(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の計測位置からそれぞれ計測された対象物の点群データについて、当該点群データをその計測元である計測位置ごとのグループに規定した表示形式に対応付ける対応前付与部と、
複数の前記点群データのグループを1つの座標系に統合するときに、それぞれ異なるグループに属する点どうしが前記座標系内で対応する座標位置に存在するときには、それらの点の表示形式を前記対応前付与部が対応付けたどのグループの表示形式とも異なる表示形式に変更する対応後付与部と、
前記対応前付与部が対応付けた表示形式と、前記対応後付与部が対応付けた表示形式とに従って、前記座標系に統合された点群データを表示する対応後表示部とを有し、
前記対応前付与部は、CMYKカラーモデルにおける単色であるマゼンタ、シアン、イエローを、前記点の表示色として3つのグループごとの表示形式に割り当て、
前記対応後付与部は、2つのグループの点どうしが対応付けられるときには、その点の表示色として前記対応前付与部が割り当てた2色の減法混色であるレッド、グリーン、ブルーとし、3つのグループの点どうしが対応付けられるときには、その点の表示色として前記対応前付与部が割り当てた3色の減法混色であるブラックとすることを特徴とする
点群処理装置。
複数の計測位置からそれぞれ計測された対象物の点群データについて、当該点群データをその計測元である計測位置ごとのグループに規定した表示形式に対応付ける対応前付与部と、
複数の前記点群データのグループを1つの座標系に統合するときに、それぞれ異なるグループに属する点どうしが前記座標系内で対応する座標位置に存在するときには、それらの点の表示形式を前記対応前付与部が対応付けたどのグループの表示形式とも異なる表示形式に変更する対応後付与部と、
前記対応前付与部が対応付けた表示形式と、前記対応後付与部が対応付けた表示形式とに従って、前記座標系に統合された点群データを表示する対応後表示部とを有し、
前記対応前付与部は、RGBカラーモデルにおける単色であるレッド、グリーン、ブルーを、前記点の表示色として3つのグループごとの表示形式に割り当て、
前記対応後付与部は、2つのグループの点どうしが対応付けられるときには、その点の表示色として前記対応前付与部が割り当てた2色の加法混色であるマゼンタ、シアン、イエローとし、3つのグループの点どうしが対応付けられるときには、その点の表示色として前記対応前付与部が割り当てた3色の加法混色であるホワイトとすることを特徴とする
点群処理装置。
前記複数の計測位置からそれぞれ計測された対象物の点群データは、前記立体形状マージ部が扱う前記立体形状データを計算機内の仮想空間に構築し、その仮想空間内での仮想的な計測装置から計測シミュレーションとして取得したものであることを特徴とする
請求項3に記載の点群処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、点群処理装置500の構成図である。
点群処理装置500は、ディスプレイ1と、キーボード2と、マウス3と、インタフェース部4と、CPU(Central Processing Unit)5と、記憶装置400とを含めて構成されるコンピュータである。
CPU5は、各処理部(入力処理部100と、計算部300と、出力処理部200)を実現するためのプログラムを読み込んで実行することで、これらの各処理部をメモリ内に構築する。
【0013】
図2は、
図1の点群処理装置500の詳細を示す構成図である。
入力処理部100は、レーザ計測部101と、立体形状入力部102とを有する。
出力処理部200は、点群表示部201と、混色表示部202と、マージ後表示部203とを有する。出力処理部200の各表示部201〜203は、それぞれの表示データをインタフェース部4を介してディスプレイ1に出力することで、ユーザに表示画面を確認させる。さらに、出力処理部200は、ディスプレイ1に出力する代わりに、出力データを図示しない印刷装置に出力(印刷)してもよい。
計算部300は、点群着色部301と、対応後混色部302と、立体形状マージ部303とを有する。
記憶装置400は、点群データ記憶部401と、立体形状記憶部402とを有する。
【0014】
図3は、
図1の点群処理装置500の動作を示すフローチャートである。
まず、
図3を参照して、
図2の各構成要素の概要を説明する。
S11として、レーザ計測部101は点群データの入力を受け付け、入力された点群データを点群データ記憶部401に格納する。
S12として、立体形状入力部102は立体形状データの入力を受け付け、入力された立体形状データを立体形状記憶部402に格納する。
S13として、点群着色部301は点群データ記憶部401の点群データを計測元の計測装置ごとにグループ化し、同じグループの点群データに同じ色を着色する。この着色結果は、点群表示部201からディスプレイ1に画面表示される(詳細は
図5)。
S14として、対応後混色部302はS13の各グループの点群データ間を点群の空間位置に基づいて対応付け、対応付けがなされた点群データどうしに対して、S13で着色した色どうしを混色した別の色を割り当てる。この混色結果は、混色表示部202からディスプレイ1に画面表示される(詳細は
図6)。
S15として、立体形状マージ部303はS14で色が付いた点群データと、S12で入力された立体形状データとをマージして同じ表示画面に重ねて表示する。このマージ結果は、マージ後表示部203からディスプレイ1に画面表示される(詳細は
図4)。
【0015】
図4は、現場のプラントの立体図である。
プラント内の構造物M1,M2,M3を計測対象とする。これらの構造物は、S12で入力される立体形状データでも示される。構造物の近傍に、計測装置の計測位置P1,P2,P3(
図4では構造物M2の背後にあり
図5で説明)を設定する。これらの計測位置(視点)から構造物に向かって計測装置がレーザを照射することにより、計測結果としての点群データを計測位置ごとに取得する。
また、
図4は、S15で表示される表示画面でもある。対応後混色部302は、立体形状(構造物M1,M2,M3)にマージした点群データについて、構造物の面を着色することにより、どの構造物をどの計測位置から測定したかをわかりやすく表示する。
【0016】
例えば、構造物M1,M2のうちの計測位置P1に近い面は、計測位置P1のグループ色C1が着色されている。また、構造物M3の右側の面は、計測位置P3のグループ色C3が着色されている。これらのグループ色C1,C3は、それぞれS13で着色された単色である。
一方、グループ色C12が着色された構造物M2の左側の面は、計測位置P1,P2の双方から撮影されている。よって、計測位置P1の点群データと、計測位置P2の点群データとがS14で対応付けされた結果として、混色が割り当てられている。
【0017】
次に、
図2に戻って、各構成要素の詳細を説明する。
【0018】
レーザ計測部101は、点群処理装置500に内蔵または外部接続されている図示しない計測装置から、レーザ点群データを取得する。この取得したレーザ点群データは、計測装置の位置であるショット位置を基準としたショット座標系の位置データである。しかし、複数の計測装置からのレーザ点群データを対応付けるためには、各レーザ点群データを同じ空間上に射影する必要がある。そこで、レーザ計測部101は、取得したショット座標系のレーザ点群データの座標を、プラント座標系のプラント位置に変換する。そして、プラント座標系に変換された点群データは、点群データ記憶部401に格納される(S11)。
【0019】
なお、レーザ計測部101が取得する各レーザ点群データには、点群着色部301による着色処理などのために、前準備としてどの計測装置から計測されたデータであるかという計測装置ごとのグループ化を行う必要がある。
そのため、レーザ計測部101は、個々のレーザ点群データについて、その計測元の計測装置と対応付けて入力を受け付ける。この対応付け処理は、例えば、キーボード2やマウス3などの入力手段を介してユーザから直接対応付けを入力させてもよいし、計測装置が自身の計測したレーザ点群データに対して、付加情報として自身の計測装置のIDを付加させてもよい。
【0020】
立体形状入力部102は、計測装置が計測する現場であるプラントの立体形状データ(オブジェクトの3次元座標データ)の入力を受け付け、その入力された立体形状データを立体形状記憶部402に格納する(S12)。なお、立体形状データの入力処理は、例えば、予め立体形状が作成された3D−CAD(Computer Aided Design)のファイルをインポートしたり、3D−CADのエディタ画面からキーボード2やマウス3によって立体形状部品を入力したりすることで、実現される。
【0021】
さらに、レーザ計測部101は、立体形状入力部102が受け付けたプラントの立体形状データを仮想空間とし、その仮想空間内での仮想的な計測装置から計測シミュレーションとして取得したレーザ点群データも点群データ記憶部401に格納してもよい。つまり、レーザ計測部101は、仮想的な計測装置の位置を計測予定位置として事前にシミュレーションを実施する。
これにより、効率的かつ高精度でプラントを網羅的に計測できるような計測予定位置を、実際にプラントに作業員が出向いて計測装置を実測する前に予測することができる。
【0022】
点群着色部301は、点群データ記憶部401の点群データを計測元の計測装置ごとにグループ化し、同じグループの点群データに同じ色を着色する(S13)。
例えば、計測元の計測装置がP1,P2,P3の3点であるときには(
図5参照)、それぞれのグループに属する点群データの色を、カラーモデルの原色となるように割り当てる。例えば、CMYK系のカラーモデルを採用するときには、以下のように各グループの色が割り当てられる。
・計測装置P1で計測された点群データ→シアン(Cyan)
・計測装置P2で計測された点群データ→マゼンタ(Magenta)
・計測装置P3で計測された点群データ→イエロー(Yellow)
そして、点群着色部301が決定した色属性は、点群データと対応付けて点群データ記憶部401に格納される。さらに、点群表示部201は、点群着色部301が決定した色属性に従って、各点群データをディスプレイ1にカラー表示する。これにより、各点群データがどの計測装置P1〜P3で計測されたものかを、ユーザに容易に把握させることができる。
【0023】
図5は、
図4の作業場所を上空から見たときの第1平面図である。この第1平面図もディスプレイ1の表示画面である。各構造物M1〜M3には、同じ構造物であってもその東西南北4つの面には別々の計測位置から計測されることもある。例えば、
図5の構造物M1に着目すると、構造物M1の上側と右側は計測位置P2から計測され、構造物M1の左側と下側は計測位置P1から計測される。
よって、
図5では、S13の点群着色部301の着色結果を点群表示部201が表示した結果として、各グループ色C1(シアン)、C2(マゼンタ)、C3(イエロー)が単色で、各構造物の各面をそれぞれ着色している。これにより、作業員は、どの構造物をどの計測位置から計測したかを容易に把握することができる。
【0024】
図2に戻って、対応後混色部302はS13の各グループの点群データ間を空間位置に基づいて対応付け、対応付けがなされた点群データに対して、S13で着色した色どうしを混色した別の色を割り当てる(S14)。
一方、対応後混色部302は、あるグループの点の近くに別グループの点が存在しないことで、複数のグループ間で対応付けがなされなかったときには、点群着色部301が決定した単色の色属性を変更しない。
【0025】
混色処理として例えば、グループAの点aと、グループBの点bとが同じプラント位置(または点間の距離が所定範囲内の近距離)であるときに、対応後混色部302は、点aと点bとを位置が同じ点xとして対応付ける。そして、対応後混色部302は、点xの色Cxを、点aの色Caとも、点bの色Cbとも異なる色にする。色Cxは、例えば、色Caと色Cbとの混色である。
一例として、計測装置P1で計測された点p1と、計測装置P2で計測された点p2とが同じプラント位置なら、その点pxの色をシアン+マゼンタの混色であるブルーとする。別の例として、計測装置P2で計測された点p2と、計測装置P3で計測された点p3とが同じプラント位置なら、その点pyの色をマゼンタ+イエローの混色であるレッドとする。
【0026】
そして、対応後混色部302が決定した色属性についても、点群データと対応付けて点群データ記憶部401に格納される。さらに、混色表示部202は、点群着色部301および対応後混色部302が決定した色属性に従って、各点群データをディスプレイ1にカラー表示する。これにより、ユーザは単色か混色かを見比べることができるので、各点群データをグループ間で対応付け(重ね合わせ)したときの精度を容易に把握することができる。つまり、混色表示された重なりの度合いが多いほど、レーザ点群データ間の整合性が高く、精度がよいと評価される。
【0027】
立体形状マージ部303は、点群データ記憶部401の点群データと立体形状記憶部402の立体形状とを同じプラント座標系に射影し、双方の点(または面)の位置が一致したときに、その双方の点をマージする。立体形状マージ部303は、マージをした2点(マージ点)について、点群データ記憶部401のマージ点に着色された色属性を、立体形状記憶部402のマージ点の色属性としてコピーする。
なお、マージ点の抽出方法について、点群データ記憶部401の点座標と、立体形状記憶部402の頂点座標とが一致または近距離である場合にマージ点とするのが基本である。一方、点群データ記憶部401の点座標が立体形状記憶部402の立体形状(面)に含まれている場合でも、マージ対象として、マージされる面の一部または全部に、点群データ記憶部401の点座標の色属性をコピーしてもよい。
【0028】
そして、マージ後表示部203は、立体形状マージ部303のマージ結果の表示画面をディスプレイ1に出力する。これにより、立体形状の表示画面(3D−CAD画面)上で、計測装置の計測位置や計測結果を重ね合わせて視認することができる。作業員は、この表示画面から、例えば、以下の(1)〜(3)の問題とその解決法を把握することができる。
(1)立体形状の構造物で色が付いていない箇所は、計測位置が構造物に対して不適切な位置(計測困難な位置)である可能性がある。例えば、計測位置が構造物に対して遠距離であったり、他の遮蔽物が存在したりする場合である。この場合、作業員は、計測位置の変更または追加を検討する。
(2)計測位置が適切であるにもかかわらず、その計測位置からの計測対象の構造物に色が付いていない箇所は、既に現地で構造物が撤去されているなど、立体形状記憶部402の立体形状データが撤去前の古いデータであることが主な要因である。作業員は、立体形状記憶部402を修正して、現地のプラントの構造物(実データ)を、立体形状記憶部402の立体形状データ(仮想データ)と整合させる。
(3)立体形状の構造物が存在しないのに色が付いている箇所についても、現地のプラントの構造物が存在するのに、その構造物が立体形状記憶部402内に作成(as build)されていない、つまり、立体形状データが古いデータであることが主な要因である。この場合も、作業員は、立体形状記憶部402の立体形状データを更新する。
【0029】
図6は、
図4の作業場所を上空から見たときの第2平面図である。この第2平面図もディスプレイ1の表示画面であり、
図5の第1平面図とほぼ同じである。しかし、第1平面図との相違点として、第2平面図では、混色表示部202は対応後混色部302が対応付けた箇所について、混色で表示するようにしている(図面では混色箇所は太線表記)。
構造物M2上部には、計測装置P1,P2の双方で計測された箇所として、計測装置P1,P2の混色C12=ブルー(シアン+マゼンタ)が割り当てられる。
構造物M2右部には、計測装置P2,P3の双方で計測された箇所として、計測装置P2,P3の混色C23=レッド(マゼンタ+イエロー)が割り当てられる。
構造物M4上部には、計測装置P1,P3の双方で計測された箇所として、計測装置P1,P3の混色C13=グリーン(シアン+イエロー)が割り当てられる。
また、図示はしないが、計測装置P1,P2,P3の全ての位置から計測された箇所には、ブラック(マゼンタ+シアン+イエロー)が割り当てられる。
【0030】
なお、以上の混色はCMYK系カラーモデルを用いた減法混色の一例である。一方、RGB系カラーモデルを用いて、レッド、グリーン、ブルーを単色とし、マゼンタ、シアン、イエロー、ホワイトを混色とするような加法混色を代わりに用いてもよい。
さらに、カラー表示に限定せず、モノクロ表示であっても、線の太さを複数種類用いたり、線の種類(実線、破線、一点鎖線…)を複数種類用いたり、それらの組み合わせを用いたりしてもよい。つまり、1つの計測位置からのみ計測された箇所と、複数の計測位置から計測されたことで特徴点の対応付けが成功した箇所と、を視覚的に区別するように表示形態を変えてもよい。
【0031】
図7は、点群データ記憶部401のデータ内容の一例を示すテーブルである。点群データ記憶部401には、点群データを計測した計測装置のIDと、その計測装置の計測位置と、点群データを構成する各特徴点のプラント座標系の点位置と、各特徴点に点群着色部301が割り当てた単色と、各特徴点に対応後混色部302が割り当てた混色とが対応付けられている。
なお、点位置の位置情報は3次元位置(x,y,z)の表記であり、色情報はマゼンタなどの色名と、その色成分をRGBの順に記載した[R成分,G成分,B成分]の表記である。
【0032】
符号11に示す計測装置のIDと、その計測装置の計測位置とは、S11でレーザ計測部101に入力されるデータである。
符号12に示す点位置は、符号11の各データに対応付けられて、S11でレーザ計測部101に入力されるデータである。
符号13に示す単色の色属性は、S13で点群着色部301が着色した結果である。例えば、計測装置「A1」で計測された各点L11〜L14には、同じマゼンタ[255,0,255]が着色されている。
【0033】
符号14に示す単色の色属性は、S14で対応後混色部302が着色した結果である。例えば、計測装置「A1」で計測された各点L11〜L14には、同じマゼンタ[255,0,255]が着色されている。
例えば、点位置L11と、点位置L24とは、プラント位置が(2,2,0)で互いに同じであるので、対応付けられる。その結果、点位置L11の単色マゼンタ[255,0,255]と、点位置L24の単色シアン[0,255,255]との混色であるブルー[0,0,255]が、それぞれのL11,L24に割り当てられる。なお、RGB値での混色の計算は、単色[R1,G1,B1]と単色[R2,G2,B2]との混色[min(R1,R2),min(G1,G2),min(B1,B2)]で求まる。関数min(A,B)は、AとBのうちの小さい値を返す。
【0034】
図8は、立体形状記憶部402のデータ内容の一例を示すテーブルである。立体形状記憶部402には、立体形状の部品ごとに、その部品IDと、その部品名称と、部品を構成する各頂点である部品点ごとの位置と、その位置ごとに着色された単色と、混色とが対応付けられている。
符号21に示す部品IDと部品名称と部品点位置とは、S12で立体形状入力部102に入力されるデータである。
符号22に示す部品点ごとの単色は、部品点位置に対応する符号12の点位置の単色13が、立体形状マージ部303によりコピーされたものである。例えば、部品点位置DL2nと、
図7の点位置L34とは同じプラント位置(2,0,1)であるので、点位置L34の単色イエロー[255,255,0]が、部品点位置DL2nの単色欄(符号22)にコピーされる。
符号22に示す部品点ごとの混色は、部品点位置に対応する符号12の点位置の混色14が、立体形状マージ部303によりコピーされたものである。例えば、部品点位置DL1nと、
図7の点位置L11とは同じプラント位置(2,2,0)であるので、点位置L11の混色ブルー[0,0,255]が、部品点位置DL1nの混色欄(符号23)にコピーされる。
【0035】
点群表示部201は、符号13の単色を参照して、プラントの点群データを着色表示する。
混色表示部202は、符号13の単色および符号14の混色の双方を参照して、プラントの点群データを着色表示する。なお、同じ点位置で単色と混色とでそれぞれ違う色であるときには、混色表示部202は、符号14の混色を優先する。
マージ後表示部203は、符号22の単色および符号23の混色の双方を参照して、プラントの立体形状にマージされた点群データを着色表示する。混色表示部202と同様に、マージ後表示部203も、単色と混色とでそれぞれ違う色であるときには、混色を優先する。
【0036】
以上説明した点群処理装置500が扱うプラントの点群データについて、発電プラントや化学プラントといったプラントの保守を行うための例として記した。一方、点群処理装置500は、レーザ点群計測装置と立体形状を組み合わせた保守活動であれば、他への応用も可能であり、例えばビルの建設と保守を対象とした建築分野でも利用可能である。
さらに、点群処理装置500が扱うレーザ点群計測装置の点群データについてもさらに拡張し、医療用のエコー診断に用いる腹部超音波検査機器の計測データや頭部超音波検査機器の計測データを扱ってもよい。つまり、複数の視点からそれぞれ計測されたデータを統合するときに、複数視点の重複箇所を非重複箇所と区別して出力するような計測データの確認用装置として、点群処理装置500を用いることができる。
【0037】
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段などは、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。
また、前記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
【0038】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記録装置、または、IC(Integrated Circuit)カード、SDカード、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
さらに、各装置を繋ぐ通信手段は、無線LANに限定せず、有線LANやその他の通信手段に変更してもよい。