(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記読取手段により前記容器に付された前記無線タグと前記パレットに付された前記無線タグとが読み取られることで、前記容器に付された前記無線タグから読み取った情報に基づいて前記パレットを管理することを特徴とする請求項3または5に記載の無線タグ管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る無線タグ管理システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す無線タグ管理システム10は、搬送対象の物品が収容される容器に付された無線タグを利用して搬送対象の物品に関する管理を行うシステムである。本実施形態では、搬送対象の物品は、例えば、工場内にて製造された複数の製品であり、このため、無線タグ管理システム10は、搬送予定数の物品を工場から出荷するトラックに積み込む際に、搬送予定数の物品がトラックまで搬送されたか否かを管理するシステムとして構成されている。
【0029】
本実施形態に係る無線タグ管理システム10は、搬送対象の物品が収容される容器20の搬送個数を考慮することで、搬送予定数の物品が搬送されているか否かを判定するように構成されている。容器20は、例えば、上方が矩形状に開口した合成樹脂製の部品収容箱であって、決められた個数の物品を収容するように形成されており、基本的に最大収容数の物品が収容された状態で搬送される。このため、例えば、最大収容数が2個の容器20を、
図1および
図2に例示するように搬送用のパレットPを使用して4個搬送している場合には、合計8個の物品を搬送していると算出することができる。なお、
図2では、便宜上、物品の図示を省略している。
【0030】
特に、本実施形態では、
図1および
図2に例示するように、各容器20にそれぞれ無線タグとしてRFタグ30が付されている。各RFタグ30には、他のRFタグと区別するためのシリアル番号等の固有の識別情報がそれぞれ記録されている。これにより、無線通信により読み取ったRFタグ30の個数に基づいて、搬送されている容器20の個数を計数することができる。
【0031】
このため、無線タグ管理システム10は、
図1に示すように、搬送対象の物品が容器20に収容されて搬送される搬送経路中に配置されてRFタグ30を読み取るRFタグリーダ40と、このRFタグリーダ40による読み取り結果等を利用して搬送対象の物品に関する管理を行う管理装置50と、管理装置50により表示内容が制御される情報表示装置60を備えている。
【0032】
RFタグリーダ40は、例えば公知のRFタグリーダによって構成されるものであり、
図1に例示するように搬送経路に設けられるゲートに設置されている。このRFタグリーダ40は、搬送中の各容器20にそれぞれ付されたRFタグ30と無線通信を行うことで、複数のRFタグ30に記録された情報を一括して読取可能とされている。このRFタグリーダ40は、各RFタグ30から読み取った情報等を管理装置50に出力するように構成されている。
【0033】
RFタグリーダ40のハードウェア構成は、
図3のようになっており、制御部41、メモリ42、通信処理部43、アンテナ44および外部インタフェース45等を備えている。制御部41は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、半導体メモリ等からなるメモリ42とともに情報処理装置を構成している。
【0034】
また、通信処理部43は、
図3に示すように、送信回路43b、受信回路43c等を備えている。送信回路43bは、例えば、キャリア発振器、符号化部、変調部及び増幅器等によって構成されている。キャリア発振器は、所定周波数のキャリア(搬送波)を出力しており、符号化部は、制御部41に接続され、制御部41より出力される送信データを符号化して変調部に出力している。変調部は、キャリア発振器からのキャリア(搬送波)及び符号化部からの送信データが入力されるものであり、キャリア発振器より出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器に出力している。また、増幅器は、入力信号(変調部によって変調された被変調信号)を設定された増幅率で増幅しており、その増幅信号が送信信号としてアンテナ44に出力されるようになっている。
【0035】
また、アンテナ44には、受信回路43cの入力端子が接続されており、アンテナ44によって受信された電波信号(受信信号)は、受信回路43cに入力されるようになっている。受信回路43cは、例えば、増幅器、復調部、二値化処理部、複号化部等によって構成されており、アンテナ44によって受信された受信信号を増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調している。更に、その復調された信号波形を二値化処理部によって二値化すると共に、復号化部にて復号化し、その復号化された信号を受信データとして制御部41に出力している。
【0036】
また、外部インタフェース45は、管理装置50等の外部機器との間でのデータ通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部41と協働して通信処理を行う構成をなしている。
【0037】
ここで、RFタグリーダ40の読取対象となるRFタグ30の電気的構成について、
図4を参照して説明する。
図4に示すように、RFタグ30は、アンテナ31,電源回路32,復調回路33,制御回路34,メモリ35,変調回路36などによって構成されている。電源回路32は、アンテナ31を介して受信したRFタグリーダ40からの送信信号(キャリア信号)を整流、平滑して動作用電源を生成するものであり、その動作用電源を、制御回路34をはじめとする各構成要素に供給している。
【0038】
また、復調回路33は、送信信号(キャリア信号)に重畳されているデータを復調して制御回路34に出力している。メモリ35は、ROM,EEPROM等の各種半導体メモリによって構成されており、制御プログラムや上述した固有の識別情報等が記憶されている。制御回路34は、メモリ35から上記固有の識別情報等を読み出し、それを送信データとして変調回路36に出力する構成をなしており、変調回路36は、応答信号(キャリア信号)を当該送信データで負荷変調してアンテナ31から反射波として送信するように構成されている。なお、
図3および
図4では、RFタグリーダ40及びRFタグ30の一例を挙げたが、電磁波を媒介として無線通信を行い得る構成であれば公知の他の構成を用いてもよい。
【0039】
次に、管理装置50の構成について説明する。
管理装置50は、RFタグリーダ40から取得した各RFタグ30の読み取り結果や外部から取得した情報を利用して搬送予定数の物品が搬送されているか否かを管理する装置として機能するものである。この管理装置50は、例えばコンピュータとして構成され、
図5に示すように、CPU等からなる制御部51、液晶モニタ等として構成される表示部52、ROM、RAM、HDD等からなる記憶部53、マウスやキーボード等として構成される操作部54、RFタグリーダ40や上位機器等の外部機器との間でのデータ通信を行うための通信インタフェースとして構成される通信部55などを備えている。
【0040】
ここで、上述した外部から取得した情報とは、例えば、出荷計画が記録されたデータベースを備えるサーバ等の上位機器から取得した製品出荷リストに含まれる情報である。具体的には、この製品出荷リストには、例えば、搬送予定の物品に関してその物品名や製品品番、数量、納期、仕向地(搬送先)、出荷予定日時、搬送した物品を積み込むトラックを特定するための情報等(以下、単に製品出荷情報ともいう)が含まれる。
【0041】
また、記憶部53には、容器20を特定するための容器特定情報、例えば、他の形状の容器と区別するためのシリアル番号等の固有の識別情報や収容対象の物品の最大収容数、パレットPへの最大載置数、容器20の寸法データ等が、収容対象の物品名に関連付けられて記憶されている。このため、管理装置50は、搬送対象の物品が決まると、各物品を収容するための容器20を特定できるだけでなく、その最大収容数も特定することができる。
【0042】
情報表示装置60は、例えば、液晶モニタ等を備えることで報知手段または表示手段として機能する装置であって、その表示内容が管理装置50により制御され、搬送予定数の物品が積み込まれるトラックの運転手等による操作に応じた情報が管理装置50に出力されるように構成されている。このように構成される情報表示装置60は、搬送経路のRFタグリーダ40よりも下流側であって、トラックの運転手等がその表示内容を視認できるような場所に配置されている。
【0043】
次に、搬送予定数の物品を容器20を用いてトラックまで搬送する際に、管理装置50の制御部51にて行われる搬送状況管理処理について、
図6に示すフローチャートを用いて説明する。
操作部54に対して所定の操作等がなされることで制御部51にて搬送状況管理処理が開始されると、まず、ステップS101に示す搬送予定数取得処理がなされる。この処理では、上述した上位機器から搬送対象の物品に関する製品出荷情報が入力されることで、搬送対象の物品の数量、すなわち、搬送予定数が取得される。なお、上記搬送状況管理処理を開始させる所定の操作等とは、操作部54をキー操作することで開始させる構成だけでなく、例えば、図略のセンサによる容器20やパレットP等の通過検出に応じて開始させる構成や管理装置50が有するコードリーダ等による所定の情報コードの読み取りに応じて開始させる構成であってもよい。なお、上記ステップS101に示す処理を実行する制御部51および管理装置50は、「取得手段」の一例に相当し得る。
【0044】
次に、ステップS103に示す搬送容器数算出処理がなされる。この処理では、その搬送対象の物品を収容するための容器20の最大収容数が記憶部53から読み出され、この最大収容数と上述のように取得した搬送予定数とに基づいて当該搬送予定数の物品の搬送に必要な容器20の個数(以下、搬送容器数ともいう)が算出される。具体的には、例えば、最大収容数が2個であり、搬送予定数が8個である場合には、搬送容器数が4個であるとして算出される。なお、上記ステップS103に示す処理を実行する制御部51および管理装置50は、「算出手段」の一例に相当し得る。
【0045】
続いて、ステップS105に示すタグ情報受信処理がなされ、RFタグリーダ40にて読み取られたRFタグ30の読み取り結果を受信するための処理がなされる。そして、搬送予定数の物品を収容した各容器20がパレットPに載置され、このパレットPを搬送しているリフト車が上記ゲートを通過することで、RFタグリーダ40により各RFタグ30が一括して読み取られると、この読み取り結果がRFタグリーダ40から受信される(S107でYes)。例えば、
図1に例示するように、4つの容器20がパレットPに載置されて搬送される場合には、RFタグリーダ40により4つのRFタグ30が一括して読み取られると、各RFタグ30の固有の識別情報等が一括して読み取られた結果としてRFタグリーダ40から受信される。
【0046】
次に、ステップS109に示す比較処理がなされ、RFタグリーダ40により一括して読み取られたRFタグ30の個数と、上記搬送容器数算出処理にて算出された搬送容器数とが比較される。なお、上記ステップS109に示す処理を実行する制御部51および管理装置50は、「比較手段」の一例に相当し得る。
【0047】
ここで、計画通りに搬送予定数の物品が搬送されていることから、読み取れたRFタグ30の個数と搬送容器数とが一致すると(S111でYes)、ステップS113に示す正常搬送報知処理がなされる。この処理では、搬送予定数の物品が正常に搬送されている旨を示す情報が情報表示装置60および上位機器等に対して出力されることで、正常搬送であることが報知される。また、上記正常搬送報知処理では、情報表示装置60に対してさらに、上記製品出荷情報が出力される。
【0048】
これにより、情報表示装置60では、搬送予定数の物品が搬送されてきたことを示す情報や製品出荷情報等が表示され、トラックの運転手等は、トラックに積み込むべき搬送予定数の物品が確実に搬送されてきたことを視認することができる。そして、この報知を受けたトラックの運転手等が、搬送予定数の物品を確認後に情報表示装置60に対して搬送完了操作を行うことで、管理装置50では、搬送予定数の物品のトラックまでの搬送が完了したことを把握することができる。また、上記報知を受けた上位機器等では、製品出荷リスト通りに搬送がなされている搬送状況であることを容易に認識することができる。
【0049】
一方、例えば、誤って搬送すべき各容器20の1つがパレットPに載置されずに搬送されたために、読み取れたRFタグ30の個数と搬送容器数とが一致しない場合には(S111でNo)、ステップS115に示す搬送エラー報知処理がなされる。この処理では、搬送予定数の物品が正常に搬送されていない可能性が高い旨を示すエラー情報が、情報表示装置60および上位機器等に対して出力されることで、搬送エラーであることが報知される。また、上記搬送エラー報知処理では、情報表示装置60に対してさらに、上記製品出荷情報が出力される。また、上記搬送エラー報知処理では、上位機器等に対してさらに、読み取れたRFタグ30の識別情報が出力される。上記ステップS113,S115に示す処理を実行する制御部51および管理装置50は、「報知手段」の一例に相当し得る。
【0050】
これにより、情報表示装置60では、搬送予定数の物品が搬送されていない可能性が高いことを示す情報や製品出荷情報等が表示されるため、誤った数量のまま物品が出荷される等の誤出荷を防止することができる。また、上記報知を受けた上位機器等では、製品出荷リスト通りの搬送がなされていない可能性が高い搬送状況であることを容易に認識することができる。さらに、上記報知を受けた上位機器等では、読み取れたRFタグ30の識別情報に基づいて、搬送されていない可能性がある容器20を特定することができる。
【0051】
また、例えば、搬送すべき各容器20がパレットPに載置されていてもいずれか1つの容器20に付されたRFタグ30が読み取れない状態にあるために、読み取れたRFタグ30の個数と搬送容器数とが一致しない場合にも(S111でNo)、ステップS115に示す搬送エラー報知処理がなされる。この場合には、トラックの運転手等が実際の搬送状態や上記製品出荷情報を確認することで、トラックに積み込むべき搬送予定数の物品が搬送されてきたことを把握することができる。
【0052】
以上説明したように、本実施形態に係る無線タグ管理システム10では、搬送対象の物品の搬送予定数とこの物品が収容される容器20の最大収容数とに基づいて当該搬送予定数の物品の搬送に必要な容器20の搬送容器数が算出される。そして、この算出された容器20の搬送容器数とRFタグリーダ40により一括して読み取られたRFタグ30の個数とが比較されてその比較結果に応じて正常搬送として報知されるか搬送エラーとして報知される。
【0053】
これにより、実際に搬送予定数の物品が搬送されている場合には、算出された容器20の搬送容器数と読み取られたRFタグ30の個数とが一致する比較結果が正常搬送として報知されるので、搬送予定数の物品が確実に搬送されている状況であることを認識することができる。その一方で、搬送予定数と異なる数の物品が搬送されている場合や搬送予定数の物品が搬送されていても読み取れないRFタグ30が1つでもある場合には、算出された容器20の搬送容器数と読み取られたRFタグ30の個数とが一致しない比較結果が搬送エラーとして報知される。この場合には、誤搬送等のために搬送予定数と異なる数の物品が搬送されている状況か、いずれかのRFタグ30が読み取れなかった状況であることを認識することができる。したがって、搬送対象の物品が収容される容器20に付されたRFタグ30を利用することで物品の搬送状況を容易に管理することができる。
【0054】
さらに、上記搬送予定数取得処理にて上位機器から搬送対象の物品に関する製品出荷情報が入力されることで搬送予定数が取得されるため、作業者が搬送予定数を手入力等することもないので、比較対象となる搬送予定数の正確性が高まり、物品の搬送状況に関する管理精度を高めることができる。
【0055】
特に、搬送予定の物品に関する情報(製品出荷情報)を表示する表示手段として情報表示装置60が設けられている。これにより、算出された容器20の搬送容器数と読み取られたRFタグ30の個数とが一致する比較結果が報知される場合には、搬送予定の物品に関してその製品品番・数量・納期・仕向地・出荷予定日時や搬送した物品を積み込むトラックを特定するための情報等の製品出荷情報を表示できるため、実際に搬送している容器20に表示される情報等を参照することで、誤搬送を防止することができる。その一方で、算出された容器20の搬送容器数と読み取られたRFタグ30の個数とが一致しない比較結果が報知される場合には、その旨を情報表示装置60にて表示することで、誤搬送等のために搬送予定数と異なる数の物品が搬送されている状況か、いずれかのRFタグ30が読み取れなかった状況であることを容易に視認することができる。
【0056】
上記実施形態では、最大収容数が2個の容器20を4個搬送する場合について説明したが、これに限らず、本発明は、より多くの物品を収容可能な容器20を複数個搬送する場合でも適用することができる。例えば、本発明は、
図7に例示するように、5段4列の計20個の容器20を1つのパレットPを使用して搬送する場合にも適用することができる。この場合、例えば、容器20の最大収容数が6個であると、合計120個の物品を1つのパレットPを使用して搬送していると算出することができる。なお、
図7では、便宜上、物品の図示を省略している。
【0057】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る無線タグ管理システムについて、
図8を用いて説明する。
本第2実施形態では、搬送予定数の物品を複数のパレットPを使用して複数回に分けて搬送する点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0058】
搬送予定数の物品が多い場合には、複数のパレットPを使用して複数回に分けて搬送する必要がある。例えば、
図2に示す容器20を利用する物品を24個搬送する場合には、容器20を12個搬送する必要があり、その容器20に関してパレットPへの最大載置数が4個であることから、計3個のパレットPを使用して3回に分けて搬送することとなる。そこで、本実施形態では、搬送状況をより詳細に把握するため、1つのパレットPを使用した搬送がなされるごとに、その容器20に関するパレットPへの最大載置数から求められる搬送容器数と読み取られたRFタグ30の個数とを比較してその比較結果を報知する。
【0059】
以下、本実施形態において、管理装置50の制御部51にて行われる搬送状況管理処理について、
図8に示すフローチャートを用いて説明する。
上記第1実施形態と同様に搬送予定数が取得され(
図8のS101)、搬送容器数が算出されると(S103)、ステップS104に示す搬送回数算出処理がなされる。この処理では、容器20のパレットPへの最大載置数が記憶部53から読み出され、この最大載置数と上述のように算出された搬送容器数とから搬送回数が算出される。具体的には、例えば、
図2に示す容器20の搬送容器数が12個として算出されその容器20に関してパレットPへの最大載置数が4個である場合には、搬送回数が3回であるとして算出される。
【0060】
続いて、ステップS105に示すタグ情報受信処理がなされ、RFタグリーダ40にて読み取られたRFタグ30の読み取り結果を受信するための処理がなされる。そして、最大載置数の容器20が載置された1番目のパレットPを搬送しているリフト車が上記ゲートを通過することで、RFタグリーダ40により各RFタグ30が一括して読み取られると、この読み取り結果がRFタグリーダ40から受信される(S107でYes)。
【0061】
次に、ステップS109aに示す比較処理がなされ、RFタグリーダ40により一括して読み取られたRFタグ30の個数と、記憶部53から読み出されたパレットPの最大載置数とが比較される。なお、上記ステップS109aに示す処理を実行する制御部51および管理装置50は、「第2比較手段」の一例に相当し得る。
【0062】
ここで、計画通りに最大載置数の容器20が1番目のパレットPに載置されて搬送されていることから、読み取れたRFタグ30の個数とパレットPの最大載置数とが一致すると(S111aでYes)、ステップS116に示す搬送状況報知処理がなされる。この処理では、そのパレットPでの搬送が正常になされている旨を示す情報が情報表示装置60および上位機器等に対して出力されることで報知される。
【0063】
続いて、ステップS112に示す判定処理がなされ、全パレットPが搬送されたか否かについて判定される。この段階では1回目の搬送であるため、ステップS112にてNoと判定されて、上記ステップS105からの処理が再度なされる。
【0064】
その後、最大載置数の容器20が載置された2番目のパレットPを搬送しているリフト車が上記ゲートを通過することで、RFタグリーダ40により各RFタグ30が一括して読み取られると、この読み取り結果がRFタグリーダ40から受信され(S107でYes)、読み取れたRFタグ30の個数とパレットPの最大載置数とが一致すると(S109a,S111aでYes)、上記搬送状況報知処理(S116)がなされた後、ステップS112に示す判定処理がなされる。この段階では2回目の搬送であるため、ステップS112にてNoと判定されて、上記ステップS105からの処理が再度なされる。
【0065】
その後、最大載置数の容器20が載置された3番目のパレットPを搬送しているリフト車が上記ゲートを通過することで、RFタグリーダ40により各RFタグ30が一括して読み取られると、この読み取り結果がRFタグリーダ40から受信され(S107でYes)、読み取れたRFタグ30の個数とパレットPの最大載置数とが一致すると(S109a,S111aでYes)、上記搬送状況報知処理(S116)がなされた後、ステップS112に示す判定処理がなされる。この段階では3回目の搬送であるため、全パレットの搬送が完了したとして、ステップS112にてYesと判定される。そして、上述したステップS113の正常搬送報知処理がなされ、情報表示装置60および上位機器等に対して正常搬送であることが報知される。
【0066】
一方、上記ステップS105からの処理がなされる際、読み取れたRFタグ30の個数と搬送容器数とが一致しない場合には、ステップS111にてNoと判定される。そして、上述したステップS115の搬送エラー報知処理がなされ、情報表示装置60および上位機器等に対して搬送エラーであることが報知される。
【0067】
以上説明したように、本実施形態に係る無線タグ管理システム10では、1つのパレットPを使用した搬送がなされるごとに、容器20に関するパレットPの最大載置数とRFタグリーダ40により読み取られたRFタグ30の個数とが比較されてその比較結果に応じて正常搬送として報知されるか搬送エラーとして報知される。
【0068】
これにより、搬送予定数の物品が多いために複数のパレットPを使用して複数回に分けて搬送する場合でも、1つのパレットPを使用した搬送がなされるごとにその搬送状況を把握することができるので、物品の搬送状況をより容易に管理することができる。
【0069】
なお、本実施形態では、最大載置数が4個となる容器20を計3個のパレットPを使用して3回に分けて搬送する場合について説明したが、これに限らず、本発明は、最大載置数が2個、3個または5個以上となる容器20を複数のパレットPを使用して複数回に分けて搬送する場合にも適用することができる。例えば、本発明は、
図7に例示するような最大載置数が20個となる容器20を計5個のパレットPを使用して5回に分けて搬送する場合にも適用することができる。
【0070】
図9は、第2実施形態の変形例において管理装置50の制御部51で行われる搬送状況管理処理の流れを例示するフローチャートである。
上述したように1つのパレットPを使用した搬送がなされるごとに比較処理を行うことに限らず、第2実施形態の変形例として、複数回の搬送が完了した後に比較処理を行ってもよい。すなわち、
図9に例示するように、全パレットPが搬送されるまでRFタグリーダ40にて読み取られた各RFタグ30の個数がカウントされ(S108)、全パレットPが搬送されると(S112でYes)、上記第1実施形態と同様に、読み取れたRFタグ30の個数(複数回カウントされたRFタグ30の個数の合計数)とパレットPの最大載置数とが一致するか否かについて比較される(S109)。
【0071】
これにより、搬送予定数の物品が多いために複数のパレットPを使用して複数回に分けて搬送する場合でも、物品の搬送状況を容易に管理することができる。
【0072】
上記第2実施形態およびその変形例のように複数回の搬送を前提とする搬送状況管理処理の特徴的構成は、後述する他の実施形態にも適用することができる。
【0073】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る無線タグ管理システムについて、
図10〜
図12を用いて説明する。
本第3実施形態では、容器にそれぞれ付された識別マークを利用して搬送対象の物品に関する管理を行う点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0074】
本実施形態では、
図10および
図11に例示するように、各容器20の外面のうちパレットPに載置するときに一定の方向に向く側面21の上部には、それぞれ識別マーク22が表示されている。この識別マーク22は、撮像した撮像画像から検出しやすい形状、例えば、星形状に形成されている。なお、側面21は、「所定の表示面」の一例に相当し得る。
【0075】
また、無線タグ管理システム10は、
図10に示すように、カメラ70を備えている。このカメラ70は、CCDセンサやCMOSセンサなどを主体とした公知のカメラとして構成されており、搬送される複数の容器20の側面21にそれぞれ表示される識別マーク22を1度に全て撮像可能に上記ゲートに設置されており、所定の撮像範囲を撮像して生成した撮像画像を管理装置50に出力するように構成されている。なお、カメラ70は、「撮像手段」の一例に相当し得る。
【0076】
このように構成されることで、本実施形態に係る無線タグ管理システム10では、算出された搬送容器数だけでなく、カメラ70にて撮像された撮像画像から検出された識別マーク22の個数をも考慮することで、実際に搬送されている物品の個数をより正確に把握することができる。
【0077】
以下、本実施形態において、管理装置50の制御部51にて行われる搬送状況管理処理について、
図12に示すフローチャートを用いて説明する。
上記第1実施形態と同様に搬送予定数が取得され(
図12のS101)、搬送容器数が算出されると(S103)、ステップS105aに示すタグ情報・撮像画像受信処理がなされ、RFタグリーダ40にて読み取られたRFタグ30の読み取り結果を受信するための処理とカメラ70にて撮像された撮像画像を受信するための処理とがなされる。そして、搬送予定数の物品を収容した各容器20がパレットPに載置され、このパレットPを搬送しているリフト車が上記ゲートを通過することで、RFタグリーダ40により各RFタグ30が一括して読み取られるとともにカメラ70により各容器20に表示された識別マーク22が1度に全て撮像されると、この読み取り結果がRFタグリーダ40から受信されるとともに撮像画像がカメラ70から受信される(S107aでYes)。
【0078】
次に、ステップS117に示す識別マーク検出処理がなされ、カメラ70から受信した撮像画像から各識別マーク22が検出される。なお、上記ステップS117に示す処理を実行する制御部51および管理装置50は、「検出手段」の一例に相当し得る。
【0079】
続いて、ステップS109bに示す比較処理にて、上記識別マーク検出処理により検出された識別マーク22の検出個数と、RFタグリーダ40により一括して読み取られたRFタグ30の個数と、上記搬送容器数算出処理にて算出された搬送容器数とが比較される。
【0080】
ここで、計画通りに搬送予定数の物品が搬送されていることから、検出された識別マーク22の検出個数と読み取れたRFタグ30の個数と搬送容器数とが一致すると(S111bでYes)、ステップS113に示す正常搬送報知処理がなされる。これにより、情報表示装置60および上位機器等に対して正常搬送であることが報知される。
【0081】
一方、検出された識別マーク22の検出個数と読み取れたRFタグ30の個数と搬送容器数とが一致しない場合にはステップS111bにてNoと判定される。そして、上述したステップS115の搬送エラー報知処理がなされ、情報表示装置60および上位機器等に対して搬送エラーであることが報知される。
【0082】
以上説明したように、本実施形態に係る無線タグ管理システム10では、容器20の側面21には識別マーク22が表示されており、搬送される複数の容器20にそれぞれ表示される識別マーク22の全てがカメラ70により撮像されて検出される。そして、検出された識別マーク22の検出個数と算出された容器20の搬送容器数と読み取られたRFタグ30の個数とが比較される。
【0083】
このように、算出された容器20の搬送容器数だけでなくカメラ70により撮像されて検出された識別マーク22の検出個数をも考慮することで、実際に搬送されている物品の個数を正確に把握しやすくなるので、物品の搬送状況に関する管理精度をより高めることができる。
【0084】
図13は、第3実施形態の変形例において管理装置50の制御部51で行われる搬送状況管理処理の流れを例示するフローチャートである。
上述したようにステップS109bに示す比較処理にて検出された識別マーク22の検出個数と読み取れたRFタグ30の個数と搬送容器数とが一致するか否かについて判定されることに限らず、第3実施形態の変形例として、搬送容器数と読み取られたRFタグ30の個数とが一致しない場合に、検出された識別マーク22の検出個数と搬送容器数との比較がなされてもよい。
【0085】
すなわち、
図13に例示するように、識別マーク22を検出した後(S117)、上記第1実施形態と同様に、ステップS109の比較処理にて、RFタグリーダ40により一括して読み取られたRFタグ30の個数と、上記搬送容器数算出処理にて算出された搬送容器数とが比較され、両数値が一致すると(S111でYes)、識別マーク22の検出個数を考慮することなく、ステップS113に示す正常搬送報知処理がなされる。
【0086】
これに対して、一括して読み取られたRFタグ30の個数と搬送容器数とが一致しない場合には(S111でNo)、ステップS119に示す比較処理にて、検出された識別マーク22の検出個数と搬送容器数とが比較され、検出個数と搬送容器数とが一致すると(S121でYes)、ステップS113に示す正常搬送報知処理がなされる。一方、検出個数と搬送容器数とが一致しない場合には(S121でNo)、ステップS115に示す搬送エラー報知処理がなされる。
【0087】
これにより、実際に搬送予定数の物品が搬送されていることから算出された容器20の搬送容器数と読み取られたRFタグ30の個数とが一致するような場合にまで検出された識別マーク22の検出個数が考慮されることもないので、不要な比較のための処理を削減することができる。
【0088】
なお、上記第3実施形態の変形例では、ステップS117の識別マーク検出処理は、一括して読み取られたRFタグ30の個数と搬送容器数とが一致しないと判定された後、すなわち、ステップS111にてNoと判定された後に実施されてもよい。
【0089】
また、カメラ70は、搬送中のパレットPに載置された全ての容器20の識別マーク22を自動的に撮像するように構成されることに限らず、作業者等により携帯されて手動により各識別マーク22を撮像するように構成されてもよい。
【0090】
なお、識別マーク22は、全て星形状に形成されることに限らず、例えば、矩形状や楕円状等、撮像した撮像画像から検出しやすい形状に形成されてもよいし、撮像した撮像画像から検出しやすい色彩にて形成されてもよい。また、識別マーク22は、全て同じ情報コード(例えば、バーコードや二次元コード等)により形成されてもよい。
【0091】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る無線タグ管理システムについて、
図14および
図15を用いて説明する。
本第4実施形態では、容器にそれぞれ付される識別マークが情報コードである点が主に上記第3実施形態と異なる。このため、第3実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0092】
本実施形態では、
図14に例示するように、各容器20の側面21には表示される識別マークは、所定の情報を光学的に読み取り可能な情報コード23として形成されている。この情報コード23は、例えば、QRコード(登録商標)であって、表示される容器20に付されたRFタグ30に記憶される固有の識別情報を含めた情報が、読み取り可能に記録されるように生成される。なお、情報コード23は、QRコードとして構成されることに限らず、例えば、バーコードとして構成されてもよいし、データマトリックスコードやマキシコードなどの他の二次元コードとして構成されてもよい。
【0093】
そして、本実施形態では、情報コード23の読み取り結果を利用することで、物品の搬送状況に関する管理の容易化を図る。具体的には、RFタグ30が損傷等しているために読み取れなかった容器20に付された情報コード23の読み取りが成功すると、その容器20に関して正常に搬送されていると判断する。
【0094】
以下、本実施形態において、管理装置50の制御部51にて行われる搬送状況管理処理について、
図15に示すフローチャートを用いて説明する。
上記第3実施形態と同様に読み取り結果がRFタグリーダ40から受信されるとともに撮像画像がカメラ70から受信されると(
図15のS107aでYes)、カメラ70から受信した撮像画像から識別マークとして各情報コード23が検出される(S117)。続いて、ステップS109に示す比較処理にて、RFタグリーダ40により一括して読み取られたRFタグ30の個数と算出された搬送容器数とが比較され、両数値が一致すると(S111でYes)、ステップS113に示す正常搬送報知処理がなされる。これにより、情報表示装置60および上位機器等に対して正常搬送であることが報知される。
【0095】
一方、読み取れたRFタグ30の個数と搬送容器数とが一致しない場合には(S111でNo)、ステップS119に示す比較処理にて、検出された情報コード23の検出個数と搬送容器数とが比較され、検出個数と搬送容器数とが一致しない場合には(S121でNo)、ステップS115に示す搬送エラー報知処理がなされる。これにより、情報表示装置60および上位機器等に対して搬送エラーであることが報知される。
【0096】
これに対して、検出された情報コード23の検出個数と搬送容器数とが一致する場合には(S121でYes)、ステップS123に示すデコード処理がなされる。この処理では、撮像画像に含まれる全ての情報コード23が公知のデコード方法に基づいてそれぞれ解読される。なお、上記ステップS123に示す処理を実行する制御部51および管理装置50は、「情報コード読取手段」の一例に相当し得る。
【0097】
続いて、ステップS125に示す未読タグ特定処理がなされ、上記デコード処理により解読された識別情報と、上記タグ情報・撮像画像受信処理により受信されたRFタグ30の識別情報とに基づいて、読み取れなかったRFタグ30の識別情報が特定される。そして、ステップS113に示す正常搬送報知処理がなされる。このとき、情報表示装置60および上位機器等に対して、さらに読み取れなかったRFタグ30の識別情報が出力される。これにより、情報表示装置60や上位機器等では、何らかの要因によりそのRFタグ30が読み取れなかっただけで、実際には読み取れなかったRFタグ30を付した容器20が搬送されていることを認識することができる。
【0098】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る無線タグ管理システムについて、
図16および
図17を用いて説明する。
本第5実施形態では、パレットに載置されて搬送される容器の個数を推定した結果を利用して搬送対象の物品に関する管理を行う点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0099】
本実施形態では、無線タグ管理システム10は、
図16に示すように、搬送される複数の容器20からなる集合体20aの形状を測定可能な形状測定装置80を備えている。この形状測定装置80は、例えば、集合体20aに対して照射されたレーザ光の反射光を計測することで、当該集合体20aの3次元形状を測定する測定手段として機能するように構成されている。形状測定装置80は、搬送されるパレットP上の集合体20aの3次元形状を測定可能に上記ゲートに設置されており、測定された集合体20aの3次元形状に関する形状データを管理装置50に出力するように構成されている。
【0100】
このように構成されることで、本実施形態に係る無線タグ管理システム10では、形状測定装置80にて測定された集合体20aの3次元形状から容器20の個数を推定することができる。これにより、本実施形態では、算出された搬送容器数だけでなく、形状測定装置80の測定結果に基づいて推定された容器20の個数をも考慮することで、実際に搬送されている物品の個数をより正確に把握することができる。
【0101】
以下、本実施形態において、管理装置50の制御部51にて行われる搬送状況管理処理について、
図17に示すフローチャートを用いて説明する。
上記第1実施形態と同様に搬送予定数が取得され(
図17のS101)、搬送容器数が算出されると(S103)、ステップS105bに示すタグ情報・形状データ受信処理がなされ、RFタグリーダ40にて読み取られたRFタグ30の読み取り結果を受信するための処理と形状測定装置80にて測定された集合体20aの形状データを受信するための処理とがなされる。そして、搬送予定数の物品を収容した各容器20がパレットPに載置され、このパレットPを搬送しているリフト車が上記ゲートを通過することで、RFタグリーダ40により各RFタグ30が一括して読み取られるとともに形状測定装置80により各容器20からなる集合体20aの3次元形状が測定されると、この読み取り結果がRFタグリーダ40から受信されるとともに集合体20aの形状データが形状測定装置80から受信される(S107bでYes)。
【0102】
次に、ステップS127に示す搬送個数推定処理がなされ、形状測定装置80から受信した形状データと記憶部53に記憶される容器20の寸法データとに基づいて、パレットPに載置されて搬送される容器20の個数が推定される。なお、上記ステップS127に示す処理を実行する制御部51および管理装置50は、「推定手段」の一例に相当し得る。
【0103】
続いて、ステップS109cに示す比較処理にて、上記搬送個数推定処理により推定された容器20の個数と、RFタグリーダ40により一括して読み取られたRFタグ30の個数と、上記搬送容器数算出処理にて算出された搬送容器数とが比較される。
【0104】
ここで、計画通りに搬送予定数の物品が搬送されていることから、推定された容器20の個数と読み取れたRFタグ30の個数と搬送容器数とが一致すると(S111cでYes)、ステップS113に示す正常搬送報知処理がなされる。これにより、情報表示装置60および上位機器等に対して正常搬送であることが報知される。
【0105】
一方、推定された容器20の個数と読み取れたRFタグ30の個数と搬送容器数とが一致しない場合にはステップS111cにてNoと判定される。そして、上述したステップS115の搬送エラー報知処理がなされ、情報表示装置60および上位機器等に対して搬送エラーであることが報知される。
【0106】
以上説明したように、本実施形態に係る無線タグ管理システム10では、搬送される複数の容器20からなる集合体20aの形状が形状測定装置80により測定され、この形状測定装置80による測定結果に基づいて搬送される容器20の個数が推定される。そして、推定された容器20の個数と算出された容器20の搬送容器数と読み取られたRFタグ30の個数とが比較される。
【0107】
このように、算出された容器20の搬送容器数だけでなく形状測定装置80による測定結果に基づいて推定された容器20の個数をも考慮することで、実際に搬送されている物品の個数を正確に把握しやすくなるので、物品の搬送状況に関する管理精度をより高めることができる。
【0108】
図18は、第5実施形態の変形例において管理装置50の制御部51で行われる搬送状況管理処理の流れを例示するフローチャートである。
上述したようにステップS109cに示す比較処理にて推定された容器20の個数と読み取れたRFタグ30の個数と搬送容器数とが一致するか否かについて判定されることに限らず、第5実施形態の変形例として、搬送容器数と読み取られたRFタグ30の個数とが一致しない場合に、推定された容器20の個数と搬送容器数との比較がなされてもよい。
【0109】
すなわち、
図18に例示するように、形状測定装置80から受信した形状データと容器20の寸法データとに基づいて搬送される容器20の個数を推定した後(S127)、上記第1実施形態と同様に、ステップS109の比較処理にて、RFタグリーダ40により一括して読み取られたRFタグ30の個数と、上記搬送容器数算出処理にて算出された搬送容器数とが比較され、両数値が一致すると(S111でYes)、推定された容器20の個数を考慮することなく、ステップS113に示す正常搬送報知処理がなされる。
【0110】
これに対して、一括して読み取られたRFタグ30の個数と搬送容器数とが一致しない場合には(S111でNo)、ステップS119aに示す比較処理にて、推定された容器20の個数と搬送容器数とが比較され、推定された容器20の個数と搬送容器数とが一致すると(S121aでYes)、ステップS113に示す正常搬送報知処理がなされる。一方、推定された容器20の個数と搬送容器数とが一致しない場合には(S121aでNo)、ステップS115に示す搬送エラー報知処理がなされる。
【0111】
これにより、実際に搬送予定数の物品が搬送されていることから算出された容器20の搬送容器数と読み取られたRFタグ30の個数とが一致するような場合にまで形状測定装置80の測定結果に基づいて推定された容器20の個数が考慮されることもないので、不要な比較のための処理を削減することができる。
【0112】
なお、上記第5実施形態の変形例では、ステップS127の搬送個数推定処理は、一括して読み取られたRFタグ30の個数と搬送容器数とが一致しないと判定された後、すなわち、ステップS111にてNoと判定された後に実施されてもよい。
【0113】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態に係る無線タグ管理システムについて、
図19を用いて説明する。
本第6実施形態では、パレットに付された無線タグを利用して当該パレットの搬送状況等を管理する点が主に上記第1実施形態,第2実施形態と異なる。このため、第1実施形態,第2実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0114】
本実施形態に係る無線タグ管理システム10では、
図19に示すように、搬送用のパレットPにそれぞれRFタグ(無線タグ)30aが1つ付されている。各RFタグ30aは、上述したRFタグ30と同様に構成されており、付されたパレットPを特定するためのシリアル番号等のパレット特定情報がそれぞれ記録されている。これにより、パレットPを用いて搬送される各容器のRFタグ30と当該パレットPに付されるRFタグ30aとがRFタグリーダ40により読み取られることで、そのRFタグ30aを付したパレットPが搬送に利用されていることを把握することができ、パレットPの搬送状況等を容易に管理することができる。
【0115】
そして、RFタグリーダ40により各RFタグ30およびRFタグ30aから読み取った情報が管理装置50に送信されることで、管理装置50は、読み取ったRFタグ30aから特定されるパレットPがどの容器20の搬送に利用されるかを把握できる。これにより、管理装置50は、搬送対象の物品の搬送先等、すなわち、パレットPの搬送先等を把握できるので、パレットPの搬送状況等を容易かつ正確に管理することができる。
【0116】
さらに、本発明に係る無線タグ管理システム10を入庫の際の搬送対象の物品およびパレットPに関する管理等にも採用することで、出荷(出庫)と入庫との双方を考慮したパレットPの管理を行うことができる。これにより、出荷先に出荷されたパレットPをも管理できるので、広範囲に利用されやすいパレットPであってもその搬送状況等を容易に管理することができる。
【0117】
特に、管理装置50は、上位機器から取得した製品出荷リストに基づいてその搬送に必要なパレットPの個数を算出することができる。このため、管理装置50は、その搬送に必要なパレットPの個数と上位機器から取得したパレットPの在庫数とに基づいて各パレットPの在庫状況を管理でき、その在庫状況に応じてパレットPの補充を促すための報知を上位機器等に対して行うことができる。
【0118】
図20は、第6実施形態の変形例に係る無線タグ管理システム10の要部を示す説明図である。
上記第6実施形態の変形例として、
図20に示すように、RFタグ30aが付されるパレットPには、そのRFタグ30aに記憶される情報に対応する情報がコード化された情報コード24が付されてもよい。
【0119】
これにより、管理装置50では、RFタグリーダ40から受信した情報により各RFタグ30が読み取られる際にRFタグ30aが読み取られていないと、RFタグ30aが読み取り不能な状態等であることを把握することができる。この場合には、情報表示装置60に対してパレットPに付された情報コード24を読み取る指示等を表示させることができる。そして、管理装置50では、その表示を見た作業者等により図略のコードリーダを用いて読み取られた情報コード24の情報を情報表示装置60から受信することで、どのパレットPが搬送に利用されているかを把握でき、かつ、そのパレットPに付されたRFタグ30aが読み取り不能な状態等であることを把握することができる。
【0120】
なお、パレットPに付されたRFタグ30aや情報コード24を利用して当該パレットPの搬送状況等を管理する本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態等にも適用することができる。
【0121】
[他の実施形態]
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)本発明に係る無線タグ管理システム10は、搬送予定数の物品がトラックまで搬送されたか否かを管理するシステムとして構成されることに限らず、例えば、入庫の際の入庫予定数の物品がトラック等から搬送されたか否かを管理するシステムとして構成されてもよい。この場合、上述した外部から取得した情報は、例えば、納入計画が記録されたデータベースを備えるサーバ等の上位機器から取得した納入明細書等に含まれる情報である。また、本発明に係る無線タグ管理システム10は、例えば、工程間等を予定数の物品が搬送されたか否かを管理するシステムとして構成されてもよい。
【0122】
(2)上記各実施形態では、搬送される全ての容器20が最大収容数の物品を収容して搬送される場合について説明したが、これに限らず、搬送に使用する最後の容器20には最大収容数未満の物品が収容されて搬送されてもよい。