(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6684327
(24)【登録日】2020年3月31日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】使用時泡状を呈する外用医薬の製造方法
(51)【国際特許分類】
A61K 9/12 20060101AFI20200413BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20200413BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20200413BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20200413BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20200413BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20200413BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20200413BHJP
A61K 47/18 20060101ALI20200413BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20200413BHJP
【FI】
A61K9/12
A61K47/14
A61K47/22
A61K47/34
A61P17/00
A61K47/10
A61K47/26
A61K47/18
A61K47/44
【請求項の数】1
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-160897(P2018-160897)
(22)【出願日】2018年8月29日
(62)【分割の表示】特願2015-22656(P2015-22656)の分割
【原出願日】2015年1月22日
(65)【公開番号】特開2019-6799(P2019-6799A)
(43)【公開日】2019年1月17日
【審査請求日】2018年8月29日
(31)【優先権主張番号】特願2014-25871(P2014-25871)
(32)【優先日】2014年1月27日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】507029007
【氏名又は名称】株式会社ポーラファルマ
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100196313
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 大輔
(72)【発明者】
【氏名】増田 孝明
(72)【発明者】
【氏名】小林 浩一
【審査官】
石井 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−157805(JP,A)
【文献】
特開2013−095898(JP,A)
【文献】
特開2010−222323(JP,A)
【文献】
特開2013−155143(JP,A)
【文献】
特開2012−214422(JP,A)
【文献】
特開2003−055160(JP,A)
【文献】
特開2012−126668(JP,A)
【文献】
特開2004−035458(JP,A)
【文献】
特開2007−137813(JP,A)
【文献】
特開昭61−210023(JP,A)
【文献】
特開2002−161020(JP,A)
【文献】
特開平03−072433(JP,A)
【文献】
特開2006−137722(JP,A)
【文献】
特開平08−291050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/00− 9/72
A61K 47/00−47/69
A61K 8/00− 8/99
A61P 17/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)極性溶剤と、2)非イオン性界面活性剤と、3)多価アルコールと、を含む、使用時に泡状であり、洗浄行為を伴わない態様で使用される外用医薬の製造方法であって、
1)〜3)を含む混合物を加熱攪拌して前記混合物を可溶化する加熱攪拌工程と、
加熱攪拌工程を経た前記混合物を攪拌下室温まで冷却する冷却工程と、
冷却工程を経た前記混合物をノンガスタイプのフォーマー容器に充填する充填工程と、を備え、
前記極性溶剤が、炭素数1〜4のアルキル鎖を有するN−アルキルピロリドン、炭酸ジエステルより選択される1種又は2種以上であり、
前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンが付加されていても良い脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加されていても良いソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンのアルキル乃至はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、脂肪酸ジエタノールアミド及び水素添加されていても良いポリオキシエチレンヒマシ油より選択される1種又は2種以上であり、
前記多価アルコールが、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール及び1,2−ペンタンジオールより選ばれる1種又は2種以上であり、
界面活性剤として、前記非イオン性界面活性剤のみを含むことを特徴とする、外用医薬の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外用医薬の製造方法に関し、さらに詳細には、使用時に泡状を呈する外用医薬の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
外用医薬用の製剤は大きく分類して、ローション製剤、軟膏製剤、クリーム製剤、噴霧エアゾル製剤、泡沫エアゾルの5種の製剤が存在する。この内、噴霧エアゾル製剤、泡沫エアゾル製剤等の使用時に泡状を呈する剤形は、投与時に大きな表面積を稼ぐことができ、微細な部分にまで組成物を送達することが可能であるため、均一且つ広域に患部へ物埋的刺激を低減した形で薬剤を投与できることから注目を浴びている(例えば、特許文献1を参照)。この様な使用時に泡状を呈する剤形としては、液化ガスの様な噴射剤を用い気泡を形成するエアゾール剤形に加え(例えば、特許文献2を参照)、噴射剤を用いることなくポンプフォーマーやスクイズフォーマー等のノンエアゾールフォーマー容器を使用し空気を取り込むことにより気泡を形成するノンエアゾール剤形が知られている。エアゾール剤形は、エアゾルの噴出用のガス組成物自体に皮膚に刺激を与える可能性が高いことに加え、近年の環境問題への意識の高まりから揮発性ガスを使用しない剤形への転換が進められており、発泡用のガスを充填せずに、ポンプ式フォーマーで泡沫などを形成する手段であるノンエアゾール剤形の製剤への関心が高まっている。しかしながら、気化圧力と、ガス自体の物理化学的性質が発泡に大きく寄与するエアゾール発泡に比して、ノンエアゾールでは界面活性剤の物理化学的特性が大きく影響し、アニオン性界面活性剤やカチオン性界面活性剤を用いる、洗い流し使用のものがほとんどである。即ち、化粧品分野においては、毛髪化粧料、洗浄料等を中心にノンエアゾール剤形における泡質・使用感等を改善する検討が行われ、界面活性剤及び高分子化合物を含有するノンエアゾール型泡状化粧料組成物(例えば、特許文献3を参照)、水溶性アルコールと非イオン性界面活性剤とN−アルキルピロリドンを含有する泡沫状化粧料(例えば、特許文献4を参照)等が報告されている。しかしながら、該泡沫状化粧料においては、N−アルキルピロリドンのアルキル鎖長は、炭素数8〜18が好適であり、アルキル鎖長が短い場合には起泡性が悪くなることが知られていた。
【0003】
一方、医薬品分野におけるノンエアゾール剤形の製剤の検討はあまり行われておらず、水溶性の薬剤に適用可能な防腐剤としてパラベンを含有してなる鎮痒剤組成物において、界面活性剤として、脂肪酸アルキロールアミド及び炭素数が11〜18の脂肪族基を有し、かつ、ポリオキシアルキレンの繰り返し単位数が7〜40であるポリオキシアルキレン脂肪族エーテルを配合したことを特徴とするフォーム剤用組成物(例えば、特許文献5を参照)、さらには、水難溶解性の薬剤を安定に可溶化可能な水系の非エアゾール式フォーム剤用組成物が報告されている(例えば、特許文献6を参照)。しかしながら、水溶性又は水難溶解性の薬剤を可溶化するために使用する溶媒は、薬剤の化学構造等に大きく影響を受けるため、薬剤が異なるとそれに伴い使用可能な溶媒も大きく変わってくる。さらに、薬剤を可溶化するために必要となる溶媒量は必ずしも少なくなく、可溶化溶媒の種類及び使用量により、非エアゾール式フォーム剤組成物において好ましい特性を発揮する界面活性剤も非常に限られたものとなる。
【0004】
本願発明は、水難溶性溶媒(極性溶媒)を含有するノンエアゾール剤形の外用医薬組成物において、水難溶性の有効成分を十分に溶解することができる溶媒量を含有しながらも、泡沫形成性、使用時の泡のきめ細かさ等の泡質・持続性、べたつき、つっぱり感などの使用感、目詰まりによる吐出不良、液ダレ(泡ダレ)の発生、皮膚刺激などの安全性に関する副作用等の剤形上の課題を解決することを目的とした外用医薬組成物に関するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−314494号公報
【特許文献2】特開平10−158122号公報
【特許文献3】特開平10−273415号公報
【特許文献4】特開2002−161020号公報
【特許文献5】特開2007−137813号公報
【特許文献6】特開2012−214422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような状況下為されたものであり、水難溶解性の薬剤を可溶化するのに十分な量の極性溶媒を含有し、使用時に泡状を呈する外用医薬組成物において、極性溶剤と界面活性剤との関係において生じる課題を解決するものであり、泡沫形成性、泡のきめ細かさ等の泡質・持続性、べたつき、つっぱり感などの使用感、目詰まりによる吐出不良、液ダレ(泡ダレ)の発生等の使用時の不具合、皮膚刺激などの安全性に関する副作用等の剤形上の問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、使用時に泡状であることを特徴とする外用医薬組成物において、極性溶剤と界面活性剤との関係において生じる課題、とりわけ、泡沫形成性及び持続性、使用感、皮膚刺激等に関する課題を解決する手段を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)極性溶剤と、2)非イオン性界面活性剤とを含有し、使用時に泡状を呈する外用医薬組成物に、かかる特性を見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す外用医薬組成物の製造方法に関するものである。
<1> 1)極性溶剤と、2)非イオン性界面活性剤とを含有する外用医薬組成物であって、使用時に泡状であることを特徴とする外用医薬組成物。
<2> 前記極性溶剤が、炭素数1〜4のアルキル鎖を有するN−アルキル−2−ピロリドン、炭酸ジエステル、クロタミトン、多価アルコールのアシル化物及びエーテル化物より選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、<1>に記載の外用医薬組成物。
<3> 前記非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンが付加されていても良い脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加されていても良いソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンのアルキル乃至はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、脂肪酸ジエタノールアミド及び水素添加されていても良いポリオキシエチレンヒマシ油から選択されるものであることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の外用医薬組成物。
<4> 更に、アニオン性界面活性剤を含有することを特徴とする、<1>〜<3>何れかに記載の外用医薬組成物。
<5> 使用時に形成される泡は、ポンプ式フォーマーによるものであることを特徴とする、<1>〜<4>何れかに記載の外用医薬組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、使用時に泡状を呈する外用医薬組成物、取り分け、ポンプ式フォーマー用の外用医薬組成物において、極性溶剤と、非イオン性界面活性剤との関係において生じる課題を解決する手段を提供することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<1>本発明の外用医薬組成物の必須成分である極性溶剤
本発明の使用時に泡状を呈する外用医薬組成物は、1)極性溶剤と、2)非イオン性界面活性剤とを含有する外用医薬組成物であることを特徴とする。本発明の極性溶剤としては、使用時に泡状を呈する外用医薬組成物に含有することができる薬剤、取り分け、水難溶性の薬剤を可溶化するのに十分な量の極性溶媒であれば特段の限定なく適用することができ、具体的には、炭素数1〜4のアルキル鎖を有するN−アルキル−2−ピロリドン、炭酸ジエステル、クロタミトン、多価アルコールのアシル化物及びエーテル化物等が好適に例示でき、かかる極性溶剤から選択される1種又は2種以上の溶剤を選択し含有させることが好ましい。これらの極性溶剤は、後述する非イオン性界面活性剤と共に外用医薬組成物に含有することにより、水難溶解性の薬剤を可溶化するための極性溶剤を含有しながら、泡沫形成性及び持続性、使用感、皮膚刺激等に優れる外用医薬組成物を提供することができる。本発明の極性溶剤が、前記作用を発現するためには、極性溶剤が外用医薬組成物全量に対して、全量で0.1〜12質量%含有されることが好ましく、0.5〜10質量%含有されることがより好ましい。これは少なすぎると薬剤を十分に可溶化することが困難であり、多すぎると起泡性及び持続性、使用感が損なわれる場合が存するためである。本発明のN−アルキル−2−ピロリドンとしては、炭素数1〜4のアルキル基を有するN−アルキル−2−ピロリドンが好適に例示でき、特に、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンが好適に例示できる。N−メチル−2−ピロリドンは、優れた特性を有する極性溶剤であり、ほとんどの有機溶剤、水と混合することができ、医薬添加物として使用されている実績がある。本発明の炭酸ジエステルとしては、環状構造を有する炭酸アルキレン、直鎖又は分岐の炭化水素基が2つ結合した炭酸ジアルキル等が好適に例示でき、特に、炭酸プロピレンが好ましい。本発明の極性溶剤であるクロタミトンは、優れた溶解性を有する極性溶剤であり、ステロイド、ビタミン類などの有効成分の分解を抑制し安定性を向上させることができる。本発明の多価アルコールのアシル化物としては、短鎖もしくは中鎖脂肪酸のトリグリセリド又は短鎖乃至は長鎖の脂肪酸と(ポリ)エチレングリコールのエステルが好適に例示でき、より好ましくは、トリアセチン、トリカプリリン、トリオクタン酸グリセリン及びトリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、(ポリ)エチレングリコールモノアセテート、ポリエチレングリコールモノラウレート及びポリエチレングリコールモノオレートが挙げられる。本発明の多価アルコールのエーテル化物としては、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキチエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテルが好適に例示でき、さらに好ましいものとしては、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキチエチレンセチルエーテルが挙げられる。
【0010】
<2>本発明の外用医薬組成物の必須成分である非イオン性界面活性剤
本発明の外用医薬組成物は、非イオン性界面活性剤を必須成分として含有することを特徴とする。本発明の非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンが付加されていても良い脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加されていても良いソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンのアルキル乃至はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、脂肪酸ジエタノールアミド及び水素添加されていても良いポリオキシエチレンヒマシ油等の非イオン界面活性から選択される1種又2種以上を選択し本発明の外用医薬組成物に含有させることが好ましい。ここで、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンの平均付加モル数は2〜90が好ましい。また、脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数は平均で6〜24が好ましく、より好ましくは、6〜22である。アルキル基、アルケニル基の平均炭素数は10〜22が好ましい。脂肪酸ジエタノールアミドを構成する脂肪酸としては炭素数10〜18のものが好ましく、10〜14のものが特に好ましい。さらに、本発明における非イオン性界面活性剤の特に好ましい態様は、ポリオキシエチレン(平均付加モル数6〜10)脂肪酸(平均炭素数6〜14)グリセリル又は脂肪酸ジエタノールアミドと、ポリオキシエチレン(平均付加モル数2〜50)アルキル乃至はアルケニルエーテル及び/又はポリオキシエチレン(平均付加モル数30〜90)硬化ヒマシ油を含有する形態、ポリオキシエチレン(平均付加モル数2〜50)アルキル乃至はアルケニルエーテルに加え、ポリオキシエチレンが付加されていても良い脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数5〜70)脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数10〜50)が付加されていても良いソルビタン脂肪酸(炭素数12〜18)エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数2〜50)ポリオキシプロピレン(平均付加モル数2〜50)アルキルエーテル、水素添加されていても良いポリオキシエチレン(平均付加モル数30〜90)ヒマシ油から選択される1種又2種以上を選択し含有させる形態が好ましい。前記の好ましい形態において、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル又は脂肪酸ジエタノールアミドと、ポリオキシエチレンアルキル乃至はアルケニルエーテル及び/又は水素添加されていても良いポリオキシエチレンの質量比は、1:4〜4:1が可溶化系を安定化させる意味で特に好ましい。さらに、前記の好ましい形態において、ポリオキシエチレン(平均付加モル数2〜50)アルキル乃至はアルケニルエーテルと、ポリオキシエチレンが付加されていても良い脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数5〜70)脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数10〜50)が付加されていても良いソルビタン脂肪酸(炭素数12〜18)エステル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数2〜50)ポリオキシプロピレン(平均付加モル数2〜50)アルキルエーテル、水素添加されていても良いポリオキシエチレン(平均付加モル数30〜90)ヒマシ油より選択される1種又は2種以上の非イオン性界面活性剤の質量比は、1:4〜4:1が可溶化系を安定化させる意味で好ましい。また、本発明の非イオン性界面活性剤は、1種類の非イオン界面活性剤を単独で使用することも出来るが、良質な泡質となりにくいため2種類以上の非イオン性界面活性剤を組み合わせて用いることが好ましい。尚、本発明の外用医薬組成物は、損傷されている可能性のある皮膚に投与され、洗浄行為を伴わない態様で使用される可能性も存することから、非イオン性界面活性剤のみを含有させることが好ましい。本発明の外用医薬組成物における、非イオン性界面活性剤の好ましい含有量は、医薬組成物全量に対して、0.5〜10質量%であり、より好ましくは1〜8質量%である。
【0011】
さらに、本発明の外用医薬組成物においては、前記非イオン界面活性剤にアニオン性界面活性剤を加える形態も好ましい。アニオン性界面活性剤は、唯1種を選択し外用医薬組成物に含有することも出来るし、複数の界面活性剤を選択し含有させることも出来る。本発明の外用医薬組成物においては、非イオン性界面活性剤にアニオン性界面活性剤を加えることにより、有効成分と製剤成分との好ましい状態を作り出すことが出来る。一方、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤は実質的に含有しないことが好ましい。
【0012】
<3>本発明の外用医薬組成物のアニオン性界面活性剤
本発明の外用医薬組成物は、前記必須成分に加えアニオン性界面活性剤を含有することが好ましい。かかるアニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸アルギニン等の炭素数12〜24の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン塩;N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム等の脂肪酸アミドスルホン酸塩;モノステアリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩;ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等の長鎖スルホコハク酸塩;N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸アルギニン、N−ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム等の長鎖N−アシルグルタミン酸塩などが挙げられる。かかるアニオン性界面活性剤は、非イオン性界面活性剤と共に本発明の外用医薬組成物に含有させることにより、極性溶剤と界面活性剤との関係において生じる課題、中でも、泡の細かさ等の泡質、持続性、使用感等の課題を解決することができる。本発明の外用医薬組成物における、アニオン性界面活性剤の好ましい含有量は、医薬組成物全量に対して、0.001〜5質量%であり、より好ましくは0.01〜3質量%である。これは、アニオン界面活性剤の含有量が低すぎても、高すぎても、好ましい特性の泡質、使用感が得られず、特に高い場合には、皮膚刺激性等の作用が生じるためである。
【0013】
<4>本発明の外用医薬組成物に含有することが可能な薬剤
本発明の外用医薬組成物は、前記極性溶剤に可溶化することができる薬剤、取り分け、水難溶性の薬剤を含有することが出来る。かかる水難溶性の薬剤としては、前記極性溶剤に可溶化することが出来る薬剤であれば特段の限定なく適用することができ、ステロイド類、ビタミン類、ヘパリン類似物質等が好適に例示出来る。前記ステロイド類としては、例えば、ステロイド骨格を有するものであれば特段の限定はなく、性ホルモン、糖質コルチコイド(グルココルチコイド)、鉱質コルチコイド等が好適に例示でき、特に、糖質コルチコイドが好ましい。前記糖質コルチコイドとしては、例えば、コルチゾン、ハイドロコルチゾン、酢酸フルドロコルチゾン等のコルチゾン類、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン等のプレドニゾロン類、デキサメタゾン及びその誘導体、ベタメタゾン及びその誘導体、クロベタゾール及びその誘導体が好適に例示でき、その誘導体としては、リン酸エステル、吉草酸エステル、酪酸エステル、プロピロン酸エステルなどが好ましく例示できる。前記ビタミン類としては、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB又はその誘導体、油溶性ビタミンC又はその誘導体、ビタミンD又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体、ビタミンK又はその誘導体が好適に例示できる。ヘパリン類似物質としては、ムコ多糖を硫酸化して得られる物質を意味し、例えば、ヘパリン、コンドロイチン硫酸D、コンドロイチン硫酸Eのようなコンドロイチン硫酸が好適に例示できる。その他の薬剤としては、例えば、テルビナフィン、ブテナフィン等の抗真菌剤、スプロフェン、ケトチフェン、ケトプロフェン、インドメタシン等の抗炎症剤、アジスロマイシン等の抗生剤、タクロリムス、シクロホスファミド等の免疫抑制剤、ナルフラフィンなどの鎮痒剤等が好適に例示出来る。本発明の使用時に泡状を呈する外用医薬組成物は、前記の水難溶性の薬剤を極性溶剤に可溶化し、非イオン性界面活性剤とともに外用医薬組成物に含有させることにより優れた泡特性、使用感、皮膚安全性等を有する外用医薬組成物を提供することができる。
【0014】
<5>本発明の外用医薬組成物
本発明の外用医薬組成物は、1)極性溶剤と、2)非イオン性界面活性剤を必須成分として含有する、使用時に泡状を呈する外用医薬組成物である。本発明の外用医薬組成物においては、前記必須成分以外に、通常医薬組成物に用いられる製剤化のための任意の成分を含有することができる。このような成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤、;桂皮酸系紫外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。さらに、前記極性溶剤以外の溶剤としては多価アルコールが好ましく例示でき、多価アルコールは、単独で使用することも出来るし、複数の多価アルコールを組み合わせ医薬組成物に含有させることも出来る。前記多価アルコールとしては1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ペンタンジオールなどが好適に例示でき、特に、1,3−ブチレングリコールが好ましい。多価アルコールの含有量は5〜40質量%、より好ましくは、8〜35質量%が好ましい。これらを用いて、常法に従って、可溶化形態の医薬組成物に加工し、使用時に泡状を呈する外用医薬組成物、取り分け、ポンプ式フォーマーに充填することによりノンエアゾール剤形の外用医薬に加工することができる。また、本発明の使用時に泡状を呈する外用医薬組成物は、使用時に泡状を呈する医薬外用剤であれば特段の限定なく適用することができ、例えば、ガス充填タイプのフォーマ容器に充填する外用医薬組成物、ノンガスタイプのフォーマー容器に充填する外用医薬組成物が好適に例示でき、特に、ノンガスタイプのフォーマー容器に充填するタイプの外用医薬組成物が好ましい。これは、ノンガスタイプのポンプフォーマー容器に充填するタイプの外用剤が、使用時における泡質、均一性に優れるためである。
【0015】
かくして得られた外用医薬組成物は、泡の細かさ、持続性等の泡質、感触のよさ等の使用感に優れ、使用時に泡の形状で使用できるため、スムースに刺激を感じさせることなく患部に延展でき、患部に均一に有効成分を分布させることができる。このような態様により、薬剤を含有させた場合、薬剤の薬理作用をいかんなく発揮させることができる。また、本発明の泡質、使用感の評価は、前記特性を評価できるであれば特段の限定なく適用することができ、後述する感応試験に限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに詳細に説明を加える。
【実施例1】
【0016】
以下の表1に示す処方に従って、本発明の外用医薬組成物1を作成した。即ち、処方成分を80℃で加熱攪拌し、可溶化し、攪拌下室温まで冷却し、本発明の外用医薬組成物1を得た。前記外用医薬組成物1をポンプ式フォーマーに充填し、本発明の外用医薬1を得た。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示した。
【0017】
【表1】
【0018】
<比較例1>
表1に示す処方成分のうち、極性溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン及びアジピン酸ジイソプロピルを除いた処方の製剤(比較例1の外用医薬組成物)を作成した。比較例1の外用医薬組成物をポンプ式フォーマーに充填し、比較例1の外用医薬を得た。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示した。
【0019】
<比較例2>
以下に示す処方に従って、比較例2の外用医薬組成物を作成した。即ち、イの部分を80℃で加熱可溶化し、予め80℃に温度調節しておいたロの成分に攪拌下、混合し分散させた。しかる後に攪拌下室温まで冷却して比較例2の外用医薬組成物を得た。比較例2の外用医薬組成物をポンプ式フォーマーに充填し、比較例2の外用医薬を得た。比較例2の外用医薬は、本発明の外用医薬とは構成の異なる泡状を呈する外用医薬であった。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示した。
【0020】
【表2】
【実施例2】
【0021】
<比較試験1>
実施例1の外用医薬1、比較例1及び比較例2の外用医薬の泡の質(起泡性、持続性)、使用感(べたつき、しっとり感)を以下の方法に従い評価した。
(1)泡の質(起泡性、持続性):10名の被験者により25℃に保たれた室内で各試料を吐出させ手にとり、泡の質(起泡性、持続性)の観察を行った。尚、評価基準は以下の通りである。
◎非常に良好(良いと回答した被験者が8名以上)
○良好(良いと回答した被験者が6名以上8名未満)
△やや悪い(良いと回答した被験者が4名以上6名未満)
×悪い(良いと回答した被験者が4名未満)
(2)使用感(べたつき感、しっとり感):10名の被験者により25℃に保たれた室内で各試料を吐出させ手にとり、使用感(べたつき、しっとり感)の評価を行った。尚、評価基準は以下の通りである。
◎非常に良好(良いと回答した被験者が8名以上)
○良好(良いと回答した被験者が6名以上8名未満)
△やや悪い(良いと回答した被験者が4名以上6名未満)
×悪い(良いと回答した被験者が4名未満)
【0022】
【表3】
【0023】
実施例1の外用医薬1、比較例1及び比較例2の外用医薬について、泡質及び使用感を評価したところ、本発明の外用医薬1は、泡質及び使用感に優れる外用医薬であることが分かった。一方、本発明の外用医薬1から極性溶剤を除いた場合には、泡質及び使用感が顕著に低下することが分かった。
【実施例3】
【0024】
実施例1と同様に、以下の表4に示す処方に従って本発明の外用医薬組成物2〜19を作成した。このものをポンプ式フォーマーに充填し、本発明の外用医薬2〜19を得た。さらに、実施例2に示す試験方法に従い、外用医薬2〜19の泡の質(起泡性、持続性)、使用感(しっとり感)を評価した。本発明の外用医薬2〜19は、泡質及び使用感に優れる外用医薬組成物であることが分かった。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示した。
【0025】
【表4】
【実施例4】
【0026】
実施例1と同様に、以下の表5に示す処方に従って本発明の外用医薬組成物20〜22を作成した。このものをポンプ式フォーマーに充填し、本発明の外用医薬20〜22を得た。さらに、実施例2に示す試験方法に従い、外用医薬20〜22の泡の質(起泡性、持続性)、使用感(しっとり感、べたつき感)を評価した。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示した。本発明の外用医薬20〜22は、泡質及び使用感に優れる外用医薬組成物であることが分かった。
【0027】
【表5】
【実施例5】
【0028】
以下の表6に示す処方に従って本発明の外用医薬組成物23及び24、比較例4の外用医薬組成物を作成した。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示した。外用医薬組成物の調整直後の状態を目視にて観察した(白濁なし:○、白濁あり:×)。さらに、外用医薬組成物23及び24、比較例4の外用医薬組成物 100(g)をビーカに入れ、3000rpmで1分間撹拌した後、2分間静置し泡と溶液の境界線が明瞭になったところで生成した泡の高さ(mm)を測定し、泡質(撹拌後に肌理の細かい泡が得られる(○)、撹拌後に粗い泡が得られる(△)、撹拌後に泡が得られない(×))を目視にて確認した。結果を表6に示した。本発明の外用医薬組成物は、優れた泡形成能を示した。一方、比較例3の外用医薬組成物は、本発明の外用医薬組成物に比較し、泡立ち、泡質が悪かった。
【0029】
【表6】
【実施例6】
【0030】
以下の表7に示す処方に従って本発明の外用医薬組成物25及び26を作成した。尚、表中の製剤成分の含有量は、組成物全量に対する質量%にて表示した。外用医薬組成物の調整直後の状態を目視にて観察した(白濁なし:○、白濁あり:×)。さらに、外用医薬組成物25及び26 100(g)をビーカに入れ、3000rpmで1分間撹拌した後、2分間静置し泡と溶液の境界線が明瞭になったところで生成した泡の高さ(mm)を測定し、泡質(撹拌後に肌理の細かい泡が得られる(○)、撹拌後に粗い泡が得られる(△)、撹拌後に泡が得られない(×))を目視にて確認した。結果を表7に示した。本発明の外用医薬組成物は、優れた泡形成能を示した。
【0031】
【表7】
【実施例7】
【0032】
以下の表に示す処方に従って本発明の外用医薬組成物27及び28、比較例4の外用医薬組成物を作成する。実施例6に記載の方法に従い、本発明の外用医薬組成物27及び28、比較例4の外用医薬組成物の泡立ち、泡質を検討する。本発明の外用医薬組成物は、比較例4の外用医薬組成物に比較し、組成物の安定性、泡立ち、持続性、泡の肌理細かさなどの泡質、使用感に優れる。
【0033】
【表8】
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は医薬に応用できる。