【実施例】
【0041】
以下、図面に基づいて本発明の実施するための形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態における求人情報及び/又は求職情報提供システム1の構成例を示す図である。
【0042】
求人情報提供及び/又は求職情報提供システム1は、通信ネットワーク40を介して、求職者又は求人者が情報端末を用いて、求人情報及び求職情報の閲覧を支援するためのシステムである。なお、上述の通信ネットワーク40は、LAN又はインターネット等を指し、無線又は有線の別は問わない。
【0043】
なお、求人情報提供及び/又は求職情報提供システム1については、求人情報若しくは求職情報のいずれか一方又は両方の情報を提供するシステムでも良い。また、求人情報提供システムと求職情報提供システムを独立した複数のシステムとして構築することも可能であるが、以下の説明では、求人情報提供と求職情報提供を同一のシステムで構成したシステムを例に説明する。
【0044】
求職者端末10は、求職者が利用するスマートフォンやパーソナルコンピュータ等の端末である。本実施形態において、求職者とは有償であるか又は無償であるかを問わず、就労を希望し、本システムを利用して求人情報を閲覧しようとする者をいう。
【0045】
求人者端末20は、求職者が利用するスマートフォンやパーソナルコンピュータ等の端末である。本実施形態において、求人者とは自己のために他人の労働力の提供を求めるため、本システムを利用して求人情報を登録している者又は登録しようとする者をいう。
【0046】
求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30は、求人情報及び求職情報の提供を支援するための各種情報を管理するコンピュータであり、記憶装置を備え、必要なデータを格納する。なお、サーバ装置を自社で保有して設置する方法のほか、外部からレンタルする方法や、インターネットを通じて遠隔地にあるサーバ装置を利用する方法のいずれであってもよい。
【0047】
サーバの構成については、負荷分散による処理能力向上やデータベースのセキュリティ向上を図るため、Webサーバ、アプリケーションサーバ、データベースサーバで機能別に2層ないし3層で構成しても良い。また、同一の機能を提供する複数台のサーバを備える構成であっても良い。
【0048】
図2は、本発明の実施形態における求職者端末10の構成例を示す図である。求職者端末10は、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等の端末であり、それぞれ入力部11、記憶部12、端末制御部13、送信部14、受信部15及び出力部16を有する。
【0049】
記憶部12にはスケジュール情報を含むスケジュール関連情報17を格納する。このスケジュール関連情報17は、通常のスマートフォンに備えられているスケジュール情報管理部18で動作するものであり、必ずしもこの発明を実施するために特別に設ける必要はない。一方で、他のスケジュール管理機能(アプリケーション)を用いて生成することも可能である。
【0050】
また、スケジュール関連情報17については、求職者端末10に記憶する方法のほか、通信ネットワーク40を介して図示しないWebサーバ上に記憶するWebカレンダーアプリケーションを通じて記憶するものであっても良い。
【0051】
なお、本発明の実施例においては、後述するように当該スケジュール情報管理部18によって蓄積されたスケジュール関連情報17を活用する。この場合、このスケジュール関連情報17を求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30に送出する必要がある。
【0052】
このために、例えば、スケジュール関連情報17のエクスポート機能を活用することで実現することが可能である。すなわち、エクスポート機能によりスケジュール関連情報17を抽出して作成したファイルをアップロードする機能などを使用して求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30に送出することで実現できる。
【0053】
上述の実施例による方法のほか、Webカレンダーアプリケーションに搭載されるエクスポート機能を用いて、ICS、CSV等の形式で出力されたスケジュール関連情報のファイルを、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30で取得することで実現できる。
【0054】
また、求職者端末10に本システム専用のアプリケーションをダウンロードして起動することで、Webカレンダーアプリケーションと同期することも可能である。この場合、アプリケーション上で「起動時の同期」、「自動同期(間隔設定を含む)」、「手動同期」といった多様な設定を行えることが望ましい。なお、本システム専用のアプリケーションには、同期機能とともに、スケジュール情報の管理機能を備えていても良い。なお、上述のアプリケーション(プログラム)の内容は、後に詳述する。
【0055】
図3は、本発明の実施形態における求人者端末20の構成例を示す図である。求人者端末20は、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等の端末であり、それぞれ入力部21、記憶部22、端末制御部23、送信部24、受信部25及び出力部26を有する。
【0056】
図4は、本発明の実施形態における求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30のハードウェア構成例を示す図である。求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30は、それぞれバスBで相互に接続されている通信インターフェース31、プロセッサ(CPU)32、主記憶装置33、表示装置34、入力装置35、出力装置36及び補助記憶装置37を有する。
【0057】
求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30で処理を実現するプログラムは、補助記憶装置37に記憶される。補助記憶装置37は、同プログラムを格納するとともに、必要なファイルやデータを格納する。
【0058】
主記憶装置33は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置37からプログラムを読み出して格納する。プロセッサ(CPU)32は、主記憶装置33に格納したプログラムにしたがって、各種機能を実現する。
【0059】
通信インターフェース31は、通信ネットワーク40に接続するためのインターフェースである。
【0060】
表示装置34は、ディスプレイ、モニタ等で、プログラムによるTUI(Text User Interface)やGUI(Graphical User Interface)等を表示する。
【0061】
入力装置35は、キーボード、マウス等で、文字などを入力したり、命令を与えたりする機能を有する。出力装置36は、プリンタ等で処理結果を外部に出力する装置である。
【0062】
なお、表示装置34、入力装置35及び出力装置36は、インターネット等を通じて遠隔地からこれらの装置を接続する方法であってもよい。
【0063】
補助記憶装置37に格納されるデータは、求人データベースと求職データベースに分けられる。
【0064】
補助記憶装置37に格納される求人データベースは、大きく2種類の情報に大別される。
【0065】
第一に、求人者が登録する求人者(事業所)登録情報データベース371(求人者の名称、所在地、事業内容等)がある。第二に、求人が必要となった際に登録する求人情報データベース372(業務内容、募集人数、就労日、求人時間帯、賃金(時給)等)がある。なお、後述の通勤時間の算出を行うため、前記求人事業所付近の公共交通機関の発着地までの所要時間を併せて登録しても良い。
【0066】
同様に、補助記憶装置37に格納される求職データベースも、大きく2種類の情報に大別される。
【0067】
第一に、求職者が登録する求職者登録情報データベース373(氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、希望する業務、希望エリア、働けない時間帯等)がある。第二に、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30が受領したスケジュール関連情報に基づいて生成されるスケジュール関連情報データベース374がある。なお、通勤時間の算出を行うため、自宅住所付近の公共交通機関の発着地までの所要時間を併せて登録しても良い。
【0068】
ここで、スケジュール関連情報とは、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30が受領する特定の時間帯に関するスケジュール情報を含む情報のことをいい、前述の「働けない時間帯」を含むものであって良い。
【0069】
また、スケジュール関連情報は、前記スケジュール情報に加え、当該時間帯に対応する求職者の所在地を示す位置情報を含むものであっても良い。
【0070】
空き時間とは、就業可能時間帯を含み、1日のうちでスケジュール情報に予定が入っている時間帯以外の時間帯のことをいう。
【0071】
図5は、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30における求人者(事業所)登録情報データベース371の構成例を示す図である。求人者(事業所)登録情報は、求人者端末20を通じて求人者が登録する情報であり、具体的には、「求人者名称」「求人者の所在地」「事業内容」「連絡担当者」「ホームページアドレス」等の求人を行う雇用者に関する情報である。
【0072】
求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30は、求人者端末20から求人者(事業所)情報を受領すると、補助記憶装置37にある求人者(事業所)登録情報データベース371に当該情報を記録する。なお、本実施形態では、求人者を一意に識別するための情報として、求人者IDを用いる。求人者IDは、求人者登録の際に、当該求人者に対して割り当てられ、当該求人者に通知される。
【0073】
図6は、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30における求人情報データベース372の構成例を示す図である。求人情報は、求人者端末20を通じて求人者が登録する情報であり、具体的には、「求人者名称」「事業所名称」「事業所の所在地」「業務内容」「募集人数」「就労日」「始業時刻」「終業時刻」「時給」「通勤手当」等の当該求人の雇用条件に関する情報である。
【0074】
求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30は、求人者端末20等から求人情報を受領すると、補助記憶装置37にある求人情報データベース372に当該情報を記録する。
【0075】
図7は、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30における求職者登録情報データベース373の構成例を示す図である。求職者登録情報は、求職者端末10を通じて求職者が登録する情報である。具体的には、「求職者氏名」「住所」「希望職種」「各曜日の働けない時間帯の開始時刻及び終了時刻373a」「最大通勤時間373b」「優先移動手段373c」等の求職者に関する情報等がある。
【0076】
求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30は、求職者端末10から求職者情報を受領すると、補助記憶装置37にある求職者登録情報データベース373に当該情報を記録する。なお、本実施形態では、求職者を一意に識別するための情報として、求職者IDを用いる。求職者IDは、求人者登録の際に、当該求職者に対して割り当てられ、当該求職者に通知される。
【0077】
ここで、各曜日の働けない時間帯の開始時刻及び終了時刻373aについて、補足説明をする。働けない時間帯には、睡眠、身の回りの用事、食事など生理的に必要な活動時間や、家事、介護・看護、育児、日常の買い物等の家事など家庭生活において義務的な性格の強い活動時間に該当する時間帯を登録する。
【0078】
なお、曜日ごとに働けない時間帯を登録する設定が基本となるが、求職者の都合により毎日同一の働けない時間帯を設定することも可能である。また、実施例のように、通勤時間の上限として最大通勤時間373b、優先移動手段373cを設定することも可能である。さらに、求職者登録後、求職者端末10からの要求により、求職者登録情報データベース373の登録内容を更新することも可能である。
【0079】
図8は、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30における求職者のスケジュール関連情報及び空き時間帯の構成例を示す図である。補助記憶装置37のスケジュール関連情報データベース374は、求職者端末10から受領したスケジュール関連情報17に基づき、求職者別に、特定の時間帯ごとに、スケジュールの開始時刻及び終了時刻374a、位置374b及び区間374cを記録する。
【0080】
なお、求職者登録情報データベース373に記憶された各曜日の働けない時間帯についても、それぞれスケジュール関連情報として取り扱い、スケジュール関連情報データベース374に記憶する(なお、働けない時間帯に対応する位置情報に関しては、住所地を登録することが妥当と考えられる。)。また、スケジュール情報に対応する位置情報が存在しない場合には、自動的に求職者の住所地を登録する設定も考えられる。
【0081】
同図において、位置374bは、スケジュールの開始時刻及び終了時刻374aに対応する一の住所地を登録する。なお、位置374bのデータは緯度経度等の座標情報でも良い。
【0082】
区間374cは、当該時間帯が空き時間に該当する場合に明示するためのコードである。「0」のコードは既にスケジュール情報が存在する時間帯を、「1」のコードは空き時間を示している。
【0083】
図9は、
図8に示した情報に基づき、求職者のスケジュール情報及び空き時間帯を容易に理解できるように表した説明図である。同図において、
図8のスケジュール関連情報構成例に対応する2018年3月5日から2018年3月11日までの1週間のスケジュール情報を示している。
【0084】
各曜日の働けない時間帯は灰色部分、3月8日のスケジュール情報374d及び3月10日のスケジュール情報374eは斜線部分で示されており、それ以外の空白部分が当該求職者の空き時間を示している。したがって、当該求職者の2018年3月8日の空き時間は、「8時30分から14時00分まで」の時間帯である。
【0085】
図10は、求職者端末10からの初期登録の実施例を示すフローチャートである。求職者端末10から、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30にアクセスするためには、例えば、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30をアクセスするためのURLを指定してアクセスするとともに、予め決められたログインの操作を行う。
【0086】
求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30においては、求職者端末10からのアクセスがあると、例えば、初期登録に必要な情報を入力する画面情報を求職者端末10に送出する(I101)。
【0087】
求職者端末10においては、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30から送出された入力画面を利用して、求職者登録情報の入力を行う。具体的には、
図7に示すように、例えば、「氏名」「住所」「希望職種」「各曜日の働けない時間帯の開始時刻及び終了時刻373a」「最大通勤時間373b」「優先移動手段373c」等の求職者登録情報について入力を行う。
【0088】
求職者登録情報の入力後、求職者端末10から送信指示を行うことにより、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30は、通信ネットワーク40を経由して受領する(I102)。
【0089】
そして、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30は、受領した求職者情報を求職者登録情報データベース373に記憶する(I103)。
【0090】
これと併行して、求職者登録情報データベース373に記憶された「働けない時間帯」をスケジュール関連情報としてスケジュール関連情報データベース374に記憶する(I104)。前記「働けない時間帯」は、
図7に示すように各曜日で異なる時間帯を設定できるように構成されている。
【0091】
なお、求職者は、求職者端末10から登録した求職者登録情報の中の最大通勤時間373b及び優先移動手段373cの各情報について、求人情報の提供要求に当たり、考慮する必要があるか否かを求職者端末10より別途設定することが可能となっている。さらに、求人情報の提供要求に当たり、希望する職種・エリアのほか、勤務時間、通勤時間、賃金額等の上限及び下限を別途設定することができる。
【0092】
図11は、求人者端末20からの初期登録の実施例を示すフローチャートである。求人者端末20から、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30にアクセスするためには、例えば、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30をアクセスするためのURLを指定してアクセスするとともに、予め決められたログインの操作を行う。
【0093】
求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30においては、求人者端末20からアクセスがあると、例えば、初期登録に必要な情報を入力する画面情報を求人者端末20に送出する(I201)。
【0094】
求人者端末20においては、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30から送出された入力画面を利用して、求人者登録情報の入力を行う。具体的には、例えば、求人者端末20から、「求人者の名称」「所在地」「事業内容」等の求人者情報の入力が行われると、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30は、通信ネットワーク40を経由して受領する(I202)。
【0095】
求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30は、受領した求人者情報を求人者(事業所)登録情報データベース371に記憶する(I203)。
【0096】
図12は、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30における求職者端末10との処理の実施例を示すフローチャートである。まず、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30は、上述した初期登録の時と同様にログインの操作完了後に求職者端末10から送出された求人情報提供要求を受領する(S101)。
【0097】
求職者は、求職者端末10で動作する本システム専用のアプリケーションを動作させることで、求職者端末10のスケジュール情報管理部18により、同端末に蓄積されているスケジュール関連情報17を所定の時期にサーバへ送出し、当該スケジュール関連情報をスケジュール関連情報データベース374に記憶させるかどうかを任意に選択することが可能である(S102)。
【0098】
当該スケジュール連動機能をONにしている場合は、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30は、求人情報提供要求(S101)を行う。これと同時に、求職者端末10からスケジュール関連情報を受領し、スケジュール関連情報データベース374に記憶する(S103)。
【0099】
なお、スケジュール関連情報17のデータの受け渡しは、上述したエクスポート機能を利用すれば良い。例えば、求職者端末10で動作しているスケジュール情報管理部18で管理されるスケジュール関連情報17のファイル形式と互換性を有するISC、CSV等のファイル形式で行われる。
【0100】
当該スケジュール連動機能をOFFにしている場合は、求職者端末10からスケジュール関連情報を受領しない。この場合、求職者が求職者登録情報データベース373に登録した「働けない時間帯」の情報等のスケジュール関連情報データベース374に記憶されたスケジュール関連情報を使用することになる。
【0101】
上述のステップの後、スケジュール関連情報データベース374に記憶されたスケジュール関連情報から、求職者の「空き時間帯」を判別して、スケジュール関連情報データベース374に記憶する(S104)。
【0102】
なお、本実施例では、サーバにおいて「空き時間帯」の判別を行うものとしているが、求職者端末10のスケジュール管理機能(アプリケーション)や、Webカレンダーアプリケーションにおいて、「空き時間」の判別を行い、1つのスケジュール関連情報として、取り扱っても良い。この場合、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30は、当該スケジュール関連情報が「空き時間」であることを識別可能な形で受領し、スケジュール関連情報データベース374には、「空き時間」として登録を行う。したがって、
図8に示すスケジュール情報構成のうち、区間374cのコードは空き時間帯を示す「1」を記憶する。
【0103】
次に、スケジュール関連情報データベース374の求職者の「空き時間帯」と、求人情報データベース372に記憶されている各求人の「求人時間帯」を比較する。「空き時間帯」が「求人時間帯」を包含する求人情報について、求人情報に一意に紐づけられた求人ID単位のレコードを抽出する(S105)。
【0104】
この時点で抽出条件に該当する求人情報が存在しない場合は、処理を終了するとともに、求職者端末10に対して該当する求人情報が存在しない旨を通知する(S106)。
【0105】
抽出条件に該当する求人情報が存在する場合であって、求人事業所までの通勤時間を考慮して求人情報を抽出する場合は、前記抽出ステップ(S105)で抽出された求人IDに対応する求人情報について、スケジュール関連情報データベース374に記憶されている求職者の空き時間帯の前後のスケジュール情報に対応する位置から、求人情報データベース372に記憶されている各求人事業所までの通勤時間を算出する(S108)。
【0106】
一方、抽出条件に該当する求人情報が存在する場合であって、求人事業所までの通勤時間を考慮して求人情報を抽出しない場合は、求職者端末10に前記抽出ステップ(S105)で抽出された求人情報を後述の方法により送出する(S107・S111)。
【0107】
なお、自宅等の通勤拠点から所定移動時間内に通勤できる求人情報を出力する際に、通勤手段等を加味して所定の移動時間を決定する方法があり、詳細は、例えば、特開2008−90614号公報に開示されている手法により実現できる。
【0108】
また、求職者の最寄りの駅までの所要時間、交通機関における各駅間の所要時間、求人企業から最寄り駅までの所要時間のデータを蓄積し、移動時間を決定する方法があり、詳細は、例えば、特開2002−230138号公報に開示されている手法により実現できる。
【0109】
自宅から求人事業所までの移動時間の算出については、上述の開示技術を用いる方法が考えられるが、出勤及び退勤の通勤手段に応じて異なる算出方法を用いても良い。
【0110】
例えば、通勤手段が公共交通機関の場合は、自宅から複数の最寄り駅等の所要時間、交通機関における発着地間の移動時間及び求人事業所から複数の最寄り駅等の所要時間のデータを蓄積し、その合計時間に基づいて通勤時間を算出する。また、通勤手段が徒歩、自転車及び自動車の場合は、通勤手段毎の移動速度を勘案した一定の単位を用いて、二地点間の距離に対応する所要の移動時間を算出することも可能である(後述のステップS205において同じ。)。
【0111】
次に、前記抽出ステップ(S105)で抽出された求人IDに対応する求人情報について、スケジュール関連情報データベース374に記憶されている求職者の「空き時間帯」と求人情報データベース372に記憶されている「求人時間帯の前後に前記算出ステップ(S108)で算出した通勤時間を減算及び加算した時間帯」を比較し、「空き時間帯」が「求人時間帯の前後に通勤時間を減算及び加算した時間帯」を包含する求人情報を抽出する(S109)。
【0112】
この時点で抽出条件に該当する求人が存在しない場合は、処理を終了するとともに、求職者端末10に対して該当する求人情報が存在しない旨を通知する(S110)。
【0113】
抽出条件に該当する求人が存在する場合は、求職者端末10に前記抽出ステップ(S109)で抽出された求人情報を送出する(S111)。なお、求職者が操作する端末の画面に複数の求人情報が一覧表の形で表示可能となるように各求人情報の情報量を制限するのが良い。そのために、各求人情報の中から予め決められた情報を選択する。例えば、業務内容、就業場所、勤務時間、時給額、通勤時間等の重要な雇用条件に限定して送出することが望ましい。
【0114】
また、求人情報の一覧表は業務内容、勤務時間、通勤時間、時給額等の任意の雇用条件に応じて、求職者端末10からの要求により並び替えて表示することも可能である。
【0115】
求職者端末10の画面に表示された複数の求人情報の一覧表の中から、求職者の希望する求人が存在する場合、当該求人の表示領域を押下することで、求人情報詳細の提供要求が行われる(S112)。
【0116】
求職者端末10から求人情報詳細の提供要求を受領した求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30は、求職者端末10に対し、求人情報データベース372に記憶されている該当する求人情報の詳細を送出する(S113)。
【0117】
なお、本実施例では、ステップ(S105)において、求職者の空き時間帯と求人時間帯を比較して、空き時間帯が求人時間帯を包含する求人情報を先に抽出するものとしている。そして、後続ステップ(S108・S109)において、先行ステップで抽出された求人情報を対象に、「求職者の空き時間帯」が「求人時間帯の前後に通勤時間を減算及び加算した時間帯」を包含する求人情報を再度抽出するものとしている。
【0118】
これは、求人情報の抽出(検索)の時間を短縮することを期待してのことであるが、当該先行ステップ(S105)を省略し、全ての登録求人の通勤時間を予め求めた上で、求人時間帯に通勤時間を加味した正味の所要時間と求職者の空き時間を比較する方法であっても良い。
【0119】
また、ステップ(S107)において、上述したように、求職者が最大通勤時間373bや優先移動手段373cの情報を利用しない設定を行うことも可能である。利用しない設定を行った場合には、空き時間帯と求人時間帯情報を比較して、空き時間帯が求人時間帯情報を包含する求人情報について、後続ステップ(S108・S109)の処理を省略して通勤時間を考慮せずに表示される。なお、この設定は求人情報を要求する毎に設定を変更することも可能である。
【0120】
図13は、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30における求人者端末20との処理の実施例を示すフローチャートである。求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30は、上述した初期登録の時と同様にログインの操作完了後に求人者端末20から送出された求職情報提供要求とともに、求人時間帯情報を含む求人情報を受領する(S201)。
【0121】
次に、スケジュール関連情報データベース374の求職者の「空き時間帯」と、求人者端末20から受領した求人情報の「求人時間帯」を比較し、「求人時間帯」を包含する「空き時間帯」を有する求職情報を抽出する(S202)。
【0122】
この時点で抽出条件に該当する求職情報が存在しない場合は、処理を終了するとともに、求人者端末20に対して該当する求職情報が存在しない旨を通知する(S203)。
【0123】
抽出条件に該当する求職情報が存在する場合であって、求人事業所までの通勤時間を考慮して求職情報を抽出する場合は、以下のように通勤時間を算出する。例えば、スケジュール関連情報データベース374に記憶されている求職者の空き時間帯の前後のスケジュール情報に対応する位置から、求人情報データベース372に記憶されている各求人事業所までの通勤時間を算出する(S205)。
【0124】
一方、抽出条件に該当する求職情報が存在する場合であって、求人事業所までの通勤時間を考慮して求職情報を抽出しない場合は、求人者端末20に前記抽出ステップ(S202)で抽出された求職情報を後述の方法により送出する(S204・S208)。
【0125】
次に、スケジュール関連情報データベース374に記憶されている求職者の「空き時間帯」と求人者から受領した求人情報の「求人時間帯」を比較する。そして、「求人時間帯の前後に通勤時間を減算及び加算した時間帯」を包含する「空き時間帯」を有する求職情報を抽出する(S206)。
【0126】
この時点で抽出条件に該当する求職情報が存在しない場合は、処理を終了するとともに、求人者端末20に対して該当する求職情報が存在しない旨を通知する(S207)。
【0127】
抽出条件に該当する求職情報が存在する場合は、求人者端末20に前記抽出ステップ(S206)で抽出された求職情報(例えば、就労可能な求職者の人数等)を送出する(S208)。
【0128】
なお、本実施例では、ステップ(S202)において、求職者の空き時間帯と求人時間帯を比較して、求人時間帯を包含する空き時間を有する求職情報を先に抽出するものとしている。そして、後続ステップ(S205・S206)において、先行ステップで抽出された求職情報を対象に、「求人時間帯の前後に通勤時間を減算及び加算した時間帯」を包含する「空き時間帯」を有する求職情報を再度抽出するものとしている。
【0129】
これは、求職情報の抽出(検索)の時間を短縮することを期待してのことであるが、当該先行抽出ステップ(S202)を省略し、全ての求職情報の通勤時間を予め求めた上で、求人時間帯に通勤時間を加味した正味の所要時間と求職者の空き時間を比較する方法であっても良い。
【0130】
図14は、
図2に示す求職者端末10の実施例のうち、スマートフォン等の多機能端末を求職者端末10とした場合の詳細な構成例を示す図である。
【0131】
求職者端末50は、外部との情報通信を行う通信インターフェース51、プロセッサ(CPU)52、主記憶装置53、表示装置54、入力装置55、出力装置56及び補助記憶装置57を有する。これらの装置が共通バスbにより接続されている。
【0132】
例えば、表示装置54は、
図17から
図19までにおいて後述するような画面構成を有し、当該画面に直接触れることにより、操作が可能な入力装置55が設けられ、いわゆる、タッチパネルを構成する。なお、タッチパネルは、表示装置54にタッチ操作検出用のセンサを備えた入力装置55に関する公知技術によって実現可能であるが、これに限定されない。
【0133】
補助記憶装置57には、プロセッサ(CPU)52が動作するためのプログラムが格納され、本発明における求人情報受領プログラム571が含まれている。
また、補助記憶装置57には、求職者端末50のスケジュール管理機能のためのスケジュール関連情報データベース572が設けられている。
【0134】
このスケジュール関連情報データベース572には、すべてのスケジュール関連情報が記憶される場合と、通信ネットワーク40を介して図示しないWebサーバ上に記憶する場合のいずれであっても良い。
【0135】
図15は、
図14に示す求人情報受領プログラム571の構成のうち、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30への初期登録を行うためのプログラムの処理フローチャートである。以下、求職者端末50において求職者情報の初期登録を行う際の諸手順を実行するプログラムの処理について説明する。
【0136】
求職者端末50のWebブラウザや上述の専用アプリケーション等によって、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30にアクセスするためには、例えばアクセスするためのURLを指定してアクセスするとともに、予め決められたログインの操作を行う。なお、専用アプリケーションは、ID及びパスワードを端末内に保存する機能を備えるものであっても良い。同機能を有効にすることで、ログイン時のID及びパスワードの入力を省略することが可能となる。
【0137】
ログイン操作が成功すると、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30より、例えば、初期登録に必要な情報を入力する画面情報が求職者端末50に送信され、求職者端末50の表示装置54に表示される(T101)。
【0138】
求職者はこの入力画面を利用して、
図7に示す「氏名」「住所」「希望職種」「各曜日の働けない時間帯の開始時刻及び終了時刻373a」「最大通勤時間373b」「優先移動手段373c」等の求職者情報の入力を行う(T102)。
【0139】
そして、求職者端末50から送信指示を行うことにより、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30に送出することにより初期登録は完了する(T103)。
【0140】
図16は、
図14に示す求人情報受領プログラム571の構成のうち、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30から、求人情報を受領するためのプログラムの処理フローチャートである。以下、求職者端末50における求人情報の提供要求から求人情報の受領までの諸手順を実行するプログラムの処理について説明する。
【0141】
求職者端末50が求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30にアクセスするためには、初期登録時と同様、アクセスするためのURLを指定してアクセスするとともに、予め決められたログインの操作を行う。
【0142】
ログイン操作が成功すると、求職者端末50は、まず、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30に対して、求職者端末50から求人情報の提供要求を行う(T201)。
【0143】
その後、求職者端末50において、スケジュール連動機能が設定されている場合には、例えば、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30より、求職者のスケジュール関連情報の送信要求を受領する。そして、当該送信要求に応答する形で、求職者端末50のスケジュール関連情報データベース572より、
図8に例示するスケジュール関連情報を求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30に送出する(T202)。
【0144】
なお、スケジュール連動機能の設定については、例えば、
図15で示す初期登録時において、スケジュール連動機能を使うか否かを、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30に事前に通知することで実現できる。
【0145】
また、この例では、スケジュール関連情報が、求職者端末50のスケジュール関連情報データベース572に記憶されている例の説明を行った。一方、スケジュール関連情報を図示しないWebサーバ上に記憶しておき、求職者端末50からの「起動時の同期」、「自動同期」、「手動同期」等の指示操作に基づきスケジュール関連情報を取得する構成も可能である。
【0146】
すなわち、「ステップ(T201)において求人情報の提供要求を受けた時」、「求職者が設定する所定の時期(間隔)」、「求職者が指示操作を行った任意の時」等に、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30から図示しないWebサーバへアクセスし、例えば、インポート機能を使って求職者のスケジュール関連情報を取得しても良い。
【0147】
次に、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30より、求人情報を受領すると、後述する求職者端末50の表示装置54に求人情報を一覧表の形で表示する(T203)。
【0148】
この一覧表の形式で表示される求人情報については、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30から一定期間分の求人情報をまとめて受領し、
図18において後述するように、カレンダーにより指定された日の求人情報のみを表示するようにしても良い。また、
図2に示す求職者端末10又は
図14に示す求職者端末50から特定の日が指定される都度、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30から当該一日分の求人情報を受領して表示するようにしても良い。
【0149】
ところで、一覧表の形式で表示される求人情報の内容については、提供する情報量を制限して一覧性を高めるため、業務内容、就業場所、勤務時間、時給額、通勤時間等の重要な雇用条件に限定して表示することが適当である。また、求人情報の一覧表は、業務内容、勤務時間、通勤時間、時給額等の任意の雇用条件に応じて、求職者端末50からの要求により並び替えて表示しても良い。なお、このステップ(T203)においては、
図18で後述するように、カレンダーなどのその他の表示も制御する。
【0150】
次に、求職者端末50の表示装置54に表示された複数の求人情報の一覧表の中から、求職者の希望する求人が存在する場合、求職者は、当該求人情報の表示領域を押下する。
【0151】
そして、表示装置54において、求職者が希望する求人情報の表示領域が押下されると、指定された求人情報の識別情報を求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30に送出する(T204)。
【0152】
次に、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30から送信された求人情報の詳細を後述する
図19に示すように、表示装置54に表示させる(T205)。
【0153】
図17は、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30における
図2の求職者端末10又は
図14の求職者端末50のログインページの画面表示例を示す図である。求職者は、画面(O101)中の求職者IDとパスワードを入力してログインボタン(O101a)を押下することにより、ログインすると同時に
図12における求職者端末10からの求人情報提供要求(S101)が行われる。
【0154】
図18は、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30から送出される
図2に示す求職者端末10又は
図14に示す求職者端末50の求人一覧表の画面表示例を示す図である。求職者は本画面(O110)上において、求人情報の一覧表を参照することが可能であり、求職者がログインを行った後に本画面(O110)に遷移する。
【0155】
同画面(O110)においては、
図16に示すステップ(T203)におけるプログラムにより、画面上段に、ログインした日の属する月のカレンダーを表示させても良い(O110a)。画面中段に、画面タッチにより選択した日のスケジュールを時系列に表示させる(O110b)。画面下段に、求職者が同日に就労可能な複数の求人情報を一覧表の形式で表示させる(O110c)。
【0156】
同図において、画面下段に一覧表の形式で表示されている複数の求人情報(O110c)は、
図12のフローチャート記載の各ステップを経て、サーバで最終的に抽出(S108)された後、
図2に示す求職者端末10又は
図14に示す求職者端末50に送出されたものである(S110)。
【0157】
画面上段(О110a)のカレンダーは、2018年3月8日の日付が選択され、同日に就労可能な求人情報が表示されている。ここで、当該カレンダー内の他の日、例えば、2018年3月9日の画面領域を押下すると、
図2に示す求職者端末10又は
図14に示す求職者端末50から、2018年3月9日に関する求人情報の提供要求(S101・T201)が行われる。
【0158】
図2に示す求職者端末10又は
図14に示す求職者端末50からの求人情報提供要求に基づいて、サーバにおいて抽出が行われた後、当該求職者が2018年3月9日に就労可能な複数の求人情報が一覧表の形式で表示される(S111・T203)。
【0159】
なお、同画面上段(О110a)には、月単位の時間軸のカレンダーが表示されているが、週単位、日単位の時間軸で表示するものであっても良い。
【0160】
当該一覧表の形式で表示された求人情報は、
図12のステップ(S204)で説明したように、通勤時間を考慮せず、求人時間帯が求職者の空き時間帯に含まれるすべての案件を表示する場合もある。
【0161】
なお、上述したように、
図2に示す求職者端末10又は
図14に示す求職者端末50からの条件設定により、
図12に記載のプロセスに入る前に一覧表の形式で表示される求人情報を予め限定して絞り込むことも可能である。
【0162】
また、求人情報が一覧表の形式で表示された後に条件設定を行い、一覧表の形式で表示される求人情報を事後的に限定して絞り込む方法であっても良い
【0163】
図19は、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30から提供される
図2に示す求職者端末10又は
図14に示す求職者端末50の求人詳細・応募ページの画面表示例を示す図である。
【0164】
求職者が
図18の画面下段に一覧表の形式で表示(O110c)された求人情報の表示領域を押下することで、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30が当該求人情報の提供要求を受領する。これを受けて、求人情報提供サーバ及び求職情報提供サーバ30は、
図12のフローチャート記載の抽出を行い、選択された求人情報の詳細情報を送出することにより、
図2に示す求職者端末10又は
図14に示す求職者端末50において本画面(O112)に遷移する。
【0165】
同図において、求人情報の詳細情報を表示しており、求職者は右下の求人応募ボタン(O112a)から求人応募を行うことができる。
【0166】
このように、本発明によれば、求職者はログインページ(O101)におけるIDとパスワードの自動入力機能を有効にすることで、最短で3回のタッチ(クリック)操作をもって希望求人へ応募することが可能となる。
【0167】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前述のような特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の改良・変更が可能である。
【0168】
また、本発明は、雇用関係による働き方のみならず、有期プロジェクトを中心とした請負契約や業務委託契約等の契約形態を含め、柔軟な働き方を望む多様な働き手や、業務の繁閑に応じた柔軟な人材活用を求める企業等によって、広範な場面において利活用され得るものであり、様々な実施形態が想定される。