(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6684325
(24)【登録日】2020年3月31日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】使用時泡状を呈する外用医薬の製造方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/573 20060101AFI20200413BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20200413BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20200413BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20200413BHJP
A61K 31/661 20060101ALI20200413BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20200413BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20200413BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20200413BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20200413BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20200413BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
A61K31/573
A61P17/00
A61P17/06
A61P29/00
A61K31/661
A61K47/22
A61K47/14
A61K9/12
A61K47/34
A61K47/44
A61K47/26
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-160895(P2018-160895)
(22)【出願日】2018年8月29日
(62)【分割の表示】特願2015-22654(P2015-22654)の分割
【原出願日】2015年1月22日
(65)【公開番号】特開2018-199707(P2018-199707A)
(43)【公開日】2018年12月20日
【審査請求日】2018年8月29日
(31)【優先権主張番号】特願2014-25869(P2014-25869)
(32)【優先日】2014年1月27日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】507029007
【氏名又は名称】株式会社ポーラファルマ
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100196313
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 大輔
(72)【発明者】
【氏名】増田 孝明
(72)【発明者】
【氏名】小林 浩一
【審査官】
石井 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−157803(JP,A)
【文献】
特開2013−095898(JP,A)
【文献】
特開2010−222323(JP,A)
【文献】
特開2013−155143(JP,A)
【文献】
特開2012−214422(JP,A)
【文献】
特開2003−055160(JP,A)
【文献】
特開2012−126668(JP,A)
【文献】
特開2004−035458(JP,A)
【文献】
特開2007−137813(JP,A)
【文献】
特開昭61−210023(JP,A)
【文献】
特開2002−161020(JP,A)
【文献】
特開平03−072433(JP,A)
【文献】
特開2006−137722(JP,A)
【文献】
特開平08−291050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−31/80
A61K 9/00− 9/72
A61K 47/00−47/69
A61K 8/00− 8/99
A61P 17/00
A61P 17/06
A61P 29/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)有効成分と、2)極性溶剤と、3)非イオン性界面活性剤とを含む、使用時に泡状である外用医薬の製造方法であって、
1)〜3)を含む混合物を加熱攪拌して前記有効成分を可溶化する加熱攪拌工程と、
加熱攪拌工程を経た前記混合物を攪拌下室温まで冷却する冷却工程と、
冷却工程を経た前記混合物をノンガスタイプのフォーマー容器に充填する充填工程と、を備え、
前記有効成分がコルチゾン、ハイドロコルチゾン、酢酸フルドロコルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン及びクロベタゾール、又はこれらのリン酸エステル、吉草酸エステル、酪酸エステル又はプロピレン酸エステルより選択される1種又は2種以上のステロイド類であり、
前記極性溶剤が、N−アルキル−2−ピロリドン、炭酸ジエステルより選択される1種又は2種以上であり、
前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンが付加されていても良い脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加されていても良いソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンのアルキル乃至はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、脂肪酸ジエタノールアミド及び水素添加されていても良いポリオキシエチレンヒマシ油から選択されるものであることを特徴とする、外用医薬の製造方法。
【請求項2】
前記有効成分が、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルであることを特徴とする、請求項1に記載の外用医薬の製造方法。
【請求項3】
前記外用医薬が、1,3−ブチレングリコール又はプロピレングリコールを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の外用医薬の製造方法。
【請求項4】
前記外用医薬が、更に、アニオン性界面活性剤を含有することを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の外用医薬の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外用医薬の製造方法に関し、さらに詳細には、使用時に泡状を呈する外用医薬の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
外用医薬の製剤には大きく分類して、ローション製剤、軟膏製剤、クリーム製剤、噴霧エアゾル製剤、泡沫エアゾルの5種の製剤が存在する。この内、噴霧エアゾル製剤、泡沫エアゾル製剤は、ともに均一且つ広域に患部へ物理的刺激を低減した形で薬剤を投与できることから注目を浴びている(例えば、特許文献1を参照)。その一方で、エアゾルの噴出用のガス組成物自体が皮膚に刺激を与える可能性が高いこともすでに知られている(例えば、特許文献2を参照)。これを避ける手段としては、発泡用のガスを充填せずに、ポンプ式フォーマーで泡沫などを形成する手段が存在する。しかしながら、エアゾル発泡とは異なり、ガスによる気化圧力と、気化したガスの物理化学的性質の関与がないため、発泡機序が全く異なり、この様なポンプ式フォーマーにより泡沫を形成するポンプ式フォーマー用組成物においても、溶剤成分や多価アルコールによる泡沫形成性、泡の持続性、泡のきめ細かさ等の泡質、べたつき、つっぱり感などの使用感、目詰まりによる吐出不良、液ダレ(泡ダレ)の発生、有効成分と製剤成分との望ましくない相互作用、有効成分の溶状、製造安定性、皮膚刺激などの安全性に関する副作用等の課題が存在し、その処方的自由度は極めて小さいものと言わざるを得ない。特に、界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤やカチオン性界面活性剤に発泡を依存する場合が多く、洗浄行為を伴う使用態様のものがほとんどであった。このため、ポンプ式フォーマー用の組成物において、上記の様な課題を解決する方法が求められていた。
【0003】
一方、炭酸プロピレンなどの極性溶剤を泡沫形成エアゾルで使用することは既になされていたが(例えば、特許文献3、特許文献4を参照)、ポンプ式フォーマー用の組成物で使用されたことは発明者の知る限り行われていない。これは、ポンプ式フォーマーによる発泡が、発泡ガスによる発泡よりも発泡性が悪く、加えて、発泡条件が極めて限られ使用に不適であると考えられているためである。
【0004】
さらに、ビタミン類を含有する発泡性医薬組成物としては、噴射ガスを使用した乾癬の局所治療用加圧型発泡性組成物(例えば、特許文献5を参照)が、さらに、ポンプフォーマー用組成物としては、化粧料として、1)尿素と、2)ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE,ビタミンK及びそれらの誘導体からなる群より選択される脂溶性ビタミンの1種又は2種以上と、3)乳酸、リン酸、クエン酸、エデト酸及びそれらの塩からなる群より選択される1種又は2種以上と、4)HLB値が10以上である非イオン性界面活性剤の2種以上を含有する透明化粧料(例えば、特許文献6を参照)などが知られている。また、ステロイドを含有する発泡性皮膚外用剤としては、エタノールとプロピレングリコールとを溶剤として、有効成分としてプロピオン酸クロベタゾールを含有し、プロパン、イソブタンなどの噴射剤を含有する医薬組成物が知られている(例えば、特許文献7を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−314494号公報
【特許文献2】特開平10−158122号公報
【特許文献3】特開2006−137722号公報
【特許文献4】特開平08−291050号公報
【特許文献5】特開2008−502663号公報
【特許文献6】特開2004−035458号公報
【特許文献7】特表2007−500235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような状況下為されたものであり、ビタミン類、ステロイド類などの有効成分を含有するポンプ式フォーマー用の組成物において、該有効成分と製剤成分との関係において生じる課題を解決するものであり、中でも、ビタミン類、ステロイドの塗布の均一性を高める手段を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、ポンプ式フォーマー用の組成物において、ビタミン類、ステロイド類などの有効成分と製剤成分との関係において生じる課題、とりわけ塗布の均一性を解決する手段を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)有効成分と、2)極性溶媒と、3)非イオン性界面活性剤とを含有する外用医薬組成物であって、前記有効成分は可溶化されており、使用時に泡状である、ポンプ式フォーマー用の外用医薬組成物に、ビタミン類、ステロイドなどの有効成分の均一性を高めるような特性を見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示すとおりである。
<1> 1)有効成分と、2)極性溶剤と、3)非イオン性界面活性剤とを含有する外用医薬組成物であって、前記有効成分は可溶化されており、使用時に泡状であることを特徴とする、外用医薬組成物。
<2> 前記有効成分として、ビタミン類及び/又はステロイドを選択することを特徴とする、<1>に記載の外用医薬組成物。
<3> 前記ビタミン類は、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB又はその誘導体、油溶性ビタミンC、ビタミンD又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体、ビタミンK又はその誘導体、から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の外用医薬組成物。
<4> 前記ステロイドは、ベタメタゾンの短鎖カルボン酸ジエステル及びクロベタゾールの短鎖カルボン酸エステルから選択されるものであることを特徴とする、<1>〜<3>何れかに記載の外用医薬組成物。
<5> 前記極性溶剤が、N−アルキル−2−ピロリドン、炭酸ジエステル、クロタミトン、多価アルコールのアシル化物及びエーテル化物より選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、<1>〜<4>何れかに記載の外用医薬組成物。
<6> 前記非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンが付加されていても良い脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加されていても良いソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンのアルキル乃至はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、脂肪酸ジエタノールアミド及び水素添加されていても良いポリオキシエチレンヒマシ油から選択されるものであることを特徴とする、<1>〜<5>何れかに記載の外用医薬組成物。
<7> 更に、アニオン性界面活性剤を含有することを特徴とする、<1>〜<6>何れかに記載の外用医薬組成物。
<8> 使用時に形成される泡は、ポンプ式フォーマーによるものであることを特徴とする、<1>〜<7>何れかに記載の外用医薬組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ポンプ式フォーマー用の組成物において、ビタミン類、ステロイド類などの有効成分と製剤成分との関係において生じる課題を解決する手段を提供することが出来る。ビタミン類及び/又はステロイド類においては、特に、これらの均一性を高める手段を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<1>本発明の外用医薬組成物の必須成分である有効成分
本発明の外用医薬組成物は、必須成分としてビタミン類、ステロイド類などの有効成分を含有することを特徴とする。本発明の外用医薬組成物に含有させることができる有効成分の内、ビタミン類としては、ビタミン類に属する化合物であれば特段の限定なく適用することができ、脂溶性ビタミンが好適に例示できる。前記ビタミン類に属する化合物としては、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB又はその誘導体、油溶性ビタミンC又はその誘導体、ビタミンD又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体、ビタミンK又はその誘導体が好適に例示でき、前記ビタミン類に属する化合物から1種又は2種以上を選択し外用医薬組成物に含有することが出来る。さらに、本発明の外用医薬組成物におけるビタミン類の好ましい含有量は、0.00001〜3質量%、より好ましくは、0.0005〜1質量%、さらに好ましくは、0.0001〜0.1質量%である。これは、ビタミン類の含有量が少なすぎると期待される薬効が発揮されず、多すぎると、ビタミン類が可溶化されず、ビタミン類の均一性が低くなり、保持量が低下し、ビタミン類と製剤成分の好ましくない関係が生じるためである。
【0010】
さらに、本発明の外用医薬組成物に含有することができるステロイドとしては、糖質コルチコイドが好ましく、例えば、コルチゾン、ハイドロコルチゾン、酢酸フルドロコルチゾン等のコルチゾン類、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン等のプレドニゾロン類、デキサメタゾン及びその誘導体、ベタメタゾン及びその誘導体、クロベタゾール及びその誘導体が好適に例示でき、その誘導体としては、リン酸エステル、吉草酸エステル、酪酸エステル、プロピオン酸エステルなどが好ましく例示できる。また、該エステルは1種の酸のエステルであっても、混合酸のエステルでもよい。本発明のステロイドとしては、特に、ベタメタゾンの短鎖カルボン酸ジエステル及びクロベタゾールの短鎖カルボン酸エステルが好ましい。本発明のステロイドは、これらの例示に限定されるものではない。本発明の外用医薬組成物におけるステロイドの好ましい含有量は、0.001〜1質量%、より好ましくは、0.005〜0.5質量%である。これは、ステロイドの含有量が少なすぎると期待される薬効が発揮されず、多すぎると、外用医薬組成物に均一に相溶させ、製剤化することが困難であるためである。
【0011】
また、本発明の外用医薬組成物における有効成分としては、前記ビタミン類、ステロイド類のほか、例えば、テルビナフィン、ブテナフィン等の抗真菌剤、スプロフェン、ケトチフェン、ケトプロフェン、インドメタシン等の抗炎症剤、アジスロマイシン等の抗生剤、タクロリムス、シクロホスファミド等の免疫抑制剤、ナルフラフィンなどの鎮痒剤等が好適に例示でき、これらの好ましい含有量は0.0000001〜10質量%である。
【0012】
さらに、本発明の外用医薬組成物の好ましい形態のひとつとして、前記ビタミン類及びステロイドから2種以上を選択し、両有効成分を組み合わせて使用することが好適に例示できる。本発明のビタミン類、ステロイド類を含有する外用医薬組成物は、皮膚炎症、湿疹、乾癬等の皮膚疾患の処置、即ち、治療、それ以上悪化させない予防的治療及び発症することを防ぐ予防に好適に適用される。また、ビタミン類及びステロイド類の含有量が前記の範囲であれば、本発明の外用医薬組成物に均一に相溶させ、両有効成分が可溶化され、使用時に泡の形状で使用することができる。このような製剤では、刺激感を感じることなくスムーズに患部に延展することができ、薬剤を患部に均一に分布させることが出来る。本発明の外用医薬組成物において、ビタミン類及びステロイドを組み合わせる場合に用いるビタミン類としてはマキサカルシトール、トレチノイントコフェリル、アダパレン、カルシポトリオールなどが好適に例示でき、糖質ステロイドとしては、ベタメタゾンの短鎖カルボン酸ジエステル及びクロベタゾールの短鎖カルボン酸エステルなどが好適に例示でき、かかる成分を組み合わせることが特に好ましい。かかるビタミン類及びステロイドの組み合わせにより製造される外用医薬組成物は、可溶化が比較的容易であり、均一性に優れる。
【0013】
<2>本発明の外用医薬組成物の必須成分である極性溶剤
本発明の外用医薬組成物は、極性溶剤を含有することを特徴とする。本発明の極性溶剤としては、N−アルキル−2−ピロリドン、炭酸ジエステル、クロタミトン、多価アルコールのアシル化物及びエーテル化物から選択される1種又は2種以上の溶剤を選択し含有させることが好ましい。これらの溶剤は、ポンプ式フォーマーによる起泡性を損なうことなく、ビタミン類、ステロイド等の有効成分を可溶化し均一性を高め、有効成分の保持量を高く維持する作用を有する。さらに、かかる溶剤を使用することにより有効成分の可溶化し保持量を高く維持しながら、皮膚への刺激等の副作用を低減することが出来る。本発明の極性溶剤が、前記作用を発現するためには、かかる成分は外用医薬組成物全量に対して、全量で0.1〜12質量%含有されることが好ましく、0.5〜10質量%含有されることがより好ましい。これは少なすぎるとビタミン類、ステロイドなどの有効成分を溶解することができず、多すぎると起泡性が損なわれる場合が存するためである。本発明のN−アルキル−2−ピロリドンとしては、炭素数1〜4のアルキル基を有するN−アルキル−2−ピロリドンが好適に例示でき、特に、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンが好適に例示できる。N−メチル−2−ピロリドンは、優れた特性を有する極性溶媒であり、ほとんどの有機溶媒、水と混合することができ、医薬添加物として使用されている実績がある。本発明の炭酸ジエステルとしては、環状構造を有する炭酸アルキレン、直鎖又は分岐の炭化水素基が2つ結合した炭酸ジアルキル等が好適に例示でき、特に、炭酸プロピレンが好ましい。本発明のクロタミトンは、優れた溶解性を有する極性溶剤であり、ビタミン類、ステロイドなどの有効成分の分解を抑制し安定性を向上させることができる。本発明の多価アルコールのアシル化物としては、短鎖もしくは中鎖脂肪酸のトリグリセリド又は短鎖乃至は長鎖の脂肪酸と(ポリ)エチレングリコールのエステルが好適に例示でき、より好ましくは、トリアセチン、トリカプリリン、トリオクタン酸グリセリン及びトリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、(ポリ)エチレングリコールモノアセテート、ポリエチレングリコールモノラウレート及びポリエチレングリコールモノオレートが挙げられる。本発明の多価アルコールのエーテル化物としては、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキチエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテルが好適に例示でき、さらに好ましいものとしては、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキチエチレンセチルエーテルが挙げられる。
【0014】
<3>本発明の外用医薬組成物の必須成分である非イオン性界面活性剤
本発明の外用医薬組成物は、非イオン性界面活性剤を必須成分として含有することを特徴とする。本発明の非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンが付加されていても良い脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加されていても良いソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンのアルキル乃至はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、脂肪酸ジエタノールアミド及び水素添加されていても良いポリオキシエチレンヒマシ油等の非イオン界面活性から選択される1種又2種以上を選択し本発明の外用医薬組成物に含有させることが好ましい。ここで、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンの平均付加モル数は2〜90が好ましい。また、脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数は平均で6〜24が好ましく、より好ましくは、6〜22である。アルキル基、アルケニル基の平均炭素数は10〜22が好ましい。脂肪酸ジエタノールアミドを構成する脂肪酸としては炭素数10〜18のものが好ましく、10〜14のものが特に好ましい。さらに、本発明における非イオン性界面活性剤の特に好ましい態様は、ポリオキシエチレン(平均付加モル数6〜10)脂肪酸(平均炭素数6〜14)グリセリル又は脂肪酸ジエタノールアミドと、ポリオキシエチレン(平均付加モル数2〜50)アルキル乃至はアルケニルエーテル及び/又は素添加されていても良いポリオキシエチレン(平均付加モル数30〜90)ヒマシ油を含有する形態、ポリオキシエチレン(平均付加モル数2〜50)アルキル乃至はアルケニルエーテルに加え、ポリオキシエチレンが付加されていても良い脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数5〜70)脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数10〜50)が付加されていても良いソルビタン脂肪酸(炭素数12〜22)エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数2〜50)ポリオキシプロピレン(平均付加モル数2〜50)アルキルエーテル、水素添加されていても良いポリオキシエチレン(平均付加モル数30〜90)ヒマシ油から選択される1種又2種以上を選択し含有させる形態が好ましい。前記の好ましい形態において、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル又は脂肪酸ジエタノールアミドと、ポリオキシエチレンアルキル乃至はアルケニルエーテル及び/又は水素添加されていても良いポリオキシエチレンの質量比は、1:4〜4:1が可溶化系を安定化させる意味で特に好ましい。さらに、前記の好ましい形態において、ポリオキシエチレン(平均付加モル数2〜50)アルキル乃至はアルケニルエーテルと、ポリオキシエチレンが付加されていても良い脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数5〜70)脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数10〜50)が付加されていても良いソルビタン脂肪酸(炭素数12〜18)エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数2〜50)ポリオキシプロピレン(平均付加モル数2〜50)アルキルエーテル、水素添加されていても良いポリオキシエチレン(平均付加モル数30〜90)ヒマシ油より選択される1種又は2種以上の非イオン性界面活性剤の質量比は、1:4〜4:1が可溶化系を安定化させる意味で好ましい。また、本発明の非イオン性界面活性剤は、1種類の非イオン界面活性剤を単独で使用することも出来るが、良質な泡質となりにくいため2種類以上の非イオン性界面活性剤を組み合わせて用いることが好ましい。尚、本発明の外用医薬組成物は、損傷されている可能性のある皮膚に投与され、洗浄行為を伴わない態様で使用される可能性も存することから、非イオン性界面活性剤のみを含有させることが好ましい。本発明の外用医薬組成物における、非イオン性界面活性剤の好ましい含有量は、医薬組成物全量に対して、0.5〜10質量%であり、より好ましくは1〜8質量%である。
【0015】
さらに、本発明の外用医薬組成物においては、前記非イオン界面活性剤にアニオン性界面活性剤を加える形態も好ましい。アニオン性界面活性剤は、唯1種を選択し外用医薬組成物に含有することも出来るし、複数の界面活性剤を選択し含有させることも出来る。本発明の外用医薬組成物においては、非イオン性界面活性剤にアニオン性界面活性剤を加えることにより、有効成分と製剤成分との好ましい状態を作り出すことが出来る。一方、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤は実質的に含有しないことが好ましい。
【0016】
<4>本発明の外用医薬組成物のアニオン性界面活性剤
本発明の外用医薬組成物は、前記必須成分に加えアニオン性界面活性剤を含有することが好ましい。かかるアニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸アルギニン等の炭素数12〜24の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン塩;N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム等の脂肪酸アミドスルホン酸塩;モノステアリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩;ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等の長鎖スルホコハク酸塩;N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸アルギニン、N−ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム等の長鎖N−アシルグルタミン酸塩などが挙げられる。かかるアニオン性界面活性剤は、非イオン性界面活性剤と共に本発明の外用医薬組成物に含有させることにより、有効成分と製剤成分との関係において生じる課題、中でも、有効成分の可溶化を促進し均一性を高め、有効成分の保持量を高めることが出来る。本発明の外用医薬組成物における、アニオン性界面活性剤の好ましい含有量は、医薬組成物全量に対して、0.001〜5質量%であり、より好ましくは0.01〜3質量%である。これは、アニオン界面活性剤の含有量が低すぎると可溶化が促進させず、高すぎると皮膚刺激性等の作用が生じるためである。
【0017】
<5>本発明の外用医薬組成物
本発明の外用医薬組成物は、前記の必須成分を含有し、可溶化剤形であって、外用の形態で使用されることを特徴とする。本発明の外用医薬組成物においては、前記必須成分以外に、通常医薬組成物に用いられる製剤化のための任意の成分を含有することができる。このような成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤、;桂皮酸系紫外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。さらに、前記極性溶剤以外の溶剤としては多価アルコールが好ましく例示でき、多価アルコールは、単独で使用することも出来るし、複数の多価アルコールを組み合わせ医薬組成物に含有させることも出来る。前記多価アルコールとしては1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ペンタンジオールなどが好適に例示でき、特に、1,3−ブチレングリコールが好ましい。多価アルコールの含有量は5〜40質量%、より好ましくは、8〜35質量%が好ましい。これらを用いて、常法に従って、可溶化形態の医薬組成物に加工し、ポンプ式フォーマーに充填し外用医薬に加工することができる。また、本発明の使用時に泡状を呈する外用医薬組成物は、使用時に泡状を呈する医薬外用剤であれば特段の限定なく適用することができ、例えば、ガス充填タイプのフォーマ容器に充填する外用医薬組成物、ノンガスタイプのフォーマー容器に充填する外用医薬組成物が好適に例示でき、特に、ノンガスタイプのフォーマー容器に充填するタイプの外用医薬組成物が好ましい。これは、ノンガスタイプのポンプフォーマー容器に充填するタイプの外用剤が、使用時における泡質、均一性に優れるためである。
【0018】
かくして得られた外用医薬組成物は、可溶化剤形故に、有効成分を溶解しており、使用時に泡の形状で使用できるため、スムースに刺激を感じさせることなく患部に延展でき、患部に均一に有効成分を分布させることができる。このような態様により、有効成分の効果をいかんなく発揮させることができる。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに詳細に説明を加える。
【実施例1】
【0019】
以下の表1に示す処方に従って、本発明の外用医薬組成物1を作成した。即ち、処方成分を80℃で加熱攪拌し、可溶化し、攪拌下室温まで冷却し、本発明の外用医薬組成物1を得た。また、表1の極性溶媒を水に置換した場合には、ベタメゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルは溶解しなかった。前記外用医薬組成物1をポンプ式フォーマーに充填し、本発明の外用医薬1を得た。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示した。
【0020】
【表1】
【0021】
<比較例1>
以下に示す処方に従って、比較例の外用医薬組成物を作成した。即ち、イの部分を80℃で加熱可溶化し、予め80℃に温度調節しておいた口の成分に攪拌下、混合し分散させた。しかる後に攪拌下室温まで冷却して比較例1の外用医薬組成物を得た。比較例1の外用医薬組成物をポンプ式フォーマーに充填し、比較例1の外用医薬を得た。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示した。
【0022】
【表2】
【実施例2】
【0023】
<比較試験1>
実施例1の外用医薬1、比較例1の外用医薬を用いそれぞれ泡状に吐出させた外用医薬1、比較例1の外用医薬を、スパーテル1盛りを取り、血球計数用のスライドグラス上に載せて、その上にカバーグラスを重ね、押しつぶした状態で顕微鏡下10視野を観察し、不溶の数(1mLあたり)を計数した。結果を表3に示した。これにより、本発明の製剤は、有効成分を均一に存在させる性質に優れることが分かった。
【0024】
【表3】
【実施例3】
【0025】
<使用試験>
実施例1の外用医薬1、比較例1の外用医薬の泡の質(起泡性、持続性)、使用感(べたつき感、しっとり感)を以下の方法に従い評価した。
(1)泡の質(起泡性、持続性):10名の被験者により25℃に保たれた室内で各試料を吐出させ手にとり、泡の質(起泡性、持続性)の観察を行った。尚、評価基準は以下の通りである。
◎非常に良好(良いと回答した被験者が8名以上)
○良好(良いと回答した被験者が6名以上8名未満)
△やや悪い(良いと回答した被験者が4名以上6名未満)
×悪い(良いと回答した被験者が4名未満)
(2)使用感(べたつき感、しっとり感):10名の被験者により25℃に保たれた室内で各試料を吐出させ手にとり、使用感(しっとり感)の評価を行った。尚、評価基準は以下の通りである。
◎非常に良好(良いと回答した被験者が8名以上)
○良好(良いと回答した被験者が6名以上8名未満)
△やや悪い(良いと回答した被験者が4名以上6名未満)
×悪い(良いと回答した被験者が4名未満)
実施例1及び比較例1の外用医薬について、泡の質(起泡性、持続性)、使用感(べたつき感、しっとり感)について確かめたところ、実施例1の外用医薬は、比較例1の外用医薬に比較し、泡の質、使用感に優れることが確認された。また、実施例1及び比較例1の外用医薬組成物について、のびの良さ、のびの軽さについて確かめたところ、実施例1の外用医薬1は、比較例1の外用医薬に比較しのびが良く、軽いことが確認された。
【0026】
【表4】
【実施例4】
【0027】
実施例1と同様に、以下の表5に示す処方に従って本発明の外用医薬組成物2を作成した。このものをポンプ式フォーマーに充填し、本発明の外用医薬2を得た。このものはきめの細かい泡を吐出し、不溶物は確認できなかった。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示した。
【0028】
【表5】
【実施例5】
【0029】
実施例1と同様に、以下の表6に示す処方に従って本発明の外用医薬組成物3を作成した。このものをポンプ式フォーマーに充填し、本発明の外用医薬3を得た。このものは、きめの細かい泡を吐出し、不溶物は確認できなかった。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示した。
【0030】
【表6】
【実施例6】
【0031】
実施例1と同様に、下記の処方に従って外用医薬組成物4を作成し、ポンプ式フォーマーに充填し、本発明の外用医薬4を得た。このものは、きめの細かい泡を吐出し、不溶物は確認できなかった。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示した。
【0032】
【表7】
【実施例7】
【0033】
実施例1と同様に下記の処方に従って外用医薬組成物5を作成し、ポンプ式フォーマーに充填し、本発明の外用医薬5を得た。このものは、きめの細かい泡を吐出し、不溶物は確認できなかった。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示した。
【0034】
【表8】
【実施例8】
【0035】
実施例1と同様に下記の処方に従って外用医薬組成物6を作成し、ポンプ式フォーマーに充填し、本発明の外用医薬6を得た。このものは、きめの細かい泡を吐出し、不溶物は確認できなかった。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示した。
【0036】
【表9】
【実施例9】
【0037】
実施例1と同様に下記の処方に従って外用医薬組成物7を作成し、ポンプ式フォーマーに充填し、本発明の外用医薬7を得た。このものは、きめの細かい泡を吐出し、不溶物は確認できなかった。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示した。
【0038】
【表10】
【実施例10】
【0039】
実施例1と同様に下記の処方に従って外用医薬組成物8を作成し、ポンプ式フォーマーに充填し、本発明の外用医薬8を得た。このものは、きめの細かい泡を吐出し、不溶物は確認できなかった。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示した。
【0040】
【表11】
【実施例11】
【0041】
実施例1と同様に、以下の表に示す処方に従って本発明の外用医薬組成物9〜26を作成した。このものをポンプ式フォーマーに充填し、本発明の外用医薬9〜26を得た。このものはきめの細かい泡を吐出し、不溶物は確認できなかった。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示した。また、実施例3に記載の試験方法に従い、起泡性、持続性、使用感(しっとり感)を評価した。本発明の外用医薬9〜26は、泡質、使用感に優れる外用医薬であることが分かった。
【0042】
【表12】
【実施例12】
【0043】
実施例1と同様に、以下の表に示す処方に従って本発明の外用医薬組成物27〜29を作成した。このものをポンプ式フォーマーに充填し、本発明の外用医薬27〜29を得た。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示した。このものは、きめの細かい泡を吐出し、不溶物は確認できなかった。また、実施例3に記載の試験方法に従い、起泡性、持続性、使用感を評価した。本発明の外用医薬27〜29は、起泡性、持続性、使用感に優れる外用医薬であることが分かった。
【0044】
【表13】
【実施例13】
【0045】
実施例1と同様に、以下の表に示す処方に従って本発明の外用医薬組成物30を作成した。このものをポンプ式フォーマーに充填し、本発明の外用医薬30を得た。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示した。このものは、きめの細かい泡を吐出し、不溶物は確認できなかった。
【0046】
【表14】
【実施例14】
【0047】
実施例1と同様に、以下の表に示す処方に従って本発明の外用医薬組成物31を作成し、ポンプ式フォーマーに充填し、本発明の外用医薬31を得た。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示した。このものは、きめの細かい泡を吐出し、不溶物は確認できなかった。
【0048】
【表15】
【実施例15】
【0049】
以下の表に示す処方に従って本発明の外用医薬組成物32〜37、比較例2〜4の外用医薬組成物を作成し、ポンプ式フォーマーに充填し、本発明の外用医薬32〜37、比較例2〜4の外用医薬を得る。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示する。また、前記外用医薬組成物32〜37、比較例2〜4 の外用医薬組成物100(g)をビーカーに入れ、3000rpmで1分間撹拌した後、2分間静置し泡と溶液の境界線が明瞭になったところで生成した泡の高さを測定し、泡質を目視にて確認する。本発明の外用医薬組成物は、比較例2〜4の外用医薬組成物に比較し、組成物の安定性、泡立ち、持続性、泡の肌理細かさなどの泡質、使用感に優れる。
【0050】
【表16】
【実施例16】
【0051】
以下の表に示す処方に従って本発明の外用医薬組成物38〜43、比較例5〜7の外用医薬組成物を作成し、ポンプ式フォーマーに充填し、本発明の外用医薬38〜43、比較例5〜7の外用医薬を得る。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示する。実施例15に記載の方法に従い、外用医薬組成物38〜43、比較例5〜7の外用医薬組成物の泡の高さを測定し、泡質を目視にて確認する。本発明の外用医薬組成物は、比較例5〜7の外用医薬組成物に比較し、組成物の安定性、泡立ち、持続性、泡の肌理細かさなどの泡質、使用感に優れる。
【0052】
【表17】
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は医薬に応用できる。