特許第6684077号(P6684077)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6684077
(24)【登録日】2020年3月31日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】多缶設置ボイラ
(51)【国際特許分類】
   F22B 35/00 20060101AFI20200413BHJP
   F22B 37/38 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   F22B35/00 E
   F22B37/38 C
   F22B35/00 H
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-219048(P2015-219048)
(22)【出願日】2015年11月9日
(65)【公開番号】特開2017-89956(P2017-89956A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年10月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000130651
【氏名又は名称】株式会社サムソン
(72)【発明者】
【氏名】西山 将人
(72)【発明者】
【氏名】河田 崇
【審査官】 伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−317104(JP,A)
【文献】 特開2001−090902(JP,A)
【文献】 特開2004−101095(JP,A)
【文献】 特開2009−281708(JP,A)
【文献】 特開2012−037146(JP,A)
【文献】 特開2010−236719(JP,A)
【文献】 特開2000−205502(JP,A)
【文献】 特開2013−072609(JP,A)
【文献】 特開平03−050401(JP,A)
【文献】 実開昭63−044004(JP,U)
【文献】 特開2017−026292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 35/00
F22B 37/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々に運転制御装置を持った複数台のボイラと、前記の複数台設置したボイラに対して燃焼量を決定する要素の設定を行う台数制御装置と、ボイラから発生した蒸気を集合させた状態で圧力を計測するヘッダ部蒸気圧力検出装置を持った蒸気ヘッダからなる多缶設置ボイラであって、前記台数制御装置は、前記個々の運転制御装置に対して台数制御関連の設定項目(稼働優先順位、圧力幅、パターン)を設定し、前記個々の運転制御装置では、台数制御装置によって設定された前記項目と、ヘッダ部蒸気圧力検出装置で計測した蒸気ヘッダの蒸気圧力値に基づき、それぞれのボイラで必要とされる燃焼量を算出するものであり、前記台数制御装置と前記個々の運転制御装置との間の情報伝達装置として、各ボイラに設置している運転制御装置に対して台数制御関連の設定を行う台数制御関連設定用通信装置と、ヘッダ部蒸気圧力検出装置で計測した蒸気圧力値をボイラの運転制御装置へ伝達する蒸気圧力値伝達装置を別に設置していることを特徴とする多缶設置ボイラ。
【請求項2】
請求項1に記載の多缶設置ボイラにおいて前記台数制御関連設定用通信装置は通信でのやりとりを行い、前記蒸気圧力値伝達装置はアナログ出力で伝達するものとしていることを特徴とする多缶設置ボイラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数台のボイラと各ボイラでの燃焼量を制御する台数制御を行うための台数制御装置を設置しておき、ボイラ全体での負荷必要量に基づいて個々のボイラでの燃焼量を制御するようにしている多缶設置ボイラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許4083911号公報に記載があるように、複数台のボイラを設置しておき、ボイラ全体での負荷量に応じて運転を行うボイラの台数と燃焼量を決定し、必要量分の燃焼を行う台数制御を行うようにしている多缶設置ボイラが広く普及している。この場合、各ボイラで発生した蒸気を取り出す蒸気配管は、蒸気を集合させる蒸気ヘッダに接続しておき、各ボイラで発生した蒸気は蒸気ヘッダで集合させた後に蒸気使用箇所へ送るようにしている。そして蒸気ヘッダにはヘッダ部蒸気圧力検出装置を設けておき、蒸気ヘッダでの蒸気圧力が所定の値を維持するようにボイラの運転を制御する。一般的には各ボイラでの運転量を決定する台数制御装置を設け、台数制御装置から各ボイラへ燃焼指令を出力するようにしている。台数制御装置では、ヘッダ部蒸気圧力検出装置で検出している蒸気ヘッダでの蒸気圧力値に基づいてボイラ全体での燃焼量を決定し、必要台数分のボイラに対して燃焼指令を出力する。台数制御装置では、設置しているボイラの稼働優先順位を設定しておき、稼働優先順位の順にボイラに対して燃焼指令の出力を行う。ボイラが3位置燃焼制御や4位置燃焼制御を行うものであると、台数制御装置ではどの燃焼量で燃焼を行うかも燃焼指令で指定する。各ボイラでは、台数制御装置からの燃焼指令に基づいて燃焼を行う。
【0003】
この場合、設置しているボイラの一部で異常が発生しているなどによって運転できない状況になっていると、台数制御装置からボイラ群に対して所定の燃焼量となるように燃焼指令を送っても、運転不可のボイラでは運転が行われないため、蒸気供給量は不足することになる。そのため、台数制御装置では一定の周期で各ボイラに対して状態の問い合わせを行い、問い合わせを受けたボイラから、ボイラの状態に関する情報の返信を受けることで、ボイラが運転できる状態であるかを確認するようにしている。運転のできないボイラが発生した場合、台数制御装置では運転不可ボイラを台数制御の対象から外したり、稼働優先順位を最下位としたりすることで、運転可能なボイラで台数制御を行うことができるようにしておき、ボイラ全体で必要量の燃焼が行えるようにしている。
【0004】
ボイラの状態問い合わせは1台ずつ行うものであるため、ボイラの接続台数が多くなると、燃焼指令を受け取るまでに時間が掛かってしまう。そこで、問い合わせと同時に接続分のボイラで燃焼指令を送信しているが、それでも状態問い合わせの返信を受け取るまでの間は新たな燃焼指令を出力することができない。そのために、台数制御をリアルタイムで行うことができず、制御に遅れが生じることになる。台数制御で遅れが発生すると、負荷に対する追従性が低下することになる。また、制御の遅れによって蒸気圧力値の低下が大きくなり、そのためにボイラの燃焼量を大きく増加することで蒸気圧力が急上昇して、蒸気圧力値が大きく上昇し、次は燃焼量を大きく減少することを繰り返すことによって、ハンチングが発生することもあった。
【0005】
また、特許4083911号公報に記載がある発明では、台数制御装置による台数制御は行わず、各ボイラでの運転制御は個々のボイラにおける蒸気圧力値に基づいて燃焼量を決定するようにしている。この場合、各ボイラで個々に燃焼量の制御を行うものであるため、上記のような台数制御装置がボイラの状態を一つずつ確認するということはなく、上記の制御遅れはなくすことができる。しかし、蒸気ヘッダとボイラでの圧力値は同一ではなく、さらにボイラの燃焼状態によっても大きく変化するため、個々のボイラでの蒸気圧力値に基づく運転制御では正確な台数制御を行うことができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許4083911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、台数制御を行っている多缶設置ボイラにおいて、制御の遅れや正確な台数制御が行えなくなることを防止することのできる多缶設置ボイラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、個々に運転制御装置を持った複数台のボイラと、前記の複数台設置したボイラに対して燃焼量を決定する要素の設定を行う台数制御装置と、ボイラから発生した蒸気を集合させた状態で圧力を計測するヘッダ部蒸気圧力検出装置を持った蒸気ヘッダからなる多缶設置ボイラであって、前記台数制御装置は、前記個々の運転制御装置に対して台数制御関連の設定項目(稼働優先順位、圧力幅、パターン)を設定し、前記個々の運転制御装置では、台数制御装置によって設定された前記項目と、ヘッダ部蒸気圧力検出装置で計測した蒸気ヘッダの蒸気圧力値に基づき、それぞれのボイラで必要とされる燃焼量を算出するものであり、前記台数制御装置と前記個々の運転制御装置との間の情報伝達装置として、各ボイラに設置している運転制御装置に対して台数制御関連の設定を行う台数制御関連設定用通信装置と、ヘッダ部蒸気圧力検出装置で計測した蒸気圧力値をボイラの運転制御装置へ伝達する蒸気圧力値伝達装置を別に設置していることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記の多缶設置ボイラにおいて前記台数制御関連設定用通信装置は通信でのやりとりを行い、前記蒸気圧力値伝達装置はアナログ出力で伝達するものとしていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明を実施することで、台数制御での負荷に対する追従性が高まり、ハンチングの抑制も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施例における多缶設置ボイラのフロー図
図2】本発明の一実施例での台数制御説明図
図3】本発明の一実施例での蒸気圧力低下時におけるボイラ燃焼量説明図
図4】本発明の一実施例での蒸気圧力上昇時におけるボイラ燃焼量説明図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施例における多缶設置ボイラのフロー図、図2は本発明の一実施例での台数制御説明図、図3図4は本発明の一実施例でのボイラ燃焼量説明図であって、図3は蒸気圧力低下時、図4は蒸気圧力上昇時のボイラの運転状況を示している。ボイラ1は、燃焼装置によってボイラ水を加熱して蒸気を発生するものであり、各ボイラ1で発生した蒸気は、ボイラ1の上部に接続している蒸気配管6を通してボイラ内から取り出す。各ボイラからの蒸気配管6は蒸気ヘッダ2に接続しており、各ボイラ1で発生した蒸気は蒸気ヘッダ2に一旦集合させてから、蒸気使用箇所へ送るようにしている。
【0013】
蒸気ヘッダ2には蒸気ヘッダ2内における蒸気圧力値を検出するヘッダ部蒸気圧力検出装置3を設けておき、ヘッダ部蒸気圧力検出装置3で検出した蒸気圧力値に基づいてボイラ1の運転を制御する。ボイラの運転は各ボイラに設置している運転制御装置5と、各ボイラに対して台数制御関連の設定値を出力する台数制御装置4などによって行う。
【0014】
台数制御装置4と各ボイラの運転制御装置5の間には、ボイラの状態問い合わせや、各ボイラの稼働優先順位、圧力幅、パターンの設定を通信する台数制御関連設定用通信装置7を設けている。台数制御装置4では、各ボイラに対してボイラの状態を問い合わるようにしており、ボイラでは異常が発生している場合や、全ブロー実施のために運転が行えないなどの場合には、台数制御装置4に対して運転が行えないことを返信する。台数制御装置4では運転を行えないボイラがあった場合には、そのことを考慮して稼働優先順位の決定を行う。本実施例ではボイラ1は4台設置しており、そのうちの3台のボイラを使用して台数制御を行うものとしておく。台数制御装置4では台数制御対象とした3台のボイラに対して稼働優先順位を設定し、第1位から第3位のボイラで台数制御を行う。
【0015】
ボイラの稼働優先順位は、上位のものほど運転時間が長くなるため、24時間毎など定期的にローテーションを行っている。稼働優先順位の変更時には、運転時間の短いボイラほど上位になるようにすることで、各ボイラの運転時間を均等化することができる。また、異常が発生するなどして運転を行えないボイラが存在した場合には、そのボイラは台数制御の対象外とするか、稼働優先順位の最下位とする。
【0016】
台数制御装置4で各ボイラの稼働優先順位を決定すると、各ボイラの運転制御装置5に対して稼働優先順位の設定を行う。台数制御装置4では、台数制御関連設定用通信装置7を通じて各ボイラの運転制御装置5に対して稼働優先順位の指定を行うようにしている。また、ユーザが設定した圧力幅及び制御パターンについても、台数制御装置4から稼働優先順位設定用通信装置7を通じて運転制御装置5に指定する。おり、各ボイラでは指定された稼働優先順位と、圧力幅及び制御パターンと、蒸気圧力値の関係に基づいて燃焼状態の変更を行うことになる。
【0017】
ボイラ全体での燃焼量は図2に記載しているようになる。図2は、高燃焼、中燃焼、低燃焼、燃焼停止の4位置燃焼制御を行うボイラ3台で台数制御を行う場合であり、台数制御を行う3台のボイラでの燃焼量を四角内に記載している。図では、高燃焼で運転を行うボイラをH、中燃焼で運転を行うボイラをM、低燃焼で燃焼を行うボイラをL、燃焼停止のボイラを−で示しており、稼働優先順位は四角内の左端に記載しているボイラが第1位、真ん中のボイラが第2位、右端のボイラが第3位となる。ボイラの運転パターンは、蒸気ヘッダ2内の蒸気圧力値が上限値より高くなった「―――」から下限値より低くなった「HHH」まであり、蒸気ヘッダ2での蒸気圧力値が高くなるほどボイラ全体での燃焼量は小さくし、蒸気圧力値が低くなるほどボイラ全体での燃焼量を大きくしていく。
【0018】
実施例では、一部の圧力域においては、燃焼量を増加する場合と減少する場合で異なる燃焼パターンとしている。例えば「L――」から燃焼量を増加する場合は「M――」とし、さらに燃焼量を増加する場合には「ML−」とする。この状態から燃焼量を減少する場合には、「ML−」から「M−−」に戻すのではなく「LL−」としている。このように、燃焼パターンを複数設定しているのは、ボイラの燃焼台数を増減する頻度を少なくするためである。「ML−」から1段階燃焼量を減少し、その後に1段階燃焼量を増加するケースで考える。実施例での燃焼パターンでは、「ML−」から「LL―」とし、その後に「ML−」となる。この場合には、ボイラの燃焼台数は2台で変化しておらず、稼働優先順位が第2位のボイラでは低燃焼を継続し、第1位のボイラでは、中燃焼、低燃焼、低燃焼となる。ボイラでは燃焼停止時にはポストパージ、燃焼開始時にはプレパージを行うことで炉内を換気しているが、その際には缶体が冷やされるため熱の放出量が増加し、ボイラの効率は低下することになる。実施例の燃焼パターンでは、燃焼の停止は行われていないため、熱の放出量が大きくなることがなく、ボイラ効率は維持できている。
【0019】
これに対して、「ML−」から「M――」に戻し、その後に「ML−」とした場合には、ボイラの燃焼台数は2台、1台、2台と変化することになる。この場合、稼働優先順位第2位のボイラでは、低燃焼、燃焼停止、低燃焼となり、燃焼停止時にはポストパージ、燃焼開始時にはプレパージを行うことで炉内が冷やされるため、熱の放出量が増加してボイラの効率は低下する。本実施例では、このような燃焼台数の増減を抑えるための台数制御のパターンとしている。
【0020】
本発明での台数制御装置4は、各ボイラに対しては稼働優先順位と圧力幅、パターンを設定するところまで行い、燃焼量の指示を行うことまではしていない。各ボイラでの運転制御は、ボイラ自身の運転制御装置5によって行う。各ボイラでは、台数制御装置4から台数制御関連の設定を受けており、稼働優先順位に基づいて運転を行う圧力域を設定する。そして台数制御装置4又はヘッダ部蒸気圧力検出装置3から直接、ボイラでの燃焼量を制御する要素となる蒸気ヘッダ2での蒸気圧力値を各ボイラの運転制御装置5へ送る。
【0021】
蒸気圧力値の運転制御装置5への伝達には、上記の台数制御関連設定用通信装置7とは別に設置した蒸気圧力値伝達装置8を使用して行う。蒸気圧力値伝達装置8は、アナログ出力にて行うことが好ましく、例えば、蒸気圧力値の範囲に対応させた4〜20mmAや1〜5Vの出力を台数制御装置4から行い、運転制御装置5では台数制御装置4からの出力値を蒸気圧力値に変換するようにしておく。ボイラの状態問い合わせや稼働優先順位及び稼働優先順位に基づいて定まる燃焼量と蒸気圧力値の関係設定では、伝達すべき情報量が多くなるため、台数制御関連設定用通信装置7ではデジタル出力(RS−485等の通信でのやりとり)が有効である。しかし、蒸気ヘッダ2における蒸気圧力値がどの範囲にあるかを伝達するような場合、伝達すべき情報は限られており、また情報伝達に要するタイムラグは短い方が望ましい。アナログ出力にて蒸気圧力値を伝達した場合、通信でのやり取りが不要となり、リアルタイムでの伝達が可能となるため、より遅延なく台数制御を行える。そのため蒸気圧力値伝達装置8はアナログ出力にて行うものとしておく。
【0022】
各ボイラに設置している運転制御装置5では、台数制御装置4で定めた稼働優先順位に基づく蒸気圧力値と燃焼量の関係を設定しておく。そして送られてきた蒸気圧力値に基づいて、必要な燃焼量を選択し、燃焼を行う。
【0023】
図3図4はボイラごとの燃焼量を説明するものであり、図3は蒸気ヘッダ2での蒸気圧力値が低下している場合での台数制御、図4は蒸気ヘッダ2での蒸気圧力値が上昇している場合での台数制御を示している。蒸気圧力値が上昇している場合と低下している場合で燃焼パターンが異なるのは、先に記載した通りであり、また図3図4では閾値の値を異ならせている。これは、蒸気圧力値が上昇する場合と低下する場合で閾値が同じであると、僅かの圧力変動で燃焼量の増減が繰り返されることがあるためである。
【0024】
図4に記載の蒸気圧力値が上昇している場合には、閾値を高圧側にずらすことで、僅かな圧力変動で細かく燃焼量の変更が行われることを防止している。蒸気圧力値が上昇する場合と低下する場合で閾値をずらしておくと、蒸気圧力がより高い圧力に上昇してから燃焼量を減少し、蒸気圧力がより低い圧力まで低下してから燃焼量を増加することになる。この場合、ずらした幅分の圧力変動が行われないと燃焼量の変更が行われないため、僅かな圧力変動で細かく燃焼量の変更が行われることを防止できる。
【0025】
図3では稼働優先順位が第1位となるボイラでは、ヘッダ部蒸気圧力検出装置3で検出した蒸気ヘッダ部での蒸気圧力値が0.74MPa未満であれば高燃焼、蒸気圧力値が0.74MPa〜0.84MPaであれば中燃焼、0.84MPa〜0.86MPaであれば低燃焼、0.86MPaより高い場合には燃焼停止とする。同様に、稼働優先順位が第2位となるボイラでは、蒸気ヘッダ部での蒸気圧力値が0.72MPa未満であれば高燃焼、0.72MPa〜0.80MPaであれば中燃焼、0.80MPa〜0.82MPaであれば低燃焼、0.82MPaより高い場合には燃焼停止とする。そして稼働優先順位が第3位となるボイラでは、蒸気ヘッダ部での蒸気圧力値が0.70MPa未満であれば高燃焼、0.70MPa〜0.76MPaであれば中燃焼、0.76MPa〜0.78MPaであれば低燃焼、0.78MPaより高い場合には燃焼停止とする。
【0026】
蒸気圧力値が上昇している場合には図4に記載の燃焼量となる。図4の場合には、稼働優先順位が第1位となるボイラでは、蒸気圧力値が0.75MPa未満であれば高燃焼、0.75MPa〜0.81MPaであれば中燃焼、0.81MPa〜0.87MPaであれば低燃焼、0.87MPaより高い場合には燃焼停止とする。同様に、稼働優先順位が第2位となるボイラでは、蒸気圧力値が0.73MPa未満であれば高燃焼、0.73MPa〜0.79MPaであれば中燃焼、0.79MPa〜0.85MPaであれば低燃焼、0.85MPaより高い場合には燃焼停止とする。そして稼働優先順位が第3位となるボイラでは、蒸気圧力値が0.71MPa未満であれば高燃焼、0.71MPa〜0.77MPaであれば中燃焼、0.77MPa〜0.83MPaであれば低燃焼、0.83MPaより高い場合には燃焼停止とする。
【0027】
運転制御装置5にこのような設定をしておくと、その時点における蒸気ヘッダ2での蒸気圧力が分かれば、各ボイラでの必要な燃焼量を定めることができる。例えば図3に記載の蒸気圧力低下時、ヘッダ部蒸気圧力検出装置3で計測した蒸気ヘッダでの蒸気圧力値が0.73MPaであったとする。台数制御装置4は、ヘッダ部蒸気圧力検出装置3で計測した蒸気圧力値を取り込み、蒸気圧力値伝達装置8を通じて各ボイラの運転制御装置5へ伝達する。図3で0.73MPaでの燃焼量は、稼働優先順位が第1位で高燃焼、第2位と第3位で低燃焼になっているため、第1位ボイラの運転制御装置5では高燃焼で運転、第2位と第3位ボイラの運転制御装置5では中燃焼で運転を行う。
【0028】
また、蒸気圧力値が上昇している場合は図4の燃焼量となる。ここでのヘッダ部蒸気圧力検出装置3で計測した蒸気ヘッダでの蒸気圧力値は0.84MPaであったとする。前記と同様に、台数制御装置4は、ヘッダ部蒸気圧力検出装置3で計測した蒸気圧力値を取り込み、蒸気圧力値伝達装置8を通じて各ボイラの運転制御装置5へ伝達する。図4で0.84MPaでの燃焼量は、稼働優先順位が第1位と第2位で低燃焼、第3位で燃焼停止になっているため、第1位ボイラと第2位ボイラの運転制御装置5では低燃焼で運転、第3位ボイラの運転制御装置5では燃焼停止とする。
【0029】
ボイラでの燃焼量の決定は、各運転制御装置5でそれぞれ独自に制御するものであるが、制御の基になる稼働優先順位と蒸気ヘッダでの蒸気圧力値の計測は一元化しているため、台数制御がバラバラになることはなく、全体としても適切な台数制御を行うことができる。そして運転制御装置5では蒸気ヘッダでの蒸気圧力値を遅延なく取り込むことができるため、制御の遅れも発生させることなく台数制御を行うことができる。なお、台数制御装置4にて行う稼働優先順位の設定では、各ボイラは燃焼を行える状態にあるかの確認を行う場合、台数制御装置4から各ボイラへの状態問い合わせは台数制御関連設定用通信装置7を通じて行う。稼働優先順位の変更は台数制御での燃焼量の変更に比べて大幅に頻度が少ないものであって、即応性はあまり重視されない。
【0030】
本発明は以上説明した実施例に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 ボイラ
2 蒸気ヘッダ
3 ヘッダ部蒸気圧力検出装置
4 台数制御装置
5 運転制御装置
6 蒸気配管
7 台数制御関連設定用通信装置
8 蒸気圧力値伝達装置


図1
図2
図3
図4