(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6684520
(24)【登録日】2020年4月1日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】システム室の設備正常動作確認試験システム
(51)【国際特許分類】
G06F 1/28 20060101AFI20200413BHJP
G06F 1/20 20060101ALI20200413BHJP
G01R 31/34 20200101ALI20200413BHJP
【FI】
G06F1/28
G06F1/20 E
G01R31/34 E
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-118089(P2016-118089)
(22)【出願日】2016年6月14日
(65)【公開番号】特開2017-224102(P2017-224102A)
(43)【公開日】2017年12月21日
【審査請求日】2019年6月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】391028328
【氏名又は名称】株式会社辰巳菱機
(74)【代理人】
【識別番号】100082658
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 儀一郎
(72)【発明者】
【氏名】近藤 豊嗣
【審査官】
佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−165321(JP,A)
【文献】
特開2013−031359(JP,A)
【文献】
特開2015−087276(JP,A)
【文献】
特開2000−121709(JP,A)
【文献】
東京精電株式会社,模擬発熱体ユニット,インターネット,日本,2013年11月14日,URL,http://www.tokyo-seiden.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/catalog/SAL-0004.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26− 1/3296
G01R 31/34
G06F 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電算機ラックに複数の電算機が配置された電算機棟を複数棟設置されてなるシステム室の設備正常動作確認試験システムで、
前記電算機棟の決められた箇所に配置した各々の電算機を前記各々の電算機の消費電力と同様の消費電力に設定可能な負荷抵抗試験装置に変更し、
前記負荷抵抗試験装置に電源から電力を送出して、前記システム室の設備正常動作を確認する試験が行えるシステム室の設備正常動作確認試験システムであり、
前記負荷抵抗試験装置は、
複数の棒状抵抗体を略水平方向に間隔をおいて配置し、水平方向に配置した抵抗体群を上下方向に複数段配置し、これら抵抗体の接続や切替を操作部により可能にして構成された抵抗ユニットと、該抵抗ユニットを冷却する冷却装置とを含んで構成され、
電算機ラック内に配置される電算機と同様の外形に形成し、前記電算機に替えて電算機ラック内にマウント出来て、対応する各電算機が配置された電算機の略同じ箇所に配置され、
前記試験は、前記負荷抵抗試験装置の操作部を各々操作することにより、複数の抵抗体の接続を切り替えて制御し、複数の電算機棟に配置されている、あるいは配置されるべき電算機の消費電力にあわせ、かつ複数の電算機棟に配置されている、あるいは配置されるべき箇所に当該負荷抵抗試験装置を設置し、商用電源からの電力が、適正な電圧で送出されているか否か、電算機室内に設置されている分電盤や配電盤が正常に電力送出制御を行っているか否か、電力送出ケーブルに異常がないか否か、電算機室に設置された空調設備の空調動作が、消費電力が大きく熱エネルギーの放出が大きい電算機が設置してある箇所に対し、適正に空調動作が行われているか否かの試験であり、該試験結果により実際の電算機室の稼働に際し、電算機室内に複数設けられた各空気吹き出し口の空気吹き出し量や温度を変えるべく調節し、適正な空調動作が長時間行える様設定できる、
ことを特徴とするシステム室の設備正常動作確認試験システム。
【請求項2】
前記システム室の設備には、電源からシステム室の設備に電力を送出する送出制御を行う制御棟内に設置された制御盤を含み、前記システム室の設備正常動作確認試験システムは、前記制御盤の正常動作確認試験が行える、
ことを特徴とする請求項1記載のシステム室の設備正常動作確認試験システム。
【請求項3】
前記試験は、前記負荷抵抗試験装置への数時間の通電試験で行われ、場合によっては各負荷抵抗試験装置の電圧値を上昇させたり低下させたり変更し、該状態でも異常がないか否かの試験である、
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のシステム室の設備正常動作確認試験システム。
【請求項4】
前記システム室の設備には、前記システム室の設備に電力を送出する電源を含み、前記システム室の設備正常動作確認試験システムは、前記電源の電力送出正常動作確認試験が行える、
ことを特徴とする請求項1記載のシステム室の設備正常動作確認試験システム。
【請求項5】
前記電源には、通常時に電力送出を行う商用電源と、非常時に電力送出を行う発電機あるいはその他の電力送出機器である、
ことを特徴とする請求項4記載のシステム室の設備正常動作確認試験システム。
【請求項6】
前記負荷抵抗試験装置は、複数の乾式抵抗体により構成された抵抗ユニットと、該抵抗ユニットを冷却する冷却装置とを含んで構成された、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載されたシステム室の設備正常動作確認試験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバコンピュータ室などの電算機室に代表されるいわゆるシステム室の各設備が正常に動作しているか否かを確認試験できるシステム室の設備正常動作確認試験システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えばサーバコンピュータなどの電子機器が所定のラックに装着され、その電算機ラックが複数台設置されたシステム室(電算機室)は、きわめて重要な箇所、拠点となり、ソフト面及びハード面の双方での充分なセキュリティが求められ、またハード面においては充分な正常稼働性と耐久性のある正常稼働管理が求められる。
【0003】
例えば、当該電算機室の各電算機に商用電力などの電源が所定の電圧をもって正常に継続して供給されるか否か、また、電源から送出された電力がいわゆる分電盤や配電盤により正常に送出制御されているか否か、さらに使用されている送出ケーブルが正常に動作しているか否か、電算機室の空調設備は適正に機能しているか否かなどがハード面の正常稼働の動作としてチェックされなければならない。
【0004】
そして、前述した各チェック試験は、電算機室内において、複数の電算機が所定のラックに装着された状態で、かつ実際に稼働している状態で行うことが最も好ましい。
【0005】
しかしながら、前述の複数の電算機が所定のラックにおいて所定の箇所にあらかじめ装着された状態で、かつ実際に複数の電算機が稼働している状態で前述のチェック試験を行うことは難しく、通常は、前記電算機室において使用される電算機と同様な負荷を有する負荷抵抗試験装置を持ち込み、該負荷抵抗試験装置を前記電算機と同様の電気使用量を有する数量分用意し、これらを電算機室内に持ち込み、試験を行っていた。
【0006】
しかもその試験は、停電などで商用電源が使用不可能になったとき、非常用の発電機が正常に作動するか否かのみの試験であり、前述した試験が全て行えるものではなかった。
【0007】
また、上記の負荷試験においても、前記複数のラック内に装着してあった、あるいは装着予定の電算機に替えて負荷抵抗試験装置を装着し、現実の使用に近い状態で負荷試験を行うものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005-159286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
かくして、本発明は、前記従来の課題に対処すべく創案されたものであって、電算機室の各電算機に商用電力が継続して正常に供給されるか否か、いわゆる分電盤や配電盤が正常に電力送出制御稼働しているか否か、送出ケーブルが正常に機能しているか否か、電算機室の空調設備が適正に機能しているか否かなどがチェックでき、該チェック試験が、電算機室内において、複数の電算機が所定のラックに装着された状態に近い状態で、かつ実際に稼働している状態とほぼ同様の状態で行え、また、この負荷抵抗試験装置によって、商用電源に対する負荷試験のみならず、停電などで商用電源が使用不可能になったとき、非常用の発電機が正常に作動するか否かの試験も行えるシステム室の設備正常動作確認試験システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
電算機ラックに複数の電算機が配置された電算機棟を複数棟設置されてなるシステム室の設備正常動作確認試験システム
で、
前記電算機棟の決められた箇所に配置した各々の電算機を前記各々の電算機の消費電力と同様の消費電力に設定可能な負荷抵抗試験装置に変更
し、
前記負荷抵抗試験装置に電源から電力を送出して、前記システム室の設備正常動作を確認する試験が行
えるシステム室の設備正常動作確認試験システムであり、
前記負荷抵抗試験装置は、
複数の棒状抵抗体を略水平方向に間隔をおいて配置し、水平方向に配置した抵抗体群を上下方向に複数段配置し、これら抵抗体の接続や切替を操作部により可能にして構成された抵抗ユニットと、該抵抗ユニットを冷却する冷却装置とを含んで構成され、
電算機ラック内に配置される電算機と同様の外形に形成し、前記電算機に替えて電算機ラック内にマウント出来て、対応する各電算機が配置された電算機の略同じ箇所に配置され、
前記試験は、前記負荷抵抗試験装置の操作部を各々操作することにより、複数の抵抗体の接続を切り替えて制御し、複数の電算機棟に配置されている、あるいは配置されるべき電算機の消費電力にあわせ、かつ複数の電算機棟に配置されている、あるいは配置されるべき箇所に当該負荷抵抗試験装置を設置し、商用電源からの電力が、適正な電圧で送出されているか否か、電算機室内に設置されている分電盤や配電盤が正常に電力送出制御を行っているか否か、電力送出ケーブルに異常がないか否か、電算機室に設置された空調設備の空調動作が、消費電力が大きく熱エネルギーの放出が大きい電算機が設置してある箇所に対し、適正に空調動作が行われているか否かの試験であり、該試験結果により実際の電算機室の稼働に際し、電算機室内に複数設けられた各空気吹き出し口の空気吹き出し量や温度を変えるべく調節し、適正な空調動作が長時間行える様設定できる、
ことを特徴とし、
または、
前記システム室の設備には、電源からシステム室の設備に電力を送出する送出制御を行う
制御棟内に設置された制御盤を含み、前記システム室の設備正常動作確認試験システムは、前記制御盤の正常動作確認試験が行える、
ことを特徴とし、
または、
前記試験は、前記負荷抵抗試験装置への数時間の通電試験で行われ、場合によっては各負荷抵抗試験装置の電圧値を上昇させたり低下させたり変更し、該状態でも異常がないか否かの試験である、
ことを特徴とし、
または、
前記システム室の設備には、前記システム室の設備に電力を送出する電源を含み、前記システム室の設備正常動作確認試験システムは、前記電源の電力送出正常動作確認試験が行える、
ことを特徴とし、
または、
前記電源には、通常時に電力送出を行う商用電源と、非常時に電力送出を行う発電機あるいはその他の電力送出機器である、
ことを特徴とし、
または、
前記負荷抵抗試験装置は、複数の乾式抵抗体により構成された抵抗ユニットと、該抵抗ユニットを冷却する冷却装置とを含んで構成された、
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるシステム室の設備正常動作確認試験システムであれば、電算機室の各電算機に商用電力が継続して正常に供給されるか否か、いわゆる分電盤や配電盤が正常に電力送出稼働しているか否か、送出ケーブルが正常に機能しているか否か、電算機室の空調設備が適正に機能しているか否かなどがチェックでき、該チェック試験が、電算機室内において、複数の電算機が所定のラックに装着された状態に近い状態で、かつ実際に稼働している状態で行え、また、この試験機によって、商用電源に対する負荷試験のみならず、停電などで商用電源が使用不可能になったとき、非常用の発電機が正常に作動するか否かの試験も行えるとの優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に基づいて本発明の最良の実施形態を説明する。
【0013】
図において、符号1は電算機室を示す。該電算機室1内には、複数の電算機棟2・・・が所定の間隔をおいて設置される。
この電算機棟2は、電算機ラック3内に複数の電算機4・・・が配置されて形成される(
図4参照)。
【0014】
なお、前記電算機棟2に配置される電算機4・・・は、同じ規格を有する電算機4ばかりではなく、それぞれの用途に応じ、消費電力が異なったもの、稼働の際の放出する熱エネルギーが異なったもの、扱うソフトが異なったもの、起動スピードに差のあるものなど複数種類の電算機4・・・が、あらかじめ決定された箇所に配置され、かつ所定の間隔をおいて配置されるものとなる。
【0015】
ここで、前述の如く、実際に電算機4・・・を所定の決められた箇所に搭載した電算機棟2が電算機室1内に所定間隔をおいて配置され、前記複数の電算機4・・・が現実に稼働している状態で、電算機室1の各設備正常稼働の試験を行うのが好ましい。
【0016】
前記電算機室1における各電算機4・・・や電算機室設備の正常稼働はきわめて重要であり、そのため、電算機室1周辺の設備については、実際に使用されている状態でのレイアウトでかつ実際に稼働させた状態での入念なチェックが必要だからである。
【0017】
通常では、前記設備につき、電算機室1を立ち上げる前に入念な各種チェックが行なわれる。
そして、そのチェックは、電算機室1の各電算機棟2における電算機4・・・に、商用電力が継続的に正常に供給されるか否か、また電源からの送出電力を制御する分電盤や配電盤が正常に稼働するか否か、電力の送出ケーブルが正常に機能するか否か、電算機室1の空調設備5が適正に機能するか否かなどのチェックとなる。
【0018】
しかして、本発明ではこれらのチェックを乾式の負荷抵抗試験装置6のみを用いて行うものとした。
【0019】
ここで、本発明で使用される負荷抵抗試験装置6の構成につき説明する。
図から理解されるように、負荷抵抗試験装置6は、複数の棒状抵抗体7・・・を略水平方向に間隔をおいて配置し、必要があれば水平方向に配置した抵抗体群を上下方向に複数段配置し、これら抵抗体7・・・の接続や切替を操作部8により可能にして構成された抵抗ユニット9と、該抵抗ユニット9を冷却する冷却装置10とを含んで構成される。
【0020】
そして、前記負荷抵抗試験装置6の操作部8を各々操作することにより、前記複数の抵抗体7・・・の接続を切り替えて制御し、もって、複数の電算機棟2・・・に配置されている、あるいは配置されるべき電算機4の消費電力にあわせ、かつ複数の電算機棟2・・・に配置されている、あるいは配置されるべき箇所に当該負荷抵抗試験装置6を設置するのである。
【0021】
図から理解されるように、負荷抵抗試験装置6は、電算機ラック3内に配置される電算機4と同様の外形に形成してあり、前記電算機4に替え簡単に電算機ラック3内にマウント出来る様になっている。
【0022】
ここで、前記電算機ラック3内に3台の電算機4が配置予定の場合、3台の負荷抵抗試験装置6を同様の箇所にマウントして設置してもよいし、1台の負荷抵抗試験装置6を前記設置されるべき電算機ラック3内の3箇所の範囲のほぼ真ん中の箇所に配置しても構わない。
上記の場合、設置した1台の負荷抵抗試験装置6については、電算機4の3台分の消費電力が生じるよう負荷を調節しておく必要がある。
【0023】
しかして、上記の様にセットした複数の負荷抵抗試験装置6に商用電源から電力を送出して試験が行われる。
すなわち、商用電源から送出された電力を、前記負荷抵抗試験装置6が実際の電算機4・・・の設置と同様に各電算機棟2に配置され、この配置された電算機4と同様の消費電力を有する状態にして送出電力の試験が行われる。
【0024】
この負荷試験は通常数時間を要するものであり、精密器機である電算機4・・・を用いての通電試験は行わない。精密器機である電算機4に予定しない過大な負荷をかけて試験を行う場合も生じ、前記精密機器である電算機4に損傷を与える恐れがあるからである。
【0025】
しかるに、前記の負荷試験により、商用電源からの電力が、適正な電圧、すなわち、たとえば、交流の200V、あるいは100Vで送出されているか否か、電算機室1内の制御棟11に設置されている分電盤や配電盤が正常に電力送出制御を行っているか否か、あるいは電力送出ケーブルに異常がないか否か、さらには電算機室1に設置された空調設備5の空調動作が適正か否かなどが試験されるものとなる。
【0026】
空調動作の適性試験とは、例えば消費電力が大きく、熱エネルギーの放出が大きい電算機4が設置してある箇所などに対し、適正に空調動作が行われているかなどでの試験を指標する。
【0027】
図2に示す様に、空調設備5は、電算機室1内に複数の空気吹き出し口12を有しており、前記の試験結果に基づき、現実の電算機室1の稼働に際して、各空気吹き出し口12の空気吹き出し量や温度を変えるべく調節したり、適正な空調動作が長時間行える様設定したりするものとなる。
【0028】
ここで、本発明によるシステム室の設備正常動作確認試験となる負荷試験の概略につき説明する。
【0029】
まず、電算機室1内の各電算機棟2につき、所定の箇所に配置される、あるいは配置されていた各電算機4に替えて、同様の消費電力となるよう負荷を調節できる負荷抵抗試験装置6をセットする。このセットに当たっては、あくまでも配置されるべき各電算機4の設置箇所にあわせて負荷抵抗試験装置6をセットしていく。
【0030】
次いで、セットした負荷抵抗試験装置6・・・に通常使用する商用電源を繋ぎ、電力を送出する。商用電源から送出された電力は、制御棟11内に設置された分電盤や配電盤を介して送出電力が分岐され、各電算機4に替えてセットされた各負荷抵抗試験装置6・・・へ送出される。
【0031】
ここで、数時間の通電試験が行われ、場合によっては各負荷抵抗試験装置6の電圧値を若干上昇させたり低下させたりなど変更し、その様な状態でも異常がないかが試験される。
【0032】
尚、商用電源からの電力送出において、送出される電力の電圧値が、例えば周辺地域での電力消費量の違いにより、時間によって200Vあるいは100Vから変動する場合もあり、この様な電圧変化も確認される。
【0033】
試験される設備は、前記の様に商用電源自体であり、また商用電源からの電力を制御する制御棟11に設置されている分電盤や配電盤であり、送出用のケーブルなどが挙げられる。
【0034】
さらに、数時間の通電試験にあっては、各負荷抵抗試験装置6・・・が熱エネルギーの放出により温度上昇を招く。
この温度上昇に対し、電算機室1内には空調設備5が設置され、電算機室1自体が過度な温度上昇を起こさないように、また電算機室1に複数設置されているいずれかの電算機棟2が他の電算機棟2と比較して過度な温度上昇を起こさないよう、さらに各電算機棟2内にセットされた電算機4・・・が過度な温度上昇を起こさないよう調節する必要がある。
【0035】
よって、前記の状態をチェックすべく通電試験を行い、空調設備5の空調正常作動試験を行うのである。
【0036】
さらに、本発明では停電などによって商用電源が使用できないとき、当該電算機室1では、非常用の発電機からの電力供給を受ける。よって、非常時を想定して前記非常用の発電機が正常に稼働するか否かの試験も行えるものとなっている。
【0037】
本発明では前記の電源につき、商用電源に替え非常時に使用する非常用発電機からの送電試験をも行える。すなわち、例えば、停電などの非常事態が生じたとき、電算機室1での作業を中断することなく、作業が行えるように、別途発電機が用意されている。しかるにこの発電機につき、正常に電力が送出できるか否かは定期的に通電試験を行う必要があるからである。
【0038】
さらに、前記発電機により電算機室1へ送電試験が行われたとき、制御棟11の分電盤や配電盤が正常に稼働しているか否か、また送出用のケーブルが正常に稼働するか否か、あるいは空調設備5が正常に稼働
するか否かも行えるものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明の概略構成を説明する概略構成説明図(1)である。
【
図2】本発明の概略構成を説明する概略構成説明図(2)である。
【
図3】本発明による負荷抵抗試験装置の概略構成を説明する説明図である。
【
図4】電算機用ラックに電算機をマウントする状態を示す説明図である。
【
図5】電算機用ラックに負荷抵抗試験装置をマウントする状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0040】
1 電算機室
2 電算機棟
3 電算機ラック
4 電算機
5 空調設備
6 負荷抵抗試験装置
7 抵抗体
8 操作部
9 抵抗体ユニット
10 冷却装置
11 制御棟
12 空気吹き出し口