特許第6684322号(P6684322)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本ワイパブレード株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6684322-ワイパーブレード用カバー部材 図000002
  • 特許6684322-ワイパーブレード用カバー部材 図000003
  • 特許6684322-ワイパーブレード用カバー部材 図000004
  • 特許6684322-ワイパーブレード用カバー部材 図000005
  • 特許6684322-ワイパーブレード用カバー部材 図000006
  • 特許6684322-ワイパーブレード用カバー部材 図000007
  • 特許6684322-ワイパーブレード用カバー部材 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6684322
(24)【登録日】2020年3月31日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】ワイパーブレード用カバー部材
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/38 20060101AFI20200413BHJP
【FI】
   B60S1/38 D
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-144623(P2018-144623)
(22)【出願日】2018年7月31日
(65)【公開番号】特開2020-19370(P2020-19370A)
(43)【公開日】2020年2月6日
【審査請求日】2018年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000230515
【氏名又は名称】株式会社デンソーワイパシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100106644
【弁理士】
【氏名又は名称】戸塚 清貴
(72)【発明者】
【氏名】吉田 涼太
【審査官】 小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−016719(JP,A)
【文献】 実開昭61−070172(JP,U)
【文献】 特開2010−163133(JP,A)
【文献】 特開平10−081207(JP,A)
【文献】 特表2011−512286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被払拭面を払拭する払拭部材と前記払拭部材を支持する支持部とを備えたワイパーブレードに備えられ、前記支持部を被覆するワイパーブレード用カバー部材において、
前記支持部は、前記払拭部材に設けられた被保持部を収容して保持する保持部を備え、
前記ワイパーブレード用カバー部材は、前記被保持部と前記保持部の間に配置される凹部を備え、
前記凹部の内周面上に、前記内周面から突起して前記被保持部の外周面に接触する少なくとも1つの突起部を備え、
前記被保持部と前記保持部は、互いに長手方向から組み付けられるようになっており、
前記ワイパーブレード用カバー部材は、前記支持部の全体を覆う可撓性を有する筒状部材であり、
前記凹部は、前記ワイパーブレード用カバー部材の一部を内側に撓ませて形成され、前記被保持部と前記保持部の長手方向全長にわたって延びており、
前記突起部は、前記凹部の長手方向全長にわたって延びているワイパーブレード用カバー部材。
【請求項2】
前記凹部は、前記被保持部の上面に対向して配置される天井部と、前記被保持部の側面に対向して配置される側部を備え、
前記突起部は、少なくとも前記天井部に設けられている請求項1に記載のワイパーブレード用カバー部材。
【請求項3】
前記突起部は、前記天井部上に間隔をもって複数設けられている請求項2に記載のワイパーブレード用カバー部材。
【請求項4】
前記凹部は、前記被保持部の上面に対向して配置される天井部と、前記被保持部の側面に対向して配置される側部を備え、
前記突起部は、前記天井部と前記側部の両方に設けられている請求項1に記載に記載のワイパーブレード用カバー部材。
【請求項5】
前記突起部は、前記被保持部側を向いた湾曲形状を有している請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワイパーブレード用カバー部材。
【請求項6】
前記突起部は、前記被保持部側に頂点が向いた三角形断面形状を有している請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワイパーブレード用カバー部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寒冷地等で防水のために使用されるワイパーブレードに備えられるワイパーブレード用カバー部材に関する。
【背景技術】
【0002】
寒冷地(降雪地)等において用いられるワイパーブレードには、ワイパーブレード本体(払拭部材を支持する支持部)を覆うカバー部材(例えばゴム製のフード)を備えたものがある。このようなフード付きワイパーブレード(いわゆるウインターブレード)においては、フードがワイパーブレード本体の内側への雪や水の浸入を防ぐことにより、雪や凍結した水等がワイパーブレードの機能(例えば、支持部を構成する複数のレバーの回動動作)を阻害してしまうことが防止されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−4846号公報
【特許文献2】特開2012−224126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図7には、このような従来のワイパーブレードを断面図で示す。図示されるように、ワイパーブレード101は、ゴム製の払拭部材であるブレードラバー部102と、ブレードラバー部102を支持する支持部103と、支持部103の外側を被覆するカバー部材であるゴム製のフード110を備えている。支持部103には、バーティブラ103Aが備えられており、ブレードラバー部102の頭部102Aが支持部103のバーティブラ103Aに組み付けられることにより、ブレードラバー部102が支持部103に支持されるようになっている。
【0005】
このような構成において、支持部103の外側を覆うフード110の一部は、バーティブラ103Aと頭部102Aの間に挟み込まれた状態となる。このため、頭部102Aをバーティブラ103Aに組み付ける際に、共にゴムからなるフード110と頭部102Aとの間に生じる摩擦抵抗によって、組み付け作業の効率が低下してしまうことがあった。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、組み付け作業を容易化でき、製造工程を効率化し得るワイパーブレード用カバー部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、被払拭面を払拭する払拭部材と前記払拭部材を支持する支持部とを備えたワイパーブレードに備えられ、前記支持部を被覆するワイパーブレード用カバー部材において、前記支持部は、前記払拭部材に設けられた被保持部を収容して保持する保持部を備え、前記ワイパーブレード用カバー部材は、前記被保持部と前記保持部の間に配置される凹部を備え、前記凹部の内周面上に、前記内周面から突起して前記被保持部の外周面に接触する少なくとも1つの突起部を備え、前記被保持部と前記保持部は、互いに長手方向から組み付けられるようになっており、前記ワイパーブレード用カバー部材は、前記支持部の全体を覆う可撓性を有する筒状部材であり、前記凹部は、前記ワイパーブレード用カバー部材の一部を内側に撓ませて形成され、前記被保持部と前記保持部の長手方向全長にわたって延びており、前記突起部は、前記凹部の長手方向全長にわたって延びている。
【0009】
前記凹部は、前記被保持部の上面に対向して配置される天井部と、前記被保持部の側面に対向して配置される側部を備え、前記突起部は、少なくとも前記天井部に設けられていてもよい。
【0010】
前記突起部は、前記天井部上に間隔をもって複数設けられていてもよい。
【0011】
前記凹部は、前記被保持部の上面に対向して配置される天井部と、前記被保持部の側面に対向して配置される側部を備え、前記突起部は、前記天井部と前記側部の両方に設けられていてもよい。
【0012】
前記突起部は、前記被保持部側を向いた湾曲形状を有していてもよい。
【0013】
前記突起部は、前記被保持部側に頂点が向いた三角形断面形状を有していてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ワイパーブレード(例えばワイパーブレード1)に備えられるワイパーブレード用カバー部材(例えばフード10、40、50)において、払拭部材(例えばブレードラバー部2)の被保持部(例えば頭部21)と支持部(例えば支持部3)の被保持部(例えばバーティブラ34)の間に配置される凹部(例えば凹部12)に、被保持部の外周面と接触する突起部(例えば突起部13、13A、13B、14、14A、14B)を設けたので、被保持部の外周面全体が凹部の内周面(被保持部側を向いた面)全体と接触する場合と比較して、被保持部と凹部との接触面積を大幅に小さくできる。したがって、払拭部材の支持部への組み付け作業(すなわち、被保持部の保持部への装着作業)において、被保持部と凹部の間に生じる摩擦抵抗を大幅に低減できるので、組み付け作業を容易化でき、ワイパーブレードの製造工程を効率化できる。
【0015】
被保持部と保持部が互いに長手方向から組み付けられ、凹部が被保持部と保持部の長手方向全長にわたって延び、突起部が凹部の長手方向全長にわたって延びているようにすれば、被保持部と保持部の組み付け作業時において、被保持部の保持部内に組み付けられた部分全体が突起部と接触し続けるようにでき、また凹部に長手方向(組み付け方向)の適度な剛性を持たせることもできるので、凹部にヨレが生じ難くなり、組み付け作業を安定して行うことができる。また、保持部内に収容された被保持部は、長手方向全長にわたって突起部と接触した状態となるので、安定して保持される。
【0016】
凹部に、被保持部の上面(例えば上面21A)に対向する天井部(例えば天井部12A)と、被保持部の側面(例えば側面21B)に対向する側部(例えば側部12B)を備え、突起部(例えば突起部13、13A、13B)が、少なくとも天井部に設けられるようにすれば、比較的接触面積が大きくなる被保持部の上面と天井部の間に、突起部が設けられることになり、被保持部と凹部の間の接触面積及び摩擦抵抗の低減を効果的に達成できる。
【0017】
凹部の天井部に、間隔をもって配置された複数の突起部(例えば突起部13A、13B)を設けるようにすれば、突起部が天井部にしか設けられていない場合でも、凹部と被保持部の接触状態が安定するので、組み付け作業をスムーズに実行できる。
【0018】
突起部を凹部の天井部と側部の両方に設けるようにすれば、凹部と被保持部の接触状態が安定し、安定した組み付け作業を行うことができる。
【0019】
突起部が被保持部側を向いた湾曲形状(例えば半円断面形状)を有するようにすれば、突起部と被保持部の接触面積は必要最小限とでき、組み付け時の摩擦抵抗を極めて小さくできる。また、突起部に角部が存在している場合と比較して、被保持部との接触状態も安定する。
【0020】
突起部が被保持部側に頂点が向いた三角形断面形状を有するようにすれば、突起部と被保持部は三角形断面の頂点で接触するので、突起部と被保持部の接触面積は非常に小さくなり、組み付け時の摩擦抵抗を極めて小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態のカバー部材であるフードを備えたワイパーブレードの全体構成を示す側面図である。
図2図1のA−A断面図である。
図3】本発明の第1実施形態のフードを示す断面図である。
図4】本発明の第1実施形態のフードの一部を示す斜視図である。
図5】本発明の第2実施形態のフードを示す断面図である。
図6】本発明の第3実施形態のフードを示す断面図である。
図7】従来のワイパーブレードを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
図1及び図2には、本発明の第1実施形態のカバー部材であるフード10を備えたワイパーブレード1の全体構成を示す。なお、図1においては、フード10のみが断面で示され、フード10内に収容される各構成が側面図で示されている。
【0023】
図示されるように、ワイパーブレード1は、被払拭面(例えば自動車のガラス面)を払拭する払拭部材であるブレードラバー部2と、ブレードラバー部2を支持する支持部3と、支持部3の外側を被覆するカバー部材であるフード10と、支持部3の両側端部に設けられてフード10の端部を閉止するエンドキャップ4を備えている。
【0024】
ブレードラバー部2は、ワイパーブレード1の全長にわたって延びる長尺部材であり、例えばゴムから形成されている。ブレードラバー部2は、上側(支持部3側)の頭部21と、下側(被払拭面側)の脚部22と、頭部21と脚部22の間で幅の狭くなった首部23とを備えている。ワイパーブレード1の使用時には、脚部22の下端が被払拭面上に接触して配置され、被払拭面に沿って動かされることにより、被払拭面が払拭されるようになっている。
【0025】
ブレードラバー部2の頭部21は、矩形断面形状を有する部分であり、平坦な上面21Aと、上端面21Aの両側辺から垂直下方に延びる両側の側面21Bを備えている。
【0026】
支持部3は、プライマリレバー31と、セカンダリレバー32と、ヨークレバー33と、バーティブラ34とを備えている。プライマリレバー32は、支持部3の長手方向の中央に配置されており、その上部にはクリップホルダ35が設けられ、このクリップホルダ35に装着された結合部材(図示せず)を介して、ワイパーブレード1のワイパーアーム(図示せず)への連結がなされるようになっている。
【0027】
セカンダリレバー32は、プライマリレバー31の両側端部に回動可能に連結されている。また、ヨークレバー33は、セカンダリレバー32の一端(ワイパーブレード1の長手方向の外側の端部)に回動可能に連結されている。セカンダリレバー32の他端(ワイパーブレード1の長手方向の内側の端部)とヨークレバー33の両側端部は、それぞれバーティブラ34及びブレードラバー部2を把持するための爪部32A、33Aとなっている。
【0028】
バーティブラ34は、ブレードラバー部2と略同じ長さを有する長尺部材であって、例えば金属から形成されている。バーティブラ34によって、支持部3からブレードラバー部2に及ぼされる力がブレードラバー部2の長手方向全長にわたって均等に分散されるようになっている。
【0029】
バーディブラ34は、ブレードラバー部2の頭部21がちょうど収容される略コの字型断面形状の収容部34Aを備えている。収容部34Aの下端には、内側に延び出す両側の保持片34Bが設けられている。
【0030】
ブレードラバー部2の頭部21は、ワイパーブレード1の長手方向からバーティブラ34の収容部34A内に組み付けられるようになっている。このような組み付けにより、収容部34A内に収容された頭部21は、保持片34Bによって下側から抱え込まれ、収容部34A内に保持される。
【0031】
図3及び図4にも示すように、フード10は、可撓性を有する筒状部材であり、例えばゴムからなっており、例えばコンプレッション成形又はトランスファ成形によって形成される。支持部3は、フード10の中空部11(筒形状の内側)に収容されることにより、全体がフード10により覆われるようになっている。
【0032】
フード10の下端部には、フード10の外側表面の一部を内側に向けて窪ませて形成された凹部12が設けられている。凹部12は、フード10の長手方向全長にわたって延びている。ブレードラバー部2の頭部21がバーティブラ34の収容部34A内に組み付けられた際には、凹部12は、頭部21とバーティブラ34の間に挟み込まれた状態で配置され、ブレードラバー部2の頭部21が、凹部12内に収容された状態となる。
【0033】
凹部12は、ブレードラバー部2の頭部21に対応した形状を有しており、頭部21の上面21Aに対向して配置される天井部12Aと、頭部21の両側側面21Bに対向して配置される両側の側部12Bを備えている。また、凹部12の天井部12Aと対向する下側は、開口部21Cとなっており、この開口部21Cから、ブレードラバー部2の脚部22が凹部12の外側に延び出すようになっている。
【0034】
凹部12の内周面(天井部12Aと側部12Bの内向き面)には、突起部13、14が設けられている。本実施形態においては、天井部12Aの左右中央付近に1個の突起部13が、また、両側の側面12Bの各々に1個ずつの突起部14が、それぞれ設けられている。
【0035】
突起部13、14は、いずれもフード10の長手方向全長にわたって延びている。また、突起部13、14は、頭部21側を向いた湾曲形状(長手方向に直交する断面が略半円形となる形状)を有するように形成されている。
【0036】
このような構成により、ブレードラバー部2の頭部21が凹部12内に収容されたときには、頭部21の上面21Aは突起部13の頂部に、また頭部21の側面21Bは突起部14の頂部にそれぞれ接触して、凹部12の天井部12A及び側部12Bの内周面には直接接触しない状態となる。したがって、バーティブラ34内に配置された凹部12の内側にブレードラバー部2の頭部21をフード10の長手方向に沿って挿入していく組み立て作業においては、頭部21と凹部12の接触部分を突起部13及び14のみとできるので、接触面積を小さくでき、結果として、頭部21と凹部12との間に生じる摩擦抵抗を低減できる。よって、ワイパーブレード1の組み付け作業はスムーズに行うことができ、製造工程を効率化できる。
【0037】
また、突起部13、14は、フード10の長手方向全長にわたって延びているので、頭部21を凹部12内に挿入していく際には、頭部21の凹部12内に挿入された部分の長手方向全長が、突起部13、14と接触し続けるようにでき、また、凹部12に長手方向(組み付け方向)の適度な剛性を持たせることもできる。したがって、フード10(凹部12)にヨレが生じ難することができ、組み付け作業を安定して行うことが可能となる。また、凹部12内に組み付けられた頭部21は、長手方向全長が突起部13、14と当接した状態となるので、安定して保持される。
【0038】
また、突起部13、14は、湾曲形状を有しているので、頭部21の上面21A、側面21Bとの接触面積は必要最小限とでき、組み付け時の摩擦抵抗を極めて小さくできる。また、突起部13、14に角部が存在している場合と比較して、頭部21との接触状態も安定する。
【0039】
図5には、本発明の第2実施形態におけるフード40を示す。本実施形態のフード40は、上記第1実施形態のフード10と比較して、凹部12の内周面に設けられた突起部の数のみが異なっている。よって、以下の説明では、フード10と同様の構成については、同一の符号で示して、説明を省略する。
【0040】
本実施形態のフード40においては、凹部12の天井部12Aに、2個の突起部13A、13Bが設けられ、また両側の側面12Bにも、それぞれ2個の突起部14A、14Bが設けられている。突起部13Aと13Bは、天井部12A上で、互いに所定の間隔をもって配置され、フード40の長手方向に平行に延びている。同様に、突起部14Aと14Bは、側面12B上で、互いに所定の間隔をもって配置され、フード40の長手方向に平行に延びている。このような構成により、頭部21は、上面21A及び側面21Bの各々において、複数の突起部13A、13B及び突起部14A、14Bと当接することになるので、頭部21と突起部の接触状態が、より安定する。結果として、凹部12内へのフード40の組み付け作業をスムーズに行うことができる。
【0041】
図6には、本発明の第3実施形態におけるフード50を示す。本実施形態のフード50は、上記第2実施形態のフード40と比較して、凹部12の天井部12Aにのみ、突起部13A、13Bが設けられており、側部12Bには、突起部が設けられていない点だけが異なったものである。このように、本実施形態によれば、比較的面積が広く、頭部21の上面21Aとの間で大きな摩擦抵抗が生じ得る天井部12Aにのみ、突起部13A、13Bを設けることにより、より簡素な構成で、効果的に組み付け時における摩擦抵抗の低減を達成できる。
【0042】
なお、上記各実施形態は、凹部12に設けられる突起部の例を示したものであり、本発明の適用範囲は、これらの実施形態に限定されるものではない。例えば、凹部12の天井部12A及び側部12Bに設けられる突起部の数は特に限定されず、3個以上の突起部を用いてもよい。また、凹部12の側部12Bにのみ突起部を設ける構成も考えられる。また、凹部12の側部12Bの下端部分(バーティブラ34の保持片34Aの上方に配置される部分)に、突起部を設けた構成を採用することも可能である。
【0043】
なお、上記各実施形態では、突起部を湾曲形状(長手方向に直交する断面が略半円形となる形状)のものとしたが、本発明は、このような形態に限られるものではなく、突起部と被保持部の接触面積を小さくするための形態としては、様々な形態を採用し得る。例えば、突起部として、被保持部(頭部21)側に頂点が向いた三角形断面形状(長手方向に直交する断面が三角形となる形状)の突起部を採用し、三角形断面の頂点において、突起部と被保持部が接触するようにしてもよい。このような形態によっても、突起部と被保持部の接触面積は非常に小さくなり、組み付け時の摩擦抵抗を極めて小さくできる。
【符号の説明】
【0044】
1 ワイパーブレード
2 ブレードラバー部
3 支持部
4 エンドキャップ
10 フード
11 フードの中空部
12 フードの凹部
12A 凹部の天井部
12B 凹部の側部
12C 凹部の開口部
13 突起部
13A、13B 突起部
14 突起部
14A、14B 突起部
21 ブレードラバー部の頭部
21A 頭部の上面
21B 頭部の側面
22 ブレードラバー部の脚部
23 ブレードラバー部の首部
31 プライマリレバー
32 セカンダリレバー
32A セカンダリレバーの爪部
33 ヨークレバー
33A ヨークレバーの爪部
34 バーティブラ
34A バーティブラの収容部
34B バーティブラの保持片
35 クリップホルダ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7