特許第6683985号(P6683985)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6683985生分解性植物繊維原料粒の組成物、及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6683985
(24)【登録日】2020年3月31日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】生分解性植物繊維原料粒の組成物、及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 97/00 20060101AFI20200413BHJP
   C08L 3/00 20060101ALI20200413BHJP
   C08L 89/00 20060101ALI20200413BHJP
   C08L 1/02 20060101ALI20200413BHJP
   C08J 3/00 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   C08L97/00
   C08L3/00
   C08L89/00
   C08L1/02
   C08J3/00
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-169648(P2019-169648)
(22)【出願日】2019年9月18日
【審査請求日】2019年9月30日
(31)【優先権主張番号】108102795
(32)【優先日】2019年1月24日
(33)【優先権主張国】TW
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519338979
【氏名又は名称】王 正雄
(73)【特許権者】
【識別番号】318003582
【氏名又は名称】株式会社アミカテラ
(73)【特許権者】
【識別番号】000111487
【氏名又は名称】ハウス食品グループ本社株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】王 正雄
【審査官】 安田 周史
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2003/074242(WO,A1)
【文献】 特開2003−011108(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 97/00
C08L 3/00
C08L 89/00
C08L 1/02
C08J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物繊維粉末40〜60%、デンプン20〜30%、デンプンを発酵してなる植物性ガム粉末10〜20%、水溶性高分子膠5〜10%、及びセルロース〜5%を含む、生分解性植物繊維原料粒の組成物。
【請求項2】
前記植物繊維粉末は、天然植物の茎、樹皮、葉又は果皮繊維原料とし、粉砕、乾燥処理した後、含水率20%以下に加工した粉末である、請求項1に記載の生分解性植物繊維原料粒の組成物。
【請求項3】
前記デンプンは、小麦、ジャガイモ、トウモロコシ、さつまいも、キャッサバ、れんこん、米、又は藻類植物由来のものである、請求項1に記載の生分解性植物繊維原料粒の組成物。
【請求項4】
竹酢液2〜5%を更に含む、請求項1に記載の生分解性植物繊維原料粒の組成物。
【請求項5】
以下工程A〜Hを有する、生分解性植物繊維原料粒の製造方法。
A.請求項1に記載の組成物原料を取得し、原料粒の予定される加工製品及び加工成形方法に応じて各原料の比率を適切に調整する、原料の取得工程
B.繊維粉を第1混練機に入れ、10〜30分間、40〜60℃、600〜1200RPMの条件で高速回転して混練することで、繊維粉を軟化させる、繊維粉の混錬工程
C.デンプン及びセルロース第2混練機に入れ、10〜20分間、600〜1200RPMの条件で高速回転して混練することで、粉末顆粒の流動性を活性化する、デンプンの混錬工程
D.植物性ガム粉末を第3混練機に入れ、10〜40分間、100RPM以下の転速の条件で回転して混練することで、粘稠の状態にする、植物性ガム粉末の混練工程
E.混練した繊維粉、デンプン、植物性ガム粉末、及び水溶性高分子膠を第4混練機に入れ、10〜40分間撹拌し、温度を40〜80℃に設定し、混合原料を均一に混練する、一括混練工程
F.一端に原料投入口を設け、もう一端に原料取出口を設け、前記原料投入口と原料取出口の間に搬送ユニットを設けている成形装置内に混合原料を投入し、前記搬送ユニットによって原料投入口端から原料取出口端に搬送しながら回転撹拌するとともに加熱し、前記原料取出口を通って、複数の紐状のストランドに押出成形する、ストランド成形工程
G.前記ストランドに対し、先第1冷却システムで冷却した後、前記ストランドをカットユニットによって粒状の原料粒に切断する、切断造粒工程
H.切断した原料粒を第2冷却システムで冷却し、貯蔵桶に搬送した後、製品の包装を行う、原料粒の冷却工程
【請求項6】
前記成形装置の搬送ユニットは、2本の動力スクリューから構成され、
各前記動力スクリューは、複数段に分ける4本の搬送ロッドから構成され、
各搬送ロッドの外縁に羽根が設けられ、
前記原料投入口に位置する第1搬送ロッドの羽根のサイズは、他の搬送ロッドの羽根より大きく、
前記原料取出口に位置する第4搬送ロッドの羽根のサイズは、他の搬送ロッドの羽根より小さく、
前記搬送ユニットによって前記混合原料を搬送する場合、
先ず、第1、第2搬送ロッドによって混合原料を均一に撹拌した後、前記第3、第4搬送ロッドによって順次混合原料を押出し、
次に、温度調整装置によって各搬送ロッドの温度を140〜190℃に制御し、前記成形装置において、前記第1、第2搬送ロッドに対応する位置に複数の排気管を設け、前記排気管は、真空機と接続され、前記第1、第2搬送ロッドで混合原料を撹拌、搬送する際に、水分や水蒸気を排気管を介して外に排出させ、
また、前記原料取出口に成形用押出盤を設け、前記押出盤に複数の開孔を形成し、前記混合原料を押出し、前記開孔を通って紐状のストランドに成形する、
請求項5に記載の生分解性植物繊維原料粒の製造方法。
【請求項7】
前記第1冷却システムは、搬送ステージ、前記搬送ステージの末端に設ける動力装置、及び前記搬送ステージの上方に設ける複数のファンを備え、
前記ストランドを押出成形した後、前記搬送ステージの上に乗せて、その外周を前記動力装置に設置し、
持続的に前記ストランドを押出成形すると同時に前記動力装置を作動して移動する場合、ストランドを前記ファンにより風を吹きかけて冷却し、
前記カットユニットは、隣接する前記動力装置の外側に設け、
前記ストランドは、動力装置を通った後、前記カットユニットによって原料粒に切断される、
請求項5に記載の生分解性植物繊維原料粒の製造方法。
【請求項8】
前記カットユニットは、カッター台の上にモーターを設け、前記モーターによってカッター刃を回転させ、
前記カッター刃の半径は、前記搬送ステージの面幅より大きく、
前記ストランドは、動力装置を通った後、前記カッター刃によって原料粒に切断される、
請求項5又は7に記載の生分解性植物繊維原料粒の製造方法。
【請求項9】
前記第2冷却システムは、原料収集桶、第1送風機、第1冷却桶、第2冷却桶、第2送風機、及び貯蔵桶を備え、
前記原料収集桶と第1冷却桶の間に第1管路を設け、前記第1冷却桶と第2冷却桶の間に第1第2管路を設け、前記第2冷却桶と貯蔵桶の間に第3管路を設け、
前記第1送風機は、前記第1管路に設け、前記第2送風機は、前記第3管路に設け、
前記原料粒を切断成形した後、前記原料収集桶内に落下し、まず、原料粒を前記第1送風機によって前記第1冷却桶に送り込み、前記第1冷却桶内の原料粒を前記第2送風機によって前記貯蔵桶内に送り込む、
請求項5に記載の生分解性植物繊維原料粒の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工成形機に用いられる原料粒の組成物成分、及びその製造方法に関する。特に、原料として天然植物繊維、デンプン等を利用して原料粒を製作する製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展につれて、現代の日常生活において、プラスチック製品がますます増えている。プラスチックは、安価に生産でき、性質の多様性を有し、手軽であるため、生活の便利さに寄与する。しかしながら、プラスチック製品が自然に分解できず、適当に捨てられる場合、海に流れ、海流に乗って世界中に流れることになる。その結果、色々な海の生物は、プラスチックを誤食することで死亡したり、プラスチック製品に絡みつかれることで、動きが制限され、又は摂食できなくなる。海洋生態系に対するダメージだけでなく、プラスチックが食物連鎖中に蓄積された結果、人間にも害が及ぶ。海洋ゴミは、健康及び自然生態系に害を及ぼすだけでなく、政府、地元住民の生活、及び経済の損失に影響を与える。その中でも、漁業、観光業、及び海運業に対するダメージが一番大きい。また、ほとんどのプラスチックは、加熱すると毒素を生じて人体に害を及ぼす。一番良い解決方法は、プラスチック製品の使用を停止し、自然に分解できる代替材料を使用することである。現在、代替材料として、紙製品、又は木材、繊維等天然材料で製造したもの、例えば、植物繊維で製造した碗、カップ、ストロー、又は瓶等が知られている。上記繊維材料製品の製造において、製品に応じて異なる加工機、例えば、射出成形、押出成形、又はブロー成形等で製造する。製品の加工成形技術に応じて、その処方及び原料粒の製造プロセスを変更しなければならない場合があり、始まったばかりの環境保護産業の普及にとって非常に望ましくない。それゆえ、如何に異なる加工機に用いられる原料粒を同じ原料処方及び製造プロセスで製造するかは、業界の開発目標となっている。
それに鑑みて、本発明者たちは、前記課題に対して鋭意検討を行い、長年の業界における開発及び製造の経験に基づいて積極的に解決方法を探した。長期の研究及び発展を経た結果、従来の課題を改善するための、本発明の「生分解性植物繊維原料粒の組成物、及びその製造方法」の開発に成功した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の主な目的は、「生分解性植物繊維原料粒の組成物、及びその製造方法」を提供する。本発明によれば、植物繊維原料粒の生産において、同じ原料処方を利用してその配合比率の調整のみで、同じ製造プロセスを経て、射出成形、押出成形、又はブロー成形等加工機に用いられる原料粒を製造できる。よって、環境保護製品の生産性及び実用性を向上できる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明の「生分解性植物繊維原料粒の組成物、及びその製造方法」において、その原料粒の配合比率としては、植物繊維粉末40〜60%、デンプン20〜30%、デンプンを発酵してなる植物性ガム粉末10〜20%、水溶性高分子膠5〜10%、及びセルロース〜5%である。
また、製造プロセスは、下記工程を有する。
A.<原料の取得>
上記植物繊維粉末、デンプン、デンプンを発酵してなる植物性ガム粉末、水溶性高分子膠、及びセルロースの原料を取得する。原料粒の加工製品、及び加工成形方法に応じて、各原料の比率を適切に調整する。即ち、原料粒の処方は同じであるが、その比率は、射出成形用、押出成形用又はブロー成形用等加工に応じて相違がある。なお、その比率の相違は、上記原料比率の範囲内に収める。
B.<繊維粉の混練>
繊維粉を第1混練機に入れ、10〜30分間、40〜60℃、600〜1200RPMの条件で高速回転して混練することで、繊維粉を軟化させる。
C.<デンプンの混練>
デンプン及びセルロース第2混練機に入れ、10〜20分間、600〜1200RPMの条件で高速回転して混練することで、粉末顆粒の流動性を活性化する。
D.<植物性ガム粉末の混練>
植物性ガム粉末を第3混練機に入れ、10〜40分間、100RPM以下の転速の条件で回転して混練することで、粘稠の状態となる。
E.<一括混練>
混練した繊維粉、デンプン、植物性ガム粉末、及び水溶性高分子膠を第4混練機に入れ、10〜40分間撹拌し、温度を40〜80℃に設定し、混合原料を均一に混練する。
F.<ストランドの成形>
成形装置は、その一端に原料投入口を設け、もう一端に原料取出口を設け、前記原料投入口と原料取出口の間に搬送ユニットを設ける。混合原料を前記成形装置内に投入し、前記搬送ユニットによって原料投入口端から原料取出口端に搬送しながら回転撹拌するとともに加熱し、前記原料取出口を通って、複数の紐状のストランドに押出成形する。
G.<切断造粒>
前記ストランドに対し、先ず第1冷却システムで冷却した後、前記ストランドをカットユニットによって粒状の原料粒に切断する。
H.<原料粒の冷却>
切断した原料粒を第2冷却システムで冷却し、貯蔵桶に搬送した後、製品の包装を行う。
従って、上記処方及び製造プロセスにより、配合比率の調整のみで、同じ製造プロセスによって異なる加工機に用いられる植物繊維原料粒を製造できる。
以下、本発明の上記目的、構成及び特徴を更に深く具体的に理解できるように、好ましい実施例を挙げ、図面を参照しながら本発明の技術、手段、効果を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明の原料処方に従い混練しストランドに加工する模式図。
図2】本発明の第1冷却システム及びカットユニットを示す模式図。
図3】本発明の第2冷却システムの構成構造及びその使用の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1〜3に示すように、本発明の「生分解性植物繊維原料粒の組成物、及びその製造方法」において、その繊維原料粒の配合比率は、植物繊維粉末40〜60%、デンプン20〜30%、デンプンを発酵してなる植物性ガム粉末10〜20%、水溶性高分子膠5〜10%、及びセルロース〜5%である。その製造設備は、複数の混練機11、12、13、14、成形装置20、第1冷却システム30、カットユニット40、及び第2冷却システム50を備える。その製造プロセスは、下記工程を有する。
【0007】
A.<原料の取得>
繊維原料粒の処方原料をそれぞれ取得する。その処方原料は、植物繊維粉末40〜60%、デンプン20〜30%、デンプンを発酵してなる植物性ガム粉末10〜20%、水溶性高分子膠5〜10%、及びセルロース〜5%等を含む。そのうち、前記植物繊維粉末は、天然植物の茎、樹皮、葉又は果皮等を繊維原料とし、粉砕、乾燥処理した後、含水率が20%以下の粉末に加工する。その粒度は約100〜200メッシュ程度である。前記デンプンは、小麦、ジャガイモ、トウモロコシ、さつまいも、キャッサバ、れんこん、米、又は藻類等の植物由来のものであってもよい。前記植物性ガム粉末は、デンプンに発酵菌株を加えて発酵してなる植物性ガム粉末である。前記水溶性高分子膠は、植物性ガムの粘度を調整するための一般的な高分子膠である。前記セルロース、増粘するために用いられる。原料粒の予定される製作加工製品、及び加工成形方法に応じて、上記各原料の比率を適切に調整する。即ち、原料粒の処方が同じであるが、その比率は、射出成形用、押出成形用、プレス成形用、丸棒成形用、熱間押出成形用、又はブロー成形用等加工に応じて相違がある。なお、その比率の相違は、上記原料比率の範囲内に収める。
B.<繊維粉の混練>
繊維粉を第1混練機11に入れ、10〜30分間、40〜60℃、600〜1200RPMの条件で高速回転して混練することで、繊維粉を軟化させる。また、植物繊維に残った農薬を分解するために、必要に応じて竹酢液2〜5%を添加してもよい。
【0008】
C.<デンプンの混練>
デンプン及びセルロース第2混練機12に入れ、10〜20分間、600〜1200RPMの条件で高速回転して混練することで、粉末顆粒の流動性を活性化する。
D.<植物性ガム粉末の混練>
植物性ガム粉末を第3混練機13に入れ、10〜40分間、100RPM以下の転速の条件で回転して混練することで、粘稠の状態となる。
E.<一括混練>
工程B、C、Dにてそれぞれ混練した繊維粉、デンプン、植物性ガム粉末、及び水溶性高分子膠を第4混練機14に入れ、10〜40分間撹拌し、温度を40〜80℃に設定し、混合原料を均一に混練する。
【0009】
F.<ストランドの成形>
成形装置20は、その一端に混合原料を投入する原料投入口21を設け、もう一端に原料取出口22を設け、前記原料投入口21を混合原料の投入に供し、前記原料取出口22に成形用押出盤23を設け、前記押出盤23に複数の開孔231を形成し、前記原料投入口21と原料取出口22の間に搬送ユニット24を設ける。混合原料を前記成形装置20に投入し、前記搬送ユニット24によって原料投入口21端から原料取出口22端に搬送しながら回転撹拌するとともに加熱し、前記押出盤23を通って、外に向かって複数の紐状のストランドに押出成形する。
そして、前記搬送ユニット24は2本の動力スクリュー25から構成され、各前記動力スクリュー25は複数段に分ける4本の搬送ロッド251、252、253、254から構成される。各搬送ロッド251、252、253、254の外縁に羽根255を設ける。また、前記原料投入口21に位置する第1搬送ロッド251の羽根255のサイズは、他の搬送ロッド252、253、254の羽根255より大きい。前記原料取出口22に位置する第4搬送ロッド254の羽根255のサイズは、他の搬送ロッド251、252、253の羽根255より小さい。つまり、前記搬送ロッド251、252、253、254の外縁の羽根255は、前記原料投入口21端から前記原料取出口22の方向に徐々に小さくなる。なお、複数の温度調整装置(図示せず)によって各搬送ロッド251、252、253、254の温度を140〜190℃に制御する。また、前記成形装置20において、前記第1、第2搬送ロッド251、252に対応する位置に複数の排気管26を設ける。前記排気管26は、真空機27と接続され、前記第1、第2搬送ロッド251、252によって混合原料を撹拌、搬送する際に、水分や水蒸気を排気管26を介して外に排出させる。それによって、前記搬送ユニット24によって前記混合原料を搬送する場合、先ず、第1、第2搬送ロッド251、252によって混合原料を均一に撹拌した後、前記第3、第4搬送ロッド253、254によって混合原料を徐々に外に押出すことで、紐状のストランドに成形する。
【0010】
G.<切断造粒>
前記ストランドに対し、まず前記第1冷却システム30で冷却した後、前記ストランドをカットユニット40によって粒状の原料粒に切断する。前記第1冷却システム30は、搬送ステージ31、前記搬送ステージ31の末端に設ける動力装置32、及び前記搬送ステージ31の上方に設ける複数のファン33を備える。前記搬送ステージ31の上に、前記ストランドを載せて移動させる複数のローラー311を設ける。また、ストランドをコンベアベルトによって搬送してもよい。なお、前記動力装置32は、前記ストランドを移動させる動力源であり、上下対向するロール321から構成される。前記二つのロール321は、一定の距離を置いて離れ、動力源322によって回転できる。搬送する時に、前記ストランドを押出成形した後、前記搬送ステージ31の上に乗せて、前記二つのロール321によってストランドの外周を挟む。持続的に前記ストランドを押出成形すると同時に、前記動力源322を作動して、前記動ストランドを搬送ステージ31の上で移動させる。ストランドの移動途中に、前記ファン33により風を吹きかけて冷却する。
【0011】
そして、前記カットユニット40は、隣接する前記二つのロール321の外側に設ける。カッター台41の上にモーター42を設け、前記モーター42によってカッター刃43を回転させる。前記カッター刃43の半径は、前記搬送ステージ31の面幅より大きい。前記ストランドは、前記二つのロール321を通って、回転しているカッター刃43によって原料粒に切断する。また、前記モーター42の底部とカッター台41の間にスライドレール44を設ける。前記スライドレール44によって前記モーター42を移動することで、前記カッター刃43の切断位置を調整できる。
【0012】
H.<原料粒の冷却>
切断した原料粒を搬送しながら第2冷却システム50で冷却する。前記第2冷却システム50は、原料収集桶51、第1送風機52、第1冷却桶53、第2冷却桶54、第2送風機55、及び貯蔵桶56を備える。前記原料収集桶51と第1冷却桶53の間に第1管路57を設け、前記第1冷却桶53と第2冷却桶54の間に第1第2管路58を設け、前記第2冷却桶54と貯蔵桶56の間に第3管路59を設ける。また、前記第1送風機52は、前記第1管路57における適切な箇所に設ける。前記第2送風機55は、前記第3管路59における適切な箇所に設ける。前記原料粒を切断成形した後、前記原料収集桶51内に落下、又は投入する。そして、原料粒を前記第1送風機52によって前記第1冷却桶53に送り込んだ後、前記第1冷却桶53内の原料粒を前記第2送風機55によって貯蔵桶56内に送り込む。前記貯蔵桶56の底部に原料落下口561を設け、原料落下口561の下に包装袋を置くことで、包装作業を行うことができる。従って、上記処方及び製造プロセスにより、配合比率の調整のみで、同じ製造プロセスによって異なる加工機に用いられる植物繊維原料粒を製造し、植物原料粒の生産、製造効率を向上することができ、産業の発展の促進に役立つ。
上記をまとめて、本発明は、同じ種類の製品と比べて優れた進歩性及び実用性を有する。また、本発明は、同類構成の国内外の技術資料及び文献を調べた結果、同じ構造が先に存在したことが見つからなかったため、新規性を有する。よって、法律に従って申請する。
上記実施例は、あくまで本発明を説明するための一例である。当業者が実施例に基づいて本発明の精神を逸脱しない範囲でなされた変更、改良及び応用は、当然、本発明の請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0013】
11 第1混練機
12 第2混練機
13 第3混練機内部
14 第4混練機内部
20 成形装置
21 原料投入口
22 原料取出口
23 押出盤
231 開孔
24 搬送ユニット
25 動力スクリュー
251 第1搬送ロッド
252 第2搬送ロッド
253 第3搬送ロッド
254 第4搬送ロッド
255 羽根
26 排気管
27 真空機
30 第1冷却システム
31 搬送ステージ
311 ローラー
32 動力装置
321 ロール
322 動力源
33 ファン
40 カットユニット
41 カッター台
42 モーター
43 カッター刃
44 スライドレール
50 第2冷却システム
51 原料収集桶
52 第1送風機
53 第1冷却桶
54 第2冷却桶
55 第2送風機
56 貯蔵桶
561 原料落下口
57 第1管路
58 第2管路
59 第3管路
【要約】
【課題】生分解性植物繊維原料粒の組成物、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】その原料粒は、成分として、植物繊維粉末40〜60%、デンプン20〜30%、デンプンを発酵してなる植物性ガム粉末10〜20%、水溶性高分子膠5〜10%、及びセルロースタンパク質3〜5%を含有する。
その製造プロセスは、主に
製造方法に応じて上記配合の比率を適切に調整し、繊維粉、デンプン、及び植物性ガム粉末を、それぞれ別の混練機で10〜40分間回転混練した上で、すべての配合成分を第4混練機で一括撹拌混練することで、混合原料を得る工程、及び
その後、前記混合原料を成形装置内にて複数のストランドに成形し、前記ストランドをカットユニットによって粒状の原料粒に切断し、冷却後、原料粒製品を包装する工程を有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3