特許第6684121号(P6684121)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6684121
(24)【登録日】2020年3月31日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】自動車の補器取付構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20200413BHJP
   B60J 7/20 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   B60R16/02 610J
   B60J7/20
【請求項の数】3
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-54755(P2016-54755)
(22)【出願日】2016年3月18日
(65)【公開番号】特開2017-165350(P2017-165350A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2019年2月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000108889
【氏名又は名称】ベバスト ジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】津田 裕太
(72)【発明者】
【氏名】篠原 三和
(72)【発明者】
【氏名】澤畑 耕司
(72)【発明者】
【氏名】竹原 啓太
【審査官】 森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−084018(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102013225926(DE,A1)
【文献】 特開2011−148491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/00−16/08
B60J 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
格納式ルーフ付き自動車の被水領域に金属外装又はコネクタを有する補器が設けられ、
前記補器を覆うと共に上方へ折り曲げ可能なカバーが設けられ、
前記カバーを折り曲げ不能に押さえるハーネス支持ブラケットが設けられた
自動車の補器取付構造。
【請求項2】
前記カバーは複数のパネル部とヒンジ部を有する
請求項1に記載の自動車の補器取付構造。
【請求項3】
前記補器は前記ルーフ用又は前記デッキカバー用又はこれらに共通の電力制御装置であり、該電力制御装置を、前記金属外装を有する構成とした
請求項1、又は2に記載の自動車の補器取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
車体の被水領域に、コネクタを有する補器を取り付けた自動車の補器取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車体内部に被水領域を有する自動車としては、例えば、特許文献1に開示の格納式ルーフ付き自動車に例示されるように、車室を覆うルーフ部材と、車室とトランクルームとの間に有する格納室(デッキスペース)に格納したルーフ部材を上方から覆うリヤデッキカバー(デッキリッド)と、これらルーフ部材およびリヤデッキカバーを別々に開閉する開閉装置とが設けられたものが知られている。
【0003】
このようなルーフ部材は、ルーフ部材用の開閉装置によって車室を覆う閉鎖位置と、格納室に格納されて車室を開放する開放位置との間で位置変更される。またリヤデッキカバーは、リヤデッキカバー用の開閉装置によって格納したルーフ部材を覆う定位置と、ルーフ部材の開閉操作の際に、該定位置に対して後方の斜め上方に退避して格納室の上端開口を開放する退避位置との間で位置変更される。
【0004】
そしてルーフ部材が開放位置にある時、リヤデッキカバーが退避位置にある時、或いはルーフ部材やリヤデッキカバーの位置を変位させている時など車体内部が開放された時が、例えば降雨時のタイミングに重なった際には、車室や格納室等の車体内部が被水領域となるおそれがある。
【0005】
ところで、格納式ルーフ付き自動車は、一般にルーフ部材用の開閉装置とリヤデッキカバー用の開閉装置との夫々に備えた電動モータを同時に駆動することがあるため大きな電力を消費することがある。また補器としての例えば、インバータなどの電力制御装置は、発電機やバッテリから供給された電力を適切な電圧値に変換したうえで電力線を介して大電流を電動モータへ供給する必要がある。
【0006】
このため電力線が長くなると電力損失が大きくなってしまうことから、上述した電力制御装置を出来るだけ開閉装置の近傍に配置したいというニーズがあった。
【0007】
このような電力制御装置を、開閉装置の近傍の位置として例えば、格納室よりも車両後方に設けた場合には、トランクルームとして十分なスペースを確保することが困難となり、また、車室に備えたシートの下方空間に設けた場合には、シートクッションのクッション性を確保することが困難となるため、シートと格納室との間の領域に配設することがレイアウト性の観点から好ましいと考えられる。
【0008】
一方、電力制御装置は、放熱性(冷却性)、剛性および電気ノイズに対するシールド性に優れているため金属外装で囲繞した構成とされていることが多い。しかし、金属外装は錆び易く、また電力制御装置における電力線と接続するコネクタ部分は、被水すると電蝕などの問題が生じ易くなるため、このような電力制御装置を被水領域になり得る上述した、シートと格納室との間の領域に配置するためには何らかの防水対策を施す必要があった。
【0009】
特許文献1には明示されていないが、電力制御装置の防水対策としては、一般に、防水用の樹脂ケースで電力装置全体を覆うことが行われているが、放熱性が低下する課題がある。一方、少なくともコネクタ部分を上方から覆うように配置する止水部材を備え、該止水部材を、コネクタ部分の接続性(組付け性)やメンテナンス性を考慮して捲り上げ可能にラバー等の可撓性素材で形成したものが用いられることがある。
【0010】
しかしながらこのような可撓性を有する止水部材は、走行中の振動により意に反して捲れ上がったり、捲れ上がらないように、別途、止水部材を押さえ付けるなどの押さえ部材を設ける必要があり、組付け工数や部品点数が増加するおそれがあった。また、止水部材は、被水領域において、電力制御装置の発熱及び日射や高温の外気による加熱に耐え、繰り返し捲り上げても柔軟に復元が可能な耐久性を有するラバー等の材料で形成する必要があり、コストが嵩むという課題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−261412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこでこの発明は、部品点数の増加を抑えながら、防水対策が必要な補器を被水領域においても防水性を確保して配置することができる自動車の補器取付構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明の自動車の補器取付構造は、格納式ルーフ付き自動車の被水領域に金属外装又はコネクタを有する補器が設けられ、該補器を覆うと共に上方へ折り曲げ可能なカバーが設けられ、該カバーを折り曲げ不能に押さえるハーネス支持ブラケットが設けられたものである。
【0014】
上記構成によれば、部品点数の増加を抑えながら、防水対策が必要な補器を被水領域においても防水性を確保して配置することができる。
【0015】
この発明の態様として、前記カバーは複数のパネル部とヒンジ部を有するものである。
【0016】
上記構成によれば、前記カバーを安価な部材で形成することができるとともに該カバーの折り曲げ性と補器を覆った状態に固定時の剛性を確保することができる。
【0017】
またこの発明の態様として、前記補器は前記ルーフ用又は前記デッキカバー用又はこれらに共通の電力制御装置であり、該電力制御装置を、前記金属外装を有する構成としたものである。
【0018】
上記構成によれば、冷却性とレイアウト性を安価に両立することができる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、部品点数の増加を抑えながら、防水対策が必要な補器を被水領域においても防水性を確保して配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施例の補器取付構造を備えた自動車を開閉ルーフの閉鎖状態および開放状態にて示す側面図
図2】開閉ルーフを閉鎖状態から開放状態に移行する時の側面図
図3図2のA−A線矢視の要部断面図
図4】補器取付構造の一部断面で示した外観図
図5】補器取付構造の正面図
図6】補器取付構造の一部断面で示した分解斜視図
図7】補器、カバーおよび補器取付ブラケットを前方斜め上方から見た斜視図
図8】補器、カバーおよび補器取付ブラケットを背面側下方から見た斜視図
図9図5のD−D線矢視の要部断面図
図10図4のB−B線矢視の要部断面図
図11図4のC−C線矢視の要部断面図
図12図5のE−E線矢視の要部断面図
図13図5のF−F線矢視およびG−G線矢視の各要部断面図
図14図9においてカバー前側上方部を捲り上げた状態を示す要部断面
【発明を実施するための形態】
【0021】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は自動車の補器取付構造を示し、図1は、本実施例の補器取付構造を備えた自動車を示す側面図であり、図1(a)は開閉ルーフが閉鎖状態である場合の側面図、図1(b)は開閉ルーフが開放状態である場合の側面図、図2は、開閉ルーフを閉鎖状態から開放状態に移行する時の側面図である。
【0022】
なお、図2はシートバックバー18を図示省略している。さらに、以下の実施例においては、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印INは車幅方向の内側を示し、矢印OUTは車幅方向の外側(車両左側)を示し、矢印Uは車両上方を示す。
【0023】
図1(a)、(b)、図2に示すように、本実施例の格納式ルーフ付き自動車は、開閉ルーフ1と、ルーフ格納室2と、リヤデッキカバー3と、トランクルーム4と、トランクリッド5と、リヤデッキカバー3を開閉する平行リンク構造のリンク機構6(図2参照)と、開閉ルーフ1および後述するバックウインド9を開閉するルーフ開閉リンク機構(図示せず)とを備えている。
【0024】
開閉ルーフ1は、車室7(つまり乗員室)を覆うルーフ閉鎖状態(図1(a)2参照)と、ルーフ格納室2に格納されて車室7を開放するルーフ開放状態(図1(b)参照)との間で変位可能に車体に支持されている。
【0025】
開閉ルーフ1は、ハードトップタイプの可動ルーフである。開閉ルーフ1は、フロントルーフ1Aと、ミドルルーフ1Bとを備えている。
【0026】
図1(a)に示すように、フロントルーフ1Aは、車室7の上方を覆うルーフであり、またミドルルーフ1Bは、ルーフ閉鎖状態において、フロントルーフ1Aの後側に連設されるルーフである。
【0027】
図1図2に示すルーフ閉鎖状態において、ミドルルーフ1Bの後側には、リヤデッキカバー3の構成要素である板状のリヤヘッダ8が連設され、さらに、リヤヘッダ8の下方にはバックウィンド9が連設されている。
【0028】
図1(a)に示すように、フロントルーフ1Aと、ミドルルーフ1Bと、リヤヘッダ8と、バックウィンド9は、ルーフ閉鎖状態においては、図示しないシール部材を介して互いに密着している。一方、フロントルーフ1Aと、ミドルルーフ1Bと、リヤヘッダ8と、バックウィンド9は、ルーフ開放状態においては、図1(b)に示すように、互いに分離された状態になる。
【0029】
フロントルーフ1Aと、ミドルルーフ1Bと、バックウィンド9は、車幅方向左右両側において、不図示のルーフ開閉リンク機構(互いに連動する複数のリンク)を介して相互に連結されると共に、当該ルーフ開閉リンク機構を介して車体に連結されている。但し、上述のリヤヘッダ8は、ルーフ開閉リンク機構には連結されておらず、リヤデッキカバー3の一部として備えている。
【0030】
ルーフ格納室2(図1(a)参照)は、車室7と、車室7の後方に設けられたトランクルーム4の間に設けられる。ルーフ格納室2は、開閉ルーフ1(フロントルーフ1Aおよびミドルルーフ1B)と、バックウィンド9とを格納する区画である。フロントルーフ1Aと、ミドルルーフ1Bと、バックウィンド9は、図1(b)に点線で示すように、上下方向に重なった状態で格納される。
【0031】
リヤデッキカバー3は、ルーフ格納室2の開口部2a(図1(a)参照)を覆うとともに、上述のリンク機構6(図2参照)によって開口部2aを開閉可能に変位する。
【0032】
リンク機構6(図2参照)は、ルーフ格納室2内の車幅方向両端部(左端部および右端部)にそれぞれ設けられている。該リンク機構6は、リヤデッキカバー3の底部とルーフ格納室2の側部とを連結し、リヤデッキカバー3の前部寄りの箇所を支持している。
【0033】
図1(a)に示すルーフ閉鎖状態の開閉ルーフ1を、図1(b)に示すようにルーフ格納室2に折畳んで格納する際には、まずリンク機構6でリヤデッキカバー3をリフトアップし(図2参照)、このリヤデッキカバー3がリフトアップされた状態下において、図示しないルーフ開閉リンク機構によりフロントルーフ1A、ミドルルーフ1Bおよびバックウィンド9を上下方向に折畳んでルーフ格納室2に格納し(図1(b)参照)、次に、リンク機構6でリヤデッキカバー3をリフトダウンさせると、図1(b)に示すように、開閉ルーフ1をルーフ格納室2内に格納すると共に、その上部をリヤデッキカバー3で覆うことができる。
【0034】
続いて上述した格納式ルーフ付き自動車に備えた補器取付構造10の前提構造として取付け箇所周辺の構成について図3および図12を用いて説明する。
【0035】
なお、図3図2のA−A線矢視の要部断面図、図12図5のE−E線矢視の要部断面図を示す。
【0036】
図3および図12に示すように、車両前後方向の車室7とルーフ格納室2との間に位置するリヤフロア部12の前部には、キックアップ部13を介して不図示のフロントフロア部が連設されている。該キックアップ部13の背面とリヤフロア部12の前部下面との間には、車幅方向に延びるクロスメンバ15(いわゆるNo.3クロスメンバ15)を取付けており(図12参照)、このクロスメンバ15は、キックアップ部13およびリヤフロア部12とともに車幅方向に延びる閉断面23を形成している。
【0037】
図3図12に示すように、車両前後方向の車室7とルーフ格納室2との間には、これらを区分けするように車幅方向に延びるシートバッククロスメンバ16を設けている。
【0038】
図3に示すように、シートバッククロスメンバ16は、その車幅方向の両端部に連結ブラケット72,72を備え、該連結ブラケット72は、車幅方向の両側においてベースブラケット73を介してセンタピラーインナ11aに連結している。ベースブラケット73は、不図示のルーフ用リンクを車体に取り付けるブラケットである。
【0039】
このシートバッククロスメンバ16は、図3図12に示すように、車両の座席の後側において車幅方向に長く配設されるもので、本実施例においてはアルミまたはアルミ合金の押出成形により車幅方向へ延びる閉断面構造で形成されている。
【0040】
上述のシートバッククロスメンバ16は、左右一対の脚部19,19(支持ピラー)により支持されている。この脚部19の下部に、下端部が前方へ向けて突出した前側フランジ部24を接合し、該前側フランジ部24がクロスメンバ15の上面を構成するリヤフロア部12の前部に接合されている(図3図12参照)。
【0041】
またシートバッククロスメンバ16の上部には、シートバックバー18が、車両の運転席後部側と助手席後部側とに対応して左右一対設けられると共に、正面視で逆U字状に突き出すように形成されている。
【0042】
図3図11図13に示すように、シートバッククロスメンバ16と車両左側脚部19とで構成される角部であって該右側の脚部19に対して車幅方向内側の角部には、補器20をシートバッククロスメンバ16に取り付ける補器取付構造10を構成している。
【0043】
補器取付構造10を介してシートバッククロスメンバ16に取り付けられた補器20の取付領域は、車室7とルーフ格納室2との間に相当するが、この領域は、開閉ルーフ1やリヤデッキカバー3が開時において上方が開口されるため、被水領域となる。
【0044】
本実施例の補器20は、別途備えた不図示のバッテリから供給された電力をリヤデッキカバー3用のリンク機構を駆動するモータ(図示省略)と開閉ルーフ1用のリンク機構を駆動するモータ(図示省略)の駆動に適した電力値に変換する電力制御装置としてのインバータである。
【0045】
なお、図4は自動車の補器取付構造を図2中のA−A線矢視に対して車幅方向外側から見た斜視断面図、図5は、補器取付構造を車両前方から見た正面図、図6は一部断面で示した補器取付構造の分解斜視図、図7は互いに分離した状態の補器、カバーおよび補器取付ブラケットを前方斜め上方から見た斜視図、図8は補器、およびハーネス支持ブラケットを取り外した補器取付構造を背面側下方から見た斜視図、図9図5のD−D線矢視の要部断面図、図10図4及び図9のB−B線矢視の要部断面図、図11図4及び図9のC−C線矢視の要部断面図、図13(a)は図5のF−F線矢視の要部断面図、図13(b)はG−G線矢視の要部断面図である。また図5の図面には連結ブラケット72は図示省略している。
【0046】
補器20は、図4図9に示すように、補器取付構造10によってシートバッククロスメンバ16に対して前傾姿勢で取り付けられている。ここで図9中の矢印F1は補器取付構造10の前方を示し、図9中の矢印U1は補器取付構造10の上方を示すものとする。
【0047】
補器20は、図7図11に示すように、車幅方向および前後方向の長さに対して厚みが薄い略直方体形状で構成し、その略全体が金属筐体21で外装されており、その前面部20eには、複数の接続端子22aが配設された雌型コネクタ22(コネクタ接続口)が複数設けられている。この補器20の前面部20eに設けた雌型コネクタ22は、ワイヤハーネス(WH)側の先端側に接続された不図示の雄型コネクタと適宜、不図示の接続ケーブル等を介して電気的に接続されている。
【0048】
さらにまた、図7図9図10に示すように、補器20の上面部20aにおける前後方向の中間部であって車幅方向の左右両側には、段状に上方に隆起するボス部23が形成され、該ボス部23の平坦な上面の中心部には、上方に向けてボルトB1を突設している。
【0049】
図4図11に示すように、補器取付構造10は、補器20に備えた上記ボルトB1と、カバー30と、補器取付ブラケット40と、ハーネス支持ブラケット50と、ハーネス保持部材60とで構成している。
【0050】
図4図10に示すように、補器取付ブラケット40は、シートバッククロスメンバ16の前面部16Fの下部に対して後下方向に延出する延設部41と(図9参照)、該延設部41の後下端から前下方向に延びて補器20の上面に取り付けられる補器取付ブラケット本体部45とで金属材料によって側面視略L字形状に一体に形成している。金属材料は本実施例ではスチールであるが、ステンレススチール、アルミ、又はアルミ合金等、一般的な金属材料を用いることができる。
【0051】
図4図8に示すように、延設部41の上部かつ車幅方向の両側には、上方に向けて突出する一対のバー取付片46,46が形成され、該一対のバー取付片46,46には、図7図8に示すように、補器取付ブラケット40をシートバッククロスメンバ16の前面部16Fに取り付け用の取付孔146が形成されている。
なお、一対のバー取付片46,46のうち車幅方向内側のバー取付片46は車幅方向に長い長穴状に形成している(図7参照)。
【0052】
さらに、図5図8図13(b)に示すように、一対のバー取付片46の左右夫々の車幅方向内側端部には、シートバッククロスメンバ16の前面部16Fに形成された後述の係止孔161(図4図6参照)に差し込んで該係止孔161の縁部に係止可能な係止突片147を有して形成している。
【0053】
一方、図6図13(b)に示すように、シートバッククロスメンバ16の前面部16Fであって、補器取付ブラケット40を取り付けた状態において、バー取付片46に形成した取付孔146に対応する位置には、補器取付ブラケット40用の取付孔162を上下方向に長い長穴状に形成している。
【0054】
さらに図4図6図13(b)に示すように、シートバッククロスメンバ16の前面部16Fであって、補器取付ブラケット40を取り付けた状態においてバー取付片46に形成した係止突片147に対応する位置には、上下方向に長い長穴状の係止孔161を貫通形成している。
【0055】
そして、バー取付片46に形成した取付孔146とシートバッククロスメンバ16の前面部16Fに形成した取付孔162とは、ボルトB2等の取付部材を用いて取り付け固定される(図13(b)参照)。一対のバー取付片46,46をシートバッククロスメンバ16の前面部16Fに取り付けた状態において延設部41は、上述したように、シートバッククロスメンバ16の前面部16Fの下部から後下方向に延出する(図9参照)。
【0056】
また図4図7に示すように、補器取付構造10は、車幅方向に複数の延出方向に延びる凹部と凸部とが交互に並ぶように凹凸形状に形成しており、複数の凸部のうち車幅方向の中央部に形成した凸部47は、延設部41の上端から補器取付ブラケット本体部45の前端にかけて連続して延びるように形成している。
【0057】
そして、図4図7に示すように、補器取付ブラケット本体部45の車幅方向中央部の凸部47に対して両側には、周辺部位に対して凹状とした凹底部48を形成している。図7図9図10に示すように、これら一対の凹底部48,48の中心部には、補器取付ブラケット40をカバー30へ取り付ける補器取付ブラケット40側の取付孔140を形成している。さらに、凹底部48に形成した取付孔140の周縁は、該凹底部48よりもさらに凹状に形成した凹状周縁部140aを形成している(図7参照)。
【0058】
ここで、図6図7に示すように、一対の凹底部48,48のうち車幅方向内側の凹底部48Aは、補器取付ブラケット本体部45の前端部から後方(延出部側)へ略同じ幅を有して形成するとともに、後部においては、後方(延出部側)へ向けて徐々に幅小に半円弧に突出した平面視形状で形成される。
【0059】
一方、一対の凹底部48,48のうち車幅方向外側の凹底部48は、補器取付ブラケット本体部45の後端(延出部との境界部)から前方へ略同じ幅を有して形成するとともに、前部においては、前方へ向けて徐々に幅小に半円弧に突出した平面視形状で形成される。
【0060】
すなわち、図6図7図13(a)に示すように、補器取付ブラケット本体部45の車幅方向外側の前側部位には凹底部48を形成しておらず、該凹底部48よりも前側部位は、車幅方向外側の凹底部48に対して隆起するとともに平坦状としてハーネス支持ブラケット50を取り付け可能な取付面42を形成している。そしてこの取付面42の車幅方向の各側には、ハーネス支持ブラケット50を取付け用の取付孔142が形成されている(図13(a)参照)。
【0061】
また、図4図6図7図12に示すように、補器取付ブラケット本体部45の車幅方向外側縁辺の前部には、該外側縁辺の前部から車幅方向外側へ延出して正面視右側の脚部19へ取り付ける脚部取付片43を、連結部43bを介して形成している。
【0062】
図7に示すように、脚部取付片43は、車両左側の脚部19の前面部19Fに当接するように該前面部19Fの傾斜角度に対応させて補器取付ブラケット本体部45に対してさらに後上前下状に傾斜して形成し、この脚部取付片43には脚部取付用の取付孔143が形成されている。なお、補器取付ブラケット本体部45の連結部43bの接続端部から脚部取付片43の基端部にかけての部位には、この間を連結部43bの延出方向に連続して延びる補強用のリブ43aを形成している(図5図7参照)。
【0063】
一方、脚部19の前面部19Fにおける脚部取付片43の取付孔143に対応する部位には、取付孔119が形成されている(図6図12参照)。そして、図4図12に示すように、脚部取付片43に形成した取付孔143と脚部19の前面部19Fに形成した取付孔119とは、ボルトB3等の取付部材を用いて取り付け固定される。
【0064】
また、図4図8に示すように、上述の補器取付ブラケット40は、その車幅方向の両端部に、上記バー取付片46の上端から補器取付ブラケット本体部45の前下部分を除く部分にかけて上方に向けて立ち上がる立上がり片44,44を形成している。
【0065】
図5図7に示すように、補器取付ブラケット本体部45の車幅方向かつ前後方向の中間位置と、車幅方向外側かつ前後方向中間の位置とには、補器取付ブラケット本体部45のカバー30に対する位置決め用の位置決め孔49A,49Bを形成している。なお、補器取付ブラケット本体部45の車幅方向外側の位置決め孔49Bは、前後方向についてのみ位置決め可能に車幅方向に長い長穴で形成している。
【0066】
また、図7図9図11図13(a)に示すように、上述のカバー30は、樹脂製(本実施例においてはポリプロピレン製)であり、補器20の上面部20a、車幅内面部20b、車幅外面部20c、背面部20dのそれぞれに対して離間して覆う上面部30a、車幅内面部30b、車幅外面部30c、背面部30dを有し、さらに図4図9図12図13(a)に示すように、上面部30aの前端から前下へ突状に延びるカバー前側上方部31を有して一体に形成している。
【0067】
図5図7図9に示すように、カバー30の上面部30aにも、車幅方向の両側に凹底部32(32A,32B)を形成し、これら一対の凹底部32,32は、上面部20aに補器取付ブラケット本体部45を取り付けた状態において、補器取付ブラケット本体部45側の凹底部48(48A,48B)に対応する平面視形状で形成している。
【0068】
図9図10に示すように、カバー30の左右一対の凹底部32,32の中心部には、カバー30を補器取付ブラケット40と補器20とで上下各側から挟み込んだ状態で補器取付ブラケット40の凹状周縁部140aと補器20のボス部23との当接を許容するような径で貫通させた貫通孔130を形成している。さらに図7図9図10に示すように、凹底部32の取付孔130の外周側には、厚み方向に弾性変形可能な円環状のラバー部材33(カラー)を備えている。
【0069】
図5図7に示すように、カバー30の車幅方向かつ前後方向の中間位置と、車幅方向外側かつ前後方向中間の位置とには、補器取付ブラケット本体部45を位置決めする位置決めピン34A,34Bを上方に向けて突出形成している。このうちカバー30の上面部30aの車幅方向外側に形成した位置決めピン34Bは、段付ピンとして形成し(図7参照)、その下部をスペーサ134bとして形成するとともに上部を位置決めピン134aとして形成している。さらに、上面部30aの車幅方向内側の前後方向の中間位置および後側位置と、車幅方向外側の前側位置との合計3箇所には、ボス部23と同じ突出し量のスペーサ部材35を上方に向けて突出形成している(同図参照)。
【0070】
また図7図11に示すように、カバー30の車幅内面部30bと車幅外面部30cとは、上面部30aよりも前方へ延設され、これら延出部分130b,130cの上端辺部は、前下状に延びる縁辺形状で形成されており、これにより、これら上端辺部には、カバー前側上方部31を上面部30aの前端から前下方向へ突出する姿勢(上面部30aに対してさらに前下後上状の姿勢)で下側から支持する支持部36を形成している。
【0071】
図6図7に示すように、これら支持部36,36は、カバー前側上方部31を車幅方向の両側から支持するが、カバー前側上方部31の前後方向の基端部から後述する中間ヒンジ部38bよりも前下部分にかけての部分を支持するものである。
【0072】
図4図7に示すように、カバー前側上方部31は、上面部30aの前端の車幅方向略全体から前方へ延出するように形成しており、複数(本実施では2枚)のパネル部37とヒンジ部38を延出方向において交互に配設している。
【0073】
パネル部37は、カバー前側上方部31の後側(基部側)に配置される後側パネル部37aと前側(先端側)に配置される前側パネル部37bとを有し、これら2枚のパネル部37a,37bは、いずれも自重に対して自身の形状を保形することができる形状保持性(剛性)を確保する厚みを有して車幅方向に延びる短冊状に形成している(同図参照)。
【0074】
なお、図4図8に示すように、前側パネル部37bの車幅方向の内側の前端位置には、上方に突出するとともにその先端を前方へ屈曲させて補器取付ブラケト40と係合するブラケット係合突片39を形成している。
【0075】
図4図7に示すように、ヒンジ部38は、基端側ヒンジ部38aと中間ヒンジ部38bとを有しており、カバー前側上方部31を屈曲(折り曲げ)可能に車幅方向の全体に亘ってパネル部37よりも薄肉に形成している。
【0076】
基端側ヒンジ部38aは、前側パネル部37bと上面部30aとの間に相当する部位、すなわちカバー前側上方部31の突出方向の基端部に形成するとともに、中間ヒンジ部38bは、後側パネル部37aと前側パネル部37bとの間に相当する部位、すなわちカバー前側上方部31の突出方向の中間部に形成している。
【0077】
図4図8図11に示すように、カバー前側上方部31の車幅方向の両側の端辺部には、カバー前側上方部31の基端部から前部にかけてウレタン等の弾性部材で形成したシール部材71を取り付けている。このシール部材71は、凹部を有する断面コ字状に形成し、カバー前側上方部31の車幅方向の両側の端辺部に嵌め込んで装着している。これによりシール部材71は、パネル部37だけでなくヒンジ部38においても入り込むようにして弾接し、カバー前側上方部31の下面と支持部36の上面との間のシール性を確保している。
【0078】
そして、カバー前側上方部31は、自重により垂下しないように車幅方向の両側から支持部36によって支持されており、これにより、上面部30aの前端から前下方向に突出した庇のような姿勢で補器20の雌型コネクタ22が配設された少なくとも前面部20eをその前方上側から覆っている。
【0079】
このようなカバー前側上方部31は、後述するハーネス支持ブラケット50を取り外した状態として図14に示すように、ヒンジ部38(38a,38b)を屈曲させながら捲り上げることができ、補器20の前面部20eに配設した雌型コネクタ22をカバー前側上方部31に覆われていた状態から露出させることができる。
なお、図14は、図9においてハーネス支持ブラケットを取り外してカバー前側上方部を捲り上げた状態を示す要部断面図である。
【0080】
上述した補器取付構造10は、カバー30を補器取付ブラケット40の補器取付ブラケット本体部45と補器20とで上下各側から挟み込むようにして配置し(図7図9図10参照)、補器取付ブラケット40の凹状周縁部140aと補器20のボス部23とを当接させた状態で補器取付ブラケット40の取付孔140に挿通したボルトB1およびナットN1を用いて締結することでカバー30を介在させた状態で補器20と補器取付ブラケット40とを組み付けることができる(図5図9図10参照)。これにより、互いに金属性の補器取付ブラケット本体部45の凹状周縁部140aと補器20のボス部23との間にカバー30を挟む構造よりも、補器20の支持剛性を向上できると共に、補器20上部の熱を補器取付ブラケット本体部45に伝達容易として、補器20上部の放熱性を高めることができる。
なお、補器取付ブラケット40とカバー30との間には、防水と制振の為、環状のラバー部材33を圧縮変形させた状態で介在させている。
【0081】
また図13(a)に示すように、上述のハーネス支持ブラケット50は、その後部(基部)に補器取付ブラケット本体部45への取付け用の取付孔53を形成している。そして、補器取付ブラケット本体部45の上記取付面42に形成した取付孔142とハーネス支持ブラケット50に形成した取付孔53とは、ボルトB4およびナットN4等の締結部材を用いて締結固定される。
【0082】
ハーネス支持ブラケット50は、補器取付ブラケット本体部45の上述した取付面42に取り付けられた状態において、カバー前側上方部31の上方に位置するとともに前下方向に該カバー前側上方部31の突出長さよりも突出するように形成している(図4図5図9図11図13(a)参照)。
【0083】
さらに、図4図5図11に示すように、ハーネス支持ブラケット50は、前傾姿勢のカバー前側上方部31の車幅方向の外側部分の上方に配置され、さらに図11図13(a)に示すように、カバー前側上方部31の突出方向の少なくとも中間ヒンジ部38bを跨ぐ部位には、カバー前側上方部31を折り曲げ不能にガイドするガイド押さえ部52を形成している。すなわち、このガイド押さえ部52は、カバー前側上方部31が不用意に捲り上がらないように、カバー前側上方部31に対してラバーシート51を介して上方から当接するものである。
【0084】
また、図13(a)に示すように、ハーネス支持ブラケット50の前部(先端側)、すなわちカバー前側上方部31よりも前下へ突出した突出部分には、ワイヤハーネス(WH)を支持するハーネス保持部材60の取付け用の取付孔54を車幅方向の各側に形成している。
【0085】
一方、図4図5図13(a)に示すように、上述のハーネス保持部材60の基部に形成されたフランジ部63の車幅方向外側部位には、ハーネス支持ブラケット50の前部へ取付け用の取付孔61が車幅方向の各側に形成されている。そして、ハーネス保持部材60に形成した取付孔61とハーネス支持ブラケット50の前部に形成した取付孔54とは、ボルトB5およびナットN5等の締結部材を用いて締結固定される。
【0086】
このハーネス保持部材60のフランジ部63に対して前側は、ハーネス支持ブラケット50との取付け部位から車幅方向内側へ延びてワイヤハーネス(WH)の一端側を支持する筒状のハーネス保持部62が設けられている。
【0087】
ハーネス保持部62は、補器20の前面部20eに形成した雌型コネクタ22に前下側で対向するように配置され、図示しないが、ハーネス保持部62によって保持されたワイヤハーネス(WH)の一端側に有する不図示の雄型コネクタは補器20の前面部20cに形成した雌型コネクタ22に適宜の接続ケーブル(図示省略)を介して接続される。
【0088】
なお、このワイヤハーネス(WH)は図示省略するが、ハーネス保持部62とリヤデッキカバー3用のモータとの間、並びにハーネス保持部62と開閉ルーフ1用のモータとの間に配索され、それぞれのモータに対して電力制御装置である補器20によって適切な電力値に変換した電力が供給される。
【0089】
上述した本実施例の自動車の補器取付構造10は、開閉ルーフ1やリヤデッキカバー3を開閉可能に構成しており、開閉ルーフ1やリヤデッキカバー3が開時において車室7やルーフ格納室2の上方に有する開口部2aが開口される。このため、これら車室7とルーフ格納室2との間に相当する箇所は、降雨等により被水するおそれのある被水領域に相当する。すなわち、補器20は、車室7やルーフ格納室2との間の被水領域において車幅方向に配置されたシートバッククロスメンバ16に設けられ、さらに該補器20は、金属筐体21で外装されるとともに前面部20eに雌型コネクタ22が設けられている。
【0090】
自動車の補器取付構造10は、このような補器20を覆うと共に上方へ折り曲げ可能なカバー30が設けられ、前記カバー30を折り曲げ不能に押さえるハーネス支持ブラケット50が設けられているため、部品点数の増加を抑えながら、防水対策が必要な補器20を被水領域においても防水性を確保して配置することができるものである。
【0091】
詳述すると、本実施例の格納式ルーフ付き自動車は、図1(a)に示すルーフ閉鎖状態の開閉ルーフ1を、図1(b)に示すようにルーフ格納室2に折畳んで格納する際には、リヤデッキカバー3を完全にリフトアップさせた後で開閉ルーフ1の変位を開始するのではなく、リヤデッキカバー3をリフトアップさせつつ、開閉ルーフ1を変位させることでスムーズな開閉操作を達成している。
【0092】
すなわち、開閉ルーフ1とリヤデッキカバー3との夫々を変位させる際に双方が同時に変位するタイミングが生じることがあるため、リヤデッキカバー3用のリンク機構6と開閉ルーフ1用のリンク機構との夫々に備えたモータを同時に駆動させる必要がある。さらに、リヤデッキカバー3は前後方向に長いデザインとして重量化している等の要因により、補器20は、別途備えた発電機又はバッテリの少なくとも一方(電力供給装置)からリヤデッキカバー3用のリンク機構6と開閉ルーフ1のリンク機構との夫々に備えたモータへ大電流を供給する必要がある。
【0093】
このため、補器20と、リヤデッキカバー3および開閉ルーフ1の各リンク機構に備えたモータとの間における電力損失を低減することが重要となり、補器20は、リヤデッキカバー3と開閉ルーフ1との双方のリンク機構に対して出来るだけ近接した位置に配置することが好ましい。
【0094】
そこで本実施例においては、補器20を被水領域であるが車室7とルーフ格納室2との間に配設されたシートバッククロスメンバ16に取り付けることで後述するようにレイアウト性を確保しつつ電力損失を抑制することができる。
【0095】
しかも本実施例の補器取付構造10は、補器20を覆うことができるため、補器20を被水領域に配置しても防水性をカバー30によって確保することができる。特に、本実施例では、カバー30に備えたカバー前側上方部31によって被水により電蝕し易い雌型コネクタ22が設けられた前面部20eをしっかりと覆うことができる。
【0096】
さらに、カバー30は、例えば、組付け時、メンテナンス時等においてカバー30の少なくとも一部(カバー前側上方部31)を捲り上げることができるように形成している。
【0097】
しかも、本実施例においては、このような捲り上げることが可能なカバー30のカバー前側上方部31が不用意に捲り上がらないようにハーネス支持ブラケット50を利用して該カバー30を上方から押さえることができるようにしたものである。すなわちハーネス支持ブラケット50を、カバー前側上方部31を押さえるための部材としても兼用することで別途、押さえ部材を備える必要がない。
【0098】
従って、部品点数や組付工数の増加を抑えながら、被水領域へ防水対策が必要な補器を配置することができる。
【0099】
この発明の態様として、前記カバー30のカバー前側上方部31には、複数のパネル部37とヒンジ部38を有するものである。
【0100】
上記構成によれば、カバー30のカバー前側上方部31は、該カバー前側上方部31を折り曲げ可能な薄肉のヒンジ部38(38a,38b)を有しているため、カバー30の折り曲げ性を確保することができるとともに、該ヒンジ部38よりも厚肉のパネル部37を有しているため、ハーネス支持ブラケット50によって押さえ付けて固定した時の剛性を確保することができる。
【0101】
さらに、このような折り曲げ性と固定時の剛性とを確保したカバー30を、薄肉のヒンジ部38と、該ヒンジ部38よりも厚肉のパネル部37とで達成することで、例えば、樹脂等の材料を用いて一体成形により形成することが可能となるため、カバー30を安価な部材で形成することができる。
【0102】
またこの発明の態様として、補器20は前記開閉ルーフ1とリヤデッキカバー3とに共通して用いる電力制御装置であり、該電力制御装置を、金属筐体21を有する構成としたものである。
【0103】
上記構成によれば、補器20の外側を金属筐体21としたため、従来のように樹脂ケースによって補器全体を外装した構成と比較して冷却性(放熱性)を確保することができるとともにコストを低減することができる。
【0104】
しかも補器20は前記開閉ルーフ1とリヤデッキカバー3とに共通して用いる電力制御装置であるため、車室7とルーフ格納室2との間に配設することがレイアウト性の観点からより好ましいといえる。
【0105】
そして本実施例においては、補器20は金属筐体21を備えた構成であるが、該補器20をカバー30によって覆うことで、車室7とルーフ格納室2との間の被水領域においても、該補器20が被水することなく配設することができる。
この際、カバー30で補器20の下部を覆う必要がないため、通気や放射による放熱性を高めることができる。
【0106】
よって、前記開閉ルーフ1とリヤデッキカバー3とに共通して用いる電力制御装置として構成した補器20のレイアウト性を確保することができる。
【0107】
ここで被水領域においては、被水による不具合のおそれから車載機器を配設することが敬遠されがちとなるため非被水領域と比較して車載機器の密集度合いが低い領域といえる。この点においても被水領域に補器20を配置することでレイアウト性を高めることができる。
【0108】
さらに被水領域は、車体外部に向けて開放されているため通気性に優れており、このような被水領域に補器20を配置することで金属筐体21を有する補器20の冷却性をより一層高めることができる。
【0109】
特に本実施例においては、補器20の全体をカバー30によって外装するのではなく、カバー30を、補器20を上方から覆うように設けることで、被水領域においても防水性を確保しつつ低コストで補器20の冷却性を高めることができる。
【0110】
従って、本実施例の補器取付構造10は、補器20を被水領域に設けることでレイアウト性を高めることができ、被水領域に配置した補器20の防水性をカバー30によって確保しつつ、補器20を、金属筐体21を有した構成とすることで冷却性を安価に両立することができる。
【0111】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、この発明の金属外装は、金属筐体21に対応し、同様にコネクタは、雌型コネクタ22に対応するも、この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0112】
例えば、補器20は、上述したように、開閉ルーフ1とリヤデッキカバー3とで共通の電力制御装置として構成したが、これに限らず、開閉ルーフ1用とリヤデッキカバー3用とのうちいずれか一方の電力制御装置として構成してもよい。また、補器20は、インバータ等の電力制御装置に限らず、バッテリなどの電力供給装置等他の車載装置であってもよい。
【0113】
また、補器20は、電力制御装置ではなくリンク機構の回動状態を検知する機械式の回動検出装置の一部として構成してもよい。この場合には、ハーネス保持部材60の代わりに機械式の回動検出装置に備えたワイヤを保持するワイヤ保持ケースを備えることができる。このワイヤ保持ケースは、図示省略するがリンク作動時にテンションが加わるように配索したワイヤの端部を保持するとともに、該保持部によって保持したワイヤの一端に加わるテンションを電気信号に変換して補器としての回動検出装置に伝える構成とすることができる。
なお、このような機械式の回動検出装置は、不図示の電気式の回動検出装置とともに車両に併設することにより、該電気式の回動検出装置が故障した場合においても該機械式の回動検出装置によってリンク機構の回動状態を検知することが可能となり、検知精度を高めることができるものである。
【0114】
また上述した実施例においては、補器20としての電力制御装置は、シートバック後方のシートバッククロスメンバ16に取り付けたがこれに限らず、例えば、図示省略するが車体後部において車幅方向に延びるクロスメンバであって左右のホイールハウス間或いは車輪支持部間を連結するダイアゴナルメンバや、格納室と車室7とを仕切るバルクヘッドなど、被水領域であればその取付位置は特に限定しない。
【0115】
さらにまた、カバー30は、上面部30a、車幅内面部30b、車幅外面部30c、背面部およびカバー前側上方部31を備えて形成したが、少なくともカバー前側上方部31と支持部36を備えた構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0116】
以上説明したように、本発明は、車体の被水領域においてコネクタを有する補器を取り付ける自動車の補器取付構造について有用である。
【符号の説明】
【0117】
10…補器取付構造
20…補器
21…金属筐体(金属外装)
22…雌型コネクタ(コネクタ)
30…カバー
37…パネル部
38…ヒンジ部
50…ハーネス支持ブラケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14