特許第6683963号(P6683963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6683963連続発泡工程による多硬度・多弾性フォームマットレスの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6683963
(24)【登録日】2020年3月31日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】連続発泡工程による多硬度・多弾性フォームマットレスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/15 20060101AFI20200413BHJP
【FI】
   A47C27/15 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-545221(P2018-545221)
(86)(22)【出願日】2018年4月24日
(65)【公表番号】特表2019-528800(P2019-528800A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(86)【国際出願番号】KR2018004756
(87)【国際公開番号】WO2019050124
(87)【国際公開日】20190314
【審査請求日】2018年9月12日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0115426
(32)【優先日】2017年9月8日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518300032
【氏名又は名称】ディーユーティー コリア カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ヨン チェ
【審査官】 松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−027221(JP,A)
【文献】 特開昭55−071536(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2011−0101958(KR,A)
【文献】 特開2005−137596(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/14−27/20
B29C 45/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続発泡工程により複数個の単位フォームブロックが一体型に形成される多硬度・多弾性フォームマットレスの製造方法において、
成形プレート(10)の一側端部に複数個のノズル(20)を配置するステップと、
前記成形プレート(10)に配置された各ノズル(20)の間に分離壁(30)を設置するステップと、
前記成形プレート(10)の上部に離型紙(40)を積層するステップと、
前記ノズル(20)から噴射される発泡液(50)の移動速度に対応して、離型紙(40)が成形プレート(10)の他側端部の方向に移動する発泡液噴射ステップと、
複数個の単位フォームブロック(60)が、それぞれ異なる多硬度・多弾性を有する複数個のゾーン(zone)を成して一体型に形成されるように発泡成形するステップと、
を含んで構成されることを特徴とする連続発泡工程による多硬度・多弾性フォームマットレスの製造方法。
【請求項2】
前記単位フォームブロック(60)はポリウレタンフォームからなることを特徴とする請求項1に記載の連続発泡工程による多硬度・多弾性フォームマットレスの製造方法。
【請求項3】
前記複数個の単位フォームブロック(60)は5個〜9個であることを特徴とする請求項1に記載の連続発泡工程による多硬度・多弾性フォームマットレスの製造方法。
【請求項4】
前記フォームマットレス(100)は、長さ方向に沿って中央部に位置した単位フォームブロック(60)のゾーン(zone)を中心として、フォームマットレス(100)の長さ方向に沿って左右に配列されたそれぞれ異なる硬度および弾性を有する単位フォームブロックのうち、互いに対向して対称する部分に位置したゾーン(zone)の単位フォームブロック(60)が、同一の硬度および弾性を有するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の連続発泡工程による多硬度・多弾性フォームマットレスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬度および弾性がそれぞれ異なるポリウレタンフォームからなる複数個の単位フォームブロックが連続発泡工程によりフォームマットレスの長さ方向に沿って一体型に形成されたフォームマットレスを成形することで、フォームマットレスの製造方法が簡単であって生産性が高く、フォームマットレスの耐久性に優れて最適の体圧分散と体型維持の効果が実現可能であるとともに、フォームマットレスの長さ方向に沿って中央部に位置した単位フォームブロックを中心として対称する部分に位置したゾーン(zone)の単位フォームブロックが同一の硬度および弾性を有するようにすることで、フォームマットレスの位置を逆に変更して使用可能としたことを特徴とする、連続発泡工程による多硬度・多弾性フォームマットレスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、現代人は、交通手段の変化、セルフ運転、コンピュータの使用、テレビ視聴、競争的な学業または単純な繰り返し作業などのような生活方式の急激な変化により、頚椎と脊椎疾患が老若男女を問わず急激に増加している。特に、脊椎は、我が身の中央に位置して体重を支え、中枢神経である脊髄を保護する作用をする重要な身体組織であって、穏やかなS字状を呈する脊柱、腰を支える腰椎、椎骨(vertebrae)と椎骨とを連結する椎間板、およびこれらを囲んでいる靱帯などからなっている。
【0003】
一方、上記のような頚椎と脊椎疾患の予防管理のために、運動前の事前準備運動、正しい姿勢の維持および腰の筋肉強化に役に立つ持続的な運動、休息とストレッチングなどが進まれており、他の代案として、睡眠中に正しい姿勢が維持されるようにする寝具(bedding)の選択が浮かび上がっている。睡眠は、同じ姿勢を最も長時間維持する行為であり、日中に硬直していた腰筋肉と靱帯を和らぎ、圧迫されていた骨を弛緩させて骨格の形態をきちんと支えることのできるマットレスの開発が、何より重要な課題と言える。
【0004】
したがって、人体の各部位毎の体型特性を考慮し、マットレスの各領域毎に硬度と弾性をそれぞれ異ならせたマットレスの開発が活発に行われている。上記のように人体の各部位毎の体型に応じて、マットレスの各領域毎に硬度および弾性を異ならせて設定する場合、腰椎および胸椎屈曲を理想的に支持して最適の筋電図値を維持することができ、臀部を圧迫して弾性指示し、踵の陥凹と、大腿と下腿部位の体圧分散と体型維持を誘導することで、熟眠はいうまでもなく、間違った姿勢によって生じる筋骨格疾患の発生要因を睡眠中に自然に解消、矯正できるだけでなく、上記のような最適の体圧分散により、日中に硬直していた筋肉と靱帯を和らぎ、日中の活動によって圧迫されていた骨格を弛緩させることにより、筋肉の柔軟性を回復させることができる。
【0005】
上記のような効果を実現するために、各領域毎に硬度および弾性を異ならせて設定した開発初期のマットレスの従来技術として、特開平8‐228891号公報(1996年9月10日公開)に開示された発明は、3個の単位ブロックからなるスリーゾーン(3 zone)ウレタンマットレス(three‐zone urethane mattress)に関するものであって、その構造は、図1に示されたように、貫通孔13が最も密となるように形成された臀部クッション体11bと、貫通孔13が臀部クッション体11bに比べて密ではない上部および下部クッション体11a、11cと、の3個の単位ブロックからなっている。
【0006】
そして、近年、5個の単位ブロックからなるファイブゾーン(5 zone)マットレスが開発されている。米国特許出願公開第2012‐0260420号明細書(2012年10月18日公開)は、ベッディング装置およびベッドを形成する改善された方法に関するものであって、図2に示されたように、マットレス内に所定の圧縮弾性を有する挿入物を挿入することで、各領域毎に異なる弾性を有することを特徴とするマットレスに関する発明である。また、韓国登録特許第10‐1707713号公報(2017年2月10日登録)の互いに異なる弾性変形度を有する複数種類のポケットスプリングを含むマットレスは、互いに異なる弾性変形度を有するファイブゾーン(5 zone)マットレスに関するものであって、図3に示されたように、各単位ブロック毎に、マットレス内に互いに異なる弾性変形度を有する複数種類のポケットスプリングを内蔵させたマットレスに関する発明である。さらに、韓国登録特許第10‐1205824号公報(2012年11月22日登録)は、多硬度・多弾性マットレスの製造方法に関するものであって、本発明者が開発し登録を受けた特許であり、硬度および弾性がそれぞれ異なる第1ブロック、第2ブロック、および第3ブロックを用い、第1ブロックと第2ブロック、および第2ブロックと第3ブロックを一定間隔で離隔させて発泡金型内に配置し、離隔空間の間に発泡液を注入することで、第4ブロックおよび第5ブロックが第1ブロック、第2ブロック、および第3ブロックの間の空間で一体型に成形されるようにする、ファイブゾーン(5 zone)構造を有するマットレスの製造方法に関する発明である。
【0007】
しかし、上記の特開平8‐228891号公報(1996年9月10日公開)のマットレスは、臀部を中心として人の上体部分と下体部分のみを考慮し、マットレスを長さ方向に3個の単位ブロックで構成したスリーゾーン(3 zone)マットレスであり、上記の米国特許出願公開第2012‐0260420号明細書(2012年10月18日公開)は、ベッディング装置およびベッドを形成する改善された方法であり、韓国登録特許第10‐1707713号公報(2017年2月10日登録)は、互いに異なる弾性変形度を有する複数種類のポケットスプリングを含むマットレスであり、韓国登録特許第10‐1205824号公報(2012年11月22日登録)の多硬度・多弾性マットレスの製造方法によるマットレスは、5個の単位ブロックからなるファイブゾーン(5 zone)マットレスであって、人体の頭、首、肩、腰、臀部、大腿および下腿部分による各荷重を考慮しておらず、人体工学的に不適切に設計された構造を有するという問題があり、各単位ブロック毎にそれぞれ弾性が異なるため、マットレスの位置を逆に変更して使用することが不可能であるという問題があった。
【0008】
したがって、近年、上記のような問題を改善するための方法として、人体の頭、首、肩、腰、臀部、大腿、および下腿部分による各荷重を考慮して設計したマットレスとして、7個の単位ブロックからなるセブンゾーン(7 zone)マットレスが流行している。かかる構造のマットレスとして、韓国登録特許第10‐1734028号公報(2017年5月1日登録)のセブンゾーン(7 zone)マットレスは、図5に示されたように、マットレス内に互いに異なる弾性変形度を有するスプリングを内蔵させたマットレスである。上記のような構造を有するマットレスは、多数のスプリング部材を用いるため、その構造および製造方法が複雑であるだけでなく、高価のスプリング部材の使用によって製造コストおよび販売単価が上昇するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8‐228891号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2012‐0260420号明細書
【特許文献3】韓国登録特許第10‐1707713号公報
【特許文献4】韓国登録特許第10‐1205824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は、上記のような問題を解決するための方法として、硬度および弾性がそれぞれ異なるポリウレタンフォームからなる複数個の単位フォームブロックが連続発泡工程によりフォームマットレスの長さ方向に沿って一体型に形成されたフォームマットレスを成形することで、フォームマットレスの製造方法が簡単であって生産性が高く、フォームマットレスの耐久性に優れて最適の体圧分散と体型維持の効果が実現可能であることを特徴とする、連続発泡工程による多硬度・多弾性フォームマットレスの製造方法、およびその方法により製造されるフォームマットレスを提供することを課題とする。
【0011】
また、本発明は、フォームマットレスの単位フォームブロックの個数が5個〜9個であることが好ましく、フォームマットレスの長さ方向に沿って中央部に位置した単位フォームブロックを中心として対称する部分に位置したゾーン(zone)の単位フォームブロックが同一の硬度および弾性を有するようにすることで、フォームマットレスの位置を逆に変更して使用可能としたことを特徴とする、連続発泡工程による多硬度・多弾性フォームマットレスの製造方法、およびその方法により製造されるフォームマットレスを提供することを他の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するための本発明は、連続発泡工程により複数個の単位フォームブロックが一体型に形成される多硬度・多弾性フォームマットレスの製造方法において、成形プレート10の一側端部に複数個のノズル20を配置するステップと、前記成形プレート10に配置された各ノズル20の間に分離壁30を設置するステップと、前記成形プレート10の上部に離型紙40を積層するステップと、前記ノズル20から噴射される発泡液50の移動速度に対応して、離型紙40が成形プレート10の他側端部の方向に移動する発泡液噴射ステップと、複数個の単位フォームブロック60が、それぞれ異なる多硬度・多弾性を有する複数個のゾーン(zone)を成して一体型に形成されるように発泡成形するステップと、を含んで構成されることを特徴とする連続発泡工程による多硬度・多弾性フォームマットレスの製造方法を課題の解決手段とする。
【0013】
また、本発明は、前記方法によって連続発泡工程により前記複数個の単位フォームブロック60が一体型に成形されて製造されることを特徴とする多硬度・多弾性フォームマットレスを他の課題の解決手段とする。
【0014】
また、本発明で、前記単位フォームブロック60はポリウレタンフォームからなり、前記複数個の単位フォームブロック60は5個〜9個であり、前記フォームマットレス100は、長さ方向に沿って中央部に位置した単位フォームブロック60のゾーン(zone)を中心として、フォームマットレス100の長さ方向に沿って左右に配列されたそれぞれ異なる硬度および弾性を有する単位フォームブロックのうち、互いに対向して対称する部分に位置したゾーン(zone)の単位フォームブロック60が、同一の硬度および弾性を有するように構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
上記の課題解決手段による本発明は、硬度および弾性がそれぞれ異なるポリウレタンフォームからなる複数個の単位フォームブロックが連続発泡工程によりフォームマットレスの長さ方向に沿って一体型に形成されたフォームマットレスを成形することで、フォームマットレスの製造方法が簡単であって生産性が高く、フォームマットレスの耐久性に優れて最適の体圧分散と体型維持の効果が実現され、筋電図を低めて血流を改善することができ、熟眠の維持、筋肉の柔軟性の確保、骨格の理想的形態の維持に寄与し、フォームマットレスの長さ方向に沿って中央部に位置した単位フォームブロックを中心として対称する部分に位置したゾーン(zone)の単位フォームブロックが同一の硬度および弾性を有するようにすることで、フォームマットレスの位置を逆に変更して使用可能とする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来の技術による、3個の単位ブロックからなるスリーゾーン(3 zone)構造のウレタンマットレスを示した図である。
図2】従来の技術による、5個の単位ブロックからなるファイブゾーン(5 zone)構造のマットレスの側面内部を示した図である。
図3】従来の技術による、5個の単位ブロックからなるファイブゾーン(5 zone)構造のマットレスの側面内部を示した図である。
図4】従来の他の技術による、5個の単位ブロックからなるファイブゾーン(5 zone)構造の多硬度・多弾性マットレスを示した斜視図である。
図5】従来の他の技術による、7個の単位ブロックからなるセブンゾーン(7 zone)構造のマットレスを示した斜視図である。
図6】本発明の一実施形態による、連続発泡工程により製造された多硬度・多弾性フォームマットレスの内部側面を示した図である。
図7】本発明の一実施形態による連続発泡工程により多硬度・多弾性フォームマットレスを製造する工程を示したフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態による連続発泡工程により多硬度・多弾性フォームマットスを製造する過程を示した図である。
図9】本発明の一実施形態による連続発泡工程により多硬度・多弾性フォームマットレスを製造する過程を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
右側の端部に、ノズル20から噴射される発泡液50が成形プレート10の外部に流れ落ちないようにするために、発泡液50が流れる方向に沿って遮断壁70を設けてもよい。
【0018】
離型紙積層ステップ(P300)は、前記成形プレート10の上部に離型紙40を積層するステップであって、各ノズル20a〜20gから噴射される、それぞれ異なる多硬度・多弾性フォームを形成させる発泡液が、互いに混合せずに円滑に流れるようにする作用を果たす。
【0019】
発泡液噴射ステップ(P400)は、前記ノズル20から噴射される発泡液50の移動速度に対応して、離型紙40が成形プレート10の他側端部の方向に移動する発泡液噴射ステップであって、各ゾーン(zone)毎にそれぞれ異なる多硬度・多弾性フォームが形成されるようにする。
【0020】
前記離型紙40は、図8および図9に示されたように、ノズルが配置された成形プレート10の位置で、ノズル20から噴射される発泡液50が離型紙40の上部に円滑に積層されるように、成形プレート10の他側端部に装着された巻取り手段(不図示)により、ノズル20から噴射される発泡液50の移動速度に応じて成形プレート10の他側端部の方向に移動される。
【0021】
この場合、複数個の各ノズル20a〜20gから噴射される噴射液は、図6に示されたように、フォームマットレス100のdゾーン(zone)に配置される単位フォームブロック60dを中心として、cおよびe領域のゾーン(zone)に対向配置される単位フォームブロック60cと単位フォームブロック60eの弾性と硬度を同一にし、bおよびf領域のゾーン(zone)に対向配置される単位フォームブロック60bと単位フォームブロック60fの弾性と硬度を同一にし、aおよびg領域のゾーン(zone)に対向配置される単位フォームブロック60aと単位フォームブロック60gの弾性と硬度を同一にすることができるように、それぞれ異なる多硬度・多弾性フォームを形成させる発泡液を各ノズル20a〜20gに注入して噴射する。
【0022】
発泡成形ステップ(P500)は、複数個の単位フォームブロック60が、それぞれ異なる多硬度・多弾性を有する複数個のゾーン(zone)を成して一体型に形成されるように発泡成形するステップである。上記のステップにおいて、発泡成形は、発泡液の種類に応じて、常温で3〜20分間放置すると発泡フォームが形成されてフォームマットレス100の形態に成形され、各領域(a〜g)のゾーン(zone)毎にそれぞれ異なる多硬度・多弾性を有する複数個の単位フォームブロック60a〜60gが一体型に成形された多硬度・多弾性フォームマットレス100が製造される。
【0023】
この際、前記複数個の単位フォームブロック60はポリウレタンフォームからなり、前記複数個の単位フォームブロック60は5個〜9個であることが好ましく、単位フォームブロックが構成するゾーン(zone)の個数が必ずしも上記で限定したゾーン(zone)の個数に制限されるものではない。
【0024】
上記における発泡成形時間が上記で限定した時間未満である場合には、フォームマットレスが十分に発泡成形されない恐れがあり、上記で限定した時間を超える場合には、生産性が低下する問題が発生する恐れがある。
【0025】
特に、本発明により製造される多硬度・多弾性フォームマットレス100は、 長さ方向に沿って中央部に位置した単位フォームブロック60のゾーン(zone)を中心として、フォームマットレス100の長さ方向に沿って左右に配列されたそれぞれ異なる硬度および弾性を有する単位フォームブロックのうち、互いに対向して対称する部分に位置したゾーン(zone)の単位フォームブロック60が、同一の硬度および弾性を有するように構成されることを特徴とする。
【0026】
したがって、本発明による多硬度・多弾性フォームマットレス100は、連続発泡工程により製造することで、製造方法を単純化させることができるため、製造コストおよび販売単価を低減するとともに、マットレスの強固性および寿命を増加させることを特徴とする。
【0027】
参照に、本発明による多硬度・多弾性フォームマットレス100は、各領域a〜gのゾーン(zone)毎にそれぞれ異なる多硬度・多弾性を有する複数個の単位フォームブロック60a〜60gで構成され、このような単位フォームブロックは、LR(Low Resilience foam)、MR(Medium Resilience foam)、HR(High Resilience foam)の1つ以上の硬度を設定して製造する。
【0028】
上記において、各等級毎の弾性体の硬度範囲は、例えば、ショアF(Shore F)
硬度を基準として、LR(Low Resilience foam)は15〜25、MR(Medium Resilience foam)は35〜50、HR(High Resilience foam)は25〜35と区分可能であり、弾性は、反発弾性(ball rebound)数値を基準として、LRは5〜10%、MRは10〜15%、HRは50〜70%であることが好ましい。しかし、前記各等級における弾性体の硬度範囲が必ずしも上記の数値に限定されるものではなく、製造者の必要または需要者の要求に応じて適切に調整可能である。
【0029】
前記単位フォームブロックは、単位フォームブロック(60aおよび60g、60bおよび60f、60cおよび60e)を互いに対向して対称に一定間隔離隔させ、人がマットレスに寝ている時の体圧分散領域を考慮して適宜配置する。
【0030】
前記の通り本発明の実施形態に係る連続発泡工程による多硬度・多弾性フォームマットレスの製造方法、およびその方法により製造されるフォームマットレスは、フォームマットレスの製造方法が簡単であって生産性が高く、フォームマットレスの耐久性に優れて最適の体圧分散と体型維持の効果が実現され、筋電図を低めて血流を改善することができ、熟眠の維持、筋肉の柔軟性の確保、骨格の理想的形態の維持に寄与し、特に、フォームマットレスの単位フォームブロックの個数が5個〜9個であることが好ましく、フォームマットレスの長さ方向に沿って中央部に位置した単位フォームブロックを中心として対称する部分に位置したゾーン(zone)の単位フォームブロックが同一の硬度および弾性を有するようにすることで、フォームマットレスの位置を逆に変更して使用可能とする効果がある。
【0031】
以上、添付図面に基づき、本発明の実施形態に係る連続発泡工程による多硬度・多弾性フォームマットレスの製造方法、およびその方法により製造されるフォームマットレスについて説明したが、これは単なる例示に過ぎず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の変形及び変更が可能であるということはこの分野における通常の技術者にとって自明である。
【0032】
本発明は、連続発泡工程により複数個の単位フォームブロックが一体型に形成される多硬度・多弾性フォームマットレスの製造方法において、成形プレート10の一側端部に複数個のノズル20を配置するステップと、前記成形プレート10に配置された各ノズル20の間に分離壁30を設置するステップと、前記成形プレート10の上部に離型紙40を積層するステップと、前記ノズル20から噴射される発泡液50の移動速度に対応して、離型紙40が成形プレート10の他側端部の方向に移動する発泡液噴射ステップと、複数個の単位フォームブロック60が、それぞれ異なる多硬度・多弾性を有する複数個のゾーン(zone)を成して一体型に形成されるように発泡成形するステップと、を含んで構成されることを特徴とする連続発泡工程による多硬度・多弾性フォームマットレスの製造方法を発明の実施のための形態とする。
【0033】
また、本発明は、前記連続発泡工程による多硬度・多弾性フォームマットレスの製造方法によって連続発泡工程により前記複数個の単位フォームブロック60が一体型に成形されて製造されることを特徴とする多硬度・多弾性フォームマットレスを発明の実施のための他の形態とする。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、硬度および弾性がそれぞれ異なるポリウレタンフォームからなる複数個の単位フォームブロックが連続発泡工程によりフォームマットレスの長さ方向に沿って一体型に形成されたフォームマットレスを成形することで、フォームマットレスの製造方法が簡単であって生産性が高いため、産業上の利用可能性が高いと期待される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9