(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記予備開放部は、棚開放ユニットから前方へ延設される第一支柱と、第一支柱の柱軸方向の回転にしたがって回転する第二支柱とを有する、請求項1または2に記載の棚開放装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記輸送用ラックに鶏卵パックを積み込む作業は、輸送用ラックの折り曲げられていた棚板を元に戻してから(開放してから)行われていた。
しかし、全ての棚板を元に戻すと、積み込みしていくに従い直上の棚板が邪魔となり、積み込み作業に必要な程度の間隔が必要となるため、パックの積み込み充填率が低下することがある。この充填率を高くするために、直上の棚板を元に戻さずに折り畳まれた状態で行えばよいが、人手作業の場合には、直上の棚板を戻す作業を忘れる可能性もある。
また、ロボットアームで鶏卵パックを輸送用ラックに自動で積み込むことも考えられるが、複数段の棚板が折り畳まれておらず元に戻っている場合には、ロボットアームの作業スペースとして直上の棚板が邪魔になる。上記と同様に、直上の棚板を元に戻さずに折り畳まれた状態で積み込み作業を行えばよいが、人手で棚板を元に戻すことは、作業を一時中断することになるため、作業効率が低下する。
そして、発明者等の知る限り、輸送用ラックの棚板を自動的に元に戻す装置は存在していない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、折畳棚を自動で開放する(折畳状態を元の状態(棚状態)に戻す)ことができる、棚開放装置を提供する。
また、パック載置用のロボットアームの動作に連動して、折畳棚を自動開放することができる、棚開放装置を提供する。
また、鶏卵容器輸送台車を自動で棚開放装置へ導入し、パック載置後に棚開放装置から導出する送込装置と、棚開放装置と(およびロボットアームと)を有する鶏卵パック自動載置システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の棚開放装置は、
背面と前面と両側面を形成しているフレーム本体と、
前記フレーム本体の背面側で、上下方向に可動する棚開放ユニット(14)と、
前記棚開放ユニット(14)を上下に駆動する棚開放ユニット駆動部(13、131)と、
前記棚開放ユニット(14)に設けられる傾斜形成部(15、151)(例えば、吸引手段)であって、鶏卵容器輸送台車の載置レールの一方端にある折畳状態位置(P1)で中折れ状態にある折畳棚を、当該載置レールに対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にする、傾斜形成部(15、151)と、
前記傾斜形成部(15、151)で傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚の中折れで形成される鋭角の開き状態を大きくする(初期の0度から、例えば10度から30度に広げる)ために、当該中折れの隙間に挿入される予備開放部(17)と、
前記予備開放部(17)で中折れの開き状態が大きくなり、前記傾斜形成部による傾斜作用を解除した後(吸引開放後)、前方へ前記折畳棚を押し出し、前記載置レールに当該折畳棚を載置させる押出部(16)と、
を備える。
【0008】
前記棚開放装置は、制御部を有し、
前記制御部は、
前記棚開放ユニット駆動部(13、131)に指令し、前記棚開放ユニット(14)の上下移動を制御し、
傾斜形成部(15、151)に指令し、折畳状態位置(P1)で中折れ状態にある折畳棚を、載置レールに対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にするように制御し、
予備開放部(17)に指令し、中折れの隙間に(棒状を)挿入することで、傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚の中折れで形成される鋭角の開き状態を大きくするように制御し、
押出部(16)に指令し、前方へ前記折畳棚を押し出し、前記載置レールに当該折畳棚を載置させる(開放するあるいは展開する)ように制御してもよい。
【0009】
前記押出部(16)は、一つでもよく、複数であってもよい。前記押出部(16)の先端(161)は弾性部材を有していてもよい。
前記予備開放部(17)は、棚開放ユニット(14)から前方へ延設される第一支柱(171)と、第一支柱の柱軸方向の回転にしたがって回転する第二支柱(172)とを有していてもよい。
前記第二支柱は棒状で、弾性部材が周囲に設けられていてもよい。
前記第二支柱の先端が垂直下方を向き、前記吸引部(15、151)で傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚の中折れ状態(ヒンジ方向)に向かって、第二支柱の先端が、回転軸周りに90度回転して中折れ状態の折畳棚に挿入し、中折れの鋭角の開き状態を広げる。
【0010】
前記棚開放装置は、鶏卵容器輸送台車のフレームまたは一部に当接あるいは把持して、鶏卵容器輸送台車の動きを抑制するストッパあるいはクランプを有していてもよい。前記ストッパは、背面フレーム、側面フレーム、前面フレームおよび/または棚開放ユニットに設けられていてもよい。前記ストッパあるいはクランプは、その先端が弾性部材で構成されていてもよい。前記ストッパあるいはクランプを駆動する駆動部(例えばエアシリンダー、電動シリンダーなど)を有していてもよい。
前記棚開放装置は、搬送されている鶏卵容器輸送台車を構成する一部を検知する停止位置検知部(S2)を1つ以上有していてもよい。前記停止位置検知部が鶏卵容器輸送台車を検知した場合に、前記制御部が前記ストッパあるいはクランプに指令し、鶏卵容器輸送台車を停止させるように駆動されてもよい。
【0011】
前記棚開放装置は、前記棚開放ユニット(14)の所定位置を検出する検出部を1つ以上有していてもよい。前記検出部が前記棚開放ユニット(14)の上下位置を検出した場合に、前記制御部が前記棚開放ユニット駆動部(13、131)に指令し、駆動を開始あるいは停止してもよい。
前記棚開放ユニット(14)は、前記折畳状態位置(P1)で中折れ状態にある折畳棚を検出する折畳棚検出部を1つ以上有していてもよい。前記折畳棚検出部が前記折畳棚を検出した場合に、前記制御部が前記棚開放ユニット駆動部(13、131)に指令し、駆動を開始あるいは停止してもよい。
【0012】
前記棚開放装置は、前記折畳棚が開放された状態であるか否か、および開放された状態の折畳棚の高さ方向位置を検出する棚開放検出部(S3)を1つ以上有していてもよい。
前記制御部は、前記押出部の作動後で、前記棚開放検出部(S3)が開放された状態の前記折畳棚(の位置)を検出しなかった場合に警報を出力する構成でもよい。
【0013】
他の発明の鶏卵パック自動載置システムは、
鶏卵容器輸送台車(3)を自動で棚開放装置(1)へ導入し、鶏卵パック(ES)を載置後に棚開放装置(1)から導出する送込装置(2)と、棚開放装置(1)と、ロボットアーム(不図示)とを有する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態1)
実施形態1に係る鶏卵パック自動載置システムについて説明する。
図1は、鶏卵パック自動載置システムの全体構成を示す。
送込装置2は、第二、第三、第四折畳棚322、323、324が中折れ状態になっており、一番下の第一折畳棚321が開放された状態の鶏卵容器輸送台車3を自動搬送して棚開放装置1へ導入し、所定数の鶏卵パックESが積載された後に棚開放装置1から導出する。送込装置2は、台車を乗せて移動させるレール式コンベアなどの搬送手段(不図示)と、棚開放装置1へ送り込む前に設けたられた待機位置を検知する待機検知部S1とを有する。鶏卵容器輸送台車3が待機検知部S1で検知される位置までにくると、搬送手段が停止し、鶏卵容器輸送台車3を待機位置で停止させる。棚開放装置1に鶏卵容器輸送台車3がない状態となれば、待機位置で待っている(あるいは待機せずにそのまま)鶏卵容器輸送台車3が送り込まれる。棚開放装置1で、鶏卵容器輸送台車3に鶏卵パックESが所定個数積まれたら、棚開放装置1から搬送方向下流へ鶏卵容器輸送台車3が排出される。
棚開放装置1は、第一折畳棚321にロボットアーム(不図示)で所定数の鶏卵パックEPを積載した後で、第二折畳棚322を自動開放する。次いで、棚開放装置1は、第二折畳棚322にロボットアーム(不図示)で所定数の鶏卵パックEPを積載した後で、第三折畳棚323を自動開放する。第四折畳棚324の自動開放も同様である。詳細は後述する。
ロボットアーム(不図示)は、アーム先端に吸着部を備える。吸着部(不図示)は、ベルトコンベア(不図示)で搬送されてきた、複数の鶏卵パックESの上面を吸着保持し、鶏卵容器輸送台車3の第一、第二、第三、第四折畳棚の上に移送して積んでいく。
【0016】
(鶏卵容器輸送台車)
次いで、鶏卵容器輸送台車3について説明する。一般的に流通されている鶏卵容器輸送台車は、例えば、従来技術で示したヨシダエルシス株式会社製の鶏卵パック専用輸送ロールボックス、株式会社三栄製作所製の原卵台車(ロールラック)、特許文献1の搬送する搬送用ラックである。これらに共通する構成は、底面フレームと背面フレームと両側面フレームと中折れ式の折畳棚(棚板と称することもある。)を有する。
図2Aに示す、鶏卵容器輸送台車3は、底面フレーム33と、側面視でL字状に底面フレーム33と固定される背面フレーム34と、折り畳み可能なように、背面フレーム33とヒンジ(不図示)で連結される第一側面フレーム31と第二側面フレーム(不図示)を有する。底面フレーム33は、その4角にそれぞれ自由回転する車輪が設けられている。
【0017】
第一側面フレーム31には、その下から順に所定間隔を設けて第一側板311、第二側板312、第三側板313、第四側板314がフレームの幅方向(垂直方向と直交する背面から前面へ向かう方向)に設けられる。
第一側板311、第二側板312、第三側板313、第四側板314は、そのそれぞれの底辺から鶏卵容器輸送台車3の内部に向かって直角(略直角)に延設される第一載置レール3111、第二載置レール3121、第三載置レール3131、第四載置レール3141が設けられる。第一側板311、第二側板312、第三側板313、第四側板314のそれぞれに対向する第二側面フレーム(不図示)にも同様の対向する側板および載置レールが設けられる。
【0018】
対向する一対の載置レールの背面側の端部に、折畳棚の一方端が軸支されて回転可能に連結されており、折畳棚はその中央部のヒンジ(例えば、第四折畳棚324の第四ヒンジ3241)で中折れ可能に構成されている。
図2Aでは、第一折畳棚321が第一載置レール3111に開放された状態であり、鶏卵パックPEがすでに所定数積まれた状態である。第二折畳棚322、第三折畳棚323、第四折畳棚324は、それぞれ中折れ状態であり、折畳状態位置P1に置かれている。
各折畳棚の前面先端と背面先端は、斜め上方向に延設されている。これにより、鶏卵パックEPの背面方向、前面方向への動きを規制できる。また、後述する予備開放部の第二支柱の挿入時の進行方向ガイドとしても機能可能である。
【0019】
(棚開放装置)
棚開放装置1は、背面部12と前面部11と両側面(不図示)を形成しているフレーム本体10と、フレーム本体10の背面部12側で、上下方向に可動する棚開放ユニット14と、棚開放ユニット14を上下に駆動する棚開放ユニット駆動部13と駆動ベルト131(歯付ベルト、チェーンでもよい)と、棚開放ユニット14に設けられる吸引駆動部15とその先端に設けられる吸引パット151を備える。
【0020】
吸引駆動部15で前方向へ駆動される吸引パット151は、折畳状態位置P1で中折れ状態にある折畳棚に当接して吸引し、後方に引くことで、載置レールに対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にする。
図2Aにおいて、棚開放ユニット駆動部13は、第二折畳棚322に対向する位置で、停止され(不図示のセンサで停止位置を検知してもよい)、吸引駆動部15が斜め下方前方に伸び、吸引パッド151が第二折畳棚322に吸着し(不図示の真空ポンプで吸引してもよい)、吸引駆動部15が斜め上方背面に後退する(戻る)ことで、第二載置レール3121に対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にする。
【0021】
予備開放部17は、傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚の中折れで形成される鋭角の開き状態を大きくする(初期の0度から、例えば10度から30度に広げる)ために、当該中折れの隙間に挿入される。
図2Bにおいて、予備開放部17は、棚開放ユニット14から前方へ延設される第一支柱171と、第一支柱171の柱軸方向の回転にしたがって回転する第二支柱172とを有する。第二支柱172は棒状で、弾性部材が周囲に設けられていてもよい。第二支柱172の先端は待機位置では垂直下方を向いている。予備開放動作において、吸引パット151の動きで傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある第二折畳棚322の中折れ状態(第二ヒンジ3221の方向)に向かって、少なくとも第二支柱172の一部あるいは先端が、第一支柱171の回転に従って90度回転し中折れ状態の第二折畳棚322に挿入され、中折れの鋭角の開き大きく広がる。このとき、第二折畳棚322の前面側先端3222の位置は、背面から前面へ移動し、かつ第二載置レール3121には接触せず、浮いている状態である。
図2Cにおいて、まず、吸引パッド151が第二折畳棚322から外れる(吸引を停止し、吸引パッド151が原点復帰する)。次いで、第一支柱171が逆回転し、第二支柱172を待機位置に戻す。このとき、第二折畳棚322の前面側先端3222は、浮いた状態から落ちて第二載置レール3121に接触した状態となる。
【0022】
図2Dにおいて、押出部16は、予備開放部17で中折れの開き状態が大きくなっている第二折畳棚322に対し、吸引パット151による傾斜作用を解除した後(吸引開放後)、棚開放ユニット14側から前方へ第二折畳棚322を押し出し、第二載置レール3121に第二折畳棚322を平らに載置させる。このとき、第二折畳棚322の前面側先端3222は、第二載置レール3121に接触しながら滑るように動くことが好ましい。
図2Eにおいて、第二折畳棚322は、第二載置レール3121に平らに置かれた状態を示す。
押出部16は、一つでもよく、複数であってもよい。押出部16の先端161は弾性部材を有する。押出部16は、例えばエアシリンダー、電動シリンダーなどで構成される。
【0023】
棚開放装置1は、折畳棚が開放された状態であるか否か、および開放された状態の折畳棚の高さ方向位置を検出する棚開放検出部S3を1つ以上有する。
図2Eにおいて、棚開放検出部S3は、背面部12の上端から前方向に向かって延設されて、下方の折畳棚の存在およびその距離を検知する。棚開放検出部S3は折畳棚が中折れ状態で、背面側に折りたたまれている状態のときは検知しないが、平らに開放されたときは検知するように構成されている。
【0024】
棚開放装置1は、送り込まれてくる鶏卵容器輸送台車3の停止と排出、予備開放動作、開放動作を制御する制御部(不図示)を有する。
制御部は、棚開放ユニット駆動部13に指令し、棚開放ユニット14の上下移動を制御する。また、制御部は、吸引駆動部15に指令し、折畳状態位置P1で中折れ状態にある折畳棚を、載置レールに対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にするように制御する。また、制御部は、予備開放部17に指令し、中折れの隙間に(棒状を)挿入することで、傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚の中折れで形成される鋭角の開き状態を大きくするように制御する。また、制御部は、押出部16に指令し、背面側から前方へ折畳棚を押し出し、載置レールに折畳棚を載置させるように制御する。
制御部は、押出部16の作動後で、棚開放検出部S3が開放された状態の折畳棚(の位置)を検出しなかった場合に警報を出力してもよい。
【0025】
棚開放装置1は、鶏卵容器輸送台車3のフレームに当接あるいは把持して、鶏卵容器輸送台車3の動きを抑制するストッパあるいはクランプを有することが好ましい。
図1において、一対のクランプ121(第一ストッパともいう。)は、両側面に設けられており、
図2Aにおいて、第二ストッパ122は、前面部11に設けられており、第三ストッパ(不図示)は背面部12に設けられている。一対のクランプ121、第二ストッパ122、第三ストッパ(不図示)は、その先端が弾性部材で構成されており、鶏卵容器輸送台車3のフレームに当接される。一対のクランプ121、第二ストッパ122、第三ストッパ(不図示)を駆動する駆動部は、例えばエアシリンダー、電動シリンダーなどである。
図1において、棚開放装置1または送込装置2は、搬送されている鶏卵容器輸送台車3を構成する一部を検知する停止位置検知部S2を1つ以上有する。停止位置検知部S2が鶏卵容器輸送台車3を検知した場合に、制御部(不図示)が一対のクランプ121、第二ストッパ122、第三ストッパ(不図示)に指令し、各要素を突出させて鶏卵容器輸送台車3のフレームに当接させ、その動きを固定する。
【0026】
一対のクランプ121によって、棚開放ユニット14と鶏卵容器輸送台車3との相対的な動きを固定する。一対のクランプ121は、棚開放ユニット14に設けられていてもよく、フレーム本体10の両側面に設けられていてもよい。
【0027】
棚開放ユニット14は、各折畳棚の最上段奥側にロボットアームで鶏卵パックPEを置く際の荷崩れ防止用の可動式パックガイド181が設けられている。可動式パックガイド181は、エアシリンダーあるいは電動シリンダーで駆動され、鶏卵パック積上げの安定性向上に寄与する。
【0028】
棚開放装置1は、棚開放ユニット14の所定位置を検出する検出部を1つ以上有することが好ましい。検出部が棚開放ユニット14の上下位置を検出した場合に、制御部が棚開放ユニット駆動部13に指令し、駆動を開始あるいは停止する。別実施形態として、棚開放ユニット14は、折畳状態位置P1で中折れ状態にある折畳棚を検出する折畳棚検出部を1つ以上有していてもよい。折畳棚検出部が折畳棚を検出した場合に、制御部が棚開放ユニット駆動部13に指令し、駆動を開始あるいは停止してもよい。
【0029】
(動作フロー)
図3Aは、一連の動作を示す。
まず、送込装置2のコンベア運転を開始する(#1)。棚開放装置1に送り込まれて、鶏卵容器輸送台車3(台車3ともいう。)がセンサS2で検知される(#2)。次いで、ストッパを駆動する(#3)。コンベアを停止し、台車3をストッパで停止する(#4)。次いで、上方にある棚開放ユニット14を下降する(#5)。台車3を側面から一対のクランプで動きを固定する(#6)。次いで、ロボットアームで第一折畳棚に、鶏卵パックPSをと積み付けする(#7)。第一折畳棚への所定数の積み付けが完了したら、棚開放動作が行われる(#8)。この動作は後述する。
折畳棚が開放されて、棚の高さを棚開放検知部S3で検知し、棚高さ異常の有無が判断される(#9)。異常がなければ、残折畳棚の有無が確認される(#10)。残折畳棚があれば、積み付けが継続される。折畳棚の全てに積み付けが完了したら(残棚がない状態であれば)、台車3を搬出する動作へ移る(#11)。
クランプとストッパが解除される(#12)。コンベアを駆動し、台車3を搬出する(#13)。次の待機している台車3の有無を確認する(#13)。台車3が待機していれば、棚開放装置1に送られて、上記の動作を繰り返し、台車3が無ければ終了する。
【0030】
図3Bは、棚開放動作を示す。
まず、吸引パッド151が、折畳棚へ向かって前進し(#801)、棚を吸着する(#802)。吸引パッド151が、中間位置まで後退する(#803)。予備開放部17による動作を行いやすくする。
予備開放部17の動作が実行される(#804)。中折れの開き状態を大きくする。吸引パッド151の吸着が解除される(#805)。予備開放部17が原点復帰する(#806)。次いで、押出部16が所定位置まで前進し(#807)、その後、後退する(#808)。サイドクランプを戻し(#809)、棚開放検出部S3で棚高さを確認する(#810)。
棚高さが正常であれば、2段目の積み込みが行われ(#811)、棚開放ユニット14を3段目の折畳棚の位置へ移動する(#812)。2段目と同様に3段目および4段目も実行され、4段目が終了したら、棚開放ユニット14を原点へ移動する。
棚高さが異常であれば、積み込みを停止し(#820)、折畳棚の開放を人で行うか否かを判断する(#821)。人で行うと判断したら人が、折畳棚の中折れ位置を修正したり、手動で開放したりして修正し(#822)、異常を解除し運転を再開する(#823)。
人で棚開放を行わないと判断した場合は、装置1から搬出するように動作させる(#824)。
【0031】
上記実施形態において、制御部は、プロセッサやメモリなどのハードウエアと、制御内容を記述するプログラムとの協働で実現されていてもよく、専用回路、ファームウエアの組み合わせで実現されていてもよく、クラウド型、オンプレミス型のサーバや、汎用コンピュータで実現されていてもよい。
制御部は、送込装置と、棚開放装置と、ロボットアームとの一連の動きを制御してもよく、別々コントローラがそれぞれを制御し、お互いに必要なデータや指令を通信していてもよい。
ロボットアームは、多軸ロボットでもよく、スカラーロボット、協働ロボットでもよい。
第一折畳棚に所定数の鶏卵パックが積まれたら、棚開放装置1によって第二折畳棚が自動的に開放される。ロボットアームが第二折畳棚に所定数の鶏卵パックを積み込んだら、棚開放装置1によって第三折畳棚が自動的に開放される。ロボットアームが第三折畳棚に所定数の鶏卵パックを積み込んだら、棚開放装置1によって第四折畳棚が自動的に開放される。このように一連の動きが制御される。
上記実施形態において、傾斜形成部(15,151)は、吸引駆動部15と吸引パット151とで構成されていたが、これらが一つでも良く複数でもよい。また、傾斜形成部は、この構成に限定されず、例えば、折畳棚の側面を挟持する手段で傾斜させるようにしてもよい。
【解決手段】棚開放装置1は、フレーム本体の背面側で上下方向に可動する棚開放ユニット14と、棚開放ユニット駆動部13と、棚開放ユニット14に設けられる傾斜形成部15と、傾斜形成部15で傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚の中折れで形成される鋭角の開き状態を大きくするために、当該中折れの隙間に挿入される予備開放部17と、前方へ折畳棚を押し出し、載置レールに当該折畳棚を載置させる押出部16とを備える。