(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
横並びに配置された1対の第1及び第2電極とこれら第1及び第2電極を被覆した誘電体部とで形成された吸着ブロックを、複数、平面上に整列させて形成した静電吸着部と、当該静電吸着部に所定の電圧を供給するための電源部とを備える静電チャックであって、
各吸着ブロックの第1電極に接続され且つ所定距離だけ離れた複数の第1端子が、当該吸着ブロックの誘電体部の裏面に露出されると共に、当該吸着ブロックの第2電極に接続され且つ所定距離だけ離れた複数の第2端子が、当該吸着ブロックの誘電体部の裏面に露出され、
上記電源部の一方の電圧供給端が、第1給電ケーブルによって、所定の1つの吸着ブロックの第1端子に接続されると共に、他方の電圧供給端が、第2給電ケーブルによって、当該吸着ブロックの第2端子又は他の1つの吸着ブロックの第2端子に接続され、
電源部に上記第1及び第2給電ケーブルによって接続された上記吸着ブロックを含む複数の吸着ブロックの第1端子が、第1連結ケーブルで接続されて、互いに電気的に接続された複数の第1電極の群が構成され、且つ、当該複数の吸着ブロックの第2端子が、第2連結ケーブルで接続されて、互いに電気的に接続された複数の第2電極の群が構成されており、
上記各吸着ブロックは、他の各吸着ブロックから完全に分離されており、
上記第1連結ケーブルは、上記吸着ブロックの外部に露出した状態で、上記第1端子に接続され、
上記第2連結ケーブルは、上記吸着ブロックの外部に露出した状態で、上記第2端子に接続されている、
ことを特徴とする静電チャック。
【背景技術】
【0002】
一般に、静電チャックは、
図24に示すように、静電吸着部101と、静電吸着部101に所定の電圧を供給するための電源部102とを備えている。
そして、双極型の静電チャックでは、静電吸着部101が、横並びの1対の電極111,112とこれら電極111,112を被覆した誘電体部113とで形成され、ケーブルC1,C2が、電極111,112と電源部102の端子102a,102bとの間に接続されている(例えば、特許文献1参照)。
このような静電チャックにおいては、静電吸着部101が作業用の図示しないチャンバ内に配設され、電源部102がチャンバの外部に配設される。そして、ウェハやガラス基板等のワークWを、静電吸着部101の表面に載置して、電源部102をオンにすることで、ワークWが静電吸着部101表面に吸着される。
【0003】
したがって、静電チャックの静電吸着部101の大きさや形状等は、加工対象のワークの大きさや形状等に合わせて作成される。
しかしながら、近年では、決まった丸形や四角形だけでなく、様々な形状のワークが、加工対象になっている。このため、
図24に示す従来の静電チャックでは、様々な大きさや形状のワークWを加工する際に、その都度、静電吸着部101の大きさや形状を、ワークWに合わせて設計し直す必要がある。
静電チャックの設計変更は、ワークWの大きさや形状だけでなく、加工設備の仕様においても発生する。つまり、静電吸着部101が配設される設備には、ワークWを持ち上げるリフトピンや静電吸着部101締結用の穴等が設けられていることが多い。このため、リフトピンや締結穴を避けるように、空隙を静電吸着部101の所定部に設けたり、電極111,112の形状を設計する必要がある。静電吸着部101の設計には、設備上の制約を受けることが多い。
つまり、
図24に示すような従来の静電チャックでは、各種のワークWや設備に対応した構造の静電吸着部101を有した多数種類の静電チャックを、予め用意しておかなければならず、コスト面で問題があった。
【0004】
そこで、
図25に示すように、複数の静電チャックを組み合わせて、大きさや形状等が異なるワークに対応した技術が提案されている(例えば、特許文献2〜4参照)。
この技術においては、複数の静電チャックの静電吸着部101が大型のワークWの大きさに合わせて敷き詰められ、電圧が、電源部102から必要な静電吸着部101にのみ供給される構造になっている。
【0005】
例えば、二点鎖線で示す最も大型のワークWについては、電圧を、全ての電源部102から全ての静電吸着部101に供給して、この大型のワークWを吸着し、最も小型のワークWについては、ワークWを左下の静電吸着部101に載置して、電圧をこの静電吸着部101に接続された電源部102から供給して、小型のワークWを吸着する。そして、各種異形のワークWについては、電圧を、電源部102からワークWが載置されている複数の静電吸着部101にのみ供給して、異形のワークWを吸着する。このようにして、大きさや形状の異なるワークWを吸着することができるようになっている。
また、この技術を、リフトピン、締結穴、カメラ等が設けられている設備や、突起が設けられているワークWについて用いる場合には、
図26に示すように、リフトピン等が当たる箇所の静電吸着部101を取り外し、空隙Hを、その取り外し部分に形成する。このようにして、リフトピン等を空隙H内に位置させることで、静電吸着部101とリフトピン等との干渉を回避している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記した従来の技術では、次のような課題があった。
一般に、静電チャックをディスプレイ製造装置で使用するような場合には、
図25に示す複数の静電吸着部101を作業用チャンバー内に配置し、複数の電源部102をチャンバーの外部に配置する。かかる状態で、各静電吸着部101と各電源部102とをケーブルC1,C2で接続する。
つまり、ケーブルC1,C2を静電吸着部101に2本ずつ配線するため、静電吸着部101の数が多くなると、その分、ケーブルC1,C2が多数になり、その配線が煩雑となる。
また、
図25に示すように、16個の静電吸着部101を用いる場合には、高額な電源部102が16個必要である。しかも、各ケーブル121(122)の長さが、約5m〜10m程度あり、16個の静電吸着部101を用いる場合には、全ケーブルの長さが、(5m〜10m)×2×16=160m〜320mとなる。つまり、
図25に示す従来の技術では、電源部102やケーブルC1,C2の多さが、設備コストを圧迫してしまうという問題がある。
【0008】
これに対して、
図27に示すように、多数の静電吸着部101から引き出された多数対のケーブルC1,C2を、端子台103でまとめることにより、電源部102を1台に減少させた技術も考えられる。
しかし、この技術においても、多数のケーブルC1,C2が必要であり、しかも、高電圧のスイッチや端子台103は高価であり、設備コストを圧迫するおそれがある。
【0009】
この発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、異なる大きさや形状のワークに対応することができると共に、設備上の制約にも対応することができ、しかも、設備コストの低減化を図ることができる静電チャックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、横並びに配置された1対の第1及び第2電極とこれら第1及び第2電極を被覆した誘電体部とで形成された吸着ブロックを、複数、平面上に整列させて形成した静電吸着部と、当該静電吸着部に所定の電圧を供給するための電源部とを備える静電チャックであって、各吸着ブロックの第1電極に接続され且つ所定距離だけ離れた複数の第1端子が、当該吸着ブロックの誘電体部の裏面に露出されると共に、当該吸着ブロックの第2電極に接続され且つ所定距離だけ離れた複数の第2端子が、当該吸着ブロックの誘電体部の裏面に露出され、電源部の一方の電圧供給端が、第1給電ケーブルによって、所定の1つの吸着ブロックの第1端子に接続されると共に、他方の電圧供給端が、第2給電ケーブルによって、当該吸着ブロックの第2端子又は他の1つの吸着ブロックの第2端子に接続され、電源部に第1及び第2給電ケーブルによって接続された吸着ブロックを含む複数の吸着ブロックの第1端子が、第1連結ケーブルで接続されて、互いに電気的に接続された複数の第1電極の群が構成され、且つ、当該複数の吸着ブロックの第2端子が、第2連結ケーブルで接続されて、互いに電気的に接続された複数の第2電極の群が構成されており、
各吸着ブロックは、他の各吸着ブロックから完全に分離されており、第1連結ケーブルは、吸着ブロックの外部に露出した状態で、第1端子に接続され、第2連結ケーブルは、吸着ブロックの外部に露出した状態で、第2端子に接続されている構成とした。
【0011】
かかる構成により、所定の電圧を、電源部から第1給電ケーブルを通じて複数の第1電極の群に供給し、第2給電ケーブルを通じて複数の第2電極の群に供給することで、例えば、第1電極の群が正極に帯電し、第2電極の群が負極に帯電する。この結果、静電吸着部の表面に配置されたワークが、静電気力によって、静電吸着部表面に吸着される。そして、電源部からの電圧供給を停止することで、ワークを静電吸着部から取り外すことができる。
【0012】
この発明の電気的構成に必要なケーブルは、群を構成する複数の第1電極の第1端子同士を接続するための複数の第1連結ケーブルと、電源部の一方の電圧供給端と第1電極の第1端子とを接続するための第1給電ケーブルと、群を構成する複数の第2電極の第2端子同士を接続するための複数の第2連結ケーブルと、電源部の他方の電圧供給端と第2電極の第2端子とを接続するための第2給電ケーブルである。
このとき、複数の吸着ブロックが平面上に整列されているので、複数の第1電極の第1端子同士を接続する各第1連結ケーブルや複数の第2電極の第2端子同士を接続する各第2連結ケーブルの長さは、短くて済む。
この発明で用いられるケーブルのうち、最も長いケーブルは、電源部と第1及び第2電極とを接続する1対の第1及び第2給電ケーブルである。上記した
図25や
図27で示した従来の静電チャックでは、このような長いケーブルを多数対(例えば、16対)必要である。これに対して、この発明の静電チャックにおいては、このようケーブルが1対だけで済むため、ケーブル長さの点において、設備コストの低減化を図ることができる。
さらに、電圧を、たった1つの電源部から複数の吸着ブロックに供給することができるので、複数の電源部を必要とせず、しかも、
図27に示したような端子台も必要としないので、これらの点からも、設備コストの低減化を図ることができる。
【0013】
また、静電吸着部が、平面上に整列された複数の吸着ブロックで形成されているので、あるエリアの吸着ブロック群のみを第1及び第2連結ケーブルで電気的に接続すると共に、他エリアの吸着ブロック群では、ケーブルでの電気的接続を行わない設定にすることができる。これにより、静電吸着部上に、ワークを吸着可能なエリアと吸着不能なエリアとを選択的に形成することができる。
したがって、例えば、大型のワークを吸着する場合には、全ての吸着ブロックを電気的に接続して、静電吸着部の全エリアで大型のワークを吸着することができるようにし、小型のワークを吸着する場合には、ワークの大きさに対応したエリアの吸着ブロックのみを電気的に接続して、小型のワークを静電吸着部の一部のエリアで吸着するようにすることができる。
また、異なる形状のワークを吸着する場合には、ワークが載置されるエリアの吸着ブロックのみを電気的に接続することで、各種形状のワークを静電吸着部で吸着するようにすることができる。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1に記載の静電チャックにおいて、静電吸着部は、行列状に整列された複数の吸着ブロックによって形成されている構成とした。
かかる構成により、複数の吸着ブロックが行列状に整列されているので、ある第1電極(第2電極)の1つの第1端子(第2端子)を、当該第1電極(第2電極)に隣接する他の第1電極(第2電極)の第1端子(第2端子)に接続し、当該他の第1電極(第2電極)の当該第1端子(第2端子)以外の第1端子(第2端子)を、当該他の第1電極(第2電極)に隣接する別体の第1電極(第2電極)の第1端子(第2端子)に接続するように、近くの複数の第1電極(第2電極)を順に電気的に接続することにより、第1電極(第2電極)同士を接続するための第1及び第2連結ケーブルの長さをさらに短くすることができる。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の静電チャックにおいて、互いに電気的に接続された複数の第1電極は、電源部の一方の電圧供給端に接続された第1端子を有する第1電極を始点として、直列に接続され、互いに電気的に接続された複数の第2電極は、電源部の他方の電圧供給端に接続された第2端子を有する第2電極を始点として、直列に接続されている構成とした。
かかる構成により、複数の吸着ブロック同士を電気的に接続するための第1及び第2連結ケーブルの長さを最短に設定することができる。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の静電チャックにおいて、静電吸着部を構成する複数の吸着ブロックのうち、1つ以上の吸着ブロックに、外部部材との干渉を避けるための空隙を形成した構成とする。
かかる構成により、吸着ブロックの空隙をリフトピン、カメラ、ワークの突起等の位置に位置させることで、これらの外部部材と吸着ブロックとの干渉を回避することができる。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の静電チャックにおいて、静電吸着部を構成する複数の吸着ブロックのうち、一部の吸着ブロックを除いて、外部部材との干渉を避けるための空隙を静電吸着部に形成した構成とする。
かかる構成により、静電吸着部の空隙をリフトピン、カメラ、ワークの突起等の位置に位置させることで、これらの外部部材と静電吸着部との干渉を回避することができる。
【0018】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の静電チャックにおいて、静電吸着部の形状がワークの形状に対応するように、複数の吸着ブロックを配置した構成とする。
【0019】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の静電チャックにおいて、第1電極同士が第1連結ケーブルで接続され且つ第2電極同士が第2連結ケーブルで接続された複数の吸着ブロックで1つの吸着ブロック群を形成し、この吸着ブロック群を複数群用いて、静電吸着部を形成する共に、複数の電源部を設け、各電源部を、第1及び第2給電ケーブルによって、各吸着ブロック群に接続した構成とする。
かかる構成により、電圧を各電源部から各吸着ブロック群に供給することで、吸着力を当該吸着ブロック群に発生させることができる。したがって、複数の電源部のオンオフ動作を制御することで、複数の吸着ブロック群の吸着タイミングに時間差を設けることができる。つまり、この発明の静電チャックを用いることで、ワークに対する吸着タイミングを自由に制御することができる。
【0020】
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の静電チャックにおいて、電源部と当該電源部に接続された吸着ブロックとの間に、電気的に接続された複数の第1電極と電気的に接続された複数の第2電極との間の静電容量値を検出可能な静電容量センサを接続した構成とする。
かかる構成により、ワークを静電吸着部上に載置すると、ワークの位置に対応した静電容量値を、静電容量センサによって検出して、モニタリングすることができる。したがって、ワークが静電吸着部に完全に載置されているか、半分程度しか載置されていないか等を、静電容量センサによって、判断することができる。また、ワークが、所望の位置からどの程度位置ずれしているかも、この静電容量センサによって検出することができる。
【0021】
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の静電チャックにおいて、誘電体部を、ガラスエポキシ樹脂又はポリ塩化ビニル樹脂で形成した構成とする。
【発明の効果】
【0022】
以上詳しく説明したように、この発明の静電チャックによれば、電源部から静電吸着部に接続するための長い第1及び第2給電ケーブルは、従来技術の静電チャックと異なり、1対で済み、その分、設備コストの低減化を図ることができる、という優れた効果がある。また、多数の電源部や端子台を必要としないので、これらの点からも、設備コストの低減化を図ることができる、という効果もある。
そして、静電吸着部上に、ワークを吸着可能なエリアと吸着不能なエリアとを選択的に形成することができるので、異なる大きさや形状のワークに対応することができる、という効果がある。
【0023】
また、請求項3の発明によれば、吸着ブロック同士を電気的に接続するための第1及び第2連結ケーブルの長さを最短に設定することができる、という効果がある。
【0024】
また、請求項4及び請求項5の発明によれば、外部部材と吸着ブロックや静電吸着部との干渉を、空隙によって回避することができるので、設備上の制約を受けることなく、静電チャックを使用することができる、という効果がある。
【0025】
特に、請求項7の発明によれば、ワークに対する吸着タイミングを自由に制御することができる、という効果がある。
【0026】
さらに、請求項8の発明によれば、ワークの配置状態を静電容量センサによって検出することができる、という効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、この発明の最良の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
(実施例1)
図1は、この発明の第1実施例に係る静電チャックの裏面を示す概略平面図であり、
図2は、吸着ブロックの第1及び第2電極を露出させて示す概略平面図であり、
図3は、吸着ブロックの断面図である。
図1に示すように、この実施例の静電チャック1−1は、静電吸着部2と、電源部としての制御電源3とを備えている。
【0030】
静電吸着部2は、ワークを表面(
図1の裏側面)に吸着するための部分である。静電吸着部2は、複数の吸着ブロック20によって形成されている。吸着ブロック20の数は任意であるが、この実施例では、静電吸着部2を、16枚の吸着ブロック20で形成した。
【0031】
各吸着ブロック20は、1対の第1及び第2電極21,22と誘電体部23とで形成されている。
第1電極21と第2電極22は、共に四角形の導電体である。これら第1及び第2電極21,22は、誘電体部23内に横並び(
図1の左右並び)に配置されている。そして、
図2に示すように、1対の第1端子21a,21bが、第1電極21に接続され、1対の第2端子22a,22bが、第2電極22に接続されている。
具体的には、
図3に示すように、1対の第1端子21a,21b(第2端子22a,22b)が、第1電極21(第2電極22)の裏面両端部にそれぞれ形成され、この第1電極21(第2電極22)と第1端子21a,21b(第2端子22a,22b)とが、誘電体部23によって被覆されている。但し、第1端子21a,21b(第2端子22a,22b)の先端部は、吸着ブロック20の裏面側に露出されている。
ここで、第1電極21(第2電極22)と第1端子21a,21b(第2端子22a,22b)とを形成する材料として、アルミニウム、ステンレス、銅、銀、金や導電性カーボン等を用いることができるが、この実施例では、銅箔によって、第1電極21(第2電極22)と第1端子21a,21b(第2端子22a,22b)とを形成した。
また、誘電体部23を形成する樹脂として、ガラスエポキシ、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリイミド、アラミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリメチルペンテン、その他、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)、ビスマレイミド(BMI)等を用いることができるが、この実施例では、ガラスエポキシ樹脂によって、誘電体部23を形成した。
このような構造の16枚の吸着ブロック20が、
図1に示すように、平面上(
図1の紙面上)に4行4列に整列されている。そして、静電吸着部2が、かかる行列状の吸着ブロック20全体によって形成されている。
【0032】
制御電源3は、静電吸着部2に所定の電圧を供給するための電源であり、そのオンオフ動作によって、静電吸着部2に電圧を供給したり、停止したりする。また、静電吸着部2に供給する電圧値を変化させることもできる。このような静電吸着部2の構造は、周知であるので、その記載は省略する。
図2に示すように、この制御電源3には、1対の電圧供給端31,32が設けられており、電圧供給端31が、第1給電ケーブルとしてのケーブルC1によって、静電吸着部2の左最下に位置する吸着ブロック20(所定の1つの吸着ブロック)の第1端子21aに接続され、電圧供給端32が、第2給電ケーブルとしてのケーブルC2によって、当該吸着ブロック20の第2端子22aに接続されている。
【0033】
図1に示すように、吸着ブロック20が行列状に配設されているので、
図2に示すように、ある吸着ブロック20の第1,第2電極21,22と近傍の吸着ブロック20の第1,第2電極21,22とが、隣接した状態になっている。
そして、
図2に示すように、ある1つの吸着ブロック20の第1端子21bと、隣接した他の1つの吸着ブロック20の第1端子21aとが、第1連結ケーブルとしての短いケーブルK1で電気的に接続されている。同様に、当該ある1つの吸着ブロック20の第2端子22bと、隣接した他の1つの吸着ブロック20の第2端子22aとが、第2連結ケーブルとしての短いケーブルK2で電気的に接続されている。
つまり、この実施例の静電チャック1−1では、隣接した複数の吸着ブロック20の第1電極21同士を、第1端子21a,21bを通じてケーブルK1で電気的に接続することにより、例えば正極用の第1電極21の群を構成し、第2電極22同士を、第2端子22a,22bを通じてケーブルK2で電気的に接続することにより、例えば負極用の第2電極22の群を構成している。
【0034】
次に、この実施例の静電チャック1−1の使用例について説明する。
(使用例1)
図4は、第1実施例の静電チャック1−1の第1使用例を示す静電吸着部の裏面側を示す概略平面図である。この図では、各吸着ブロック20の誘電体部23の裏面側を省略して、第1電極21,第2電極22を露出させて表示した。また、吸着ブロック20の位置が容易に視認することができるように、16枚の吸着ブロック20に、サブナンバ(−1,−2,…−16)を付けて、吸着ブロック20−1〜20−16と表示した。
【0035】
この使用例では、制御電源3の電圧供給端31に第1端子21aが接続された第1電極21を始点として、複数の第1電極21同士が直列に接続され、制御電源3の電圧供給端32に第2端子22aが接続された第2電極22を始点として、第2電極22同士が直列に接続されている。
具体的には、
図4に示すように、第1端子21aが制御電源3の電圧供給端31にケーブルC1によって接続された吸着ブロック20−1において、第1電極21の第1端子21bが、ケーブルK1によって、隣接する吸着ブロック20−2の第1電極21の第1端子21aに接続されている。そして、吸着ブロック20−2の第1端子21bが、ケーブルK1によって、隣接する吸着ブロック20−3の第1電極21の第1端子21aに接続されている。以下、同様にして、隣接する吸着ブロック20−3〜20−16の第1電極21の第1端子21a,21bが、ケーブルK1によって、接続されている。これにより、16個の第1電極21が、ケーブルK1によって、直列に接続され、蛇行状の正極用の第1電極群が構成されている。
同様に、第2端子22aが制御電源3の電圧供給端32にケーブルC2によって接続された吸着ブロック20−1において、第2電極22の第2端子22bが、ケーブルK2によって、隣接する吸着ブロック20−2の第2電極22の第2端子22aに接続されている。以下、同様にして、隣接する吸着ブロック20−2〜20−16の第2電極22の第2端子22a,22bが、ケーブルK2によって、接続され、ケーブルK2によって、直列に接続された蛇行状の負極用の第2電極群が構成されている。
このように、複数の第1電極21同士,第2電極22同士を短いケーブルK1,K2によって、直列に接続することで、ケーブルK1,K2の長さを最短に設定することができる。
【0036】
図5は、第1実施例の静電チャックの表面を示す概略平面図であり、
図6は、使用されるケーブルの長さを説明するための概略図である。
図5の二点鎖線で示すように、ワークWを、静電吸着部2の表面に載置した後、制御電源3を駆動すると、電圧供給端31に直列に接続された16個の第1電極21の群が正極に帯電し、電圧供給端32に直列に接続された16個の第2電極22の群が負極に帯電する。この結果、ワークWが、第1電極21の群及び第2電極22の群の静電気によって、静電吸着部2表面に吸着される。そして、制御電源3からの電圧供給を停止することで、第1電極21の群及び第2電極22の群の静電気が消滅し、ワークWを静電吸着部2から取り外すことができる。
【0037】
ところで、
図6に示すように、ワークWの加工をチャンバ100内で行う場合、静電チャック1−1の静電吸着部2をチャンバ100内に配置し、制御電源3は、チャンバ100の外部に配置する。
かかる場合、静電吸着部2の第1電極21,第2電極22間の結線は、短いケーブルK1,K2で行われている(
図4参照)。したがって、ケーブルK1,K2の長さがそれぞれ約10cmとすると、その全長は、約10cm×30本=約3mである。また、静電吸着部2と外部の制御電源3との結線は、長いケーブルC1,C2によって行われている。このケーブルC1,C2の長さがそれぞれ約5m〜8mとすると、その全長は、約10m〜16mである。したがって、必要な全ケーブルの長さは、13m〜19mである。
これに対して、
図25や
図27で示した従来の静電チャックでは、全ケーブルの長さが、(5m〜10m)×2×16=160m〜320mも必要である。したがって、この実施例の静電チャック1−1では、このような従来の静電チャックに比べて、全ケーブル長を、極めて短くすることができる。
【0038】
(使用例2)
図7は、第1実施例の静電チャック1−1の第2使用例を説明するための概略平面図であり、
図8は、第2使用例における静電吸着部の裏面側を示す概略平面図である。
図4で示したように、全ての第1電極21と第2電極22とをケーブルK1,K2によって接続することで、静電吸着部2の大きさとほぼ等しい大型のワークWを吸着することができるだけでなく、
図7に示すような小型のワークW1も吸着することができる。
しかし、この実施例の静電チャック1−1では、
図8に示すように、4つの吸着ブロック20−1,20−2,20−7,20−8のみを電気的に接続して、小型のワークW1をかかる吸着ブロック20−1,20−2,20−7,20−8のエリアでのみ吸着することができる様に設定した。具体的には、吸着ブロック20−1,20−2,20−7,20−8の第1電極21同士をケーブルK1によって直列に接続すると共に、第2電極22同士をケーブルK2によって直列に接続した。これにより、ケーブルK1,K2の使用長さを低減させた状態で、小型のワークW1を吸着することができる。
この使用例では、ワークW1の吸着エリアを吸着ブロック20−1,20−2,20−7,20−8で形成したが、他の4つの吸着ブロック20を選択して、小型のワークW1の吸着エリアを形成することができることは勿論である。
【0039】
(使用例3)
図9は、第1実施例の静電チャック1−1の第3使用例を説明するための概略平面図である。
図9に示すように、この実施例の静電チャック1−1によれば、四角形でなく各種の形状をしたワークW2についても、ケーブルK1,K2の使用長さを低減させた状態で吸着することができる。
すなわち、吸着ブロック20−8,20−9については、ケーブルK1,K2による電気的接続を行わず、他の吸着ブロック20についてのみ、電気的接続を行うことで、
図9に示すような形状のワークW2を吸着することができる様に設定することができる。
【0040】
(実施例2)
次に、この発明の第2実施例について説明する。
図10は、この発明の第2実施例に係る静電チャックに用いられる静電吸着部の裏面を示す概略平面図であり、
図11は、静電吸着部の断面図である。
この実施例の静電チャック1−2は、静電吸着部の構造が、上記第1実施例と異なる。
すなわち、上記第1実施例の静電チャック1−1では、静電吸着部2を形成する16個の吸着ブロック20の誘電体部23が、物理的に分離されていた。しかし、この実施例の静電チャック1−2では、
図10に示すように、物理的に分離されておらず、1つの誘電体によって一体的に形成された16個の吸着ブロック20が、静電吸着部2を形成している。
具体的には、
図11にも示すように、16対の第1及び第2電極21,22が、4行4列に整列され、これら16対の第1及び第2電極21,22の全体が、誘電体24によって被覆されている。そして、第1電極21の第1端子21a,21bと第2電極22の第2端子22a,22bとが、静電吸着部2の裏面側に延出され、その先端部が静電吸着部2から露出されている。したがって、吸着ブロック20は分離されておらず、
図10の縦一点鎖線L1と横一点鎖線L2とで区画された各エリアが、各吸着ブロック20を形成し、当該区画された各エリアの誘電体部分が各誘電体部23を形成している。
【0041】
かかる構成により、16枚の吸着ブロック20の誘電体部23を別々に製造することなく、1つの工程で製造することができるので、製造コストの低減化を図ることができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1実施例と同様であるので、それらの記載は省略する。
【0042】
(実施例3)
次に、この発明の第3実施例について説明する。
図12は、この発明の第3実施例に係る静電チャックに用いられる静電吸着部の表面を示す概略平面図であり、
図13は、静電吸着部の断面図である。
この実施例の静電チャック1−3は、空隙が、吸着ブロック20に設けられている点が、上記第1及び第2の実施例と異なる。
具体的には、
図12に示すように、空隙hが、静電吸着部2を構成する16の吸着ブロック20の中の1つの吸着ブロック20−7に形成されている。
図13に示すように、図示しない設備に設けられているリフトピン200は、吸着ブロック20−7の中央真下に位置しており、空隙hが、このリフトピン200との干渉を避けるように、吸着ブロック20−7の中央部に設けられている。
【0043】
かかる構成により、空隙hによって、リフトピン200と吸着ブロック20−7との干渉を回避することができるので、作業終了後に、リフトピン200を上昇させることで、
図13の二点鎖線で示すように、ワークWを静電吸着部2から容易に取り外すことができる。
また、高電圧を制御電源3から静電吸着部2に供給する場合には、第1及び第2電極21,22を空隙h内で露出させておくと、放電等が生じ、好ましくない。このため、高電圧を使用する場合には、ケーブルK1,K2を吸着ブロック20−7の第1及び第2電極21,22と他の吸着ブロック20の第1及び第2電極21,22とを、ケーブルK1,K2によって接続せずに、吸着ブロック20−7の第1及び第2電極21,22を電気回路上、断状態にしておくことが好ましい。
なお、この実施例では、空隙hを、吸着ブロック20−7にのみ設けたが、設備の構造やワークWの突起の位置に応じて、吸着ブロック20−7以外の吸着ブロック20にも設けることができることは、勿論である
その他の構成、作用及び効果は、上記第1及び第2実施例と同様であるので、それらの記載は省略する。
【0044】
(実施例4)
次に、この発明の第4実施例について説明する。
図14は、この発明の第4実施例に係る静電チャックに用いられる静電吸着部の表面を示す概略平面図であり、
図15は、静電吸着部の裏面側を示す概略平面図である。
この実施例の静電チャック1−4は、空隙が、静電吸着部2に設けられている点が、上記第1〜第3の実施例と異なる。
具体的には、
図14に示すように、静電吸着部2が、12枚の吸着ブロック20−1〜20−5,20−5,20−8,20−9,20−12〜20−16によってロ字状に形成され、省略された4枚の吸着ブロック20−6,20−7,20−10,20−11の箇所に、大きな空隙Hが形成されている。
そして、
図15に示すように、12枚の吸着ブロック20の第1電極21同士が、ケーブルK1によって直列に接続され、第2電極22同士が、ケーブルK2によって直列に接続されている。
【0045】
かかる構成により、静電吸着部2の空隙Hを、設備の取り付けられたカメラ等の位置に位置させることで、このカメラ等と静電吸着部2との干渉を回避することができる。
なお、この実施例では、4枚の吸着ブロック20−6,20−7,20−10,20−11を省略して、静電吸着部2の中央部に空隙Hを形成したが、これに限定されるものではなく、他の1つ以上の吸着ブロック20を省略して、所定形状の空隙を形成することもできることは、勿論である。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1〜第3実施例と同様であるので、それらの記載は省略する。
【0046】
(実施例5)
次に、この発明の第5実施例について説明する。
図16は、この発明の第5実施例に係る静電チャックに用いられる静電吸着部の表面を示す概略平面図であり、
図17は、静電吸着部の裏面側を示す概略平面図である。
図16に示すように、この実施例の静電チャック1−5では、制御電源3−1〜3−4が吸着ブロック群20A〜20Bにそれぞれ接続された構成になっている点が、上記第1〜第4実施例と異なる。
【0047】
すなわち、この実施例では、静電吸着部2が、4群の吸着ブロック群20A〜20Dによって形成されると共に、4つの制御電源3−1〜3−4が設けられている。そして、各
吸着ブロック群20A(20B〜20D)が、ケーブルC1,C2によって、各制御電源3−1(3−2〜3−4)に接続されている。
【0048】
具体的には、各吸着ブロック群20A(20B,20C,20D)が、吸着ブロック20−1〜20−4(20−5〜20−8,20−9〜20−12,20−13〜20−16)で構成されている。
そして、
図17に示すように、各吸着ブロック群20A(20B,20C,20D)を構成する吸着ブロック20−1〜20−4(20−5〜20−8,20−9〜20−12,20−13〜20−16)の4つの第1電極21同士が、ケーブルK1によって直列に接続され、4つの第2電極22同士が、ケーブルK2によって直列に接続されている。また、各御電源3−1(3−2〜3−4)の電圧供給端31,32は、ケーブルC1,C2によって、各吸着ブロック20−1(20−8,20−9,20−16)の第1端子21a,第2端子22aにそれぞれ接続されている。
【0049】
かかる構成により、例えば、制御電源3−1,3−3を動作させて、吸着力を、1つ飛ばしの吸着ブロック群20A,20Cに発生させ、その間の吸着ブロック群20B,20Dには、吸着力を発生させない等の制御が可能である。
また、4つの制御電源3−1〜3−4のオンオフ動作を制御することで、4つの吸着ブロック群20A〜20Dの吸着タイミングに時間差を設けることができる。
さらに、ワークの大きさや形状に対応させて、吸着力を、吸着ブロック群20A〜20Dの中のいずれかの吸着ブロック群に発生させることで、各種大きさ及び形状のワークを吸着することができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1〜第4実施例と同様であるので、それらの記載は省略する。
【0050】
(実施例6)
次に、この発明の第6実施例について説明する。
図18は、この発明の第6実施例に係る静電チャックに用いられる静電吸着部の表面を示す概略平面図であり、
図19は、静電吸着部の裏面側を示す概略平面図である。この
図19では、各吸着ブロック20の誘電体部23の裏面側を省略して、第1電極21,第2電極22を露出させて表示した。
この実施例の静電チャック1−6は、上記第1実施例に対応する静電チャックである。しかし、静電吸着部2の形状がワークの形状に対応するように、複数の吸着ブロックを予め配置している点が、上記第1実施例と異なる。
【0051】
すなわち、
図18に示すように、複数の吸着ブロック20−1〜20−9が、四角形や円形のワークでなく、特殊な形状のワークの形状に対応するように配置され、静電吸着部2が、これらの吸着ブロック20−1〜20−9によって構成されている。
そして、
図19に示すように、吸着ブロック20−1〜20−9の9つの第1電極21同士が、ケーブルK1によって直列に接続され、9つの第2電極22同士が、ケーブルK2によって直列に接続されている。また、制御電源3の電圧供給端31,32は、ケーブルC1,C2によって、吸着ブロック20−1の第1端子21a,第2端子22aに接続されている。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1実施例と同様であるので、それらの記載は省略する。
【0052】
(実施例7)
次に、この発明の第7実施例について説明する。
図20は、この発明の第7実施例に係る静電チャックに用いられる静電吸着部の表面を示す概略平面図であり、
図21は、静電吸着部の裏面側を示す概略平面図である。
この実施例の静電チャック1−7は、上記第5実施例に対応する静電チャックであるが、第6実施例の静電吸着部2の形状を用いている点が、上記第5実施例と異なる。
【0053】
すなわち、
図20に示すように、吸着ブロック群20Aが、吸着ブロック20−1〜20−5で構成され、吸着ブロック群20Bが、吸着ブロック20−6〜20−9で構成されている。
そして、
図21に示すように、各吸着ブロック群20A(20B)を構成する吸着ブロック20−1〜20−5(20−6〜20−9)の第1電極21同士が、ケーブルK1によって直列に接続され、第2電極22同士が、ケーブルK2によって直列に接続されている。また、各御電源3−1(3−2)の電圧供給端31,32は、ケーブルC1,C2によって、各吸着ブロック20−1(20−6)の第1端子21a,第2端子22aにそれぞれ接続されている。
その他の構成、作用及び効果は、上記第5及び第6実施例と同様であるので、それらの記載は省略する。
【0054】
(実施例8)
次に、この発明の第8実施例について説明する。
図22は、この発明の第8実施例に係る静電チャックに用いられる静電吸着部の表面を示す概略平面図である。
この実施例の静電チャック1−8は、静電容量センサ4を備えている点が、上記第7実施例と異なる。
【0055】
すなわち、
図22に示すように、制御電源3−1が、吸着ブロック群20Aに接続され、制御電源3−2が、静電容量センサ4を介して吸着ブロック群20Bに接続されている。
具体的には、静電容量センサ4は、吸着ブロック20−6の第1電極21の第1端子21aと第2電極22の第2端子22a(
図21参照)との間の電圧を測定することで、吸着ブロック群20Bの静電容量値を検出することができる機器である。
【0056】
かかる構成により、ワークを静電吸着部2上に載置すると、ワークの位置に対応した静電容量値が、静電容量センサ4によって検出される。したがって、静電容量センサ4の静電容量値をモニタリングすることで、ワークが静電吸着部2に完全に載置されているか、半分程度しか載置されていないか等を、判断することができる。また、ワークが、所望の位置からどの程度ずれているかも、この静電容量センサ4によって検出することができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第6及び第7実施例と同様であるので、それらの記載は省略する。
【0057】
なお、この発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記実施例では、複数の吸着ブロック20を行列状に整列させて、静電吸着部2を形成した例を示したが、複数の吸着ブロック20は、平面上に整列されていれば良く、行列状の整列に限定されるものではない。
また、上記実施例では、長方形の第1電極21及び第2電極22を例示したが、第1電極及び第2電極の形状は、任意であり、長方形に限定されるものではない。
また、1対の第1端子21a,21b(第2端子22a,22b)が各第1電極21(第2電極22)に接続されている例を示したが、各第1電極(第2電極)に接続される端子数は、複数であればよく、1対に限定されるものではない。
さらに、上記実施例では、複数の第1電極21同士,複数の第2電極22同士をケーブルK1,K2で直列に接続した例を示したが、複数の第1電極21同士,複数の第2電極22同士は、直列接続に限定されるものではなく、複数の第1電極同士,複数の第2電極同士が、第1連結ケーブル,第2連結ケーブルによって電気的に接続されていればよい。
以上の見地から、この発明によれば、例えば、
図23に示すように、千鳥状に配列された六角形の吸着ブロック20で形成した静電吸着部2を形成した静電チャックも、この発明の範囲に含まれる。そして、図に示すように、第1及び第2電極21,22を長方形でない四角形に設定し、4つの第1端子21a〜21dを第1電極21に設け、4つの第2端子22a〜22dを第2電極22に設けることにより、複数の第1電極21の第1端子21a〜21dをケーブルK1で電気的に接続して、複数の第1電極21の群を構成し、複数の第2電極22の第2端子22a〜22dをケーブルK2で電気的に接続して、複数の第2電極22の群を構成することもできる。
【0058】
また、上記第8実施例では、静電容量センサ4を制御電源3−2と吸着ブロック群20Bとの間に接続した例を示したが、静電容量センサ4は、制御電源3−2との接続に限定されるものではなく、制御電源3−1,3−2にいずれか又は双方に接続することができることは勿論である。
さらに、静電容量センサ4は、第5実施例の制御電源3−1〜3−4のいずれか又は全てに接続することができることは、勿論である。