(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6684059
(24)【登録日】2020年3月31日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】タイヤの検査方法および装置
(51)【国際特許分類】
B60C 19/00 20060101AFI20200413BHJP
G01M 17/02 20060101ALI20200413BHJP
B29D 30/00 20060101ALN20200413BHJP
【FI】
B60C19/00 H
G01M17/02
!B29D30/00
【請求項の数】19
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-159899(P2015-159899)
(22)【出願日】2015年8月13日
(65)【公開番号】特開2016-41577(P2016-41577A)
(43)【公開日】2016年3月31日
【審査請求日】2018年4月23日
(31)【優先権主張番号】10 2014 012 095.3
(32)【優先日】2014年8月13日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515223156
【氏名又は名称】カール ツァイス オプトテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ライナー フベル
【審査官】
増田 亮子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−153789(JP,A)
【文献】
特開2010−261902(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/034848(WO,A1)
【文献】
特開2008−076159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 19/00
B29D 30/00−30/72
G01M 17/02
G01N 21/3581
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テラヘルツ(THz)周波数範囲の電磁放射線をタイヤ(1)に照射し(2)、前記タイヤ(1)を通過した前記放射線および/または前記タイヤ(1)から反射した前記放射線を受信して評価し、前記タイヤ(1)のゴムの材料の種類、および/または前記タイヤ(1)の1つまたは複数またはすべての層のゴムの材料の種類を検知する、タイヤを検査するための方法。
【請求項2】
前記放射線の周波数が0.1〜2.0THz、好ましくは0.2〜1.5THz、好ましくは0.2〜1.2THz、好ましくは0.2〜0.8THz、好ましくは0.3THzであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
放射線パルス(11)の形をした電磁放射線を前記タイヤ(1)に照射することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
波形の電磁放射線、好ましくは正弦波の形をした電磁放射線を前記タイヤ(1)に照射することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記放射線の振幅および/または到達時間を評価することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記放射線のスペクトルを評価することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記タイヤ(1)および/または前記タイヤ(1)の1つまたは複数またはすべての層の屈折率および/または吸収係数および/または厚さおよび/またはオーバーラップを検知することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記タイヤ(1)内における導電性層(9)の位置を検知することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記タイヤ(1)の周囲に依存したタイヤの半径または直径の偏差である縦振れおよび/または前記タイヤ(1)の円周を検知することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
1つまたは複数のコードおよび/またはワイヤの位置および/または相互間隔および/または前記タイヤの一方または両方の表面からの間隔および/または前記タイヤの1つまたは複数またはすべての層の位置および/または相互間隔および/または前記タイヤの一方または両方の表面からの間隔を検知することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記タイヤ(1)内の欠陥個所(14)および/または前記タイヤ(1)の1つまたは複数またはすべての層内の欠陥個所を検知することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記タイヤ(1)に内側または外側からあるいは前記内側および前記外側の両側から照射することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
1個のセンサ(23)または好ましくは面状配列(24)で配置した複数のセンサによって放射線を受信することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記タイヤ(1)と相対的な前記放射線の位置を変更することができることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記放射線を評価する際、前記タイヤ(1)および/または前記タイヤ(1)の1つまたは複数またはすべての層の二次元表示および/または三次元表示を行うことを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法を実施するための装置において、テラヘルツ周波数範囲の電磁放射線のための放射線源(2)と、タイヤ(1)を通過した放射線および/または前記タイヤ(1)から反射した放射線を受信するための受信装置(3)と、受信した前記放射線を評価するための評価装置を備え、
前記評価装置は、前記タイヤ(1)のゴムの材料の種類、および/または前記タイヤ(1)の1つまたは複数またはすべての層のゴムの材料の種類を検知することを特徴とする装置。
【請求項17】
前記受信装置(3)が、1個のセンサ(23)または好ましくは線状また面状の配列(24)で配置された複数のセンサを備えていることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記タイヤ(1)および/または前記放射線源(2)を相対的に動かすための移動装置を備えていることを特徴とする請求項16または17に記載の装置。
【請求項19】
前記放射線源(2)が第1および第2の放射線源(2)を含み、前記受信装置(3)が前記タイヤ(1)から反射した放射線を受信するための第1および第2の受信装置(3)を含み、
前記第1の放射線源(2)および前記第1の受信装置(3)が前記タイヤ(1)の内側に配置され、前記第2の放射線源(2)および前記第2の受信装置(3)が前記タイヤ(1)の外側に配置されていることを特徴とする請求項16〜18のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤを検査するための方法と、この方法を実施するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
あらゆる種類の車両のためのタイヤはいろいろな構成要素によって形成されている。一般的に、タイヤはカーカスとトレッドを備えている。ワイヤまたはコードはカーカスの支持構造体を形成する。ワイヤとコードは異なる機械的特性を有するいろいろな種類のゴムからなる層内に埋め込まれている。金属編物は「ベルト」としてトレッドを安定させることができる。所望な走行特性、所望な耐摩耗性、所望な導電性および所望でできるだけ小さな転がり抵抗を保証するために、いろいろな層がトレッド内に設けられている。
【0003】
タイヤの製作プロセスにおいて、個々の構成要素からなるブランクは、高圧および高温で特殊なタイヤ型内にプレスされる。その際、個々の構成要素を、完成したタイヤ内で正しい個所に加硫しなければならない。これを検査するために、個々のタイヤを抜き取り調査によって破壊検査することができる。さらに、特にレントゲン装置とコンピュータ断層撮影によって、非破壊式タイヤ検査が可能である。これの機器は勿論高価である。これらの機器はさらに、制限された結果しか供給しない。というのは、これらの機器によって異なる種類のゴムをほとんど区別することができないかまたは区別することができないからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これから出発して、本発明の根底をなす課題は、低コストで非破壊式のタイヤ検査方法と、関連する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は本発明に従い、冒頭に記載した種類の方法において、請求項1の特徴によって解決される。THz(テラヘルツ)周波数範囲の電磁放射線がタイヤに照射される。タイヤを通過した放射線および/またはタイヤから反射した放射線が受信されて評価される。その際、本発明において、タイヤとは、完成したタイヤと加硫されていないタイヤの双方であると理解される。
【0006】
本発明により、迅速に実施可能で低コストの非破壊式タイヤ検査方法が提供される。それによって、タイヤの開発が簡単化される。製作プロセスでは、不変の高い製品品質が保証される。
【0007】
有利な発展形態が従属請求項に記載してある。
【0008】
放射線の周波数は好ましくは0.1〜2.0THz、好ましくは0.2〜1.5THz、好ましくは0.2〜1.2THz、好ましくは0.2〜0.8THz、好ましくは0.3THzである。
【0009】
放射線パルスの形をした電磁放射線をタイヤに照射することができる。この放射線パルスにおいて多数の周波数またはすべての周波数が含まれる。
【0010】
その代わりにまたはそれに追加して、波形の電磁放射線をタイヤに照射することができる。好ましくは、正弦波の形をした電磁放射線がタイヤに照射される。
【0011】
好ましくは、タイヤを通過した放射線および/またはタイヤから反射した放射線の振幅および/または到達時間が評価される。
【0012】
その代わりにまたはそれに追加して、タイヤを通過した放射線および/またはタイヤから反射した放射線のスペクトルが評価される。
【0013】
他の有利な発展形態は、タイヤおよび/またはタイヤの1つまたは複数またはすべての層の屈折率および/または吸収係数および/または厚さおよび/または材料種類および/またはオーバーラップを検知することを特徴とする。
【0014】
他の有利な発展形態では、タイヤ内における
導電性層の位置が検知される。その際特に、
導電性帯状体がタイヤの表面および/またはタイヤの1つまたは複数またはすべての層の表面にあるかどうかを確認することができる。さらに特に、
導電性帯状体が一方の側からおよび/または両側からゴム層によって、特に同じ材料からなるゴム層によって覆われているかどうかを確認することができる。
【0015】
タイヤの縦振れおよび/または周囲を検知すると有利である。その際、縦振れとは、タイヤの周囲に依存したタイヤの半径または直径の偏差であると理解される。
【0016】
他の有利な発展形態は、1つまたは複数のコードおよび/またはワイヤの位置および/または相互間隔および/またはタイヤの一方または両方の表面からの間隔および/またはタイヤの1つまたは複数またはすべての層の位置および/または相互間隔および/またはタイヤの一方または両方の表面からの間隔を検知することを特徴とする。
【0017】
他の有利な発展形態では、タイヤ内の欠陥個所および/またはタイヤの1つまたは複数またはすべての層内の欠陥個所が検知される。欠陥個所は特に異物および/または侵入した空気および/または気泡である。
【0018】
タイヤに一方の側から照射することができる。勿論、タイヤに両側から照射することもできる。
【0019】
他の有利な発展形態では、タイヤを通過した放射線および/またはタイヤから反射した放射線が、1個のセンサまたは複数のセンサによって受信される。この複数のセンサは好ましくは面状配列で配置されている。
【0020】
タイヤと相対的な放射線の位置が変更可能であると有利である。そのために、タイヤは放射線源と相対的に移動可能である。その代わりにまたはそれに追加して、放射線源はタイヤと相対的に移動可能である。移動装置としては、回転軸、軸系および/またはロボットが特に適している。
【0021】
他の有利な発展形態は、放射線を評価する際、タイヤおよび/またはタイヤの1つまたは複数またはすべての層の二次元表示および/または三次元表示を行うことを特徴とする。二次元表示および/または三次元表示を記憶および/または評価および/または再加工することができる。
【0022】
本発明の根底をなす課題はさらに、請求項16に記載の装置によって解決される。本発明に係る方法を実施するための本発明に係る装置は、テラヘルツ周波数範囲の電磁放射線のための放射線源と、タイヤを通過した放射線および/またはタイヤから反射した放射線を受信するための受信装置と、受信した放射線を評価するための評価装置を備えている。評価装置はコンピュータ、特にパーソナルコンピュータによって形成可能である。
【0023】
他の有利な発展形態では、受信装置が1個または複数のセンサを備えている。複数のセンサは好ましくは線状また面状の配列で配置されている。
【0024】
装置がタイヤおよび/または放射線源を相対的に動かすための移動装置、特に回転軸、軸系および/またはロボットを備えていると有利である。
【0025】
装置がタイヤの反対側に配置された本発明に係る他の装置を備えていると有利である。
【0026】
次に、添付の図に基づいて、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】テラヘルツ周波数範囲の電磁放射線のための放射線源と、タイヤから反射した放射線を受信するための受信装置を備えた、タイヤを検査するための装置の実施の形態を部分的に切断して示す概略的な側面図である。
【
図2】放射線源と受信装置がタイヤの内側に配置されている、
図1の実施の形態の変形を示す。
【
図3】それぞれ1個の放射線源とそれぞれ1個の受信装置を備えた2個の装置がタイヤの両側に配置されている、
図1と
図2の実施の形態の変形を示す。
【
図4】
図2の装置と、関連するパルス変化の概略図である。
【
図5】他のタイヤと共に
図4のように示す他の概略図である。
【
図6】テラヘルツ周波数範囲の電磁放射線のための放射線源と、タイヤを通過した放射線を受信するための受信装置を備えた、タイヤを検査するための装置の実施の形態をタイヤなしに示す概略的な側面図と、関連するパルス変化を示す図である。
【
図7】
図6に示した装置と
図6に示したパルス変化をタイヤと共に示す。
【
図8】タイヤ内に欠陥個所が存在する場合の、
図1と同様な図である。
【
図10】オーバーラップする層を備えたタイヤの断面図である。
【
図11】面状に配列された多数のセンサを有する受信装置を備えた、タイヤを検査するための装置の斜視図である。
【
図13】半透過性ミラーを備えた、
図1に示す装置の変形を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、テラヘルツ(THz)周波数範囲の電磁放射線(電磁波)のための放射線源2と、タイヤ1から反射した放射線を受信するための受信装置3を備えた、タイヤ1を検査するための装置を示す。装置はさらに、受信装置3によって受信された放射線を評価するための評価装置を備えている(図示していない)。
【0029】
タイヤは下側側面4と上側側面5とトレッド6を備えている。このトレッドは内側トレッド面7と外側トレッド面8によって画成されている。トレッド6内には複数層が設けられている。トレッド6の中央には、導電性層9がある。この導電性層9はタイヤ1の金属ベルトである。この導電性層はテラヘルツ放射線にとってミラーとしての働きをする。トレッド6内にはさらに、良導電性ゴムからなる中央ウェブ10がある。この中央ウェブ10によって、タイヤの静電荷が防止される。中央ウェブは導電性層9と外側トレッド面8の間に配置されている。中央ウェブ10は外側トレッド面8と導電性層9を連結している。中央ウェブはタイヤ1の高さの一部にわたって延在している。
【0030】
図2の変形実施の形態では、放射線源2と受信装置3がタイヤ1の外側ではなく、タイヤ1の内側に配置されている。
【0031】
図3の実施の形態では、
図1と
図2の両実施の形態が組み合わせられている。放射線源2と受信装置3を各々1個ずつ備えた、タイヤを検査するための装置は、タイヤ1のトレッド6の両側にある。一方の装置はタイヤ1の外側にあり、他方の装置はタイヤ1の内側にある。装置はトレッド6の両側に位置している。
【0032】
図1と
図2と
図3の実施の形態はそれぞれ照射によって作動する。ここでは、放射線源2と受信装置3がタイヤ1の同じ側にある。
図4には、関連するパルス変化が示してある。放射線源2から、テラヘルツ周波数範囲の電磁放射線が放射線パルス11の形で放射される。
図4の下側部分は時間tに対する電磁放射線の振幅Aの変化を示している。放射された放射線パルスは小さな負の振幅と、それに続く短時間の大きな正の振幅と、それに続く短時間の大きな負の振幅と、0点への減衰振動からなっている。
【0033】
図4の右側部分には、関連する放射線パルス12が示してある。この放射線パルスは、放射線源2から出る放射線がタイヤ1から反射して受信装置3によって受信された後で、受信装置3によって受信される。
図4から明らかなように、この信号は受信装置3で時間的に遅延され、振幅Aが小さくなっている。振幅および/または受信した放射線と出射した放射線との比および/または到達時間および/または位相および/または位相差から、タイヤ1の特性および/またはタイヤ1の1つまたは複数またはすべての層の特性を推測することができる。
【0034】
図5は他のタイヤ1を備えた、
図4と同様な構造体を示す。ここでは、
図1、
図2、
図3に示したタイヤ1のような層構造を有するタイヤ1が検査される。この層構造では、
図5の下側部分に示した振幅変化が示される。ここでも、放射線パルス11が出射される。第1放射線パルス12と第2放射線パルス13が受信装置3によって受信される。この放射線パルス12、13、特に振幅変化、振幅比、時間、位相および/または位相差から、タイヤ1の特性および/またはタイヤ1の1つまたは複数またはすべての層の特性を推測することができる。
【0035】
図6と
図7は、透過光で作動する実施の形態を示す。この場合、放射線源2と受信装置3がタイヤ1の異なる側にあり、受信装置3はタイヤ1を通過した放射線を受信する。
図6の図示ではタイヤが設けられていない。放射線源2から出る放射線パルス11は同じ放射線パルス11を受信装置3内で発生し、しかも実質的に時間的な遅れなしに発生する。
【0036】
図7の図示では、放射線源2と受信装置3の間にタイヤ1がある。ここでは、放射線源2から出た放射線パルス11が受信装置3内で放射線パルス12を発生する。受信された放射線パルス12は評価される。
【0037】
図8は
図1に示した装置を示している。ここでは、タイヤ1のトレッド6内に欠陥個所14がある。この欠陥個所は装置によって検知することができる。欠陥個所14は侵入した空気である。
【0038】
図9は、トレッド6が連続する内側範囲15と第1の外側範囲16と第2の外側範囲17を有するタイヤの横断面を示す。内側範囲15と外側範囲16、17は
導電性層9によって互いに分離されている。
【0039】
図10には、連続する内側層18と連続する外側層19を有するタイヤの縦断面が示してある。これらの層18、19の間には、第1中間層20と第2中間層21が設けられている。これらの中間層はオーバーラップ範囲22で互いに連結されている。本発明に係る装置によって、オーバーラップ範囲22の特性および/または大きさを検知することができる。
【0040】
図11は、テラヘルツ周波数範囲の電磁放射線のための放射線源2と、複数のセンサ23を有する受信装置3を備えた実施の形態の一部を示す。センサは面状の配列24で配置された多数のセンサ23である。放射線源2と配列24の間には、タイヤ1の一部がある。
図4の装置が透過光で作動する。
【0041】
図12はタイヤ1を切断して示す斜視図である。トレッド6内には、半径方向に延在するカーカス面25が設けられている。カーカス面25は互いに平行にかつ互いに間隔をおいて延在する。カーカス面は本発明に係る方法によって検知可能である。特に、カーカス面25の相互間隔および/または内側トレッド面7とカーカス面の間隔および/または外側トレッド面8とカーカス面の間隔を検知することができる。
【0042】
図13は
図1に示した装置の変形を示す。この変形において、同じ構造部分には同じ参照符号が付けてあり、新たな説明を行わない。放射線源2からタイヤ1への放射線経路内に、半透過性のミラー26が設けられている。放射線源2から出るテラヘルツ放射線の一部がタイヤ1に照射される。タイヤ1から反射した放射線は半透過性ミラー36によって部分的に受信装置3へ反射され、そこで受信される。
【0043】
本発明により、タイヤ、特にタイヤのトレッドおよび/またはタイヤのその他の構造体において、いろいろな構成部品、特にいろいろな種類のゴムを認識することができる。この構成部品の位置および/または厚さを測定し、および/またはグラフで表示することができる。タイヤの金属製構成部品についても同じことが言える。さらに、タイヤとその構成部品の幾何学的測定、特にタイヤおよび/またはタイヤの個々の層の縦振れ、厚さ、周囲および/またはプライオーバーラップの幾何学的測定が可能である。タイヤ内にある個々のコードおよび/またはワイヤの間隔を測定および評価することができ、しかもコードおよび/またはワイヤの相互間隔と、タイヤ表面からのコードおよび/またはワイヤの間隔を測定および評価することができる。本発明はさらに、検知した結果を自動評価することができる。
【0044】
本発明は、反射構造のテラヘルツ分光計によっておよび/または透過光のいろいろな光学的特性、特に光学濃度と光学的吸収に基づいて、タイヤ内のいろいろな構成部品、特にタイヤゴムを識別することができる。このいろいろな光学的特性によって、材料特有の信号がテラヘルツ分光計のレシーバで発生する。この信号は材料を決定するために使用可能である。タイヤがテラヘルツ放射線を透過しない1つまたは複数の金属層を含んでいると、金属の両側からの、すなわちタイヤの異なる側からのタイヤ構造体の別々の検査が推奨される。タイヤにおいていろいろな材料の存在を検知することができ、かつこの材料の位置および厚さを測定することができる。
【0045】
タイヤの検査はタイヤを横にして行うことができるがしかし、タイヤを立ててあるいは吊るして行うこともできる。その際、検査すべきタイヤ表面全体に、検査のために同時にアクセスすることができる。
【0046】
タイヤは点形センサで調べることができる。しかし、線状または面状に配列して配置した多数のセンサを使用することができる。センサは、タイヤ全体を測定するために、特別な軸系によってあるいはロボットによってタイヤに沿って移動させることができる。その代わりにまたはそれに追加して、タイヤを動かすことができる。特にタイヤの回転軸線回りに回転させることができる。
【0047】
測定は励起としてのテラヘルツパルスによって並びに波、特に正弦波によって行うことができる。パルス系の場合時間レンジ分光計と呼ばれ、波による系の場合周波数レンジ分光計と呼ばれる。信号の振幅と到達時間を検出する機器と、振幅だけを測定することができる機器がある。最後に述べた機器は低コストであるがしかし、特に層厚測定には使用することができず、所定の材料が存在するかどうかを示すためにのみ使用される。
【0048】
スペクトル分析のために、到達時間と振幅減衰を基準信号と相対的に検知して評価することができる。透過光構造体の場合、基準信号は空気だけを通過しタイヤを通過しなかったパルスによって表すことができる。照射光構造体の場合、基準信号は理想の反射体、例えば金属板の反射によって表すことができる。
【0049】
フーリエ変換によって、測定された時間信号を周波数領域に換算することができる。振幅は周波数空間内で周波数に依存する振幅の形、すなわち振幅スペクトルの形に取り戻され、到達時間は周波数に依存する位相の形、すなわち位相スペクトルの形に取り戻される。分光分析のために、基準スペクトルによって分割されたいわゆる伝達関数、すなわち試料スペクトルの商を求めることができる。伝達関数から、試料の周波数に依存する屈折率と吸収係数を決定することができる。両値はゴム試料にとって特有の材料値である。その際、屈折率は光学濃度または試料によって生じる時間的な遅延の程度を示し、吸収係数は減衰特性の程度を示す。知られている屈折率と吸収係数の場合、層厚検知にとって試料測定で十分である。
【0050】
伝導性帯状体が表面にあるかどうかあるいはゴム層によって覆われているかどうかを検査するために、材料特性データは不要である。導電性層は金属のように良好な反射体である。受信した信号内に、表面の反射のほかに第2の反射が存在すると、導電性層はゴム層によって確実に覆われている。その厚さを測定する場合には、材料特性値も知っていなければならない。
【0051】
トレッド分析の際、材料データを知らずに、タイヤの一方の側が硬いゴムからなり、かつタイヤの他方の側が軟らかいゴムからなっているかどうかを調べることができる。硬いゴムは大きな屈折率を有する。この側の反射は軟らかい側の反射よりも大きな振幅を有する。材料パラメータに基づいてゴムの種類を正確に識別するためには、基準測定と試料測定が再び必要である。
【符号の説明】
【0052】
1 タイヤ
2 放射線源