特許第6684313号(P6684313)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6684313
(24)【登録日】2020年3月31日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】動力源を有する減速機
(51)【国際特許分類】
   F16H 1/32 20060101AFI20200413BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   F16H1/32 A
   H02K7/116
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-118348(P2018-118348)
(22)【出願日】2018年6月21日
(65)【公開番号】特開2019-35501(P2019-35501A)
(43)【公開日】2019年3月7日
【審査請求日】2018年7月20日
(31)【優先権主張番号】62/524,290
(32)【優先日】2017年6月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】107120975
(32)【優先日】2018年6月19日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】505326623
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】蔡清雄
(72)【発明者】
【氏名】呉家明
(72)【発明者】
【氏名】黄育賢
(72)【発明者】
【氏名】洪国原
(72)【発明者】
【氏名】徐佑銓
【審査官】 川口 真一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−229393(JP,A)
【文献】 特開2015−197158(JP,A)
【文献】 特開2010−249208(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102004058551(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 1/32
H02K 7/116
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力源を有する減速機であって、
動力源として機能するモータと、前記モータの周囲に配置された減速機構を備え、
前記モータは、ステータ部と、前記ステータ部の中央部に位置するシャフト部と、ロテータ部を備え、
前記ロテータ部は前記ステータ部によって回転駆動され、
前記ロテータ部はロテータケーシングアセンブリと、第1偏心リングと、第2偏心リングとを備え、
前記ステータ部は前記ロテータケーシングアセンブリの中空構造内に収容されており、
前記第1偏心リング及び前記第2偏心リングは、互いに隣接して配置され、前記ロテータケーシングアセンブリの外面から突出しており、
前記減速機構は、第1サイクロイドディスクセットと、第2サイクロイドディスクセットと、第1ローラアセンブリと、第2ローラアセンブリと、第3ローラアセンブリを備え、
前記第1サイクロイドディスクセットは前記第1偏心リングの周囲に配置され、少なくとも1つの第1歯と少なくとも1つの第2歯とを備え、
前記第2サイクロイドディスクセットは前記第2偏心リングの周囲に配置され、少なくとも1つの第3歯と少なくとも1つの第4歯とを備え、
前記第1ローラアセンブリは前記モータの第1面横に配置され、1つの第1減速機ケーシングと複数の第1ローラとを備え、前記複数の第1ローラは前記第1減速機ケーシング上に配置され、
前記第2ローラアセンブリは前記モータの前記第1面と対向する第2面横に配置され、1つの第2減速機ケーシングと複数の第2ローラとを備え、前記複数の第2ローラは前記第2減速機ケーシング上に配置され、
前記第3ローラアセンブリは前記第1ローラアセンブリと前記第2ローラアセンブリの間に配置され、
前記モータは前記第1ローラアセンブリ、前記第2ローラアセンブリ及び前記第3ローラアセンブリによって共同で覆われ、
前記第3ローラアセンブリは1つの環状構造体と複数の第3ローラを備え、
前記複数の第3ローラは、前記環状構造体上に取り付けられ、
前記第1歯は少なくとも1つの前記第1ローラと接触し、前記第3歯は少なくとも1つの前記第2ローラと接触し、前記第2歯と第4歯は、少なくとも1つの前記第3ローラと接触する、
減速機。
【請求項2】
請求項1に記載の動力源を有する減速機であって、前記第1偏心リングの偏心方向と前記第2偏心リングの偏心方向は互いに逆方向である、減速機。
【請求項3】
請求項1に記載の動力源を有する減速機であって、
前記第1ローラアセンブリ及び前記第2ローラアセンブリは、前記シャフト部を中心に回転せず、
前記ロテータ部が回転している間、前記第1サイクロイドディスクセットが前記第1偏心リングと共に回転し、
前記第2サイクロイドディスクセットが前記第2偏心リングと共に回転し、
前記第3ローラアセンブリの前記第3ローラが、対応する前記第2歯及び対応する前記第4歯に押し付けられ、
前記第3ローラアセンブリが前記シャフト部を中心に回転し前記環状構造体を回転駆動して出力するように構成されている、
減速機。
【請求項4】
請求項1に記載の動力源を有する減速機であって、
前記ロテータケーシングアセンブリは、環状壁部を備える第1ロテータケーシングと、円板構造の第2ロテータケーシングを備え、
前記ロテータケーシングアセンブリの中空構造は前記環状壁部の内部空間により画定され、前記ステータ部は前記中空構造内に収容され、
前記第2ロテータケーシングの大きさは、前記環状壁部の前記内部空間の大きさと一致し、前記環状壁部の前記内部空間は、前記第2ロテータケーシングにより覆われ、
前記ステータ部は前記第1ロテータケーシングと前記第2ロテータケーシングにより覆われている、
減速機。
【請求項5】
請求項4に記載の動力源を有する減速機であって、
前記減速機は、第1ブレーキ要素と第2ブレーキ要素をさらに備え、
前記第1ブレーキ要素は、前記ロテータケーシングアセンブリの第2ロテータケーシングの外側面上に配置され、前記第2ローラアセンブリの横に配置され、
前記第2ブレーキ要素は、前記第2減速機ケーシングの外側面上に配置され、前記第2ロテータケーシングの横に配置され、
前記第1ブレーキ要素と前記第2ブレーキ要素とが互いに接触しているときに、前記ロテータ部の回転が制限され、
前記第1ブレーキ要素と前記第2ブレーキ要素が互いに分離されているときに、前記ロテータ部の回転が可能となるように構成されている、
減速機。
【請求項6】
請求項4に記載の動力源を有する減速機であって、
前記シャフト部は、第1端部と第2端部とを備え、前記第1ロテータケーシングは、ベース部分と前記環状壁部とを備えるカップ状構造を有し、
前記ベース部分は第1穿孔を有し、
前記シャフト部の前記第1端部は前記第1穿孔に位置を揃えて挿入され、
前記環状壁部が前記ベース部分の上に垂直に配置され、
前記第2ロテータケーシングは第2穿孔を有し、
前記シャフト部の前記第2端部は第2穿孔に位置を揃えて挿入されている、
減速機。
【請求項7】
請求項1に記載の動力源を有する減速機であって、
前記第1サイクロイドディスクセットは、第1外部サイクロイドディスク及び第1内部サイクロイドディスクをさらに備え、
前記第2サイクロイドディスクセットは、第2外部サイクロイドディスク及び第2内部サイクロイドディスクをさらに備え、
前記第1外部サイクロイドディスクと前記第1内部サイクロイドディスクは並んで配置され、
前記第1内部サイクロイドディスクは前記第1外部サイクロイドディスクと前記第2内部サイクロイドディスクの間に配置され、
前記第1歯は前記第1外部サイクロイドディスクの外周から突出し、前記第2歯は前記第1内部サイクロイドディスクの外周から突出し、
前記第2外部サイクロイドディスクと前記第2内部サイクロイドディスクは並んで配置され、
前記第2内部サイクロイドディスクは、前記第1内部サイクロイドディスクと前記第2外部サイクロイドディスクの間に配置され、
前記第3歯は前記第2外部サイクロイドディスクの外周から突出し、
前記第4歯は前記第2内部サイクロイドディスクの外周から突出している、
減速機。
【請求項8】
請求項7に記載の動力源を有する減速機であって、
前記第1外部サイクロイドディスクの歯形と前記第2外部サイクロイドディスクの歯形とが同一であり、
前記第1内部サイクロイドディスクの歯形と前記第2内部サイクロイドディスクの歯形とが同一であり、
前記第1歯の歯数と前記第3歯の歯数が等しく、前記第2歯の歯数と前記第4歯の歯数が等しい、
減速機。
【請求項9】
請求項1に記載の動力源を有する減速機であって、
前記第1ローラの数が前記第2ローラの数と同じであり、前記第1ローラの数が前記第1歯の歯数よりも少なくとも1大きく、前記第2ローラの数が前記第3歯の歯数よりも少なくとも1大きく、前記第3ローラの数が前記第2歯の歯数又は前記第4歯の歯数よりも少なくとも1大きい、
減速機。
【請求項10】
請求項1に記載の動力源を有する減速機であって、
前記第1サイクロイドディスクセットは、第1環状溝を有する第1サイクロイドディスクを備え、
前記第1歯は前記第1環状溝の内周に形成され、少なくとも1つの前記第1ローラと接触し、
前記第2歯は、前記第1サイクロイドディスクの外周から突出し少なくとも1つの前記第3ローラと接触し、
前記第2サイクロイドディスクセットは第2環状溝を有する第2サイクロイドディスクを備え、
前記第3歯は前記第2環状溝の内周に形成され、少なくとも1つの前記第2ローラと接触し、
前記第4歯は前記第2サイクロイドディスクの外周から突出し少なくとも1つの前記第3ローラと接触している、
減速機。
【請求項11】
請求項10に記載の動力源を有する減速機であって、
前記第1歯の歯数と前記第2歯の歯数とが異なり、前記第3歯の歯数と前記第4歯の歯数とが異なる、
減速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年6月23日に出願された「動力ギア」という名称の米国特許出願第62/524290号の利益を主張し、その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、減速機に関し、より詳細には、動力源を有する減速機に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、モータは高速かつ低トルクで作動する。すなわち、大きな負荷を掛けることは困難である。したがって、モータが重い物体を駆動できるようにするため、減速機を使用してモータの回転速度を低下させ、トルクを増加させる。
【0004】
従来、減速機とモータは別々の部品である。減速機は、シャフトカップリングやギアボックスなどの追加の連結構造を介してモータと連結する必要がある。その場合、減速機及びモータの全体構造の容積及び重量が増加する。したがって、減速機とモータとを繋ぐ連結構造は、軽量かつコンパクトな空間を必要とする装置には適用することができない。そのような連結構造は、例えば産業用ロボットアームや動力補助装置への利用には適さない。
【0005】
現在、モータが装備されている減速機が存在する。この場合、減速機とモータとを連結するシャフトカップリング又はギアボックスは省略される。しかしながら、そのような減速機はモノサイクロイドセット(すなわち、単一のサイクロイド)を使用するので、いくつかの不都合が生じる。例えば、減速機が高速で稼働している場合、動的バランス状態を維持することが難しい。それ故、減速機の稼働により大きな振動が生じる。
【0006】
したがって、前記の不都合を克服するための、動力源を有する減速機を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、モータと減速機構とを備えた減速機を提供することである。本発明の減速機においては、モータと減速機とが連結構造(例えば、シャフトカップリングやギアボックス)を用いずに組み合わされている。モータと減速機構が組み合わされ一体構造となることで、減速機の軽量化と低容化を図ることができる。
【0008】
本発明の別の目的は、動力源を有する減速機を提供することである。本発明の減速機により、動的バランスと高剛性及び高減速比の達成と、高負荷駆動が可能となる。
【0009】
本発明の一態様により、動力源を有する減速機が提供される。減速機は、モータと減速機構とを備える。モータは動力源として機能し、ステータ部、シャフト部及びロテータ部を含む。シャフト部は、ステータ部の中央部に位置する。ロテータ部は、ステータ部によって回転駆動される。ロテータ部分は、ロテータケーシングアセンブリと、第1偏心リングと、第2偏心リングとを含む。ステータ部は、ロテータケーシングアセンブリの中空構造内に収容される。第1偏心リング及び第2偏心リングは隣同士に配置され、ロテータケーシングアセンブリの外面から突出している。減速機構はモータの周囲に配置される。減速機構は、第1サイクロイドディスクセット、第2サイクロイドディスクセット、第1ローラアセンブリ、第2ローラアセンブリ及び第3ローラアセンブリを含む。第1サイクロイドディスクセットは第1偏心リングの周囲に取り付けられ、少なくとも1つの第1歯及び少なくとも1つの第2歯を含む。第2サイクロイドディスクセットは、第2偏心リングの周囲に取り付けられ、少なくとも1つの第3歯及び少なくとも1つの第4歯を含む。第1ローラアセンブリは、モータの第1側面の横に配置され、1つの第1減速機ケーシングと複数の第1ローラを含む。前記複数の第1ローラは、第1減速機ケーシング上に配置される。第2ローラアセンブリはモータの第1側面に対向する第2側面の横に配置され、1つの第2減速機ケーシングと複数の第2ローラとを含む。前記複数の第2ローラは、第2減速機ケーシング上に配置される。第3ローラアセンブリは、第1ローラアセンブリと第2ローラアセンブリとの間に配置される。モータは、第1ローラアセンブリ、第2ローラアセンブリ及び第3ローラアセンブリによって共同で覆われる。第3ローラアセンブリは、1つの環状構造体と複数の第3ローラとを含む。前記複数の第3ローラは環状構造体上に取り付けられている。第1歯は、対応する第1ローラの少なくとも1つと接触し、第3歯は、対応する第2ローラの少なくとも1つと接触している。第2歯及び第4歯は、対応する第3ローラの少なくとも1つと接触している。
【0010】
本発明に関する上記内容は、以下の詳細説明及び添付図面を参照することで、当業者にとってより容易に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る動力源を有する減速機の概略断面図である。
【0012】
図2図2は、図1の減速機の概略分解図である。
【0013】
図3図3は、図1の減速機のモータのロテータ部を示す概略透視図である。
【0014】
図4図4は、減速機のモータのロテータ部の部分構造の変形例である。
【0015】
図5図5は、本発明の第2実施形態に係る動力源を有する減速機の概略断面図である。
【0016】
図6図6は、本発明の第3実施形態に係る動力源を有する減速機の概略分解図である。
【0017】
図7図7は、本発明の第4実施形態に係る動力源を有する減速機の概略断面図である。
【0018】
図8図8は、図7の減速機の概略分解図である。
【0019】
図9図9は、図7の減速機の第1サイクロイドディスクセットの第1サイクロイドディスクを示す概略透視図である。
【詳細な説明】
【0020】
以下、実施形態を参照して本発明をより具体的に説明する。本発明の好ましい実施形態の以下の説明は、例示及び説明のみを目的として本明細書に提示される。包括的であること、又は開示された形態に正確に限定されることを意図するものではない。
【0021】
図1図2及び図3を参照されたい。図1は、本発明の第1実施形態に係る動力源を有する減速機の概略断面図である。図2は、図1の減速機の概略分解図である。図3は、図1の減速機のモータのロテータ部を示す概略透視図である。動力源1を有する減速機(以下、減速機1という)は、産業用ロボットアームや動力補助装置などの各種動力装置に、減速機能を提供することを目的として利用することができる。
【0022】
この実施形態では、減速機1は2段サイクロイド減速機である。減速機1は、モータ2と減速機構3とを備える。モータ2は動力源である。
【0023】
一実施形態では、モータ2は減速機構3内に配置される。例えば、モータ2は、半径方向磁束モータ(ラジアル・フラックスモータ)である。モータ2は、シャフト部200と、ステータ部20と、ロテータ部21とを備える。ステータ部20は、モータ2全体の内側に位置している。シャフト部200は、ステータ部20の中央部に位置している。ロテータ部21は、モータ2全体の外側に位置している。また、ロテータ部21は、後述するロテータケーシングベアリングセットを備える。ロテータケーシングベアリングセットは、シャフト部200の周囲に取り付けられている。モータ2の動作中、ロテータ部21は、ロテータ部21とステータ部20との間の磁力に応じて、ステータ部20によって駆動され、ロテータケーシングベアリングセットを介してロテータ部21が回転される。この実施形態では、ロテータ部21は、ロテータケーシングアセンブリ210と、第1偏心リング211、第2偏心リング212とを備える。ロテータケーシングアセンブリ210は、ステータ部20を収容するための中空構造を有する。ロテータケーシングアセンブリ210の中空構造内にステータ部20が収容されると、シャフト部200の第1端部及び第2端部がそれぞれ、ロテータケーシングアセンブリ210の2つの対向側面から突出する。第1偏心リング211及び第2偏心リング212は隣同士に配置され、ロテータケーシングアセンブリ210の外面から突出している。ロテータ部21が回転すると、第1偏心リング211と第2偏心リング212はシャフト部200に対して偏心回転する。第1偏心リング211の偏心方向と第2偏心リング212の偏心方向は互いに反対である。
【0024】
ステータ部20は、鉄心アセンブリ201と、コイルアセンブリ202とをさらに備える。鉄心アセンブリ201は、シャフト部200の周囲に配置されている。コイルアセンブリ202は、鉄心アセンブリ201の周囲に巻かれている。ロテータ部21は少なくとも1つの磁石213を備える。例えば、磁石213は、円弧状の磁石又は環状の磁石である。磁石213は、ロテータケーシングアセンブリ210の中空構造の内面に取り付けられている。磁石213は、ステータ部20のコイルアセンブリ202と相互作用して磁力を生成する。この磁力に応じて、ロテータ部21は磁石213によって回転駆動される。
【0025】
減速機構3はモータ2の周囲に配置されている。また、減速機構3は、モータ2を取り囲むようにモータ2に組み付けられている。一実施形態において、減速機構3は、第1サイクロイドディスクセット30と、第2サイクロイドディスクセット31と、第1ローラアセンブリ32と、第2ローラアセンブリ33と、第3ローラアセンブリ34と、第1減速機外部ベアリング35と、第2減速機外部ベアリング36とを備える。
【0026】
第1ローラアセンブリ32は、モータ2の第1側面横に配置されている。第1ローラアセンブリ32は、1つの第1減速機ケーシング320と、複数の第1ローラ321とを備える。前記複数の第1ローラ321は、第1減速機ケーシング320の円周上に離散的に配置されている。第1減速機ケーシング320は、第1固定孔3200をさらに備える。第1固定孔3200は、シャフト部200の第1端部に位置を揃えられる。シャフト部200の第1端部は、第1固定孔3200に挿入され固定される。
【0027】
第2ローラアセンブリ33はモータ2の第2側面横に配置され、モータ2の第1側面と第2側面は対向する。第2ローラアセンブリ33は、1つの第2減速機ケーシング330と複数の第2ローラ331とを備える。前記複数の第2ローラ331は、第2減速機ケーシング330の円周上に離散的に配置されている。第2減速機ケーシング330は、その中心に第2固定孔3300を備える。第2固定孔3300はシャフト部200の第2端部に位置を揃えられる。シャフト部200の第2端部は、第2固定孔3300に挿入され固定される。
【0028】
第3ローラアセンブリ34は、第1ローラアセンブリ32と第2ローラアセンブリ33の間に配置される。モータ2は、第1ローラアセンブリ32と、第2ローラアセンブリ33及び第3ローラアセンブリ34によって共同で覆われる。第3ローラアセンブリ34は、1つの環状構造体340と、複数の第3ローラ341とを備える。前記複数の第3ローラ341は、環状構造体340の収容空間の内面の円周上に離散的に配置されている。環状構造体340の収容空間の大きさは、第1減速機ケーシング320と、第2減速機ケーシング330、及びモータ2の全体の大きさと実質的に一致する。したがって、モータ2は第3ローラアセンブリ34内に収容されている。モータ2が第1ローラアセンブリ32と、第2ローラアセンブリ33、及び第3ローラアセンブリ34に覆われると、第1減速機ケーシング320及び第2減速機ケーシング330は、環状構造体340内に収容され、環状構造体340と連結される。
【0029】
第1サイクロイドディスクセット30は、第1偏心リング211の周囲に取り付けられている。また、第1サイクロイドディスクセット30は、少なくとも1つの第1歯300と、少なくとも1つの第2歯301とを備える。この実施形態では、第1サイクロイドディスクセット30は複数の第1歯300及び複数の第2歯301を備える。第2サイクロイドディスクセット31は、第2偏心リング212の周囲に取り付けられている。さらに、第2サイクロイドディスクセット31は、少なくとも1つの第3歯310及び少なくとも1つの第4歯311を備える。この実施形態では、第2サイクロイドディスクセット31は、複数の第3歯310と、複数の第4歯311とを備える。第1歯300は、対応する第1ローラ321の少なくとも1つと接触する。第3歯310は、対応する第2ローラ331の少なくとも1つと接触する。第2歯301及び第4歯311は、対応する第3ローラ341の少なくとも1つとそれぞれ接触する。
【0030】
第1減速機外部ベアリング35は、第1減速機ケーシング320と環状構造体340の間に配置されている。第2減速機外部ベアリング36は、第2減速機ケーシング330と環状構造体340の間に配置されている。
【0031】
いくつかの実施形態では、第1ローラアセンブリ32の第1減速機ケーシング320及び第2ローラアセンブリ33の第2減速機ケーシング330は、それぞれねじ穴(図示せず)を有する。したがって、第1減速機ケーシング320と第2減速機ケーシング330とは、ねじを用いて他の機械的構造物と連結される。また、第1ローラアセンブリ32及び第2ローラアセンブリ33は回転しない。すなわち、第1ローラアセンブリ32及び第2ローラアセンブリ33は、シャフト部200を中心に回転することはない。ロテータ部21が回転すると、第1サイクロイドディスクセット30は第1偏心リング211と共に回転し、第2サイクロイドディスク31は第2偏心リング212と共に回転する。第1ローラアセンブリ32及び第2ローラアセンブリ33が回転しないので、第3ローラ341は対応する第2歯301及び対応する第4歯311に押し付けられ、第3ローラアセンブリ34がシャフト部200を中心に回転する。この状況では、第3ローラアセンブリ34の環状構造体340が動力を生成し出力するために用いられる。他のいくつかの実施形態では、第3ローラアセンブリ34の環状構造体340は、ねじ穴(図示せず)を有する。したがって、第3ローラアセンブリ34の環状構造体340は、ねじ穴を介して他の機械的構造物と連結される。このようにして、動力を機械構造物に伝達することが可能となる。
【0032】
上述したように、減速機1のモータ2と減速機構3は、組み合わされ一体構造となっている。モータ2は減速機1の半径方向内面に位置している。減速機構3は減速機1の半径方向外面に位置している。ロテータ部21が回転すると、第1サイクロイドディスクセット30は第1偏心リング211とともに回転し、第2サイクロイドディスクセット31は第2偏心リング212とともに回転する。上述したように、第1ローラアセンブリ32及び第2ローラアセンブリ33は回転しないが、第3ローラアセンブリ34は回転可能である。したがって、第1サイクロイドディスクセット30及び第2サイクロイドディスクセット31は、第1ローラアセンブリ32と、第2ローラアセンブリ33及び第3ローラアセンブリ34と相互作用する。このようにして、2段階の減速という目的が達成される。モータ2と減速機構3とを連結するためのシャフトカップリングを別途用いる必要がないため、減速機1が低容化及び軽量化される。また、第1サイクロイドディスクセット30及び第2サイクロイドディスクセット31は第1偏心リング211及び第2偏心リング212上にそれぞれ設置されており、第1偏心リング211の偏心方向は、第2偏心リング212の偏心方向と反対である。その結果、減速機1は高い剛性及び動的バランスを有し、高負荷環境への適用が可能である。
【0033】
いくつかの実施形態では、シャフト部200は中空内部構造を有する。コイルアセンブリ202又は他のケーブル(例えば、エンコーダの信号ケーブル)を、前記中空内部構造に通すことができる。したがって、減速機1のケーブル配置が単純になる。
【0034】
図1図2を再度参照されたい。減速機1は第1ロテータ外部ベアリングセット4と第2ロテータ外部ベアリングセット5とをさらに備える。第1ロテータ外部ベアリングセット4は、第1偏心リング211と第1サイクロイドディスクセット30との間に配置されている。第2ロテータ外部ベアリングセット5は第2偏心リング212と第2サイクロイドディスクセット31の間に配置されている。第1ロテータ外部ベアリングセット4及び第2ロテータ外部ベアリングセット5はそれぞれ、少なくとも1つのベアリングを有する。例えば、図1及び図2に示すように、第1ロテータ外部ベアリングセット4及び第2ロテータ外部ベアリングセット5はそれぞれ1つのベアリングを備える。いくつかの他の実施形態では、第1ロテータ外部ベアリングセット4及び第2ロテータ外部ベアリングセット5がそれぞれ複数のベアリングを含む。
【0035】
ロテータケーシングアセンブリ210は、第1ロテータケーシング214と第2ロテータケーシング215とを備える。第1ロテータケーシング214は、ベース部分2140と環状壁部2141とを備えるカップ状構造を有する。環状壁部2141の内部空間はロテータケーシングアセンブリ210の中空構造を画定する。ベース部2140は第1穿孔2142を有する。シャフト部200の第1端部は、第1穿孔2142に位置を揃えて挿入される。環状壁部2141はベース部分2140に垂直に配置され、環状壁部2141の内部空間はロテータケーシングアセンブリ210の中空構造を画定する。ステータ部20は環状壁部2141の内部空間内に収容される。環状壁部2141の内面には磁石213が取り付けられている。第2ロテータケーシング215は円板構造を有する。第2ロテータケーシング215の大きさは、環状壁部2141の内部空間の大きさと一致する。ステータ部20が第1ロテータケーシング214内に収容されると、第1ロテータケーシング214の環状壁部2141の内面は第2ロテータケーシング215によって覆われ、ステータ部20は第1ロテータケーシング214と第2ロテータケーシング215によって共同で覆われる。第2ロテータケーシング215は第2穿孔2150を有する。シャフト部200の第2端部は第2穿孔2150に位置を揃えて挿入される。上述のように、ロテータ部21はロテータケーシングベアリングセットをさらに備える。一実施形態では、ロテータケーシングベアリングセットは第1ロテータケーシングベアリング2143と第2ロテータケーシングベアリング2151とを備える。第1ロテータケーシングベアリング2143は、第1穿孔2142内に収められ、シャフト部200の第1端部の周囲に取り付けられる。第2ロテータケーシングベアリング2151は、第2穿孔2150内に収められ、シャフト部200の第2端部の周囲に取り付けられる。
【0036】
第1サイクロイドディスクセット30は第1外部サイクロイドディスク302及び第1内部サイクロイドディスク303をさらに備える。第2サイクロイドディスクセット31は第2外部サイクロイドディスク312及び第2内部サイクロイドディスク313をさらに備える。第1外部サイクロイドディスク302と第1内部サイクロイドディスク303は並んで配置されている。第1内部サイクロイドディスク303は第1外部サイクロイドディスク302と第2内部サイクロイドディスク313の間に配置されている。第1歯300は、第1外部サイクロイドディスク302の外周から突出している。第2歯301は、第1内部サイクロイドディスク303の外周から突出している。第2外部サイクロイドディスク312と第2内部サイクロイドディスク313は並んで配置されている。第2内部サイクロイドディスク313は、第1内部サイクロイドディスク303と第2外部サイクロイドディスク312の間に配置されている。第3歯310は第2外部サイクロイドディスク312の外周から突出している。第4歯311は第2内部サイクロイドディスク313の外周から突出している。第1外部サイクロイドディスク302上の少なくとも1つの第1歯300の歯形及び第2外部サイクロイドディスク312上の少なくとも1つの第3歯310の歯形は同一である。第1内部サイクロイドディスク303上の少なくとも1つの第2歯301の歯形及び第2内部サイクロイドディスク313上の少なくとも1つの第4歯311の歯形は同一である。少なくとも1つの第1歯300の歯数と少なくとも1つの第3歯310の歯数は等しい。少なくとも1つの第2歯301の歯数と少なくとも1つの第4歯311の歯数は等しい。また、第1外部サイクロイドディスク302と第1内部サイクロイドディスク303とは、互いに固定され連結されている。第2外部サイクロイドディスク312と第2内部サイクロイドディスク313とは、互いに固定され連結されている。いくつかの実施形態では、複数の第1ローラ321、複数の第2ローラ331及び複数の第3ローラ341は、それぞれの軸上で回転可能(すなわち自転)である。
【0037】
第1ローラアセンブリ32の第1ローラ321の数は、第2ローラアセンブリ33の第2ローラ331の数に等しい。第1ローラ321の数は、少なくとも1つの第1歯300の歯数より少なくとも1多い。第2ローラ331の数は、少なくとも1つの第3歯310の歯数より少なくとも1多い。第3ローラアセンブリ34の第3ローラ341の数は、少なくとも1つの第2歯301の歯数又は少なくとも1つの第4歯311の歯数より少なくとも1多い。
【0038】
いくつかの実施形態では、減速機1は、第1ブレーキ要素8及び第2ブレーキ要素9をさらに備える。第1ブレーキ要素8は、ロテータケーシングアセンブリ210の第2ロテータケーシング215の外側面上に配置され、第2ローラアセンブリ33の横に配置される。第2ブレーキ要素9は、第2減速機ケーシング330の外側面上に配置され、第2ロテータケーシング215の横に配置される。第1ブレーキ要素8と第2ブレーキ要素9は、選択的に互いに分離又は互いに接触する。第1ブレーキ要素8と第2ブレーキ要素9とが互いに接触すると、第1ブレーキ要素8と第2ブレーキ要素9によってロテータ部21の回転が制限される。第1ブレーキ要素8と第2ブレーキ要素9が互いに分離されると、ロテータ部21の回転が可能となる。
【0039】
一実施形態では、減速機1はエンコーダをさらに備える。モータ2のロテータ部21の回転中、エンコーダはロテータ部21の角度又は変位を検出する。エンコーダは信号源6及び信号受信器7を備える。信号源6はロテータケーシングアセンブリ210の第1ロテータケーシング214のベース部分2140の一面に取り付けられている。信号受信機7は第1ローラアセンブリ32の第1減速器ケーシング320の一面に取り付けられ、信号源6の横に配置されている。信号源6は信号受信機7へ検出信号を発する。モータ2のロテータ部21の回転中、信号源6と信号受信器7との連携によりロテータ部21の角度又は変位が検出される。
【0040】
減速機1を用いて要求減速比を達成する原理を以下に説明する。例えば、第1ローラアセンブリ32の第1ローラ321の数をN、第2ローラアセンブリ33の第2ローラ331の数をN、第3ローラアセンブリ34の第3ローラ341の数をMとする。少なくとも1つの第1歯300の歯数はAであり、少なくとも1つの第3歯310の歯数はAであり、少なくとも1つの第2歯301の歯数はBであり、少なくとも1つの第4歯311の歯数はBであるとする。モータ2のロテータ部21が回転している間、ロテータ部21に取り付けられた第1偏心リング211と第2偏心リング212は、ロテータ部21と同期回転する。第1偏心リング211と第2偏心リング212が回転する際、第1歯300と接触している第1ローラアセンブリ32の第1ローラ321はシャフト部200を中心に回転することはなく、第3歯310と接触している第2ローラアセンブリ33の第2ローラ331はシャフト部200を中心に回転することはない。第1サイクロイドディスクセット30及び第2サイクロイドディスクセット31の動作は上記の条件によって制限されるため、第1サイクロイドディスクセット30(及び第2サイクロイドディスクセット31)の回転速度は、モータ2の回転速度の(A−N)/A倍である。すなわち、1段階目の減速が達成される。さらに、第3ローラアセンブリ34の第3ローラ341が第1サイクロイドディスクセット30の第2歯301及び第2サイクロイドディスクセット31の第4歯311に押し付けられるので、第3ローラアセンブリ34はシャフト部200を中心に回転する。前述のように、第3ローラ341は環状構造体340の収容空間の内面に取り付けられ、第3ローラアセンブリ34の環状構造体340は動力として用いられる。したがって、環状構造体340の回転速度は、モータ2の回転速度の((A×M)−(B×N))/(A×M)倍である。すなわち、2段階目の減速が達成される。
【0041】
一実施形態では、第1ローラ321の数は少なくとも1つの第1歯300の歯数より1多く、第2ローラ331の数は少なくとも1つの第3歯310の歯数より1多く、第3ローラアセンブリ34の第3ローラ341の数は、少なくとも1つの第2歯301の歯数又は少なくとも1つの第4歯311の歯数よりも1多い。すなわち、少なくとも1つの第1歯300の歯数Aが(N−1)に等しく、少なくとも1つの第3歯310の歯数Aが(N−1)に等しく、少なくとも1つの第2歯301の歯数Bが(M−1)に等しく、少なくとも1つの第4歯311の歯数Bは(M−1)に等しい。したがって、第1サイクロイドディスクセット30(及び第2サイクロイドディスクセット31)の回転速度は、モータ2の回転速度の1/(N−1)倍である。前述のように、第3ローラアセンブリ34の環状構造体340は動力として用いられる。したがって、環状構造体340の回転速度は、モータ2の回転速度の(N−M)/((N−1)×M)倍である。
【0042】
図4は、減速機のモータのロテータ部の部分構造の変形例である。この実施形態では、第1ロテータケーシング214は環状壁部2141を備える。図2と比較すると、第1ロテータケーシング214はベース部分2140を備えていない。
【0043】
図5は、本発明の第2実施形態における動力源を有する減速機の概略断面図である。この実施形態においては、図4に示すように、ロテータ部21は第1ロテータケーシング214を備える。図5に示すように、ロテータケーシングベアリングセットの第1ロテータケーシングベアリング2143は第1減速機ケーシング320の内周とロテータケーシングアセンブリ210の外周との間に配置され、ロテータケーシングベアリングセットの第2ロテータケーシングベアリング2151は第2減速機ケーシング330の内周とロテータケーシングアセンブリ210の外周の間に配置されている。ロテータ部21とステータ部20の間の磁気相互作用に応答して、ロテータ部21はロテータケーシングベアリングセットを介してステータ部20に対して相対的に回転する。
【0044】
図6は、本発明の第3実施形態における動力源を有する減速機の概略分解図である。この実施形態においては、モータ2はアキシャルフラックスモータである。したがって、減速機全体の厚みが減少する。図6に示すように、モータ2はステータ部60と、ロテータ部61と、シャフト部62とを備える。ステータ部60及びロテータ部61は、シャフト部62上に取り付けられている。すなわち、シャフト部62はステータ部60とロテータ部分61の中央部に位置する。この実施形態においては、ロテータ部61はロテータケーシングアセンブリ610と、第1偏心リング611と、第2偏心リング612とを備える。ロテータケーシングアセンブリ610は、ステータ部60及びシャフト部62の一部を収容するための中空構造を有する。シャフト部62がロテータケーシングアセンブリ610の中空構造内に収容されると、シャフト部62の第1端部及び第2端部はロテータケーシングアセンブリ610の対向する2面からそれぞれ突出する。第1偏心リング611と第2偏心リング612は隣同士に配置され、ロテータケーシングアセンブリ610の外面から突出している。ロテータ部61が回転すると、第1偏心リング611と第2偏心リング612はシャフト部62に対して偏心回転する。第1偏心リング611の偏心方向と第2偏心リング612の偏心方向とは、互いに反対である。
【0045】
ステータ部60は鉄心アセンブリ600をさらに備える。鉄心アセンブリ600はシャフト部62の周囲に配置されている。ロテータ部61は少なくとも1つの磁石616及びコイルアセンブリ617をさらに備える。コイルアセンブリ617は磁石616の周囲に外装される。例えば、磁石616は円弧状の磁石や環状の磁石である。磁石616はロテータケーシングアセンブリ610の中空構造の内面に取り付けられている。磁石616はステータ部60と相互作用して磁力を発生する。この磁力に応じて、ロテータ部61は磁石616によって回転駆動される。
【0046】
ロテータケーシングアセンブリ610は、第1ロテータケーシング613と第2ロテータケーシング614とを備える。第1ロテータケーシング613は環状壁部を備える。第2ロテータケーシング614は円板構造を有する。第2ロテータケーシング614の大きさは、第1ロテータケーシング613の環状壁部の内部空間の大きさと一致する。ステータ部60が第1ロテータケーシング613内に収容されたのち、第1ロテータケーシング613の環状壁部の内部空間は第2ロテータケーシング614によって覆われ、ステータ部60は第1ロテータケーシング613と第2ロテータケーシング614とによって共同で覆われる。第2ロテータケーシング614は穿孔615を有する。シャフト部62の第2端部は穿孔615に位置を揃えて挿入される。
【0047】
図7図8及び図9を参照されたい。図7は本発明の第4実施形態における動力源を有する減速機の概略断面図である。図8は、図7に示した減速機の概略分解図である。図9は、図7に示した減速機の第1サイクロイドディスクセットの第1サイクロイドディスクの概略透視図である。この実施形態の減速機1'の構成、動作原理及び減速比は第1実施形態のそれらと同様である。第1実施形態と対応する部分と要素には同一参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0048】
図1及び図2の第1実施形態と比較すると、この実施形態の第1サイクロイドディスクセット及び第2サイクロイドディスクセットの構造には違いがある。この実施形態においては、第1サイクロイドディスクセットは第1サイクロイドディスク30'のみを備え、第2サイクロイドディスクセットは第2サイクロイドディスク31'のみを備える。第1サイクロイドディスク30'の構造及び第2サイクロイドディスク31'の構造は類似している。したがって、第1サイクロイドディスク30'の構造のみを図9に示した。第1サイクロイドディスク30'は、複数の第1ローラ321に対応する第1環状溝304を有する。第1サイクロイドディスク30'の第1歯300は第1環状溝304の内周上に形成され、対応する第1ローラ321と接触している。第1サイクロイドディスク30'の第2歯301は第1サイクロイドディスク30'の外周から突出し、対応する第3ローラ341と接触している。第2サイクロイドディスク31'は、複数の第2ローラ331に対応する第2環状溝314を有する。第2サイクロイドディスク31'の第3歯310は、第2環状溝314の内周上に形成され、対応する第2ローラ331の少なくとも1つと接触している。第2サイクロイドディスク31'の第4歯311は第2サイクロイドディスク31'の外周から突出し、対応する第3ローラ341の少なくとも1つと接触している。一実施形態では、少なくとも1つの第1歯300の歯数と少なくとも1つの第2歯301の歯数が異なり、少なくとも1つの第3歯310の歯数と少なくとも1つの第4歯311の歯数が異なる。
【0049】
減速機1'を用いて要求減速比を達成する原理を以下に説明する。例えば、第1ローラアセンブリ32の第1ローラ321の数をN、第2ローラアセンブリ33の第2ローラ331の数をN、第3ローラアセンブリ34の第3ローラ341の数をMとする。少なくとも1つの第1歯300の歯数をA、少なくとも1つの第3歯310の歯数をA、少なくとも1つの第2歯301の歯数をB、少なくとも1つの第4歯311の歯数をBとする。モータ2のロテータ部21が回転している間、ロテータ部21に設置された第1偏心リング211と第2偏心リング212はロテータ部21と同期回転する。第1偏心リング211と第2偏心リング212が回転する際、第1歯300に接触している第1ローラアセンブリ32の第1ローラ321がシャフト部200を中心に回転することはなく、第3歯310に接触している第2ローラアセンブリ33の第2ローラ331がシャフト部200を中心に回転することはない。第1サイクロイドディスクセット及び第2サイクロイドディスクセットの動作は上記条件によって制限されるため、第1サイクロイドディスクセット(及び第2サイクロイドディスクセット)の回転速度はモータ2の回転速度の(A−N)/A倍となる。すなわち、1段階目の減速が達成される。また、第3ローラアセンブリ34の第3ローラ341が第1サイクロイドディスクセットの第2歯301と第2サイクロイドディスクセットの第4歯311に押し付けられるので、第3ローラアセンブリ34はシャフト部200を中心に回転する。前述したように、環状構造体340の収容空間の内面上には第3ローラ341が取り付けられ、第3ローラアセンブリ34の環状構造体340は動力として使用される。したがって、環状構造体340の回転速度は、モータ2の回転速度の((A×M)−(B×N))/(A×M)倍となる。すなわち、2段階目の減速が達成される。
【0050】
一実施形態では、第1ローラ321の数は少なくとも1つの第1歯300の歯数より1多く、第2ローラ331の数は少なくとも1つの第3歯310の歯数より1多く、第3ローラアセンブリ34の第3ローラ341の数は少なくとも1つの第2歯301の歯数又は少なくとも1つの第4歯311の歯数よりも1多い。即ち、少なくとも1つの第1歯300の歯数Aが(N−1)に等しく、少なくとも1つの第3歯310の歯数Aが(N−1)に等しく、少なくとも1つの第2歯301の歯数Bは(M−1)に等しく、少なくとも1つの第4歯311の歯数は(M−1)に等しい。したがって、第1サイクロイドディスクセット(及び第2サイクロイドディスクセット)の回転速度は、モータ2の回転速度の1/(N−1)倍である。上述したように、第3ローラアセンブリ34の環状構造体340は動力として利用される。したがって、環状構造体340の回転速度は、モータ2の回転速度の(N−M)/((N−1)×M)倍である。
【0051】
以上の説明のように、本発明は動力源を有する減速機を提供するものである。減速機は、モータと減速機構を備える。モータと減速機構は組み合わされ一体構造となっている。モータは、減速機の半径方向内面に位置している。減速機構は、減速機の半径方向外面に位置している。ロテータ部が回転している間、第1サイクロイドディスクセットは第1偏心リングと共に回転し、第2サイクロイドディスクセットは第2偏心リングと共に回転する。第1ローラアセンブリ及び第2ローラアセンブリが回転することはないが、第3ローラアセンブリは回転可能であり、第1サイクロイドディスクセット及び第2サイクロイドディスクセットは、第1ローラアセンブリ、第2ローラアセンブリ、及び3ローラアセンブリと相互作用する。このようにして、2段階で減速させる目的を達成することができる。モータと減速機構を連結するために別途シャフトカップリングを使用する必要がないので、減速機の容積及び重量が低減される。2段階減速により、高減速比の実現という目的が達成される。減速機の減速機構は、第1サイクロイドディスクセットと第2サイクロイドディスクセットを含む。単一サイクロイドディスクを有する減速機と比較して、本発明の減速機は高剛性を有し、より高い負荷に耐えることができる。また、第1サイクロイドディスクセット及び第2サイクロイドディスクセットは、偏心方向が反対の第1偏心リング及び第2偏心リング上にそれぞれ取り付けられる。その結果、減速機は動的バランスを実現できる。
【0052】
本発明は、最も実用的で好ましい実施形態であると現在考えられるものに関して説明されているが、本発明は開示された実施形態に限定される必要はないことを理解されたい。逆に、最も広い解釈に従う添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内に含まれる様々な改変及び類似の構成を包含し、そのような改変及び類似構造すべてを包含することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9