(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ロボットの基端部分を構成する支持部材を備えるとともに、前記アームとして、第1アームと第2アームとを備え、かつ、前記2軸関節ユニットとして、前記支持部材と前記第1アームとの間に配置される基端側2軸関節ユニットと、前記第1アームと前記第2アームとの間に配置される中間2軸関節ユニットと、前記第2アームの先端に取り付けられる先端側2軸関節ユニットとを備え、
前記先端側2軸関節ユニットでは、前記他方側関節部の前記ケース体に前記第2アームの先端が固定されるとともに、前記一方側関節部の前記フランジ部にエンドエファクタが取付可能となっていることを特徴とする請求項1記載のロボット。
前記基端側2軸関節ユニットの前記一方側関節部の前記出力側部材が前記支持部材に固定され、前記基端側2軸関節ユニットの前記他方側関節部の前記ケース体に前記第1アームの基端が固定され、前記中間2軸関節ユニットの前記他方側関節部の前記ケース体に前記第1アームの先端が固定されるとともに、前記中間2軸関節ユニットの前記一方側関節部の前記フランジ部に前記第2アームの基端が固定され、
前記支持部材に対して、前記基端側2軸関節ユニットの前記一方側関節部の前記出力軸の軸方向を回動の軸方向とする前記基端側2軸関節ユニットの相対回動が可能となっており、
前記第1アームに対して、前記中間2軸関節ユニットの前記他方側関節部の前記出力軸の軸方向を回動の軸方向とするとともに前記基端側2軸関節ユニットの前記一方側関節部の前記出力軸の軸心を含む平面上での前記第2アームの相対回動が可能となっており、
前記中間2軸関節ユニットに対して、前記第2アームの長手方向を回動の軸方向とする前記第2アームの相対回動が可能となっていることを特徴とする請求項2記載のロボット。
前記第2アームは、前記基端側2軸関節ユニットの前記一方側関節部と前記先端側2軸関節ユニットの前記他方側関節部との干渉が回避されるように前記第1アームよりも短くなっていることを特徴とする請求項3記載のロボット。
前記基端側2軸関節ユニット、前記中間2軸関節ユニットおよび前記先端側2軸関節ユニットの少なくともいずれか1つは、全ての前記2軸関節ユニットの前記関節部の前記出力軸の軸心が同一平面上に配置されるとともに前記基端側2軸関節ユニットと前記先端側2軸関節ユニットとが最も近づく正対姿勢において、前記基端側2軸関節ユニットの前記一方側関節部の前記出力軸の軸心と前記先端側2軸関節ユニットの前記一方側関節部の前記出力軸の軸心とが同一直線上に配置されるように、前記連結部材を備えることを特徴とする請求項2記載のロボット。
第1関節部と、第2関節部と、第3関節部と、第4関節部と、第5関節部と、第6関節部と、長手形状の第1アームと、長手形状の第2アームとを備えるロボットであって、
前記ロボットの基端部分を構成する支持部材を備え、
前記第1関節部、前記第2関節部、前記第3関節部、前記第4関節部、前記第5関節部および前記第6関節部のそれぞれは、モータと、前記モータに連結される減速機と、前記減速機の出力軸に固定される出力側部材と、前記モータおよび前記減速機が収容されるケース体とを備え、
前記モータと前記減速機とは、前記ケース体に固定され、
前記モータの回転軸と前記減速機の入力軸と前記出力軸とは、同軸上に配置され、
前記モータは、略円筒状に形成される前記回転軸と、前記回転軸の外周面に固定される円筒状の駆動用磁石と、前記駆動用磁石の外周側に配置されるステータとを備え、
前記ステータの外周面は、前記ケース体に固定され、
前記入力軸の一端側部分は、前記回転軸の、前記駆動用磁石が固定された部分の内周側に挿入されて固定され、
前記ケース体には、前記出力軸の軸方向に直交する方向に開口する開口部が形成されるとともに、前記開口部には、前記開口部の開口方向に直交する平面状の取付面が形成され、
前記出力側部材は、円環状に形成され前記ケース体の外側に配置されるフランジ部を備え、
前記第1関節部の前記出力軸の軸方向と前記第2関節部の前記出力軸の軸方向とが直交するように、前記第1関節部の前記取付面と前記第2関節部の前記フランジ部とが前記第2関節部の前記出力軸の軸方向で所定の厚さを有する第1連結部材を介して、または、直接固定されることで基端側2軸関節ユニットが構成され、
前記第3関節部の前記出力軸の軸方向と前記第4関節部の前記出力軸の軸方向とが直交するように、前記第4関節部の前記取付面と前記第3関節部の前記フランジ部とが前記第3関節部の前記出力軸の軸方向で所定の厚さを有する第2連結部材を介して、または、直接固定されることで中間2軸関節ユニットが構成され、
前記第5関節部の前記出力軸の軸方向と前記第6関節部の前記出力軸の軸方向とが直交するように、前記第6関節部の前記取付面と前記第5関節部の前記フランジ部とが前記第5関節部の前記出力軸の軸方向で所定の厚さを有する第3連結部材を介して、または、直接固定されることで先端側2軸関節ユニットが構成され、
前記第1関節部の前記出力側部材が前記支持部材に固定され、
前記基端側2軸関節ユニットと前記第1アームとは、前記第2関節部の前記出力軸の軸方向と前記第1アームの長手方向とが直交するように連結されるとともに、前記第1アームの基端が前記第2関節部の前記ケース体に固定され、
前記第1アームと前記中間2軸関節ユニットとは、前記第1アームの長手方向と前記第3関節部の前記出力軸の軸方向とが直交するように連結されるとともに、前記第1アームの先端が前記第3関節部の前記ケース体に固定され、
前記中間2軸関節ユニットと前記第2アームとは、前記第4関節部の前記出力軸の軸方向と前記第2アームの長手方向とが一致するように連結されるとともに、前記第2アームの基端が前記第4関節部の前記出力側部材に固定され、
前記第2アームと前記先端側2軸関節ユニットとは、前記第2アームの長手方向と前記第5関節部の前記出力軸の軸方向とが直交するように連結されるとともに、前記第2アームの先端が前記第5関節部の前記ケース体に固定され、
前記第6関節部の前記出力側部材には、エンドエファクタが取付可能となっていることを特徴とするロボット。
前記第1アームに対して、前記第3関節部の前記出力軸の軸方向を回動の軸方向とするとともに前記第1関節部の前記出力軸の軸心を含む平面上での前記第2アームの相対回動が可能となっていることを特徴とする請求項7記載のロボット。
前記第1関節部の前記出力軸の軸心と前記第2関節部の前記出力軸の軸心と前記第3関節部の前記出力軸の軸心と前記第4関節部の前記出力軸の軸心と前記第5関節部の前記出力軸の軸心と前記第6関節部の前記出力軸の軸心とが同一平面上に配置されるとともに前記基端側2軸関節ユニットと前記先端側2軸関節ユニットとが最も近づく正対姿勢において、前記第1関節部の前記出力軸の軸心と前記第6関節部の前記出力軸の軸心とが同一直線上に配置されるように、前記第1連結部材および前記第2連結部材の少なくともいずれか一方を備えることを特徴とする請求項7記載のロボット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のロボットのように、回動の軸方向が互いに直交するように連結された2個の関節部がアームの端部に取り付けられているロボットでは、この2個の関節部の連結強度が高いことが好ましい。また、かかるロボットでは、一方の関節部の回動の軸方向と他方の関節部の回動の軸方向とが直交するように2個の関節部が精度良く連結されていることが好ましい。
【0005】
そこで、本発明の課題は、連結された状態でアームの端部に取り付けられる2個の関節部を備えるロボットにおいて、2個の関節部の連結強度を高めることが可能で、かつ、2個の関節部を精度良く連結することが可能なロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明のロボットは、2個の関節部によって構成される2軸関節ユニットを複数備えるとともに、2個の2軸関節ユニットを連結する長手形状のアー
ムを備えるロボットであって、関節部は、モータと、モータに連結される減速機と、減速機の出力軸に固定される出力側部材と、モータおよび減速機が収容されるケース体とを備え、モータと減速機とは、ケース体に固定され、モータの回転軸と減速機の入力軸と出力軸とは、同軸上に配置され、
モータは、略円筒状に形成される回転軸と、回転軸の外周面に固定される円筒状の駆動用磁石と、駆動用磁石の外周側に配置されるステータとを備え、ステータの外周面は、ケース体に固定され、入力軸の一端側部分は、回転軸の、駆動用磁石が固定された部分の内周側に挿入されて固定され、ケース体には、出力軸の軸方向に直交する方向に開口する開口部が形成されるとともに、開口部には、開口部の開口方向に直交する平面状の取付面が形成され、出力側部材は、円環状に形成されケース体の外側に配置されるフランジ部を備え、2軸関節ユニットを構成する2個の関節部のうちの一方の関節部を一方側関節部とし、他方の関節部を他方側関節部とすると、一方側関節部の出力軸の軸方向と他方側関節部の出力軸の軸方向とが直交するように、一方側関節部の取付面と他方側関節部のフランジ部とが、他方側関節部の出力軸の軸方向で所定の厚さを有する連結部材を介して、または、直接固定され、アームの長手方向と他方側関節部の出力軸の軸方向とが直交するようにアームが関節部に取り付けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明のロボットでは、2軸関節ユニットの一方の関節部である一方側関節部の平面状の取付面と、他方の関節部である他方側関節部のフランジ部とが、他方側関節部の出力軸の軸方向で所定の厚さを有する連結部材を介して、または、直接固定されている。すなわち、本発明では、平面状の取付面とフランジ部とを用いて2軸関節ユニットを構成する2個の関節部が連結されている。そのため、本発明では、2軸関節ユニットを構成する2個の関節部の連結強度を高めることが可能になるとともに、2個の関節部を精度良く連結することが可能になる。また、本発明では、開口部に形成される取付面と円環状のフランジ部とを用いて2個の関節部が連結されているため、フランジ部の内周側および開口部を利用して2個の関節部の間で配線や配管を引き回すことが可能になる。
【0008】
本発明において、ロボットは、たとえば、ロボットの基端部分を構成する支持部材を備えるとともに、アームとして、第1アームと第2アームとを備え、かつ、2軸関節ユニットとして、支持部材と第1アームとの間に配置される基端側2軸関節ユニットと、第1アームと第2アームとの間に配置される中間2軸関節ユニットと、第2アームの先端に取り付けられる先端側2軸関節ユニットとを備え、先端側2軸関節ユニットでは、他方側関節部のケース体に第2アームの先端が固定されるとともに、一方側関節部のフランジ部にエンドエファクタが取付可能となっている。この場合には、たとえば、連結された状態の3個の関節部が第2アームの先端に取り付けられ、この3個の関節部のうちの1個の関節部にエンドエファクタが取付可能となっている場合と比較して、第2アームの先端側の重量を軽減することが可能になる。したがって、ロボットの基端側にかかる負荷を軽減することが可能になる。
【0009】
本発明において、基端側2軸関節ユニットの一方側関節部の出力側部材が支持部材に固定され、基端側2軸関節ユニットの他方側関節部のケース体に第1アームの基端が固定され、中間2軸関節ユニットの他方側関節部のケース体に第1アームの先端が固定されるとともに、中間2軸関節ユニットの一方側関節部のフランジ部に第2アームの基端が固定され、支持部材に対して、基端側2軸関節ユニットの一方側関節部の出力軸の軸方向を回動の軸方向とする基端側2軸関節ユニットの相対回動が可能となっており、第1アームに対して、中間2軸関節ユニットの他方側関節部の出力軸の軸方向を回動の軸方向とするとともに基端側2軸関節ユニットの一方側関節部の出力軸の軸心を含む平面上での第2アームの相対回動が可能となっており、中間2軸関節ユニットに対して、第2アームの長手方向を回動の軸方向とする第2アームの相対回動が可能となっていることが好ましい。このように構成すると、支持部材に対して、基端側2軸関節ユニットの一方側関節部の出力軸の軸方向を回動の軸方向とする基端側2軸関節ユニットの相対回動が可能となっており、かつ、第1アームに対して基端側2軸関節ユニットの一方側関節部の出力軸の軸心を含む平面上での第2アームの相対回動が可能となっているため、ロボットの制御が容易になる。
【0010】
本発明において、第2アームは、基端側2軸関節ユニットの一方側関節部と先端側2軸関節ユニットの他方側関節部との干渉が回避されるように第1アームよりも短くなっていることが好ましい。このように構成すると、ロボットをコンパクトに折り畳むことが可能になる。したがって、ロボットの梱包コストや輸送コストを低減することが可能になる。
【0011】
本発明において、基端側2軸関節ユニット、中間2軸関節ユニットおよび先端側2軸関節ユニットの少なくともいずれか1つは、全ての2軸関節ユニットの関節部の出力軸の軸心が同一平面上に配置されるとともに基端側2軸関節ユニットと先端側2軸関節ユニットとが最も近づく正対姿勢において、基端側2軸関節ユニットの一方側関節部の出力軸の軸心と先端側2軸関節ユニットの一方側関節部の出力軸の軸心とが同一直線上に配置されるように、連結部材を備えていても良い。
【0012】
本発明において、たとえば、全ての関節部が有する全ての減速機の減速比は、互いに等しくなっている。この場合には、モータの制御が容易になる。
【0013】
また、上記の課題を解決するため、本発明のロボットは、第1関節部と、第2関節部と、第3関節部と、第4関節部と、第5関節部と、第6関節部と、長手形状の第1アームと、長手形状の第2アームとを備えるロボットであって、ロボットの基端部分を構成する支持部材を備え、第1関節部、第2関節部、第3関節部、第4関節部、第5関節部および第6関節部のそれぞれは、モータと、モータに連結される減速機と、減速機の出力軸に固定される出力側部材と、モータおよび減速機が収容されるケース体とを備え、モータと減速機とは、ケース体に固定され、モータの回転軸と減速機の入力軸と出力軸とは、同軸上に配置され、
モータは、略円筒状に形成される回転軸と、回転軸の外周面に固定される円筒状の駆動用磁石と、駆動用磁石の外周側に配置されるステータとを備え、ステータの外周面は、ケース体に固定され、入力軸の一端側部分は、回転軸の、駆動用磁石が固定された部分の内周側に挿入されて固定され、ケース体には、出力軸の軸方向に直交する方向に開口する開口部が形成されるとともに、開口部には、開口部の開口方向に直交する平面状の取付面が形成され、出力側部材は、円環状に形成されケース体の外側に配置されるフランジ部を備え、第1関節部の出力軸の軸方向と第2関節部の出力軸の軸方向とが直交するように、第1関節部の取付面と第2関節部のフランジ部とが第2関節部の出力軸の軸方向で所定の厚さを有する第1連結部材を介して、または、直接固定されることで基端側2軸関節ユニットが構成され、第3関節部の出力軸の軸方向と第4関節部の出力軸の軸方向とが直交するように、第4関節部の取付面と第3関節部のフランジ部とが第3関節部の出力軸の軸方向で所定の厚さを有する第2連結部材を介して、または、直接固定されることで中間2軸関節ユニットが構成され、第5関節部の出力軸の軸方向と第6関節部の出力軸の軸方向とが直交するように、第6関節部の取付面と第5関節部のフランジ部とが第5関節部の出力軸の軸方向で所定の厚さを有する第3連結部材を介して、または、直接固定されることで先端側2軸関節ユニットが構成され、第1関節部の出力側部材が支持部材に固定され、基端側2軸関節ユニットと第1アームとは、第2関節部の出力軸の軸方向と第1アームの長手方向とが直交するように連結されるとともに、第1アームの基端が第2関節部のケース体に固定され、第1アームと中間2軸関節ユニットとは、第1アームの長手方向と第3関節部の出力軸の軸方向とが直交するように連結されるとともに、第1アームの先端が第3関節部のケース体に固定され、中間2軸関節ユニットと第2アームとは、第4関節部の出力軸の軸方向と第2アームの長手方向とが一致するように連結されるとともに、第2アームの基端が第4関節部の出力側部材に固定され、第2アームと先端側2軸関節ユニットとは、第2アームの長手方向と第5関節部の出力軸の軸方向とが直交するように連結されるとともに、第2アームの先端が第5関節部のケース体に固定され、第6関節部の出力側部材には、エンドエファクタが取付可能となっていることを特徴とする。
【0014】
本発明のロボットでは、第1関節部の平面状の取付面と第2関節部のフランジ部とが第1連結部材を介して、または、直接固定されることで基端側2軸関節ユニットが構成され、第4関節部の平面状の取付面と第3関節部のフランジ部とが第2連結部材を介して、または、直接固定されることで中間2軸関節ユニットが構成され、第6関節部の平面状の取付面と第5関節部のフランジ部とが第3連結部材を介して、または、直接固定されることで先端側2軸関節ユニットが構成されている。すなわち、本発明では、平面状の取付面とフランジ部とを用いて2個の関節部が連結されている。そのため、本発明では、2個の関節部の連結強度を高めることが可能になるとともに、2個の関節部を精度良く連結することが可能になる。また、本発明では、開口部に形成される取付面と円環状のフランジ部とを用いて2個の関節部が連結されているため、フランジ部の内周側および開口部を利用して2個の関節部の間で配線や配管を引き回すことが可能になる。
【0015】
本発明では、第1アームに対して、第3関節部の出力軸の軸方向を回動の軸方向とするとともに第1関節部の出力軸の軸心を含む平面上での第2アームの相対回動が可能となっていることが好ましい。このように構成すると、ロボットの制御が容易になる。
【0016】
本発明において、第2アームは、第1関節部と第5関節部との干渉が回避されるように、第1アームよりも短くなっていることが好ましい。このように構成すると、ロボットをコンパクトに折り畳むことが可能になる。したがって、ロボットの梱包コストや輸送コストを低減することが可能になる。
【0017】
本発明において、第1関節部と第2関節部とは、同一構造となっており、第5関節部と第6関節部とは、同一構造となっており、第5関節部および第6関節部は、第1関節部および第2関節部よりも小さくなっていることが好ましい。このように構成すると、ロボットの先端側の重量を軽減することが可能になり、その結果、ロボットの基端側にかかる負荷を軽減することが可能になる。
【0018】
本発明において、第3関節部は、第1関節部および第2関節部と同一構造であり、第4関節部は、第5関節部および第6関節部と同一構造であり、第1アームおよび第2アームは、円筒状に形成され、第2アームの外径は、第1アームの外径よりも小さくなっていることが好ましい。このように構成すると、ロボットの先端側の重量をより軽減することが可能になり、その結果、ロボットの基端側にかかる負荷をより軽減することが可能になる。
【0019】
本発明において、ロボットは、たとえば、第1関節部の出力軸の軸心と第2関節部の出力軸の軸心と第3関節部の出力軸の軸心と第4関節部の出力軸の軸心と第5関節部の出力軸の軸心と第6関節部の出力軸の軸心とが同一平面上に配置されるとともに基端側2軸関節ユニットと先端側2軸関節ユニットとが最も近づく正対姿勢において、第1関節部の出力軸の軸心と第6関節部の出力軸の軸心とが同一直線上に配置されるように、第1連結部材および第2連結部材の少なくともいずれか一方を備えていても良い。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明では、連結された状態でアームの端部に取り付けられる2個の関節部を備えるロボットにおいて、2個の関節部の連結強度を高めることが可能になるとともに、2個の関節部を精度良く連結することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
(産業用ロボットの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる産業用ロボット1の正面図である。
図2(A)は、
図1に示す産業用ロボット1の斜視図であり、
図2(B)は、
図2(A)に示す産業用ロボット1が動作している状態を示す斜視図である。
【0024】
本形態の産業用ロボット1(以下、「ロボット1」とする。)は、所定の製品の組立や製造等に用いられる多関節ロボットであり、組立ラインや製造ラインに設置されて使用される。ロボット1は、複数の関節部2と複数のアーム3とを備えている。本形態では、ロボット1は、6個の関節部2と、2本のアーム3とを備えている。以下では、6個の関節部2のそれぞれを区別して表す場合には、6個の関節部2のそれぞれを「第1関節部2A」、「第2関節部2B」、「第3関節部2C」、「第4関節部2D」、「第5関節部2E」および「第6関節部2F」とする。また、以下では、2本のアーム3のそれぞれを区別して表す場合には、2本のアーム3のそれぞれを「第1アーム3A」および「第2アーム3B」とする。
【0025】
また、ロボット1は、ロボット1の基端部分を構成する支持部材4を備えている。支持部材4は、第1関節部2Aに相対回動可能に連結されている。この支持部材4は、フランジ部4aを有する鍔付きの円筒状に形成されており、支持部材4の内周側には、支持部材4の軸方向に貫通する貫通孔(図示省略)が形成されている。フランジ部4aは、円環状に形成されており、ロボット1の底面部分を構成している。
【0026】
アーム3は、細長い長手形状に形成されている。具体的には、アーム3は、細長い円筒状に形成されている。第2アーム3Bの外径は、第1アーム3Aの外径よりも小さくなっており、第2アーム3Bの内径は、第1アーム3Aの内径よりも小さくなっている。また、第2アーム3Bの長さは、第1アーム3Aの長さよりも短くなっている。
【0027】
ロボット1では、第1関節部2Aと第2関節部2Bとが相対回動可能に連結され、第2関節部2Bと第1アーム3Aの基端とが固定されている。また、第1アーム3Aの先端と第3関節部2Cとが固定され、第3関節部2Cと第4関節部2Dとが相対回動可能に連結され、第4関節部2Dと第2アーム3Bの基端とが相対回動可能に連結され、第2アーム3Bの先端と第5関節部2Eとが固定され、第5関節部2Eと第6関節部2Fとが相対回動可能に連結されている。また、第6関節部2Fには、ハンドや工具等のエンドエフェクタが相対回動可能に取付可能となっている。
【0028】
本形態では、第1関節部2Aと第2関節部2Bとによって支持部材4と第1アーム3Aとの間に配置される基端側2軸関節ユニット6Aが構成され、第3関節部2Cと第4関節部2Dとによって第1アーム3Aと第2アーム3Bとの間に配置される中間2軸関節ユニット6Bが構成され、第5関節部2Eと第6関節部2Fとによって第2アーム3Bの先端に取り付けられる先端側2軸関節ユニット6Cが構成されている。すなわち、ロボット1は、2個の関節部2によって構成される複数の2軸関節ユニット6と、2個の2軸関節ユニット6を連結するアーム3とを備えている。具体的には、ロボット1は、3個の2軸関節ユニット6と、2本のアーム3とを備えている。
【0029】
また、本形態では、第1関節部2A、第4関節部2Dおよび第6関節部2Fは、2軸関節ユニット6を構成する2個の関節部6のうちの一方の関節部6である一方側関節部となっており、第2関節部2B、第3関節部2Cおよび第5関節部2Eは、2軸関節ユニット6を構成する2個の関節部6のうちの他方の関節部6である他方側関節部となっている。以下、関節部2の具体的な構成を説明する。
【0030】
なお、本形態では、第1関節部2Aと第2関節部2Bと第3関節部2Cとが同一構造となっており、第4関節部2Dと第5関節部2Eと第6関節部2Fとが同一構造となっている。すなわち、
図1に示すように、第1関節部2Aと第2関節部2Bと第3関節部2Cとが同じ大きさで形成され、第4関節部2Dと第5関節部2Eと第6関節部2Fとが同じ大きさで形成されている。また、第4関節部2D、第5関節部2Eおよび第6関節部2Fは、第1関節部2A、第2関節部2Bおよび第3関節部2Cよりも小さくなっている。
【0031】
ただし、第1関節部2A、第2関節部2Bおよび第3関節部2Cと、第4関節部2D、第5関節部2Eおよび第6関節部2Fとは、大きさが相違する点を除けば同様に構成されている。そのため、第1関節部2A、第2関節部2B、第3関節部2C、第4関節部2D、第5関節部2Eおよび第6関節部2Fのそれぞれが備える後述の減速機8の減速比は全て等しくなっている。すなわち、6個の関節部2が備える6個の減速機8の減速比は互いに等しくなっている。
【0032】
(関節部の構成)
図3は、
図1に示す関節部2の縦断面図である。
図4は、
図1に示す第1関節部2Aと第2関節部2Bと第3関節部2Cと第4関節部2Dと第5関節部2Eと第6関節部2Fとの間の電気的な接続関係を説明するためのブロック図である。以下では、説明の便宜上、
図3のZ1方向側を「上」側とし、その反対側であるZ2方向側を「下」側とする。
【0033】
関節部2(より具体的には、第1関節部2A、第2関節部2B、第3関節部2C、第4関節部2D、第5関節部2Eおよび第6関節部2Fのそれぞれ)は、モータ7と、モータ7に連結される減速機8と、モータ7の回転位置を検出するための位置検出機構9と、モータ7および位置検出機構9が電気的に接続される回路基板10と、モータ7と減速機8と位置検出機構9と回路基板10とが収容されるケース体11とを備えている。モータ7は、径方向の中心に貫通孔が形成された中空モータであり、中空状の回転軸13を備えている。また、モータ7は、ロータ14とステータ15とを備えている。減速機8は、径方向の中心に貫通孔が形成された中空減速機である。モータ7と減速機8とは上下方向で重なるように配置されている。具体的には、モータ7が上側に配置され、減速機8が下側に配置されている。また、モータ7と減速機8とは同軸上に配置されている。
【0034】
本形態の減速機8は、中空波動歯車装置であり、剛性内歯歯車16と可撓性外歯歯車17と波動発生部18とクロスローラベアリング19とを備えている。波動発生部18は、回転軸13に連結される中空状の入力軸20と、入力軸20の外周側に取り付けられるウエーブベアリング21とを備えている。本形態では、剛性内歯歯車16が減速機8の出力軸となっている。また、本形態では、減速機8の出力軸である剛性内歯歯車16と、減速機8の入力軸20と、モータ7の回転軸13とが同軸上に配置されている。また、関節部2(より具体的には、第1関節部2A、第2関節部2B、第3関節部2C、第4関節部2D、第5関節部2Eおよび第6関節部2Fのそれぞれ)は、停止しているロータ14の回転を規制する回転規制機構25と、回転軸13および入力軸20の内周側に挿通される筒状の管状部材26と、剛性内歯歯車16に固定される出力側部材27とを備えている。
【0035】
モータ7は、上述のように、ロータ14とステータ15とを備えている。ロータ14は、回転軸13と、回転軸13に固定される駆動用磁石29とを備えている。回転軸13は、上下方向に細長い略円筒状に形成されており、回転軸13の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。すなわち、上下方向は、回転軸13の軸方向であるとともにロータ14の軸方向である。駆動用磁石29は、円筒状に形成されている。駆動用磁石29の長さ(上下方向の長さ)は、回転軸13よりも短くなっており、駆動用磁石29は、回転軸13の下端側部分の外周面に固定されている。本形態では、回転軸13の下端面と駆動用磁石29の下端面とが一致するように、駆動用磁石29が回転軸13の外周面に固定されている。
【0036】
ステータ15は、全体として略円筒状に形成されており、駆動用磁石29の外周面を覆うように、駆動用磁石29の外周側に配置されている。回転軸13の上端側部分は、ステータ15の上端面よりも上側に突出している。ステータ15は、駆動用コイルと、インシュレータを介して駆動用コイルが巻回される複数の突極を有するステータコアとを備えている。ステータコアの突極は、内周側に向かって突出するように形成されており、突極の先端面は、駆動用磁石29の外周面に対向している。モータ7は、ケース体11に固定されている。具体的には、ステータ15の外周面がケース体11に固定されている。
【0037】
減速機8は、上述のように、剛性内歯歯車16と可撓性外歯歯車17と波動発生部18とクロスローラベアリング19とを備えている。剛性内歯歯車16は、扁平な略円筒状に形成されており、剛性内歯歯車16の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。すなわち、上下方向は、減速機8の出力軸である剛性内歯歯車16の軸方向となっている。剛性内歯歯車16は、クロスローラベアリング19の内輪19aに固定されている。クロスローラベアリング19の外輪19bは、ケース体11の下端側部分に固定されており、剛性内歯歯車16は、クロスローラベアリング19を介してケース体11の下端側部分に回転可能に保持されている。
【0038】
可撓性外歯歯車17は、上端にフランジ部17aを有する鍔付きの略筒状に形成されている。フランジ部17aは、略円環状に形成されており、フランジ部17aの外周側部分は、ケース体11に固定されている。すなわち、減速機8は、ケース体11に固定されている。剛性内歯歯車16は、減速機8の下端側部分を構成している。フランジ部17aは、減速機8の上端側部分を構成している。剛性内歯歯車16の内周面には、内歯が形成されている。可撓性外歯歯車17の下端側の外周面には、剛性内歯歯車16の内歯と噛み合う外歯が形成されている。
【0039】
波動発生部18は、上述のように、入力軸20とウエーブベアリング21とを備えている。入力軸20は、全体として上下方向に細長い筒状に形成されており、入力軸20の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。入力軸20の、下端側部分以外の部分は、細長い略円筒状に形成されている。入力軸20の下端側部分は、入力軸20の軸方向から見たときの内周面の形状が円形状となり、入力軸20の軸方向から見たときの外周面の形状が楕円形状となる楕円部20aとなっている。
【0040】
入力軸20の上端側部分は、回転軸13の下端側部分の内周側に挿入されて固定されている。具体的には、入力軸20の上端側部分は、回転軸13の、駆動用磁石29が固定された部分の内周側に挿入されて固定されている。回転軸13と入力軸20とは、上述のように、同軸上に配置されている。また、入力軸20の上端側部分は、接着によって回転軸13に固定されている。
【0041】
上下方向における入力軸20の中心部分は、ベアリング30に回転可能に支持されている。ベアリング30は、ボールベアリングである。このベアリング30は、軸受保持部材31に取り付けられ、軸受保持部材31は、ケース体11に固定されている。すなわち、入力軸20は、軸受保持部材31を介してケース体11に取り付けられるベアリング30に回転可能に支持されている。軸受保持部材31は、円環状かつ平板状に形成されており、可撓性外歯歯車17のフランジ部17aと上下方向で重なるようにケース体11に固定されている。
【0042】
ウエーブベアリング21は、可撓性の内輪および外輪を備えたボールベアリングである。このウエーブベアリング21は、楕円部20aの外周面に沿って配置されており、楕円状に撓んでいる。可撓性外歯歯車17の、外歯が形成される下端側部分は、ウエーブベアリング21を囲むようにウエーブベアリング21の外周側に配置されており、この部分は、楕円状に撓んでいる。可撓性外歯歯車17の外歯は、楕円状に撓む可撓性外歯歯車17の下端側部分の長軸方向の2か所で、剛性内歯歯車16の内歯と噛み合っている。
【0043】
出力側部材27は、フランジ部27aと筒部27bとを有する鍔付きの略円筒状に形成されている。この出力側部材27は、出力側部材27の軸方向と上下方向とが一致するように配置されており、出力側部材27の内周側には、上下方向に貫通する貫通孔27cが形成されている。フランジ部27aは、平板状かつ円環状に形成されており、筒部27bの下端に繋がっている。フランジ部27aは、フランジ部27aの上面が剛性内歯歯車16の下面に接触するように剛性内歯歯車16に固定されている。また、フランジ部27aは、ケース体11の下端よりも下側に配置されており、ケース体11の外側に配置されている。
【0044】
筒部27bの上端側には、筒部27bの下端側部分よりも外径の小さい小径部27dが形成されており、筒部27bの上端側部分の外周側には、上下方向に直交する円環状の段差面27eが形成されている。小径部27dは、管状部材26の下端側部分の内周側に挿入されており、管状部材26の下端面は、段差面27eに対向している。また、貫通孔27cは、管状部材26の内周側に通じている。筒部27bの上端側部分は、入力軸20の下端側部分の内周側に配置されている。筒部27bの外周面と入力軸20の下端側部分の内周面との間には、ベアリング34が配置されている。ベアリング34は、ボールベアリングである。
【0045】
管状部材26は、上下方向に細長い円筒状に形成されており、管状部材26の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。上述のように、管状部材26は、回転軸13および入力軸20の内周側に挿通されている。管状部材26の上端面は、回転軸13の上端面よりも上側に配置され、管状部材26の下端面は、入力軸20の下端面よりも上側に配置されている。また、上述のように、管状部材26の下端側部分の内周側に出力側部材27の小径部27dが挿入されるとともに管状部材26の下端面が段差面27eに対向しており、管状部材26の下端側は、出力側部材27に保持されている。
【0046】
管状部材26の上端側は、保持部材32に保持されている。保持部材32は、支柱33に固定され、支柱33は、ケース体11に固定されている。すなわち、保持部材32は、支柱33を介してケース体11に固定されている。保持部材32は、管状部材26の上端側を保持する円筒状の保持部32aを備えている。保持部32aは、保持部32aの軸方向と上下方向とが一致するように配置されており、保持部32aの内周側には、上下方向に貫通する貫通孔32bが形成されている。
【0047】
保持部32aの下端側には、保持部32aの上端側よりも内径の大きい大径部32cが形成されており、保持部32aの下端側部分の内周側には、上下方向に直交する円環状の段差面32dが形成されている。管状部材26の上端側は、大径部32cの内周側に挿入されており、管状部材26の上端面は、段差面32dに対向している。また、貫通孔32bは、管状部材26の内周側に通じている。
【0048】
位置検出機構9は、ステータ15の上側に配置されている。この位置検出機構9は、回転軸13の上端側に固定されるスリット板36と、センサ37とを備えている。センサ37は、互いに対向するように配置される発光素子と受光素子とを備える透過型の光学式センサである。センサ37は、支持部材38に固定されている。支持部材38は、ケース体11に固定されている。すなわち、センサ37は、支持部材38を介してケース体11に固定されている。スリット板36は、薄い平板状に形成されるとともに円環状に形成されている。スリット板36には、スリット板36の周方向に一定の間隔で複数のスリット孔が形成されている。スリット板36は、スリット板36の周方向の一部分がセンサ37の発光素子と受光素子との間に配置されるように回転軸13に固定されている。
【0049】
ケース体11は、上下の両端が開口するケース本体41と、ケース本体41の上端側の開口を塞ぐカバー42とから構成されている。ケース本体41の下端側の開口は、減速機8によって塞がれている。ケース本体41の側面には、上下方向に直交する方向で開口する開口部41aが形成されている。すなわち、ケース体11には、上下方向に直交する方向で開口する開口部41aが形成されている。開口部41aは、ケース本体41の側面部分を貫通するように形成されている。
【0050】
また、開口部41aは、
図3に示すように、段付きの穴状に形成されており、開口部41aには、開口部41aの開口方向に直交する平面状の取付面41bが形成されている。すなわち、開口部41aには、上下方向に平行な平面状の取付面41bが形成されている。取付面41bは、開口部41aの、ケース本体41の外周面側に形成されている。また、取付面41bは、円環状に形成されている。取付面41bの外径は、フランジ部27aの外径とほぼ等しくなっている。
【0051】
回転規制機構25は、ケース体11に収容されている。この回転規制機構25は、ロータ14に固定される平板状かつ略円環状の回転側規制部材45と、回転側規制部材45と係合してロータ14の周方向における回転側規制部材45の移動を規制する固定側規制部材46と、固定側規制部材46を上下方向へ移動させる駆動機構47と、固定側規制部材46を上下方向へ案内するリニアブッシュ48とを備えている。駆動機構47は、固定側規制部材46を上側へ付勢する圧縮コイルバネ49と、固定側規制部材46を下側へ移動させるソレノイド50とを備えている。
【0052】
固定側規制部材46は、上端にフランジ部46aを有する鍔付きの円柱状に形成されており、固定側規制部材46の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。固定側規制部材46は、固定側規制部材46の上側に配置されるソレノイド50のプランジャ50aに固定されている。固定側規制部材46の下端面には、上側に向かって窪む凹部が形成されており、この凹部の中には、圧縮コイルバネ49の上端側部分が配置されている。
【0053】
リニアブッシュ48は、上端にフランジ部を有する鍔付きの円筒状に形成されており、リニアブッシュ48の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。リニアブッシュ48の、フランジ部よりも下側の部分は、支持部材38の上面に形成される凹部の中に配置されている。この凹部の底面には、圧縮コイルバネ49の下端側部分が配置される窪みが下側に向かって窪むように形成されている。リニアブッシュ48の内周側には、固定側規制部材46の、フランジ部46aよりも下側の部分が配置されている。
【0054】
回転側規制部材45は、回転側規制部材45の厚さ方向と上下方向とが一致するように回転軸13の上端面に固定されており、位置検出機構9よりも上側に配置されている。回転側規制部材45には、ロータ14の径方向の外側へ突出する複数の突起がロータ14の周方向において一定の間隔で形成されている。
【0055】
ソレノイド50が通電状態でないときには、圧縮コイルバネ49の付勢力で、固定側規制部材46のフランジ部46aが、ロータ14の周方向における回転側規制部材45の突起の間に配置されるように固定側規制部材46が上昇している。そのため、回転側規制部材45の突起とフランジ部46aとによって、停止しているロータ14の回転が規制される。一方、ソレノイド50が通電状態となると、
図3に示すように、プランジャ50aが下側へ突出して、ロータ14の周方向における回転側規制部材45の突起の間からフランジ部46aが外れるまで、固定側規制部材46が下降する。そのため、ロータ14が回転可能となる。
【0056】
回路基板10は、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板であり、平板状に形成されている。この回路基板10は、回路基板10の厚さ方向と上下方向とが一致するようにケース体11に固定されている。また、回路基板10は、ケース体11の上端側に固定されており、回転側規制部材45よりも上側に配置されている。管状部材26の上端は、回路基板10の上面よりも上側に配置されている。
【0057】
回路基板10には、
図4に示すように、モータ7を駆動するためのモータ駆動回路58と、回路基板10に入力される信号を回路基板10の外部へ出力するための信号伝達回路59とが実装されている。また、回路基板10には、配線60の端部が接続されるコネクタ61、62が実装されている。具体的には、少なくとも2個のコネクタ61、62が回路基板10に実装されている。コネクタ61、62は、回路基板10の上面に実装されている。なお、コネクタ61、62は、雄型または雌型のコネクタであり、配線60の端部に固定される雄型または雌型のコネクタがコネクタ61、62に係合することで、コネクタ61、62に配線60の端部が接続される。
【0058】
信号伝達回路59は、たとえば、位置検出機構9からの出力信号(具体的には、センサ37からの出力信号)またはこの出力信号を回路基板10上で処理した後の信号をコネクタ61またはコネクタ62から回路基板10の外部へ出力するために設けられている。また、信号伝達回路59は、コネクタ61から入力される信号をコネクタ62から出力し、コネクタ62から入力される信号をコネクタ61から出力するために設けられている。
【0059】
(関節部、アームの連結構造)
上述のように、支持部材4と第1関節部2Aとが相対回動可能に連結され、第1関節部2Aと第2関節部2Bとが相対回動可能に連結され、第2関節部2Bと第1アーム3Aの基端とが固定され、第1アーム3Aの先端と第3関節部2Cとが固定され、第3関節部2Cと第4関節部2Dとが相対回動可能に連結され、第4関節部2Dと第2アーム3Bの基端とが相対回動可能に連結され、第2アーム3Bの先端と第5関節部2Eとが固定され、第5関節部2Eと第6関節部2Fとが相対回動可能に連結されている。具体的には、たとえば、
図2(B)に示す動作をロボット1が行うことが可能となるように、以下のように、各関節部2およびアーム3が連結されている。
【0060】
なお、以下の説明では、第1関節部2Aの剛性内歯歯車16の軸方向を「第1関節部2Aの軸方向」とし、第2関節部2Bの剛性内歯歯車16の軸方向を「第2関節部2Bの軸方向」とし、第3関節部2Cの剛性内歯歯車16の軸方向を「第3関節部2Cの軸方向」とし、第4関節部2Dの剛性内歯歯車16の軸方向を「第4関節部2Dの軸方向」とし、第5関節部2Eの剛性内歯歯車16の軸方向を「第5関節部2Eの軸方向」とし、第6関節部2Fの剛性内歯歯車16の軸方向を「第6関節部2Fの軸方向」とする。
【0061】
まず、支持部材4と第1関節部2Aとは、第1関節部2Aの出力側部材27のフランジ部27aが支持部材4に固定されることで連結されている。具体的には、支持部材4と第1関節部2Aとは、第1関節部2Aのフランジ部27aが、支持部材4の、フランジ部4aが形成されていない側の端面に固定されることで連結されている。すなわち、第1関節部2Aの軸方向と支持部材4の軸方向とが一致するように(より具体的には、第1関節部2Aの剛性内歯歯車16の軸心と支持部材4の軸心とが一致するように)支持部材4と第1関節部2Aとが連結されている。第1関節部2Aの出力側部材27の貫通孔27cは、支持部材4の貫通孔に通じている。
【0062】
第1関節部2Aと第2関節部2Bとは、第1関節部2Aの軸方向と第2関節部2Bの軸方向とが直交するように連結されている。また、第1関節部2Aのケース体11の取付面41bと第2関節部2Bのフランジ部27aとが直接固定されており、第2関節部2Bのフランジ部27aに、第1関節部2Aのケース本体41の、開口部41aが形成された側が固定されている。第2関節部2Bのフランジ部27aの一方の面(
図3の下面)は、第1関節部2Aの取付面41bに当接している。第2関節部2Bのフランジ部27aは、第1関節部2Aのケース本体41の開口部41aを塞いでおり、第2関節部2Bの出力側部材27の貫通孔27cは、第1関節部2Aのケース体11の内部に通じている。
【0063】
このように、第1関節部2Aの軸方向と第2関節部2Bの軸方向とが直交するように、第1関節部2Aの取付面41bと第2関節部2Bのフランジ部27aとが直接固定されることで、基端側2軸関節ユニット6Aが構成されている。また、支持部材4に対して、第1関節部2Aの軸方向を回動の軸方向とする基端側2軸関節ユニット6Aの相対回動が可能となっている。
【0064】
第2関節部2Bと第1アーム3Aとは、第2関節部2Bの軸方向と第1アーム3Aの長手方向(軸方向)とが直交するように連結されている。すなわち、基端側2軸関節ユニット6Aと第1アーム3Aとは、第2関節部2Bの軸方向と第1アーム3Aの長手方向とが直交するように連結されている。また、第2関節部2Bのケース体11に第1アーム3Aの基端が固定されている。具体的には、第2関節部2Bのケース本体41の、開口部41aが形成された側に第1アーム3Aの基端が固定されている。第1アーム3Aの基端は、第2関節部2Bのケース本体41の開口部41aを塞いでおり、第1アーム3Aの内周側は、第2関節部2Bのケース体11の内部に通じている。
【0065】
第1アーム3Aと第3関節部2Cとは、第1アーム3Aの長手方向と第3関節部2Cの軸方向とが直交するように連結されている。すなわち、第1アーム3Aと中間2軸関節ユニット6Bとは、第1アーム3Aの長手方向と第3関節部2Cの軸方向とが直交するように連結されている。また、第3関節部2Cのケース体11に第1アーム3Aの先端が固定されている。具体的には、第3関節部2Cのケース本体41の、開口部41aが形成された側に第1アーム3Aの先端が固定されている。第1アーム3Aの先端は、第3関節部2Cのケース本体41の開口部41aを塞いでおり、第1アーム3Aの内周側は、第3関節部2Cのケース体11の内部に通じている。
【0066】
第3関節部2Cと第4関節部2Dとは、第3関節部2Cの軸方向と第4関節部2Dの軸方向とが直交するように連結されている。また、第4関節部2Dのケース体11の取付面41bと第3関節部2Cのフランジ部27aとが、第3関節部2Cの軸方向で所定の厚さ(長さ)を有する第2連結部材としての連結部材63を介して固定されており、第3関節部2Cのフランジ部27aに、第4関節部2Dのケース本体41の、開口部41aが形成された側が連結部材63を介して固定されている。このように、第3関節部2Cの軸方向と第4関節部2Dの軸方向とが直交するように、第4関節部2Dの取付面41bと第3関節部2Cのフランジ部27aとが連結部材63を介して固定されることで、中間2軸関節ユニット6Bが構成されている。
【0067】
連結部材63は、第3関節部2Cのフランジ部27aに固定されるフランジ部63aを備える鍔付きの円筒状に形成されている。この連結部材63は、第4関節部2Dのケース本体41の開口部41aを塞いでおり、連結部材63の軸方向に貫通する貫通孔および第3関節部2Cの出力側部材27の貫通孔27cは、第4関節部2Dのケース体11の内部に通じている。なお、連結部材63の、フランジ部63aが形成されていない側の端面は、第4関節部2Dの取付面41bに当接している。
【0068】
第4関節部2Dと第2アーム3Bとは、第4関節部2Dの軸方向と第2アーム3Bの長手方向とが一致するように(より具体的には、第4関節部2Dの剛性内歯歯車16の軸心と第2アーム3Bの軸心とが一致するように)連結されている。すなわち、中間2軸関節ユニット6Bと第2アーム3Bとは、第4関節部2Dの軸方向と第2アーム3Bの長手方向とが一致するように連結されている。また、第4関節部2Dのフランジ部27aに第2アーム3Bの基端が固定されている。
【0069】
そのため、第1アーム3Aに対して、第3関節部2Cの軸方向を回動の軸方向とする第2アーム3Bの相対回動が可能となっている。また、中間2軸関節ユニット6Bに対して、第2アーム3Bの長手方向(すなわち、第4関節部2Dの軸方向)を回動の軸方向とする第2アーム3Bの相対回動が可能となっている。第2アーム3Bの内周側は、第4関節部2Dの出力側部材27の貫通孔27cに通じている。なお、第2アーム3Bの基端には、第4関節部2Dのフランジ部27aに第2アーム3Bの基端を固定するためのフランジ部3aが形成されており、第4関節部2Dのフランジ部27aとフランジ部3aとが互いに固定されている。
【0070】
第2アーム3Bと第5関節部2Eとは、第2アーム3Bの長手方向と第5関節部2Eの軸方向とが直交するように連結されている。すなわち、第2アーム3Bと先端側2軸関節ユニット6Cとは、第2アーム3Bの長手方向と第5関節部2Eの軸方向とが直交するように連結されている。また、第5関節部2Eのケース体11に第2アーム3Bの先端が固定されている。具体的には、第5関節部2Eのケース本体41の、開口部41aが形成された側に第2アーム3Bの先端が固定されている。第2アーム3Bの先端は、第5関節部2Eのケース本体41の開口部41aを塞いでおり、第2アーム3Bの内周側は、第5関節部2Eのケース体11の内部に通じている。
【0071】
第5関節部2Eと第6関節部2Fとは、第5関節部2Eの軸方向と第6関節部2Fの軸方向とが直交するように連結されている。また、第6関節部2Fのケース体11の取付面41bと第5関節部2Eのフランジ部27aとが直接固定されており、第5関節部2Eのフランジ部27aに、第6関節部2Fのケース本体41の、開口部41aが形成された側が固定されている。第5関節部2Eのフランジ部27aの一方の面(
図3の下面)は、第6関節部2Fの取付面41bに当接している。第5関節部2Eのフランジ部27aは、第6関節部2Fのケース本体41の開口部41aを塞いでおり、第5関節部2Eの出力側部材27の貫通孔27cは、第6関節部2Fのケース体11の内部に通じている。
【0072】
このように、第5関節部2Eの軸方向と第6関節部2Fの軸方向とが直交するように、第6関節部2Fの取付面41bと第5関節部2Eのフランジ部27aとが直接固定されることで、先端側2軸関節ユニット6Cが構成されている。また、上述のように、第6関節部2Fには、エンドエフェクタが取付可能となっている。具体的には、第6関節部2Fの出力側部材27のフランジ部27aにエンドエフェクタが取付可能となっている。
【0073】
本形態では、第1関節部2Aの剛性内歯歯車16の軸心と第2関節部2Bの剛性内歯歯車16の軸心と第3関節部2Cの剛性内歯歯車16の軸心と第4関節部2Dの剛性内歯歯車16の軸心と第5関節部2Eの剛性内歯歯車16の軸心と第6関節部2Fの剛性内歯歯車16の軸心とが同一平面上に配置されるとともに基端側2軸関節ユニット6Aと先端側2軸関節ユニット6Cとが最も近づく正対姿勢(
図1および
図2(A)に示す姿勢)において、第1関節部2Aの剛性内歯歯車16の軸心と第2アーム3Bの軸心が同一直線上に配置されている。
【0074】
そのため、第1アーム3Aに対して第3関節部2Cの軸方向を回動の軸方向とする相対回動が可能となっている第2アーム3Bは、第1関節部2Aの剛性内歯歯車16の軸心を含む平面上で回動する。また、第2アーム3Bは、第1関節部2Aと第5関節部2Eとが干渉しないように(第1関節部2Aと第5関節部2Eとの干渉が回避されるように)、第1アーム3Aよりも短くなっている。
【0075】
(配線の引き回し構造)
以下、ロボット1の内部での配線60の引き回し構造を説明する。以下の説明では、第1関節部2Aの回路基板10を「回路基板10A」とし、第2関節部2Bの回路基板10を「回路基板10B」とし、第3関節部2Cの回路基板10を「回路基板10C」とし、第4関節部2Dの回路基板10を「回路基板10D」とし、第5関節部2Eの回路基板10を「回路基板10E」とし、第6関節部2Fの回路基板10を「回路基板10F」とする。
【0076】
図4に示すように、第6関節部2Fと第5関節部2Eとの間では、第6関節部2Fの回路基板10Fのコネクタ61と第5関節部2Eの回路基板10Eのコネクタ62とが配線60によって接続されている。すなわち、回路基板10Fのコネクタ61に一端が接続されるとともに第6関節部2Fのケース体11から引き出された配線60の他端は、回路基板10Eのコネクタ62に接続されている。この配線60は、第6関節部2Fの開口部41aを通過するように第6関節部2Fのケース体11から引き出され、第5関節部2Eの出力側部材27の貫通孔27cおよび第5関節部2Eの管状部材26の内周側を通過するように引き回されて回路基板10Eのコネクタ62に接続される。
【0077】
第5関節部2Eと第4関節部2Dとの間では、第5関節部2Eの回路基板10Eのコネクタ61と第4関節部2Dの回路基板10Dのコネクタ62とが配線60によって接続されている。すなわち、回路基板10Eのコネクタ61に一端が接続されるとともに第5関節部2Eのケース体11から引き出された配線60の他端は、回路基板10Dのコネクタ62に接続されている。この配線60は、第5関節部2Eの開口部41aを通過するように第5関節部2Eのケース体11から引き出され、第2アーム3Bの内周側、第4関節部2Dの出力側部材27の貫通孔27cおよび第4関節部2Dの管状部材26の内周側を通過するように引き回されて回路基板10Dのコネクタ62に接続される。
【0078】
第4関節部2Dと第3関節部2Cとの間では、第4関節部2Dの回路基板10Dのコネクタ61と第3関節部2Cの回路基板10Cのコネクタ62とが配線60によって接続されている。すなわち、回路基板10Dのコネクタ61に一端が接続されるとともに第4関節部2Dのケース体11から引き出された配線60の他端は、回路基板10Cのコネクタ62に接続されている。この配線60は、第4関節部2Dの開口部41aを通過するように第4関節部2Dのケース体11から引き出され、連結部材63の貫通孔、第3関節部2Cの出力側部材27の貫通孔27cおよび第3関節部2Cの管状部材26の内周側を通過するように引き回されて回路基板10Cのコネクタ62に接続される。
【0079】
第3関節部2Cと第2関節部2Bとの間では、第3関節部2Cの回路基板10Cのコネクタ61と第2関節部2Bの回路基板10Bのコネクタ62とが配線60によって接続されている。すなわち、回路基板10Cのコネクタ61に一端が接続されるとともに第3関節部2Cのケース体11から引き出された配線60の他端は、回路基板10Bのコネクタ62に接続されている。この配線60は、第3関節部2Cの開口部41aを通過するように第3関節部2Cのケース体11から引き出され、第1アーム3Aの内周側および第2関節部2Bの開口部41aを通過するように引き回されて回路基板10Bのコネクタ62に接続される。
【0080】
第2関節部2Bと第1関節部2Aとの間では、第2関節部2Bの回路基板10Bのコネクタ61と第1関節部2Aの回路基板10Aのコネクタ62とが配線60によって接続されている。すなわち、回路基板10Bのコネクタ61に一端が接続されるとともに第2関節部2Bのケース体11から引き出された配線60の他端は、回路基板10Aのコネクタ62に接続されている。この配線60は、第2関節部2Bの管状部材26の内周側および第2関節部2Bの出力側部材27の貫通孔27cを通過するように第2関節部2Bのケース体11から引き出され、第1関節部2Aの開口部41aを通過するように引き回されて回路基板10Aのコネクタ62に接続される。
【0081】
なお、回路基板10Aのコネクタ61は、配線60を介してロボット1のコントローラ65に接続されている。この配線60は、第1関節部2Aの管状部材26の内周側および第1関節部2Aの出力側部材27の貫通孔27cを通過するように第1関節部2Aのケース体11から引き出され、支持部材4の貫通孔を通過するように引き回される。
【0082】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、第1関節部2Aの取付面41bと第2関節部2Bのフランジ部27aとが直接固定されることで基端側2軸関節ユニット6Aが構成され、第4関節部2Dの取付面41bと第3関節部2Cのフランジ部27aとが連結部材63を介して固定されることで中間2軸関節ユニット6Bが構成され、第6関節部2Fの取付面41bと第5関節部2Eのフランジ部27aとが直接固定されることで先端側2軸関節ユニット6Cが構成されている。すなわち、本形態では、平面状の取付面41bとフランジ部27aとを用いて2個の関節部2が連結されている。そのため、本形態では、2個の関節部2の連結強度を高めることが可能になるとともに、2個の関節部2を精度良く連結することが可能になる。また、本形態では、開口部41aに形成される取付面41bと円環状のフランジ部27aとを用いて2個の関節部2が連結されているため、フランジ部27aの内周側および開口部41aを利用して2個の関節部2の間で配線60を引き回すことが可能になる。
【0083】
本形態では、支持部材4に対して、第1関節部2Aの軸方向を回動の軸方向とする基端側2軸関節ユニット6Aの相対回動が可能となっている。また、本形態では、第1アーム3Aに対して第3関節部2Cの軸方向を回動の軸方向とする相対回動が可能となっている第2アーム3Bが、第1関節部2Aの剛性内歯歯車16の軸心を含む平面上で回動可能となっている。そのため、本形態では、ロボット1の制御が容易になる。
【0084】
本形態では、
図1および
図2(A)に示すロボット1の正対姿勢において、第1関節部2Aの剛性内歯歯車16の軸心と第2アーム3Bの軸心とが同一直線上に配置されるとともに、第1関節部2Aと第5関節部2Eとが干渉しないように第2アーム3Bが第1アーム3Aよりも短くなっている。そのため、本形態では、ロボット1をコンパクトに折り畳むことが可能になり、その結果、ロボット1の梱包コストや輸送コストを低減することが可能になる。
【0085】
本形態では、第5関節部2Eおよび第6関節部2Fは、第1関節部2Aおよび第2関節部2Bよりも小さくなっている。そのため、本形態では、ロボット1の先端側の重量を軽減することが可能になり、その結果、ロボット1の基端側にかかる負荷を軽減することが可能になる。特に本形態では、第4関節部2Dが第3関節部2Cよりも小さくなっているとともに、第2アーム3Bの外径は第1アーム3Aの外径よりも小さく、かつ、第2アーム3Bは第1アーム3Aよりも短くなっているため、ロボット1の先端側の重量をより軽減することが可能になる。したがって、本形態では、ロボット1の基端側にかかる負荷をより軽減することが可能になる。
【0086】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0087】
上述した形態では、
図1および
図2(A)に示すロボット1の正対姿勢において、第1関節部2Aの剛性内歯歯車16の軸心と第2アーム3Bの軸心とが同一直線上に配置されているが、ロボット1の正対姿勢において、第1関節部2Aの剛性内歯歯車16の軸心と第2アーム3Bの軸心とが同一直線上に配置されていなくても良い。たとえば、
図5、
図6に示すように、ロボット1の正対姿勢において、第1関節部2Aの剛性内歯歯車16の軸心と第2アーム3Bの軸心とが同一直線上に配置されず、かつ、第1関節部2Aの剛性内歯歯車16の軸心と第6関節部2Fの剛性内歯歯車16の軸心とが同一直線上に配置されていなくても良い。この場合には、第2アーム3Bの長さが第1アーム3Aの長さ以上となっていても良い。
【0088】
また、たとえば、
図7、
図8に示すように、ロボット1の正対姿勢において、第1関節部2Aの剛性内歯歯車16の軸心と第6関節部2Fの剛性内歯歯車16の軸心とが同一直線上に配置されていても良い。この場合には、たとえば、
図7に示すように、上述した形態の連結部材63よりも、第3関節部2Cの軸方向の厚さが厚い(長さが長い)が連結部材63を介して、第4関節部2Dのケース体11の取付面41bと第3関節部2Cのフランジ部27aとが固定される。あるいは、
図8に示すように、第2関節部2Bの軸方向で所定の厚さ(長さ)を有する第1連結部材としての連結部材64を介して、第1関節部2Aのケース体11の取付面41bと第2関節部2Bのフランジ部27aとが固定されても良い。
【0089】
上述した形態では、第1アーム3Aと第3関節部2Cとは、第1アーム3Aの長手方向と第3関節部2Cの軸方向とが直交するように連結されており、第3関節部2Cのケース体11に第1アーム3Aの先端が固定されている。また、第4関節部2Dと第2アーム3Bとは、第4関節部2Dの軸方向と第2アーム3Bの長手方向とが一致するように連結されており、第4関節部2Dのフランジ部27aに第2アーム3Bの基端が固定されている。この他にもたとえば、
図6に示すように、第1アーム3Aの長手方向と第3関節部2Cの軸方向とが一致するように第1アーム3Aと第3関節部2Cとが連結され、第4関節部2Dの軸方向と第2アーム3Bの長手方向とが直交するように第4関節部2Dと第2アーム3Bとが連結されても良い。この場合には、第3関節部2Cのフランジ部27aに第1アーム3Aの先端が固定され、第3関節部2Cのケース体11の取付面41bと第4関節部2Dのフランジ部27aとが固定され、第4関節部2Dのケース体11に第2アーム3Bの基端が固定される。また、この場合には、第3関節部2Cが一方側関節部となり、第4関節部2Dが他方側関節部となる。
【0090】
また、上述した形態では、第1関節部2Aのケース体11の取付面41bと第2関節部2Bのフランジ部27aとが固定され、第2関節部2Bのケース体11に第1アーム3Aの基端が固定されているが、第1関節部2Aのフランジ部27aと第2関節部2Bのケース体11の取付面41bとが固定され、第2関節部2Bのフランジ部27aに第1アーム3Aの基端が固定されても良い。この場合には、第2関節部2Bが一方側関節部となり、第1関節部2Aが他方側関節部となる。
【0091】
また、上述した形態では、第5関節部2Eのケース体11に第2アーム3Bの先端が固定され、第6関節部2Fのケース体11の取付面41bと第5関節部2Eのフランジ部27aとが固定されているが、第5関節部2Eのフランジ部27aに第2アーム3Bの先端が固定され、第5関節部2Eのケース体11の取付面41bと第6関節部2Fのフランジ部27aとが固定されても良い。この場合には、第5関節部2Eが一方側関節部となり、第6関節部2Fが他方側関節部となる。
【0092】
上述した形態では、第1関節部2Aのケース体11の取付面41bと第2関節部2Bのフランジ部27aとが直接固定されているが、上述のように、連結部材64を介して、第1関節部2Aの取付面41bと第2関節部2Bのフランジ部27aとが固定されても良い(
図8参照)。同様に、上述した形態では、第6関節部2Fのケース体11の取付面41bと第5関節部2Eのフランジ部27aとが直接固定されているが、第6関節部2Fの取付面41bと第5関節部2Eのフランジ部27aとが第5関節部2Eの軸方向で所定の厚さを有する第3連結部材を介して固定されても良い。また、上述した形態では、第4関節部2Dのケース体11の取付面41bと第3関節部2Cのフランジ部27aとが連結部材63を介して固定されているが、第4関節部2Dの取付面41bと第3関節部2Cのフランジ部27aとが直接固定されても良い。
【0093】
上述した形態では、第3関節部2Cは、第1関節部2Aおよび第2関節部2Bと同一構造となっているが、第3関節部2Cは、第5関節部2Eおよび第6関節部2Fと同一構造となっていても良い。また、上述した形態では、第4関節部2Dは、第5関節部2Eおよび第6関節部2Fと同一構造となっているが、第4関節部2Dは、第1関節部2Aおよび第2関節部2Bと同一構造となっていても良い。また、第3関節部2Cと第4関節部2Dとが同一構造になるとともに、第3関節部2Cおよび第4関節部2Dが、第1関節部2Aおよび第2関節部2Bより小さく、かつ、第5関節部2Eおよび第6関節部2Fより大きくなっていても良い。また、第1関節部2Aの大きさと第2関節部2Bの大きさとが異なっていても良いし、第5関節部2Eの大きさと第6関節部2Fの大きさとが異なっていても良いし、6個の関節部2の全てが同じ大きさであっても良い。
【0094】
上述した形態では、剛性内歯歯車16が減速機8の出力軸となっているが、可撓性外歯歯車17が減速機8の出力軸となっていても良い。この場合には、剛性内歯歯車16がケース体11およびクロスローラベアリング19の内輪19aに固定され、可撓性外歯歯車17がクロスローラベアリング19の外輪19bおよび出力側部材27のフランジ部27aに固定される。また、上述した形態では、ロボット1は、3個の2軸関節ユニット6を備えているが、ロボット1が備える2軸関節ユニット6の数は、2個であっても良いし、4個以上であっても良い。この場合には、ロボット1は、2軸関節ユニット6の数に応じた本数のアーム3を備えている。また、上述した形態では、ロボット1は、産業用ロボットであるが、ロボット1は、様々な用途に適用可能である。たとえば、ロボット1は、サービス用ロボットであっても良い。