(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6684311
(24)【登録日】2020年3月31日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】半透明の光起電性フィルムで被覆された画像の質を改善するための装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20200413BHJP
G09F 1/02 20060101ALI20200413BHJP
H01L 31/0468 20140101ALI20200413BHJP
H01L 31/056 20140101ALI20200413BHJP
H02S 40/20 20140101ALI20200413BHJP
G09F 15/00 20060101ALN20200413BHJP
【FI】
G09F9/00 313
G09F9/00 347A
G09F1/02 E
H01L31/04 532C
H01L31/04 624
H02S40/20
!G09F15/00 Z
【請求項の数】9
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-115457(P2018-115457)
(22)【出願日】2018年6月18日
(62)【分割の表示】特願2015-519276(P2015-519276)の分割
【原出願日】2013年7月4日
(65)【公開番号】特開2018-173651(P2018-173651A)
(43)【公開日】2018年11月8日
【審査請求日】2018年6月26日
(31)【優先権主張番号】12/01927
(32)【優先日】2012年7月6日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】514097510
【氏名又は名称】サンパートナー テクノロジーズ
【氏名又は名称原語表記】SUNPARTNER TECHNOLOGIES
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】ジルベール,ジョエル
【審査官】
小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−187204(JP,A)
【文献】
国際公開第00/031596(WO,A1)
【文献】
特開2012−064550(JP,A)
【文献】
特開2002−333618(JP,A)
【文献】
実開昭63−138593(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 1/00−5/04
9/00−9/46
15/00−17/00
G02F 1/13−1/1335
1/13363−1/141
H01L 27/32
31/02
31/0216−31/0224
31/0236
31/0248−31/0256
31/0352−31/036
31/0392−31/078
31/18
51/42−51/50
H02S 10/00−10/40
30/00−99/00
H05B 33/00−33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方では画像(1)、また他方では画像と観察者との間に配置される光起電性プレート(5)を含む装置であって、この光起電性プレートは、明るい透明領域と、二つの面のうちの一つ(3)が画像(1)の方に向けられた光起電性セル(4)で被覆された領域とから成るものであり、画像の方に向けられた光起電性セル(4)の前記面(3)が、光起電性セルによる陰影効果を補い、前記画像が放つ光の一部を画像(1)の方に反射し、透明領域を通過して観察者が目にする光度を増大させるように、反射性であり、
画像の方に向けられた光起電性セル(4)の前記面(3)が、その面が受ける光の30%以上を反射することができ、
画像の方に向けられた光起電性セル(4)の前記面(3)が、白色であることを特徴とする装置。
【請求項2】
光起電性プレート(5)が、画像(1)の表面の上にゼロではない距離をおいて配置されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
光起電性プレート(5)が、薄くかつ/または柔らかいことを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
光起電性プレート(5)が、結晶化ガラス製または有機ガラス製であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一つに記載の装置。
【請求項5】
光起電性セル(4)が、結晶シリコンおよび/またはアモルファスシリコン製、または有機的であるか、または複数の光起電性の薄層から成ることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一つに記載の装置。
【請求項6】
光起電性セル(4)が、互いに平行でかつ透明帯で隔てられた帯の網を形成することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一つに記載の装置。
【請求項7】
光起電性セル(4)が、屈折率が1より大きい透明材料から成るスペース(2)により、画像(1)すなわち対象から隔てられることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一つに記載の装置。
【請求項8】
画像の上に光起電性プレート(5)を重ね合わせることに起因する画像の質の低下を視覚的に補うように、画像の光度、および/または画像のコントラスト、および/または画像(1)の色の彩度を修正するための手段を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一つに記載の装置。
【請求項9】
プレート(5)上の光起電性セル(4)のカバー率以上に画像光度率を増大させるように、画像の光度を修正するための前記手段が調節されることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半透明の光起電性プレートで被覆された画像の分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像の表面に光起電力を発生させることを可能にする装置は、一般に、画像の表面に設置された、または貼りつけられた半透明の光起電性プレートを用いる。
【0003】
この光起電性プレートは、得たい透明度によって決められる距離で離隔された、複数の幅の狭い平行な光起電性帯が上に置かれた透明のプレートから成る。したがって、この距離が長いほど光起電性層のカバー率は低くなり、よって透明度は高くなる。対して、光起電性帯間の距離が短いほどカバー率は高くなり、これにより透明度は低くなる。透明度が低いほど、画像の光度は低下する。
【0004】
プレートによってつくられる電力の生産量は光起電性面積に比例するため、許容可能な画像光度の低下で決定される閾値を越えることなく、この面積を増やすことには非常に意義がある。最大の電力生産量の追求と、画像光度の最小限の減少との調和は、画像の特徴、周囲光度、および観察者の視覚によるものである以上、主観的なものである。
【0005】
光起電性層が画像に最も近接しているとき、つまり画像と不透明な光起電性層との間にスペースがないとき、光度損失が最小であることが指摘できる。しかし、特定の形態、例えば画像がガラスプレートに対して可動であり、したがって静電気の引き寄せや、摩擦による通常よりも早い磨耗を回避するために、画像がプレートから離れていなければならない回転式宣伝ポスターのような場合においては、画像と光起電性プレートとの間に距離を置く必要がある。
【0006】
視差バリアと呼ばれる技術によって立体画像視覚効果を作り出すために、光起電性帯をうろこ状に重なり合った複数の画像に組み合わせる装置も既知である。こういったさまざまな場合において、画像は、電子画像も含んだあらゆる性質のものであってよい。光起電性層もまた、結晶シリコンまたはアモルファスシリコン製のあらゆる性質のものであってよく、あるいはCIGSのような感光性の多層から成っていてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
半透明プレートを画像の上へ配置することにより、その光度の減少が引き起こされる。すなわち、画像を照らす光の量は、障害物となり入射光の一部を吸収する光起電性帯によって減少する。画像および光起電性プレートが互いに離れているとき、つまり互いに貼りつけられていないとき、画像が放つ光の一部までもが光起電性セルによってとどめられ、これにより目に見える画像の光度はさらに減少する。
【0008】
本発明の目的は、同じ光起電性面積を維持しながら、光起電性セルの陰影効果を低減させることであり、これにより、同じ電力を維持し、かつ画像光度、つまりその視覚的質を増大させることが可能になる。
【0009】
本発明により、同じ光度、つまり画像の視覚的質を維持しながら、別の方法で光起電性セルの面積を増やすことも可能であろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
「光起電性プレート」という用語は、厚みの薄い、柔らかな光起電性プレートである「光起電性フィルム」もまた含む。
【0011】
「画像」という用語は、あらゆる支持体に印刷された全ての画像、および周囲光しか用いられていない電子画像、ならびにあらゆる「対象」の表面を含み、この表面は何らかの形状であり得る画像を成すものである。
【0012】
本発明の対象となる装置は、上に半透明の光起電性プレートが位置づけられた画像から成る。画像は、印刷された画像、または例えばLCDタイプの電子画像、あるいはまた鏡によって後方照明されたピクセルから成る画像、あるいはまた、壁、瓦、またはテーブルのような、平らまたは平らでない、着色された何らかの物体の表面であってよい。
【0013】
半透明の光起電性プレートは、上に、例えばシリコン系の結晶光起電性セルまたはアモルファス光起電性セル、あるいはまた例えばCIGSのような感光性かつ光起電性の薄層の積み重ね、あるいはまた有機セルが置かれた、結晶化ガラス製または有機ガラス製の、硬いまたは柔らかい、平らなまたは湾曲した、透明プレートである。これらのセルは、不透明または半透明であってよい。それらは、透明領域で隔てられた不透明領域を形成するために透明プレートの表面に分配されるか、または、例えば透明帯で隔てられたまっすぐで平行な帯のような、幾何学的図形網の形で分配される。
【0014】
光起電性セルには二つの面があり、そのうちの一つは、画像の方、すなわち対象の方に向けられている。画像の方、すなわち対象の方に向けられたこの面は、例えば白インキや白ペンキ、またはミラー効果をもつアルミニウムやクロムの金属メッキのような、光に非常に反射する層で被覆されている。例えば、画像の方に向けられた光起電性セルの面は、その面が受ける光の30%以上を反射することができる。この反射面は、ゼロではない距離で、画像すなわち対象の表面から離されている。光起電性セルの反射面と画像との間にこのように作り出されたスペースは、空気、あるいは結晶化ガラスや有機ガラスのような透明な材料でできていてよい。
【0015】
画像、および画像を被覆するプレートは、光起電性セルによって一部が遮断され、また残りの部分は、透明領域を通過して画像を照らす入射光によって照らされる。画像の各ピクセルは、そのとき、この光を全ての方向に拡散させる。画像によって拡散されたこの光は、透明領域を再び通過して観察者まで届くか、あるいは光起電性セルの反射面によって反射するか、あるいは次の二つの条件、すなわちセルと画像との間のスペースの屈折率が空気中より高いこと、また光線の入射角が、屈折率の大きい方から屈折率の小さい方への境界面の通過の際に起こる全反射の臨界角以上であること、という二つの条件が満たされるときに、透明領域のところで反射する。
【0016】
画像によって拡散された光が反射する場合、この光は、画像の方に再び反射し、画像は光を再び拡散させる。その結果、画像によって拡散されて、観察者の方に向かってプレートから出る光は、セルの内側面が反射する面でなかった場合に比べ、より光度が強くなるであろう。したがって、観察者は、セルの内側面が吸収性または非反射性のままであった場合に比べ、より
画像を見るであろう。
【0017】
本発明の特定の実施形態において、画像によって放たれる光度を常に増大させるため、および光起電性セルによって吸収される光の損失を補うために、本装置は、元の画像をとりわけ輝度、コントラスト、および色の彩度のその特徴において修正するための手段と、組み合わされている。すなわち、画像は、光の一部が光起電性セルによって遮られるため、より少ない光を受ける。したがって、観察者は、元の画像に比べてより暗い、より輝度の低い画像を見ることになる。この不都合を部分的に修正するために、元のデジタル画像は、そのピクセルの全て、または一部の光度を増大させる情報処理を受ける。光度のこの増加率は、元の画像の特徴、および光起電性セルの遮光率によって決まるだろう。特に、画像光度を修正するための手段は、プレート上の光起電性セルのカバー率以上に画像光度率を増大させるように調節される。
【0018】
コントラストおよび色の彩度についても同様に、観察者に見えるものが元の画像の姿に最も近づくように修正されるであろう。したがって、光起電性プレートで被覆された画像は、視覚的質の最小限の低下で電力を発生させるであろう。
【0019】
本発明は、次に、符号付きの
図1および
図2の説明を用いて、より詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】セルと画像との間に高い屈折率を有するスペースを伴う装置の変形例の基本断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の対象となる装置(
図1)は、上に半透明の光起電性プレートが位置づけられた画像(7)から成る。画像(7)は、印刷された画像、または例えばLCDタイプの電子画像、あるいはまた鏡によって後方照明されたピクセルから成る画像、あるいはまた、壁、瓦、またはテーブルのような、平らまたは平らでない、着色された何らかの物体の表面であってよい。
【0022】
半透明の光起電性プレートは、上に、例えばシリコン系の結晶光起電性セルまたはアモルファス光起電性セル(4)、あるいはまた例えばCIGSのような感光性の薄層の積み重ね、あるいはまた有機セルが置かれた、結晶化ガラス製または有機ガラス製の、硬いまたは柔らかい、平らなまたは湾曲した、透明プレート(5)である。これらのセル(4)は、不透明または半透明であってよい。それらは、透明領域で隔てられた不透明領域を形成するために透明プレート(5)の表面に分配されるか、または、例えば透明帯で隔てられたまっすぐで平行な帯のような、幾何学的図形網の形で分配される。
【0023】
光起電性セル(4)には二つの面があり、そのうちの一つは、画像の方、すなわち対象の方に向けられている。画像の方、すなわち対象の方に向けられたこの面は、例えば白インキや白ペンキ、またはミラー効果をもつアルミニウムやクロムの金属メッキのような、光に非常に反射する層(3)で被覆されている。この反射面(3)は、ゼロではない距離で、画像(1)すなわち対象(1)の表面から離されている。光起電性セルの反射面(3)と画像(1)との間にこのように作り出されたスペース(2)は、空気、あるいは屈折率が1より大きい結晶化ガラスや有機ガラスのような透明な材料(
図2)できていてよい。
【0024】
画像(1)および画像を被覆するセル(4)は、光起電性セル(4)によって一部が遮断され、また残りの部分は、透明領域を通過して画像(1)を照らす入射光(6)によって、照らされる。画像の各ピクセル(7)は、そのとき、この光を全ての方向(8、9、10)に拡散させる。画像によって拡散されたこの光は、透明領域を再び通過して観察者(9)まで届くか、あるいは光起電性セル(4)の反射面(3)によって反射するか、あるいは次の二つの条件、すなわちセル(4)と画像(1)との間のスペース(2)の屈折率が空気中より高いこと、また光線(10−
図2)の入射角が、屈折率の大きい方から屈折率の小さい方への境界面の通過の際に起こる全反射の臨界角以上であること、という二つの条件が満たされるときに、透明領域(
図2)のところで反射する(10、11)。
【0025】
画像によって拡散された光(10−
図2)が反射する場合(11)、この光は、画像(1)の方に再び反射し、画像は再び光を拡散させる。その結果、画像(1、7)によって拡散されて、観察者の方に向かってプレートから出る光は、セル(4)の内側面が反射する面(3)でなかった場合に比べ、より光度が強くなるであろう。したがって、観察者は、セル(4)の内側面が吸収性または非反射性であった場合に比べ、より明るい画像(1)を見るであろう。
【0026】
図示されていない、本発明の特定の実施形態において、画像(1)によって放たれる光度を常に増大させるため、および光起電性セル(4)によって吸収される光の損失を補うために、元の画像(1)は、とりわけ輝度、コントラスト、および色の彩度のその特徴において修正される。すなわち、画像(1)は、光の一部が光起電性セル(4)によって遮られるため、より少ない光を受ける。したがって、観察者は、元の画像に比べてより暗い、より輝度の低い画像を見ることになる。この不都合を部分的に修正するために、元のデジタル画像は、そのピクセルの全て、または一部の光度を増大させる情報処理を受ける。光度のこの増加率は、元の画像の特徴、および光起電性セルの遮光率によって決まるだろう。コントラストおよび色の彩度についても同様に、観察者に見えるものが元の画像の姿に最も近づくように修正されるであろう。したがって、光起電性プレート(5)で被覆された画像(1)は、視覚的質の最小限の低下で電力を発生させるであろう。
【0028】
本発明による装置は、一辺が1メートルの正方形の紙の画像(1)、および、上に幅が1mmで互いの離隔距離が3mmのアモルファスシリコン製の薄層の光起電性の平行な帯(4)網が置かれている、同じ大きさで厚みが4mmのガラスプレート(5)を含む。
【0029】
光起電性帯(4)は、面(3)のうちの一つが、受ける光の60%以上を反射する特性をもつアルミニウム薄層のメッキで被覆されている。反射層で被覆されたこの面(3)は、画像(1)の方に向けられて画像を被覆する。光起電性プレートと画像との間の距離は1cmである。このスペース(2)は、空気しか含まない。プレート表面での光起電性のカバー率は、25%である。デジタル画像は、その紙(1)への印刷の前に、その光度を30%増大させ、そのコントラストを5%下げることによって修正された。したがって、光起電性プレート(5)を介して画像(1)を見る観察者には、元の光度がほとんど失われていない画像が見えるであろう。光起電性プレート(5)は、元の画像に非常に近い画像を復元しながら、太陽の下でおよそ15ワットの電力を発生させるであろう。
【0030】
発明の利点
つまり、本発明は定められた目的に応えるものである。本発明は、画像の視覚的質の低下を抑制しながら、半透明の光起電性プレートまたは光起電性フィルムを用いて、画像すなわち対象を被覆するように特に適合されたものである。
【符号の説明】
【0031】
1 画像
2 スペース
3 反射面
4 光起電性セル
5 光起電性プレート
6 入射光
7 画像の各ピクセル