(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1ないし複数のユーザ端末と通信可能なサーバを備え、前記ユーザ端末からの入力信号に基づいて、ユーザの座席が固定されていないフリーアドレス環境における座席位置に関する信号を前記サーバから前記ユーザ端末に送信して、ユーザが使用する使用座席を指定する座席指定システムであって、
前記サーバは、
空席の情報を含む座席情報を記憶する記憶部と、
使用座席を指定可能な指定座席パターンと、使用座席をランダムに選出するランダム座席パターンとを含む複数の座席パターンから1つの座席パターンを選択して設定するパターン設定処理部と、
前記パターン設定処理部によって設定された座席パターン、及び、前記ユーザ端末からの入力信号に基づいて、ユーザの使用座席を決定する座席決定処理部と、
前記座席決定処理部が決定した使用座席に関する信号を前記ユーザ端末に送信する通信処理部とを備え、
前記座席決定処理部は、前記パターン設定処理部によって前記指定座席パターンが設定される場合には、前記座席情報における空席のうち、前記ユーザ端末からの入力信号に対応する空席を使用座席として決定し、前記パターン設定処理部によって前記ランダム座席パターンが設定される場合には、前記座席情報における空席のうち、ランダムに選出する空席を使用座席として決定し、
前記サーバは、前記ユーザ端末からの特別に使用座席の指定を開始させる入力信号に基づいて、座席の指定を受け付ける指定受付部をさらに備え、
前記座席決定処理部は、前記パターン設定処理部によって前記ランダム座席パターンが設定される場合において、前記指定受付部によって座席の指定が受け付けられる場合には、前記座席情報における空席のうち、前記ユーザ端末からの入力信号に対応する空席を使用座席として決定することを特徴とする座席指定システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来の座席指定システムでは、ユーザが利用すべき座席を、一定のパターンで選択している。そのため、フリーアドレス環境の使用状況によっては、適切な座席の指定を行うことができない場合があるという不具合があった。例えば、オフィスによっては、勤務者が座席位置をある程度指定出来ることが望ましい場合もあれば、座席位置をある程度固定した方が望ましい場合もある。また、勤務日によって、望ましい座席の指定方法が変わることもある。しかし、常に一定のパターンで座席を指定すると、オフィスの使用状況などによっては、適切でない座席を指定する可能性がある。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、フリーアドレス環境における座席の指定において、使用状況に適した座席の指定を行うことができる座席指定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る座席指定システムは、1ないし複数のユーザ端末のそれぞれと通信可能なサーバを備える。前記座席指定システムは、前記ユーザ端末からの入力信号に基づいて、ユーザの座席が固定されていないフリーアドレス環境における座席位置に関する信号を前記サーバから前記ユーザ端末に送信して、ユーザが使用する使用座席を指定する。前記サーバは、記憶部と、パターン設定処理部と、座席決定処理部と、通信処理部とを備える。前記記憶部は、空席の情報を含む座席情報を記憶する。前記パターン設定処理部は、使用座席を指定可能な指定座席パターンと、使用座席をランダムに選出するランダム座席パターンとを含む複数の座席パターンから1つの座席パターンを選択して設定する。前記座席決定処理部は、前記パターン設定処理部によって設定された座席パターン、及び、前記ユーザ端末からの入力信号に基づいて、ユーザの使用座席を決定する。前記通信処理部は、前記座席決定処理部が決定した使用座席に関する信号を前記ユーザ端末に送信する。前記座席決定処理部は、前記パターン設定処理部によって前記指定座席パターンが設定される場合には、前記座席情報における空席のうち、前記ユーザ端末からの入力信号に対応する空席を使用座席として決定し、前記パターン設定処理部によって前記ランダム座席パターンが設定される場合には、前記座席情報における空席のうち、ランダムに選出する空席を使用座席として決定する。
【0008】
このような構成によれば、フリーアドレス環境において、使用座席の位置を指定出来ることが好ましい場合には、パターン設定処理部によって指定座席パターンを設定することにより、座席決定処理部は、座席情報における空席のうち、ユーザ端末からの入力信号に対応する空席を使用座席として決定する。また、フリーアドレス環境において、使用座席の位置をランダムに決定することが好ましい場合には、パターン設定処理部によってランダム座席パターンを設定することにより、座席決定処理部は、座席情報における空席のうち、ランダムに選出する空席を使用座席として決定する。
すなわち、パターン設定処理部によって最適な座席パターンを選択して設定することで、座席決定処理部によって使用座席を適切に決定できる。
そのため、フリーアドレス環境における座席の指定において、使用状況に適した座席の指定を行うことができる。
【0009】
(2)また、前記記憶部は、各ユーザと各座席とを対応づける固定座席情報を記憶してもよい。前記パターン設定処理部は、ユーザの使用座席が固定される固定座席パターンを選択可能であってもよい。前記座席決定処理部は、前記パターン設定処理部によって前記固定座席パターンが設定される場合には、前記固定座席情報において、前記ユーザ端末からの入力信号によって特定されるユーザと対応づけられる座席を使用座席として決定してもよい。
【0010】
このような構成によれば、パターン決定処理部は、指定座席パターン及びランダム座席パターンに加えて、固定座席パターンを設定できる。そして、パターン決定処理部が固定座席パターンを設定した場合には、座席決定処理部は、固定座席情報に基づいて、使用座席を決定する。
【0011】
そのため、フリーアドレス環境でありながら、ユーザの使用座席を固定することが好ましい場合には、パターン設定処理部によって固定座席パターンを設定することで、座席決定処理部が決定する使用座席を固定できる。例えば、オフィスにおいて、会議(ミーティング)が多い日などは、パターン設定処理部によって固定座席パターンを設定することで、業務内容に適した座席配置を実現できる。
【0012】
(3)また、前記記憶部は、座席ごとの確率情報を記憶してもよい。前記座席決定処理部は、前記パターン設定処理部によって前記ランダム座席パターンが設定される場合には、前記確率情報の確率で、空席をランダムに選出して使用座席として決定してもよい。
このような構成によれば、座席決定処理部によるランダムな使用座席の決定において、一定の規則性を設けることができる。
【0013】
(4)また、前記サーバは、指定受付部をさらに備えてもよい。前記指定受付部は、前記ユーザ端末からの入力信号に基づいて、座席の指定を受け付ける。前記座席決定処理部は、前記パターン設定処理部によって前記ランダム座席パターンが設定される場合において、前記指定受付部によって座席の指定が受け付けられる場合には、前記座席情報における空席のうち、前記ユーザ端末からの入力信号に対応する空席を使用座席として決定してもよい。
【0014】
このような構成によれば、パターン設定処理部によってランダム座席パターンが設定されている場合であっても、座席を指定したい場合には、指定受付部によって座席の指定を受け付けることにより、空席を使用座席として指定できる。
そのため、使用状況に一層適した座席の指定を行うことができる。
【0015】
(5)また、前記記憶部は、前記座席情報として、空席を維持する座席を特定する空席維持情報を記憶してもよい。前記座席決定処理部は、前記空席維持情報で特定される座席以外の座席から使用座席を決定してもよい。
【0016】
このような構成によれば、所定の座席については、使用座席にせずに空席状態を維持できる。例えば、ミーティングスペースなど、空きスペースとして確保することが好ましいスペースに位置する座席については、空席維持情報として記憶部に記憶することで、ユーザの使用座席とせずに、空きスペースの状態を維持できる。
【0017】
(6)また、前記座席決定処理部は、使用座席を決定した後、所定のタイミングに基づいて、使用座席を空席にしてもよい。
【0018】
このような構成によれば、フリーアドレス環境において、特定の座席が長期間にわたって使用座席となることを防止できる。
【0019】
(7)また、前記記憶部は、所定のユーザを特定するユーザ情報を記憶してもよい。前記座席決定処理部は、前記ユーザ情報で特定されるユーザに対応して決定された使用座席については、使用座席の状態を維持してもよい。
【0020】
このような構成によれば、特定の使用座席については、所定のタイミングが経過しても、空席とせずに、使用座席の状態を維持できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、パターン設定処理部によって最適な座席パターンを選択して設定することで、座席決定処理部によって使用座席を適切に決定できる。そのため、フリーアドレス環境における座席の指定において、使用状況に適した座席の指定を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
1.座席指定システムの全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る座席指定システム1の構成例を示したブロック図である。
【0024】
座席指定システム1は、フリーアドレス環境における使用座席を指定するためのシステムであって、複数のユーザ端末2と、サーバ3とを備えている。各ユーザ端末2は、通信網Nを介して、サーバ3と通信可能である。通信網Nは、例えば、社内LANや、インターネットによって構成される。
【0025】
座席指定システム1では、ユーザによってユーザ端末2が操作されると、ユーザ端末2からサーバ3に向けて入力信号が送信される。サーバ3は、ユーザ端末2からの信号に基づいて、ユーザの使用座席を決定する。また、サーバ3は、当該決定した使用座席に関する信号を、ユーザ端末2に向けて送信する。そして、ユーザ端末2において、サーバ3からの信号に基づく表示が行われることにより、ユーザに対して使用座席が指定される。
【0026】
2.ユーザ端末及びサーバの詳細な構成
ユーザ端末2は、例えば、パーソナルコンピュータなどによって構成される。ユーザ端末2は、操作部21と、表示部22と、制御部23とを備えている。
操作部21は、例えば、キーバード及びマウスを含む構成である。
表示部22は、例えば、液晶表示器などにより構成されている。
【0027】
制御部23は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む構成である。制御部23は、操作部21及び表示部22との間で、電気信号の入力又は出力が可能である。制御部23は、CPUがプログラムを実行することにより、通信処理部231及びデータ処理部232として機能する。
通信処理部231は、通信網Nを介して、サーバ3に向けてデータを送信し、また、サーバ3からのデータを受信する。
データ処理部232は、通信処理部231がサーバ3から受信したデータに基づいて、表示部22の表示内容に関する処理を行う。
【0028】
サーバ3は、記憶部31と、制御部32とを備えている。
記憶部31は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスクなどにより構成されている。記憶部31は、固定座席情報311、確率情報312、ユーザ情報313及び座席情報314を記憶している。また、ユーザ情報313及び座席情報314は、例えば、データベースにて管理される。
【0029】
固定座席情報311は、各ユーザの使用座席を固定するための情報であって、各ユーザと各座席とを対応づける情報である。すなわち、固定座席情報311では、各座席に対してその座席を使用するユーザが割り当てられている。
【0030】
確率情報312は、フリーアドレス環境に配置される座席をランダムに選出する際の確率の情報である。具体的には、確率情報312は、各座席に対する重みづけの情報である。そして、座席をランダムに選出する際は、その重みづけに対応する確率で、ランダムな座席の選出が行われる。
【0031】
ユーザ情報313は、座席指定システム1を利用する複数のユーザ(フリーアドレス環境を利用するユーザ)に関する情報である。具体的には、ユーザ情報313には、各ユーザのユーザ番号(社員番号)、氏名、グループ名(部署名)及び生年月日の各情報が含まれている。そして、これらの各情報は、互いに対応づけられている。また、ユーザ情報313には、所定のユーザを特定するためのユーザ特定情報が含まれている。ユーザ特定情報において特定されたユーザに対しては、後述するように、座席指定システム1における座席の指定において、使用座席の維持が許可される。
【0032】
座席情報314は、フリーアドレス環境における座席に関する情報である。座席情報314には、アドレス情報315、空席維持情報316及び空席情報317が含まれている。
【0033】
アドレス情報315は、フリーアドレス環境に配置される全ての座席に関する情報である。具体的には、アドレス情報315には、全座席の数及び配置、並びに、座席を特定するための情報などが含まれている。後述するように、アドレス情報315の各座席の情報は、ユーザ情報313の各ユーザの情報と紐付けられたり、その紐付けが解除されたりする。
【0034】
空席維持情報316は、空席を維持する座席を特定するための情報であって、アドレス情報315に対応づけられている。空席維持情報316において特定された座席については、使用座席の指定が行われずに、空席が維持される。
【0035】
空席情報317は、空席となっている座席(使用座席として指定することが可能な座席)を示す情報である。そして、座席の指定が行われる場合には、空席情報317で示される座席の中から指定が行われる。具体的には、空席情報317では、ユーザ情報313とアドレス情報315との紐付きの有無を、空席であるか否かの情報としている。すなわち、ユーザ情報313における所定のユーザと、アドレス情報315における所定の座席とが紐付けられている場合には、空席情報317では、その座席(紐付きの有る座席)は空席でないもの(使用座席)として管理される。一方、ユーザ情報313における所定のユーザと、アドレス情報315における所定の座席とが紐付けられていない場合には、空席情報317では、その座席(紐付きの無い座席)は空席として管理される。
【0036】
制御部32は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む構成である。制御部32は、必要に応じて記憶部31に対するデータの入出力を行う。制御部32は、CPUがプログラムを実行することにより、通信処理部321、パターン設定処理部322、座席決定処理部323及び指定受付部324として機能する。
通信処理部321は、通信網Nを介して、ユーザ端末2に向けてデータを送信し、また、ユーザ端末2からのデータ(入力信号)を受信する。
【0037】
パターン設定処理部322は、通信処理部321が受信するユーザ端末2からのデータに基づいて、座席を指定する際の座席パターンを、予め定められている座席パターンの中から決定する。具体的には、パターン設定処理部322は、固定座席パターン、指定座席パターン及びランダム座席パターンの中から、1つの座席パターンを選択して設定する。固定座席パターンは、ユーザの使用座席が予め固定される座席パターンである。指定座席パターンは、ユーザによって空席の中から使用座席の指定(選択)を行う座席パターンである。ランダム座席パターンは、空席の中から使用座席をランダムに選出して指定する座席パターンである。
【0038】
座席決定処理部323は、パターン設定処理部322が設定する座席パターン、及び、通信処理部321が受信するユーザ端末2からのデータに基づいて、空席情報317で示される空席の中から使用座席を決定する。
【0039】
指定受付部324は、通信処理部321が受信するユーザ端末2からのデータに基づいて、ユーザによる座席の指定を受け付ける。指定受付部324が座席の指定を受け付ける場合には、後述するように、通常の場合と異なる座席の決定が行われる。
【0040】
3.表示画面の画面構成
図2Aは、ユーザ端末2の表示画面40における表示態様の一例であって、座席指定状態の表示画面40において、座席が指定される前の状態を示した概略図である。
【0041】
ユーザ端末2の表示部22(
図1参照)は、表示画面40を有している。表示画面40は、略矩形状に形成されている。表示画面40は、ユーザに対して座席を指定する際の表示態様である座席指定状態、又は、座席パターンを設定する際の表示態様である設定状態のいずれかで表示される。また、この表示態様は、後述するように、ユーザによるユーザ端末2(操作部21)の操作によって選択される。
図2Aに示すように、座席指定状態の表示画面40には、座席表示領域41と、ボタン表示領域42とが表示されている。
【0042】
座席表示領域41は、表示画面40の下端部を除く部分に配置されている。座席表示領域41には、複数の座席43が表示されている。座席表示領域41で表示される座席43は、サーバ3の記憶部31に記憶されるアドレス情報315に対応している。すなわち、座席表示領域41では、アドレス情報315の内容が座席43として表示されている。
【0043】
この例では、座席表示領域41では、上方側には、4つの座席43によって構成される座席群が、間隔を隔てて3つ配置されている。また、中央には、2例の座席群が配置されている。また、下方側には、1例の座席群が配置されている。また、各座席43には、座席に固有の情報として、座席番号及び内線番号が表示されている。例えば、座席表示領域41において、最も上方側、かつ、最も左側に表示される座席43には、座席番号がA001として表示され、内線番号が101として表示されている。
【0044】
ボタン表示領域42は、表示画面40の下端部に配置されている。ボタン表示領域42は、ユーザによる操作部21の操作によって選択可能なボタンが表示されている。ユーザによって、ボタン表示領域42の各ボタンが適宜選択されると、それに応じて、サーバ3における各動作が行われる。ボタン表示領域42には、指定開始ボタン44と、指定解除ボタン45と、特別指定ボタン46とが表示されている。
指定開始ボタン44は、使用座席の指定を開始させるためのボタンである。
指定解除ボタン45は、使用座席の指定を解除するためのボタンである。
【0045】
特別指定ボタン46は、パターン設定処理部322によってランダム座席パターンが設定されている場合において、特別に使用座席の指定を開始させるためのボタンである。
【0046】
図3は、ユーザ端末2の表示画面40における表示態様の一例であって、設定状態の表示画面40において、座席パターンを設定する状態を示した概略図である。
図3に示すように、設定状態の表示画面40には、設定領域50が表示されている。
【0047】
設定領域50は、座席パターンの設定内容を決定するための領域である。設定領域50には、基準日部分51と、設定内容部分52と、選択部分53とが含まれている。基準日部分51には、座席パターンを設定する際の基準日が表示されている。この例では、基準日部分51には、月曜日から金曜日までの各曜日が表示されている。基準日部分51の表示は、常に固定されている。設定内容部分52には、基準日ごとに設定された座席パターンの内容が表示されている。この例では、設定内容部分52には、固定、指定又はランダムのいずれかが表示される。選択部分53には、基準日ごとに設定内容を選択するための複数の選択ボタン54が表示される。各選択ボタン54では、固定、指定又はランダムのいずれかが選択可能である。そして、各選択ボタン54で選択された内容が、設定内容部分52に表示される。
座席指定システム1では、後述するように、設定状態の表示画面40において所定の設定が行われた後、ユーザの使用座席が指定される。
【0048】
4.制御部による制御動作
(1)座席パターンの設定
座席指定システム1では、特定のユーザが管理者として定められている。そして、座席指定システム1では、管理者であるユーザ(管理者ユーザ)によって、所定の設定が行われた状態で、通常のユーザに対して使用座席の指定を行う。
【0049】
具体的には、管理者ユーザは、まず、ユーザ端末2において社員番号を入力する操作を行う。そして、
図3に示すように、表示部22に、設定状態の表示画面40を表示させる。
【0050】
そして、管理者ユーザは、設定領域50の基準日部分51に表示された基準日ごとに、選択部分53の選択ボタン54を操作することにより、座席の設定パターンを選択する。具体的には、管理者ユーザは、選択部分53の選択ボタン54を操作して、基準日部分51に表示された曜日ごとに、固定座席パターン、指定座席パターン及びランダム座席パターンのいずれかの座席パターンを選択する。この例では、月曜日に対しては、固定座席パターンが選択され、火曜日に対しては、指定座席パターンが選択され、水曜日に対しては、ランダム座席パターンが選択され、木曜日に対しては、指定座席パターンが選択され、金曜日に対しては、ランダム座席パターンが選択される。その後、管理者ユーザは、表示画面40における図示しない設定ボタンを選択することなどにより、座席パターンの選択を確定する。
【0051】
そして、サーバ3のパターン設定処理部322(
図1参照)は、ユーザ端末2で入力された上記内容を、座席パターンとして設定する。なお、パターン設定処理部322は、上記内容を記憶部31に格納することにより設定してもよい。
【0052】
また、図示しないが、管理者ユーザは、表示画面40を設定状態とし、所定の操作を行うことにより、ユーザを特定(選択)する設定を行う。具体的には、管理者ユーザは、使用座席の維持を許可するユーザを特定するための設定を行う。そして、特定されたユーザの情報は、ユーザ情報313(ユーザ特定情報)として記憶部31に格納される。
【0053】
また、図示しないが、管理者ユーザは、表示画面40を設定状態とし、所定の操作を行うことにより、フリーアドレス環境において、空席状態を維持する座席を特定するための設定を行う。そして、特定された座席の情報は、空席維持情報316として記憶部31に格納される。
このように、座席指定システム1では、管理者ユーザによって、所定の設定操作が行われた後に、使用座席の指定が行われる。
【0054】
(2)固定座席パターン
図4は、サーバ3の制御部32による処理の一例を示したフローチャートである。
フリーアドレス環境を利用するユーザは、まず、ユーザ端末2において社員番号を入力する操作を行う。そして、ユーザによる入力操作が行われると、サーバ3では、パターン設定処理部322が設定している座席パターンに基づいて、座席決定処理部323によって使用座席の決定が行われる。
【0055】
具体的には、パターン設定処理部322によって固定座席パターンが設定されている場合(
図3では、月曜日の場合)には(ステップS101でYES)、座席決定処理部323は、記憶部31から、ユーザ情報313及び固定座席情報311を読み出す。そして、座席決定処理部323は、ユーザによる入力操作に基づいて、ユーザ情報313から該当するユーザを特定し、固定座席情報311から、そのユーザに対応づけられている座席を特定する。そして、座席決定処理部323は、特定した座席の情報を、決定した使用座席の情報としてユーザ端末2に向けて送信する(ステップS102)。ユーザ端末2の表示部22では、サーバ3から送信された情報に基づいて、使用座席が表示されて指定される。
【0056】
すなわち、固定座席パターンでは、ユーザごとの使用座席は予め定まっており、ユーザ端末2の表示部22には、その内容が表示される。
【0057】
なお、このとき、ユーザ端末2の表示部22には、ユーザに対応する席番号が表示されてもよく、また、全ユーザに対応する座席が一覧表示された座席表が表示されてもよい。
また、このとき、記憶部31の空席維持情報316で特定される座席は、使用座席とならず、空席が維持される。
【0058】
(3)指定座席パターン
また、パターン設定処理部322によって、固定座席パターンが設定されておらず(ステップS101でNO)、指定座席パターンが設定されている場合(
図3では、火曜日又は木曜日の場合)には(ステップS103でYES)、ユーザによる社員番号の入力操作に応じて、
図2Aに示すように、ユーザ端末2の表示画面40は、座席指定状態となる。
【0059】
具体的には、パターン設定処理部322によって、指定座席パターンが設定されている場合には、
図1に示すように、通信処理部321は、記憶部31から座席情報314を読み出し、その情報をユーザ端末2に向けて送信する。すると、ユーザ端末2の表示画面40は、
図2Aに示すように、座席指定状態となる。
【0060】
このとき、表示画面40では、座席情報314の内容に応じた座席の表示が行われる。具体的には、アドレス情報315の内容に基づいて、座席表示領域41に利用可能な座席が一覧表示される。また、座席表示領域41では、空席維持情報316に基づいて、空席を維持すべき座席には、空席を維持する座席であること(座席の選択ができないこと)を示すための表示が行われる。この例では、領域Aの座席43が、空席維持情報316で特定される座席に対応しており、座席の選択ができない領域Aの座席43と、座席の選択が可能な領域Bの座席43とが色分けして表示されることで(図示せず)、領域Aの座席は選択できず、領域Bの座席が選択可能であることが示されている。
また、座席表示領域41では、空席情報317(ユーザ情報313と紐付いていないアドレス情報315の座席の情報)に基づいて、空席である座席には、空席であることを示すための表示が行われる。この例では、領域Bにおいては、空席情報317に基づいて、空席である座席43には、座席番号が表示されている。
【0061】
そして、ユーザは、座席表示領域41において、選択可能な座席(空席)から、所望する座席を選択する。この例では、ユーザが、座席43Aを選択した場合を例に挙げる。そして、ユーザは、座席43Aを選択した後、指定開始ボタン44を入力する。
【0062】
また、サーバ3では、座席決定処理部323が、ユーザ端末2からの入力信号に基づいて、ユーザが選択した座席を使用座席として決定する(ステップS104)。このとき、座席決定処理部323は、ユーザ情報313におけるユーザの情報と、アドレス情報315における選択された座席の情報とを紐付ける。空席情報317では、ユーザ情報313に紐付けられたアドレス情報315の座席については使用座席(空席でない)として管理する。そして、通信処理部321によって決定された座席の情報がユーザ端末2に向けて送信され、ユーザ端末2の表示画面40において、使用座席が指定されて表示される。
【0063】
図2Bは、ユーザ端末2の表示画面40における表示態様の一例であって、座席指定状態の表示画面40において、座席が指定された後の状態を示した概略図である。
【0064】
この例では、座席表示領域41において、座席43Aが、使用座席として指定されたことが示されている。具体的には、座席43Aの座席番号が、ユーザの名前であるZZZに変更されることで、座席43Aがユーザ(ZZZ)の使用座席として確保されていることを示している。また、このとき、座席43Aには、記憶部31のユーザ情報313として記憶されるユーザ(ZZZ)の情報が併せて表示される。例えば、ユーザが所属するグループに応じた色が予め定められており、座席43Aの色によって、ユーザ(ZZZ)が所属するグループが示される。また、例えば、座席指定システム1を使用している日が、ユーザ(ZZZ)の誕生日である場合には、枠60を座席43Aに表示させることで、ユーザ(ZZZ)の誕生日であることが示される。
その後は、上記と同様にして、ユーザによって、空席状態の座席が選択されるたびに、その座席を使用座席として指定する。
【0065】
このように、座席指定システム1では、パターン設定処理部322によって指定座席パターンが設定されている場合には、ユーザが選択する座席を使用座席として指定する。
【0066】
また、使用座席を指定した後、その座席を使用しなくなった場合には、ユーザは、
図2Bに示す指定解除ボタン45を入力することにより、使用座席をリリースする。すると、サーバ3において、座席決定処理部323が、ユーザ端末2からの入力信号に基づいて、使用座席の決定を解除する。このとき、座席決定処理部323は、ユーザ情報313におけるユーザの情報と、アドレス情報315における選択された座席の情報との紐付きを解除する。空席情報317では、紐付きが解除されたアドレス情報315の座席については空席として管理する。そして、通信処理部321によって空席情報317がユーザ端末2に向けて送信され、
図2Aに示すように、ユーザ端末2の表示画面40において、使用座席が空席となった状態の座席表示領域41が表示される。
【0067】
また、座席決定処理部323は、使用座席を決定した後、予め定めた所定の時間になると、全ての使用座席の決定を解除する。すなわち、予め定めた所定の時間になると、表示画面40では、
図2Bに示すように、使用座席が指定された状態から、
図2Aに示すように、全ての使用座席が解除された状態に戻される。
【0068】
なお、このとき、座席決定処理部323は、ユーザ情報313の情報(ユーザ特定情報)に基づいて、使用座席の維持が許可されたユーザ(特定されたユーザ)の座席に対しては、使用座席の解除を行わず、使用座席の状態を維持する。
【0069】
(4)ランダム座席パターン
また、パターン設定処理部322によって、固定座席パターン及び指定座席パターンが設定されていない場合(ステップS103でNO)、すなわち、ランダム座席パターンが設定されている場合(
図3では、水曜日の場合)には、以下のようにして、座席の指定が行われる。
【0070】
具体的には、座席決定処理部323は、パターン設定処理部322によってランダム座席パターンが設定されている場合において、
図2Aに示すように、ユーザによって、特別指定ボタン46が入力されることなく、指定開始ボタン44が入力されると(ステップS105でYES)、座席表示領域41に表示される指定可能な座席43からランダムに選出した座席43を、使用座席として決定する。この例では、座席決定処理部323は、領域A以外の座席43、すなわち、領域Bに配置される座席43からランダムに選出した座席43を、使用座席として決定する(ステップS106)。
【0071】
このとき、座席決定処理部323は、空席情報317及び確率情報312を読出し、これらの情報に基づいて、一定の規則性のもとで使用座席をランダムに選出する。
【0072】
具体的には、確率情報312では、上記したように、各座席に対する重みづけがされている。そして、座席決定処理部323は、この確率情報312における重みづけの情報に基づいて、使用座席をランダムに選出する。
【0073】
例えば、確率情報312では、
図2Aに示す座席表示領域41の座席43に対しては、下方側に位置する座席43の重みづけが大きく、上方に位置するにつれて重みづけが小さくなっている。そして、この重みづけの情報に基づいた確率で、座席決定処理部323が使用座席をランダムに選出する。その結果、下方側に位置する座席43ほど、選出されやすく、上方側に位置する座席43ほど選出されにくくなっている。
【0074】
そして、この状態で、領域Bから使用座席がランダムに選出された結果、例えば、座席43Aが選択される。このとき、座席決定処理部323は、ユーザ情報313におけるユーザの情報と、アドレス情報315における選択された座席の情報とを紐付ける。空席情報317では、ユーザ情報313に紐付けられたアドレス情報315の座席については使用座席(空席でない)として管理する。そして、通信処理部321によって決定した座席の情報がユーザ端末2に向けて送信され、
図2Bに示すように、ユーザ端末2の表示画面40において、使用座席が指定されて表示される。
その後は、上記と同様にして、ユーザによって、指定開始ボタン44が入力されるたびに、領域Bからランダムに座席が選出されて指定される。
【0075】
一方、座席決定処理部323は、パターン設定処理部322によってランダム座席パターンが設定されている場合において、
図2Aに示すように、ユーザによって、特別指定ボタン46が入力された場合には、ランダムな使用座席の選出を行わず、上記した指定座席パターンの場合と同様にして、使用座席の指定を行う。具体的には、ユーザによって、特別指定ボタン46が入力された場合には、サーバ3において、指定受付部324が座席の指定を受け付ける。そして、指定受付部324が座席の指定を受け付けたことに応じて、座席決定処理部323は、指定座席パターンの場合と同様に、ユーザが選択する座席を使用座席として決定する。
【0076】
すなわち、ランダム座席パターンが設定されている場合であっても、ランダムに使用座席が選出されることが不都合な場合などには、特別指定ボタン46を入力することにより、所望する座席を使用座席として指定できる。
【0077】
なお、使用座席が指定された後は、上記した指定座席パターンの場合と同様の制御が行われる。すなわち、上記した指定座席パターンの場合と同様にして、指定された使用座席が表示部22に表示される(
図2B参照)。また、上記した指定座席パターンの場合と同様にして、所定のタイミングにおいて使用座席の解除が行われる。また、上記した指定座席パターンの場合と同様にして、特定ユーザに対する使用座席の維持が行われる。
【0078】
5.作用効果
(1)本実施形態では、座席指定システム1では、パターン設定処理部322は、使用座席を指定可能な指定座席パターンと、使用座席をランダムに選出するランダム座席パターンとを含む複数の座席パターンから1つの座席パターンを選択して設定する。座席決定処理部323は、パターン設定処理部322によって設定された座席パターン、及び、ユーザ端末2からの入力信号に基づいて、ユーザの使用座席を決定する。具体的には、座席決定処理部323は、パターン設定処理部322によって指定座席パターンが設定される場合には、空席情報317で特定される空席のうち、ユーザがユーザ端末2において選択した空席を使用座席として決定する。また、座席決定処理部323は、パターン設定処理部322によってランダム座席パターンが設定される場合には、空席情報317で特定される空席のうち、ランダムに選出する空席を使用座席として決定する。そして、決定された使用座席は、ユーザ端末2の表示部22に表示される。
【0079】
そのため、
図3に示すように、フリーアドレス環境において、使用座席の位置を指定出来ることが好ましい場合(曜日)には、指定座席パターンを選択して、パターン設定処理部322において指定座席パターンを設定することにより、ユーザによる座席の指定が可能となる。また、フリーアドレス環境において、使用座席の位置をランダムに決定することが好ましい場合(曜日)には、ランダム座席パターンを選択して、パターン設定処理部322においてランダム座席パターンを設定することにより、ランダムな座席の指定が可能となる。
【0080】
すなわち、パターン設定処理部322によって最適な座席パターンを選択して設定することで、座席決定処理部323によって使用座席を適切に決定できる。そして、その決定した内容をユーザ端末2の表示部22に表示させることにより、使用座席の指定を行うことができる。
その結果、フリーアドレス環境における座席の指定において、使用状況に適した座席の指定を行うことができる。
【0081】
(2)また、本実施形態では、パターン設定処理部322は、指定座席パターン及びランダム座席パターンに加えて、固定座席パターンを設定可能である。そして、パターン設定処理部322が固定座席パターンを設定した場合には、座席決定処理部323は、固定座席情報311に基づいて、使用座席を決定する。
【0082】
そのため、フリーアドレス環境でありながら、ユーザの使用座席を固定することが好ましい場合には、パターン設定処理部322によって固定座席パターンを設定することで、ユーザの使用座席を固定できる。例えば、オフィスにおいて、会議(ミーティング)が多い月曜日などは、固定座席パターンを選択して、パターン設定処理部322によって固定座席パターンを設定することで、業務内容に適した座席配置を実現できる。
【0083】
(3)また、本実施形態では、
図1に示すように、記憶部31には、座席情報314として、確率情報312が記憶されている。座席決定処理部323は、パターン設定処理部322によってランダム座席パターンが設定される場合には、確率情報312の情報に基づく確率で、空席をランダムに選出して使用座席として決定する。
そのため、座席決定処理部323によるランダムな使用座席の決定において、一定の規則性を設けることができる。
【0084】
(4)また、本実施形態では、パターン設定処理部322によってランダム座席パターンが設定されている場合であっても、ユーザのユーザ端末2における操作に基づいて、指定受付部324が座席の指定を受け付けた場合には、座席決定処理部323は、指定座席パターンの場合と同様の制御を行う。
【0085】
そのため、パターン設定処理部322によってランダム座席パターンが設定されている場合であっても、座席を指定したい場合には、ユーザ端末2で所定の操作を行って、指定受付部324で座席の指定を受け付けることにより、空席を使用座席として指定できる。
その結果、使用状況に一層適した座席の指定を行うことができる。
【0086】
(5)また、本実施形態では、
図1に示すように、記憶部31には、空席を維持する座席を特定する空席維持情報316が記憶されている。そして、座席決定処理部323は、空席維持情報316で特定される座席(空席)以外から使用座席を決定する。
【0087】
そのため、所定の座席については、使用座席にせずに空席状態を維持できる。例えば、
図2Aの領域Aの座席43などのように、ミーティングスペースなど、空きスペースとして確保することが好ましいスペースに位置する座席については、空席維持情報316として記憶部31に記憶することで、ユーザの使用座席とせずに、空きスペースの状態を維持できる。
【0088】
(6)また、本実施形態では、座席決定処理部323は、使用座席を決定した後、予め定める所定のタイミングに基づいて、使用座席を空席にする。
【0089】
そのため、フリーアドレス環境において、特定の座席が長期間にわたって使用座席となることを防止できる。
【0090】
(7)また、本実施形態では、
図1に示すように、記憶部31には、所定のユーザを特定するユーザ情報313(ユーザ特定情報)が記憶されている。座席決定処理部323は、ユーザ情報313(ユーザ特定情報)で特定されるユーザに対して決定された使用座席については、所定のタイミングとなっても、使用座席の状態を維持する。
【0091】
そのため、特定のユーザの使用座席については、所定のタイミングが経過しても、空席とせずに、使用座席の状態を維持できる。
【0092】
6.変形例
以上の説明では、パターン設定処理部322は、ユーザによるユーザ端末2における設定操作に基づいて、基準日ごとに座席パターンを選択して設定するとして説明したが、パターン設定処理部322は、基準日ごとの座席パターンを、ランダムに選出して設定してもよい。
【0093】
また、以上の説明では、座席パターンを決定する際の基準日が各曜日であるとして説明したが、1月ごとの各日付を基準日としてもよい。
【0094】
また、以上の説明では、パターン設定処理部322で設定される座席パターンは、固定座席パターン、指定座席パターン及びランダム座席パターンの3つの座席パターンから選択された1つの座席パターンであるとして説明した。しかし、パターン設定処理部322で設定される座席パターンは、指定座席パターン及びランダム座席パターンの2つの座席パターンから選択された1つの座席パターンであってもよい。
【0095】
また、座席指定システム1は、他のシステムと連携させることが可能である。例えば、座席指定システム1は、訪問者の受付処理を行う受付システムなどと連携させることが可能である。