(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の望ましい形態を以下に例示する。
操作部の結束部は、延設部とは別体に構成されるとともに延設部に固定される結束部材を含んでいてもよい。
【0012】
この構成によれば、結束部材に損傷等が生じた場合に結束部材のみを交換して対応することが可能となる。また、延設部を結束部材と一体的に形成する必要が無いため、延設部及び結束部材を形成する上での自由度が増す。
【0013】
操作部の保持部は筒状部を備えた構成であってもよく、筒状部の外面部に係止部が形成されていてもよく、操作部の上面部は、筒状部から張り出すフランジ部を含んでいてもよい。天板には、貫通孔部が形成されていてもよい。保持筐体部は、フランジ部が天板の上面側で支持され且つ筒状部が貫通孔部に挿入されつつ係止部が貫通孔部の縁部と係止する構成で天板に固定される構成であってもよい。
【0014】
この構成によれば、連結部材を多数用いることなく保持筐体部を天板に安定的に固定することができる。特に、天板側については貫通孔部を形成するという簡易な構成で済み、操作部側についても、筒状部にフランジ部と係止部を形成するという簡易な構成で済むため、部品点数を抑えた簡易な構成で安定的な組み付けが可能となる。
【0015】
筐体又は筐体に固定される部材には、電線部を結束部による結束位置よりもコントローラ側で支持する筐体側支持部が形成されていてもよい。
【0016】
この構成によれば、例えば天板の取り外し時などにおいて電線部に引っ張り力が生じた場合に、その引っ張り力が基板部付近に伝達することを抑制するだけでなく、コントローラ側に伝達することも確実に抑制することができる。よって、このような引っ張り力に起因する筐体側の損傷についても防止効果が高まる。
【0017】
<実施例1>
以下、本発明の一例を具現化したガスコンロ1について、図面に基づいて説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。以下に記載されている装置の構造などは、特に特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0018】
図1、
図2で示すガスコンロ1は、
図9で示す筐体4に対して板状に構成された天板2が着脱可能に取り付けられてなるものである。筐体4は、上端部4A側が少なくとも部分的に開放した箱状のケース体として構成され、前後左右が壁部によって囲まれた内部空間に各種部品を収容する構成をなす。本構成では、天板2において、ガスバーナ5,6の周囲に平坦な上面を有する平坦部2Aが設けられており、この平坦部2Aの上面と直交する方向をガスコンロ1の上下方向とする。
【0019】
図1、
図2で示す天板2は、筐体4(
図9)の上端部4Aを覆うことにより筐体4の上方側の開口を閉塞する形で筐体4に対して上方側から組み付けられる。この天板2は、
図2のように筐体4に組みつけられた状態でガスコンロ1の上面部として機能する。天板2は、筐体4に対して着脱可能とされており、天板2の左右両側には天板2を厚さ方向に貫通した形で開口部が形成されている。
【0020】
図1のように、天板2の左側の開口部の内側にはガスバーナ5が設けられ、右側の開口部の内側にはガスバーナ6が設けられている。それぞれの開口部の各上部には五徳11,12が各々設けられている。五徳11,12は、それぞれの上面に調理鍋(図示略)等の調理容器を載置し得る構成となっている。ガスバーナ5,6は、燃焼ガスを燃焼させて五徳11,12に載置された調理容器を加熱するように機能する。なお、本構成では、五徳11,12上に平坦な板材を配置したときのその板面と直交する方向がガスコンロ1の上下方向となっている。
【0021】
図1のように、ガスバーナ5の中心にはセンサ部15が設けられ、ガスバーナ6の中心にはセンサ部16が設けられている。センサ部15,16は上下方向に出退可能であり且つバネ(図示略)により上方に付勢されている。センサ部15は
図3で示すサーミスタ7を備えたものであり、五徳11に調理鍋が載置された際に下方向へ押し下げられる構成をなすとともに、サーミスタ7によってその載置された調理鍋の下面温度を検出する。センサ部16は
図3で示すサーミスタ8を備えたものであり、五徳12に調理鍋が載置された際に下方向へ押し下げられる構成をなすとともに、サーミスタ8によってその載置された調理鍋の下面温度を検出する。
【0022】
図1のようにガスコンロ1の上面側において、天板2の前端寄り且つ右端寄りの領域には、天板2を貫通した形で点火スイッチ21,22がそれぞれ設けられている。点火スイッチ21,22はいずれも天板2の上方側に突出した形で配置され、左側の点火スイッチ21は、ガスバーナ5の点火操作を行うためのスイッチとなっている。また、右側の点火スイッチ22は、ガスバーナ6の点火操作を行うためのスイッチとなっている。天板2の後端寄りの領域には、図示しないグリル排気口を覆う形で排気カバー部13が天板2の一部として構成され、この排気カバー部13には複数の排気孔13Aが形成されている。
【0023】
図2に示すように、ガスコンロ1の前面にはグリル扉17とグリル点火スイッチ23とが各々設けられている。グリル点火スイッチ23は、図示しないグリルバーナの点火操作を行うためのスイッチとして構成されている。
【0024】
図3のように、ガスバーナ5、ガスバーナ6及びグリルバーナには、イグナイタ25〜27が各々設けられている。イグナイタ25〜27は点火スイッチ21〜23の点火操作に夫々連動して火花を放電させて各種バーナに点火する機器である。また、ガスコンロ1には、ガスバーナ5にガスを供給する為の第1ガス供給管(図示略)と、ガスバーナ6にガスを供給する為の第2ガス供給管(図示略)と、グリルバーナにガスを供給する為の第3ガス供給管(図示略)とが設けられる。
【0025】
図3を参照して、ガスコンロ1の電気的構成について説明する。
ガスコンロ1において、筐体4の内部には電源部40が収容されている。この電源部40は、例えば2本の乾電池が直列に接続された構成となっており、筐体4に対し直接又は他部材を介して間接的に固定されている。また、筐体4の内部には、コントローラ9が収容され、このコントローラ9も筐体4に対して直接又は他部材を介して間接的に固定されている。コントローラ9は、1又は複数の基板に各種電子部品が実装された電子装置として構成され、様々な制御を実行可能とされている。
【0026】
コントローラ9には、制御回路として機能するマイクロコンピュータ(以下、マイコンともいう)50が設けられている。このマイコン50は、CPU、ROM、RAM等に加え、更に、図示しないタイマやI/Oインタフェイス等を備える。マイコン50のCPUは、ガスコンロ1の各種動作を統括制御するものであり、各種演算処理を行い得る。また、マイコン50のROMにはガスコンロ1の各種制御プログラムが記憶されている。
【0027】
マイクロコンピュータ50には、電源回路41、スイッチ入力回路42、サーミスタ入力回路43、イグナイタ回路45、安全弁回路46、電磁弁回路47等が各々接続されている。電源回路41は電源部40(例えば電池ボックスに搭載される2つの乾電池)からの電力供給を受け、各種回路に印加する直流電圧を生成する機能を有する。スイッチ入力回路42は、点火スイッチ21〜23、及び押下スイッチ94の押下を各々検出する。イグナイタ回路45は各種バーナのイグナイタ25〜27を各々駆動する。安全弁回路46は上述した第1〜第3ガス供給管にそれぞれ設けられた各安全弁28〜30の開閉を行う。電磁弁回路47は上述した第1、第2ガス供給管にそれぞれ設けられた各電磁弁31,32の開閉を行う。マイクロコンピュータ50は、ガスバーナ5へと続く第1ガス供給管に設けられた電磁弁31、安全弁28の開放や閉塞を制御し得る部分であり、ガスバーナ6へと続く第2ガス供給管に設けられた電磁弁32、安全弁29の開放や閉塞を制御し得る部分である。
【0028】
次に、天板2に設けられた電子部品と、この電子部品を動作させるための電気的構成について説明する。
ガスコンロ1は、
図9のように筐体4に対して第1回路構成部61が組み付けられており、
図8のように天板2に対して第2回路構成部62が組み付けられている。
【0029】
図3のように、第1回路構成部61は、複数の配線からなる第1配線部(電線部71)と、第1配線部(電線部71)に接続される第1コネクタ部81とを備える。この第1回路構成部61は、天板2及び筐体4のうちの筐体4側に組み付けられる電子回路として構成される。この第1回路構成部61は、天板2及び第2回路構成部62が筐体4から取り外された後にも筐体4側の部品として装着され続ける部分である。
【0030】
図8のように、第2回路構成部62は、天板2に取り付けられ、天板2の上方側からの操作に用いられる操作部90と、複数の配線からなる第2配線部(電線部72)と、第2配線部(電線部72)に接続される第2コネクタ部82とを備える。この第2回路構成部62は、天板2及び筐体4のうちの天板2側に組み付けられる電子回路として構成され、天板2を筐体4から取り外す際に、天板2に組み付けられた連結体として天板2と共に取り外される部分となっている。
【0031】
操作部90は、
図4〜
図8のような構成をなし、
図5、
図8のように、押下スイッチ94と押下スイッチ94が実装される操作基板98とを備える。押下スイッチ94は、例えば公知のタクタイルスイッチとして構成され、外部からの押下操作の対象となる押下部94Aと、この押下部94Aを保持する本体部94Bと、図示しない複数の端子とを備える。押下スイッチ94は、押下部94Aに対して押下操作がなされることによってオンオフが切り替わるようになっており、例えば、押下部94Aが押下された状態で複数の端子間が導通状態(オン状態)となり、押下部94Aが押下されていない状態では複数の端子間が非導通状態(オフ状態)となる。押下部94Aに対する押下操作がなされていないときには、押下部94Aが初期位置に配置されるように図示しない付勢部材による付勢力が生じるようになっている。
【0032】
押下スイッチ94の用途は特に限定されないが、例えば、高温許可用の解除スイッチなどとして好適に使用できる。この場合、マイコン50が、通常モードと高温炒めモードとを切り替える手段として機能し、高温炒めモードの条件を満たさない期間はガスコンロ1を通常モードに設定する。マイコン50は、通常モードでは、ガスバーナ5又はガスバーナ6の使用時に、例えばサーミスタ7,8のいずれかで検出される温度が所定の第1閾値温度(例えば250℃)になった場合に、検出温度が閾値温度に達したサーミスタ側のガスバーナを自動的に消化させるように保護動作を行う。
【0033】
一方、押下スイッチ94が押されてから所定の終了条件が成立するまで(例えば、押下スイッチ94の押圧から一定時間経過するまで)を「高温炒めモードの条件を満たす期間」とすることができる。マイコン50は、押下スイッチ94が押された場合、この期間は、閾値温度を第1閾値温度からこれよりも高い第2閾値温度(例えば、290℃)にシフトさせる。マイコン50は、高温炒めモードでは、ガスバーナ5又はガスバーナ6の使用時に、サーミスタ7,8のいずれかで検出される温度が上記第2閾値温度(例えば290℃)になった場合に、検出温度が閾値温度に達したサーミスタ側のガスバーナを自動的に消化させるように保護動作を行うことになる。
【0034】
操作基板98は、基板部の一例に相当し、例えば公知のプリント基板として構成されている。操作基板98は、一方の板面側に押下スイッチ94の複数の端子が接合された形で押下スイッチ94が表面実装され、他方の板面側には、電線部72を構成する複数の電線部72Dがはんだ付けによって直接接合されている。
【0035】
本構成では、筐体4内に電源部40が設けられ、第1回路構成部61も筐体4内に設けられているが、電源部40からの電力供給経路は、第2コネクタ部82側を経由する構成となっている。このため、天板2と共に第2コネクタ部82が取り外されてしまうと、電力供給経路が遮断されるようになっている。具体的には、電源部40の低電位側端子(マイナス端子)に接続される電源側配線(電線部71A)が、電線部71の一部として第1コネクタ部81に接続されている。更に、第1回路構成部61における低電位側の基準導電路となる電線部71Bが、電線部71の一部として第1コネクタ部81に接続されている。一方、第2コネクタ部82側には、電線部71Aと基準導電路となる電線部71Bとを導通させるための中間配線72Aが第2配線部(電線部72)の一部として接続されている。電線部71Bは、例えばガスコンロ1の使用時にグランド電位に保たれ、グランドとして用いられる配線である。
【0036】
この構成では、
図3のように、第1コネクタ部81と第2コネクタ部82とが正規の連結状態で接続されている場合には、電源側配線(電線部71A)と基準導電路となる配線(電線部71B)とが中間配線72Aを介して導通状態となる。そして、電線部71Bは、電源部40の低電位側端子(マイナス端子)及びグランドラインに導通することになり、グランドレベルに保たれる。これにより、
図3で示す電源回路41には、所定の直流電圧が印加される電源ライン(配線74による導電路)と、グランド電位で保たれるグランドライン(電線部71A,71Bによる導電路)とが確保されるため、電源部40から通電がなされ、駆動電力が供給される。
【0037】
このように第1コネクタ部81と第2コネクタ部82とが正規の連結状態で接続されている場合、電線部72Dを構成する各配線と電線部71Dを構成する各配線とがそれぞれ導通した状態となり、天板2側から筐体4側へと信号を伝送することが可能となる。電線部72D,71Dは、操作部90とコントローラ9との間の信号伝達の経路として機能する配線である。具体的には、押下スイッチ94は、押下部94Aに対して押圧操作がなされていない状態では、電線部72D,71Dのいずれかの配線経路に対して非押圧信号(例えばLレベル信号)を出力し続け、第1コネクタ部81と第2コネクタ部82とが正規の連結状態で接続されているときに押下スイッチ94に対して押圧操作がなされた場合にその配線経路に対して押圧信号(例えばHレベル信号)を出力するようになっており、このような押圧信号又は非押圧信号が
図3のスイッチ入力回路42に入力されるようになっている。
【0038】
一方、第1コネクタ部81と第2コネクタ部82とが結合していない場合には、電源側配線(電線部71A)と基準導電路となる配線(電線部71B)との間に中間配線72Aが介在しないため、電源部40から第1回路構成部61への電力供給がなされず、且つ第1回路構成部61と第2回路構成部62とが非導通状態となる。
【0039】
このように第1コネクタ部81と第2コネクタ部82とが接続されていない場合、電線部72D,71Dも互いに絶縁状態となる。つまり、押下スイッチ94の押下部94Aが押圧されても、電線部72D,71Dを介した信号伝送は一切なされず、第1回路構成部61には押圧信号が入力されなくなる。但し、このように押下スイッチ94が使用不能となる場合、第1回路構成部61側への電力供給も遮断されるため、押下スイッチ94が使用不能な状態では機器を使用させないようにすることができる。具体的には、第1回路構成部61側で基準導電路となるべき配線(電線部71B)は、電源部40の低電位側端子(マイナス端子)及びグランドに導通しないことになり、電線部71Bの端部がオープンになる。この場合、電源回路41がグランドに導通せず、電源部40からの通電は遮断される。
【0040】
次に、操作部90における保護構造について説明する。
操作部90は、
図4〜
図8のように構成され、主として、押下スイッチ94と、操作基板98と、保持筐体部100と、結束部120とを備える。なお、以下の説明では、
図5のように、操作基板98の板面と直交する方向を基準方向として説明する。
図1のガスコンロ1では、上記基準方向がガスコンロ1の上下方向に対して傾斜した方向となっている。
【0041】
図5、
図7、
図8のように、保持筐体部100は、例えば公知の樹脂材料などによって構成されており、基準方向一方側の壁部を構成する上面部102と、上面部102から下方側に延びる筒状部106と、筒状部106の下方側に延びる延設部108とが一体的に形成されている。この保持筐体部100は、天板2に固定され、押下部94Aを覆う部材を天板2の上方側に露出させた構成で操作基板98(基板部)を保持する。
【0042】
筒状部106は、保持部の一例に相当し、操作基板98(基板部)を内部に収容して保持する部分である。筒状部106は、略円筒状に構成されており、基準方向一方側(上方側)の開口が上面部102によって閉塞され、基準方向他方側(下方側)が開放した構成となっている。そして、この筒状部106の外面部には、保持筐体部100を筐体4に固定するための係止部111,112が形成されている。
図5、
図7、
図8等で示す例では、操作基板98は、上面部102と対向した形で筒状部106の内部に収容され、筒状部106の内部に形成された係合部と係合した構造で筒状部106に固定されている。
【0043】
図7のように、筒状部106には、この筒状部106の基準方向他方側の端部(下端部)からフランジ部104の近くまで基準方向に延びるように一対の切欠き部114A,114Bが形成されており、これら一対の切欠き部114A,114Bはほぼ平行に延びている。そして、これら切欠き部114A,114Bの間には、上面部102の付近から基準方向に沿って下方側に延びるように係止部112が形成されている。係止部112と向かい合う位置には、上面部102の付近から基準方向に沿って下方側に延びるように係止部111が形成されている。係止部111の両側には、筒状部106の基準方向他方側の端部(下端部)からフランジ部104の近くまで基準方向に延びるように一対の切欠き部形成されている。これら一対の切欠き部もほぼ平行に延びている。なお、
図7では、これら一対の切欠き部のうち一方の切欠き部113Aのみを図示し、他方の切欠き部については図示を省略している。
【0044】
上面部102は、筒状部106の上端部に連結された板状の部分であり、上面部102の一部が筒状部106から張り出すフランジ部104として構成されている。板状に構成された上面部102には、板厚方向に貫通した孔状又はスリット状の貫通部102Aが1又は複数形成されており、更に、貫通部102Aの開口領域に隣接して弾性変形可能に構成された撓み部102Bが設けられている。撓み部102Bは、例えば、上面部102における他の部位(撓み部102B以外の部位)と一体的に形成されるとともに撓み変形可能な形状(例えば、他の部位から片持ち状に延びる形状、狭い幅のフレーム形状等)とされており、押下部94Aと対向して配置されている。
【0045】
上面部102の上面には、樹脂シートなどからなるシート材92が貼り付けられている。このシート材92は、少なくとも貫通部102A及び撓み部102Bを覆うように貼り付けられており、貫通部102A及び撓み部102Bを覆う位置には、他の位置よりも厚く形成された盛り上がり部92Aが形成されている。
【0046】
このように構成された操作部90では、
図8等で示す所定位置(盛り上がり部92Aの位置)に押下操作がなされていない状態では、撓み部102Bが所定の自然形状で維持される。この自然形状のときには、撓み部102Bが押下部94Aを押下する押下作用(押下スイッチ94がオン状態となる押下作用)は生じないため、押下スイッチ94はオフ状態で維持される。一方、上方側から所定位置(盛り上がり部92Aの位置)を下方に押すように操作がなされた場合、撓み部102Bが下方側に撓むように弾性変形し、押下部94Aを押すように作用する。このような作用により、押下スイッチ94がオン状態に切り替わる。
【0047】
このように構成された操作部90は、
図8のように、保持筐体部100の筒状部106を天板2に形成された貫通孔部3Aに挿入する形で天板2に固定される。天板2は、平坦な外壁部2Bを有しており、
図1、
図2のように、この外壁部2Bがガスコンロ1の上下方向に対して傾斜した配置(具体的には、上面が斜め前方側を向いた傾斜配置)となっている。
図8のように、天板2の外壁部2Bの下面側から下方側(具体的には斜め下方側)に立ち下がるように略円筒状の立下り部3が形成されており、この立下り部3(筒状立下り部)の内周部が貫通孔部3Aとなっている。そして、この貫通孔部3Aに筒状部106が挿入された嵌合構造で、天板2と操作部90とが連結されている。
【0048】
より具体的には、
図8のように、フランジ部104の下面が天板2の外壁部2Bの上面と接触する形でフランジ部104が天板2の上面側で支持される。そして、筒状部106が貫通孔部3Aに挿入されつつ係止部111,112が貫通孔部3Aの縁部(下端部)と係止する構成で、操作部90が天板2に固定されている。
図8の構造では、係止部111,112の本体部111B,112Bが貫通孔部3Aの内周面に沿って配置され、本体部111B,112Bの先端部に形成された突起部(各爪部111A,112A)が、貫通孔部3Aの内周面よりも外側(より具体的には、貫通孔部3Aの外周面よりも外側)に突出している。このような構成で、係止部111,112が貫通孔部3Aの縁部(下端部)に引っ掛かり、上方側に抜けないように係止している。
【0049】
更に、操作部90には、結束部材122が設けられている。この結束部材122は、例えば延設部108と異なる樹脂材料又は同一の樹脂材料によって構成され、延設部108とは別体に構成されており、延設部108に組み付けられた形で延設部108に固定されている。そして、この結束部材122によって電線部72を保持するための結束部120が構成されている。結束部120は、第2回路構成部62を構成する電線部72の少なくとも一部(具体的には、電線部72D)を延設部108に結束して固定するように機能している。
【0050】
図7等で示す操作部90では、延設部108は、筒状部106の基準方向一方側の端部(下端部)よりも基準方向一方側(下方側)に延びた構成となっている。この延設部108は、湾曲した板状形態をなしており、この延設部108の一部に貫通孔108Aが形成されている。そして、この貫通孔108Aに結束部材122が挿入された形で、結束部材122が延設部108に固定されている。
【0051】
図7のように、結束部材122において筒状部106の内側寄りの位置には、環状部124が設けられており、この環状部124によって束ねられる形で電線部72Dが保持されている。環状部124は、複数の電線部72Dをある程度の強さで挟み込むように構成されていてもよく、複数の電線部72Dを若干緩やかに束ねるように配置されていてもよい。なお、
図8では、複数の電線部72Dの一部を省略して示しているが、環状部124に保持される複数の電線部72Dは、第2コネクタ部82とは反対側の端部がそれぞれ操作基板98の下面(裏面)に直接はんだ付けされている。
【0052】
更に、本構成では、
図9のように、筐体4側にも、電線部71(電線部71A,71B,71D)を保持するための筐体側支持部140が設けられている。筐体側支持部140は、第2結束部材142によって構成され、この第2結束部材142は、筐体4に固定される固定部材150とは別体に構成されるとともに固定部材150に組み付けられている。固定部材150は、筐体4に固定されるフレームとして構成されていてもよく、ガスコンロ1を構成する様々な器具、部品などであってもよい。
【0053】
このように固定部材150とは別部材の第2結束部材142によって筐体側支持部140が構成され、この筐体側支持部140が第1回路構成部61を構成する電線部71の少なくとも一部(具体的には、電線部71A,71B,71D)を結束して固定部材150に固定するように機能している。具体的には、
図7のように、第2結束部材142には、環状部144が設けられており、この環状部144によって束ねられる形で複数の電線部71が保持されている。環状部144は、複数の電線部71をある程度の強さで挟み込むように構成されていてもよく、複数の電線部71を若干緩やかに束ねるように配置されていてもよい。
【0054】
本構成では、筐体側支持部140は、電線部71を結束部120による結束位置よりもコントローラ9側で支持している。具体的には、
図9のように、電線部71において筐体側支持部140による保持位置よりも一方側の端部に第1コネクタ部81が設けられ、この第1コネクタ部81が上述した第2コネクタ部82と結合するようになっている。一方、電線部71において筐体側支持部140による保持位置よりも他方側(第1コネクタ部81とは反対側)の端部が直接又は他部材を介してコントローラ9を構成する基板に接続されている。
【0055】
以上のように、ガスコンロ1は、筐体4に収容されたコントローラ9と、天板2に取り付けられる操作部90とを備え、コントローラ9と操作部90の間の信号伝達経路となるように電線部71D,72Dが設けられている。このように構成されているため、天板2に電子部品を設けることができ、電線部71D,72Dによって天板2側と筐体4側とを電気的に接続することができる。
【0056】
更に、操作部90は、操作基板98(基板部)を保持する保持筐体部100が天板2に固定される構成をなし、保持筐体部100には下方側に延びる延設部108が形成されている。そして、この延設部108に対して、結束部120によって電線部72Dが結束される構造となっている。このように構成されているため、電線部72Dが操作基板98(基板部)側とは反対側に引っ張られた場合に、その引っ張り力が操作基板98(基板部)側に伝達することを結束部120によって確実に抑制することができる。よって、このような引っ張り力に起因する電子部品の損傷防止が図られる。
【0057】
操作部90の結束部120は、延設部108とは別体に構成されるとともに延設部108に固定される結束部材122を含んでいる。この構成によれば、結束部材122に損傷等が生じた場合に結束部材122のみを交換して対応することが可能となる。また、延設部108を結束部材122と一体的に形成する必要が無いため、延設部108及び結束部材122を形成する上での自由度が増す。
【0058】
更に、筒状部106によって保持部が構成され、筒状部106の外面部に係止部111,112が形成され、操作部90の上面部102は、筒状部106から張り出すフランジ部104を含んでおり、天板2には、貫通孔部3Aが形成されている。そして、保持筐体部100は、フランジ部104が天板2の上面側で支持され且つ筒状部106が貫通孔部3Aに挿入されつつ係止部111,112が貫通孔部3Aの縁部と係止する構成で天板2に固定される。この構成によれば、ねじなどの連結部材を多数用いることなく保持筐体部100を天板2に安定的に固定することができる。特に、天板2側については貫通孔部3Aを形成するという簡易な構成で済み、操作部90側についても、筒状部106にフランジ部104と係止部111,112を形成するという簡易な構成で済むため、部品点数を抑えた簡易な構成で安定的な組み付けが可能となる。
【0059】
筐体4に固定される固定部材150には、電線部71D,72Dを結束部120による結束位置よりもコントローラ9側で支持する筐体側支持部140が形成されている。この構成によれば、例えば天板2の取り外し時などにおいて電線部71D,72Dに引っ張り力が生じた場合に、その引っ張り力が操作基板98(基板部)付近に伝達することを抑制するだけでなく、コントローラ9側に伝達することも確実に抑制することができる。よって、このような引っ張り力に起因する筐体4側の損傷についても防止効果が高まる。
【0060】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上述した実施例では、電線部72Dの一端側がはんだ付けなどによって直接的に操作基板98(基板部)に接続される構成を例示したが、電線部72Dの一端側が他部材を介して間接的に基板部に接続されていてもよい。例えば、電線部72Dの一端側にコネクタが連結され、このコネクタが操作基板98に実装されたコネクタと結合するような構成であってもよい。
(2)上述した実施例では、筒状部106の外面部に係止爪(係止部111,112)が形成され、この係止爪を天板2の貫通孔部3Aに係止させることで保持筐体部100を天板2に組み付ける構成を例示したが、これ以外の係止構造であってもよい。例えば、天板に形成された係止爪が保持筐体部に係止するような係止構造であってもよい。
(3)上述した実施例では、保持筐体部は、押下部94Aを覆う部材(シート材92及び撓み部102B)を天板2の上方側に露出させた構成で操作基板98(基板部)を保持する構成であったが、押下スイッチの押下部を天板の上方側に露出させた構成で基板部を保持する構成であってもよい。
(4)上述した実施例では、結束部120と筒状部106(保持部)とが別部材として構成され、これらが互いに連結された構成を例示したが、結束部と保持部とが同一部材によって一体的に構成されていてもよい。
(5)上述した実施例では、筐体4に固定される固定部材150に組み付けられる形で筐体側支持部140が設けられていたが、筐体に組み付けられる形で筐体側支持部が設けられていてもよい。或いは、筐体又は筐体に固定される固定部材と一体的に筐体側支持部が構成されていてもよい。