特許第6684087号(P6684087)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6684087
(24)【登録日】2020年3月31日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】光エンコーダ
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/347 20060101AFI20200413BHJP
【FI】
   G01D5/347 110B
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-247013(P2015-247013)
(22)【出願日】2015年12月18日
(65)【公開番号】特開2017-111068(P2017-111068A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2018年10月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】390009667
【氏名又は名称】セイコーNPC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077986
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 太一
(72)【発明者】
【氏名】中島 秀幸
【審査官】 眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−220655(JP,A)
【文献】 特表2001−512818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00−5/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する光源と、光学的パターンが形成されて前記光源に対して相対的に移動可能なスケールと、前記光源から出射されて前記光学的パターンを経由した光を検出する光検出器を備えた光エンコーダであって、前記スケールの光学的パターンは、前記スケールの移動方向に反射部と非反射部とを交互に配列してなる周期的なインクリメンタルパターンの中に、非周期的なインデックスパターンを少なくとも一つ配置してなり、前記光検出器は、前記インクリメンタルパターンを検出する光検出器と、前記インクリメンタルパターンを検出する光検出器に挟まれた1個、及び隣接した2個の前記インデックスパターンを検出する光検出器を、前記スケールの移動方向に一定のパターンで配列してなる一方、前記インデックスパターンを検出する光検出器の検出信号に基づいて基準位置信号を生成する信号処理回路を有し、
前記非周期的なインデックスパターンは、前記インクリメンタルパターンの反射部に挟まれるようにして、非反射部、反射部、非反射部をほぼ1対3対1の幅で、かつ前記各非反射部の幅は前記インクリメンタルパターンの反射部とほぼ同一幅として配置してなり、
または、前記非周期的なインデックスパターンは、前記インクリメンタルパターンの非反射部に挟まれるようにして、反射部、非反射部、反射部をほぼ1対3対1の幅で、かつ前記各反射部の幅は前記インクリメンタルパターンの非反射部とほぼ同一幅として配置してなり、
前記インクリメンタルパターンを検出する光検出器は、一定周期を有する明暗パターンの90度ずつ位相の異なる4つの位相部分を検出可能なように、各位相部分に対応させた4つの光検出器を周期的に配列してなり、
前記インデックスパターンを検出する光検出器は、8個の光検出器を3個、1個、1個、3個の第1〜第4の4グループに分けて、前記インクリメンタルパターン検出用光検出器の連続する任意の4個のうち1番目、2番目、4番目の光検出器を前記第1グループの光検出器に置き換え、続く4個のうち3番目の光検出器を前記第2グループの光検出器に置き換え、続く4個のうち3番目の光検出器を前記第3グループの光検出器に置き換え、続く4個のうち1番目、2番目、4番目の光検出器を前記第4グループの光検出器に置き換えてなり、
前記信号処理回路は、前記8個のインデックスパターン検出用光検出器の各検出信号を電圧変換した上、第1,第4グループの各検出信号を差動増幅して得た差分信号を基準信号と比較して生成したパルス信号と、第2,第3グループの各検出信号を差動増幅して得た差分信号を前記第1,第4グループの差分信号と比較して生成したパルス信号とを論理演算して基準位置信号とする
ことを特徴とする光エンコーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的手段を用いた光エンコーダに関し、特に、3重回折格子技術を用いた光エンコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
光エンコーダは、物体の移動量及び/又は基準位置を検出するために用いられるものであり、各種の構成が知られている。このうち、3重回折格子技術を用いて物体の移動量を検出する光エンコーダは、光を出射する光源と、周期的な光学パターンを有し、前記光源に対して相対的に移動するスケールと、前記光源から出射されて前記スケールを経由した光を検出する光検出器とからなる。そして、前記光検出器は、例えばフォトダイオードからなる検出器を複数配列してなり、各検出器は、一定周期を有する明暗パターンの90度ずつ位相の異なる4つの位相部分を検出可能なように、前記周期ごとに電気的に接続された4つのグループ、すなわち、A相、B相、−A相(以下「AB相」という。)、−B相(以下「BB相」という。)を検出する各グループに分けられている。これら4つのグループが検出する信号は、互いに90度ずつ位相が異なり、例えばA相とAB相は、位相が180度異なる反転信号である(特許文献1)。
【0003】
前記3重回折格子技術を用いた光エンコーダで、スケールの移動量に加えて基準位置を検出する機能を有するものとしては、スケールにおける物体の移動を検出するための周期的パターンであるインクリメンタルパターンと、基準位置を検出するためインデックスパターンを、別々に離れた位置に設ける一方、光検出器における前記インクリメンタルパターンを経由した光を検出する周期的パターン検出用光検出器と、前記インデックスパターンを経由した光を検出する基準位置検出用光検出器を、別々に離れた位置に設ける構成が知られている。そして、前記基準位置検出用光検出器による検出信号に基づいて基準位置信号(Z相パルス信号)を得るものである(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4658452号公報
【特許文献2】特許第4869628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、この基準位置検出用光検出器による検出信号に基づいて基準位置信号(Z相パルス信号)を得る従来技術では、前述のように、スケールに設けたインクリメンタルパターンとインデックスパターンが別々に離れた位置に配置される一方、光検出器に設けた前記インクリメンタルパターンを経由した光を検出する周期的パターン検出用光検出器と、前記インデックスパターンを経由した光を検出する基準位置検出用光検出器も、別々に離れた位置に配置されているので、スケールと光源及び光検出器の各取り付け位置にばらつきがあると、本来インクリメンタルパターンに入射される光が、インデックスパターンに入射されて基準位置検出用光検出器で検出されるという事態を生じるため、インデックスパターンを経由した光で生成される基準位置信号(Z相パルス信号)を安定して、確実に検出できないという不都合がある。
【0006】
本発明は、この不都合を解消して、基準位置信号(Z相パルス信号)を安定して、確実に検出できる3重回折格子技術を用いた光エンコーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために本発明の請求項1に係る光エンコーダは、光を出射する光源と、光学的パターンが形成されて前記光源に対して相対的に移動可能なスケールと、前記光源から出射されて前記光学的パターンを経由した光を検出する光検出器を備えた光エンコーダであって、前記スケールの光学的パターンは、前記スケールの移動方向に反射部と非反射部とを交互に配列してなる周期的なインクリメンタルパターンの中に、非周期的なインデックスパターンを少なくとも一つ配置してなり、前記光検出器は、前記インクリメンタルパターンを検出する光検出器と、前記インクリメンタルパターンを検出する光検出器に挟まれた1個、及び隣接した2個の前記インデックスパターンを検出する光検出器を、前記スケールの移動方向に一定のパターンで配列してなる一方、前記インデックスパターンを検出する光検出器の検出信号に基づいて基準位置信号を生成する信号処理回路を有し、前記非周期的なインデックスパターンは、前記インクリメンタルパターンの反射部に挟まれるようにして、非反射部、反射部、非反射部をほぼ1対3対1の幅で、かつ前記各非反射部の幅は前記インクリメンタルパターンの反射部とほぼ同一幅として配置してなり、または、前記非周期的なインデックスパターンは、前記インクリメンタルパターンの非反射部に挟まれるようにして、反射部、非反射部、反射部をほぼ1対3対1の幅で、かつ前記各反射部の幅は前記インクリメンタルパターンの非反射部とほぼ同一幅として配置してなり、前記インクリメンタルパターンを検出する光検出器は、一定周期を有する明暗パターンの90度ずつ位相の異なる4つの位相部分を検出可能なように、各位相部分に対応させた4つの光検出器を周期的に配列してなり、前記インデックスパターンを検出する光検出器は、8個の光検出器を3個、1個、1個、3個の第1〜第4の4グループに分けて、前記インクリメンタルパターン検出用光検出器の連続する任意の4個のうち1番目、2番目、4番目の光検出器を前記第1グループの光検出器に置き換え、続く4個のうち3番目の光検出器を前記第2グループの光検出器に置き換え、続く4個のうち3番目の光検出器を前記第3グループの光検出器に置き換え、続く4個のうち1番目、2番目、4番目の光検出器を前記第4グループの光検出器に置き換えてなり、前記信号処理回路は、前記8個のインデックスパターン検出用光検出器の各検出信号を電圧変換した上、第1,第4グループの各検出信号を差動増幅して得た差分信号を基準信号と比較して生成したパルス信号と、第2,第3グループの各検出信号を差動増幅して得た差分信号を前記第1,第4グループの差分信号と比較して生成したパルス信号とを論理演算して基準位置信号とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1に係る光エンコーダによれば、スケールのインクリメンタルパターンの配列中にインデックスパターンを配置し、インクリメンタルパターン検出用光検出器の配列中にインデックスパターン検出用光検出器を配置することによって、光源、スケール、光検出器の各取り付け位置のばらつきによる前記各パターン及び前記各パターンに対応する光検出器への光の誤入射がなくなり、基準位置信号を安定して、確実に検出できるという効果を奏するとともに、インクリメンタルパターン検出用の光検出器配列中の所定位置に配置した8個のインデックスパターン検出用光検出器の検出信号を差動増幅、論理演算して基準位置信号を求めることにより、前記検出信号以外のインクリメンタルパターンを経由した光やオフセット光に基づく信号をキャンセルすることで、基準位置信号をより安定して、より確実に検出できるという効果を奏する
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態を示す概略的な斜視図。
図2】同じく側面図。
図3】同じく光源スリットとスケールにおける反射部、非反射部の配列状態、並びに光検出器におけるインクリメンタルパターン検出用とインデックスパターン検出用の各検出器の配列状態の一例を示す説明図。
図4】同じく各相開始時におけるインクリメンタルパターン検出用光検出器とインデックスパターン検出用光検出器の相対的位置関係を示す比較表。
図5】同じくインデックスパターン検出用光検出器の検出信号を処理する検出信号処理回路の一例を示す構成図。
図6】同じく検出信号処理回路による差動増幅前後の電圧波形図。
図7】同じく検出信号処理回路によるパルス信号化後の電圧波形図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を3重回折格子技術を用いた反射型光エンコーダに適用した一実施形態について、添付図面に基づき説明する。図1及び図2に示すように、光エンコーダは、エンコーダヘッド1と、スケール2からなり、これらエンコーダヘッド1とスケール2は、X方向に相対的に移動可能である。
【0013】
エンコーダヘッド1は、PCB基板3上に、LEDなどの光源4とIC5を搭載してなり、前記IC5内部に光電変換可能なフォトダイオードなどの光検出器6を多数配列して、光検出器アレイ(以下「PDアレイ」という。)6Aを構成している。前記光源4の上面には、光が透過可能なガラス基板などで構成されて光学的な遮光部10aと透過部10bを有する光源スリット(以下「スリット」という。)7が、第1の回折格子として配置されている。また、前記光源4と前記IC5は、互いの上面がほぼ同一高さ位置にあるとともに、透明樹脂8で被覆されている。したがって、前記スリット7は、PDアレイ6Aの表面とほぼ同一高さ位置に設けられているものである(図2参照)。
【0014】
光源4から出射した光は、スリット7の透過部10bを透過して透明樹脂8を透過し、ガラス基板などで構成されて光学的な反射部9aと非反射部9bを有する、第2の回折格子であるスケール2に入射する。このスケール2の反射部9aで反射された光は、再び透明樹脂8を透過して、PDアレイ6Aに入射される。図中のLは光路を示している。また、スケール2がX方向に移動することで、スケール2で反射される光路が変化する。なお、光源4の出射光の波長と、スリット7の透過部10bのピッチと、スケール2の周期的パターンのピッチは、3重回折格子技術による光エンコーダの要件を充たすよう構成されている。そして、PDアレイ6Aにおける光検出器6のピッチとスケール2の周期的パターンのピッチ、光源4と前記周期的パターンとの距離、前記PDアレイ6Aと前記周期的パターンとの距離の各関係に応じて、スケール2の第2の回折格子と相似な明暗パターンが、第3の回折格子として前記PDアレイ6A上に光学的に生成される。
【0015】
続いて,図3に基づいて、スリット7、スケール2及びPDアレイ6Aの各構成をより詳細に説明する。図3(a)に示すように、スリット7の遮光部10aと透過部10bは同一幅2W(Wは所定の長さを示す)で形成されることによって、前記遮光部10aは等間隔2Wをおいて配置されている。また、図3(b)に示すように、スケール2の周期的パターンであるインクリメンタルパターンにおいては、交互に配列された反射部9aと非反射部9bは同一幅Wで形成されることによって、前記反射部9aは等間隔Wをおいて配置されている。一方、非周期的なパターンであるインデックスパターンとして、インクリメンタルパターンの中に、幅が3Wの反射部11aとその両側に位置する幅がWの非反射部11bが形成されている。そして、前記反射部11aの幅方向中央を通る中心線Mを軸として、インデックスパターンとインクリメンタルパターンは、左右対称なパターンを形成している。本実施形態におけるインデックスパターンは、インクリメンタルパターンにおける一つの非反射部を反射部に変換することにより形成している。また、本実施形態では、前記反射部11aの幅方向中央を通る中心線Mを軸として、インデックスパターンとインクリメンタルパターンは、左右対称なパターンを形成しているが、左右非対称なパターンを形成しても良い。
【0016】
図3(c)に示すように、PDアレイ6Aは、幅がスケール2の反射部9a及び非反射部9bの各幅Wよりも若干狭いフォトダイオードからなる光検出器6を等間隔に多数配列してなる。なお、物理構造上、光検出器6は各幅Wより若干狭いが、スケール2の周期的パターンピッチとPDアレイ6Aにおける光検出器6の光学的ピッチは略同等である。このうち、インクリメンタルパターン検出用である各光検出器6は、A相、B相、AB相、BB相の4相のうち一相を検出するもので、検出対象がA相、B相、AB相、BB相の順で周期的に配置されている。説明の便宜上、各光検出器6には検出する相に対応させて、それぞれA,B,AB,BBと図示している。また、これらインクリメンタルパターン検出用の光検出器6の配列中に、インデックスパターンを検出してZ相パルス信号を生成するための4グループ合計8個の光検出器6zを、インクリメンタルパターン検出用の光検出器6と置き換えて配置しており、その使用するPDアレイ6Aの領域を、説明の便宜上グループ別にZ1〜Z4と図示している。
【0017】
図3(c)は、光検出器3個の第1グループZ1、光検出器1個の第2グループZ2、光検出器1個の第3グループZ3、光検出器3個の第4グループZ4の配列について、A相開始時、すなわち第1グループZ1のはじめの光検出器がA相を検出する光検出器6に対応する場合、PDアレイ6Aでの配置領域を示すものである。具体的には、連続するA〜BBの4個の光検出器6において1番目A、2番目B、4番目BBの3個の光検出器6を前記第1グループZ1の光検出器6zに置き換え、続くA〜BBの4個の光検出器6うち3番目ABの光検出器6を前記第2グループZ2の光検出器6zに置き換え、続くA〜BBの4個の光検出器6うち3番目ABの光検出器6を前記第3グループZ3の光検出器6zに置き換え、続くA〜BBの4個の光検出器6のうち1番目A、2番目B、4番目BBの3個の光検出器6を前記第4グループZ4の光検出器6zに置き換えてなるものである。
【0018】
また、B相、AB相、BB相各開始時のPDアレイ6Aにおける各グループZ1〜Z4の光検出器における使用領域は上述とは異なり、これらの場合は図4に示す通りである。この図4で理解できるように、A相、B相、AB相、BB相のどの相の開始時においても、PDアレイ6Aの光検出器の配列中における各グループZ1〜Z4の相対的位置関係は変わらないものである。
【0019】
以上の構成において、光源4から出射され、スリット7を通過してインクリメンタルパターンで反射された光は、PDアレイ6A上に明暗パターンを形成し、この明暗パターンはインクリメンタルパターン検出用の光検出器6で検出される。インクリメンタルパターン検出用の光検出器6から出力された検出信号は、図示していない公知の信号処理回路で処理されて、エンコーダヘッド1に対するスケール2の相対的な移動量が検出される。
【0020】
また、図3(b)の別実施構成では、スケール2の周期的パターンであるインクリメンタルパターンにおいては、上述したように、交互に配列された反射部9aと非反射部9bは同一幅Wで形成されることによって、前記反射部9aは等間隔Wをおいて配置されている。そして、非周期的なパターンであるインデックスパターンとして、インクリメンタルパターンの中に、幅が3Wの非反射部11bとその両側に位置する幅がWの反射部11aが形成されている。そして、前記反射部11aの幅方向中央を通る中心線Mを軸として、インデックスパターンとインクリメンタルパターンは、左右対称なパターンを形成している。本実施形態におけるインデックスパターンは、インクリメンタルパターンにおける一つの非反射部を反射部に変換することにより形成している。また、本実施形態では、前記反射部11aの幅方向中央を通る中心線Mを軸として、インデックスパターンとインクリメンタルパターンは、左右対称なパターンを形成しているが、左右非対称なパターンを形成しても良い。図3(b)の別実施構成におけるインデックスパターンは、インクリメンタルパターンにおける一つの反射部を非反射部に変換することにより形成している。なお、その時のスケール、及びPDアレイは、図3(a)、図3(b)で示した構成であり、同様に図1で示した3重回折格子技術を用いた反射型光エンコーダに適用した一実施形態の構成を成す。
【0021】
次に、インデックスパターン検出信号から基準位置信号(Z相パルス信号)を生成する信号処理回路を、図5に基づいて説明する。インデックスパターン検出用光検出器6zに光が入射して、各グループZ1〜Z4の光検出器6zから光電変換された電流信号が出力されると、第1グループZ1の電流信号は電流電圧変換回路12aに入力され、第2グループZ2の電流信号は電流電圧変換回路12cに入力され、第3グループZ3の電流信号は電流電圧変換回路12dに入力され、第4グループZ4の電流信号は電流電圧変換回路12bに入力される。前記各電流電圧変換回路12a,12b,12c,12dは、それぞれ入力された電流信号を電圧信号に変換して出力する。
【0022】
第1グループZ1の出力信号と第4グループZ4の出力信号は、差動増幅回路13aに入力し、この差動増幅回路13aにより前記各出力信号の差分信号が増幅されて出力される。また、第2グループZ2の出力信号と第3グループZ3の出力信号は、差動増幅回路13bに入力し、この差動増幅回路13bにより前記各出力信号の差分信号が増幅されて出力される。そして、ウィンドウコンパレータのような比較回路14において、前記差動増幅回路13aの出力と基準電圧とを比較して二値化したパルス信号を生成するとともに、前記差動増幅回路13aの出力と前記差動増幅回路13bの出力を比較して二値化したパルス信号を生成する。前記比較回路14から出力された各パルス信号はAND回路15に入力し、論理演算されて、基準位置信号であるZ相パルス信号が出力端子16から出力される。また、図5は、AND回路15を用いて論理演算されているが、NAND回路などを用いて論理演算されても良い。
【0023】
続いて、本実施形態における基準位置信号の生成について、図6及び図7に基づいてさらに説明する。図6は各電流電圧変換回路12a,12b,12c,12dの出力波形(a),(b),(c),(d)及び各差動増幅回路13a,13bの出力波形(e),(f)を示すもので、縦方向は電圧値、横方向は図1のX方向の距離を表している。また、波形の1周期に相当する図6のWは、図1のX方向にW分だけ図1に示すスケール2が移動した状態を示す。図7は各差動増幅回路13a,13bの出力を二値化した比較回路14の出力波形(g),(h)と基準位置信号(Z相パルス信号)であるAND回路15の出力波形(i)を示すものである。
【0024】
図6に示すように、差動増幅回路13aに波形(a)で入力した電流電圧変換回路12aの出力と、波形(b)で入力した電流電圧変換回路12bの出力は、差分が増幅されて波形(e)で差動増幅回路13aから出力される。一方、差動増幅回路13bに波形(c)で入力した電流電圧変換回路12cの出力と、波形(d)で入力した電流電圧変換回路12dの出力は、差分が増幅されて波形(f)で差動増幅回路13bから出力される。ここで、前記波形(a)と前記波形(b)との相違、及び前記波形(c)と前記波形(d)との相違は、光源4から出射された光がスケール2の反射部11aで反射されて、PDアレイ6AのZ1〜Z4領域の各光検出器6zに入射した時の入射光強度依存(場所依存)により生じるものである。
【0025】
図7に示すように、比較回路14に波形(e)で入力した差動増幅回路13aの出力は、基準電圧と比較されて二値化され、波形(g)のパルス信号として出力される。また、前記比較回路14に波形(f)で入力した差動増幅回路13bの出力は、前記差動増幅回路13aの波形(e)の出力と比較されて二値化され、波形(h)のパルス信号として出力される。これら前記比較回路14から出力された各波形(g),(h)の出力は、AND回路15に入力して論理演算され、波形(i)の基準位置信号(Z相パルス信号)として出力される。
【0026】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、反射型のみならず透過型の光エンコーダにも適用可能である。また、インデックスパターンの反射部11aの幅は、移動量及び基準位置の検出精度を考慮すると、インクリメンタルパターンの反射部9aの幅の3倍程度が好ましいことを、実験的に確認した。
【符号の説明】
【0027】
1 エンコーダヘッド
2 スケール
3 PCB基板
4 光源
5 IC
6 光検出器
6A PDアレイ
6Z インデックスパターン検出用光検出器
7 スリット
8 透明樹脂
9a,11a 反射部
9b,11b 非反射部
10a 遮光部
10b 透過部
12a,12b,12c,12d 電流電圧変換回路
13a,13b 差動増幅回路
14 比較回路
15 AND回路
16 出力端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7