カラーを示す一実施形態の側面図である。
図62B図62Bは、後部から前部への、前向きの角度でステント本体に取り付けられた心房カフ/カラーを示す一実施形態の前方斜視図である。
【0193】
改良されたステントデザイン
図63A図63Aは、生来の僧坊弁弁尖のまたは本発明による人工弁尖構造の鞍形状の斜視図である。
図63B図63Bは、X−Y−Z軸と比較した僧坊弁の3次元相対的位置の図面である。
図63C図63Cは、閉じたから開いたまでの前部および後部弁尖の動きの範囲を示した僧坊弁の側面図表現の図面である。
図63D図63Dは、3次元全てにおける近似的な向きとサイズでの僧坊弁のグラフィカル3次元表現である。
図64図64は、僧坊弁と三尖弁の肺動脈および大動脈に対する位置関係を示した断面での心臓の図面である。
図65A図65Aは、ここではステントの詳細のために不透明に示された、心房カフをもった、断面での腎臓形状のステントの形態を有する人工僧坊弁を示した、本発明による一実施形態の斜視図である。
図65B図65Bは、ここではステントの詳細のために不透明に示された、ステント本体内の半分まで上の中央点に向けて配置された弁尖をもち、心房カフをもった、断面での丸くなった形状のステントまたは卵形形状のステントの形態を有する人工僧坊弁を描いた、本発明による一実施形態の斜視図である。
図66図66は、ここではステントの詳細のために不透明に示された、心房カフをもった、断面での彎曲した管状形状のステントの形態を有する人工僧坊弁を示した、本発明による一実施形態の斜視図である。
図67図67は、ここではステントの詳細のために不透明に示された、ステント本体の心房端に向けてステント内に高く配置された弁尖をもち、心房カフをもった、断面での丸くなった形状のステントまたは卵形形状のステントの形態を有する人工僧坊弁を示した、本発明による一実施形態の斜視図である。
図68図68は、組み紐にされたワイヤー(心房端)とレーザー切断された金属(弁輪または心室端)の両方から作られたステント本体と、覆われていない心房カフを有する人工僧坊弁を示した、本発明による一実施形態の斜視図である。
図69図69は、レーザー切断された金属(心房端)と組み紐にされたワイヤー(弁輪または心室端)の両方から作られたステント本体を有し、心房カフ無しの、人工僧坊弁を示した、本発明による一実施形態の斜視図である。
【0194】
ナローゲージのステント
図70図70は、移植無しの生来の僧坊弁を示したライン図面である。
図71図71は、交連ストレッチを引き起こしている移植されたフルサイズの補綴を示したライン図面である。
図72図72は、中央ジェットにおいて僧坊弁逆流を治療するために使われている交連との相互作用またはその変形を避けるようなサイズにされた人工僧坊弁を示したライン図面である。
図73図73は、弁内に置かれた狭い直径の補綴本体を示したライン図面である。
図74図74は、後部から前部へか、カスプ干渉のラインに沿って縦方向のどちらでも、どのように生来の僧坊弁の双曲放物面形状が異なる直径を生み出すかを示したライン図面である。
図75図75は、どのように過大な弁がラインc−cを越えて伸び、もし最も長い直径が不都合なことに使われれば、生来の弁輪ラインa−aの全直径、(いくつかの状況においては)弁直径の大きすぎると信じられているものさえ更に越えてそれが伸びることができるか、を示したライン図面である。
図76図76は、直径が後部から前部側に生来の弁輪の断面直径と等しい、ここに開示された概念の積極的な例を示すライン図面である。
図77図77は、直径が後部から前部側に生来の弁輪の断面直径より小さい、ここに開示された概念の積極的な例を示すライン図面である。
図78図78は、狭い弁の実施形態を示すライン図面であり、そこでは点線が生来の弁輪の直径を描き、その中に位置するナローゲージのステントと対照させている。
【発明を実施するための形態】
【0195】
本発明は、特に心臓外科手術での使用のための、人工弁のデザインとコンポーネンツにおける様々な改良を提供する。特定には、発明は、そのような人工弁についてのより良い安定性、フィット、持続性、および配送と取り出しの容易さを提供する改良されたデザインと特徴に関する。この出願の目的のために、「カラー」と「封止カフ」という用語が入れ替え可能に使われる。
【0196】
改良された表面コンポーネンツ
一実施形態では、発明は、経カテーテル配送システムを使って閉じた脈動する心臓中に配備されることを意図された人工弁についての表面コンポーネンツと構造における改良を提供する。ここでの固有の特徴の組み合わせは、現行の弁技術における問題点および欠陥点の多くに対処し、このタイプの医療用デバイスを提供しようとした時に生じる並外れた数の問題への高度に発展したアプローチを提供する。発明は、改良された補綴の内殖を提供し、大きな周期に渡って構造的一体性を維持し、生体適合性の問題に対処し、血液適合性の問題に対処する。加えて、発明は、表面材料の望まれない腰折れ、弁輪内の人工弁の封止の欠如、望まれない繊維の捩り、およびステントへのカバーの取り付け中に弾性から生じる困難さに関する問題点に対処する。
【0197】
好ましい実施形態では、拡張可能な管状ステントと拡張可能な内部弁尖アセンブリを有する人工心臓弁のための多層カバーであって、前記ステントは、内壁と外壁を有する管状ワイヤーフォームであり、前記弁尖アセンブリは、弁を形成するようにステント内に配置され、安定化された組織または合成材料からなり、多層カバーは、安定化された組織または合成材料の少なくとも2つの層からなり、第1の層はポリエステル材料からなり、第2の層はポリエステル材料または安定化された組織からなり、第1の層がステントの内壁に取り付けられ第2の層がステントの外壁に取り付けられている、多層カバーが提供される。
【0198】
安定化された組織または生体適合性の合成材料
一実施形態では、多数のタイプの組織と生体適合性材料が、ステントの内側の「内部」および/または外側の「外部」側方壁の両方をライニングまたはカバーするのと、一体化封止カフを利用する実施形態をライニングまたはカバーするのに、使われても良いことが構想されている。前述した通り、弁尖コンポーネントは、弁尖アセンブリと弁尖を作り出すだめに、追加のワイヤーサポートを使うこと有りかまたは無しで、安定化された組織または合成材料だけから構築されていても良い。この点では、弁尖コンポーネントは、ワイヤーフォームの使用有りかまたは無しで、ステントに取り付けられても良い。
【0199】
組織が、ステント本体の内側を覆うのに使われても良いが、ステント本体の外側は組織かまたは合成材料のどちらかでライニングまたはカバーされることが構想されている。ステントが、封止カフ構造を作り出すために熱成形されると、カフワイヤーフォームの頂部「サイド」(以前はステントが熱成形されるまでは内部)が、組織でライニングされる一方で、封止カフの下方サイドは、外部と同様に、組織またはより好ましくは合成材料で、ライニングされる。
【0200】
1つの好ましい実施形態では、ここで使われる組織はオプションで、生物学的な組織であり、豚のような動物の化学的に安定化された弁であっても良い。別の好ましい実施形態では、生物学的な組織が、金属フレームに縫い付けられるかまたは取り付けられる弁尖を作るのに使われる。この組織は、牛(牛心膜)または羊(羊心膜)または豚(豚心膜)または馬(馬心膜)のような動物の化学的に安定化された心膜組織である。
【0201】
好ましくは、組織は牛心膜組織である。好適な組織の例は、商品Duraguard(登録商標)、Peri-Guard(登録商標)およびVascu-Guard(登録商標)で使われているものを含み、全ての商品は現在外科手術において使われており、それらは一般的に生後30ヶ月未満の家畜から収穫されたものとして市場に出回っている。その他の特許および出版物は、移植可能なステントのための生体適合性の「ジャケット」またはスリーブとしてここで好適な、収穫された、生体適合性の動物の薄い組織を開示し、例えば、Blockへの米国特許第5,554,185号、覆われたステントアセンブリを開示しているDesign & Performance-Cyprus Limitedへの米国特許第7,108,717号、移植用の生体人工弁を開示しているScimed Life Systems, Inc.への米国特許第6,440,164号、移植用の無細胞コラーゲンベースの組織マトリクスを開示しているLiftCellCorporationへの米国特許第5,336,616号、を含む。
【0202】
1つの好ましい実施形態では、合成材料はポリウレタンまたはポリテトラフルオロエチレンである。拡張可能なポリテトラフルオロエチレンまたはポリエステルを含んだ合成ポリマー材料が、オプションで使われても良い。その他の好適な材料は、熱可塑性ポリカーボネ−トウレタン、ポリエステルウレタン、分割型のポリエステルウレタン、シリコーンポリエステルウレタン、シリコーンポリカーボネートウレタン、および超高分子重量ポリエチレン、をオプションで含んでいても良い。追加の生体適合性ポリマーは、ポリオレフィン、エラストマー、ポリエチレングリコール、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルクロライド、その他のフルオロポリマー、シリコーンポリエステル、シロキザンポリマーおよび/またはオリゴマー、および/またはポリラクトン、および同じ物を使ったブロックコポリマー、をオプションで含んでいても良い。
【0203】
別の実施形態では、組織および/または合成材料ライナー/カバーは、限定無しで、固定化されたヘパリンのような、抗凝固剤で処理されている(反応されている)表面をオプションで有していても良い。そのような現在利用可能なヘパリン処置されたポリマーは周知であり、当業者にとって入手可能である。
【0204】

1つの好ましい実施形態では、ステントと合成材料と組織の層化が、様々なオプションで提供されても良い。例えば、1つの好ましい実施形態では、内部層(ステントの内腔内)はDacron(登録商標)(akaPET)であり、ステントの外側外部はここに記載されるように安定化された組織でライニングまたはカバーされることが構想されている。別の実施形態では、Dacron(登録商標)が、ステントの内部と外部上の両方にあり、その一方または両方が、内殖のために必要な微小な「ヘア」を提供するための電気紡糸されたPETであっても良い。別の実施形態では、人工弁が、外部のために組織層の上に合成層を有し、内部上に組織層を有していても良い。
【0205】
電気紡糸ファイバー
電気紡糸は、ナノからミクロスケールまでの範囲の直径をもったポリマーファイバーを作成する技術である。複雑な形状をもった繊維が、溶液から電気紡糸されることができ、幅広い範囲のファイバーおよび繊維性質を作成する。電気紡糸は、高い表面対重量および容積比をもった材料を作成し、それはそれらの材料を、制御された生物学的相互作用、特に繊維状細胞外マトリクス足場の構築のための優れた候補にする。多くのタイプのポリマーを紡糸する能力と結合された繊維の多孔性の性質は、移植可能な構造の形成を許容する。ここで、人工弁カバー材料は、電気紡糸された繊維を、本体中への一体化を許容するための足場として使うことができ、内殖または細胞付着としても知られる(内皮化とスムーズな筋肉細胞付着の両方)。治療薬から改質剤までの範囲の添加剤が、溶液中に導入されることができ、ファイバーおよび繊維中に組み込まれるようになる。
【0206】
好ましい実施形態では、合成材料は、厚さで約0.001インチ(0.0254mm)から約0.015インチ(0.3809mm)まで、または約0.002インチ(0.0508mm)から約0.010インチ(0.254mm)までの範囲にあるか、あるいは代替的に第1の層と第2の層の両方が約0.005インチ(0.127mm)の厚さである。好ましい材料は、Zeus Co., Orangeburg, SCから取得されても良い。
【0207】
極薄の組織を内側上に有し、極薄の合成物、例えばDacron(登録商標)を外側上に有するニチノール(または同様の)ステントを使って作られたサンドイッチ化された人工弁を作り出すことによって、非常に小さいが非常に長持ちする人工弁を作り出すことができ、重要なことに、より少なく侵襲性でより安全な経カテーテル配送技術を介して配送されることができる。
【0208】
本発明の範囲内として構想された合成物とポリマーは、細胞毒性または突然変異誘発性の効果無しに、長期の細胞成長をサポートし、その用法と整合した劣化プロファイルを有する。例えば、材料は、内殖を促進すべきだが実効的な内殖に先立って劣化すべきではなく、劣化のレートは、組織付着のレートとマッチする。また、劣化副産物は、同様に非毒性であり生体適合性でなければならない。
【0209】
本発明の範囲内として構想された生体劣化可能な材料は、限定無しで、ポリラクチド(PLA),ポリグリコリド(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)ポリラクチド−co−ポリグリコリド(PLGA),ポリ−L−ラクチドとポリカプロラクトンのコポリマー(PLLA−CL),およびポリ−3−ハイドロキシブチレート−co−3−ハイドロキシバレレート(PHBA)のようなポリエステルを含む。それらもまた発明の範囲内として構想されているのは、ポリアンハイドライド、ポリアミド、変性ポリサッカライド、ポリアルケングリコール(例えば、PEG),ポリアルケンオキサイド(例えば、PEO,PEO−co−PBT)、およびポリアルケンテレフタレート(例えば、PBT)、およびエチレン−ビニルアセテートコポリマーである。
【0210】
但し、免疫応答、血栓性応答、および細胞毒性のような、或る種のポリマーの使用で生じる当該分野で知られている問題を削減するために、生体適合性の被膜と共に非劣化可能ポリマーが使われても良く、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン−co−ビニルアセテート、ポリn−ブチルメタクリレート、ポリ(スチレン−b−イソブチレン−b−スチレン)のような非劣化可能材料を含む。
【0211】
コポリマーは、1つのポリマーに対するコポリマーの比の範囲が、約5:95の比から約95:5の比まで変動しても良い。或る実施形態では、比の範囲は、約10:90から約90:10、または約20:80から80:20までの、または約25:75から約75:25までの、または約30:70から70:30までの、または40:60から60:40までの範囲、または50;50の、またはそれらの間のサブレンジであっても良い。好ましい非限定的な実施形態では、材料はナノファイバー、1000nmより小さい断面サイズを有するファイバー、に紡糸される。好ましい直径は、約100から約1000nmまでの範囲であっても良い。代替的な好ましい実施形態は、約200−800nm、または代替的に約300−800nmの範囲にある直径を有するナノファイバーを含む。
【0212】
追加の治療薬、例えば、シロリムス、パクリタクセルが、局所的なタイミングを計られたリリースのために、或る実施形態においてポリマー中に組み込まれて使われても良い。
【0213】
電気紡糸ナノファイバーの作製
電気紡糸でポリメリックナノファイバーを作製するために、ポリマーが適切な溶剤中に溶解された。結果として得られた溶液がそれから注射器中に満たされた。注射器ポンプの助けで、溶液が一定の供給レートで、0.21mmの内径をもった針先端を通して排出された。10−15kVの範囲にある高DC電圧(Gamma High Voltage Research, Ormond
Beach, FL, USA)が、針と、針の下15cmにあった接地されたアルミニウムプレートの間に印加された。
【0214】
表面電荷によって発生された電界は、針の先端における溶液滴がTaylor cone中に歪むことを引き起こす。一旦表面電荷における電位が臨界値を超えると、静電気力が溶液表面張力を克服し、溶液の細いジェットがコーンの表面から噴出する。ナノファイバーの作製のためのパラメータは、約10−12.5kVの電圧、ヘキサフルオロイソプロパノール、ジメチルフォルマミド、クロロフォルム、メタノール、ジクロロメタン、ポリマー分野の当業者に既知のその他の溶剤、およびそれらの混合物と組み合わせ、を含む。
【0215】
超薄の安定化された組織の製造
好ましい実施形態では、超薄の蒸気架橋された安定化された生体補綴または移植組織材料が構想されている。0.003インチ(0.0762mm)から約0.010インチ(0.254mm)を有する組織が、(a)組織標本を、アルデヒド、エポキシド、イソシアネート、カーボジイミド、イソチオシアネート、グリシダルエーテル、およびアクリルアジドからなるグループから選択された架橋剤の蒸気に露出することによって、予備消化された圧縮された組織標本を蒸気架橋するステップと、(b)蒸気架橋された組織標本を、予め決められた時間の間、水性架橋浴槽に露出することによって、蒸気架橋された組織標本を化学的に架橋するステップであって、そのような架橋浴槽は、アルデヒド、エポキシド、イソシアネート、カーボジイミド、イソチオシアネート、グリシダルエーテル、およびアクリルアジドからなるグループから選択された架橋剤の液体相を含んでいるステップ、からなるプロセスを使って作られても良い。[パラ15]そのような組織は、起源が豚、羊、馬または牛であっても良く、好ましくは初期材料は、生後30日以下の牛動物から取られるが、より年取った動物からの組織も発明の範囲内として構想されている。1つの好ましい実施形態では、組織標本は、架橋の前に化学的脱水/圧縮と機械的圧縮に晒される。
【0216】
予備消化は、1%ソディウムローレルサルフェートのような表面活性剤を含んだ溶液中の収穫され、洗浄された心膜組織を消化することによって提供される。化学的脱水/圧縮ステップは、組織標本をハイパーオスモティックソルト溶液に晒すことからなっている。そして、機械的圧縮は、組織標本を約0.003インチ(0.0762mm)から約0.010インチ(0.254mm)までの範囲の厚さに圧縮することが可能なローラーデバイスに、組織標本を晒すことによって行われても良い。
【0217】
動物コラーゲン組織標本はそれから、まず組織をフォルムアルデヒド蒸気に約10分間露出し、次に組織をグルタルアルデヒド溶液中に各々約24時間の2回の連続したセッションの間浸すことによって、化学的に架橋される。
【0218】
環状カフ/カラーの機能
弁カラーは、様々なやり方で機能する。人工弁の第1の機能は、生来の弁の代理となることであるが、弁輪と心房の不規則な輪郭に跨って屈曲して封止することによる血液の弁傍漏洩/逆流の阻止のような改良された機能をもつ。
【0219】
弁カラーの第2の機能は、一旦補綴が封止されると調節可能性と従順性を提供することである。
【0220】
心臓とその構造は、心臓周期中に複雑な形態変化を経験する。例えば、僧坊弁弁輪は、角が前部となり、背もたれが後部となり、左右の谷が中間的に横方向に位置する、鞍と良く似た、双曲放物面として知られる複雑な幾何学的形状を有する。この複雑性の上に、僧坊弁弁輪の面積は心臓周期の過程に渡って変化する。更には、三尖弁と三尖弁弁輪の幾何学的形状は、研究トピックであり続け、それ自体の特定の問題を呈する。従って、従順性は、非常に重要であるが、残念なことにしばしば見落とされた心臓デバイスの要求である。従順性はここでは、心臓周期中に構造的位置と一体性を維持する弁の能力を指す。心臓の運動との従順性、特に下に横たわる表面が隣接する表面とは異なるように動いている局所化された従順性を提供する能力は、特に重要な特徴である。この心臓周期全体を通して変動する能力は、弁が、これまでに提供されたことがないやり方で配置されたまま残り、適正に配備されることを許容する。
【0221】
加えて、従順性は、テザーの使用を通して達成されても良く、ここでテザーは好ましくは弾性材料から作られている。テザーベースの従順性は、単独で使われても良く、またはカラーベースの従順性との組み合わせで使われても良い。
【0222】
弁/カラーの第3の機能は、外科手術中に、配置されることが可能で、心房の不規則な表面の輪郭に沿うことが可能な弁を提供することである。独立したテザーの使用は、弁輪内の弁のサイドからサイドまでのフィッティングを許容する。例えば、3つのテザーが使われると、それらはお互いに対して約120度で円周上に位置し、それは外科医に弁傍漏洩が起こっているかどうかまたはどこで起こっているかを観察することと、局所化された圧力を作り出すために一方のサイドまたはもう一方を引っ張って漏洩を削減または排除することを許容する。
【0223】
カラーの第4の機能は、心室充填中に補綴を心室に向けて/の中にずらすように働く力(即ち、心房圧力と流れによって生成された剪断応力)に対抗することである。
【0224】
カラーの追加の特徴は、それが追加の構造を提供することによって弁尖アセンブリ/ステント組み合わせを強化するように機能することである。更には、配備中には、カラーは、構造全体、人工弁を、配備中の僧坊弁弁輪における場所までガイドし、一旦それが配備されれば弁をその場に留めるように機能する。
【0225】
本発明の一実施形態における別の非常に重要な特徴は、弁尖が、ステントの内腔の上半分(心房)において、または人工弁のステント部分の心房頂端部においてかその近くにまで、ステント本体内で高く位置することを、弁のデザインが許容することである。弁尖がステント本体内で高く位置することを許容することによって、それはLVOT狭窄(Left
Ventricular Overflow Tract Obstruction)、左心室から大動脈弁に離れる血液が妨害されるおよび/またはその層流を中断される状況、の発生を削減する。いくつかの状況では、ステントまたはその他の医療用デバイスを、左心室自体中に遠くまで伸び過ぎている僧坊弁エリアにおいてかまたはその近くに有することによって、この病理学的条件が引き起こされる。
【0226】
環状カフ/カラー構造
カラーは実質的に平坦で、円形の、バンド形状のカラー構造であり、それは管状ステントに取り付けられてそれを取り囲み、管状ステントの外壁と平坦で円形のバンド形状の環状拡張ガスケットの間に、断面で見られた時に、V字形状を形成する。V字形状のカラー中の取り付けられた(または一体化された)ガスケットの堅いがそれでも柔軟な性質は、人工弁が、弁、例えば、僧坊弁の弁輪中に配備された時に、「コルク」または「シャトルコック」型の構造を確立し、そのばねのようなプッシャーバンドをもったデバイスの楔リング形状が、弁を不動にするように生来の弁輪に対する横方向の環状圧縮圧または力を提供し、人工弁を介して弁機能を再確立するように心臓腔、例えば心房と心室の間の封止を提供する。側方の視点から見られるように、カラー直径は、管状ステントの直径をマッチし、カラーは、心室に最も近くでステントに取り付けられるが、カラーとステント壁がV字形状を形成するので、カラーの直径は、カラーパネルの心房端部においてその最大の直径に達するまで、段々より大きくなる。ここで使われるように、カラー、反転されたフランジ、ガスケット、ばねパネルという用語は、機能的に等価であると考えられる。管状ステントが、左心室の方向にあるテザーループによって、僧坊弁開口、僧坊弁弁輪を通して引っ張られた時に、柔軟なカラーは、管状ステントが僧坊弁開口を通して更に移動することを停止するように働く。この時点で、人工弁全体は、僧坊弁弁輪を通した前進するばね状カラーの強制的な圧縮によって引き起こされた横方向の圧力と、左心室に取り付けられた心室テザーの縦方向の力によって保持される。
【0227】
カラーは好ましくは、ステント本体の遠位端から超弾性金属から作られたサポート構造まで広がるポリエステル織物のウェブから形成される。代替的に、ウェブは、安定化された組織またはその他の好適な生体適合性または合成材料によって覆われた、ニッケルチタン合金材料ニチノール(登録商標)ワイヤーのような、堅くて柔軟性のある形状記憶材料から作られても良い。
【0228】
一実施形態では、カラーワイヤーフォームは、カラーが(一体化されたカラー中で)管状ステントに移行するかまたはカラーがステントに取り付けられる(それらは別々だが接合されたコンポーネンツである)ところの曲がりまたは継ぎ目の円周の周りに軸方向に伸びているローブまたはセグメントを作り出している、ワイヤーの独立したループから構築されている。カラーは、管状ステント本体の外壁との関係で鋭角を形成する。
【0229】
別の実施形態では、カラーは、取り付けられたパネルから構築される。この実施形態では、パネルは、固体の金属バンドであっても良く、またはメッシュ状の構造を提供するように穴が開けられているか、織られているかまたはレーザー切断されていても良く、あるいはポリエステル織物材料であっても良い。
【0230】
材料の柔軟性のために、カラーは、管状ステントの中心を通して長さの方向に走る縦軸と比較して横軸に沿って、前後に関節で繋がれる能力を有する。言い換えると、金属がループを有するかまたは織られているところでは、個別のスピンドルまたはループは独立して前後に動くことができ、ワイヤーの相対的な堅さのためにそれらの元の位置まで跳ね返ることができる。カラーは、ステントのワイヤーに取り付けられた時に、カラーが動くことを許容することができるように、或る弾性係数を有する。この柔軟性は、患者の心臓内に配備された際に、特定の応用のために必要な解剖学的形状に順応する能力をカラーに与える。人工僧坊弁の例では、カラーは、左心房の不規則性と僧坊弁弁輪の形状に順応することが可能であり、僧坊弁弁輪に隣接する心房組織と僧坊弁弁輪内の組織に対してきつい封止を提供することが可能である。前述したように、この特徴は重要なことに、僧坊弁のサイズに合わせる上での柔軟性の度合いを提供し、移植された人工心臓弁の周りで血液が漏洩することを防止する。
【0231】
1つの好ましいワイヤーカラー実施形態では、カラーのワイヤースピンドルは、形状およびサイズにおいて実質的に均一である。本発明の別の好ましい実施形態では、各ループまたはスピンドルは、変動する形状およびサイズのものであっても良い。この例では、弁が配備されているところに依存して、ループが交番する大小のループのパターンを形成しても良いことが構想されている。人工僧坊弁の場合には、術前の撮像が、特定の患者の僧坊弁弁輪近傍の解剖学的な幾何学的形状に依存して、封止カフの構造をカスタマイズすることを許容しても良い。
【0232】
封止カフワイヤーフォームは、崩壊することなく心臓内の力に耐えるように充分な構造的一体性を提供すべく構築されている。封止カフワイヤーフォームは好ましくは、ステント本体の遠位端からニチノール(登録商標)のような超弾性金属から作られたサポート構造まで広がるポリエステル織物のウェブで構築され、構造的な変形または弁のずらしを引き起こし得る縦方向の力の下にある間、管状ステントのための封止カラーとしてのその機能を維持することが可能である。オプションでCu-Zn-Al-Ni合金やCu-Al-Ni合金のようなその他の形状記憶合金を使うことが、発明の範囲内として構想されている。心臓は、約8と30mmHgの間(約0.15から0,6psi)の平均左心房圧を発生することが知られている。この左心房充満圧は、係留力が僧坊弁弁輪に対してカラーを保持している時、カラーの外側面に対して補綴が開いている時に、左心室の方向に掛けられるであろう期待された近似的圧力である。カラーは、ずらされるかまたは心室中に滑り込むことから弁を守るように左心室の方向での補綴に対するこの下向きで縦方向の圧力に対抗する。対照的に、通常約120mmHgである左心室の心臓収縮圧は、左心房の方向で閉じた補綴上に力を掛ける。テザーがこの力に対抗し、弁の位置を維持し、心室収縮または心臓収縮期中に心室力に耐えるために使われる。従って、カラーは、移動されて左心室中に引っ張り込まれることなしに、テザーに対して必要な張力を提供するように充分な構造的一体性を有する。テザーとアンカーはまた、必要に応じてあらゆるその他の方向性の力に対して位置を確保するのに使われても良い。ある期間の後、心臓の幾何学的形状および/または補綴と周辺の心臓組織の間の繊維性癒着における変化が、心室収縮中に弁補綴上の縦方向の力に抵抗する際に心室テザーの機能を補助または置換しても良い。
【0233】
環状クランプ構造および機能
人工弁ステントは、ステントの円周の周りに間隔をおいて位置する一体化されたクランプの使用を通して弁輪内で安定化されることが可能である。このクランプシステムは、金属または同様に硬くて持続可能な材料で作られたクランプを、製造中にステントの一体化されたコンポーネントとして、はんだ付けすることによって、ステントワイヤーをクランプ構造中の係留開口を通すことによって、または同様の取り付けプロセスで、使用しても良い。
【0234】
クランプベースの係留システムの一実施形態では、各クランプは、ピンで作られ、オプションでばねによって取り囲まれた蝶番であって、前記ピンは、2つの互いに組み合わされた中央部材中の穴を通して伸びており、その蝶番は閉じたかまたは開いた位置に操作されることができるもの、からなる。更には、クランプの各中央部材は、(a)近位側と遠位側をもったフッターセクションと、(b)2つの平坦なプレートで、各プレートの遠位端がフッターセクションの近位側の狭いエッジに取り付けられて、対角線の角度でお互いと平行に外に伸びるものと、(c)各プレートの近位端が、ピンの挿入に適応するような直径の中心に位置する円形の穴を含むものと、(d)フッターセクションの内部端の中心から突出している平坦なフランジであって、フランジが、蝶番を開いたり閉じたりするようにツールによる接続を許容するための中心に位置する穴を含むものと、からなることができる。2つの中央部材の各々の遠位端に取り付けられているのは、2つ以上の半円形のフィンガーであって、蝶番を閉じた際に、半円形の開いた側が内向きに面し、閉じた側が外向きに面するように、等しい数のそのようなフィンガーが各中間部材に取り付けられている。
【0235】
この実施形態では、半円形のフィンガーの二重のセットが、蝶番が閉じるにつれてお互いに向かって動き、蝶番が開くにつれてお互いから離れるように動く。半円形のフィンガーは、閉じた際に半円形のフィンガーが互いに組み合わされるようなずらされたやり方で、中間部材に取り付けられている。最後に、各半円形のフィンガーの先端が、弁輪組織を貫通することが可能な尖りを形成するように先細りになっており、それが含むステントと弁の両方のためのしっかりした安定化アンカーを許容する。
【0236】
より好ましい実施形態では、上記のクランプアセンブリは、図37に指し示された寸法と同様に製造されるべきである。
【0237】
直前の実施形態のクランプは、2つの柔軟な部材で、各々が予め形成された曲がりをもち配送ハウジングから突出しているものをもった、クランプベースの弁係留システム内からなっていても良く、そこでは、柔軟な部材が配送ハウジング中への引込めに際して真っ直ぐになるように、かつ柔軟な部材を真っ直ぐにするアクションが2つのフランジに圧力を印加して、蝶番を閉じるように、各そのような柔軟な部材が各中央部材のフランジに取り付けられている。
【0238】
別の好ましい実施形態では、クランプ本体は、ピンで作られ、オプションでばねによって取り囲まれた蝶番であって、前記ピンは、2つ以上の閉じる部材の各々の近位端中の穴を通して伸びており、その蝶番は、閉じたかまたは開いた位置に操作されることができるもの、からなるであろう。閉じる部材は、蝶番を閉じた際に、半円形の開いた側が内向きに面し、閉じた側が外向きに面するように、各々が半円形状に外向きに分岐している真っ直ぐなベースを有する。
【0239】
各閉じる部材または2つ以上の閉じる部材のセットが、蝶番が閉じるにつれてお互いに向かって、蝶番が開くにつれてお互いから離れるように、反対方向にお互いと平行に動く。よって、開いたクランプは、1つ以上の閉じる部材が生来の弁輪組織のどちらか側上に位置し、クランプが閉じた位置に動かされる際に先端が弁輪組織と接触するように、配置されることができる。
【0240】
更には、閉じる部材は、閉じた際に半円形の部材が互いに組み合わされるようなずらされたやり方でピンに取り付けられており、各閉じる部材の先端が、弁輪組織を貫通することが可能な尖りを形成するように先細りになっており、再度それが含むステントと弁の両方のためのしっかりした安定化アンカーを許容する。
【0241】
より好ましい実施形態では、上記のクランプアセンブリは、図37に指し示された寸法と同様に製造されるべきである。
【0242】
ここに記載されたクランプまたはその他の係留エレメンツ、または耐圧部材のいずれもは、限定されないが、形状記憶合金を含んだ、あらゆる外科手術的に受け入れ可能な金属、天然または合成ポリマーまたはセラミック材料からなっていても良い。係留エレメンツの先細りになっている先端はまた、限定されないが、アンカーを組織から引き出す際の容易さのための引込み能力有りまたは無しの、釣り針または矢尻デザインを含んだ、更なる係留特徴を含んでいても良い。
【0243】
改良された環状カフ/カラーの機能
心房カフまたはカラーは、様々なやり方で機能する。心房カフ/カラーの第1の機能は、補綴の周りの血液の弁傍漏洩/逆流を阻止することである。弁輪と心房の不規則な輪郭に跨って屈曲して封止することによって、漏洩が最小化されるおよび/または防止される。
【0244】
心房カフ/カラーの第2の機能は、調節可能なおよび/または従順な生体人工弁を提供することである。心臓とその構造は、心臓周期中に複雑な形態変化を経験する。例えば、僧坊弁弁輪は、角が前部となり、背もたれが後部となり、左右の谷が中間的に横方向に位置する、鞍と良く似た、双曲放物面として知られる複雑な幾何学的形状を有する。この複雑性の上に、僧坊弁弁輪の面積は心臓周期の過程に渡って変化する。更には、三尖弁と三尖弁弁輪の幾何学的形状は、研究トピックであり続け、それ自体の特定の問題を呈する。従って、従順性は、非常に重要であるが、残念なことにしばしば見落とされた心臓デバイスの要求である。従順性はここでは、心臓周期中に構造的位置と一体性を維持する弁の能力を指す。心臓の運動との従順性、特に下に横たわる表面が隣接する表面とは異なるように動いている局所化された従順性を提供する能力は、特に重要な特徴である。この心臓周期全体を通して変動する能力は、弁が、これまでに提供されたことがないやり方で配置されたまま残り、適正に配備されることを許容する。
【0245】
加えて、従順性は、テザーの使用を通して達成されても良く、ここでテザーは好ましくは弾性材料から作られている。テザーベースの従順性は、単独で使われても良く、または心房カフ/カラーベースの従順性との組み合わせで使われても良い。
【0246】
心房カフ/カラーと弁の第3の機能は、外科手術中に、配置されることが可能で、心房の不規則な表面の輪郭に沿うことが可能な弁を提供することである。独立したテザーの使用は、弁輪内の弁のサイドからサイドまでのフィッティングを許容する。例えば、3つのテザーが使われると、それらはお互いに対して約120度で円周上に位置し、それは外科医に弁傍漏洩が起こっているかどうかまたはどこで起こっているかを観察することと、局所化された圧力を作り出すために一方のサイドまたはもう一方を引っ張って漏洩を削減または排除することを許容する。
【0247】
心房カフ/カラーの第4の機能は、心室充填中に補綴を心室に向けて/の中にずらすように働く力(即ち、心房圧力と流れによって生成された剪断応力)に対抗することである。
【0248】
心房カフ/カラーの追加の特徴は、それが追加の構造を提供することによって弁尖アセンブリ/ステント組み合わせを強化するように機能することである。更には、配備中には、心房カフ/カラーは、構造全体、人工弁を、配備中の僧坊弁弁輪における場所までガイドし、一旦それが配備されれば弁をその場に留めるように機能する。別の重要な機能は、心房排液を向上することによって肺浮腫を削減することである。
【0249】
改良されたカフ/カラーの構造
心房カフ/カラーは、リムまたは境界を形成するように管状ステントの直径を越えて突出する実質的に平坦なプレートである。ここで使われるように、心房カフ/カラー、カフ、フランジ、カラー、ボンネット、エプロンまたはスカートという用語は、機能的に等価であると考えられる。管状ステントが、左心室の方向にあるテザーループによって、僧坊弁開口、僧坊弁弁輪を通して引っ張られた時に、心房カフ/カラーは、管状ステントが僧坊弁開口を通して更に移動することを停止するカラーとして働く。人工弁全体は、左心房および僧坊弁弁輪に配置されている心房カフ/カラーと、左心室に取り付けられた心室テザーの間の縦方向の力によって保持される。
【0250】
心房カフ/カラーは、安定化された組織またはその他の好適な生体適合性または合成材料によって覆われた、ニッケルチタン合金材料ニチノール(登録商標)ワイヤーのような、堅くて柔軟性のある形状記憶材料から作られている。一実施形態では、心房カフ/カラーワイヤーフォームは、心房カフ/カラーが(一体化された心房カフ/カラー中で)管状ステントに移行するかまたは心房カフ/カラーがステントに取り付けられる(それらは別々だが接合されたコンポーネンツである)ところの曲がりまたは継ぎ目の円周の周りに軸方向に伸びているローブまたはセグメントを作り出す、ワイヤーの独立したループから構築されている。
【0251】
一旦安定化された組織または材料で覆われると、ループは、心房カフ/カラーに、管状ステントの中心を通って走る縦軸に沿って、上下に移動して、関節で繋がれる能力を提供する。言い換えると、個別のスピンドルまたはループは独立して上下に動くことができ、ワイヤーの相対的な堅さのためにそれらの元の位置まで跳ね返ることができる。心房カフ/カラーワイヤーを覆う組織または材料は、心房カフ/カラーのワイヤーに取り付けられた時に、ワイヤースピンドルが動くことを許容することができるように、或る弾性係数を有する。この柔軟性は、患者の心臓内に配備された際に、特定の応用のために必要な解剖学的形状に順応する能力を心房カフ/カラーに与える。人工僧坊弁の例では、心房カフ/カラーは、左心房の不規則性と僧坊弁弁輪の形状に順応することが可能であり、僧坊弁弁輪に隣接する心房組織と僧坊弁弁輪内の組織に対してきつい封止を提供することが可能である。前述したように、この特徴は重要なことに、僧坊弁のサイズに合わせる上での柔軟性の度合いを提供し、移植された人工心臓弁の周りで血液が漏洩することを防止する。
【0252】
心房カフ/カラー寸法および形状の追加の重要な側面は、完全に配置されて保持された時に、心房カフ/カラーのエッジが好ましくは、それが心房壁上に貫通するかまたは切断するアクションを作り出すことができるように心房壁中に横方向に向けられているべきではないことである。
【0253】
1つの好ましい実施形態では、心房カフ/カラーのワイヤースピンドルは、形状およびサイズにおいて実質的に均一である。本発明の別の好ましい実施形態では、各ループまたはスピンドルは、変動する形状およびサイズのものであっても良い。この例では、弁が配備されているところに依存して、ループが交番する大小のループのパターンを形成しても良いことが構想されている。人工僧坊弁の場合には、術前の撮像が、特定の患者の僧坊弁弁輪近傍の解剖学的な幾何学的形状に依存して、心房カフ/カラーの構造をカスタマイズすることを許容しても良い。
【0254】
心房カフ/カラーワイヤーフォームは、崩壊することなく心臓内の力に耐えるように充分な構造的一体性を提供すべく構築されている。心房カフ/カラーワイヤーフォームは好ましくはニチノール(登録商標)のような超弾性金属で構築され、構造的な変形または弁のずらしを引き起こし得る縦方向の力の下にある間、管状ステントのための封止カラーとしてのその機能を維持することが可能である。オプションでCu-Zn-Al-Ni合金やCu-Al-Ni合金のようなその他の形状記憶合金を使うことが、発明の範囲内として構想されている。心臓は、約8と30mmHgの間(約0.15から0,6psi)の平均左心房圧を発生することが知られている。この左心房充満圧は、係留力が僧坊弁に隣接する心房組織に対して心房カフ/カラーを保持している時、心房カフ/カラーの外側面に対して補綴が開いている時に、左心室の方向に掛けられるであろう期待された近似的圧力である。心房カフ/カラーは、ずらされるかまたは心室中に滑り込むことから弁を守るように左心室の方向での補綴に対するこの縦方向の圧力に対抗する。対照的に、通常約120mmHgである左心室の心臓収縮圧は、左心房の方向で閉じた補綴上に力を掛ける。テザーがこの力に対抗し、弁の位置を維持し、心室収縮または心臓収縮期中に心室力に耐えるために使われる。従って、心房カフ/カラーは、移動されて左心室中に引っ張り込まれることなしに、テザーに対して必要な張力を提供するように充分な構造的一体性を有する。ある期間の後、心臓の幾何学的形状および/または補綴と周辺の心臓組織の間の繊維性癒着における変化が、心室収縮中に弁補綴上の縦方向の力に抵抗する際に心室テザーの機能を補助または置換しても良い。
【0255】
ステント構造
好ましくは、ニチノール(登録商標)ワイヤーのような超弾性金属ワイヤーが、ステントのために、ステント内に配置された内部ワイヤーベースの弁尖アセンブリのために、および封止カフワイヤーフォームのために、使われる。述べられたように、オプションでCu-Zn-Al-Ni合金やCu-Al-Ni合金のようなその他の形状記憶合金を使うことが、発明の範囲内として構想されている。ステントは、組み紐にされたステントとしてかまたはレーザー切断されたステントとして構築されても良いことが構想されている。そのようなステントは、Pulse Systemsのようなあらゆる数の商業的製造業者から入手可能である。レーザー切断されたステントは、好ましくはニッケルチタン(ニチノール(登録商標))から作られているが、また限定無しに、ステンレス鋼、コバルトクローム、チタンおよびその他の機能的に等価な金属および合金、または固定具または心棒上での熱処理によって形状設定されたPulse Systemsの組み紐にされたステントから作られている。
【0256】
ステントデザインの1つの鍵となる側面は、それが圧縮可能であり、解放された時に、それがその元の(圧縮されていない)形状に戻るという述べられた特性を有することである。この要求は、潜在的な材料選択を、形状記憶特性を有する金属およびプラスチックに限定する。金属については、それがオーステナイト、マルテンサイトまたは超弾性に加工されることができるので、ニチノールが特に有用であることが見つけられている。マルテンサイトおよび超弾性合金は、要求された圧縮特徴を実証するように加工されることができる。
【0257】
1つの好ましい実施形態では、弁は、横方向の断面で、「D字形状」である。比較的平坦な1つのサイドを有することは、弁が生来の前部弁尖に対して配置され、前部弁尖に直ぐ隣接して位置している大動脈弁上に過度の圧力を掛けること無しに、前部弁輪の形状を追跡することを許容する。D字形状はまた、後部弁輪の形状を追跡し、後部弁尖に対して確実に配置される丸くなった後部弁/ステント壁を提供する。
【0258】
この点では、1つの好ましい側面では、D字形状の弁の配備は、平坦な壁、または「D」の直線が、僧坊弁弁輪と大動脈弁の間の軸に沿って配置されるように、オフセットされても良い。
【0259】
別の好ましい実施形態では、弁は、横方向の断面で、「腎臓形状」または「インゲン豆形状」である。この3次元形状は、D字形状と同様に、弁が生来の前部弁尖に対して配置され、前部弁尖に直ぐ隣接して位置している大動脈弁上に過度の圧力を掛けること無しに、前部弁輪の形状を追跡することを許容する。
【0260】
レーザー切断されたステント
ステントの1つの可能な構築は、薄い、等直径のニチノールチューブのレーザー切断を想定する。レーザー切断は、薄いニチノール(登録商標)チューブ中に規則正しいカットアウトを形成する。二次的に、チューブは、望ましい形状の鋳型上に置かれ、マルテンサイト温度まで加熱されて、冷まされる。このやり方でのステントの処理は、形状記憶特性を有し、カリブレートされた温度において記憶形状に容易に逆戻りする、ステントまたはステント/封止カフを形成する。
【0261】
組み紐にされたワイヤーステント
ステントは、単純な組み紐化技術を利用して構築されることができる。ニチノールワイヤー、例えば0.012インチワイヤーと単純な組み紐化固定具を使って、ワイヤーは、等直径のチューブが単一のワイヤーから形成されるまで、単純なオーバー/アンダー組み紐化パターンで組み紐化固定具上で巻かれる。ワイヤーの2つの自由端は、その中に自由端が置かれてクリンプされるステンレス鋼またはニチノール結合チューブを使って結合される。約60度の角度付き組み紐が、特に有用であることが見つけられている。二次的に、組み紐にされたステントは、成形固定具上に置かれ、ステントを望ましい形状に設定して、望まれるマルテンサイトまたは超弾性特性を発展させるように、指定された温度におけるマッフル炉中に置かれる。
【0262】
1つの好ましい実施形態において想定されたステントは、ステントの心室側面がその上に1つ以上の係留縫合が固定される1−5点になるようにデザインされている。係留縫合(テザー)は、心室を横切り、近似的に心尖のレベルにおいて心臓の心膜表面に最終的には係留される。テザーは、僅かな張力の下で設置された時には、弁をその場に保持する役目を果たす、即ち、心臓収縮期中の弁傍漏洩を阻止する。
【0263】
交連逆流および/または二次的僧坊弁逆流を治療するナローゲージのステント
「一次的MR」は、弁または腱のような関連する組織における解剖学的な欠陥によって引き起こされる僧坊弁逆流を記述する用語である。欠陥は、先天性または退行性のいずれかであり得て、要因にはマルファン症候群から薬物または放射線誘引までの範囲がある。
【0264】
「二次的MR」(「機能的MR」としても知られる)は、一次的MRとは異なり、解剖学的欠陥とは対照的に、弁機能または機構における欠陥として分類される。そのような場合には、通常は拡張型心筋症または心筋梗塞からの損傷した左心室の結果として、解剖学的には正常な僧坊弁が逆流性になっている。因果関係は虚血性または非虚血性であり得る。特定には、腱索および乳頭筋が増加した張力から引き延ばされることができ、弁輪自体が周囲の心筋の変位した位置のために膨らまされたようになり得る。頻繁に、左心室の拡張は、心臓収縮期間中の血液の「容量過負荷」に結果としてなり、弁尖の完全な癒合を阻止する。
【0265】
二次的MRは、解剖学的欠陥と対照的に、弁機能または機構における欠陥が関与する。それらの場合には、通常は拡張型心筋症または心筋梗塞からの損傷した左心室の結果として、解剖学的には正常な僧坊弁が逆流性になっている。因果関係は虚血性または非虚血性であり得る。特定には、腱索および乳頭筋が増加した張力から引き延ばされることができ、弁輪自体が周囲の心筋の変位した位置のために膨らまされたようになり得る。頻繁に、左心室の拡張は、心臓収縮期間中の血液の容量過負荷に結果としてなり、弁尖の完全な癒合を阻止する。
【0266】
二次的MRについて現在使用されている治療のタイプは、弁開口部の円周を減少させる治療、弁尖を緊締することかまたは弁尖の動きを制約することによってのどちらかで、僧坊弁開口部のサイズを減少させること、または左心室を再造形してそこの寸法を減少させること、を含む。僧坊弁開口部のサイズを制限するおよび/または弁尖癒合を強化する手順の例は、弁尖癒合のためのバックストップを提供するために1つ以上のバルーンデバイスを僧坊弁開口部に跨って係留することと、弁尖を癒合点において取り付けるための縫合またはクリップの使用を含む。それらの方法は、血栓性および狭窄の併発症が関与することが知られている。
【0267】
二次的MRは、弁尖の動きによってサブ分類されることができる(カーペンターの分類):タイプI(環状拡張または弁尖貫通のような、正常な弁の動き)、タイプII(過剰な動き)、タイプIII(制約された動き:IIIa−リウマチ症のような拡張期制約;IIIb−機能性疾患においてのような収縮期制約)。
【0268】
二次的または「機能的」僧坊弁逆流の1つの特定の側面は、逆流中の癒合点の中心を通っておよびその近くを流れる逆流性血液の「中心ジェット」の存在である。
【0269】
1つの非限定的な好ましい実施形態では、人工弁が、交連を封止することが自由に残しながら、この中心ジェットフローに対して弁を閉じるのに使われる。この実施形態は、LV肥大のような交連逆流および/または二次的僧坊弁逆流の効果を改善することに期待されていなかった恩恵をもたらした。この期待されていなかった恩恵は潜在的には、生来の交連の減らされた変形、これが僧坊弁交連逆流の殆どかまたは全てを排除する、との組み合わせでの、逆流の全体的な削減と増加されたポンプ効率によるものと考えられる。
【0270】
別の非限定的な好ましい実施形態では、ステント本体の直径が、生来の僧坊弁弁輪の直径よりも小さいべきである。1つの好ましい実施形態では、ステント直径は、生来の僧坊弁弁輪の直径の50%と95%の間である。別の好ましい実施形態では、ステント直径は、生来の僧坊弁弁輪の直径の75%と90%の間である。好ましくは、弁は、後部または前部交連のどちらかの開きを損傷しないように癒合点内に配置され、それにより構造的変形または僧坊弁交連との相互作用を回避しながら人工弁が中心ジェット逆流を停止することを許容する。
【0271】
別の非限定的な好ましい実施形態では、ステント本体の直径は、2つの交連カスプの内向きに面した先端の間の距離よりも小さいべきである。
【0272】
別の非限定的な好ましい実施形態では、ステント本体の直径は、2つの交連カスプの内向きに面した先端の間の距離と近似的にマッチするべきである。別の非限定的な好ましい実施形態では、ステント本体の直径は、約18−32mmであるべきである。より好ましい実施形態では、ステント本体の直径は、20−30mmであるべきである。より好ましい実施形態では、ステント本体の直径は、23−28mmであるべきである。
【0273】
開いた僧坊弁の平均的な面積は、4cm2と6cm2の間である。別の非限定的な好ましい実施形態では、ステント本体の直径は、僧坊弁断面弁尖直径の75%と99%の間であっても良い。別の好ましい実施形態では、ステント本体の直径は、僧坊弁断面弁尖直径の85%と98%の間であっても良い。別の好ましい実施形態では、ステント本体の直径は、僧坊弁断面弁尖直径の92%と97%の間であっても良い。
【0274】
僧坊弁逆流の重症度の度合いは、逆流率によって定量化されることができ、それは左心房中に逆流する左心室心拍血流量のパーセントである。
【0275】
【数1】
ここでVmitralとVaorticはそれぞれ心臓周期中に僧坊弁と大動脈弁を通って前向きに流れる血液の容量である。僧坊弁逆流における逆流率を評価するのに使われている方法は、超音波心臓検査法、心臓カテーテル法、高速CTスキャン、および心臓MRIを含む。
【0276】
僧坊弁逆流の度合いはしばしば、逆流率に従って評価される。
【0277】
【表1】
別の非限定的な好ましい実施形態では、ステント本体は、20%以下の継続した交連逆流を許容するように成形されるべきである。より好ましい実施形態では、ステント本体は、交連変形および/または10%以下の交連逆流を回避するように成形されるべきである。別の好ましい実施形態では、ステント本体は、交連変形および/または5%以下の交連逆流を回避するように成形されるべきである。
【0278】
弁尖およびアセンブリ構造
弁尖は、弁尖アセンブリによって、またはその内に、保持される。発明の1つの好ましい実施形態では、弁尖アセンブリは、そこに弁尖が取り付けられるところの弁尖ワイヤー−サポート構造からなり、弁尖アセンブリ全体が、ステント本体内に収容される。この実施形態では、アセンブリは、弁尖を取り付けるための好適なプラットフォームを形成するためのワイヤーと安定化された組織で構築される。この側面では、ワイヤーと安定化された組織は、人工弁が配備カテーテル内で圧縮された時に弁尖構造が圧縮されることと、人工弁が配備中に開かれた時に適正な機能的形状に跳ね返って開くことを許容する。この実施形態では、弁尖アセンブリはオプションで、安定化された組織または材料で作られた別の円筒状ライナーに取り付けられ、その内に収容されても良く、ライナーはそれからステント本体の内部をライニングするように取り付けられる。
【0279】
この実施形態では、弁尖ワイヤーサポート構造は、折り畳み可能な/拡張可能な幾何学的形状を有するように構築される。好ましい実施形態では、構造は、ワイヤーの単一のピースである。ワイヤーフォームは、一実施形態では、ニチノールのような形状記憶合金から構築される。構造はオプションで、2個から10個のワイヤーの間を含んだ、複数のワイヤーで作られていても良い。更には、ワイヤーフォームの幾何学的形状は、限定無しに、オプションで、弁尖が取り付けられた時に生来の弁輪の鞍状の形状を模倣するように一連の放物線状の反転された折り畳み可能なアーチであっても良い。代替的に、それはオプションで、折り畳み可能な同心円状リング、またはその機能的形状への拡張によって続かれる折り畳む/圧縮することが可能であるその他の同様な幾何学的形状として構築されても良い。或る好ましい実施形態では、2つ、3つまたは4つのアーチがあっても良い。別の実施形態では、閉じた円形のまたは楕円形の構造デザインが構想されている。別の実施形態では、ワイヤーフォームは、傘型構造、またはその他の同様な広げてロックして開く(unfold-and-lock-open)デザインであっても良い。好ましい実施形態は、直径が約0.015インチの超弾性ニチノールワイヤーを利用する。1つの好ましい実施形態では、直径は0.012インチである。この実施形態では、ワイヤーは、2つから3つの交連ポストが形成されるようなやり方で成形固定具の周りに巻かれる。巻かれたワイヤーを含んだ固定具は、ワイヤーフォームの形状を設定し、その超弾性特性を授けるように、予め決められた温度におけるマッフル炉中に置かれる。二次的に、ワイヤーフォームの自由端は、ステンレス鋼またはニチノールのチューブで結合され、連続した形状を形成するようにクリンプされる。別の好ましい実施形態では、ワイヤーフォームの交連ポストは、ポストの内向きの偏向を最小化することが目的である、円形の接続リング、またはハロー、によってそれらの先端において結合される。
【0280】
別の好ましい実施形態では、弁尖アセンブリは、別のワイヤーサポート構造無しに安定化された組織またはその他の好適な材料のみで構築される。この実施形態における弁尖アセンブリはまた、ステントの内腔内に配置され、弁尖アセンブリとステントの内壁の間の封止ジョイントを提供するように、ステントに取り付けられる。定義により、ステント内に弁尖をサポートすることに関係する安定化された組織および/またはワイヤーから作られたあらゆる構造が、弁尖アセンブリを構成するということが、発明の範囲内であると構想されている。
【0281】
この実施形態では、安定化された組織または好適な材料はまたオプションで、ステントの内壁のためのライナーとして使われて、弁尖アセンブリの一部と考えられても良い。
【0282】
ライナー組織または生体適合性材料は、弁尖組織から、同じかまたは異なる機械的品質、例えば厚さ、持続可能性等、を有するように加工されても良い。
【0283】
弁輪内での配備
人工心臓弁は、一実施形態では、カテーテルシステムを使って心臓の左心室の心尖を通して心尖的に配送される。心尖的配送の1つの側面では、カテーテルシステムは、肋間配送によって心臓および心膜スペースにアクセスする。別の配送アプローチでは、カテーテルシステムは、柔軟なカテーテルシステムを使い、一般的に使われる硬いチューブシステムを要求すること無しに、順行性または逆行性配送アプローチのどちらかを使って人工心臓弁を配送する。別の実施形態では、カテーテルシステムは、経中隔アプローチを介して心臓にアクセスする。
【0284】
1つの非限定的な好ましい実施形態では、ステント本体は、開いた僧坊弁弁尖のエッジの辺りまで(弁輪と心室心尖の間の距離の約25%)心室中に伸びる。開いた生来の弁尖は、外側ステント壁に対抗して、ステントの長軸と平行に横たわる(即ち、ステントが生来の僧坊弁を開いたまま保持する)。
【0285】
1つの非限定的な好ましい実施形態では、直径は、僧坊弁弁輪の直径と近似的にマッチするべきである。オプションで、弁は、それが大動脈弁を通した流れを妨害しないように、大動脈弁から離れるように向き付けられた僅かな角度で僧坊弁弁輪中に置かれるように配置されても良い。オプションで、ステントの流出部分(下部)は、この位置が補綴を通した流れと干渉し得るので、心室の側壁または乳頭筋に近付き過ぎにならないべきである。それらのオプションが三尖弁に関するときは、三尖弁の位置は、僧坊弁のそれと非常に同様であっても良い。
【0286】
別の実施形態では、人工弁は、限定無しに、右心房と右心室の間の三尖弁を含んだ、僧坊弁弁輪以外のエリアでの使用のためにサイズを決められて構成されている。代替的な実施形態はオプションで、右心室と肺動脈の間の肺動脈弁、および左心室と大動脈の間の大動脈弁への配備に適応するように、封止カフ構造へのバリエーションを含んでいても良い。一実施形態では、人工弁はオプションで、限定無しで、大静脈の、大腿の、鎖骨下の、肺の、肝臓の、腎臓の、心臓のものを含んだ、静脈システムのための静脈逆流弁として使われる。この側面では、封止カフ特徴が、漏洩に対する追加の保護を提供するために利用される。
【0287】
テザー
1つの好ましい実施形態では、心臓内の1つ以上の組織係留位置まで伸びる、人工心臓弁に取り付けられたテザーがある。1つの好ましい実施形態では、テザーは、左心室を通して下向きに伸び、心臓の外側の心外膜表面上に留められるように心臓の心尖において左心室を出る。同様の係留が、三尖弁またはその他の補綴を要求する弁構造に関してここに構想されている。1個から8個のテザーがあっても良く、それらは好ましくはステントに取り付けられる。
【0288】
別の好ましい実施形態では、テザーはオプションで、位置、調節および従順性への追加の制御を提供するように、封止カフに取り付けられても良い。この好ましい実施形態では、ステントに取り付けられたテザーに加えて、またはオプションでそれらの代わりに、1つ以上のテザーがオプションで封止カフに取り付けられる。封止カフおよび/またはステントに取り付けることによって、位置決め、調節および従順性への制御のもっとより高い度合いが、配備中にオペレーターに提供される。
【0289】
配備中に、オペレーターは、テザーを特定の患者の解剖学的構造のために正しい長さに調節またはカスタマイズすることが可能である。テザーはまた、テザーを引っ張ることによって弁輪の周りの組織上に封止カフを引き締めることをオペレーターに許容し、それは漏洩フリーの封止を作り出す。
【0290】
別の好ましい実施形態では、テザーはオプションで、人工心臓弁の特定の応用に依存して、その他の組織位置に係留される。僧坊弁または三尖弁の場合にはオプションで、乳頭筋、中隔および/または心室壁の一方または両方に係留された1つ以上のテザーがある。
【0291】
封止カフまたはカラーとの関係で、テザーは、これまで利用可能ではなかった従順な弁を提供する。テザーは、生体適合性ポリマー縫合材料のような外科手術級材料から作られている。そのような材料の例は、2−0exPFTE(ポリテトラフルオロエチレン)または2−0ポリプロピレンを含む。一実施形態では、テザーは非弾性である。1つ以上のテザーがオプションで、心臓周期中に弁の従順性のもっと更なる度合いを提供するように弾性であっても良いことも構想されている。心臓の心尖までおよびそれを通して引き延ばされる際に、テザーは、テザーの心室中への引っ込み戻りを阻止するために、プレジットまたは同様の調節可能なボタン型係留デバイスに結び留めることのような好適なメカニズムによって留められても良い。テザーが、生物吸収性/生体吸収性であっても良く、それにより組織と補綴の間の生物学的繊維性癒着および/または心腔拡張の度合いの削減からの放射状圧縮のようなその他のタイプの固着が定着するまで、一時的な固着を提供することも構想されている。
【0292】
更には、人工心臓弁がオプションで、ステントまたは封止カフのどちらかかまたは両方に取り付けられた、設置テザーと恒久的テザーとの組み合わせで配備されても良く、設置テザーは弁が成功裡に配備された後に取り除かれることが構想されている。非弾性および弾性のテザーの組み合わせがオプションで、配備のためと、心臓周期中に弁の構造的および位置的従順性を提供するために使われても良いことも構想されている。
【0293】
プレジット
一実施形態では、配送システムの心尖進入点における潜在的な組織の切り裂きを制御するために、円形、半円形、またはマルチパートのプレジットが採用される。プレジットは、PFTEフェルトのような半剛性材料から構築されても良い。配送システムによる心尖の穿刺に先立って、心尖が中心的に位置するようにフェルトが心臓にしっかりと取り付けられる。二次的に、配送システムは、プレジットの中心エリア、またはそれがそうであれば開口部、を通して導入される。このやり方で位置決めされて取り付けられると、プレジットは、心尖におけるあらゆる潜在的な切り裂きを制御するように働く。
【0294】
尖叉/バーブ
別の実施形態では、弁は、尖叉またはバーブの使用を通して弁輪内に配置されることができる。それらは、1つ以上のテザーとの関係で、またはその代わりに、使われても良い。尖叉またはバーブは、隣接する組織への取り付けを提供するように位置している。1つの好ましい実施形態では、尖叉はオプションで、ステントと封止カフの間の曲がり/遷移エリアの周りに円周状に位置している。そのような尖叉は、バルーンカテーテルを使ってのような機械的な手段によって、弁輪組織中に強制される。1つの非限定的な実施形態では、尖叉はオプションで、ステント本体の拡張の際に、弁輪組織を貫通し、その中に回転し、しっかりと保持する、半円形のフックであっても良い。
【0295】
ばねアンカーの機能
ばねアンカーが、自己拡張するステントのベースから伸びているばね形状のワイヤーまたはバンドを形成する。アンカーは、生来の弁輪から伸びている腱索の周りに巻き付けられることによって、生来の弁輪内にステントを保持するためのサポートを提供する。アンカーのばね機構は、腱索、弁輪および周囲の組織が収縮し解放するにつれての繰り返しの変形にも拘わらず、人工弁ステントへの一貫したサポートを許容する。コイルの形状記憶特性は、各心臓収縮に応答して各ループが独立して変形して動き、それから心臓が弛緩するにつれて元のコイル寸法に戻ることを許容する。腱索の周りへのコイルの配置は、心臓組織収縮および解放と共に横方向に動き、心室と心房の間の血流と共に縦方向に動くステントの自然な傾向に対抗するようにステントを係留する。
【0296】
ばねアンカーの配備
ばねアンカーは、配送システム中への弁およびアンカーアセンブリ全体の挿入に先立って、溶接、はんだ付けまたは接着を介して、人工弁ステントに融着される。
【0297】
配送カテーテルは、経静脈、経動脈または経皮配送のいずれかを介して心臓にアプローチする。配送は、左または右心室、または左または右心房中まで通してなされても良い。
【0298】
右心室中への配送は、肋間スペースを通して、それにより側方心室壁を通して、なされても良い。右心房中への配送は、経静脈アプローチを使ってなされても良い。
【0299】
左心室中への配送は、心尖アプローチを使ってかまたは側方心室壁を通して、肋間スペースを通して、なされても良い。経動脈的逆行性大動脈弁アプローチおよび経静脈的中隔開口術アプローチが使われても良い。
【0300】
三尖弁弁輪であれ、僧坊弁弁輪であれ、それ以外であれ、生来の弁輪内への自己拡張する人工弁の配備の際に、カテーテル鞘が引き出されて、ばねアンカーが配備されることを許容する。そのようなアンカー配備は、腱索の周回を許容するような充分な直径のばね状の形状への巻き付けられたループの拡張に結果としてなる。
【0301】
ばねアンカーの解放の後、アンカーの制御は、アンカーを回転するスクリュー状の運動で腱索の周りにガイドするための、技術分野で周知のカテーテル内に含まれた外科手術ツールを介して維持される。行われる回転の数は、ばねアンカー内に含まれたループの数によって決定される。
【0302】
代替的に、外科医は、アンカーの1つ以上のループの円周内で腱索をしっかり保持して引っ張るための、技術分野で周知のカテーテル内に含まれた外科手術ツールを使っても良い。
【0303】
腱索の周りにアンカーをしっかり保持する際に、追加のサポートのために1つ以上の係留テザーを周囲の心膜組織にしっかり保持するために、外科手術ツールが使われても使われなくても良い。
【0304】
生来の弁輪内で弁ステントをしっかり保持する際に、腱索の周りのばねアンカーともしあれば心膜組織へのテザーと、前記コンポーネンツを操作している全ての外科手術ツールは、脱係合され、カテーテル中に引っ張り込まれ、カテーテルが引き出される。
【0305】
ばねアンカー構造
ばねアンカーは、形状記憶材料、例えば0.012インチニチノールワイヤーの単一のワイヤーまたはバンドであり、一連の2つ以上の円形のループに形成され、その中では近位ループが人工弁ステントのベースに取り付けられる。
【0306】
一旦近位ループが、自己拡張するステントのベースに取り付けられていると、追加のループが、ばねの形状でステントから軸方向に外向きに放射される。遠位ループは開いており、先端が、配備中に腱索の外側に置かれ、それから各非近位ループが腱索の外側組織の周りに配備されてそれに対して係留されるまで、時計回りまたは反時計回りの方向のどちらかで複数の検索の周りを回転されることを許容する。
【0307】
好ましい実施形態では、ばねアンカーは、ステントのベースを構築するのに使われた材料と同一の材料で作られている。別の好ましい実施形態では、アンカーの材料は、ステントベースの材料とは異なる。
【0308】
好ましい実施形態では、ばねアンカーの近位ループは、ステントのベースに溶接され、ベースの完全な直径の周りの連続したジョイントを形成する。別の実施形態では、アンカーの近位ループは、ステントベースにはんだ付けされるか、または技術分野で周知の接着剤物質を使ってステントベースに接着される。
【0309】
形状記憶材料の柔軟性のために、アンカーは、各変形の後にその元の形状形成に戻る一方で、横方向および縦方向の両方で前後に関節で繋がれる能力を有する。ループは、独立して前後に動くことができ、ワイヤーまたはバンドの相対的な堅さのためにそれらの元の位置まで跳ね返って戻ることができる。コイルは、ステントのワイヤーに取り付けられた時に、カラーが動くことを許容することができるように、或る弾性係数を有する。この柔軟性は、アンカーに、患者の心臓内に配備された際に、特定の応用のために必要な解剖学的形状に順応する能力を与える。人工僧坊弁の例では、アンカーは、腱索の形状と配置における不規則性に順応することができ、人工弁にサポートを提供するように腱索組織に対してきつい掴みを提供することができる。前述したように、この特徴は重要なことに、アンカーのサイズを決めるのに柔軟性の度合いを提供し、磨耗によるアンカーおよび/または人工弁の転位を防止する。
【0310】
1つの好ましいアンカー実施形態では、コイル中の各ループは、形状およびサイズにおいて実質的に均一である。本発明の別の好ましい実施形態では、ループは、変動する形状およびサイズのものであっても良い。この例では、ループは、それらはステントベースから離れて伸びるにつれて、直径が徐々に増加しても良いことが構想されている。ループのサイズとパターンは、弁置換が僧坊弁かまた三尖弁のどちら上で行われているかに基づいて変動しても良い。
【0311】
アンカーフォームは、転位すること、恒久的に変形することまたは破砕することなく心臓内の力に耐えるように充分な構造的一体性を提供すべく構築されている。アンカーアセンブリは好ましくは、構造的な変形または弁のずらしを引き起こし得る横方向および縦方向の力の下にある間、管状ステントのためのアンカーとしてのその機能を維持することが可能である、ニチノール(登録商標)のような形状記憶合金、ポリマーまたはセラミックで構築されたワイヤーまたはバンドで構築される。オプションでここに列挙されたようなその他の形状記憶合金を使うことが、発明の範囲内として構想されている。
【0312】
例えば、僧坊弁置換補綴を仮定すると、心臓は、約8と30mmHgの間(約0.15から0,6psi)の平均左心房圧を発生することが知られている。この左心房充満圧は、僧坊弁弁輪内の補綴に対して補綴が開いている時に、左心室の方向に掛けられるであろう期待された近似的圧力である。アンカーは、ずらされるかまたは心室中に滑り込むことから弁を守るように左心室の方向での補綴に対するこの下向きに縦方向の圧力に対抗する。対照的に、通常約120mmHgである左心室の心臓収縮圧は、左心房の方向で閉じた補綴上に力を掛ける。アンカーはまたこの力にも対抗し、弁の位置を維持し、心室収縮または心臓収縮期中に心室力に耐えるために使われる。ある期間の後、心臓の幾何学的形状および/または補綴と周辺の心臓組織の間、またはアンカーと周辺の心臓組織の間の繊維性癒着における変化が、心室収縮中に弁補綴上の縦方向の力に抵抗する際にアンカーおよび/または心室テザーの機能を補助または置換しても良い。
【0313】
表面改良の図面の記載
ここで図面を参照すると、図1は、本発明による人工弁110の一実施形態を示し、それは、1つの端部にオプションのテザー取り付け構造114を有する管状ステント112からなり、管状ステント112はもう1つの端部において一体化された封止カフ116を提供する。弁尖アセンブリ118が、ステント112内に配置され、弁尖120をサポートする。封止カフ116は、独立した関節で繋がれたワイヤーのループ122と、内部ライナー/カバー124と、外部ライナー/カバー125を有する。
【0314】
管状ステント112は、拡張可能なレーザー切断されたステントかまたは拡張可能な組み紐にされたステントであっても良い。管状ステント112は、マルテンサイトまたは超弾性金属合金で構築されていても良い。管状ステント112は、その縦軸に沿って圧縮されても良く、カテーテルベースのステント配送システム中にフィットする。管状ステント112が、それが設置されるべき位置まで配送された時、それは栓子によってカテーテルから排出され、それが配備されるべきサイトに配置される。
【0315】
管状ステント112は、その上にテザー(図示せず)が接続され得る複数のオプションのテザー取り付け114を含む。図1は、ステント112の遠位部分中に一体化された3つのテザー取り付けを有する実施形態を示す。
【0316】
弁尖アセンブリ118は、ステント112内に配置された別のだが一体化された構造である。弁尖アセンブリ118は、その上に弁尖またはカスプ120が位置する構造を提供するように機能する。弁尖アセンブリ118は全体的に、安定化された組織で作られていても良く、またはそれはワイヤーと組織構造の組み合わせであっても良い。弁尖アセンブリ118が全体的に組織からなるところでは、弁尖アセンブリと、弁尖サポート構造と、弁尖またはカスプ120が組織から作られることが構想されている。
【0317】
人工弁は、合成材料かまたは組織のどちらかかまたはその両方の複数の層で覆われている。この特徴は、ここでより詳細に記載される。安定化された組織の異なる品質、即ち、それがそうであれば薄いか厚いか、構造的に硬いか柔軟かが、封止カフ上部カバー124、ステント内部ライナー/カバー124、弁尖アセンブリ118、および弁尖120の異なるコンポーネンツのために使われても良い。弁尖アセンブリ118がワイヤーと組織からなるところでは、アセンブリかまたはサポートかまたはその両方が、ワイヤーから作られていても良く、弁尖カスプ120は組織から作られている必要があるであろうことが構想されている。
【0318】
人工心臓弁110はまた、封止カフ116を含む。図1は、一実施形態では、内部ライナー/カバー124と外部ライナー/カバー125によって覆われた、封止カフワイヤーフォーム122から形成された封止カフ116を示す。どのようにステントワイヤー/カフワイヤーが両側上で覆われているかを描写するために、ハッシュマークが提供されている。ハッシュマークはまた、組織または繊維が不透明であることを指し示しても良いが、それは要求はされていない。一実施形態では、封止カフワイヤーフォームは、ステント自体の延長であり、そこではステントは加熱されていて、封止カフの平坦なカラープレートの延長されたスピンドルを作り出すようにフォーム上で操作される。
【0319】
ここで図2を参照すると、それは、本発明の一実施形態による多層経カテーテル弁の破断断面図である。図2Aは、内側上の合成ポリマー材料134と、ワイヤー132、例えばニチノール(登録商標)から作られたステントと、合成ポリマー材料134、例えばDacron(登録商標)ポリエステルから作られた外側カバーを有する、3層構造を示す。図2Bは、内側上の特別に処理された組織130と、ワイヤー132、例えばニチノール(登録商標)から作られたステントと、合成ポリマー材料134、例えばDacron(登録商標)ポリエステルから作られた外側カバーを有する、3層構造を示す。
【0320】
ここで図3を参照すると、図3Aは、組織130が内部のサポートするステント132であり、外側合成材料カバー134を有する実施形態を描いている。図3Bは、合成材料134が内部と外部の両方で使われ、金属ステント132がそれらの間に挟まれている実施形態を描いている。図3Cは、例えばステントの内腔の内側から外側まで、どのように多層が構築されているかを描いており、合成材料134は、処理された組織層132と層化されており、それはステント130に取り付けられており、それは一方で内側合成材料134と同じであるかまたは異なっていても良い合成材料136で覆われている。
【0321】
ここで図4を参照すると、図4Aは、或る多孔性と密度を有するように作製された電気紡糸されたPGAナノファイバーの電子顕微鏡写真である。図4Bは、異なる多孔性と密度を有するように作製された電気紡糸されたPGAナノファイバーの電子顕微鏡写真である。図4Cは、代替的な多孔性と密度を有するように作製された電気紡糸されたPLLA−CLナノファイバーの電子顕微鏡写真である。これらのタイプの電気紡糸されたファイバーは、ここでの経カテーテル弁上での使用のための合成材料の好ましいが必ずしも限定はされないものの1つとして使用されることが構想されている。
【0322】
ここで図5を参照すると、それは、発明の部分の一実施形態の分解図である。図5Aは、処理された組織の例におけるカフカバー124を示す。その他の代替的な実施形態では、組織は、ここでのようにカフ上のみで使われているのと比較して、ステントの内腔の全体を通して伸びていても良い。両バリエーションが、発明内に含まれる。図5Bは、カフループ122をもった熱成形されたステント112を示す。図5Cは、カフの下のステント本体の外部/外側壁を覆うために準備ができた材料のバンドとして、合成ポリマー材料128を示す。組織でのように、合成材料は、カフループの下側を含んだ、ステントの外部の一部または全部を覆っても良い。図5Dは、弁尖構造としての使用のための、更なる詳細無しの、処理された組織120の1ピースを示す。
【0323】
ここで図6を参照すると、それは、本発明による心尖アプローチを使って心臓にアクセスしている人工弁を含んだ配送カテーテルをもった心臓の破断図である。その他の心臓への外科手術的アプローチと僧坊弁に加えての弁が、ここに請求された発明性のある主題の範囲内であることが構想されている。図6は、人工弁110の配備のために僧坊弁を通しておよび左心房中に進められた配送カテーテル144を示す。
【0324】
ここで図7を参照すると、図7は、本発明による人工弁の一実施形態の側方配備を示し、心臓の左心室の側壁を通しての側方経心室壁アプローチのやり方で左心室を介して左心房にアクセスしている人工弁配送カテーテル144を示す。
【0325】
ここで図8を参照すると、それは、本発明による右心室中への心尖アプローチを使って心臓にアクセスしている人工弁を含んだ配送カテーテル144をもった心臓の破断図である。その他の心臓への外科手術的アプローチと僧坊弁に加えての弁が、ここに請求された発明性のある主題の範囲内であることが構想されている。図8は、人工弁110の配備のために三尖弁までおよび右心房中に進められた配送カテーテル144を示す。
【0326】
図9A−Dは、本発明による人工弁の一実施形態の配備の一連の図面である。図9A−Dは、配送カテーテルから、即ち栓子によって、押し出されている予め装填された人工弁を含んだ本発明による配送カテーテルの一実施形態の先端の一連の図であり、(A)完全にカテーテル内の弁から始まり、(B)封止カフ部分が図に入っている、(C)ステント本体が引き続く、(D)弁を組織に位置決めするおよび/または調節するおよび/またはしっかり保持するための取り付けられたテザーをもった人工弁、である。図9A−Dは、どのように人工弁110が柔軟な配備カテーテル144から配備されるかを示す。図9Bは、カテーテル144から発している封止カフ116を示す。図9Cは、配送カテーテル144から部分的に排出された封止カフ116とステント112を示す。図9Dは、ステント本体に取り付けられ、カテーテル中に後をついていっているテザー138をもった、配送カテーテルから完全に排出された人工弁を示す。図9Dは更に、配送カテーテル144が標的位置、例えば心房から引き出されて離されるにつれて、今や拡張されて配送された(が位置決めされても調節されてもいない)人工弁110と共に、ステント112に取り付けられたテザー138を示す。
【0327】
ここで図10を参照すると、図10は、心臓の左心室心尖に取り付けられたテザー138を有し、心臓の左僧坊弁中に設置された完全に配備された人工心臓弁110の描写を示す。この実施形態でのテザー138は、心筋を通して伸び、ここでは心外膜表面上に置かれそこにテザーが留められているプレジットとして示されている、保持デバイス140に取り付けられている。この実施形態では、プレジット140は、そこにテザー138が取り付けられるアンカーの機能を行う。テザー138は、左心室心尖を通して配列され、心房弁エリア中に人工弁110を配置するように下向きに引っ張られる。完全に設置された人工弁は、封止カフ116によって左心房中に保持され、テザー38によって心臓の心尖にしっかり保持される。テザーは、発明のこの側面では、テザーが通されて、即ち結び目を結うことによってかまたは緊締特徴を使って、それに対してしっかり保持されるところのプレジット140である、保持デバイスによってその場に保持されても良い。
【0328】
ここで図11を参照すると、それは、心臓の僧坊弁開口内に配備された、本発明による人工弁の一実施形態の(心臓の)詳細な断面図であり、代替的実施形態では、(A)心房封止カフによってそれが配置または位置しているところと、(B)乳頭筋166および/または心室壁および/または中隔164に取り付けられたテザーに接続された心室テザーで、その各々は1つ以上の保持組織アンカー、アンカーデバイスまたはアンカー方法によってしっかり保持されているもの、の間に係留されている。
【0329】
シャトルコック環状弁の図面の記載
ここで図面を参照すると、図12は、テザー取り付け構造138を有する管状ステント112とカラー116からなる、本発明による人工心臓弁110の一実施形態を示す。弁尖アセンブリ118が、ステント112内に配置され、弁尖120(これも図示せず)をサポートする。
【0330】
述べられたように、管状ステント112は、拡張可能なレーザー切断されたステントかまたは拡張可能な組み紐にされたステントであっても良い。管状ステント112は、マルテンサイトまたは超弾性金属合金で構築されていても良い。管状ステント112は、直径においてその縦軸に沿って圧縮されても良く、カテーテルベースのステント配送システム中にフィットする。管状ステント112が、それが設置されるべき位置まで配送された時、それは栓子によってカテーテルから排出され、それが配備されるべきサイトに配置される。
【0331】
管状ステント112は、そこに複数のテザー138が接続され得る複数のテザー取り付け(図示せず)を含んでいても良い。図12は、そこでそれらが保持デバイス/プレジット140にしっかり保持される、左心室の心尖における心膜取り付け点まで導くための、ステント112の遠位部分中に一体化された4つのテザー取り付けを有する実施形態を示す。
【0332】
弁尖アセンブリ118は、ステント112内に配置された別のだが一体化された構造である。弁尖アセンブリ118は、その上に弁尖またはカスプ120が位置する構造を提供するように機能する。弁尖アセンブリ118は全体的に、安定化された組織で作られていても良く、またはそれはワイヤーと組織構造の組み合わせであっても良い。弁尖アセンブリ118が全体的に組織からなるところでは、弁尖アセンブリと、弁尖サポート構造と、弁尖またはカスプ120が組織から作られることが構想されている。安定化された組織の異なる品質、即ち、それがそうであれば薄いか厚いか、構造的に硬いか柔軟かが、カラーカバー124、ステントカバー124、弁尖アセンブリ118、および弁尖120の異なるコンポーネンツのために使われても良いことが、発明の範囲内として構想されている。弁尖アセンブリ118がワイヤーと組織からなるところでは、アセンブリかまたはサポートかまたはその両方が、ワイヤーから作られていても良く、カスプ120は組織から作られている必要があるであろうことが構想されている。
【0333】
人工心臓弁110はまた、カラー116を含む。図12は、ステント本体のベースにおいてかまたはその近くから来ており、ステント本体の遠位端(心室)から離れてステント本体の近位(心房)端に向けて生来の弁輪内で直径において拡張している、カラー116を示す。
【0334】
述べられたように、カラー116は、柔軟な合成材料から作られたかまたは組織材料から作られた、金属テープのバンド、ワイヤー構造であっても良く、別に取り付けられた構造であっても良く、またはステント本体が製造された時にステント本体の一体的な部分として構築されても良い。環状組織が、カラー116上に横方向の圧力を掛けているのが見られる。一実施形態では、カラーは、ステント自体の延長であり、そこではステントは加熱されていて、カラーの延長された平坦な反転されたプレートを作り出すようにフォーム上で操作される。別の実施形態では、カラーはステント112とは別に作られ、内側リム146と外側リム148を含み、カラー116が管状ステント112と出会うところのジョイント142をもつように構築された平坦なプレートとして取り付けられる。
【0335】
ここで図13を参照すると、図13Aは、ステント112と、カラー116と、ステント本体116の遠位端において位置するジョイント130を示した側面図描写である。図13Bは、ステント112の代替的実施形態と、カラー116と、ステント本体116の遠位端から離れてステント本体の更に上方に取り付けられたジョイント130を示した側面図描写である。
【0336】
ステント本体を参照すると、レーザー切断されたステント技術および/または組み紐にされたステント技術の両方を含むことが発明の範囲内として構想されている。カラーが組み紐にされたステントの延長であり、単一のステントカラー構造を形成するところでは、カラーは、カラーまたはカラー部分を確立するのに必要な適正な延長と角度を作り出すように鋳型上でニチノール(登録商標)ステントを加熱することによって形成される。
【0337】
ステントがレーザー切断されているところでは、カラーは、単一のレーザー切断されたステントカラー構造として製造されても良い。この実施形態では、カラーワイヤーフォームとステントは、同じ全体的製造プロセス内でレーザー切断される。カラーワイヤーフォームがステントとは別に作られ、平坦なカラープレートとして取り付けられるところでは、カラーとステントは、別々に製造/レーザー切断され、それが配備される間に弾性従順性を維持することが可能な非疲労性弾性ステントカラージョイントを作り出すようにレーザー溶接またはその他の同様な技術を使って取り付けられても良い。
【0338】
記されたように、リムまたはジョイントは、ステントとカラーの間の人工的な遷移点からなっていても良く、そこではステントはステントの形状と角度を変えるように加熱されているか、またはその全体的な形を作り出すようにレーザー切断されているか、またはリムは2つのコンポーネント部分を取り付けるためのレーザー溶接されたジョイントのような構築された遷移点からなっていても良い。
【0339】
ここで図14を参照すると、図14Aは、発明の実施形態、特に、そこにより人工僧坊弁が供給される、弁尖を示す。図14Bは、双曲放物面または鞍の形状の組織から作られた二尖僧坊弁の実施形態を示す。人工僧坊弁のためのこの特定の形状は、生来の弁を模倣し、隣接する心臓血管組織によって引き起こされる前部から後部への圧縮または変形を考慮に入れ、生来の弁と同様の下方交連部分を考慮に入れている。発明性のあるカラーは柔軟で変形可能であるので、これは、ステント本体内の弁尖の適正な揃えを許容し、機能性を大きく強化する。図14Cは、どのように三尖弁も本発明の主題の範囲内で使われ得るかを描いている。
【0340】
ここで図15を参照すると、カラーは、横軸にそって、内外に移動または屈曲する能力を有し、縦方向はステントの長さ方向軸によって規定される。述べられたように、この柔軟性または従順性は、人工心臓弁、特定にはカラーに、患者の心臓内に配備された際に、生来の弁輪の解剖学的形状に順応し、心臓周期中に順応した形状を維持し、僧坊弁開口に隣接する心房組織に対してきつい封止を提供する能力を提供する。この特徴は、僧坊弁の術前サイズ決めにしばしば同伴する当て推量を削減または除去する。より良いフィットを提供することにより、これは血液が移植された人工心臓弁の周りで漏洩することを必然的に防止する。
【0341】
図15は、どのように人工弁110が薄くて持続可能な組織カバー126とフィットされ得るか、およびステント本体116に取り付けられ得るかを示す。図15はまた、どのようにカラー116が、柔軟な部材152とサポート構造150からなる2部構造として一実施形態においてなり得るかを示す。円形のサポート構造140が、熱成形によってかまたはレーザー切断によって、ステント自体からディスクまたはハローまたは一連のループとして作られても良く、または後に取り付けられるか溶接される独立した構造であっても良い。この実施形態では、柔軟な部材は、技術分野で周知の外科手術用のポリエステルがリンクされた繊維のような弾性ポリマー繊維のような合成材料から作られていても良い。サポート構造150は、例えば、非限定的な好ましい実施形態では、ここに開示されたプロセスに従って作られた0.005インチ厚の組織のような、薄い組織126で覆われても良い。ここではステント112の内部に示されている弁尖カスプ120は、組織カバー126と同じ組織材料で作られていても良い。或る実施形態では、弁尖組織は、特定の配備によって要求され得るように、より厚いかまたはより薄い組織を提供するように加工されても良い。例えば、非常に薄い組織は、人工弁が心膜または非心臓血管構造中に配備されていて、非常に小さいものである必要があるところで有用であろう。別の実施形態では、弁尖組織は、特定の使用のために、安定性または磨耗または機能を追加するためにより厚いものとなるように選択されても良い。
【0342】
人工弁は、患者の心臓血管の必要に従ってサイズ決めされても良い。より小さな患者は、より小さなデバイスを必要とし得る。変動する心臓解剖学的構造も、呈示された病理に依存して、特定のサイズを必要とし得る。好ましい実施形態では、心膜ステント本体は、直径において約28mmであり、サポートB構造150が直径において約45mmまで伸びている。ステント本体直径が直径において約2mmから直径において約30mmまでの範囲にあっても良いことが、発明の範囲内として構想されている。サポート構造150が、使用に依存して、0.1mmから約20.0mmまでステント本体の直径を越えて伸びていても良いことが構想されている。
【0343】
高さは、1つの好ましい実施形態では、全体の長さにおいて約5mm−15mmであっても良い。人工弁の長さの高さ範囲が、全体の長さにおいて約2mmから約30mmまでの範囲であってもよいことが、発明の範囲内として構想されている。テザーは、人工弁をその場にしっかり保持する1個から約96個のテザーからなっていても良い。一実施形態では、ステント本体と一体化された複数のテザー138があっても良い。
【0344】
ステント112は、ここに開示された通りの組織または生体適合性材料で作られていることが構想されているライナーを含んでいても良い。ステントライナーは、内側ステントライナーおよび/または外側(表面)ステントライナーであっても良い。
【0345】
ここで図16を参照すると、処理された薄い組織126で覆われたステント本体112と、サポート構造140からステント本体112の遠位端まで広がるポリエステルまたはポリエステル型繊維メッシュから作られたカラー116を示した、代替的な好ましい実施形態が描かれている。サポート構造140もまた、薄い(例えば、0.005インチ、0.127mm)組織126で覆われている。多数のテザー114が、テザーポスト144に取り付けられ、心臓組織と心膜プレジット146に心尖的に接続された細長いテザー138に係留されて示されている。鞍形状の二尖弁尖118が、ステント本体112内に配置されて示されている。
【0346】
ここで図17を参照すると、それは、本発明による心尖アプローチを使って心臓にアクセスしている人工弁を含んだ配送カテーテルをもった心臓の破断図である。その他の心臓への外科手術的アプローチと僧坊弁に加えての弁が、ここに請求された発明性のある主題の範囲内であることが構想されている。図17は、人工弁110の配備のために僧坊弁を通しておよび左心房中に進められた配送カテーテル144を示す。
【0347】
ここで図18を参照すると、図18は、本発明による人工弁の一実施形態の側方配備を示し、心臓の左心室の側壁を通しての側方経心室壁アプローチのやり方によって左心室を介して左心房にアクセスしている人工弁配送カテーテルを示す。図18は、人工弁110の配備のために心臓の左心室の側壁を通しての側方経心室壁アプローチのやり方によって左心室を介して左心房にアクセスしている人工弁配送カテーテル144を示す。
【0348】
ここで図19を参照すると、それは、本発明による右心室中への心尖アプローチを使って心臓にアクセスしている人工弁を含んだ配送カテーテルをもった心臓の破断図である。限定されること無しに、大腿動脈アクセス、腋窩動脈アクセス、上腕動脈アクセス、とう骨動脈アクセス、胸腔内/心膜およびその他のアクセス方法を含んだ、心臓へのその他の外科手術的アプローチが構想されている。例えば三尖弁および大動脈弁のような、僧坊弁に加えての弁が、ここに請求された発明性のある手段の範囲内であることも構想されている。図19は、人工弁110の配備のために三尖弁までおよび右心房中に進められた配送カテーテル144を示す。
【0349】
ここで図20を参照すると、図20Aは、本発明による人工弁のD字形状の実施形態である。図20Aは、カラー116と僧坊弁弁尖120を有するステント112を示す。僧坊弁弁尖120は、前に記載されたようにLVOTを回避するためのメカニズムを提供しているステント112の頂部においてかまたはその近くに示されている。図20Bは、本発明による人工弁の別のD字形状の実施形態を示す。図20Bは、ステント112を覆い、ステント112とサポート構造150の間に広がる柔軟な部材152を示す。柔軟な部材152とサポート構造150は一緒に、カラー116の代替的な好ましい実施形態からなる。サポート構造150は、ループの境界として示されている。前述したように、サポート構造は、ステント材料から直接的に形成されても、ニチノール(登録商標)の単一のピースからレーザー切断されても、別に取り付けられても良い。サポート構造150は、組織または繊維の層無しでこの例ではここに示されているが、それはそのように覆われていても良い。再度、僧坊弁弁尖120は、前に記載されたようにLVOTを回避するためのメカニズムを提供しているステント112の頂部においてかまたはその近くに示されている。図20Cは、本発明による人工弁の腎臓またはインゲン豆形状の実施形態の描写である。図20Cは、ステント112を覆い、ステント112とサポート構造150の間に広がる柔軟な部材152を示す。柔軟な部材152とサポート構造150は一緒に、カラー116の代替的な好ましい実施形態からなる。サポート構造150は、ループの境界として示されている。図20dは、本発明による人工弁の実施形態の断面図である。図20dは、ステント壁112によって形成された内腔内に配置された弁尖120を示す。サポート構造140が、ステント112の一体のピースから形成されているように示されている。柔軟な部材152は、ステント112の遠位端とサポート構造150の近位端の間に広がるように見られる。サポート構造150は、安定化された組織126によって覆われているように示されている。
【0350】
ばねアンカーの図面の記載
ここで図面を参照すると、図21は、ステントベース154に取り付けられたばねアンカー取り付け156を有する管状ステント112からなる、本発明による人工心臓弁110の一実施形態を実証する斜視図描写である。弁尖アセンブリ118が、ステント112内に配置されている。
【0351】
述べられたように、管状ステント112は、拡張可能なレーザー切断されたステントかまたは拡張可能な組み紐にされたステントであっても良い。管状ステント112は、マルテンサイトまたは超弾性金属合金で構築されていても良い。管状ステント112は、直径においてその縦軸に沿って圧縮されても良く、カテーテルベースのステント配送システム中にフィットする。管状ステント112が、それが設置されるべき位置まで配送された時、それは栓子によってカテーテルから排出され、それが配備されるべきサイトに配置される。
【0352】
管状ステント112は、ばねアンカー取り付け156を含む。図21は、ばねアンカー取り付けを有する実施形態を示し、そこではコイルの近位ループがステントベース154に取り付けられ、非近位ループがばね形状でそのようなベースから伸び出ている。
【0353】
ここで図22を参照すると、図22は、ステント112内に配置された弁尖アセンブリ118と共に生来の僧坊弁弁輪内に配置されたステント112を示している斜視図描写である。ステントベース154は、生来の弁輪の下に、腱索内に現れており、そこでそれはばねアンカー158の近位ループに融着されている。ばねアンカー156は、その近位ループから外向きに伸び、各非近位ループが腱索を取り巻いている。
【0354】
記されたように、ステントベース154は、ステントとばねアンカー近位ループ158の間の人工的な遷移点からなっていても良く、その遷移点は、溶接された取り付け、はんだ付けされた取り付け、または接着剤取り付けからなっていても良い。
【0355】
前述したように、ばねアンカー156は、各心筋の弛緩と共にその自然なばね状の形状に動いて戻る一方で、心臓収縮と関連付けられた心臓組織における動きによって要求される通りに、内外および上下の両方に移動または屈曲する能力を有する。述べられたように、アンカー156の撓み性が、人工心臓弁に、患者の心臓内への配備の際に、生来の弁輪内での追加された安定性と、心臓周期中に順応した形状を維持することと僧坊弁開口に隣接する心房組織に対してきつい封止を提供することの両方のためのステント112の能力を強化することを提供する。特性をもったアンカーをステント112に提供することによって、ステントが心室または心房のどちらか中に転位して、破局的な失敗に結果としてなることについての潜在性と同じように、移植された人工心臓弁の周りの血液漏洩についての潜在性が最小化される。
【0356】
ここで図23を参照すると、図23Aは、発明の実施形態、特に、そこにより人工僧坊弁が供給される、弁尖を示す。図23Bは、双曲放物面または鞍の形状の組織から作られた二尖僧坊弁の実施形態を示す。人工僧坊弁のためのこの特定の形状は、生来の弁を模倣し、隣接する心臓血管組織によって引き起こされる前部から後部への圧縮または変形を考慮に入れ、生来の弁と同様の下方交連部分を考慮に入れている。発明性のあるカラーは柔軟で変形可能であるので、これは、ステント本体内の弁尖の適正な揃えを許容し、機能性を大きく強化する。図23Cは、どのように三尖弁も本発明の主題の範囲内で使われ得るかを描いている。
【0357】
ここで図24を参照すると、ステント112が再度、ステント112内に配置された弁尖アセンブリ118と共に、ここでは断面で見られる、生来の僧坊弁弁輪内に配置される。加えて、メッシュカラー116が、生来の弁輪の上での追加の安定性のためにステント112の近位端に取り付けられている。ステントベース154がばねアンカー近位ループ158に融着される一方で、ばねアンカー156の非近位ループは、心室を通しておよび腱索(ここでは図示せず)の周りに下向きに伸びる。加えて、テザー138が、融着されたステントベース158/ばねアンカー近位ループ154に取り付けられ、そこでそれらが周囲の生来の組織中に係留される多数の方向に外向きに伸びる。テザー138のいくつかは、心膜表面上のプレジット140へのおよびそれを通しての取り付けのために左心室の心尖まで伸びている。テザー138とばねアンカー156は、別々に使われても、ステント112に安定性を提供することとの関係で使われても良い。
【0358】
ここで図25を参照すると、図25は、本発明による心尖アプローチを使って心臓にアクセスしている取り付けられたばねアンカーをもった人工弁を含んだ配送カテーテルをもった心臓の破断図である。その他の心臓への外科手術的アプローチと僧坊弁に加えての弁が、ここに請求された発明性のある主題の範囲内であることが構想されている。図25は、人工弁110と取り付けられたばねアンカー156の配備と、腱索(図示せず)の周りにばね形状のばねアンカー156を取り巻くように回転することのために、僧坊弁を通しておよび左心房中に進められた配送カテーテル144を示す。
【0359】
ここで図26を参照すると、図26は、ばねアンカー156(図示せず)の解放に先立つ、本発明による人工弁110の一実施形態の側方配備を示し、心臓の左心室の側壁を通しての側方経心室壁アプローチのやり方で左心室を介して左心房にアクセスしている人工弁配送カテーテル144を示す。図26は、心臓の左心室の側壁を通しての側方経心室壁アプローチのやり方で左心室を介して左心房にアクセスしている人工弁配送カテーテル144を示す。
【0360】
ここで図27を参照すると、図27は、本発明による右心室中への心尖アプローチを使って心臓にアクセスしている人工弁110を含んだ配送カテーテル144をもった心臓の破断図である。その他の心臓への外科手術的アプローチと僧坊弁に加えての弁が、ここに請求された発明性のある主題の範囲内であることが構想されている。図27は、ばねアンカー156(図示せず)の解放に先立つ、人工弁110の配備のために三尖弁までおよび右心房中に進められた配送カテーテル144を示す。
【0361】
環状クランプの図面の記載
図28Aは、外側の周りに位置する4つのクランプ型の環状係留部材160をもったワイヤーステント112の斜視図を示す。図28Bは、同じ4つのクランプ型の環状係留部材160をもったワイヤーステント112の側面図を示す。
【0362】
図29は、閉じたクランプ型の環状係留部材160の側面図を示す。
【0363】
図30Aは、開いた位置におけるクランプ型の環状係留部材160の斜視図を示し、以下の部分からなる:ピン162、ばね168、2つの互いに組み合わされた中央部材170、各々が先細りになった尖り174をもった、半円形フィンガー172の2つのペア。図30Bは、図30Aに示されたのと同じクランプだが、半円形のフィンガー172の端部が互いに組み合わされた、閉じた位置においての斜視図を示す。
【0364】
図31Aは、図30Aに示されたクランプ型の環状係留部材160だが、各中央部材170のフランジ部分にそのようなフランジ(図示せず)中の中心にある穴を介して取り付けられた耐圧部材176をもち、クランプを開いて保持するために圧力を掛けているものの側面図を示す。耐圧部材176は、真っ直ぐの位置におけるカテーテル144から発し、それを開いて保持するためにクランプ上に外向きの圧力を掛けている。図31Bは、クランプと耐圧部材176の部分的分解図を示し、中央部材フランジの中心にある穴178と、各耐圧部材の取り付けスタッド180を実証している。図は、耐圧部材176のクリンプされた尖りがカテーテル144から伸び、耐圧部材がクランプの中央部材170から解放されることを引き起こすにつれての解放の瞬間を示し、それによりばね168(図示せず)のトルクがクランプをスナップして閉じることを許容している。
【0365】
図32Aは、同じデザインの別のフィンガーとの連結のための外側リッジに沿ったスロット182と1つのサイドに沿った一連の三角形の突起184をもった、単一の半円形フィンガー172の斜視図を示す。図32Aはまた、クランプを生来の組織中にしっかり保持するための、先細りになった尖り174の上の先端バーブ186を実証している。図32Bは、図32Aに描かれたのと同じ半円形フィンガーの側面図を示す。
【0366】
図33Aは、スタッド取り付け192と共に、工作機械用スロット188と、クランプアセンブリの他のコンポーネンツとの連結のためのリッジ付きロック機構190をもった、図33Aに示されたクランプアセンブリの中央部材の中心部分コンポーネントの外側および遠位側の斜視図を示す。図33Bは、図33Aに描かれたのと同じ中央部分コンポーネントの内側および遠位側の斜視図を示す。
【0367】
図34Aは、4つの閉じる部材174のセットからなり、各々がそれを通してピン162が通されているその近位端中に直接開けられた穴をもち、第1と第3の閉じる部材が1つの方向に閉じる一方で第2と第4の閉じる部材が反対方向に閉じるように閉じる部材174が互いに組み合わされている、開いた位置におけるクランプアセンブリの斜視図を示す。各閉じる部材は、先細りになった遠位先端174を有する。図34Bは、図34Aと同じアセンブリを、閉じた位置において示す。
【0368】
図35Aは、4つの閉じる部材170のセットからなり、各々がそれを通してピン162が通されているその近位端中に直接開けられた穴をもち、第1と第3の閉じる部材が1つの方向に閉じる一方で第2と第4の閉じる部材が反対方向に閉じるように閉じる部材170が互いに組み合わされている、開いた位置におけるクランプアセンブリの側面斜視図を示す。各閉じる部材は、バーブ特徴186をもった先細りになった遠位先端174を有する。図35Bは、図34Aと同じアセンブリを角度を付けた視点から示す。
【0369】
図36Aは、図35Aのクランプアセンブリの側面図を、閉じた位置において示す。図36Bは、図36Aと同じアセンブリを角度を付けた視点から示す。
【0370】
図37は、クランプアセンブリの様々なコンポーネンツの種々の可能な寸法を示す。
【0371】
図38は、吸引フィンとグルーフィンのためのスタッドアセンブリ192からなる一体化されたカフ116をもったワイヤーステント112を示す。
【0372】
図39は、図38のステントの一体化されたカフ116の断面を示し、吸引とグルーの適用のための2つの安定な内部チューブ194を実証している。
【0373】
図40は、半円形フィンガー172に対するステント112の角度を実証しているライン描写である。
【0374】
図41は、一体化されたカフ116からなるワイヤーステントの下方の角度からの斜視図であり、人工弁輪を周回する一連のクランピングデバイス196で、各そのようなデバイスが安全ベルト198をクランプダウンしているものを更に実証している。
【0375】
図42は、カテーテル本体202の周りの穴から発して人工弁輪を通して図41に描かれたクランプデバイス(図示せず)に取り付けられたワイヤー200をもった、図41に描かれたステント112内に位置する案内カテーテル144の斜視図を実証する。
【0376】
図43は、それらが安全ベルト198をしっかり保持する時に安全ベルトクランプ196に接続している、カテーテル穴202から発するガイドカテーテル144、ステント112および紐200の近接図を示す。
【0377】
図44は、図41−43の案内カテーテル、紐およびステントアセンブリの下方図を示し、それにより紐200をカテーテル穴202を通して引っ張ることがクランプデバイス196を安全ベルト198の周りに閉じるところのメカニズムを実証している。
【0378】
図45は、図41−44の案内カテーテル、紐およびステントアセンブリのステント内部の視点からの近接図を示し、案内カテーテル144の断面と一体化されたカフ116の断面を実証し、各紐200によるカフの貫通と各紐200の安全ベルト198をその場にクランプするクランピングデバイス196への接続を実証している。
【0379】
改良されたカフ/カラーの図面の記載
ここで図面を参照すると、図46は、心房カフ/カラー116を示し、そこでは形状がいくらかマッシュルーム形状、またはキノコ形である。この実施形態では、血行動態的漏洩が対処され、そこでは心房カフ/カラー116が、病理学的に欠陥のある僧坊弁の交連の輪郭に沿うためにテンショニングまたは下向きばね特徴204を有するように構築されており、病理学的に欠陥のある僧坊弁の癒合ゾーンの輪郭に沿うように構築されている。心房封止ガスケットの各先が下を向いた端部における交連輪郭コンポーネンツと、心房カフ/カラー116の癒合ゾーン輪郭コンポーネンツは、鞍形状に順応するように働き、そこでは交連輪郭コンポーネンツは僧坊弁交連と直接通信しており、癒合ゾーン輪郭コンポーネンツは僧坊弁癒合ゾーンと直接通信している。
【0380】
図47は、心房カフ/カラー116を示し、そこでは形状が「指の爪形状」または爪状である。この実施形態では、大動脈弁エリアに隣接した配備中に先端を切った部分が配置される。丸くなった部分がそれから配置されて後部の交連を覆う一方で、先端を切った部分が干渉する構造を規定するであろうカフ材料の余剰を欠くことによって妨害を回避する。
【0381】
図48は、心房カフ/カラー116を示し、そこでは形状が「腎臓の形状」または腎臓形である。この実施形態では、形状の内側彎曲が(前部的に)大動脈弁エリアに面するような配備中に配置され、干渉する構造の欠如により妨害が回避される。対照的に、ガスケットが僧坊弁の両交連エリアを覆うように配置され得るように、追加のガスケット材料が提供される。心房カフ/カラー116の外側彎曲は、癒合ゾーンの近くでの漏洩を防止するように機能する。
【0382】
図49は、心房カフ/カラー116を示し、そこでは形状が卵形である。この実施形態では、前部の丸くなった部分212が、大動脈弁エリアに隣接した配備中に配置され、妨害の無い封止を提供するように心房壁に沿って移動するように持ち上がる。後部の丸くなった部分214がそれから配置されて交連を覆い、漏洩に対して封止する。
【0383】
図50は、心房カフ/カラー116を示し、そこでは形状が正方形の先端を切った部分206を有する先端を切った卵形である。図47と同様に、この実施形態では、先端を切った部分206が大動脈弁に隣接した配備中に配置されるが、また妨害の無い封止を提供するように心房壁に沿って移動するように持ち上がる彎曲した側面216からなる。丸くなった部分216がそれから配置されて後部の交連を覆う一方で、先端を切った部分206が干渉する構造を規定するであろうカフ材料の余剰を欠くことによって妨害を回避する。
【0384】
図51は、心房カフ/カラー116を鋭角(下向き)の封止構造として示す。この実施形態では、心房封止ガスケットが、図46と同様のテンショニングまたはばね状特徴を有するが、約1mm以下の心房カフプロファイルをもつ。小さなカフ/カラー116はその小さなサイズの帰結として漏洩に対して封止するより少ない能力を有し得るが、小さなプロファイルの恩恵は、より少ない磨耗、より少ない動き、より少ない炎症、およびより少ない心房組織への損傷があることである。
【0385】
図52は、心房カフ/カラー116とほぼその同じ平面上の位置/高さにおける内部の弁尖を示す。この実施形態では、カフ/カラー116は、人工弁尖アセンブリ118が最適な高さで僧坊弁弁輪内に配置されることを許容し、弁輪の下のLVOT狭窄を回避する一方で心室充填の機能性を変動させる能力を提供するバランスをとる。
【0386】
図53は、心房カフ/カラー116を示し、そこでは形状がプロペラ形状である。この実施形態では、ガスケットが最小にあり、(前部的に)大動脈弁エリアが大動脈弁に隣接する環状組織に対する人工弁110からの圧力を殆どか全くもたないように、心房カフ/カラー116が配備中に配置される。対照的に、プロペラ形状の「ブレード」が追加のカフ材料を提供して、ガスケットが僧坊弁の両交連エリアを覆うように配置され得るようになる。この実施形態では、癒合ゾーンの近くには追加のカフ材料が全く提供されず、生来の弁尖が漏洩に対する充分な封止を提供する。プロペラ構造中に2つまたは3つの「ブレード」があっても良い。
【0387】
図54は、心房カフ/カラー116を示し、そこでは形状が十字形である。この実施形態では、大動脈弁に隣接する環状組織上に指定された量の圧力を掛けるように提供されたカフ材料があるように、心房カフ/カラー116が配備中に配置される。図53と同様に、プロペラ形状の「ブレード」が追加のカフ材料を提供して、ガスケットが僧坊弁の両交連エリアを覆うように配置され得るようになる。
【0388】
図55は、心房カフ/カラー116を示し、そこでは形状が複数の平坦な放射状の覆われたループを有する花弁形状である。この実施形態では、心房カフ/カラー116と内部の弁尖118がほぼその同じ平面上の位置/高さにあって、人工弁が最適な高さで僧坊弁弁輪内に配置されることを許容し、弁輪の下のLVOT狭窄を回避する一方で心室充填の機能性を変動させる能力を提供するバランスをとる。この実施形態では、複数の放射状ループの使用が、心房ガスケットが心房/環状組織エリアの肉柱形成とマッチすることを許容する。
【0389】
図56は、心房カフ/カラー116を示し、そこでは形状が複数の平坦な放射状の覆われた星状ループを有する花弁形状である。図55と同様に、この実施形態では、複数の放射状ループの使用が、心房ガスケットが心房/環状組織エリアの肉柱形成とマッチすることを許容する。
【0390】
図57は、心房カフ/カラー116を示し、そこでは形状が複数の平坦な放射状の覆われた星状ループを有する花弁形状であり、どのようにそれらが封止を実現するために縦方向に移動することができるかを描いている。
【0391】
図58は、心房カフ/カラー116を示し、そこでは形状が不規則またはアメーバ状である。このタイプのカスタマイズされた心房カフ/カラーは、特定の病理または解剖学的構造が特定の構造的解決の必要を呈示するところで有用であり得る。
【0392】
図59は、心房カフ/カラー116を示し、そこでは形状が杯形状として知られるカップ形状または椅子形状である。この実施形態では、前部部分が大動脈弁エリアに隣接する配備中に配置され、妨害の無い封止を提供するように心房壁に沿って移動するように持ち上がる。後部の丸くなった部分がそれから配置されて交連を覆い、漏洩に対して封止する。図53と同様に、癒合ゾーンの近くには追加のカフ材料が全く提供されず、生来の弁尖が漏洩に対する充分な封止を提供する。
【0393】
図60は、心房カフ/カラー116を示し、そこでは形状が部分的に半円状のファン形状である。図50と同様に、丸くなった部分が弁輪中に配置されて後部の交連を覆う一方で、欠けた部分が干渉する構造を規定するであろうガスケット材料の余剰を欠くことによって妨害を回避する。
【0394】
図61は、先が上を向いた平坦なU字形状の平面長方形をもった心房カフ/カラー116を示す。この実施形態では、「短い」サイドが前部的および後部的に配置される一方で、先が上を向いた部分が、交連エリアに対するテンショニング表面を提供する。
【0395】
図62Aは、後部から前部への、前向きの角度でステント本体に取り付けられた心房カフ/カラー116を示す一実施形態の側面図を示し、図62Bは、前方斜視図を示す。
【0396】
改良されたステントの図面の記載
ここで図面を参照すると、図63Aは、生来の僧坊弁弁尖のまたは本発明による人工弁尖構造の鞍形状の斜視図である。よって、平坦な二尖弁尖を有する真っ直ぐな管状ステントだけで作られた標準的な人工弁は、あらゆる先行する標準的デバイス上に構造的な、従って機能的な制限を課すことが直ちに明らかとなる。図63Bは、X−Y−Z軸と比較した僧坊弁の3次元相対的位置の図面であり、僧坊弁が軸をはずれて揃えられていることを示す。特定には、僧坊弁は、(より正確な記載については図63Bへの参照がなされる)水平なX軸に沿った中心の左に配置され、X軸の周りを僅かに回転され、それは垂直なY軸に沿った中心の下であり、Y軸の周りを僅かに時計回りに回転され、それはZ軸の周りで僅かに左から右に傾けられ、その全てが大まかに鞍形状である構造中においてである。予め構成された/予め輪郭に沿ったステントの準備に適用されたそれらの教示内容は、本発明の重要な特徴の1つを提供する。
【0397】
図63Cは、閉じたから開いたまでの前部および後部弁尖の動きの範囲を示した僧坊弁の側面図表現の図面である。心室収縮期(収縮)の始まりにおいてより大きな前部弁尖(左)がより小さな後部弁尖(右)と結合し、点線は、受動的および能動的な心室拡張期(充填)中の開いた僧坊弁を表す。図63Cに見られるように、前部および後部弁尖は、かなりの度合いで心室的に伸びる。
【0398】
図63Dは、3次元全てにおける近似的な向きとサイズでの僧坊弁のグラフィカル3次元表現である。図63Dは、鞍形状の弁が、約0.5cmの高さと、約6.0cmのサイドからサイドまでと、約1.5cmの幅の平均的サイズであるように示す。勿論、これは患者によって変動し、病理学的条件のためにも変動しても良い。よって、人工ステントは、健康的な生来の僧坊弁として機能するようにほぼ最適化された補綴を提供するために、それらのファクターを考慮に入れなければならない。
【0399】
図64は、僧坊弁と三尖弁の肺動脈および大動脈に対する位置関係を示した断面での心臓の図面である。図64は、僧坊弁218と、三尖弁220と、大動脈弁222と、肺動脈弁224を示す。図64は、どのように仕立てられた予め輪郭に沿った形状を有していない人工僧坊弁が空間的障害のためにその他の弁の動作と干渉することができるかを示す。
【0400】
図65Aは、ここではステントの詳細のために不透明に示された、心房カフ116をもった、断面での腎臓形状(外転円状、心臓形)のステントの形態112を有する人工僧坊弁110を示した、本発明による一実施形態の斜視図である。よって、腎臓形状のステント本体を有することは、LVOT(左心室流出路)狭窄および最適な弁機能と干渉するであろうその他の空間的妨害に対処することが意図されている。人工弁尖118が、頂部から特定の距離だけステント本体112内で下に配置されているように、図65Aでは示されている。
【0401】
図65Bは、ここではステントの詳細のために不透明に示された、ステント本体112内の半分まで上の中央点に向けて配置された弁尖118をもち、心房カフ116をもった、断面での丸くなった形状または卵形形状のステント112の形態を有する人工僧坊弁110を描いた、本発明による一実施形態の斜視図である。
【0402】
図66は、ここではステントの詳細のために不透明に示された、心房カフ116をもった、断面での彎曲した管状形状のステントの形態112を有する人工僧坊弁110を示した、本発明による一実施形態の斜視図である。可能な空間的妨害から離れるように彎曲することによって、このステント形状もまた、空間的弁または流れ妨害の問題に対処することが意図されている。
【0403】
図67は、ここではステントの詳細のために不透明に示された、ステント本体の心房端に向けてステント内に高く配置された人工弁尖118をもち、心房カフ116をもった、断面での丸くなった形状または卵形形状のステントの形態112を有する人工僧坊弁110を示した、本発明による一実施形態の斜視図である。図67は、デバイスの高さについて低いプロファイルを有する実施形態を示す。この実施形態は、実質的に環状スペース内に留まり、開いた生来の弁尖(図示せず)の距離を越えて伸びないステント本体112を有することが意図されている。更には、ステント本体112内に高く配置された人工弁尖118を有することは、人工弁尖がステント本体内の更に下に位置している人工弁に対して追加の利点を提供する。
【0404】
図68は、組み紐にされたワイヤー228(心房端)とレーザー切断された金属226(弁輪または心室端)の両方から作られたステント本体112と、覆われていない心房カフ116を有する人工僧坊弁110を示した、本発明による一実施形態の斜視図である。
【0405】
図69は、レーザー切断された金属226(心房端)と組み紐にされたワイヤー228(弁輪または心室端)の両方から作られたステント本体112を有し、心房カフ無しの、人工僧坊弁110を示した、本発明による一実施形態の斜視図である。
【0406】
述べられたように、ステントは、拡張可能なレーザー切断されたステントかまたは拡張可能な組み紐にされたステントであっても良く、マルテンサイトまたは超弾性金属合金で構築されていても良い。ステント/弁アセンブリは、その縦軸に沿って圧縮されても良く、カテーテルベースのステント配送システム中にフィットする。ステント/弁が、それが設置されるべき位置まで配送された時、それは栓子によってカテーテルから排出され、それが配備されるべきサイトに配置される。
【0407】
ステントは、その上にテザーが接続され得る複数のテザー取り付けを含んでいても良い。弁尖アセンブリは、ステント本体内に配置された別のだが一体化された構造である。弁尖アセンブリは、その上に弁尖またはカスプが位置する構造を提供するように機能する。弁尖アセンブリは全体的に、安定化された組織で作られていても良く、またはそれはワイヤーと組織構造の組み合わせであっても良い。安定化された組織の異なる品質、即ち、それがそうであれば薄いか厚いか、構造的に硬いか柔軟かが、カフカバー、ステントカバー、弁尖アセンブリ、および弁尖の異なるコンポーネンツのために使われても良いことが、発明の範囲内として構想されている。
【0408】
人工心臓弁はまた、カフを含んでいても良い。一実施形態では、カフ「ワイヤーフォーム」は、ステント自体の延長であり、そこではステントは加熱されていて、カフの平坦なカラープレートの延長されたスピンドルを作り出すようにフォーム上で操作される。別の実施形態では、カフ「ワイヤーフォーム」はステントとは別に作られ、内側リム、カフが管状ステントと出会うところのジョイント、の円周の周りに放射状に/軸方向に伸びているローブまたはセグメントを作り出す、ワイヤーの独立したループをもった平坦なカラープレートとして取り付けられる。
【0409】
構想されているように、本発明による人工弁の一実施形態の配備は、配送カテーテルから、即ち栓子によって、押し出されている予め装填された人工弁を含んだ本発明による配送カテーテルの実施形態を含み、(A)完全にカテーテル内の弁から始まり、(B)カフ部分が図に入っている、(C)ステント本体が引き続く、(D)弁を組織に位置決めするおよび/または調節するおよび/またはしっかり保持するための取り付けられたテザーをもった人工弁、である。
【0410】
ナローゲージのステントの図面の記載
ここで図面を参照すると、図70は、補綴移植無しの生来の僧坊弁218を実証したライン図面である。前部弁尖230、後部弁尖232、前外側交連234、および後部交連236が示されている。前部および後部交連の先端は、参照のために印しが付けられている。
【0411】
図71は、どのように生来の弁輪だけに基づいてサイズが決められた人工弁110が生来の交連234および236を開くようにストレッチするかまたは引き裂くサイズが大きすぎる人工弁に結果としてなり、それらがそれらの生来の封止を行うことを妨げ、それはしばしば病理学的条件において過度に影響を受けず、いくらかの生来の封止機能を残し得るかを示す。
【0412】
図72は、どのように交連との相互作用またはその変形を避けるようなサイズにされた人工僧坊弁110が、解決策を有すること無しに、弁自体が追加の問題を引き起こす、中央ジェットにおいて僧坊弁逆流を治療するために使われることができるかを示す。どのように弁尖のP1−A1部分によって規定された前外側交連234が封止のためにそのまま残るかと、どのように弁尖のP3−A3部分によって規定された後内側交連236もまた封止のためにそのまま残るかに注意。
【0413】
図73は、使われているもっとより狭い直径の人工弁110を、特に移植の恩恵的効果を達成するために必ずしも100%の封止を必要としない機能性僧坊弁逆流の患者において、示す。人工弁は、2つ、3つまたは4つの弁尖の弁構造を有するように構成されても良いことに注意。
【0414】
図74は、後部から前部へか、カスプ干渉のラインに沿って縦方向のどちらでも、どのように生来の僧坊弁の双曲放物面形状が異なる直径を生み出すかを示す。ここでは、ここでの発明を必ずしも限定すること無く、交連弁尖の変形を回避することのゴールが、数学的比として例示されており、それによりラインa−aは大きすぎる直径を例示するが、弁尖の断面に跨るラインc−cは発明の1つの好ましい例を描いている。
【0415】
図75は、どのように過大な弁がラインc−cを越えて伸び、もし最も長い直径が不都合なことに使われれば、生来の弁輪ラインa−aの全直径、(いくつかの状況においては)弁直径の大きすぎると信じられているものさえ更に越えてそれが伸びることができるか、を示す。
【0416】
図76図77は、直径が後部から前部側に生来の弁輪の断面直径と等しいかまたはより小さい、ここに開示された概念の積極的な例を示す。
【0417】
図78は、生来の僧坊弁弁輪において配備されている人工弁110の1つの非限定的な実施形態を示す。図9は、カフ116とステント本体112を、テザー38と心膜アンカー140と共に示す。点線は、どのように本発明が、標準サイズのカフ、内部弁アセンブリおよびテザー特徴を維持しながら、このクラスの標準的な人工弁よりも顕著により狭いステント本体を有して構築され得るかを描いている。
【0418】
本発明による人工心臓弁のこの実施形態では、一方の端部にテザー取り付け構造を有する管状ステントがあり、管状ステントはもう一方の端部においてカフに取り付けられている。弁尖アセンブリ(図示せず)は、ステント内に配置され、弁尖(これも図示せず)をサポートする。カフは、ワイヤーの独立した関節で繋がれるループとカバーを有する。
【0419】
述べられたように、管状ステント112は、拡張可能なレーザー切断されたステントかまたは拡張可能な組み紐にされたステントであっても良い。管状ステント112は、マルテンサイトまたは超弾性金属合金で構築されていても良い。管状ステント112は、その縦軸に沿って圧縮されても良く、カテーテルベースのステント配送システム中にフィットする。管状ステント112が、それが設置されるべき位置まで配送された時、それは栓子によってカテーテルから排出され、それが配備されるべきサイトに配置される。
【0420】
管状ステント112は、その上に示されたテザーが接続され得る複数のテザー取り付け138を含む。図78は、ステントの遠位部分中に一体化された3つのテザー取り付け138を有する実施形態を示す。この実施形態では、テザーは、心膜および心外膜組織を通して、ステントから伸び、心臓の外側上のプレジット、ボタンまたは同様のタイプのアンカー140において結び留められている。そのようなアンカー140はそれ自体が、安定化された組織からなるかまたはそれで覆われていても良い。
【0421】
弁尖アセンブリ118は、ステント内に配置された別のだが一体化された構造である。弁尖アセンブリ118は、その上に弁尖またはカスプが位置する構造を提供するように機能する。弁尖アセンブリ118は全体的に、安定化された組織および/またはポリマー繊維で作られていても良く、またはそれはワイヤーと組織/繊維構造の組み合わせであっても良い。弁尖アセンブリが全体的に組織からなるところでは、弁尖アセンブリと、弁尖サポート構造と、弁尖またはカスプが組織から作られることが構想されている。安定化された組織の異なる品質、即ち、それがそうであれば薄いか厚いか、構造的に硬いか柔軟かが、カフカバー、ステントカバー、弁尖アセンブリ、および弁尖の異なるコンポーネンツのために使われても良いことが、発明の範囲内として構想されている。弁尖アセンブリ118がワイヤーと組織からなるところでは、アセンブリかまたはサポートかまたはその両方が、ワイヤーから作られていても良く、カスプは組織から作られている必要があるであろうことが構想されている。
【0422】
一実施形態では、カフワイヤーフォーム116は、ステント112の延長であり、そこではステントは加熱されていて、カフの平坦なカラープレートの延長されたスピンドルを作り出すようにフォーム上で操作される。別の実施形態では、カフワイヤーフォーム116はステント112とは別に作られ、内側リム、カフが管状ステントと出会うところのジョイント、の円周の周りに軸方向に伸びているローブまたはセグメントを作り出す、ワイヤーの独立したループをもった、内側リムと外側リムを含むように構築された平坦なカラープレートとして取り付けられる。
【0423】
組み込みと等価物
ここに挙げられた文献は、特にそれらがこの技術分野における当業者レベルを教示することに関するので、および請求された発明の主題の平民的理解のために必要なあらゆる開示について、その全体がここに組み込まれる。上記実施形態は変えられ得ること、または発明の範囲から逸脱すること無しに非実質的な変更がなされても良いことが、当業者には明らかであろう。従って、発明の範囲は、以下の請求項とそれらの公平な等価物によって決定される。
図1
図2
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図20C
図20D
図21
図22
図23A
図23B
図23C
図24
図25
図26
図27
図28A
図28B
図29
図30A
図30B
図31A
図31B
図32A
図32B
図33A
図33B
図34A
図34B
図35A
図35B
図36A
図36B
図37A
図37B
図37C
図37D
図37E
図37F
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
図61
図62A
図62B
図63A
図63B
図63C
図63D
図64
図65A
図65B
図66
図67
図68
図69
図70
図71
図72
図73
図74
図75
図76
図77
図78