(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6684510
(24)【登録日】2020年4月1日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】震災に強いビル
(51)【国際特許分類】
E04H 9/02 20060101AFI20200413BHJP
【FI】
E04H9/02 301
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2019-226209(P2019-226209)
(22)【出願日】2019年12月16日
【審査請求日】2019年12月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】715008687
【氏名又は名称】廣田 祐次
(72)【発明者】
【氏名】廣田 祐次
【審査官】
土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−129642(JP,A)
【文献】
特開2013−067952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 9/00−9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
山や丘の裾野部の土砂を削り取り、該土砂を山や丘側に盛り土をすることで、高台と低地及び直角な壁を形成し、該壁に沿ってビルを建て、高台側に埋められた支柱と、該ビル周辺の地中に埋められたアンカーボルトとを、該ビルに隣設された鉄筋コンクリート支柱・鋼アングル・滑車で構成される構造物を介してワイヤーでつなぎ、地震の際には、該ビルに接近した該ワイヤーが該ビルの傾きを防止する地震に強いビルであって、高台に貯水池を設置し、火災時に該ビルに水を大量に流すことができる震災に強いビル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、山の裾野部の土砂を削り取り、その土砂を山側に盛り土をすることで、高台と低地及び直角な壁を形成し、該壁に沿ってビルを建て、ワイヤーで山側に固定する、震災に強いビルの設置技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビルが100%倒壊しないようにするためには、地中に深く埋めてしまえばいいが、光が届かなくなるため一般的には地階よりも地上階を高く設定するため、想定外の大地震では倒壊の恐れが付きまとい、十分な耐震構造を持たせることで99.9%は安心かもしれないが100%の安全は得られない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2016-505733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本来、想定外の大地震が来ても、ほぼ100%の安全構造のビル及びビル群が求められており、地震と地震に付帯して発生する火災に対し、絶対的に強い建物で安心して暮らしたいという根強い期待感が誰にもある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
山や丘などの裾野部の土砂を削り取り、その土砂を山側に盛り土をすることで、高台と低地及び直角な壁を形成し、該壁に沿ってビルを建て、ワイヤーを使い、該ビルを高台に直接または間接的に固定することで、倒れないようにし、また高台に水源を用意し、火災時にすぐに消火に使えるようにする。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、あらゆる地震と火災におけるほぼ100%の安全が確保できる他、高台の貯水池を水力発電に利用できるため、自然環境と接する形でハイテクなスマートエネルギー都市が実現し、地球温暖化防止に貢献しているという実感を味わい、森林浴などの自然な癒しの環境に瞬時に浸ることができ、仕事環境・住環境が好転する。
従来は、東京の大地震に備えて、地方に首都を移転しようと考えても、移転先でも地震が起これば、結局は大きくは変わらないといことになってしまい、首都の移転が進まなかったが、本発明により移転が可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
山や丘などの裾野部の土砂を削り取り、その土砂を山や丘側に盛り土をすることで、高台と低地及び直角な壁を形成し、該壁に沿ってビルを建て、高台側の地盤のしっかりしたところに支柱を埋めて、該支柱にワイヤーの一端を固定し、該ワイヤーで直接ビルを固定するか、または鉄筋コンクリートの塔等を立て、該塔にワイヤーを通し、間接的に該ビルの傾きを防止し、該ビルが倒れないようにする。また高台に水源を用意し、火災時にすぐに消火に使えるようにする。
【0009】
図1は、山や丘などの裾野部の土砂を削り取り、その土砂を山側に盛り土をすることで、高台と低地及び直角な壁を形成し、該壁に沿って木造高層ビルを建てるという事例で、上位階のみを表示している。
鉄筋コンクリート支柱21の上部にH形鋼アングル2を設定し、該H形鋼アングル2の上部の4か所に滑車3を設定し、太いワイヤー1を通し、該ワイヤー1の一端は、低地のアンカーボルトに連結し、もう一端は台地の岩盤の固い場所に支柱を埋め込み、該支柱に連結する。これによって、鉄筋コンクリート支柱21が土砂20に押されても傾くことはない。また、木造高層ビルの随所にワイヤー突き当て板4を、必要に応じて緩衝体を介して設定することで、大地震の際にも、木造高層ビルが、該ワイヤー1によって守られ、大きな横揺れが発生しない為、上側の柱23と下側の柱25を緩衝体24を介し、インローの設定をするだけで、十分な耐震強度が達成される。
エレベータ―枠5は、重量のあるエレベーターを支える必要があり、H形鋼アングル2と3か所のエレベーター固定部9で連結されている。ちなみに、エレベータ―には3方向のドアが設定されており、屋上から高台に抜ける外出用EVドア6、高齢者住宅通路用EVドア7、一般EVドア8が設定されている。
高台には、貯水池17を設定し、火災発生時には、超大型ポンプ吸い上げ管14を介して、超大型ポンプ10から大量の水が超大型水管13によってビルの最上階内に運ばれて、隙間からどんどん水が階下に流れ、各フロアーが床上浸水状態になり、強力に消火することができる。普段は、小型ポンプ11が稼働し、小型ポンプ吸い上げ管15を介し少量の水をくみ上げ、小型ポンプ用水管12から、各フロアーの癒し水路22に流される。
また、貯水池17に、水力発電用取水口18が設定されており、山からの小川や清水が貯水池17に溜まり、オーバーフロー防止用出水口19からの出水が確認されたら、該水力発電取水口18の弁を開けて、大量に水を流し発電を行う。尚、貯水池17の蓋として、メンテしやすいよう金網&人工芝16を設定する。
【産業上の利用可能性】
【0010】
本発明により、あらゆる地震と火災におけるほぼ100%の安全が確保ができる他、高台の貯水池を水力発電に利用できるため、自然環境と接する形でハイテクなスマートエネルギー都市が実現し、地球温暖化防止に貢献しているという実感を味わい、森林浴などの自然な癒しの環境に瞬時に浸ることができ、仕事環境・住環境が好転する。
従来は、東京の大地震に備えて、地方に首都を移転しようと考えても、移転先でも地震が起これば、結局は大きくは変わらないといことになってしまい、首都の移転が進まなかったが、本発明により移転が可能になる。
【符号の説明】
【0011】
1 ワイヤー(2x2)
2 H形鋼アングル
3 滑車(2x2)
4 ワイヤー突き当て板
5 エレベーター枠
6 外出用EVドア
7 高齢者住宅通路用EVドア
8 一般EVドア
9 エレベーター固定部
10 超大型ポンプ
11 小型ポンプ
12 小型ポンプ用水管
13 超大型水管
14 超大型ポンプ吸い上げ管
15 小型ポンプ吸い上げ管
16 金網&人工芝
17 貯水池
18 水力発電用取水口
19 オーバーフロー防止用出水口
20 土砂
21 鉄筋コンクリート支柱
22 癒し水路
23 上側柱
24 緩衝体
25 下側柱
【要約】
【課題】
本来、想定外の大地震が来ても、ほぼ100%の安全構造のビル及びビル群が求められており、地震と地震に付帯して発生する火災に対し、絶対的な強い建物で安心して暮らしたいという根強い期待感がある。
【解決手段】
山や丘などの裾野部の土砂を削り取り、その土砂を山や丘側に盛り土をすることで、高台と低地及び直角な壁を形成し、該壁に沿ってビルを建て、ワイヤーで高台側に直接または間接的に固定することで、倒れないようにし、また高台に水源を用意し、火災時にすぐに消火に使えるようにする。
【選択図】
図1