特許第6684269号(P6684269)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6684269熱伝導性のパッチを材料ウェブに適用する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6684269
(24)【登録日】2020年3月31日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】熱伝導性のパッチを材料ウェブに適用する方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20200101AFI20200413BHJP
   A24D 1/02 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   A24F47/00
   A24D1/02
【請求項の数】14
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-511205(P2017-511205)
(86)(22)【出願日】2015年8月26日
(65)【公表番号】特表2017-526363(P2017-526363A)
(43)【公表日】2017年9月14日
(86)【国際出願番号】EP2015069568
(87)【国際公開番号】WO2016030433
(87)【国際公開日】20160303
【審査請求日】2018年8月15日
(31)【優先権主張番号】14182540.6
(32)【優先日】2014年8月27日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ギンドラ ピエール−イヴ
【審査官】 根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−513749(JP,A)
【文献】 特表2005−514939(JP,A)
【文献】 特開平04−262772(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/120849(WO,A1)
【文献】 特表2012−507287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 47/00
A24D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙物品であって、
炭素質の可燃性熱源と、
エアロゾル形成基体と、
少なくとも前記炭素質の可燃性熱源および前記エアロゾル形成基体を囲むラッパーと、 前記炭素質の可燃性熱源の後方部分および前記エアロゾル形成基体の隣接する前方部分の上にある1つ以上の熱伝導性要素と、を備え、
少なくとも1つの熱伝導性要素が前記ラッパーの上に印刷された熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチを備える、喫煙物品。
【請求項2】
前記1つ以上の熱伝導性要素が、第一の熱伝導性要素が前記炭素質の可燃性熱源の前記後方部分および前記エアロゾル形成基体の前記隣接する前方部分に直接接触するように、前記ラッパーの内部表面上に配置された前記第一の熱伝導性要素を備える、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項3】
前記1つ以上の熱伝導性要素が、少なくとも前記第一の熱伝導性要素の一部の周りにあり、かつ前記ラッパーの外部表面上に配置された第二の熱伝導性要素をさらに備える、請求項2に記載の喫煙物品。
【請求項4】
少なくとも1つの熱伝導性要素が、前記ラッパーの外部表面上に印刷された熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチを備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項5】
熱伝導性のパッチを喫煙物品のラッパー材料のウェブ上に適用する方法であって、前記喫煙物品のラッパーのウェブがその後喫煙物品の製造に使用される時に各熱伝導性のパッチが喫煙物品の熱伝導性要素を形成するように配置され、前記方法が、長軸方向に離間した熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチを前記喫煙物品のラッパー材料のウェブ上に印刷することを含み、前記パッチの少なくとも一部が前記長軸方向に少なくとも2mm連続的に延びる熱伝導性のある印刷可能な媒体の領域を含む、方法。
【請求項6】
喫煙物品のラッパー材料の前記ウェブを印刷シリンダーに移動し、前記印刷シリンダーを使用して前記熱伝導性のある印刷可能な媒体を喫煙物品のラッパー材料の前記ウェブ上に移送することによって、前記印刷する工程が実施される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記印刷シリンダーが前記熱伝導性のある印刷可能な媒体を保持するための複数の溝を備え、前記溝がパッチの所望のパターンに対応するパターンで配置される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記印刷する工程が、長軸方向に離間した熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチの第一の組を喫煙物品のラッパー材料の前記ウェブの第一の側の上に印刷することと、長軸方向に離間した熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチの第二の組を喫煙物品のラッパー材料の前記ウェブの第二の側の上に印刷することと、を含み、前記第二の側が前記第一の側の反対側である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
長軸方向に離間したパッチの前記第一の組および第二の組が実質的に整列している、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
隣接する熱伝導性のパッチの間の長軸方向の間隔が少なくとも8mmである、請求項5〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記熱伝導性のパッチの各々の幅が少なくとも約10mmであり、約15mm〜約30mmが好ましく、約20mm〜約25mmがより好ましい、請求項5〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
喫煙物品のためのマルチセグメント構成要素を製造するための方法であって、
長軸方向に離間した熱伝導性のパッチを、請求項5〜11のいずれか一項に従って喫煙物品のラッパー材料のウェブ上に適用することと、
移動する送達経路に沿ってセグメントの流れを供給することと、
前記セグメントの流れを2つ以上の異なるセグメントの群へと圧縮することであって、各群が個別のマルチセグメント構成要素に対応することと、
1つ以上の熱伝導性のパッチが各群の少なくとも1つのセグメントの周りに提供されるように、前記セグメントを喫煙物品のラッパー材料の前記ウェブ内に包むことと、
前記個別のマルチセグメント構成要素を分離するために、喫煙物品のラッパー材料の前記ウェブを隣接する群の間で切断することと、を含む方法。
【請求項13】
前記各群の2つ以上の異なるセグメントが、炭素質の可燃性熱源および1つ以上のエアロゾル形成基体セグメントを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
喫煙物品のラッパー材料の前記ウェブ内の前記セグメントを包む工程が、前記熱伝導性のパッチのうちの1つ以上が前記炭素質の可燃性熱源の少なくとも一部および各群の前記1つ以上のエアロゾル形成基体の少なくとも一部の上に重なるように実施される、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱伝導性のパッチを材料ウェブに適用する方法に関する。特に、本発明は熱伝導性のパッチを喫煙物品のラッパー材料のウェブ上に適用する方法に関する。本発明は、喫煙物品のためのマルチセグメント構成要素を製造する方法および1つ以上の熱伝導性要素を持つ喫煙物品にも関する。
【背景技術】
【0002】
たばこが燃焼するよりはむしろ加熱される多くの喫煙物品が、当業界において提唱されてきた。このような「加熱式」喫煙物品の1つの目的は、従来的な紙巻たばこにおけるたばこの燃焼および熱分解によって生成されるタイプの周知の有害な煙成分を低減することである。加熱式喫煙物品の1つの周知のタイプにおいて、エアロゾルは可燃性熱源から物理的に分離されたエアロゾル形成基体(たばこなど)への熱伝達によって生成される。エアロゾル形成基体は可燃性熱源の周りまたは下流に位置してもよい。喫煙中、揮発性化合物は可燃性熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、喫煙物品を通して引き出された空気中に混入される。放出された化合物が冷えるにつれて、これらは、凝縮してユーザーによって吸入されるエアロゾルを形成する。一般に、空気は可燃性熱源を介して提供される1つ以上の気流チャネルを介してこのような周知の加熱式喫煙物品の中に引き出され、可燃性熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達が対流および伝導によって生じる。
【0003】
例えば、WO−A−2009/022232号は、可燃性熱源、可燃性熱源の下流のエアロゾル形成基体、および可燃性熱源の後方部分および隣接するエアロゾル形成基体の前方部分の周りにあり、かつそれらと接触する熱伝導性要素を備える喫煙物品を開示する。
【0004】
WO−A−2009/022232号の喫煙物品における熱伝導性要素は、伝導によってエアロゾル形成基体に熱源の燃焼の間に発生した熱を伝達する。伝導性熱伝達によって発揮される熱排出は、後方部分の温度がその自己発火温度の下で有意に保持されるように、可燃性熱源の後方部分の温度を有意に低下させる。
【0005】
熱伝導性要素を有する喫煙物品を製造するために、熱伝導性材料のパッチのうちの1つがその長さの一部に沿って喫煙物品の周りに熱伝導性要素を形成するように、喫煙物品の周りをウェブで包む前に、熱伝導性材料のパッチをラッパー材料のウェブ上に離間した間隔で切断して貼り付けることが知られている。
【0006】
例えば、WO−A−2009/112257号は、熱伝導性のパッチを紙ウェブに適用し、これによって接着剤をアルミ箔のウェブに塗布し、ウェブは切断ドラム上で個別の熱伝導性のパッチへと切断され、またパッチは移送ドラムを使用して紙のウェブへと移送されるプロセスを開示している。駆動ピンチローラーを使用してアルミ箔のウェブの速度を変動させることによって、またその速度の変動に伴いダンシングローラーを使用してウェブ内での張力を維持することで、紙ウェブ上の隣接するパッチの間の間隔を変えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、熱伝導性のパッチを箔のウェブから切断し、かつ高速で適用する時、パッチを紙ウェブ上に正確に位置付けるのが困難な場合があり、とりわけパッチの正しい位置付けには2つのウェブの相対速度の正確な制御が必要である。さらに、熱伝導性材料の個別のパッチは、紙のウェブ上への適用の前に切断ドラムまたは移送ドラムから落下して、機械の停止を発生する可能性がある。
【0008】
熱伝導性のパッチを喫煙物品のラッパー材料のウェブ上に適用するための改善された喫煙物品および改善された方法を提供するのが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第一の態様によると、可燃性熱源と、エアロゾル形成基体と、少なくとも可燃性熱源およびエアロゾル形成基体を取り囲むラッパーと、可燃性熱源の後方部分および隣接するエアロゾル形成基体の前方部分の周りの1つ以上の熱伝導性要素と、を備える喫煙物品が提供され、少なくとも1つの熱伝導性要素は、ラッパー上に印刷された熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチを備える。
【0010】
本明細書に使用される場合、「上流」、「前方」、「下流」、および「後方」という用語は、ユーザーがその使用の間に喫煙物品を吸い込む方向に関連して、本発明の喫煙物品の構成要素または構成要素の部分の相対位置を記述するために使用される。
【0011】
本発明の喫煙物品は、口側の端および反対側の遠位端を含む。使用時に、ユーザーは喫煙物品の口側の端で吸い込む。口側の端は遠位端の下流である。熱源は、遠位端に、またはその近くに位置する。
【0012】
本明細書に使用される場合、「長さ」という用語は、喫煙物品の長軸方向での寸法を記述するために使用される。
【0013】
本明細書に使用される場合、「パッチ」という用語は、喫煙物品材料のウェブ上に適用される材料の個別の領域を記述するために使用される。これは、例えば、パターンで配置された、多くの個別のまたは接続された部分で構成された、ならびに追加的な材料の単一の部分のパッチで構成された、パッチを含む。
【0014】
本発明の喫煙物品は、熱源の後方部分および隣接するエアロゾル形成基体の前方部分の周りの1つ以上の熱伝導性要素を含み、1つ以上の熱伝導性要素の少なくとも1つは、ラッパー上に印刷された熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチを備える。
【0015】
都合の良いことに、本発明による喫煙物品は、製造のために必要な機械がより少なく、また高速での生産がより容易である。さらに、印刷されたパッチは直接ラッパー上に形成されるため、製造プロセスの間に配置を誤るというリスクがない。さらに、本発明による喫煙物品の外観を周知の喫煙物品よりも改善することができる。
【0016】
熱伝導性のある印刷可能な媒体としては、インクもしくは接着剤、またはこれらの組み合わせなどの任意の適切な印刷可能な媒体が挙げられうる。適切なインクとしては、分散または溶解した熱伝導性の構成要素を有する液体担体(例えば、水または有機溶媒)を含むインクが挙げられうるがこれに限定されない。熱伝導性の構成要素としては、任意の適切な熱伝導性の構成要素、または構成要素の組み合わせが挙げられうる。一定の実施形態では、熱伝導性の構成要素は、黒鉛などの熱伝導性のある炭素構成要素を含む。好ましい実施形態では、熱伝導性のある印刷可能な媒体は、金属ベースのインクである。このような実施形態では、インクは、金属フレーク、金属ナノ粒子、金属錯体、金属塩、および有機金属化合物のうちの1つ以上を含みうる。適切な材料としては、鋼鉄、銀、銅、金、およびアルミニウムなどの金属が挙げられるが、これに限定されない。熱伝導性のある印刷可能な媒体としては、2つ以上の金属の混合物から形成される金属ベースのインクが挙げられうる。例えば、熱伝導性のある印刷可能な媒体としては、アルミニウム対亜鉛の比が約85:15のアルミニウムと亜鉛とのインクが挙げられうる。好ましい実施形態では、熱伝導性のある印刷可能な媒体は、アルミニウムベースのインクを含む。
【0017】
熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチは、任意の適切なパターンであってもよい。例えば、各パッチは、長軸方向に実質的に整列している、複数の直線状または非直線状の連続的な細片またはバンドを含んでもよい。パッチを形成する印刷された材料の面積は、パッチの合計面積未満であってもよい。各パッチを形成する印刷された材料の面積は、パッチの合計面積の少なくとも50%である。一定の実施形態では、各パッチを形成する印刷された材料の面積は、パッチの合計面積の少なくとも80%である。各印刷されたパッチは、印刷された材料の単一のブロックを含むことがより好ましい。すなわち、各印刷されたパッチは、パッチの実質的に全面積にわたって熱伝導性のある印刷可能な媒体を印刷することによって形成される。
【0018】
熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチは、任意の適切なサイズまたは形状であってもよい。例えば、印刷されたパッチは、約2mm〜約35mm長さを有してもよく、約3mm〜約18mmの長さであるのが好ましく、約5mm〜約13mmの長さであるのがより好ましく、約5mm〜約11mmの長さであるのが最も好ましい。
【0019】
本発明による喫煙物品は、熱源の後方部分および隣接するエアロゾル形成基体の前方部分の周りに1つ以上の熱伝導性要素を含んでもよい。1つ以上の熱伝導性要素は、熱源もしくはエアロゾル形成基体、またはこれらの両方の周囲の周りに部分的に延びてもよい。あるいは、1つ以上の熱伝導性要素は、熱源もしくはエアロゾル形成基体、またはこれらの両方の周囲全体の周りに延びてもよい。好ましい実施形態では、パッチは、喫煙物品を囲む熱伝導性のある印刷された媒体の単一のブロックを含む。1つ以上の熱伝導性要素は、喫煙物品の長さの一部に沿って喫煙物品を囲む連続的なスリーブを形成することが好ましい。
【0020】
1つ以上の熱伝導性要素には、ラッパーの内部表面上に印刷された単一の熱伝導性要素を含んでもよい。このような実施形態では、熱伝導性要素は、熱源の後方部分およびエアロゾル形成基体の前方部分と直接接触してもよい。あるいは、本発明による喫煙物品はラッパーの外部表面上に印刷された単一の熱伝導性要素を含んでもよい。
【0021】
1つ以上の熱伝導性要素は、熱源の後方部分および隣接するエアロゾル形成基体の前方部分の周りにあり、それと直に接触する第一の熱伝導性要素と、少なくとも第一の熱伝導性要素の一部の周りにある第二の熱伝導性要素と、を含んでもよい。第二の熱伝導性要素は、ラッパーによって第一の熱伝導性要素から半径方向に分離されている。すなわち、第二の熱伝導性要素の一部と第一の熱伝導性要素との間が直に接触しないように、第二の熱伝導性要素は、ラッパーによって下にある第一の熱伝導性要素から半径方向に離間している。このような実施形態において、ラッパーは第一の熱伝導性要素の上で喫煙物品の周りを包み、また第二の熱伝導性要素はラッパーの少なくとも一部分の上に適用される。従って、第二の熱伝導性要素は、喫煙物品の外側に提供され、その結果、第二の熱伝導性要素は、喫煙物品の外部表面上に目に見える。あるいは、喫煙物品の外部表面を提供するために追加的なラッパーが第二の熱伝導性要素の上に提供される。追加的なラッパーは、喫煙物品のすべてまたは一部のみに沿って延びてもよい。第二の熱伝導性要素はラッパーによって第一の熱伝導性要素から半径方向に分離されるため、第一の熱伝導性要素から第二の熱伝導性要素への伝導性熱伝達が抑制される。結果として、第二の熱伝導性要素は第一の熱伝導性要素よりも低い温度のままになる。喫煙物品の外部表面からの放射熱損失は、第一の熱伝導性要素の少なくとも一部分の周りに第二の熱伝導性要素を持たない喫煙物品と比較して、実質的に減少される。
【0022】
第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素からの熱損失を有利に減少させる。第二の熱伝導性要素は、熱が可燃性熱源によって生成されるにつれて喫煙物品の喫煙中に温度を上昇させる熱伝導性材料で形成される。第二の熱伝導性要素の上昇温度は、第一の熱伝導性要素とそれを覆う材料との間の温度差を減少させ、その結果、第一の熱伝導性要素からの熱損失を減少することができる。
【0023】
第一の熱伝導性要素からの熱損失を減少させることによって、第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素の温度を所望の温度範囲内により良好に維持するのに有利に役立つ。第二の熱伝導性要素は、熱源からの熱をより効率的に使用して、所望の温度範囲までエアロゾル形成基体を温めるのに有利に役立つ。さらなる利点において、第二の熱伝導性要素は、より高いレベルにてエアロゾル形成基体の温度を維持するのに役立つ。同じく、第二の熱伝導性要素は、エアロゾル形成基体からのエアロゾルの生成を改善する。有利なことに、第二の熱伝導性要素は、ユーザーへのエアロゾルの全体的な送達を増加させる。特に、第二の熱伝導性要素の追加を通してニコチン送達を著しく改善できることがわかる。
【0024】
加えて、第二の熱伝導性要素は、たばこを吸う回数をより増やせるように、喫煙物品の喫煙期間を有利に延ばすことが見いだされた。
【0025】
一部の好ましい実施形態では、第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素と同じ方法で、熱源から喫煙物品に沿って熱を伝導する。従ってこのような実施形態では、第二の熱伝導性要素は、熱源からエアロゾル形成基体への熱伝導の効率も改善し、従ってエアロゾル形成基体の加熱も改善する。
【0026】
第二の熱伝導性要素の封入により達成される伝導性熱伝達への改善は、対流熱伝達が最小限である喫煙物品について特に有益である。
【0027】
ラッパー上への第二の熱伝導性要素の提供は、本発明による喫煙物品の外観に関して、特にその喫煙中と喫煙後の喫煙物品の外観に関してさらなる利益を提供する。ある一定の事例では、ラッパーが熱源からの熱に露出される時、熱源の領域にラッパーのある程度の変色が観察される。ラッパーは、エアロゾル形成基体からラッパーへのエアロゾル形成体の移動の結果としても、さらに着色されうる。本発明による喫煙物品では、変色または着色がカバーされ、そしてもはや目に見えないように、少なくとも熱源の一部および隣接するエアロゾル形成基体の一部の上に第二の熱伝導性要素を提供することができる。従って、喫煙中に喫煙物品の当初の外観を保持することができる。
【0028】
上述のように、1つ以上の熱伝導性要素が、熱源およびエアロゾル形成基体の周りにありこれらと接触した第一の熱伝導性要素を備える場合、第一の熱伝導性要素は難燃性かつ酸素制限性であることが好ましい。特に好ましい実施形態では、第一の熱伝導性要素は、熱源の後方部分およびエアロゾル形成基体の前方部分を密接に囲む連続的なスリーブを形成する。
【0029】
第一の熱伝導性要素は、熱源とエアロゾル形成基体との間に実質的に気密な結合を提供する。これは、熱源からの燃焼ガスがその周辺からエアロゾル形成基体の中に容易に引き出されるのを有利に阻止する。このような結合はまた、周辺に沿って引き出される高温空気による熱源からエアロゾル形成基体への対流熱伝達も最小化または実質的に回避する。
【0030】
第一の熱伝導性要素の厚さは、約5マイクロメートル〜約50マイクロメートルであることが好ましく、約10マイクロメートル〜約30マイクロメートルであることがより好ましく、約20マイクロメートルであることが最も好ましい。
【0031】
第一の熱伝導性要素によって覆われる熱源の後方部分は、約2mm〜約8mmの長さであることが好ましく、約3mm〜約5mmの長さであることがより好ましい。
【0032】
第一の熱伝導性要素によって覆われない熱源の前方部分は、約4mm〜約15mmの間の長さであることが好ましく、約5mm〜約8mmの間の長さであることがより好ましい。
【0033】
一定の実施形態では、第一の熱伝導性要素は、エアロゾル形成基体の全長の上にある。このような実施形態では、第一の熱伝導性要素の下流端は、エアロゾル形成基体の下流端と整列してもよい。あるいは、第一の熱伝導性要素は、下流方向にエアロゾル形成基体を超えて延びてもよい。
【0034】
その他の実施形態では、第一の熱伝導性要素は、エアロゾル形成基体の前方部分のみの上にある。このような実施形態では、エアロゾル形成基体は、下流方向に第一の熱伝導性要素を超えて延びる。
【0035】
第一の熱伝導性要素がエアロゾル形成基体の前方部分のみの上にある実施形態では、エアロゾル形成基体は、第一の熱伝導性要素を超えて下流に少なくとも約3mm延びてもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、下流方向に第一の熱伝導性要素を超えて約3mm〜約10mm延びてもよい。あるいは、エアロゾル形成基体は、第一の熱伝導性要素を超えて下流に3mm未満延びてもよい。
【0036】
喫煙物品が第一の熱伝導性要素および第二の熱伝導性要素を備える場合、第二の熱伝導性要素は第一の熱伝導性要素の少なくとも一部の上に提供され、かつ喫煙物品の周囲のすべてまたは一部の周りに延びる場合がある。第二の熱伝導性要素は、少なくとも第一の熱伝導性要素の一部分の上で喫煙物品を囲む連続的なスリーブの形態であるのが好ましい。
【0037】
第二の熱伝導性要素の厚さは、約5マイクロメートル〜約50マイクロメートルであることが好ましく、約5マイクロメートル〜約30マイクロメートルであることがより好ましく、約5〜約20マイクロメートルであることが最も好ましい。第二の熱伝導性要素の厚さは、第一の熱伝導性要素の厚さと実質的に同じでもよく、またはこれらの熱伝導性要素は相互に異なる厚さであってもよい。
【0038】
第二の熱伝導性要素およびエアロゾル形成基体の位置および被覆度は、喫煙中の喫煙物品の加熱を制御するために、第一の熱伝導性要素と下にある熱源とエアロゾル形成基体に対して調整されてもよい。第二の熱伝導性要素は、エアロゾル形成基体の少なくとも一部の上に配置されてもよい。別の方法としてまたは追加的に、第二の熱伝導性要素は、熱源の少なくとも一部の上に配置されてもよい。第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素と類似のやり方でエアロゾル形成基体の一部および熱源の一部の両方の上に提供されることがより好ましい。
【0039】
上流方向および下流方向における第一の熱伝導性要素に対する第二の熱伝導性要素の程度は、喫煙物品の所望の性能に応じて調整されてもよい。
【0040】
第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素と実質的に同じ喫煙物品の領域を覆ってもよく、その結果、熱伝導性要素は喫煙物品の同じ長さに沿って延びる。この場合には、第二の熱伝導性要素は第一の熱伝導性要素の真上にあり、かつ第一の熱伝導性要素を完全に覆うことが好ましい。
【0041】
あるいは、第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素を超えて上流方向、下流方向、または上流方向および下流方向の両方に延びてもよい。別の方法としてまたは追加的に、第一の熱伝導性要素は、第二の熱伝導性要素を超えて、上流方向および下流方向のうちの少なくとも1つに延びてもよい。
【0042】
第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素を超えて上流方向に延びないことが好ましい。第二の熱伝導性要素は、熱源上の第一の熱伝導性要素とほぼ同じ位置まで延びてもよく、その結果第一の熱伝導性要素および第二の熱伝導性要素は、熱源上で実質的に整列される。あるいは、第一の熱伝導性要素は、第二の熱伝導性要素を超えて上流方向に延びてもよい。この配置は、熱源の温度を低下させうる。
【0043】
第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素と少なくとも同じ位置に下流方向に延びることが好ましい。第二の熱伝導性要素は、エアロゾル形成基体上の第一の熱伝導性要素とほぼ同じ位置まで延びてもよく、その結果第一の熱伝導性要素および第二の熱伝導性要素はエアロゾル形成基体上で実質的に整列される。あるいは、第二の熱伝導性要素が第一の熱伝導性要素よりも大きな割合でエアロゾル形成基体の長さを覆うように、第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素を超えて下流方向に延びてもよい。例えば、第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素を超えて少なくとも1mm、または第一の熱伝導性要素を超えて少なくとも2mm延びてもよい。ところが、エアロゾル形成基体の後方部分が両方の熱伝導性要素によって覆われないままとなるよう、エアロゾル形成基体が第二の熱伝導性要素を超えて少なくとも2mm下流に延びることが好ましい。
【0044】
エアロゾル形成基体上での第一の熱伝導性要素に対する第二の熱伝導性要素の程度は、喫煙物品の喫煙性能に有意な影響を持つ。従って、喫煙物品のエアロゾル送達プロファイルを調整するために、エアロゾル形成基体上での第二の熱伝導性要素の被覆度を調整することができる。
【0045】
特に、第二の熱伝導性要素が第一の熱伝導性要素を超えて下流方向に延びる時に、喫煙中に吸入ごとにより一貫したエアロゾル送達が提供されることがわかっている。特に、中間的な吸入中のエアロゾル送達が減少することが判明しており、それにより、たばこの吸い始めおよび吸い終え時の強度とその強度をより一致させるためにこれらの吸入中の喫煙強度を減少させる。また、喫煙期間がさらに増加することが見いだされた。
【0046】
第二の熱伝導性要素がエアロゾル形成基体上で第一の熱伝導性要素を超えて延びる時には、エアロゾル形成基体のより大きな領域が第二の熱伝導性要素によって覆われる。これにより、より大きな容積のエアロゾル形成基体を通して熱が分散し、その結果、エアロゾル形成基体の異なる部分間の温度差がそれほどなくなる。結果として、エアロゾル形成基体の前方部分の温度低下およびエアロゾル形成基体の下流部分の温度上昇が生じる。これが、毎回の吸入ごとのエアロゾル送達に対する観察された効果の原因であると考えられる。
【0047】
下流方向に第一の熱伝導性要素を超えた第二の熱伝導性要素の延びの調整によって喫煙物品の初回吸入までの時間が変化することが、さらに観察された。すなわち、熱源がエアロゾル形成基体の加熱を開始する時とユーザーが喫煙物品を通してエアロゾルを受けるまでの時間の遅延である。特に、下流方向に第一の熱伝導性要素を超える第二の熱伝導性要素の延びを増やすことによって、初回吸入するまでの時間は増えることになる。
【0048】
1つ以上の熱伝導性要素がラッパーの内部表面上に印刷された単一の熱伝導性要素を備える場合、単一の熱伝導性要素は、上述のように第一の熱伝導性要素に対して配置されてもよい。1つ以上の熱伝導性要素がラッパーの外部表面上に印刷された単一の熱伝導性要素を備える場合、単一の熱伝導性要素は上述のように第二の熱伝導性要素に対して配置されてもよい。
【0049】
第一の熱伝導性要素および第二の熱伝導性要素のいずれか一方または両方は、ラッパー上に印刷された熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチを備えてもよい。第二の熱伝導性要素は、第一の熱伝導性要素と同じ材料で形成されてもよく、異なる材料で形成されてもよい。第一の熱伝導性要素および第二の熱伝導性要素のうちの1つのみが熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチを含む場合、第一の熱伝導性要素および第二の熱伝導性要素のうちのもう一方は、ラッパーに適用された熱伝導性シート材料のパッチを含んでもよい。適切な熱伝導シート材料としては、金属箔ラッパー(例えば、アルミ箔ラッパー、鋼鉄ラッパー、鉄箔ラッパー、および銅箔ラッパーなど)、および金属合金箔ラッパーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
ある一定の実施形態では、第一の熱伝導性要素および第二の熱伝導性要素の両方は、ラッパーのそれぞれの側に1つずつ印刷される。すなわち、1つ以上の熱伝導性要素は、印刷された熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチを含む第一の熱伝導性要素をラッパーの内部表面上に備え、また印刷された熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチを含む第二の熱伝導性要素をラッパーの外部表面上に備える。
【0051】
好ましい実施形態で、第一の熱伝導性要素はラッパーの内部表面に適用された熱伝導性のシート材料のパッチを備え、また第二の熱伝導性要素はラッパーの外部表面上に印刷された熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチを備える。あるいは、第一の熱伝導性要素はラッパーの内部表面上に印刷された熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチを備えてもよく、一方で第二の熱伝導性要素はラッパーの外部表面に適用された熱伝導性のシート材料のパッチを備えてもよい。
【0052】
第一の熱伝導性要素または第二の熱伝導性要素がラッパーの表面に適用された熱伝導性のシート材料のパッチを備える場合、熱伝導性のシート材料のパッチは任意の適切なプロセスで適用されてもよい。例えば、熱伝導性のシート材料のパッチはWO−A−2009/112257号に記述されるように適用されてもよい。
【0053】
1つ以上の熱伝導性要素はWO−A−2009/022232号、WO−A−2009/112257号、またはWO−A−2013/120849号に開示されるように配置されてもよい。
【0054】
ラッパーは任意の適切な材料を含んでもよい。ラッパーは紙のような材料であってもよい。喫煙物品のラッパー材料は紙巻たばこ用紙であってもよい。喫煙物品のラッパー材料は別の適切な、より硬い材料、例えばチッピングペーパーであってもよい。
【0055】
本発明による喫煙物品では、可燃性熱源を介して熱が発生される。熱源は可燃性炭素質熱源であることが好ましい。
【0056】
本明細書に使用される場合、「炭素質」という用語は、炭素を含む熱源を記述するために使用される。本発明による炭素質可燃性熱源の炭素含有量は、可燃性熱源の乾燥質量で少なくとも約35パーセントであることが好ましく、少なくとも約40パーセントであることがより好ましく、少なくとも約45パーセントであることが最も好ましい。
【0057】
一部の実施形態では、本発明による喫煙物品の熱源は可燃性炭素ベース熱源である。本明細書に使用される場合、「炭素ベース熱源」という用語は、主に炭素から成る熱源を記述するために使用される。
【0058】
本発明による喫煙物品での使用のための可燃性炭素ベース熱源は、可燃性炭素ベース熱源の乾燥質量基準で、少なくとも約50パーセントの炭素含量を有してもよく、少なくとも約60パーセントであることが好ましく、少なくとも約70パーセントであることがより好ましく、少なくとも約80パーセントであることが最も好ましい。
【0059】
本発明による喫煙物品は、1つ以上の適切な炭素含有材料から形成された可燃性熱源を備えてもよい。例えば、本発明による喫煙物品は、WO−A−2012/164077号に開示するような可燃性熱源を備えてもよい。
【0060】
可燃性熱源の長さは、約7mm〜約17mmであることが好ましく、約7mm〜約15mmであることがより好ましく、約7mm〜約13mmであることが最も好ましい。
【0061】
可燃性熱源の直径は約5mm〜約9mmであることが好ましく、約7mm〜約8mmであることがより好ましい。
【0062】
可燃性熱源の直径は実質的に一様であることが好ましい。しかし、別の方法として、可燃性熱源の後方部分の直径がその前方部分の直径より大きくなるように可燃性熱源が先細りにされてもよい。実質的に円柱状である可燃性熱源は、特に好ましい。可燃性熱源は、例えば、実質的に円形断面の円柱もしくは先細りにされた円柱、または実質的に楕円断面の円柱もしくは先細りにされた円柱でもよい。
【0063】
本発明による喫煙物品は1つ以上の気流経路を含み、その経路からユーザーによる吸入のために喫煙物品を通して空気を引き出すことができる。
【0064】
本発明のある一定の実施形態では、熱源は、熱源を通して1つ以上の気流経路を提供する少なくとも1つの長軸方向の気流チャネルを備える。「気流チャネル」という用語は本明細書において、ユーザーによる吸入のために喫煙物品を通して空気が引き出されうる熱源の長さに沿って延びるチャネルを記述するために本明細書で使用される。1つ以上の長軸方向気流チャネルを含むこのような熱源は、本明細書では「非ブラインド」熱源と呼ばれる。
【0065】
少なくとも1つの長軸方向気流チャネルの直径は、約1.5mm〜約3mmであってもよく、約2mm〜約2.5mmであることがより好ましい。WO−A−2009/022232号により詳細に記述されるように、少なくとも1つの長軸方向気流チャネルの内部表面は、部分的に被覆されてもよく、または完全に被覆されてもよい。
【0066】
本発明の代替的な実施形態では、熱源内に長軸方向の気流チャネルが提供されないため、喫煙物品を通して引き出される空気は熱源に沿ったいかなる気流チャネルも通過しない。このような熱源は、本明細書では「ブラインド」熱源と呼ばれる。ブラインド熱源を含む喫煙物品は、喫煙物品を通した代替的な気流経路を画定する。
【0067】
ブラインド熱源を備えた本発明による喫煙物品では、熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達は主に熱伝導によって起こり、熱伝導によるエアロゾル形成基体の加熱は、最小化されるかまたは低減される。従って、ブラインド熱源については、熱源とエアロゾル形成基体との間の伝導性熱伝達を最適化することが特に重要である。
【0068】
好ましくは、本発明による喫煙物品は、加熱に反応して揮発性化合物を放射することができる少なくとも1つのエアロゾル形成剤および材料を含むエアロゾル形成基体を含む。
【0069】
少なくとも一つのエアロゾル形成体は、使用時に密度の高い安定したエアロゾルの形成を促進する、任意の適切な既知の化合物または化合物の混合物とすることができる。エアロゾル形成体は喫煙物品の使用温度にて熱分解に対する耐性があることが好ましい。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、例えば、多価アルコール、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ、ジまたはトリアセタートなど)、およびモノ、ジまたはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含む。本発明による喫煙物品における使用のための好ましいエアロゾル形成体は、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、および最も好ましいグリセリンなどの多価アルコールまたはこれらの混合物である。
【0070】
加熱に応答して揮発性化合物を発する能力のある材料は、一回分の植物由来材料であることが好ましく、一回分の均質化した植物由来材料であることがさらに好ましい。例えば、エアロゾル形成基体は、植物に由来する1つ以上の材料を含んでもよく、たばこ、茶(例えば緑茶)、ハッカ、月桂樹、ユーカリ、バジル、セージ、ビジョザクラ、およびタラゴンを含むが限定されない。植物ベース材料は、添加剤を含んでもよく、湿潤剤、風味剤、結合剤およびそれらの混合物を含むが限定されない。好ましくは、植物由来材料は本質的にたばこ材料、最も好ましくは均質化したたばこ材料から成る。
【0071】
エアロゾル形成基体の長さは約5mm〜約20mmであることが好ましく、約8mm〜約12mmであることがより好ましい。熱伝導性要素によって囲まれているエアロゾル形成基体の前方部分は、長さが約2mm〜約10mmであることが好ましく、長さが約3mm〜約8mmであることがより好ましく、長さが約4mm〜約6mmであることが最も好ましい。熱伝導性要素によって囲まれていないエアロゾル形成基体の後方部分は、長さが約3mm〜約10mmの間であることが好ましい。言い換えれば、エアロゾル形成基体は、熱伝導性要素を超えて下流に約3mm〜約10mm延びることが好ましい。エアロゾル形成基体は、熱伝導性要素を超えて下流に少なくとも約4mm延びることがより好ましい。
【0072】
本発明による喫煙物品の熱源とエアロゾル形成基体は、実質的に互いに隣接しうる。あるいは、本発明による喫煙物品の熱源およびエアロゾル形成基体は、長軸方向に互いに間隙を介してもよい。
【0073】
本発明による喫煙物品は、エアロゾル形成基体の下流に気流指向要素を含むことが好ましい。気流指向要素は喫煙物品を通した気流経路を画定する。少なくとも一つの空気吸込み口は、エアロゾル形成基体の下流端と気流指向要素の下流端の間に提供することが好ましい。気流指向要素は、空気を少なくとも一つの入口から、喫煙物品の口側の端に向かって指向する。
【0074】
気流指向要素は、端の開いた実質的に不通気性の中空体を含んでもよい。このような実施形態では、少なくとも1つの空気吸込み口を通して中に引き出された空気は、まず端の開いた実質的に不通気性の中空体の外側部分に沿って上流に引き出され、次に端の開いた実質的に不通気性の中空体内部を通して下流に引き出される。
【0075】
実質的に不通気性の中空体を、熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達によって生成されるエアロゾルの温度にて実質的に熱安定した1つ以上の適切な不通気性の材料から形成してもよい。適切な材料は当業界で周知であり、ボール紙、プラスチック、セラミックおよびこれらの組み合わせを含むが限定されない。
【0076】
一つの好ましい実施形態において、端の開いた実質的に不通気性の中空体は円筒であり、直円筒であることが好ましい。
【0077】
もう一つの好ましい実施形態において、端の開いた実質的に不通気性の中空体は切頭円錐であり、切頭直円錐であることが好ましい。
【0078】
端の開いた実質的に不通気性の中空体は、約7mm〜約50mmの長さ、例えば約10mm〜約45mmの長さまたは約15mm〜約30mmの長さを有してもよい。気流指向要素は、喫煙物品の所望の全長に応じたその他の長さ、および喫煙物品内のその他の構成要素の存在および長さを有してもよい。
【0079】
端の開いた実質的に不通気性の中空体が円筒である場合、円筒は約2mm〜約5mmの直径、例えば約2.5mm〜約4.5mmの直径を有してもよい。円筒は喫煙物品の所望の全径に応じて、その他の直径を有してもよい。
【0080】
端の開いた実質的に不通気性の中空体が切頭円錐である場合、切頭円錐の上流端は、約2mm〜約5mmの直径、例えば約2.5mm〜約4.5mmの直径を有してもよい。切頭円錐の上流端は、喫煙物品の所望の全径に応じてその他の直径を有してもよい。
【0081】
端の開いた実質的に不通気性の中空体が切頭円錐である場合、切頭円錐の下流端は、約5mm〜約9mmの直径、例えば約7mm〜約8mmの直径を有してもよい。切頭円錐の下流端は喫煙物品の所望の全径に応じて、その他の直径を有してもよい。好ましくは、切頭円錐の下流端はエアロゾル形成基体と実質的に同じ直径である。
【0082】
端の開いた実質的に不通気性の中空体は、エアロゾル形成基体に隣接してもよい。あるいは、端の開いた実質的に不通気性の中空体は、エアロゾル形成基体の中に延びてもよい。例えば、一定の実施形態において、端の開いた実質的に不通気性の中空体は、エアロゾル形成基体の中へ0.5Lまでの距離で延びてもよく、Lはエアロゾル形成基体の長さである。
【0083】
実質的に不通気性の中空体の上流端は、エアロゾル形成基体と比較して減少した直径である。
【0084】
一定の実施形態において、実質的に不通気性の中空体の下流端は、エアロゾル形成基体と比較して減少した直径である。
【0085】
その他の実施形態において、実質的に不通気性の中空体の下流端は、エアロゾル形成基体と実質的に同じ直径である。
【0086】
実質的に不通気性の中空体の下流端がエアロゾル形成基体と比較して減少した直径である場合、実質的に不通気性の中空体は実質的に不通気性の封止によって取り囲まれてもよい。このような実施形態では、実質的に不通気性の封止は1つ以上の空気吸込み口の下流に位置する。実質的に不通気性の封止はエアロゾル形成基体と実質的に同じ直径でもよい。例えば、いくつかの実施形態において、実質的に不通気性の中空体の下流端は、エアロゾル形成基体と実質的に同じ直径の実質的に不浸透性のプラグまたはワッシャーによって取り囲まれてもよい。
【0087】
実質的に不通気性の封止を、可燃性熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達によって生成されるエアロゾルの温度にて実質的に熱安定した1つ以上の適切な不通気性の材料から形成してもよい。適切な材料は当業界で周知であり、ボール紙、プラスチック、ろう、シリコーン、セラミックおよびこれらの組み合わせを含むが限定されない。
【0088】
端の開いた実質的に不通気性の中空体の長さの少なくとも一部は、通気性ディフューザーによって取り囲まれてもよい。通気性ディフューザーはエアロゾル形成基体と実質的に同じ直径でもよい。通気性ディフューザーを、可燃性熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達によって生成されるエアロゾルの温度にて実質的に熱安定した1つ以上の適切な通気性材料から形成してもよい。適切な通気性材料は当業界で周知であり、例えば酢酸セルローストウ、ワタ、連続気泡セラミックおよびポリマー発泡体、たばこ材料およびこれらの組み合わせなどの多孔性材料を含むが限定されない。
【0089】
一つの好ましい実施形態において、気流指向要素は、エアロゾル形成基体と比較して減少した直径の端の開いた実質的に不通気性の中空管およびエアロゾル形成基体と実質的に同じ外径の環状の実質的に不通気性の封止を含み、それは中空管の下流端を取り囲む。
【0090】
気流指向要素は内側ラッパーをさらに含んでもよく、それは中空管および環状の実質的に不通気性の封止を取り囲む。
【0091】
中空管の開いた上流端はエアロゾル形成基体の下流端に隣接してもよい。あるいは、中空管の開いた上流端はエアロゾル形成基体の下流端の中へ挿入されても、または別の形で延びてもよい。
【0092】
気流指向要素はエアロゾル形成基体と実質的に同じ外径の環状通気性ディフューザーをさらに含んでもよく、それは環状の実質的に不通気性の封止の上流の中空管の長さの少なくとも一部を取り囲む。例えば、中空管は酢酸セルローストウのプラグに少なくとも部分的に包埋されてもよい。
【0093】
もう一つの好ましい実施形態において、気流指向要素は、エアロゾル形成基体と比較して減少した直径の上流端およびエアロゾル形成基体と実質的に同じ直径の下流端を有する端の開いた実質的に不通気性の切頭中空円錐を含む。
【0094】
切頭中空円錐の開いた上流端はエアロゾル形成基体の下流端に隣接してもよい。あるいは、切頭中空円錐の開いた上流端は、エアロゾル形成基体の下流端の中に挿入されても、または別の形で延びてもよい。
【0095】
気流指向要素は、エアロゾル形成基体と実質的に同じ外径の環状通気性ディフューザーをさらに含んでもよく、それは切頭中空円錐の長さの少なくとも一部を取り囲む。例えば、切頭中空円錐は酢酸セルローストウのプラグに少なくとも部分的に包埋されてもよい。
【0096】
本発明による喫煙物品は、エアロゾル形成基体の下流および存在する場合、気流指向要素の下流に膨張室をさらに含む。膨張室を含めることで、熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達により生成されるエアロゾルがさらに冷却することが有利に可能になる。また、膨張室は、本発明による喫煙物品の全長を、所望の値に、例えば、膨張室の長さの適切な選択を通して従来的な紙巻たばこの長さに類似した長さに合わせることを有利に可能にする。好ましくは、膨張室は細長い中空管である。
【0097】
本発明による喫煙物品は、エアロゾル形成基体の下流で、かつ存在する場合には気流指向要素および膨張室の下流にあるマウスピースもさらに備えてもよい。マウスピースは、例えば酢酸セルロース、紙またはその他の適切な公知の濾過材料で作製されたフィルターを含んでもよい。マウスピースは濾過効率が低いことが好ましく、濾過効率が非常に低いことがより好ましい。別の方法としてまたは追加的に、マウスピースは、吸収剤、吸着剤、風味剤、ならびに従来の紙巻たばこ用のフィルターで使用されるその他のエアロゾル変性剤および添加剤、またはその組み合わせを含む1つ以上のセグメントを含みうる。
【0098】
本発明の第二の態様によると、熱伝導性のパッチを喫煙物品のラッパー材料のウェブ上に適用する方法であって、喫煙物品のラッパー材料のウェブがその後喫煙物品の製造で使用される時に各熱伝導性のパッチが喫煙物品の熱伝導性要素を形成するために配置される方法が提供され、この方法は、長軸方向に離間した熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチを喫煙物品のラッパー材料のウェブ上に印刷することを含み、パッチのうちの少なくともいくつかが熱伝導性のある印刷可能な媒体の長軸方向に連続的に少なくとも2mm延びる領域を含む。
【0099】
このような方法を用いると、パッチがラッパー材料のウェブ上に直接印刷されるため、既存のプロセスで起こりうる熱伝導性のパッチ配置の誤りによる製造のダウンタイムのリスクがなくなる。さらに、この方法は追加的な熱伝導性材料のウェブまたはこれに関連するローラーを必要としないため、WO−A−2009/112257号で開示される方法などの周知のプロセスよりも単純でかつより少ない機械のみを必要とする。さらに、印刷されたパッチはラッパーにしわを形成する可能性がより低いため、本発明により製造された熱伝導性材料のパッチを備える喫煙物品の外観を、ラッパー上に接着された熱伝導性材料のパッチを備える喫煙物品よりも改善することができる。
【0100】
本明細書に使用される場合、「幅」という用語は喫煙物品のラッパーのウェブの長軸方向に直角をなす寸法を意味する。
【0101】
喫煙物品のラッパー材料のウェブはリボン、細片またはバンドを含んでもよい。好ましい実施形態では、喫煙物品のラッパー材料のウェブは紙状の材料である。喫煙物品のラッパー材料は紙巻たばこ用紙であってもよい。喫煙物品のラッパー材料は別の適切な、より硬い材料、例えばチッピングペーパーであってもよい。
【0102】
本明細書に使用される場合、「喫煙物品」という用語は、基体(通常は、たばこ)が燃焼される従来的な喫煙物品だけでなく、例えば、基体が燃焼されるのではなく加熱され、かつ加熱された基体からのエアロゾル生成に依存する加熱式喫煙物品、ならびに蒸留ベースの喫煙物品などのその他の喫煙物品も意味するために使用される。
【0103】
印刷する工程は、任意の適切な印刷するプロセスを使用して実施されてもよい。例えば、印刷する工程は、移動または静止している喫煙物品のラッパー材料のウェブ上に印刷する移動式印刷ヘッドを使用して実施されてもよい。例えば、CNCプロセスを使用して動作する移動式印刷ノズルを使用する。印刷する工程は、喫煙物品のラッパー材料のウェブを印刷シリンダーに移動し、かつ印刷シリンダーを使用して熱伝導性のある印刷可能な媒体を喫煙物品のラッパー材料のウェブ上に印刷することによって実施されることが好ましい。都合の良いことに、印刷シリンダーの回転速度は喫煙物品ラッパーのウェブが移動する速度と同期されるため、印刷シリンダーの使用は動作の速さとは関係なく喫煙物品のラッパー材料のウェブ上のパッチの正しい位置付けを可能にする。
【0104】
印刷シリンダーは、熱伝導性のある印刷可能な媒体を保持するために複数の溝を備えることが好ましく、この溝はパターンで配置された熱伝導性のパッチの所望のパターンに対応する。この溝は任意の適切なサイズ、形状、または配置であってもよい。印刷される熱伝導性のパッチが必要とする厚さによって溝の深さを調整してもよく、溝の深さは印刷可能な媒体の乾燥に伴うパッチの厚さの低減を考慮に入れる。パッチの任意の厚さに対して必要とされる深さは、印刷可能な媒体の組成に依存して変化する。
【0105】
熱伝導性のパッチは、長軸方向に喫煙物品のラッパー材料のウェブ上で均等に離間していてもよい。このような実施形態では、熱伝導性のパッチは、このウェブを使用して製造された各喫煙物品のラッパーの長さに対応する間隔で印刷される。例えば、このウェブを使用して製造された各喫煙物品のラッパーの長さが50mmである場合、熱伝導性のパッチは約50mmの間隔で印刷されてもよい。あるいは、熱伝導性のパッチは、長軸方向で隣接するパッチの間で異なる間隔で離間していてもよい。ある一定の実施形態では、熱伝導性のパッチは長軸方向に2つの異なる交互の間隔で離間している。例えば、パッチは、ウェブを使用して製造された喫煙物品のラッパーの必要とされる長さの2倍に対応する間隔で印刷された各対の第一のパッチを用いて、また各対の2つのパッチをラッパーの上流端とウェブを使用して製造された喫煙物品の熱伝導性要素の上流端との間の必要とされる距離の2倍だけ分離した対で印刷してもよい。これにより、喫煙物品用の2倍の長さのマルチセグメント構成要素を形成するためにウェブを使用し、喫煙物品用の1倍の長さのマルチセグメント構成要素を形成するために後続プロセスでこのウェブを隣接する熱伝導性のパッチの間で切断することができる。例えば、ウェブを使用して製造された各喫煙物品のラッパーの長さが約50mmであり、かつラッパーの上流端と喫煙物品の熱伝導性要素の上流端との間の距離が4mmである場合、各対の第一のパッチの間を約50mmの間隔で、また各対の2つのパッチの間を8mmの間隔で熱伝導性のパッチを印刷してもよい。
【0106】
隣接する熱伝導性のパッチの間の長軸方向の間隔は少なくとも8mmであることが好ましい。
【0107】
印刷する工程は任意の適切な装置で実行されてもよい。ある一定の実施形態では、印刷する工程は、EP1493339A1号、EP1747730A1号、またはEP1512541A1号に記述されるような従来的な喫煙物品印刷装置を使用して実施され、これらは、例えば、印刷される熱伝導性のパッチの所望の形状およびパターンに対応する溝の形状およびパターンを変えることによって、また印刷される熱伝導性のパッチの必要な厚さに対応する溝の深さを変えることによって、熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチを適用するように修正される。ある一定の代替的な実施形態では、印刷する工程は、チッピング接着剤の細片ではなく熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチを適用するように修正された、従来的な喫煙物品チッピング装置を使用して実施される。
【0108】
方法は、熱伝導性のある材料の長軸方向に離間したパッチの第一の組および第二の組を喫煙物品材料のウェブ上に適用することを含んでもよく、第一の組および第二の組のうちの少なくとも1つは熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチを喫煙物品のラッパー材料のウェブ上に印刷することによって適用される。ある一定の実施形態では、パッチの第一の組および第二の組のうちの1つは熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチを印刷することによって適用され、一方でパッチの第一の組および第二の組のうちのもう一方は熱伝導性のあるシート材料のパッチを、例えば、接着剤を使用して付着することによって適用される。適切な熱伝導性のあるシート材料としては、金属箔ラッパー(例えばアルミ箔ラッパー、鋼鉄ラッパー、鉄箔ラッパー、および銅箔ラッパーなど)、および金属合金箔ラッパーが挙げられるが、これらに限定されない。パッチの第一の組および第二の組は喫煙物品のラッパー材料のウェブの同じ側の上に適用される場合がある。あるいは、パッチの第一の組は喫煙物品のラッパー材料のウェブの第一の側の上に適用されてもよく、またパッチの第二の組は喫煙物品のラッパー材料のウェブの第二の、反対側の上に適用されてもよい。
【0109】
ある一定の実施形態では、印刷する工程は、熱伝導性のある印刷可能な媒体の長軸方向に離間したパッチの第一の組および第二の組を喫煙物品のラッパー材料のウェブ上に印刷することを含む。このような実施形態では、印刷する工程は、熱伝導性のある印刷可能な媒体の長軸方向に離間したパッチの第一の組を喫煙物品のラッパー材料のウェブの第一の側の上に印刷することと、熱伝導性のある印刷可能な媒体の長軸方向に離間したパッチの第二の組を喫煙物品のラッパー材料のウェブの第二の側の上に印刷することと、を含んでもよく、第二の側は第一の側とは反対側にある。従って、喫煙物品のラッパー材料のウェブが喫煙物品の周りにラッパーを形成するためにその後使用される時、パッチの第一の組および第二の組は、喫煙物品内の熱を保持および伝導するのを助けるために、ラッパーのいずれかの側の上に熱伝導性要素を形成する。
【0110】
パッチの第一の組および第二の組は相互に対して任意の適切な位置に配置されてもよい。ある一定の実施形態では、パッチの第一の組および第二の組は長軸方向に位置付けられ、その結果第一の組または第二の組のうちの一つの各パッチの少なくとも一部は、長軸方向でパッチの第一の組または第二の組のもう一方のパッチの少なくとも一部の上にある。すなわち、喫煙物品のラッパー材料の反対側ではあるが、パッチの第一の組および第二の組は長軸方向に少なくとも部分的に整列されるように印刷されることになる。長軸方向に離間したパッチの第一の組および第二の組は実質的に整列していることが好ましい。すなわち、第一の組および第二の組のパッチは、喫煙物品のラッパー材料の長さに沿って、かつ反対側の同じ位置に印刷される。第二の組のパッチは、喫煙物品のラッパー材料のパッチの両方の組が同じ長さに沿って延びるように、喫煙物品のラッパー材料の第一の組のパッチと実質的に同じ領域を覆ってもよい。この場合には、パッチの第二の組は、喫煙物品のラッパー材料の反対側ではあるが、パッチの第一の組の真上にありこの組を完全に覆うことが好ましい。
【0111】
あるいは、第二の組のパッチは、第一の組のパッチを上流方向に、下流方向に、または上流方向および下流方向の両方に超えて延びてもよい。別の方法としてまたは追加的に、第一の組のパッチは、第二の組のパッチを上流方向および下流方向のうちの少なくとも1つの方向で超えて延びてもよい。
【0112】
パッチの第一の組およびパッチの第二の組は、同一の材料または異なる材料で形成されてもよい。
【0113】
本発明の第三の態様では、喫煙物品のためのマルチセグメント構成要素を製造する方法が提供され、この方法は、熱伝導性のパッチを上述の方法のうちのいずれかによりラッパー材料のウェブ上に適用する工程と、移動する送達経路に沿ってセグメントの流れを供給する工程と、セグメントの流れを2つ以上の異なるセグメントの群の中へと圧縮する工程であって、各群が個別のマルチセグメント構成要素に対応する工程と、1つ以上の熱伝導性のパッチが各群の少なくとも1つのセグメントの周りに提供されるようにセグメントをラッパー材料のウェブ内に包む工程と、個別のマルチセグメント構成要素を分離するためにラッパー材料のウェブを隣接する群の間で切断する工程と、を含む。
【0114】
本発明の方法は、喫煙物品を3段階プロセスで製造するために利用されてもよい。第一の段階はマルチセグメント構成要素を形成することであり、第二の段階はマルチセグメント構成要素および第二の構成要素またはマルチセグメント構成要素を組み合わせる装置の中へと供給することであり、そして第三の段階は喫煙物品を形成するためにマルチセグメント構成要素を第二の構成要素またはマルチセグメント構成要素と組み合わせることである。
【0115】
送達経路上のセグメントは、相互におよび送達経路の移動の方向と実質的に整列する長軸方向軸を持つことが好ましい。このような直線状の形成プロセスは、各々の第一のマルチセグメント構成要素の中の構成要素に対する損傷が最小限であるかまたは損傷がないので都合が良い。
【0116】
2つ以上の異なる構成要素が炭素質の可燃性熱源およびエアロゾル形成基体を備え、個別のマルチセグメント構成要素に対応する各群が可燃性熱源のうちの1つおよびエアロゾル形成基体のうちの1つ以上を備えることが好ましい。
【0117】
セグメントの流れを移動する送達経路に沿って供給する工程は、送達経路上のセグメントが所望および所定の順序で交互配置されるように、マルチセグメント構成要素を含む各々異なるタイプのセグメントを含むことが好ましい。マルチセグメント構成要素が、第一の端に可燃性熱源を備え、第二の端に気流指向セグメントを備え、また可燃性熱源と気流指向セグメントとの間にエアロゾル形成基体を備えるように、移動する送達経路に沿ってセグメントを交互配置されるのが好ましい。
【0118】
代替的な実施形態では、マルチセグメント構成要素は、気流指向セグメントの下流に膨張室をさらに備える。この代替的な実施形態では、好ましくは可燃性熱源が第一の端に提供され膨張室が第二の端に提供されるように配置されたマルチセグメント構成要素は、4つのセグメントを備える。この実施形態では、エアロゾル形成基体は可燃性熱源に隣接して提供され、また気流指向セグメントは膨張室に隣接して提供される。
【0119】
膨張室は、喫煙物品の気流経路の一部分を形成することが好ましい。膨張室を含めることで、可燃性熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達によって生成されたエアロゾルのさらなる冷却が有利に可能になる。また、膨張室は、本発明による喫煙物品の全長を、所望の値に、例えば、膨張室の長さの適切な選択を通して従来的な紙巻たばこの長さに類似した長さに合わせることを有利に可能にする。一実施形態では、膨張室は断面形状と同等な断面形状を持つ中空管であってもよい。
【0120】
代替的な実施形態では、第二のマルチセグメント構成要素は、マウスピースおよびフィルターセグメントを備えるのが好ましい。
【0121】
セグメントの流れを群へと圧縮する工程では、セグメントの先行する群とセグメントの後続の群との間に予め定められたスペースがあることが好ましい。
【0122】
一実施形態では、セグメントの流れをセグメントの群へと圧縮する工程は、セグメントの流れを群へと分離することであって、各群が個別のマルチセグメント構成要素に対応することと、群内のセグメントを互いに隣接するように圧縮することと、先行するセグメントの群と後続のセグメントの群との間に予め定められたスペースを設定することと、を含む。
【0123】
セグメントが互いに隣接するように群内のセグメントを圧縮する工程は、エアロゾル形成基体が可燃性熱源および気流指向セグメントによって圧縮されるようにセグメントを圧縮することを含むのが好ましい。
【0124】
喫煙物品のラッパー材料のウェブ内のセグメントを包む工程は、紙ウェブ内の構成要素を包むことを含むのが好ましい。喫煙物品のラッパー材料のウェブは熱伝導性のパッチの第一の組をウェブの第一の側の上に備え、またセグメント内ではウェブの第一の側が内向きに向き、そして熱伝導性のパッチの第一の組のうちの1つ以上が各群の少なくとも1つのセグメントと接触するように包まれることが好ましい。各群が可燃性熱源およびエアロゾル形成基体を備える場合、熱伝導性のパッチが少なくとも可燃性熱源の一部分および少なくともエアロゾル形成基体の一部分を覆うようにセグメントが包まれることが好ましい。
【0125】
セグメントは、実質的に円形状または楕円形状の断面を有する円筒形であることが好ましい。
【0126】
上述の実施形態のいずれかでは、1つ以上の熱伝導性要素は、改良非定常平面熱源(MTPS)法を使用して23℃および50%の相対湿度にて測定される時に、約10ワット毎メートル毎ケルビン(W/(m・K))〜約500ワット毎メートル毎ケルビン(W/(m・K))のバルク熱伝導率を有する材料で形成されることが好ましく、約15(W/(m・K))〜約400(W/(m・K))で形成されることがより好ましい。熱伝導性のある印刷可能な媒体のパッチから熱伝導性要素が形成される事例では、バルク熱伝導率の値は印刷可能な媒体が乾燥または乾燥処理された時のパッチのものである。
【0127】
本明細書に使用される場合、「手段プラス機能」の特徴は、これらの対応する構造に関する別の方法として表現されうる。
【0128】
1つの態様に関するいずれの特徴も、任意の適切な組み合わせにおいてその他の態様に適用されうる。特に、方法の態様は装置の態様に適用でき、その逆もまた可である。さらにまた、1つの態様における任意の一部またはすべての特徴は、任意の適切な組み合わせにおいて、任意のその他の態様の任意の一部またはすべての特徴に適用されうる。
【0129】
当然ながら、本発明のいずれかの態様において記述および定義された様々な特徴の特定の組み合わせを独立して実施または供給または使用することができる。
【0130】
本発明は以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0131】
図1図1は、第一の実施例による喫煙物品の概略的な長軸方向断面図を示し、喫煙物品は第一の熱伝導性要素を持つ。
図2図2は、第二の実施例による喫煙物品の概略的な長軸方向断面図を示し、喫煙物品は第一の熱伝導性要素および第二の熱伝導性要素を持つ。
図3図3は、本発明による熱伝導性のパッチをラッパー材料のウェブに適用するための第一の装置301の概略図を示す。
図4図4は、本発明による熱伝導性のパッチをラッパー材料のウェブに適用するための第二の装置401の概略図を示す。
図5図5は、本発明により適用された熱伝導性のパッチの第一の実施例を有する紙ウェブの概略図を示す。
図6図6は、本発明により適用された熱伝導性のパッチの第二の実施例を有する紙ウェブの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0132】
図1は、本発明により製造された熱伝導性要素を備える喫煙物品の第一の実施例を示す。喫煙物品101は、同軸に整列され接している、可燃性炭素質熱源103、エアロゾル形成基体105、細長い膨張室107、およびマウスピース109を備える。可燃性熱源103、エアロゾル形成基体105、細長い膨張室107、およびマウスピース109は、低空気透過性の紙巻たばこ用紙の外側紙ラッパー111に重ねられる。図1に示すように、不燃性で耐気性の第一のバリア被覆113が炭素質の可燃性熱源103の実質的に後面全体の上に提供される。代替的な実施形態では、不燃性で実質的に不通気性の第一のバリアが、炭素質の可燃性熱源103の後面およびエアロゾル形成基体105の前面に隣接するディスクの形態で提供される。炭素質の可燃性熱源103は、炭素質の可燃性熱源103および不燃性で耐気性の第一のバリア被覆113を介して長軸方向に延びる中央気流チャネル115を備える。中央気流チャネル115の内部表面上に、耐気性で耐熱性の第二のバリア被覆(図示せず)が提供される。
【0133】
エアロゾル形成基体105は、可燃性熱源103のすぐ下流に位置し、エアロゾル形成体としてのグリセリンを含みかつフィルタープラグラップ118で囲まれた均質化したたばこ材料117の円筒形プラグを含む。熱伝導性要素119は、可燃性熱源103の後方部分および隣接するエアロゾル形成基体105の前方部分を囲み、それらに接触している。熱伝導性要素119は、熱源103からエアロゾル形成基体105へ熱を伝導する。図1に示すように、エアロゾル形成基体105の後方部分は、熱伝導性要素119によって囲まれていない。
【0134】
細長い膨張室107は、エアロゾル形成基体105の下流に位置し、円筒形の厚紙121の端の開いた管を備える。マウスピース109は、膨張室107の下流に位置し、フィルタープラグラップ125によって囲まれた濾過効率が非常に低い酢酸セルローストウの円柱状プラグ123を備える。マウスピース109は、チッピングペーパーによって囲まれていてもよい(図示せず)。
【0135】
代替的な実施形態では(図示せず)、断熱性要素がラッパー111および熱伝導性要素119の周りに配置され、熱を喫煙物品の中に保持する。
【0136】
図2は、本発明により製造された熱伝導性要素を備える喫煙物品の第二の実施例を示す。喫煙物品201は、図1に関して上述した喫煙物品101と実質的に同じである。ところが、単一の熱伝導性要素を持つのではなく、喫煙物品201は可燃性熱源203の後方部分および隣接するエアロゾル形成基体205の前方部分を囲み、これらと接触する第一の熱伝導性要素219と、ラッパー211を囲み、これと接触する第二の熱伝導性要素220とを備える。第二の熱伝導性要素220は第一の熱伝導性要素219の上に配置され、また第一の熱伝導性要素219と同じ長さである。従って、第二の熱伝導性要素220は第一の熱伝導性要素219の真上にあり、ラッパー211はその間にある。第一の熱伝導性要素219は、熱源203からエアロゾル形成基体205へと熱を伝導する。第二の熱伝導性要素220は喫煙物品201内部に熱を保持し、喫煙中の第一の熱伝導性要素219の温度維持に役立つ。同じく、これはエアロゾル形成基体205の温度を維持して、連続かつ増強されたエアロゾル送達を容易にするのを助ける。
【0137】
代替的な実施形態(図示せず)では、喫煙物品の中に熱を保持するために、第一の熱伝導性要素および第二の熱伝導性要素の周りに断熱性要素が配置される。
【0138】
図1および図2の喫煙物品の製造中に、熱伝導性のパッチを紙ウェブ上に印刷することによってラッパー111、211上に熱伝導性要素119、219および220を形成するために本発明の方法を使用してもよい。
【0139】
図3は、本発明による、熱伝導性のパッチ303の紙ウェブ305上に離間して適用するための第一の装置301の概略図を示す。装置301は、印刷ユニット307、紙入力309および紙入力ドラム311の形態での紙ウェブを導入するための手段、および紙出力313を備える。印刷ユニット307は、印刷シリンダー315、カウンターローラー317、およびチャンバー319を備える。チャンバー319は、チャンバー319を熱伝導性の印刷インクの加圧供給源に接続する入口および出口(図示せず)を持ち、印刷シリンダー315に対して密封された開口部(図示せず)を持つが、印刷インクはこれによって印刷シリンダー315に移送される。印刷シリンダー315は、一連の溝をその外部表面上に備え、インクがその中に移送される。
【0140】
図3の装置の動作は、以下の通りである。紙ウェブ305は、紙供給ボビン(図示せず)から紙入力ドラム311へ、そして印刷ユニット307上へと供給され、ここで紙ウェブは印刷シリンダー315とカウンターローラー317との間に供給される。紙が印刷シリンダー315とカウンターローラー317との間を移動するにつれ、シリンダー315から紙ウェブ305の上へと熱伝導性のインクが印刷され、数多くの離間した熱伝導性のパッチ303が紙ウェブ305の一方の側の上に形成される。パッチ303の間隔およびパターンは、印刷シリンダー315上の溝の間隔およびパターンに対応する。次に紙ウェブ305は紙出力313において装置301を離れる。
【0141】
図4は、本発明による、紙ウェブ405に熱伝導性のパッチ403を離間して適用するための第一の装置401の概略図を示す。装置401は、印刷ユニット407と、紙入力409および紙入力ドラム411の形態での紙ウェブを導入するための手段、および紙出力413とを備える。印刷ユニット407は、印刷シリンダー415、カウンターローラー417、移送ローラー419、ポンプ421およびノズル423と、を備える。ポンプ421は熱伝導性の印刷インクの供給源と、インクがポンプ421によって噴霧される先であるノズル423とに接続される。印刷シリンダー415は一連の溝をその外部表面上に備え、そのパターンは紙ウェブ405上のパッチ403の所望のパターンに対応する。印刷シリンダー415の直径は、隣接するパッチ403の間の間隔に対応してもよい。例えば、喫煙物品が1つの印刷されたパッチ403を持つように紙ウェブ405が使用される場合、印刷シリンダー415の直径は紙ウェブ405を使用して製造された各喫煙物品のラッパーの長さに対応する場合がある。
【0142】
図4の装置の動作は、以下の通りである。ポンプ421は、熱伝導性の印刷インクのジェットをノズル423から移送ローラー419の第一の対の間に噴霧する。移送ローラー419の第一の対の間にインクが混入され、移送ローラー419を介してさらに移送され、インクの均質化層を作り出す。インクは、移送ローラー419によって印刷シリンダー415へと移送される。紙ウェブ405は、紙供給ボビン(図示せず)から紙入力ドラム411へ、そして印刷ユニット407の上へと供給され、ここで紙ウェブが印刷シリンダー415とカウンターローラー417の間に供給される。紙が印刷シリンダー415とカウンターローラー417との間を移動するにつれ、熱伝導性のインクがシリンダー415から紙ウェブ405の上へと移送されて、数多くの離間した印刷された熱伝導性のパッチ403が紙ウェブ405の一方の側の上に形成される。パッチ403の配置(すなわち、パッチ403の間隔およびパターン)は、印刷シリンダー415の表面上の溝のパターンによって画定される。溝の数、その表面積および深さ、ならびに印刷シリンダー415とカウンターローラー417との間の圧力が、紙ウェブ405に適用されるインクの量、従って結果的に得られるパッチ403の厚さを決定する。次に紙ウェブ405は、紙出力413において装置401を離れる。
【0143】
図5は、図1に示す喫煙物品などの喫煙物品の上に熱伝導性要素119を形成するために本発明に従って適用された熱伝導性のパッチ503の第一の実施例の配置を有する紙ウェブ505の概略図を示す。パッチ503は完成した喫煙物品内で熱伝導性要素を形成する。各パッチ503の長さ507は、各熱伝導性要素の所望の長さに対応する。各パッチ503の幅509は完成した喫煙物品の周囲に対応する。ウェブ505の幅511は、完成した喫煙物品の周囲プラス糊付けのためのマージン513に対応する。代替的な実施形態(図示せず)では、各パッチ503’の幅509’はウェブ505’の幅511’と等しくてもよく、各パッチの幅509’およびウェブ505’の幅511’は完成した喫煙物品の周囲に対応する。パッチ503は一様な間隔515でウェブ505の上に定期的に印刷される。喫煙物品の製造では、チッピングペーパーを使用してフィルターマウスピースをロッドの一方の端に固定する前に、紙ウェブの中に包まれた1つ以上の喫煙物品構成要素から単一の長さのロッドを形成するのが一般的である。パッチ503の間隔515は、隣接するロッド上の熱伝導性のパッチの間の間隔に対応する。
【0144】
図6は、図1に示す喫煙物品などの喫煙物品の上に熱伝導性要素119を形成するために本発明に従って適用された熱伝導性のパッチ603の第二の実施例の配置を有する紙ウェブ605の概略図を示す。紙ウェブ605は図5に示すものと実質的に同一である。ところが、図6ではパッチ603は紙ウェブ605上で均等に離間していない。事実、パッチ603の間には2つの異なる間隔615Aおよび615Bがある。以下に記述するように、この配置は特に都合良い。喫煙物品の製造では、紙ウェブで包まれた喫煙物品用に2倍の長さの構成要素のロッドを形成することが一般的である。その後、それらの2倍の長さのロッドは2つに切断され、2倍の長さのフィルターマウスピースが中央に挿入され、チッピングペーパーで固定され、その後、2つの喫煙物品を形成するために2倍の長さの喫煙物品全体が切断される。この配置では、各々の2倍の長さのロッドは、セグメントの半分がもう一方の半分のセグメントから逆の順番で配置される必要がある。すなわち、フィルターマウスピースが中央に挿入される時に、2つの正しい喫煙物品が製造されるように、である。そのため、紙ウェブ605の上のパッチ603は、図6に示すように2つの異なる間隔を持つ必要があることになる。第一の間隔615Aは、1つの2倍の長さのロッドでのパッチの間の間隔に対応する。第二の間隔615Bは、隣接するロッドでの熱伝導性のパッチの間の間隔に対応する。第一の間隔615Aおよび第二の間隔615Bは、パッチ603を適用するために使用される印刷シリンダー上での溝の配置によって画定される。
【0145】
離間した熱伝導性のパッチが紙ウェブの両方の側に必要とされる場合、例えば、図2に示すように第一の熱伝導性要素および第二の熱伝導性要素を有する喫煙物品を提供するためには、紙ウェブは、第二の組のパッチを紙ウェブの第二の(反対側の)側の上に適用するために第二の装置に移動される前に、第一の組の熱伝導性のパッチを紙ウェブの第一の側の上に適用するために第一の装置に移動される。第一の装置および第二の装置は、両方とも熱伝導性のパッチを印刷するように配置されてもよい。熱伝導性のパッチを適用するための第一の装置および第二の装置は、実質的に同一であってもよい。あるいは、装置のうちの1つは、熱伝導性のパッチを印刷するように配置されてもよく(例えば、図3および4を参照のこと)、一方で、もう一方の装置は、例えばWO−A−2009/112257号に記述されるように、熱伝導性の箔のパッチをウェブ上に切断および接着するように配置される。
【0146】
図1〜6に示し上述した実施形態は、本発明を図示するが限定しない。本発明のその他の実施形態がその範囲から逸脱することなく作成されてもよく、本明細書に記載の特定の実施形態が限定されることを意図されないことが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6