特許第6684210号(P6684210)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6684210
(24)【登録日】2020年3月31日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】チロシン誘導体及びそれを含む組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/18 20060101AFI20200413BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20200413BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20200413BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20200413BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   A61K47/18
   A61K45/00
   A61K47/22
   A61P35/00
   A61K9/14
【請求項の数】11
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-525902(P2016-525902)
(86)(22)【出願日】2014年10月21日
(65)【公表番号】特表2016-534071(P2016-534071A)
(43)【公表日】2016年11月4日
(86)【国際出願番号】US2014061527
(87)【国際公開番号】WO2015061288
(87)【国際公開日】20150430
【審査請求日】2017年10月19日
(31)【優先権主張番号】14/062,194
(32)【優先日】2013年10月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/894,279
(32)【優先日】2013年10月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514182366
【氏名又は名称】タイム,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100129458
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 剛
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン,スティーブン
【審査官】 佐々木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/109610(WO,A1)
【文献】 特開昭64−002554(JP,A)
【文献】 米国特許第04806360(US,A)
【文献】 特表2011−516443(JP,A)
【文献】 特開平02−286602(JP,A)
【文献】 特表2010−534226(JP,A)
【文献】 5,5-ジフェニルヒダントイン, Chemical Book, [ONLINE], [retrieved on 2018.06.22], retrieved from the internet, <URL: http://www.chemicalbook.com/ChemicalProductProperty_JP_CB3139264.htm>,URL,http://www.chemicalbook.com/ChemicalProductProperty_JP_CB3139264.htm
【文献】 持続性ソマトスタチンアナログ製剤 オクトレオチド皮下注50μg「あすか」 添付文書, [ONLINE], あすか製薬, 2016,[retrieved on 2018.06.22], retrieved from the internet, <URL: http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00066168.pdf>,URL,http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00066168.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/00− 9/72
A61K 47/00−47/69
A61K 45/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子の製造方法であって、
・チロシン誘導体、固体粒状物質、及びメラニンを準備すること;
・前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質の少なくとも一方に前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質の他方をインプレグネーションさせるのに有効な時間及び条件下で、前記チロシン誘導体、前記固体粒状物質及び前記メラニンに力を適用すること;並びに、
・前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質の少なくとも一方が前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質の他方にインプレグネーションされた粒子を製造すること;
を含み、
前記固体粒状物質が、薬学的活性成分であるか又はそれを含み、
前記チロシン誘導体が、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−4 ヒドロキシフェニル)プロパノエート、D−チロシンエチルエステル塩酸塩、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2,6−ジクロロ−3,4−ジメトキシフェニル)プロパノエート H−D−Tyr(TBU)−アリルエステルHCl、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4,5−ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(4−[(2−クロロ−6−フルオロフェニル)メトキシ]フェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−3,4−ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート、ジエチル 2−(アセチルアミノ)−2−(4−[(2−クロロ−6−フルオロベンジル)オキシ]ベンジルマロネート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2,6−ジクロロ−3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート、H−DL−tyr−OMe HCl、H−3,5−ジヨード−tyr−OMe HCl、H−D−3,5−ジヨード−tyr−OMe HCl、H−D−tyr−OMe HCl、D−チロシンメチルエステル塩酸塩、D−チロシン−OMe HCl、メチル D−チロシネート塩酸塩、H−D−tyr−OMe・HCl、D−チロシンメチルエステルHCl、H−D−Tyr−OMe−HCl、(2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、(2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)メチルエステル塩酸塩、メチル (2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、メチル (2R)−2−アザニル−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、3−クロロ−L−チロシン、3−ニトロ−L−チロシン、3−ニトロ−L−チロシンエチルエステル塩酸塩、DL−m−チロシン、DL−o−チロシン、Boc−Tyr(3,5−I2)−OSu、Fmoc−tyr(3−NO)−OH、α−メチル−L−チロシン、α−メチル−D−チロシン、及びα−メチル−DL−チロシンの一つ又は複数である、
前記製造方法。
【請求項2】
チロシン誘導体がα−メチル−L−チロシン、α−メチル−D−チロシン、またはラセミ体のα−メチル−DL−チロシンである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
固体粒状物質が水に可溶であるか、水に不溶である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
薬学的活性成分が、がんの治療に治療活性を有するものであり、例えば、前記薬学的活性成分は、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、アロマターゼ阻害薬、シグナル伝達阻害薬、遺伝子発現及びその他の細胞機能を調節するタンパク質の機能を変更する薬物、がん細胞にアポトーシスを遂げさせるように誘導する薬物、及び血管新生を阻害する薬物の少なくとも一つを含むものであり、好ましくは、タモキシフェン、トレミフェン、フルベストラント、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、メシル酸イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、ラパチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、テムシロリムス、エベロリムス、バンデタニブ、ベムラフェニブ、クリゾチニブ、ボリノスタット、ロミデプシン、ベキサロテン、アリトレチノイン、トレチノイン、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、プララトレキサート、ソラフェニブ、スニチニブ、パゾパニブ、レゴラフェニブ、カボザンチニブ、デニロイキン・ディフティトックス、ziv−アフリベルセプト、シスプラチン、シスプラチナム、(シスジアンミンジクロロ白金(II))、カルボプラチン、オキサリプラチン、イソチオシアン酸ベンジル、アセチルコリン、及びジヒドロテストステロン(DHT)からなく群から選択される少なくとも一つを含むものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質に前記力を適用後に、前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質に過酸化水素を添加することをさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記力が、前記チロシン誘導体及び前記粒状物質を少なくとも一つのセラミック部材を用いて接触させることによって適用される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記力が加速力である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項8】
チロシン誘導体及び前記固体粒状物質の少なくとも一方が前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質の他方にインプレグネーションされた粒子を含む組成物であって、
前記粒子が、チロシン誘導体、固体粒状物質、及びメラニンを含み、
前記固体粒状物質が、薬学的活性成分であるか又はそれを含み、
前記チロシン誘導体が、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−4 ヒドロキシフェニル)プロパノエート、D−チロシンエチルエステル塩酸塩、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2,6−ジクロロ−3,4−ジメトキシフェニル)プロパノエート H−D−Tyr(TBU)−アリルエステルHCl、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4,5−ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(4−[(2−クロロ−6−フルオロフェニル)メトキシ]フェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−3,4−ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート、ジエチル 2−(アセチルアミノ)−2−(4−[(2−クロロ−6−フルオロベンジル)オキシ]ベンジルマロネート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2,6−ジクロロ−3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート、H−DL−tyr−OMe HCl、H−3,5−ジヨード−tyr−OMe HCl、H−D−3,5−ジヨード−tyr−OMe HCl、H−D−tyr−OMe HCl、D−チロシンメチルエステル塩酸塩、D−チロシン−OMe HCl、メチル D−チロシネート塩酸塩、H−D−tyr−OMe・HCl、D−チロシンメチルエステルHCl、H−D−Tyr−OMe−HCl、(2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、(2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)メチルエステル塩酸塩、メチル (2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、メチル (2R)−2−アザニル−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、3−クロロ−L−チロシン、3−ニトロ−L−チロシン、3−ニトロ−L−チロシンエチルエステル塩酸塩、DL−m−チロシン、DL−o−チロシン、Boc−Tyr(3,5−I2)−OSu、Fmoc−tyr(3−NO)−OH、α−メチル−L−チロシン、α−メチル−D−チロシン、及びα−メチル−DL−チロシンの一つ又は複数である、
前記組成物
【請求項9】
医薬として使用される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
がんの治療のための医薬として使用される、請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
組成物が、経口、経鼻、皮下、静脈内、筋肉内、経皮、経膣、経肛門又はそれらの任意の組合せで投与される、請求項9または10に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本願は、2013年10月24日出願の米国特許出願第14/062194号及び2013年10月22日出願の米国仮特許出願第61/894,279号に基づく利益を主張し、両出願特許の全内容を引用によって本明細書に援用する。
【0002】
[0002]本発明は、一般的に、薬剤を送達するための組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]ヒト又は動物において最適な治療効果を達成するために、医薬化合物の様々な投与法及びプロセスが開発されている。薬物送達のために、経鼻、経口、筋肉内、静脈内、経肛門、及び経膣を含むいくつかの投与経路が開発されている。これらの経路は、様々な種類の薬剤に対し、様々な程度の成功を示している。
【0004】
[0004]新規薬物分子を開発し、それらを市場に出すということは、一般的に非常に費用のかかることである。一方で、当初は有望と見込まれたが、毒性が強すぎて及び/又はあまりにも不安定で薬物療法として使用できないことが判明した旧薬もたくさんある。代替送達技術の使用は、これら及びその他の薬物の安全性及び/又は効果を増大する可能性を秘めている。そのような技術の開発に伴う費用は、一般的に、完全に新規な薬物を同定し開発するのに伴う費用よりはるかに少ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005]比較的広い応用性を有する薬物送達技術は依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]本発明は、固体粒状物質、特に、がんの治療に関連する成分などの一つ又は複数の薬学的活性(有効)成分を含む固体粒状物質を送達するための組成物及び方法を提供する。一定の態様において、本発明は、チロシン誘導体と固体粒状物質(及び任意にメラニン)を準備し、前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質の少なくとも一方に前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質の他方をインプレグネーションさせるのに有効な時間及び条件下で、前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質に力を適用することを含む方法を提供する。他の態様において、本発明は、固体粒状物質をインプレグネーションさせたチロシン誘導体及びチロシン誘導体をインプレグネーションさせた固体粒状物質の少なくとも一つを含む組成物を提供する。そのような組成物は任意にメラニンを含んでいてもよい。本発明に従って、そのような組成物はそれを必要とする患者に投与される。他の態様において、本発明は、チロシン誘導体、メラニン、及び固体粒状物質を含む組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0007]本主題は、本開示の一部を形成する以下の詳細な説明を参照することにより、さらに容易に理解できるであろう。本発明は、本明細書中に記載及び/又は提示された特定の製品、方法、条件又はパラメーターに限定されないこと、そしてまた、本明細書中で使用されている専門用語は、例として特定の態様を説明することだけを目的としたものであり、特許請求されている発明を制限することを意図したものでないことは理解されるべきである。
【0008】
[0008]本明細書において別段の規定がない限り、本願に関連して使用される科学及び技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を持つものとする。さらに、文脈によって特に必要とされる場合を除き、単数形の用語は複数形を含み、複数形の用語は単数形を含むものとする。
【0009】
[0009]以上及び本開示全体を通じて使用されている以下の用語及び略語は、別途記載のない限り、以下の意味を持つと理解されるものとする。
【0010】
[0010]本開示において、単数形の“a”、“an”及び“the”は複数形への言及も含み、特定の数値への言及は、文脈が明らかにそれ以外の場合を指示していない限り、少なくともその特定数値を含む。従って、例えば“一つの化合物”への言及は、一つ又は複数のそのような化合物及び当業者に公知のその等価物などへの言及でもある。本明細書において“複数”という用語は一つより多いことを意味する。数値の範囲が示されている場合、別の態様は、一つの特定値から及び/又は他の特定値までを含む。同様に、数値が先行詞“約”の使用によって概数として示されている場合、その特定の数値は別の態様を形成すると理解されるべきである。すべての範囲は、包括的であり(範囲の起点と終点の数値を含む)、組合せ可能である。
【0011】
[0011]本明細書において、“成分”、“組成物”、“化合物の組成物”、“化合物”、“薬物”、“薬理学的活性薬”、“活性薬”、“治療薬”、“療法”、“治療”、又は“医薬”という用語は、対象(ヒト又は動物)に投与された場合、局所及び/又は全身作用により所望の薬理的及び/又は生理的効果をもたらす化合物(一つ又は複数)又は組成物を言うのに互換的に使用される。
【0012】
[0012]本明細書において、“治療”又は“療法”(ならびにその異なる形態)という用語は、予防的(preventative, prophylactic)、治癒的又は緩和的治療を含む。本明細書において、“治療する”という用語は、状態、疾患又は障害の少なくとも一つの有害作用又は悪影響又は症状を緩和又は低減することを含む。この状態、疾患又は障害はがんであり得る。
【0013】
[0013]以上及び本開示全体を通じて使用されている“有効量“という用語は、関係する障害、状態、又は副作用の治療に対して所望の結果を達成するために有効な量(用量レベル及び必要期間)のことを言う。本発明の成分の有効量は、選択された特定の化合物、成分又は組成物、投与経路、及び個人において所望の結果をもたらす成分の能力という観点からだけでなく、緩和されるべき状態の病状又は重症度、ホルモンレベル、年齢、性別、個人の体重、患者の身体状態、及び治療され病理状態の重症度、特定の患者がその後従うことになる併用薬物療法又は特別食、及び当業者が認識するその他の因子などの要因という観点からも患者ごとに異なり、適切な用量は担当医の判断に委ねられることは理解されるであろう。投与計画は、改良された治療応答を提供するために調整できる。有効量は、治療上有益な効果が成分の何らかの有毒又は有害作用を上回る量でもある。
【0014】
[0014]“薬学的に許容可能な”とは、健全な医学的判断の範囲内で、合理的な損益比に見合う過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又はその他の問題合併症なしに、ヒト及び動物の組織との接触に適切な化合物、材料、組成物、及び/又は剤形のことを言う。
【0015】
[0015]本発明の範囲内で、開示化合物は、薬学的に許容可能な塩の形態で製造できる。“薬学的に許容可能な塩”とは、開示化合物の誘導体のことを言い、そこでは親化合物がその酸塩又は塩基塩を形成することによって改変されている。薬学的に許容可能な塩の例は、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩又は有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩又は有機塩などであるが、これらに限定されない。薬学的に許容可能な塩は、例えば、非毒性の無機酸又は有機酸から形成された親化合物の従来型非毒性塩又は第四級アンモニウム塩などである。例えば、そのような従来型非毒性塩は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などから誘導されたもの;及び有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などから製造された塩などである。これらの生理学的に許容可能な塩は、当該技術分野で公知の方法、例えば、遊離アミン塩基を過剰の酸と共に水性アルコール中に溶解するか、又は遊離カルボン酸を水酸化物のようなアルカリ金属塩基、又はアミンで中和することによって製造される。
【0016】
[0016]本明細書中に記載の化合物は、代替の形態で製造することができる。例えば、多くのアミノ含有化合物は、酸付加塩として使用又は製造できる。多くの場合、そうした塩は、化合物の単離及び取扱い特性を改良する。例えば、試薬、反応条件などにより、本明細書中に記載の化合物は、例えば、それらの塩酸塩又はトシレート塩として使用又は製造できる。同形結晶形(isomorphic crystalline form)、すべてのキラル及びラセミ体、N−オキシド、水和物、溶媒和物、及び酸塩水和物も、本発明の範囲内に含まれると考えられる。
【0017】
[0017]本発明のある種の酸性又は塩基性化合物は、双性イオンとして存在しうる。遊離酸、遊離塩基及び双性イオンを含む化合物の全形態が本発明の範囲内に含まれると考えられる。当該技術分野では、アミノ基及びカルボキシ基の両方を含有する化合物は、多くの場合、それらの双性イオン形と平衡状態で存在することはよく知られている。従って、例えば、アミノ基及びカルボキシ基の両方を含有する本明細書中に記載の化合物はいずれもそれらの対応する双性イオンへの言及も含む。
【0018】
[0018]“立体異性体“という用語は、同一の化学組成を有するが、空間における原子又は基の配置に関して異なる化合物のことを言う。“エナンチオマー“という用語は、重ね合わせることができない互いの鏡像である立体異性体のことを言う。
【0019】
[0019]“投与する“という用語は、本発明の化合物又は組成物を直接投与するか、又は体内で等価の量の活性化合物又は物質を形成するプロドラッグ、誘導体又は類似体を投与することのいずれかを含む。
【0020】
[0020]“対象”、“個人”、及び“患者“という用語は、本明細書中では互換的に使用され、本発明による医薬組成物を用いた治療(予防的治療を含む)が提供される動物、例えばヒトのことを言う。本明細書において“対象“という用語は、ヒト及びヒト以外の動物のことを言う。“ヒト以外の動物”及び“ヒト以外の哺乳動物“という用語は、本明細書中では互換的に使用され、すべての脊椎動物、例えば、ヒト以外の霊長類(特に高等霊長類)、ヒツジ、イヌ、齧歯動物(例えばマウス又はラット)、モルモット、ヤギ、ブタ、ネコ、ウサギ、ウシ、ウマなどの哺乳動物、ならびに爬虫類、両生類、ニワトリ、及びシチメンチョウなどの非哺乳動物を含む。
【0021】
[0021]本明細書において、“阻害薬”という用語は、タンパク質、ポリペプチド又は酵素の発現又は活性を阻害する化合物を含むが、必ずしも発現及び/又は活性の完全阻害を意味するわけではない。むしろ、阻害は、所望の効果をもたらすのに十分な程度、及び時間、タンパク質、ポリペプチド又は酵素の発現及び/又は活性を阻害することを含む。
【0022】
[0022]本明細書において、“プロモーター”という用語は、タンパク質、ポリペプチド又は酵素の発現又は活性を促進する化合物を含むが、必ずしも発現及び/又は活性の完全促進を意味するわけではない。むしろ、促進は、所望の効果をもたらすのに十分な程度、及び時間、タンパク質、ポリペプチド又は酵素の発現及び/又は活性を促進することを含む。
【0023】
[0023]代表的治療法は、がんが、非小細胞肺がん、卵巣がん、乳がん、子宮頸がん、膵臓がん、胃がん、脳腫瘍、脊髄がん(spinal cancer)、肝臓がん、骨がん(bone cancer)、骨肉腫(osteosarcoma)、リンパがん(lymphoid cancer)、甲状腺がん、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、又は精巣がんであるものを含む。他の態様において、がんは白血病又はリンパ腫である。
【0024】
[0024]一定の態様において、本発明は、チロシン誘導体と固体粒状物質を準備し、前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質の少なくとも一方に前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質の他方をインプレグネーションさせるのに有効な時間及び条件下で、前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質に力を適用することを含む方法を提供する。他の態様において、本発明は、固体粒状物質をインプレグネーションさせたチロシン誘導体及びチロシン誘導体をインプレグネーションさせた固体粒状物質の少なくとも一つを含む組成物を提供する。他の態様において、本発明は、チロシン誘導体、メラニン、及び固体粒状物質を準備し;前記チロシン誘導体、前記メラニン、及び前記固体粒状物質に一定時間、力を適用し;そして前記チロシン誘導体、メラニン、及び前記固体粒状物質を、それを必要とする患者に投与することを含む方法を提供する。
【0025】
[0025]チロシン誘導体は、異性体の形態で存在することができる。具体的には、チロシン誘導体は、そのL型でも又はそのD型でもよい。チロシン誘導体はラセミ体でもよい。
【0026】
[0026]代表的チロシン誘導体は、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−4 ヒドロキシフェニル)プロパノエート、D−チロシンエチルエステル塩酸塩、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2,6−ジクロロ−3,4−ジメトキシフェニル)プロパノエート H−D−Tyr(TBU)−アリルエステルHCl、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4,5−ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(4−[(2−クロロ−6−フルオロフェニル)メトキシ]フェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−3,4−ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート、ジエチル 2−(アセチルアミノ)−2−(4−[(2−クロロ−6−フルオロベンジル)オキシ]ベンジルマロネート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2,6−ジクロロ−3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート、H−DL−tyr−OME HCl、H−3,5−ジヨード−tyr−OME HCl、H−D−3,5−ジヨード−tyr−OME HCl、H−D−tyr−OME HCl、D−チロシンメチルエステル塩酸塩、D−チロシン−ome HCl、メチル D−チロシネート塩酸塩、H−D−tyr−OMe・HCl、D−チロシンメチルエステルHCl、H−D−Tyr−OMe−HCl、(2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、(2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)メチルエステル塩酸塩、メチル (2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、メチル (2R)−2−アザニル−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、3−クロロ−L−チロシン、3−ニトロ−L−チロシン、3−ニトロ−L−チロシンエチルエステル塩酸塩、DL−m−チロシン、DL−o−チロシン、Boc−Tyr(3,5−I2)−OSu、Fmoc−tyr(3−NO)−OH、α−メチル−L−チロシン、α−メチル−D−チロシン、及びα−メチル−DL−チロシンの一つ又は複数を含む。本発明の一定の態様において、チロシン誘導体はα−メチル−L−チロシンである。他の態様において、チロシン誘導体はα−メチル−D−チロシンである。
【0027】
[0027]本発明の適切な態様において、固体粒状物質は水に可溶である。本発明の他の適切な態様において、固体粒状物質は水に不溶である。
【0028】
[0028]本発明の他の態様において、固体粒状物質は、薬学的活性成分であるか又はそれを含む。その薬学的活性成分はがんの治療において治療活性を有しうる。代表的固体粒状物質は、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、アロマターゼ阻害薬、シグナル伝達阻害薬、遺伝子発現及びその他の細胞機能を調節するタンパク質の機能を変更する薬物、がん細胞にアポトーシスを遂げさせるように誘導する薬物、及び血管新生を阻害する薬物の少なくとも一つであるか又はそれらの少なくとも一つを含む。具体的には、薬学的活性成分は、FDAに認可された抗がん剤の一つ又は複数で、選択的エストロゲン受容体モジュレーターとして、例えば、タモキシフェン(tamoxifen)、トレミフェン(toremifene)(Fareston(登録商標))、及びフルベストラント(fulvestrant)(Faslodex(登録商標));アロマターゼ阻害薬として、例えば、アナストロゾール(anastrozole)(Arimidex(登録商標))、エキセメスタン(exemestane)(Aromasin(登録商標))、及びレトロゾール(letrozole)(Femara(登録商標));シグナル伝達阻害薬として、例えば、メシル酸イマチニブ (imatinib mesylate)(Gleevec(登録商標))、ダサチニブ(dasatinib)(Sprycel(登録商標))、ニロチニブ(nilotinib)(Tasigna(登録商標))、ボスチニブ(bosutinib)(Bosulif(登録商標))、ラパチニブ(lapatinib)(Tykerb(登録商標))、ゲフィチニブ(gefitinib)(Iressa(登録商標))、エルロチニブ(erlotinib)(Tarceva(登録商標))、テムシロリムス(temsirolimus)(Torisel(登録商標))、エベロリムス(everolimus)(Afinitor(登録商標))、バンデタニブ(vandetanib)(Caprelsa(登録商標))、ベムラフェニブ(vemurafenib)(Zelboraf(登録商標))、及びクリゾチニブ(crizotinib)(Xalkori(登録商標));遺伝子発現及びその他の細胞機能を調節するタンパク質の機能を変更する薬物として、例えば、ボリノスタット(vorinostat)(Zolinza(登録商標))、ロミデプシン(romidepsin)(Istodax(登録商標))、ベキサロテン(bexarotene)(Targretin(登録商標))、アリトレチノイン(alitretinoin)(Panretin(登録商標))、トレチノイン(tretinoin)(Vesanoid(登録商標));がん細胞にアポトーシスを遂げさせるように誘導する薬物として、例えば、ボルテゾミブ(bortezomib)(Velcade(登録商標))、カルフィルゾミブ(carfilzomib)(KyprolisTM)、及びプララトレキサート(pralatrexate)(Folotyn(登録商標));及び血管新生を阻害する薬物として、例えばソラフェニブ(sorafenib)(Nexavar(登録商標))、スニチニブ(sunitinib)(Sutent(登録商標))、パゾパニブ(pazopanib)(Votrient(登録商標))、レゴラフェニブ(regorafenib)(Stivarga(登録商標))、及びカボザンチニブ(cabozantinib)(CometriqTM)などが挙げられる。本発明に適した追加の抗がん剤は、デニロイキン・ディフティトックス(denileukin diftitox)(Ontak(登録商標))、ziv−アフリベルセプト(ziv-aflibercept)(Zaltrap(登録商標))、シスプラチン(cisplatin)、シスプラチナム(cisplatinum)、(シスジアンミンジクロロ白金(II)(cis-diamminedichloroplatinum(II))、カルボプラチン(carboplatin)、オキサリプラチン(oxaliplatin)、イソチオシアン酸ベンジル、アセチルコリン、及びジヒドロテストステロン(DHT)などである。しかしながら、粒状形で存在するその他の薬物も、本発明による加工に適しうることは理解されるはずである。
【0029】
[0029]本発明の別の態様において、方法は、チロシン誘導体と固体粒状物質を準備し、前記インプレグネーションを達成させるのに有効な時間及び条件下で、前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質に力を適用し、そして前記力の適用前又は(好ましくは)後に、前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質に過酸化水素を添加することを含む。
【0030】
[0030]チロシン誘導体及び固体粒状物質(及び任意にメラニン)に適用される力は、何
らかの特定手段による適用である必要はない。本発明の一定の態様において、力は、少な
くとも一つのセラミック部材、例えば乳鉢と乳棒を用いて、前記チロシン誘導体と前記粒
状物質を接触させることによって適用される。適用される力が加速力である好適な方法及
び装置は、2013年10月22日に出願され、米国特許出願第14/059,837号
を付与された特許出願、発明の名称“高速遠心混合装置及び使用法(High-Speed Centrifu
gal Mixing Devices and Methods of Use)”に開示されている。力が適用されると、柔ら
かい方の物質が典型的には他方によってインプレグネーションされる。しかしながら、二つの粒子の柔らかい方がインプレグネーションを実行する可能性もあることは理解されるはずである。この点において、本発明によるインプレグネーションは、一つのタイプの粒子の一部が別のタイプの粒子の一部に入り込むことを含みうるが、それを必要とはしない。例えば、一つのタイプの粒子は、別のタイプによって完全に包囲されるか又は部分的に包囲されることによりインプレグネーションされてもよい。従って、本発明によるインプレグネーションは、少なくとも二つの異なるタイプの粒子が十分に結合されて、ふるい分け及び注入などの通常の材料取扱手順に付されたときに単一タイプの粒子の物理的性質を示す場合に達成される。
【0031】
[0031]本発明に従って製造された組成物は、好ましくはそれを必要とする患者に投与される。代表的投与経路は、経口、経鼻、皮下、静脈内、筋肉内、経皮、経膣、経肛門、又はそれらの任意の組合せを含む。血液脳関門は鼻腔後部で最も薄いので、経鼻投与経路は特に有用でありうる。これは、例えば脳腫瘍及び脊髄がんを治療するための投与の好適な経路となりうる。薬学的活性成分は、好ましくは、所与の適応に対して他の場合で適用可能なのと同じ用量及び投与スケジュールを用いて投与されるが、本発明によるチロシン誘導体を用いる投与は、低用量の使用で同じ効果を達成できると考えられている。
【0032】
[0032]本発明の一定の態様において、前記チロシン誘導体と前記固体粒状物質(及び任意にメラニン)をそれを必要とする患者に投与するステップは、前記患者に電磁場を適用することを含みうる。電磁場は、電波、マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線、x線又はガンマ線由来でよい。何らかの特定の作用機序に拘束されるつもりはないが、電磁場を適用すれば、一つ又は複数の薬学的活性成分の効果を、例えばそれ及び/又は随伴分子を気相状態にすることにより、増大させることができると考えられている。
【0033】
[0033]当業者であれば、本発明の様々な修正及び変更が、添付の特許請求の範囲の広い範囲から逸脱することなくなされうることは分かるであろう。これらの一部は上で解説してきたが、その他は当業者には明白であろう。
以下に、出願時の特許請求の範囲の記載を示す。
[請求項1]
・チロシン誘導体と固体粒状物質を準備すること;および
・前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質の少なくとも一方に前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質の他方をインプレグネーションさせるのに有効な時間及び条件下で、前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質に力を適用すること、
を含む方法。
[請求項2]
チロシン誘導体が異性体の形態で存在することができる、請求項1に記載の方法。
[請求項3]
チロシン誘導体がそのL型である、請求項2に記載の方法。
[請求項4]
チロシン誘導体がそのD型である、請求項2に記載の方法。
[請求項5]
チロシン誘導体がラセミ体である、請求項2に記載の方法。
[請求項6]
チロシン誘導体が、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−4 ヒドロキシフェニル)プロパノエート、D−チロシンエチルエステル塩酸塩、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2,6−ジクロロ−3,4−ジメトキシフェニル)プロパノエート H−D−Tyr(TBU)−アリルエステルHCl、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4,5−ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(4−[(2−クロロ−6−フルオロフェニル)メトキシ]フェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−3,4−ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート、ジエチル 2−(アセチルアミノ)−2−(4−[(2−クロロ−6−フルオロベンジル)オキシ]ベンジルマロネート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2,6−ジクロロ−3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート、H−DL−tyr−OME HCl、H−3,5−ジヨード−tyr−OME HCl、H−D−3,5−ジヨード−tyr−OME HCl、H−D−tyr−OME HCl、D−チロシンメチルエステル塩酸塩、D−チロシン−ome HCl、メチル D−チロシネート塩酸塩、H−D−tyr−OMe・HCl、D−チロシンメチルエステルHCl、H−D−Tyr−OMe−HCl、(2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、(2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)メチルエステル塩酸塩、メチル (2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、メチル (2R)−2−アザニル−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、3−クロロ−L−チロシン、3−ニトロ−L−チロシン、3−ニトロ−L−チロシンエチルエステル塩酸塩、DL−m−チロシン、DL−o−チロシン、Boc−Tyr(3,5−I2)−OSu、Fmoc−tyr(3−NO2)−OH、α−メチル−L−チロシン、α−メチル−D−チロシン、及びα−メチル−DL−チロシンの一つ又は複数である、請求項1に記載の方法。
[請求項7]
チロシン誘導体がα−メチル−L−チロシンである、請求項6に記載の方法。
[請求項8]
チロシン誘導体がα−メチル−D−チロシンである、請求項6に記載の方法。
[請求項9]
チロシン誘導体がラセミ体のα−メチル−DL−チロシンである、請求項6に記載の方法。
[請求項10]
固体粒状物質が水に可溶である、請求項1に記載の方法。
[請求項11]
固体粒状物質が水に不溶である、請求項1に記載の方法。
[請求項12]
固体粒状物質が、薬学的活性成分であるか又はそれを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
[請求項13]
薬学的活性成分が、がんの治療に治療活性を有する、請求項12に記載の方法。
[請求項14]
固体粒状物質が、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、アロマターゼ阻害薬、シグナル伝達阻害薬、遺伝子発現及びその他の細胞機能を調節するタンパク質の機能を変更する薬物、がん細胞にアポトーシスを遂げさせるように誘導する薬物、及び血管新生を阻害する薬物の少なくとも一つであるか又はそれらの少なくとも一つを含む、請求項12に記載の方法。
[請求項15]
薬学的活性成分が、タモキシフェン、トレミフェン、フルベストラント、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、メシル酸イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、ラパチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、テムシロリムス、エベロリムス、バンデタニブ、ベムラフェニブ、クリゾチニブ、ボリノスタット、ロミデプシン、ベキサロテン、アリトレチノイン、トレチノイン、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、プララトレキサート、ソラフェニブ、スニチニブ、パゾパニブ、レゴラフェニブ、カボザンチニブ、デニロイキン・ディフティトックス、ziv−アフリベルセプト、シスプラチン、シスプラチナム、(シスジアンミンジクロロ白金(II))、カルボプラチン、オキサリプラチン、イソチオシアン酸ベンジル、アセチルコリン、及びジヒドロテストステロン(DHT)の一つ又は複数である、請求項12に記載の方法。
[請求項16]
前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質に前記力を適用後に、前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質に過酸化水素を添加することをさらに含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
[請求項17]
前記力が、前記チロシン誘導体及び前記粒状物質を少なくとも一つのセラミック部材を用いて接触させることによって適用される、請求項1に記載の方法。
[請求項18]
前記力が加速力である、請求項1に記載の方法。
[請求項19]
前記チロシン誘導体及び前記固体粒状物質をそれを必要とする患者に投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
[請求項20]
患者ががんと診断されている、請求項19に記載の方法。
[請求項21]
混合物が、経口、経鼻、皮下、静脈内、筋肉内、経皮、経膣、経肛門又はそれらの任意の組合せで投与される、請求項19〜20のいずれか1項に記載の方法。
[請求項22]
固体粒状物質をインプレグネーションさせたチロシン誘導体及びチロシン誘導体をインプレグネーションさせた固体粒状物質の少なくとも一つを含む組成物。
[請求項23]
チロシン誘導体が異性体の形態で存在することができる、請求項22に記載の組成物。
[請求項24]
チロシン誘導体がそのL型である、請求項23に記載の組成物。
[請求項25]
チロシン誘導体がそのD型である、請求項23に記載の組成物。
[請求項26]
チロシン誘導体がラセミ体である、請求項23に記載の組成物。
[請求項27]
チロシン誘導体が、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−4 ヒドロキシフェニル)プロパノエート、D−チロシンエチルエステル塩酸塩、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2,6−ジクロロ−3,4−ジメトキシフェニル)プロパノエート H−D−Tyr(TBU)−アリルエステルHCl、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4,5−ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(4−[(2−クロロ−6−フルオロフェニル)メトキシ]フェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−3,4−ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート、ジエチル 2−(アセチルアミノ)−2−(4−[(2−クロロ−6−フルオロベンジル)オキシ]ベンジルマロネート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2,6−ジクロロ−3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート、H−DL−tyr−OME HCl、H−3,5−ジヨード−tyr−OME HCl、H−D−3,5−ジヨード−tyr−OME HCl、H−D−tyr−OME HCl、D−チロシンメチルエステル塩酸塩、D−チロシン−ome HCl、メチル D−チロシネート塩酸塩、H−D−tyr−OMe・HCl、D−チロシンメチルエステルHCl、H−D−Tyr−OMe−HCl、(2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、(2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)メチルエステル塩酸塩、メチル (2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、メチル (2R)−2−アザニル−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、3−クロロ−L−チロシン、3−ニトロ−L−チロシン、3−ニトロ−L−チロシンエチルエステル塩酸塩、DL−m−チロシン、DL−o−チロシン、Boc−Tyr(3,5−I2)−OSu、Fmoc−tyr(3−NO2)−OH、α−メチル−L−チロシン、α−メチル−D−チロシン、及びα−メチル−DL−チロシンの一つ又は複数である、請求項22に記載の組成物。
[請求項28]
チロシン誘導体がα−メチル−L−チロシンである、請求項27に記載の組成物。
[請求項29]
チロシン誘導体がα−メチル−D−チロシンである、請求項27に記載の組成物。
[請求項30]
チロシン誘導体がラセミ体のα−メチル−DL−チロシンである、請求項27に記載の組成物。
[請求項31]
固体粒状物質が水に可溶である、請求項22に記載の組成物。
[請求項32]
固体粒状物質が水に不溶である、請求項22に記載の組成物。
[請求項33]
固体粒状物質が、薬学的活性成分であるか又はそれを含む、請求項22〜32のいずれか1項に記載の組成物。
[請求項34]
薬学的活性成分が、がんの治療に治療活性を有する、請求項33に記載の組成物。
[請求項35]
固体粒状物質が、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、アロマターゼ阻害薬、シグナル伝達阻害薬、遺伝子発現及びその他の細胞機能を調節するタンパク質の機能を変更する薬物、がん細胞にアポトーシスを遂げさせるように誘導する薬物、及び血管新生を阻害する薬物の少なくとも一つであるか又はそれらの少なくとも一つを含む、請求項33に記載の組成物。
[請求項36]
薬学的活性成分が、タモキシフェン、トレミフェン、フルベストラント、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、メシル酸イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、ラパチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、テムシロリムス、エベロリムス、バンデタニブ、ベムラフェニブ、クリゾチニブ、ボリノスタット、ロミデプシン、ベキサロテン、アリトレチノイン、トレチノイン、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、プララトレキサート、ソラフェニブ、スニチニブ、パゾパニブ、レゴラフェニブ、カボザンチニブ、デニロイキン・ディフティトックス、ziv−アフリベルセプト、シスプラチン、シスプラチナム、(シスジアンミンジクロロ白金(II))、カルボプラチン、オキサリプラチン、イソチオシアン酸ベンジル、アセチルコリン、及びジヒドロテストステロン(DHT)の一つ又は複数である、請求項33に記載の組成物。
[請求項37]
過酸化水素をさらに含む、請求項22〜36のいずれか1項に記載の組成物。
[請求項38]
請求項22に記載の組成物をそれを必要とする患者に投与することを含む方法。
[請求項39]
患者ががんと診断されている、請求項38に記載の方法。
[請求項40]
組成物が、経口、経鼻、皮下、静脈内、筋肉内、経皮、経膣、経肛門又はそれらの任意の組合せで投与される、請求項38に記載の方法。
[請求項41]
チロシン誘導体が異性体の形態で存在することができる、請求項38に記載の方法。
[請求項42]
チロシン誘導体がそのL型である、請求項41に記載の方法。
[請求項43]
チロシン誘導体がそのD型である、請求項41に記載の方法。
[請求項44]
チロシン誘導体が、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−4 ヒドロキシフェニル)プロパノエート、D−チロシンエチルエステル塩酸塩、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2,6−ジクロロ−3,4−ジメトキシフェニル)プロパノエート H−D−Tyr(TBU)−アリルエステルHCl、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4,5−ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(4−[(2−クロロ−6−フルオロフェニル)メトキシ]フェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−3,4−ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート、ジエチル 2−(アセチルアミノ)−2−(4−[(2−クロロ−6−フルオロベンジル)オキシ]ベンジルマロネート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2,6−ジクロロ−3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート、H−DL−tyr−OME HCl、H−3,5−ジヨード−tyr−OME HCl、H−D−3,5−ジヨード−tyr−OME HCl、H−D−tyr−OME HCl、D−チロシンメチルエステル塩酸塩、D−チロシン−ome HCl、メチル D−チロシネート塩酸塩、H−D−tyr−OMe・HCl、D−チロシンメチルエステルHCl、H−D−Tyr−OMe−HCl、(2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、(2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)メチルエステル塩酸塩、メチル (2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、メチル (2R)−2−アザニル−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、3−クロロ−L−チロシン、3−ニトロ−L−チロシン、3−ニトロ−L−チロシンエチルエステル塩酸塩、DL−m−チロシン、DL−o−チロシン、Boc−Tyr(3,5−I2)−OSu、Fmoc−tyr(3−NO2)−OH、α−メチル−L−チロシン、α−メチル−D−チロシン、及びα−メチル−DL−チロシンの一つ又は複数である、請求項38に記載の方法。
[請求項45]
チロシン誘導体がα−メチル−L−チロシンである、請求項44に記載の方法。
[請求項46]
チロシン誘導体がα−メチル−D−チロシンである、請求項44に記載の方法。
[請求項47]
チロシン誘導体がラセミ体のα−メチル−DL−チロシンである、請求項44に記載の方法。
[請求項48]
固体粒状物質が水に可溶である、請求項38に記載の方法。
[請求項49]
固体粒状物質が水に不溶である、請求項38に記載の方法。
[請求項50]
固体粒状物質が、薬学的活性成分であるか又はそれを含む、請求項38〜49のいずれか1項に記載の方法。
[請求項51]
薬学的活性成分が、がんの治療に治療活性を有する、請求項50に記載の方法。
[請求項52]
固体粒状物質が、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、アロマターゼ阻害薬、シグナル伝達阻害薬、遺伝子発現及びその他の細胞機能を調節するタンパク質の機能を変更する薬物、がん細胞にアポトーシスを遂げさせるように誘導する薬物、及び血管新生を阻害する薬物の少なくとも一つであるか又はそれらの少なくとも一つを含む、請求項50に記載の方法。
[請求項53]
薬学的活性成分が、タモキシフェン、トレミフェン、フルベストラント、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、メシル酸イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、ラパチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、テムシロリムス、エベロリムス、バンデタニブ、ベムラフェニブ、クリゾチニブ、ボリノスタット、ロミデプシン、ベキサロテン、アリトレチノイン、トレチノイン、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、プララトレキサート、ソラフェニブ、スニチニブ、パゾパニブ、レゴラフェニブ、カボザンチニブ、デニロイキン・ディフティトックス、ziv−アフリベルセプト、シスプラチン、シスプラチナム、(シスジアンミンジクロロ白金(II))、カルボプラチン、オキサリプラチン、イソチオシアン酸ベンジル、アセチルコリン、及びジヒドロテストステロン(DHT)の一つ又は複数である、請求項50に記載の方法。
[請求項54]
前記患者に電磁場を適用することをさらに含む、請求項38〜53のいずれか1項に記載の方法。
[請求項55]
電磁場が、電波、マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線、x線又はガンマ線由来である、請求項54に記載の方法。
[請求項56]
チロシン誘導体、メラニン、及び固体粒状物質を含む組成物。
[請求項57]
チロシン誘導体が異性体の形態で存在することができる、請求項56に記載の組成物。
[請求項58]
チロシン誘導体がそのL型である、請求項57に記載の組成物。
[請求項59]
チロシン誘導体がそのD型である、請求項57に記載の組成物。
[請求項60]
チロシン誘導体がラセミ体である、請求項57に記載の組成物。
[請求項61]
チロシン誘導体が、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−4 ヒドロキシフェニル)プロパノエート、D−チロシンエチルエステル塩酸塩、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2,6−ジクロロ−3,4−ジメトキシフェニル)プロパノエート H−D−Tyr(TBU)−アリルエステルHCl、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4,5−ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(4−[(2−クロロ−6−フルオロフェニル)メトキシ]フェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2−クロロ−3,4−ジメトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート、ジエチル 2−(アセチルアミノ)−2−(4−[(2−クロロ−6−フルオロベンジル)オキシ]ベンジルマロネート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(2,6−ジクロロ−3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパノエート、メチル (2R)−2−アミノ−3−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート、H−DL−tyr−OME HCl、H−3,5−ジヨード−tyr−OME HCl、H−D−3,5−ジヨード−tyr−OME HCl、H−D−tyr−OME HCl、D−チロシンメチルエステル塩酸塩、D−チロシン−ome HCl、メチル D−チロシネート塩酸塩、H−D−tyr−OMe・HCl、D−チロシンメチルエステルHCl、H−D−Tyr−OMe−HCl、(2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、(2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)メチルエステル塩酸塩、メチル (2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、メチル (2R)−2−アザニル−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート塩酸塩、3−クロロ−L−チロシン、3−ニトロ−L−チロシン、3−ニトロ−L−チロシンエチルエステル塩酸塩、DL−m−チロシン、DL−o−チロシン、Boc−Tyr(3,5−I2)−OSu、Fmoc−tyr(3−NO2)−OH、α−メチル−L−チロシン、α−メチル−D−チロシン、及びα−メチル−DL−チロシンの一つ又は複数である、請求項56に記載の組成物。
[請求項62]
チロシン誘導体がα−メチル−L−チロシンである、請求項61に記載の組成物。
[請求項63]
チロシン誘導体がα−メチル−D−チロシンである、請求項61に記載の組成物。
[請求項64]
チロシン誘導体がラセミ体のα−メチル−DL−チロシンである、請求項61に記載の組成物。
[請求項65]
固体粒状物質が水に可溶である、請求項56に記載の組成物。
[請求項66]
固体粒状物質が水に不溶である、請求項56に記載の組成物。
[請求項67]
固体粒状物質が、薬学的活性成分であるか又はそれを含む、請求項56〜66のいずれか1項に記載の組成物。
[請求項68]
薬学的活性成分が、がんの治療に治療活性を有する、請求項67に記載の組成物。
[請求項69]
固体粒状物質が、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、アロマターゼ阻害薬、シグナル伝達阻害薬、遺伝子発現及びその他の細胞機能を調節するタンパク質の機能を変更する薬物、がん細胞にアポトーシスを遂げさせるように誘導する薬物、及び血管新生を阻害する薬物の少なくとも一つであるか又はそれらの少なくとも一つを含む、請求項67に記載の組成物。
[請求項70]
薬学的活性成分が、タモキシフェン、トレミフェン、フルベストラント、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、メシル酸イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、ラパチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、テムシロリムス、エベロリムス、バンデタニブ、ベムラフェニブ、クリゾチニブ、ボリノスタット、ロミデプシン、ベキサロテン、アリトレチノイン、トレチノイン、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、プララトレキサート、ソラフェニブ、スニチニブ、パゾパニブ、レゴラフェニブ、カボザンチニブ、デニロイキン・ディフティトックス、ziv−アフリベルセプト、シスプラチン、シスプラチナム、(シスジアンミンジクロロ白金(II))、カルボプラチン、オキサリプラチン、イソチオシアン酸ベンジル、アセチルコリン、及びジヒドロテストステロン(DHT)の一つ又は複数である、請求項67に記載の組成物。
[請求項71]
過酸化水素をさらに含む、請求項56〜70のいずれか1項に記載の組成物。
[請求項72]
請求項56に記載の組成物をそれを必要とする患者に投与することを含む方法。
[請求項73]
患者ががんと診断されている、請求項72に記載の方法。