特許第6684427号(P6684427)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6684427
(24)【登録日】2020年4月1日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】条線観察装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/24 20060101AFI20200413BHJP
【FI】
   G01N33/24 A
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-85266(P2016-85266)
(22)【出願日】2016年4月21日
(65)【公開番号】特開2017-194374(P2017-194374A)
(43)【公開日】2017年10月26日
【審査請求日】2019年3月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 友司
【審査官】 伊藤 幸仙
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−65824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/24
G01N 21/952
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボーリング調査により採取したコアサンプルの条線観察に用いられる条線観察装置であって、
前記コアサンプルを収納するコア箱と、
前記コア箱に着脱可能に取り付けられるとともに、光源の位置、及び光源から光の照射角度を調整可能な照明器具と、
前記照明器具の光源の位置、及び光源からの光の照射角度を検出する検出手段とを備えていることを特徴とする条線観察装置。
【請求項2】
前記照明器具は、前記コア箱に着脱可能に取り付けられるとともに、自在に曲げ可能、かつ曲げた状態に保持可能なフレキシブル脚を有するフレキシブルスタンドと、
前記フレキシブルスタントによって支持されるとともに、自在に曲げ可能、かつ曲げた状態に保持可能なフレキシブルアームと、該フレキシブルアームに支持される前記光源とを有する器具本体とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の条線観察装置。
【請求項3】
前記検出手段は、前記光源の水平方向の位置を検出する水平方向位置検出手段と、前記光源の高さ検出する高さ検出手段と、前記光源の照射角度を検出する照射角度検出手段と、前記光源の水平方向に対する方位を検出する方位検出手段とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の条線観察装置。
【請求項4】
前記水平方向位置手段は、物差しと下げ振りとからなり、前記高さ検出手段は、物差しと下げ振りとからなり、前記照射角度検出手段は、分度器と下げ振りとからなり、前記方位検出手段は、磁気コンパスからなることを特徴とする請求項3に記載の条線観察装置。
【請求項5】
前記照明器具は、コア箱の少なくとも2箇所に取り付けられることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の条線観察装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、条線観察装置に関し、特に、ボーリング調査により採取したコアサンプルの条線観察に有効な条線観察装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発電所等の大規模の施設を構築する場合、地震が発生した場合にどの程度の規模のものになるか、また発生し得る地震に対してどの程度の耐震設計を施すべきか等を事前に把握しておくために、施設を構築する予定地周辺の活断層調査を行っている。
【0003】
活断層調査の調査手法には、地質調査、トレンチ調査、ボーリング調査等があり、調査結果に基づいて求められた地質構造断面から、将来地震を引き起こす可能性のある活断層であるか否かの判断を行っている。
【0004】
例えば、ボーリング調査による活断層調査においては、ボーリングにより採取した円柱状のコアサンプルを観察して、岩盤の面(岩盤自体や粘土部)に岩盤が動いた際に形成される条線(傷)を探す条線観察を行い、条線観察の結果に基づいて活断層であるか否かの判断を行っている。
【0005】
ボーリングにより採取コアサンプルに対して条線観察を行う場合、例えば、採取現場において、一方の手で採取したコアサンプルを持ち、他方の手で照明器具を持ってコアサンプルに向けて光を当て、コアサンプルを回転させながら光の向きを調整することにより、条線の凹凸による陰影を強くして、条線の方向等を観察する作業を行っている。
【0006】
上記のような手法によって条線観察を行う場合、コアサンプルの表面の条線が明瞭であう場合には、条線の凹凸による陰影を強くすることはできるが、条線が不明瞭な場合には、照明器具の光の向きを調整しても、条線の凹凸による陰影を強くすることができないため、条線方向等の条線観察を精度よく行うことが難しい。現場で条線を確認できた箇所のコアサンプルを採取して、検査室等の室内に持ち帰り、室内でコアサンプルをコア箱内に収納して、コア箱内のコアサンプルに対して例えば2方向から光を当てることにより、条線による凹凸の陰影を強くして、精度よく条線の観察を行っている。
【0007】
このように、現場にて条線が確認できた場合でも、その部分のコアサンプルを採取して検査室等の室内に持ち帰り、室内でコアサンプルをコア箱内に収納して、コア箱内のコアサンプルに対して例えば2方向から光を当てることにより、条線の存在を再確認している。
【0008】
しかし、条線が明瞭でない場合には、光の照射方向が微妙に変化すると、条線が観察できなくなるため、室内に持ち帰ったコアサンプルについて条線を再確認する場合、光の照射方向を現場と同じ方向に再現して条線観察を行うことが必要であるが、経験の浅い作業者ではそのような条線観察を正確に行うことは困難である。
【0009】
ところで、特許文献1には、ボーリングコア試料をデジタルカメラで撮影し、撮影した画像をデジタルデータとして記録するように構成したボーリングコア試料類撮影装置が記載されている。このボーリングコア試料類撮影装置は、デジタルカメラを下向きに固定保持するスライダーを水平横方向に案内する直線ガイド部と、直線ガイド部をスライダーの移動方向に直交する水平縦方向に平行に案内する一対の平行案内部を有するデジタルカメラ移動装置を備え、このデジタルカメラ移動装置を床面上に載置し、平行案内部間の床面上に、直線ガイド部に平行に横長のコア箱を水平状に載置し、コア箱内にほぼ同軸状にボーリングコア試料を収容し、デジタルカメラを一定直線に沿って移動させて、ボーリングコア試料を一定直線に沿ってデジタルカメラで撮影し、撮影した画像をデジタルデータとして記録するように構成したものである。
【0010】
しかし、このような撮影装置は、コア箱内のボーリングコア試料に対して上方のみから光を当てることになるため、条線が不明瞭である場合、条線の陰影を強くすることができないため、精度よく条線観察を行うことができない。また、装置が複雑で高価であるため条線観察に要する費用が高くつく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000−65824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、現場で条線の観察ができたコアサンプルを室内等に持ち帰って再現して観察する場合に、経験の浅い作業者であっても、光の照射方向を現場で観察できた方向に再現して条線観察を行うことができるとともに、条線観察に要する費用を削減することができる条線観察装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明は、ボーリング調査により採取したコアサンプルの条線観察に用いられる条線観察装置であって、前記コアサンプルを収納するコア箱と、前記コア箱に着脱可能に取り付けられるとともに、光源の位置、及び光源から光の照射角度を調整可能な照明器具と、前記照明器具の光源の位置、及び光源からの光の照射角度を検出する検出手段とを備えていることを特徴とする。
【0014】
本発明の条線観察装置によれば、検出手段により、照明器具の光源の位置、及び光源からの光の照射角度を検出して、この検出したデータを照明器具をセットする際のセット条件とすることにより、現場で条線を観察することできたセット条件で室内でも照明器具をセットすることにより、現場で観察した条線を室内でも再現して観察することができる。従って、作業者の熟練度に関わらずに経験の浅い作業者であっても、現場で観察できた条線を室内でも再現して観察することができる。
【0015】
また、本発明において、前記照明器具は、前記コア箱に着脱可能に取り付けられるとともに、自在に曲げ可能、かつ曲げた状態に保持可能なフレキシブル脚を有するフレキシブルスタンドと、前記フレキシブルスタントによって支持されるとともに、自在に曲げ可能、かつ曲げた状態に保持可能なフレキシブルアームと、該フレキシブルアームに支持される前記光源とを有する器具本体とを備えていることとしてもよい。
【0016】
本発明の条線観察装置によれば、照明器具のフレキシブルスタンドのフレキシブル脚、及び器具本体のフレキシブルアームを所望の形状に折り曲げることにより、光源を所定の位置、照射角度にセットすることができ、光源のセットを容易に行うことができる。
【0017】
また、本発明において、前記検出手段は、前記光源の水平方向の位置を検出する水平方向位置検出手段と、前記光源の高さ検出する高さ検出手段と、前記光源の照射角度を検出する照射角度検出手段と、前記光源の水平方向に対する方位を検出する方位検出手段とを備えていることとしてもよい。
【0018】
本発明の条線観察装置によれば、水平方向位置検出手段により、光源の水平方向の位置を検出し、高さ検出手段により、光源の高さを検出し、照射角度検出手段により光源の照射角度を検出し、方位検出手段により、光源の水平方向の方位を検出することにより、精度良く条線観察を行うことができた際の光源のデータを取得することができる。
【0019】
また、本発明において、前記水平方向位置手段は、物差しと下げ振りとからなり、前記高さ検出手段は、物差しと下げ振りとからなり、前記照射角度検出手段は、分度器と下げ振りとからなり、前記方位検出手段は、磁気コンパスからなることとしてもよい。
【0020】
本発明の条線観察装置によれば、水平方向位置検出手段、高さ検出手段、照射角度検出手段、及び方位検出手段を構成する部材は、簡単な構造で安価なものであるので、設備費を削減することができ、条線観察に要する費用を削減することができる。
【0021】
また、本発明において、前記照明器具は、コア箱の少なくとも2箇所に取り付けられることとしてもよい。
【0022】
本発明の条線観察装置によれば、照明器具をコア箱の少なくとも2箇所に取り付けることにより、条線が不明瞭な場合でも、条線による凹凸の陰影を強くすることができるので、条線が不明瞭な場合であっても、条線観察を精度良く行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
以上、説明したように、本発明の条線観察装置によれば、室内に持ち帰ったコアサンプルについて条線を確認する場合に、経験の浅い作業者であっても、光の照射方向を現場と同じ方向に再現して条線観察を行うことができる。また、条線観察に要する費用を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明による条線観察装置の一実施の形態を示した概略図である。
図2】検出手段の水平方向位置検出手段を示した概略図であって、コア箱の幅方向の距離を検出している状態を示した概略図である。
図3】検出の水平方向位置検出手段を示した概略図であって、コア箱の長さ方向の距離を検出している状態を示した概略図である。
図4】検出手段の高さ検出手段を示した概略図であって、コア箱の幅方向から見た概略図である。
図5】検出手段の高さ検出手段を示した概略図であって、コア箱の長さ方向から見た概略図である。
図6】検出手段の方位検出手段を示した概略図である。
図7図6のA部の拡大図である。
図8】検出手段の照射角度検出手段を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1図8には、本発明の条線観察装置の一実施の形態が示されている。
本実施の形態の条線観察装置は、ボーリング調査により採取したコアサンプルの条線観察に適用されるものであって、例えば、ボーリング調査による活断層調査において、ボーリングにより採取したコアサンプルを観察して、岩盤の面(岩盤自体や粘土部)に岩盤が動いた際に形成される条線(傷)を探す条線観察に適用される。
【0026】
条線観察装置1は、図1に示すように、採取したコアサンプル9を収納するコア箱2と、コア箱2に着脱可能に取り付けられて、コア箱2内に収納したコアサンプル9に向けて光を照射する照明器具10と、照明器具10の光源12の位置及び光源からの光の照射角度を検出する検出手段20とを備えている。
【0027】
コア箱2は、前板3と後板4と2枚の側板5と底板6とからなる上部が開口された四角形箱状をなすものであって、内側に円柱状のコアサンプル9を収納するための上部が開口された四角形状の空間である収納室8が形成されている。
【0028】
コア箱2の前板3の上面、後板4の上面、及び両側板5の上面には、それぞれ目盛7が付され、この目盛7が付された前板3、後板4、又は側板5の上部に照明器具10が取り付けられるようになっている。目盛7は、例えば1cm単位の目盛7であって、この目盛7を読み取ることにより、照明器具10のコア箱2の前板3、後板4、及び側板5への取付位置が検出される。
【0029】
なお、コア箱2の前板3と後板4との間に複数の仕切り板(図示せず)を設けて、コア箱2の内部を複数の収納室8に区画し、各収納室8内にコアサンプル9を収納するように構成してもよい。
【0030】
照明器具10は、一対の光源12と、両光源12をそれぞれ個別に支持するフレキシブルアーム13と、両フレキシブルアーム13を支持する支持部14とからなる器具本体11と、器具本体11を支持するフレキシブルスタンド16とから構成されている。
【0031】
フレキシブルスタンド16は、コア箱2の前板3、後板4、又は側板5に着脱可能に取り付けられるクランプ等の固定金具17と、固定金具17に取り付けられるフレキシブル脚18とからなり、フレキシブル脚18の上端に器具本体11の支持部14が取り付けられるようになっている。
【0032】
フレキシブルアーム13及びフレキシブル脚18は、自在に曲げ可能、かつ曲げた状態に保持可能な棒状又は管状の部材であって、例えば、ステンレス等の金属材料により形成されたインターロックチューブ等が用いられる。
【0033】
フレキシブルスタンド16の固定金具17をコア箱2の前板3、後板4、又は側板5に取り付けることにより、コア箱2の上方に照明器具10の光源12を配置することができ、この光源12からコア箱2内のコアサンプル9に向けて光を照射させることにより、サンプル9の表面の条線観察を行うことができる。この場合、フレキシブルスタンド16のフレキシブル脚18及び器具本体11のフレキシブルアーム13を所望の形状に曲げることにより、光源12をコア箱2の上方の所定の位置に配置できるとともに、光源12からの光の照射角度を所定の角度に調整することができる。
【0034】
検出手段20は、光源12のコア箱2に対する相対的な位置、及び光源12からの光の照射角度を検出するものであって、図2図8に示すように、例えば、器具本体11の支持部14のコア箱2に対する水平方向の相対的な位置を検出する水平方向位置検出手段21と、光源12の高さを検出する高さ検出手段22と、光源12の水平方向の方位を検出する方位検出手段24と、光源12から照射する光の照射角度を検出する照射角度検出手段23とから構成されている。
【0035】
上記のように構成した本実施の形態の条線観察装置1によってコアサンプル9の条線観察を行うには、図1に示すように、現場において作業台等の上部にコア箱2を載置し、コア箱2の収納室8内にボーリング調査により採取したコアサンプル9を収納し、例えば、コア箱2の側板5の上部と後板4の上部の2箇所にそれぞれ照明器具10を取り付ける。
【0036】
次に、各照明器具10のフレキシブル脚18及びフレキシブルアーム13をそれぞれ所望の形状に曲げて、各光源12のコア箱2に対する水平方向の位置、各光源12の高さ、各光源12の水平方向の方位、各光源12からの光の照射角度を最適に調整し、各光源12からコアサンプル9に向けて光を照射することにより、岩盤の面(岩盤自体や粘土部)に形成されている条線(傷)を探す条線観察を行う。
【0037】
この場合、条線の存在を観察することができたときの照明器具10のセット条件を検出し、このセット条件をコアサンプル9を検査室等の室内に持ち帰って条線を再現して観察する際の照明器具10のセット条件として使用する。
具体的には、図2図8に示すように、現場でコアサンプル9の表面の条線を観察できたときの各照明器具10のコア箱2に対するセット条件を、検出手段20によって各光源12のコア箱2に対する水平方向の位置、各光源12の高さ、各光源12の水平方向の方位、各光源12からの光の照射角度を検出することによって求める。
【0038】
水平方向の位置を検出するには、図2及び図3に示すように、まず、コア箱2の上部の目盛7を読むことによってコア箱2への照明器具10の取付位置を検出する。
次に、フレキシブル脚18の支持部14との連結部19に水平方向位置検出手段21の下げ振り26の糸27を固定して垂球28を垂らし、コア箱2の上面に水平方向位置検出手段21の物差し25を水平に当てて、物差し25によってコア箱2上の固定金具17から垂球28までの水平方向の距離a1、a2を計測する。この作業は、コア箱2の幅方向及び長さ方向について行う。これにより、照明器具本体11を支持する支持部14のコア箱2に対する水平方向(コア箱2の幅方向、長さ方向)の相対的な位置を検出する。
【0039】
次に、図4及び図5に示すように、各光源12に高さ検出手段22の下げ振り26の糸27を固定して垂球28を垂らし、コア箱2の上面に平板29を水平に当てて、平板29の上面に垂球28の先端を接触させ、高さ検出手段22の物差し25によって平板29から各光源12までの距離を測ることにより、各光源12のコア箱2からの高さh1、h2を検出する。
【0040】
次に、図6及び図7に示すように、各フレキシブルアーム13と支持部14との連結部15の上部に方位検出手段24の磁気コンパス30を当てて、磁気コンパス30のベース31の矢印32を光源12と連結部15とを結ぶ線に合わせ、リング33の矢印34を磁針35の北に合わせ、リング33の方位の度数目盛を読み取ることにより、ベース31の矢印の方位、つまり、各光源12から照射する光を上から見たときの方位を検出する。
【0041】
次に、図8に示すように、各フレキシブルアーム13と支持部14との連結部15に照射角度検出手段23の下げ振り26の糸27を固定し、この糸27とフレキシブルアーム13との間に照射角度検出手段23の分度器36を当てて、分度器36の角度を読み取ることにより、フレキシブルアーム13の鉛直方向に対する角度、つまり、各光源12から照射する光の鉛直方向に対する角度を検出する。
【0042】
これにより、照明器具10のコア箱2への取付位置、照明器具10の光源12のコア箱2に対する水平方向の位置、及び高さを検出することができるとともに、光源12から照射される光の3次元的な照射方向を検出することができ、これらの検出したデータを、条線が観察できた照明器具10のセット条件とし、このセット条件をコアサンプル9を室内に持ち帰って条線を再現して観察する際に、照明器具10をセットする際のセット条件とする。
【0043】
これにより、コアサンプル9を現場から室内に持ち帰って、現場で条線を観察できた照明器具10のセット条件と同一条件で室内で照明器具10をセットして、現場で観察できた条線を室内でも再現させて観察することができる。
【0044】
上記のように構成した本実施の形態の条線観察装置1にあっては、コア箱2の収納室8内に収納したコアサンプル9の条線観察を行う場合に、現場で条線を観察することできた照明器具10のセット条件(照明器具10のコア箱2への取付位置、光源12の水平方向の位置、高さ、水平方向の方位、及び照射角度)を検出手段20によって検出し、この検出した照明器具10のセット条件を、室内で条線を再現して観察を行う際に、照明器具10のセット条件として使用することにより、現場で観察できた条線を室内でも容易に再現して観察することができる。
従って、作業者の熟練度に関わらず、経験の浅い作業者であっても現場で観察できた条線を室内でも再現して観察することができる。
【0045】
また、光源12と、フレキシブルアーム13と、支持部14とからなる器具本体11と、固定金具17と、フレキシブル脚18とからなるフレキシブルスタンド16とを備えた簡単な構造のものであるので、設備費を削減することができ、条線観察に要する費用を削減することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 条線観察装置
2 コア箱
3 前板
4 後板
5 側板
6 底板
7 目盛
8 収納室
9 コアサンプル
10 照明器具
11 器具本体
12 光源
13 フレキシブルアーム
14 支持部
15 連結部
16 フレキシブルスタンド
17 固定金具
18 フレキシブル脚
19 連結部
20 検出手段
21 水平方向位置検出手段
22 高さ検出手段
23 照射角度検出手段
24 方位検出手段
25 物差し
26 下げ振り
27 糸
28 垂球
29 平板
30 磁気コンパス
31 ベース
32 矢印
33 リング
34 矢印
35 磁針
36 分度器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8