(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、第1実施形態について、図を用いて説明する。第1実施形態における圧力鍋蓋1は、蓋本体10、調圧装置30、安全装置50、蒸気受け部70を備え、着脱可能な状態で鍋本体90に取り付けられる(
図1〜
図5参照)。
【0024】
なお、
図1、
図2、
図4の断面構成図は、第1実施形態における特徴的部分を分かりやすくするため模式的に形状を示しており、蓋本体10と蒸気受け部70は断面を示し、調圧装置30と安全装置50は側面を示す。
また、第1実施形態における特徴的部分を分かりやすく説明するため、2つの安全装置50と調圧装置30が上方から見て略一直線上に並べられる形態を示すが、他の配列、例えば、略V字状に並べられる形態であってもよい。
また、圧力鍋蓋1を鍋本体90に固定する係合部材やパッキンは省略している。
【0025】
調圧装置30は、圧力鍋の内圧を第1気圧P1(例えば、2気圧)に保つために使用され、ノズルフィルター31、ノズル33、錘35(錘本体35a、接続部材35b)、つまみ37を有し、着脱可能な状態で蓋本体10に取り付けられる。
【0026】
ノズル33の下端はねじ切りされていて、蓋本体10に設けられた孔に螺着される。
ノズルフィルター31は、ノズル33の下端に螺着され、ノズルフィルター31とノズル33とで、蓋本体10を挟む。
錘35(錘本体35aが取り付けられた接続部材35bの下端部)は、ノズル33の上端に載置される。
【0027】
圧力鍋の内圧が第1気圧P1以上の場合は、圧力鍋の内部の圧力が錘35(錘本体35aが取り付けられた接続部材35bの下端部)を押し上げ、圧力鍋の内部の蒸気が、ノズルフィルター31を介し、ノズル33と錘35(錘本体35aが取り付けられた接続部材35bの下端部)の間から排出される。
圧力鍋の内圧が第1気圧P1未満の場合は、錘35(錘本体35aが取り付けられた接続部材35bの下端部)がノズル33の先端を閉じるため、ここから圧力鍋の内部の蒸気は排出されない。
錘本体35aの重さを変えることにより、第1気圧P1が調整される。
【0028】
接続部材35bは、キャップ73を貫通して、つまみ37と錘本体35aとを接続する棒状部材である。
【0029】
錘35を構成する錘本体35aと接続部材35bは、別体構成であってもよいし、一体的に形成される形態であってもよい。
【0030】
つまみ37は、キャップ73の上面であって、錘本体35aとでキャップ73を挟む位置関係で、接続部材35bを介して、錘35と接続される。つまみ37を上下方向に動かすことで、錘35(錘本体35aと接続部材35b)が上下方向に移動し、これにより、ノズル33と錘35の距離が変動し、ノズル33と錘35の間から、圧力鍋の内部の蒸気を排出させることが出来る(
図2、
図4参照)。
【0031】
安全装置50は、内圧が第1気圧P1よりも大きい第2気圧P2(例えば、2.4気圧))以上の時に、圧力鍋の内部の蒸気を排出するもので、調圧装置30が正常に動作せずに、内圧が高くなった時に機能するもので、バルブ51、排出部(排出口を含む蓋部)53を有し、着脱可能な状態で蓋本体10に取り付けられる。
【0032】
バルブ51の上端はねじ切りされていて、蓋本体10に設けられた孔に螺着される。
排出部53は、バルブ51の上端に螺着され、バルブ51と排出部53とで、蓋本体10を挟む。
圧力鍋の内圧が第2気圧P2以上の場合は、圧力鍋の内部の圧力がバルブ51に設けられた弁体(不図示)を開き、圧力鍋の内部の蒸気が、弁体を介し、排出部53に設けられた排出口から排出される。
圧力鍋の内圧が第2気圧P2未満の場合は、弁体が閉じるため、ここから圧力鍋の内部の蒸気は排出されない。
【0033】
安全装置50は1つだけ設けられる形態であってもよいが、2つ以上設けられる形態であってもよい。
第1実施形態では、2つの安全装置50が設けられ、一方は第2気圧P2以上の時に、圧力鍋の内部の蒸気を排出させ、他方は第2気圧P2よりも大きい第3気圧P3(例えば、2.6気圧)以上の時に、圧力鍋の内部の蒸気を排出させる例を示す。
【0034】
蒸気受け部70は、調圧装置30から排出された蒸気が液化したものを貯めたり、安全装置50から排出された蒸気が拡散するのを防止したりするために使用するもので、ノズル33を介して蓋本体10の上面に取り付けられ、本体部71、キャップ73を有する。
蒸気受け部70は、耐熱性樹脂若しくは金属で構成され、蓋本体10と別体で、且つ蓋本体10の上部に設けられる。
【0035】
本体部71は、調圧装置30の一部を収納する収納部71aと、安全装置50の上部を覆うカバー部71bを有し、収納部71aとカバー部71bは一体で形成される。
【0036】
収納部71aは、上面が開口し、下面と筒形状の側面を有し、下面の中央部に設けられた開口が、密閉部材(第1Oリング33a)を介して、ノズル33に着脱可能な状態で取り付けられる。
なお、後述する第2実施形態のように、収納部71aは、上面と下面が開口し、筒形状の側面を有し、筒形状の側面の下端が突起部11に密閉部材(第2Oリング11a)を介して取り付けられる形態であってもよい。
また、後述する第3実施形態のように、収納部71aは、上面と下面が開口し、筒形状の側面を有し、筒形状の側面の下端が、蓋本体10の上面に取り付けられた皿部72に密閉部材(第3Oリング72a)を介して取り付けられる形態であってもよい。
【0037】
蓋本体10の上面に固定するため、収納部71aの下面は、蓋本体10の上面であって当該収納部71aの下面と接する部分と略同じ斜面形状を有するのが望ましい。
【0038】
収納部71aの側面(若しくは、キャップ73)には、錘35とノズル33の間から排出された蒸気を収納部71aの外部に排出するための排気孔71a1が設けられる。
【0039】
収納部71aとキャップ73は、調圧装置30のノズル33の少なくとも一部(錘本体35aが取り付けられた接続部材35bの下端部と対向する部分)と錘本体35aを収納する。
ただし、安全装置50は、収納部71aの外側に配置される。
【0040】
収納部71aの上面における開口した部分は、キャップ73で覆われる。
キャップ73の中央部に設けられた開口には、錘本体35aとつまみ37を接続する接続部材35bが上下方向に摺動可能な状態で取り付けられる。
ただし、キャップ73の中央部に設けられた開口から蒸気が漏れ出ないように、接続部材35bと当該開口の間に隙間が設けられないのが望ましい。
【0041】
カバー部71bは、蒸気受け部70の側部に設けられ、安全装置50の上部を覆う。
【0042】
カバー部71bの下端は、蓋本体10の上面と接触しない形態であってもよいが、カバー部71bの下端の一部が蓋本体10の上面と接触し、安全装置50における蓋本体10の上面から突出する部分の側面を覆う形態であってもよい(
図5参照)。
図5は、カバー部71bの正面側は、下端が蓋本体10の上面と接触せず、カバー部71bの背面側は、下端が蓋本体10の上面と接触する例を示す。
この場合、安全装置50から排出される蒸気や液化物は、当該正面側からだけ排出されるように誘導されることになる。
【0043】
圧力鍋の内圧が第1気圧P1以上に高くなると、ノズルフィルター31を介してノズル33に流れる蒸気の圧力で錘35(錘本体35aと接続部材35b)が押し上げられ、当該蒸気の一部が、ノズル33と錘35の間から排出される(
図4の破線矢印参照)。
蒸気が排出されることにより、内圧は下がり、一旦ノズル33の先端は錘35によって閉じられるが、再び内圧が第1気圧P1以上に高くなると、錘35が押し上げられて蒸気の排出が行われる。
従って、加熱中は、ノズル33と錘35の間が開口した状態と閉口した状態が繰り返される。
【0044】
ノズル33と錘35の間から排出された蒸気は、収納部71aの内部で冷却されて一部が液化し、収納部71aの内側に貯まる。空気や液化しなかった蒸気は、排気孔71a1から排出される(
図4の破線矢印参照)。
なお、収納部71aの下面の開口は、第1Oリング33aを介して、ノズル33が取り付けられているため、当該開口を介して、収納部71aに貯まった水が漏れ出ることはない。
【0045】
圧力鍋の内部から排出された蒸気の一部を液化して収納部71aの内側に貯めておくことが出来るので、外部に排出される蒸気の量を少なく出来る。このため、高温の蒸気が使用者に触れる可能性を低く出来る。
また、液化した水が蓋本体10の上面に流れるのを防止することも出来る。
また、収納部71aとキャップ73により、ノズル33における錘35(接続部材35bの下端部)と接触する部分や錘本体35aが収納されるため、錘本体35aが動く音や、蒸気が排出される音が収納部71aの外部に漏れ出にくく出来る。
【0046】
また、本体部71は、収納部71aと一体でカバー部71bを形成する。
収納部71aと一体で形成されたカバー部71bが安全装置50の上部を覆うため、調圧装置30が正常に動作せずに、安全装置50を介して圧力鍋の内部の蒸気が排出される場合に、圧力鍋の内圧によって安全装置50の上部の螺着が外れても、当該上部の部材(排出部53)が飛び散るのを防止する。
【0047】
また、カバー部71bの下端の一部が蓋本体10の上面と接触し、安全装置50における蓋本体10の上面から突出する部分の側面を覆う場合には、当該カバー部71bで覆われていない部分からだけ安全装置50から排出された蒸気や蒸気が液化した水が流れるように誘導出来る。
【0048】
安全装置50を介して蒸気が排出されるのは、調圧装置30など圧力鍋に異常がある緊急事態で、正常時よりも高温の蒸気が排出される可能性があり、蒸気などが流れる方向を特定の方向に誘導することにより、当該蒸気が使用者に当たるのを防止出来る。ただし、当該蒸気はカバー部71bにおける下端が蓋本体10の上面と接触していない領域から漏れ出たり、カバー部71bで冷却されて液化し、蓋本体10の上面を流れたりすることで、使用者に安全装置50が作動した危険な状態であることを知らせることが出来る。
【0049】
ノズル33の第1Oリング33aが取り付けられる部分、錘35(錘本体35aと接続部材35b)とつまみ37、既存の圧力鍋における蓋(蓋本体10)の上面形状や孔位置に合わせた蒸気受け部70を新規に設けることで、第1実施形態に示す圧力鍋蓋1が構成されるので、構造を複雑にすることなく、既存の圧力鍋の蓋を流用して簡単に第1実施形態に示す圧力鍋蓋1を用意することが出来る。
【0050】
また、調圧装置30と、蒸気受け部70が着脱可能な状態で蓋本体10に取り付けられるため、収納部71aに相当する部分などが蓋本体10と一体的に構成される形態に比べて、掃除などのメンテナンスが容易に行える。
【0051】
また、キャップ73が設けられているため、つまみ37を上下方向に動かして、ノズル33と錘35の間から蒸気を手動で排出させる場合でも、つまみ37の近くに蒸気が流れにくく、つまみ37を操作する使用者に蒸気が当たりにくく出来る。
【0052】
次に、第2実施形態について、図を用いて説明する。第2実施形態における圧力鍋蓋1は、蓋本体10、調圧装置30、安全装置50、蒸気受け部70を備え、着脱可能な状態で鍋本体90に取り付けられる(
図6〜
図11参照)。
【0053】
なお、
図6、
図7、
図9の断面構成図は、第2実施形態における特徴的部分を分かりやすくするため模式的に形状を示しており、蓋本体10と蒸気受け部70と錘本体35aは断面を示し、錘本体35a以外の調圧装置30と安全装置50は側面を示す。
また、第2実施形態における特徴的部分を分かりやすく説明するため、2つの安全装置50と調圧装置30が上方から見て略一直線上に並べられる形態を示すが、他の配列、例えば、略V字状に並べられる形態であってもよい。
また、圧力鍋蓋1を鍋本体90に固定する係合部材やパッキンは省略している。
【0054】
調圧装置30は、圧力鍋の内圧を第1気圧P1(例えば、2気圧)に保つために使用され、ノズルフィルター31、ノズル33、錘35(錘本体35a、接続部材35b)、つまみ37を有し、着脱可能な状態で蓋本体10に取り付けられる。
【0055】
ノズル33の下端はねじ切りされていて、蓋本体10に設けられた孔に螺着される。
ノズルフィルター31は、ノズル33の下端に螺着され、ノズルフィルター31とノズル33とで、蓋本体10を挟む。
錘35(錘本体35aが取り付けられた接続部材35bの下端部)は、ノズル33の上端に載置される。
【0056】
圧力鍋の内圧が第1気圧P1以上の場合は、圧力鍋の内部の圧力が錘35(錘本体35aが取り付けられた接続部材35bの下端部)を押し上げ、圧力鍋の内部の蒸気が、ノズルフィルター31を介し、ノズル33と錘35(錘本体35aが取り付けられた接続部材35bの下端部)の間から排出される。
圧力鍋の内圧が第1気圧P1未満の場合は、錘35(錘本体35aが取り付けられた接続部材35bの下端部)がノズル33の先端を閉じるため、ここから圧力鍋の内部の蒸気は排出されない。
錘本体35aの重さを変えることにより、第1気圧P1が調整される。
【0057】
接続部材35bは、キャップ73を貫通して、つまみ37と錘本体35aとを接続する棒状部材である。
接続部材35bの下端部がノズル33の先端と接する時に、キャップ73が収納部71aの上面を閉じ、接続部材35bの下端部が上方に移動してノズル33の先端から離れた時に、キャップ73が収納部71aの上面から離れるように、調圧装置30と蒸気受け部70とが構成される。
【0058】
錘35を構成する錘本体35aと接続部材35bは、別体で構成される。
【0059】
つまみ37は、キャップ73の上面であって、錘本体35aとでキャップ73を挟む位置関係で、接続部材35bを介して、錘本体35aと接続される。つまみ37を上下方向に動かすことで、錘35(錘本体35aと接続部材35b)とキャップ73が上下方向に移動し、これにより、ノズル33と錘35の距離が変動し、ノズル33と錘35の間から、圧力鍋の内部の蒸気を排出させることが出来る(
図7、
図9参照)。
また、つまみ37を上下に動かす際に、錘本体35aとつまみ37の間に挟まれたキャップ73も上下に移動する。つまみ37が上方向に移動すると、キャップ73も上方向に移動し、キャップ73と収納部71aの間に隙間が生じ、当該隙間から、収納部71aの内部にある蒸気が排出される。
【0060】
安全装置50は、内圧が第1気圧P1よりも大きい第2気圧P2(例えば、2.4気圧))以上の時に、圧力鍋の内部の蒸気を排出するもので、調圧装置30が正常に動作せずに、内圧が高くなった時に機能するもので、バルブ51、排出部(排出口を含む蓋部)53を有し、着脱可能な状態で蓋本体10に取り付けられる。
【0061】
バルブ51の上端はねじ切りされていて、蓋本体10に設けられた孔に螺着される。
排出部53は、バルブ51の上端に螺着され、バルブ51と排出部53とで、蓋本体10を挟む。
圧力鍋の内圧が第2気圧P2以上の場合は、圧力鍋の内部の圧力がバルブ51に設けられた弁体(不図示)を開き、圧力鍋の内部の蒸気が、弁体を介し、排出部53に設けられた排出口から排出される。
圧力鍋の内圧が第2気圧P2未満の場合は、弁体が閉じるため、ここから圧力鍋の内部の蒸気は排出されない。
【0062】
安全装置50は1つだけ設けられる形態であってもよいが、2つ以上設けられる形態であってもよい。
第2実施形態では、2つの安全装置50が設けられ、一方は第2気圧P2以上の時に、圧力鍋の内部の蒸気を排出させ、他方は第2気圧P2よりも大きい第3気圧P3(例えば、2.6気圧)以上の時に、圧力鍋の内部の蒸気を排出させる例を示す。
【0063】
蒸気受け部70は、調圧装置30から排出された蒸気が液化したものを貯めたり、安全装置50から排出された蒸気が拡散するのを防止したりするために使用するもので、蓋本体10の上面から上方に突出するリング状の突起部11を介して蓋本体10の上面に取り付けられ、本体部71、キャップ73を有する。
蒸気受け部70は、耐熱性樹脂若しくは金属で構成され、蓋本体10と別体で、且つ蓋本体10の上部に設けられる。
【0064】
本体部71は、調圧装置30の一部を収納する収納部71aと、安全装置50の上部を覆うカバー部71bを有し、収納部71aとカバー部71bは一体で形成される。
【0065】
収納部71aは、上面と下面が開口し、筒形状の側面を有し、下面の開口が、密閉部材(第2Oリング11a)を介して、蓋本体10の突起部11に着脱可能な状態で取り付けられる。
なお、第1実施形態のように、収納部71aは、上面が開口し、下面と筒形状の側面を有し、下面の中央部に設けられた開口が、密閉部材(第1Oリング33a)を介して、ノズル33に着脱可能な状態で取り付けられる形態であってもよい。
【0066】
収納部71aとキャップ73は、調圧装置30のノズル33の少なくとも一部(錘本体35aが取り付けられた接続部材35bの下端部と対向する部分)と錘本体35aを収納する。
ただし、安全装置50は、収納部71aの外側に配置される。
【0067】
収納部71aの上面における開口した部分は、キャップ73で覆われる。
キャップ73の中央部に設けられた開口には、錘本体35aとつまみ37を接続する接続部材35bが固定される。
【0068】
錘35(錘本体35a、接続部材35b)、キャップ73、つまみ37の固定は、ピン35cなどを使って行われる。
【0069】
カバー部71bは、蒸気受け部70の側部に設けられ、安全装置50の上部を覆う。
【0070】
カバー部71bの下端は、蓋本体10の上面と接触しない形態であってもよいが、カバー部71bの下端の一部が蓋本体10の上面と接触し、安全装置50における蓋本体10の上面から突出する部分の側面を覆う形態であってもよい(
図11参照)。
図11は、カバー部71bの正面側は、下端が蓋本体10の上面と接触せず、カバー部71bの背面側は、下端が蓋本体10の上面と接触する例を示す。
この場合、安全装置50から排出される蒸気や液化物は、当該正面側からだけ排出されるように誘導されることになる。
【0071】
圧力鍋の内圧が第1気圧P1以上に高くなると、ノズルフィルター31を介してノズル33に流れる蒸気の圧力で錘35(錘本体35aと接続部材35b)が押し上げられ、当該蒸気の一部が、ノズル33と錘35の間から排出される(
図9の破線矢印参照)。
蒸気が排出されることにより、内圧は下がり、一旦ノズル33の先端は錘35によって閉じられるが、再び内圧が第1気圧P1以上に高くなると、錘35が押し上げられて蒸気の排出が行われる。
従って、加熱中は、ノズル33と錘35の間が開口した状態と閉口した状態が繰り返される。
【0072】
ノズル33と錘35の間から排出された蒸気は、収納部71aの内部で冷却されて一部が液化し、収納部71aの内側(蓋本体10の上面における突起部11に囲まれた領域)に貯まる。空気や液化しなかった蒸気は、錘35とともにキャップ73が押し上げられる間に、キャップ73と収納部71aの間の隙間から排出される(
図9の破線矢印参照)。
なお、収納部71aの下面の開口は、第2Oリング11aを介して、突起部11に取り付けられているため、当該開口を介して、収納部71aに貯まった水が漏れ出ることはない。
【0073】
圧力鍋の内部から排出された蒸気の一部を液化して収納部71aの内側に貯めておくことが出来るので、外部に排出される蒸気の量を少なく出来る。このため、高温の蒸気が使用者に触れる可能性を低く出来る。
また、液化した水が蓋本体10の上面に流れるのを防止することも出来る。
また、収納部71aとキャップ73により、ノズル33における錘35(接続部材35bの下端部)と接触する部分や錘本体35aが収納されるため、錘本体35aが動く音や、蒸気が排出される音が収納部71aの外部に漏れ出にくく出来る。
【0074】
また、本体部71は、収納部71aと一体でカバー部71bを形成する。
収納部71aと一体で形成されたカバー部71bが安全装置50の上部を覆うため、調圧装置30が正常に動作せずに、安全装置50を介して圧力鍋の内部の蒸気が排出される場合に、圧力鍋の内圧によって安全装置50の上部の螺着が外れても、当該上部の部材(排出部53)が飛び散るのを防止する。
【0075】
また、カバー部71bの下端の一部が蓋本体10の上面と接触し、安全装置50における蓋本体10の上面から突出する部分の側面を覆う場合には、当該カバー部71bで覆われていない部分からだけ安全装置50から排出された蒸気や蒸気が液化した水が流れるように誘導出来る。
【0076】
安全装置50を介して蒸気が排出されるのは、調圧装置30など圧力鍋に異常がある緊急事態で、正常時よりも高温の蒸気が排出される可能性があり、蒸気などが流れる方向を特定の方向に誘導することにより、当該蒸気が使用者に当たるのを防止出来る。ただし、当該蒸気はカバー部71bにおける下端が蓋本体10の上面と接触していない領域から漏れ出たり、カバー部71bで冷却されて液化し、蓋本体10の上面を流れたりすることで、使用者に安全装置50が作動した危険な状態であることを知らせることが出来る。
【0077】
また、調圧装置30と、蒸気受け部70が着脱可能な状態で蓋本体10に取り付けられるため、収納部71aに相当する部分などが蓋本体10と一体的に構成される形態に比べて、掃除などのメンテナンスが容易に行える。
【0078】
また、キャップ73と収納部71aの間の隙間71cから排出される蒸気は、収納部71aの内部で冷却されたものであり、ノズル33と錘35の間から排出された蒸気よりも温度が低い。このため、つまみ37を操作する使用者に高温の蒸気を当たりにくく出来る。
【0079】
次に、第3実施形態について、図を用いて説明する。第3実施形態における圧力鍋蓋1は、蓋本体10、調圧装置30、安全装置50、蒸気受け部70を備え、着脱可能な状態で鍋本体90に取り付けられる(
図12〜
図18参照)。
【0080】
なお、
図12〜
図15、
図17の断面構成図は、第3実施形態における特徴的部分を分かりやすくするため模式的に形状を示しており、蓋本体10と蒸気受け部70と錘本体35aは断面を示し、錘本体35a以外の調圧装置30と安全装置50は側面を示す。
また、第3実施形態における特徴的部分を分かりやすく説明するため、2つの安全装置50と調圧装置30が上方から見て略一直線上に並べられる形態を示すが、他の配列、例えば、略V字状に並べられる形態であってもよい。
また、圧力鍋蓋1を鍋本体90に固定する係合部材やパッキンは省略している。
【0081】
調圧装置30は、圧力鍋の内圧を第1気圧P1(例えば、2気圧)に保つために使用され、ノズルフィルター31、ノズル33、錘35(錘本体35a、接続部材35b)、つまみ37を有し、着脱可能な状態で蓋本体10に取り付けられる。
【0082】
ノズル33の下端はねじ切りされていて、皿部72に設けられた孔と蓋本体10に設けられた孔に螺着される。
ノズルフィルター31は、ノズル33の下端に螺着され、ノズルフィルター31とノズル33とで、皿部72と蓋本体10を挟む。
錘35(錘本体35aが取り付けられた接続部材35bの下端部)は、ノズル33の上端に載置される。
【0083】
圧力鍋の内圧が第1気圧P1以上の場合は、圧力鍋の内部の圧力が錘35(錘本体35aが取り付けられた接続部材35bの下端部)を押し上げ、圧力鍋の内部の蒸気が、ノズルフィルター31を介し、ノズル33と錘35(錘本体35aが取り付けられた接続部材35bの下端部)の間から排出される。
圧力鍋の内圧が第1気圧P1未満の場合は、錘35(錘本体35aが取り付けられた接続部材35bの下端部)がノズル33の先端を閉じるため、ここから圧力鍋の内部の蒸気は排出されない。
錘本体35aの重さを変えることにより、第1気圧P1が調整される。
【0084】
接続部材35bは、下部35b1がキャップ73の孔を貫通する状態で、上部35b2がキャップ73に載置される。
具体的には、接続部材35bの上部35b2は、斜面が下側に設けられた略円錐台形状を有し、当該上部35b2は、キャップ73の当該孔の上部開口の周囲の上から見て略すり鉢状の斜面73eに載置される。
キャップ73の第2平領域73bと収納部71aの第1平領域71a4が接する状態(凸部71a3が凹部73aに嵌まった第1状態)において、
図14に示すように接続部材35bの下端部がノズル33の先端と接していても、
図15に示すように接続部材35bの下端部が上方に移動してノズル33の先端から離れていても、凹み71a5を介して蒸気が排出可能な状態で、キャップ73とつまみ37が収納部71aの上面を閉じ、第1状態から軸LXを中心につまみ37を回転させた状態(凸部71a3が第2平領域73bと接する第2状態)において、
図17に示すようにキャップ73の第2平領域73bが収納部71aの第1平領域71a4から離れ、接続部材35bの下端部がノズル33の先端から離れるように、調圧装置30と蒸気受け部70とが構成される。
【0085】
錘35を構成する錘本体35aと接続部材35bは、別体で構成され、接続部材35bと錘本体35aとが、キャップ73を挟む状態で、ナット35dを使った螺合などにより、接続部材35bと錘本体35aとが固定される。
【0086】
つまみ37は、シリコンゴムなどで構成され、キャップ73の上面に固定される。
つまみ37を上下方向に動かすことで、錘35(錘本体35aと接続部材35b)とキャップ73が上下方向に移動し、これにより、ノズル33と錘35の距離が変動し、ノズル33と錘35の間から、圧力鍋の内部の蒸気を排出させることが出来る。
また、キャップ73の凹部73aが収納部71aの凸部71a3から外れ、凸部71a3がキャップ73の凹部73aよりも低い第2平領域73bと接するように、つまみ37と錘35が並べられる上下方向に並行な軸LXを中心につまみ37を回転させることで、錘35(錘本体35aと接続部材35b)とキャップ73が上下方向に移動し、これにより、ノズル33と錘35の距離が変動し、ノズル33と錘35の間から、圧力鍋の内部の蒸気を排出させることが出来る(
図17、
図18参照)。
また、つまみ37を上下に動かす際、及びつまみ37を回転させる際に、錘本体35aと接続部材35bの間に挟まれたキャップ73も上下に移動する。つまみ37が上方向に移動する、若しくは回転すると、キャップ73も上方向に移動し、キャップ73と収納部71aの間に隙間が生じ、当該隙間から、収納部71aの内部にある蒸気が排出される。
【0087】
安全装置50は、内圧が第1気圧P1よりも大きい第2気圧P2(例えば、2.4気圧))以上の時に、圧力鍋の内部の蒸気を排出するもので、調圧装置30が正常に動作せずに、内圧が高くなった時に機能するもので、バルブ51、排出部(排出口を含む蓋部)53を有し、着脱可能な状態で蓋本体10に取り付けられる。
【0088】
バルブ51の上端はねじ切りされていて、蓋本体10に設けられた孔に螺着される。
排出部53は、バルブ51の上端に螺着され、バルブ51と排出部53とで、蓋本体10を挟む。
圧力鍋の内圧が第2気圧P2以上の場合は、圧力鍋の内部の圧力がバルブ51に設けられた弁体(不図示)を開き、圧力鍋の内部の蒸気が、弁体を介し、排出部53に設けられた排出口から排出される。
圧力鍋の内圧が第2気圧P2未満の場合は、弁体が閉じるため、ここから圧力鍋の内部の蒸気は排出されない。
【0089】
安全装置50は1つだけ設けられる形態であってもよいが、2つ以上設けられる形態であってもよい。
第3実施形態では、2つの安全装置50が設けられ、一方は第2気圧P2以上の時に、圧力鍋の内部の蒸気を排出させ、他方は第2気圧P2よりも大きい第3気圧P3(例えば、2.6気圧)以上の時に、圧力鍋の内部の蒸気を排出させる例を示す。
【0090】
蒸気受け部70は、調圧装置30から排出された蒸気が液化したものを貯めたり、安全装置50から排出された蒸気が拡散するのを防止したりするために使用するもので、蓋本体10の上面から上方に突出する略円錐台形状の土台部12の上に取り付けられ、本体部71、皿部72、キャップ73を有する。
蒸気受け部70は、耐熱性樹脂若しくは金属で構成され、蓋本体10と別体で、且つ蓋本体10の上部に設けられる。
【0091】
皿部72は、上面が開口し、下面がノズル33が螺合される孔を除いて閉口し、筒形状の側面を有する。
皿部72の側面の外側には、第3Oリング72aが嵌め込まれる溝が設けられ、内側は、上部が大きく下部が小さくなるように斜面が形成される。
従って、皿部72は、上方から見て略円錐台形状の凹みが形成される。
皿部72は、下面の略中心に設けられた孔に、ノズル33の下端が螺合され、ノズル33と蓋本体10とで挟まれた状態で固定される。
【0092】
本体部71は、調圧装置30の一部を収納する収納部71aと、安全装置50の上部を覆うカバー部71bを有し、収納部71aとカバー部71bは一体で形成される。
【0093】
収納部71aは、上面と下面が開口し、筒形状の側面を有し、下面の開口が、密閉部材(第3Oリング72a)を介して、蓋本体10の土台部12に取り付けられた皿部72に着脱可能な状態で取り付けられる。
なお、第1実施形態のように、収納部71aと皿部72とが一体的に構成され、当該一体的に構成されたものは、上面が開口し、下面と筒形状の側面を有し、下面の中央部に設けられた開口が、密閉部材(第1Oリング33a)を介して、ノズル33に着脱可能な状態で取り付けられる形態であってもよい。
また、第2実施形態のように、収納部71aが、密閉部材(第2Oリング11a)を介して、蓋本体10(の突起部11など)に着脱可能な状態で取り付けられる形態であってもよい。
【0094】
収納部71aとキャップ73は、調圧装置30のノズル33の少なくとも一部(錘本体35aが取り付けられた接続部材35bの下端部と対向する部分)と錘本体35aを収納する。
ただし、安全装置50は、収納部71aの外側に配置される。
【0095】
収納部71aの上部で、キャップ73の下部と対向する領域には、上方に突出する凸部71a3、凸部71a3よりも低い第1平領域71a4が設けられる。
第1平領域71a4は、収納部71aの上部にリング状に形成され、第1平領域71a4の内側に、上方に突出する凸部71a3が設けられる。
また、第1平領域71a4の一部には、第1平領域71a4よりも凹んだ凹み71a5が設けられる。
凸部71a3における円周方向(収納部71aの上部開口の円周方向)の両端は斜面が形成され、凸部71a3は、側面から見て、上辺が下辺よりも短い略等脚台形形状を有する。
【0096】
収納部71aの上面における開口した部分は、キャップ73で覆われる。
キャップ73の中央部に設けられた開口の周囲の斜面73eには、錘本体35aとつまみ37を接続する接続部材35bが上下方向に摺動可能な状態で載置される。
【0097】
キャップ73の下部で、収納部71aの凸部71a3と対向する領域には、上方に凹んだ領域(凹部73a)と、凹部73aよりも低い第2平領域(凹部73aと異なる領域)73bと、第2平領域73bよりも下方に突出したリブ73cが設けられる。
【0098】
キャップ73の凹部73aの第2平領域73bからの凹み量は、収納部71aの凸部71a3の第1平領域71a4からの突出量よりも大きく、凹部73aの円周方向の長さは、凸部71a3の円周方向の長さよりも長くなるように、凸部71a3と凹部73aが構成される。
このため、凸部71a3は、隙間がある状態で、凹部73aに嵌まる。
【0099】
リブ73cは、キャップ73における第2平領域73bよりも内側で、下方に突出する略筒形状の内壁73dの外側面から半径方向外側方向に突出するように設けられる。
【0100】
凸部71a3が凹部73aに嵌まった第1状態では、キャップ73と収納部71aとが近づいた状態(第1平領域71a4と第2平領域73bとが接触した状態、
図14〜
図16参照)となり、つまみ37を回して凸部71a3が第2平領域73bと接する第2状態では、当該接する領域以外ではキャップ73と収納部71aとが離れた状態(第1平領域71a4と第2平領域73bとが離れた状態、
図17〜
図18参照)となる。
つまみ37を回転させることにより、第1状態と第2状態とで切り替えられるが、リブ73cが、第1状態から第2状態に変わる方向と逆方向に回転したり、第2状態から第1状態に変わる方向と逆方向に回転したりするのを防止する回り止めの役割を果たす。
【0101】
カバー部71bは、蒸気受け部70の側部に設けられ、安全装置50の上部を覆う。
【0102】
カバー部71bの下端は、蓋本体10の上面と接触しない形態であってもよいが、カバー部71bの下端の一部が蓋本体10の上面と接触し、安全装置50における蓋本体10の上面から突出する部分の側面を覆う形態であってもよい。
【0103】
圧力鍋の内圧が第1気圧P1以上に高くなると、ノズルフィルター31を介してノズル33に流れる蒸気の圧力で錘35(錘本体35aと接続部材35b)が押し上げられ、当該蒸気の一部が、ノズル33と錘35の間から排出される(
図15の破線矢印参照)。
蒸気が排出されることにより、内圧は下がり、一旦ノズル33の先端は錘35によって閉じられるが、再び内圧が第1気圧P1以上に高くなると、錘35が押し上げられて蒸気の排出が行われる。
従って、加熱中は、ノズル33と錘35の間が開口した状態と閉口した状態が繰り返される。
【0104】
ノズル33と錘35の間から排出された蒸気は、収納部71aの内部で冷却されて一部が液化し、皿部72に貯まる。空気や液化しなかった蒸気は、キャップ73と収納部71a(凹み71a5)の間の隙間から排出される(
図15の破線矢印参照)。
【0105】
また、圧力鍋の内圧を下げる場合には、つまみ37を上方向に持ち上げるか、回転させることにより、ノズル33と接続部材35bの間を空け、キャップ73と収納部71aの間の隙間を大きくすることで、蒸気を排出させることが出来る。
【0106】
特に、つまみ37を回転させて、第1状態から第2状態にすると、第2平領域73bを凸部71a3に接触させた状態、すなわちキャップ73の第2平領域73bが収納部71aの第1平領域71a4から離れ、接続部材35bの下端部がノズル33の先端から離れた状態で、キャップ73を収納部71aの上に載置出来るため、つまみ37を使用者が触れない状態で、蒸気を排出させ続けることが出来る。
【0107】
また、圧力鍋の内部から排出された蒸気の一部を液化して収納部71aの内側(皿部72)に貯めておくことが出来るので、外部に排出される蒸気の量を少なく出来る。このため、高温の蒸気が使用者に触れる可能性を低く出来る。
また、液化した水が蓋本体10の上面に流れるのを防止することも出来る。
また、収納部71aとキャップ73により、ノズル33における錘35(接続部材35bの下端部)と接触する部分や錘本体35aが収納されるため、錘本体35aが動く音や、蒸気が排出される音が収納部71aの外部に漏れ出にくく出来る。
【0108】
また、本体部71は、収納部71aと一体でカバー部71bを形成する。
収納部71aと一体で形成されたカバー部71bが安全装置50の上部を覆うため、調圧装置30が正常に動作せずに、安全装置50を介して圧力鍋の内部の蒸気が排出される場合に、圧力鍋の内圧によって安全装置50の上部の螺着が外れても、当該上部の部材(排出部53)が飛び散るのを防止する。
【0109】
また、カバー部71bの下端の一部が蓋本体10の上面と接触し、安全装置50における蓋本体10の上面から突出する部分の側面を覆う場合には、当該カバー部71bで覆われていない部分からだけ安全装置50から排出された蒸気や蒸気が液化した水が流れるように誘導出来る。
【0110】
安全装置50を介して蒸気が排出されるのは、調圧装置30など圧力鍋に異常がある緊急事態で、正常時よりも高温の蒸気が排出される可能性があり、蒸気などが流れる方向を特定の方向に誘導することにより、当該蒸気が使用者に当たるのを防止出来る。ただし、当該蒸気はカバー部71bにおける下端が蓋本体10の上面と接触していない領域から漏れ出たり、カバー部71bで冷却されて液化し、蓋本体10の上面を流れたりすることで、使用者に安全装置50が作動した危険な状態であることを知らせることが出来る。
【0111】
ノズル33、錘35(錘本体35aと接続部材35b)、つまみ37、既存の圧力鍋における蓋(蓋本体10)の上面形状や孔位置に合わせた蒸気受け部70を新規に設けることで、第3実施形態に示す圧力鍋蓋1が構成されるので、構造を複雑にすることなく、既存の圧力鍋の蓋を流用して簡単に第3実施形態に示す圧力鍋蓋1を用意することが出来る。
特に、皿部72の下面形状を蓋本体10の上面の形状に合わせた場合には、蓋本体10の上面から上方に突出する略円錐台形状の土台部12が無い蓋本体10にも対応することが出来る。
【0112】
また、調圧装置30と、蒸気受け部70が着脱可能な状態で蓋本体10に取り付けられるため、収納部71aに相当する部分などが蓋本体10と一体的に構成される形態に比べて、掃除などのメンテナンスが容易に行える。
【0113】
また、キャップ73が設けられているため、つまみ37を上下方向や回転方向に動かして、ノズル33と錘35の間から蒸気を手動で排出させる場合でも、つまみ37の近くに蒸気が流れにくく、つまみ37を操作する使用者に蒸気が当たりにくく出来る。
【0114】
また、キャップ73と収納部71aの間の凹み71a5から排出される蒸気は、収納部71aの内部で冷却されたものであり、ノズル33と錘35の間から排出された蒸気よりも温度が低い。このため、つまみ37を操作する使用者に高温の蒸気を当たりにくく出来る。
【0115】
なお、
図12〜
図18では、凸部71a3と凹部73aがそれぞれ1つずつ設けられる例を示したが、1つに限るものではなく、例えば、
図19〜
図20に示すように3つずつ設けられる形態であってもよい。
【0116】
また、第3実施形態では、凸部71a3が収納部71aに設けられ、凹部73aがキャップ73に設けられる形態を説明したが、凸部71a3に相当するものがキャップ73に設けられ、凹部73aに相当するものが収納部71aに設けられる形態であってもよい。