(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
真空引きを行うバキュームジェネレータと、前記バキュームジェネレータにパージガスを供給するガス供給ラインと、前記バキュームジェネレータからガスを排気する排気ラインと、前記バキュームジェネレータとパージが必要な対象装置とを接続する接続ラインとを備え、前記対象装置のサイクルパージを行うサイクルパージユニットであって、
前記排気ラインに開閉弁が設けられており、前記開閉弁が開とされることで真空引き工程が実施され、前記開閉弁が閉とされることで加圧工程が実施されることを特徴とするサイクルパージユニット。
前記開閉弁が自動開閉弁であり、前記接続ラインの圧力値に応じて前記開閉弁を開閉する自動開閉弁開閉装置をさらに備えていることを特徴とする請求項1のサイクルパージユニット。
前記開閉弁がエア弁とされており、前記自動開閉弁開閉装置は、前記ガス供給ラインから分岐して前記開閉弁の駆動ガス導入部に通じる分岐ラインと、前記分岐ラインに設けられた電磁弁と、前記接続ラインに設けられた圧力計から出力された信号を取り込んで前記電磁弁を開閉する制御装置とを備えており、前記ガス供給ラインから導入されるガスは、パージガスとして使用されるとともに、前記分岐ラインを介して前記駆動ガス導入部に導入されることで開閉用の駆動ガスとしても使用される請求項2のサイクルパージユニット。
前記開閉弁が自動開閉弁であり、予め設定された時間に沿って前記開閉弁を開閉する自動開閉弁開閉装置をさらに備えていることを特徴とする請求項1のサイクルパージユニット。
前記対象装置に接続されるラインとして、前記対象装置のパージラインに接続されるパージ接続ラインと、前記対象装置の真空ラインに接続される真空接続ラインとが設けられており、前記パージ接続ラインおよび前記真空接続ラインにそれぞれ開閉弁が設けられていることを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載のサイクルパージユニット。
前記排気ラインの前記開閉弁は、常時開の自動開閉弁であり、前記パージ接続ラインの前記開閉弁は、常時閉の自動開閉弁であり、前記真空接続ラインの前記開閉弁は、常時開の自動開閉弁である請求項5のサイクルパージユニット。
前記排気ラインの前記開閉弁、前記パージ接続ラインの前記開閉弁および前記真空接続ラインの前記開閉弁は、一つの電磁弁により供給される駆動ガスにより開閉されることを特徴とする請求項6のサイクルパージユニット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に開示されているサイクルパージ装置では、装置が大型になることから、サイクルパージ装置が内蔵されていないガス供給装置に適用することが困難という問題があった。
【0007】
この発明の目的は、携帯可能であり、簡単にサイクルパージを行うことが可能なサイクルパージユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明によるサイクルパージユニットは、真空引きを行うバキュームジェネレータと、前記バキュームジェネレータにパージガスを供給するガス供給ラインと、前記バキュームジェネレータからガスを排気する排気ラインと、前記バキュームジェネレータとパージが必要な対象装置とを接続する接続ラインとを備え、前記対象装置のサイクルパージを行うサイクルパージユニットであって、前記排気ラインに開閉弁が設けられており、前記開閉弁が開とされることで真空引き工程が実施され、前記開閉弁が閉とされることで加圧工程が実施されることを特徴とするものである。
【0009】
バキュームジェネレータからガスを排気する排気ラインに開閉弁が設けられていることにより、この開閉弁を開として、排気を行うことで真空引きを実施し、開閉弁を閉としてパージガスを供給することで、加圧を実施することができる。したがって、ガスを供給するラインとして、パージが必要な装置にパージガスを供給する加圧ラインを不要として、バキュームジェネレータにパージガスを供給するガス供給ラインを1つだけにして、サイクルパージを実施することができる。
【0010】
したがって、サイクルパージユニットを小型化して携帯可能とすることができ、対象装置側にサイクルパージの機能が無くても、サイクルパージユニットと接続するためのポートさえ準備すればよく、容器・機器類の交換時、真空ポンプが無くてもサイクルパージを簡単に行うことができる。
【0011】
前記開閉弁が自動開閉弁であり、前記接続ラインの圧力値に応じて前記開閉弁を開閉する自動開閉弁開閉装置をさらに備えていることがある。
【0012】
バキュームジェネレータを使用したサイクルパージユニットでは、通常、接続ラインの圧力値を測定する圧力計が使用されており、この圧力計を利用して自動開閉弁を開閉することで、サイクルパージユニットのより一層の簡素化が可能となる。
【0013】
前記開閉弁がエア弁とされており、前記自動開閉弁開閉装置は、前記ガス供給ラインから分岐して前記開閉弁の駆動ガス導入部に通じる分岐ラインと、前記分岐ラインに設けられた電磁弁と、前記接続ラインに設けられた圧力計から出力された信号を取り込んで前記電磁弁を開閉する制御装置とを備えており、前記ガス供給ラインから導入されるガスは、パージガスとして使用されるとともに、前記分岐ラインを介して前記駆動ガス導入部に導入されることで開閉用の駆動ガスとしても使用されることがある。エア弁は、常時開型であってもよく、常時閉型であってもよい。
【0014】
分岐ラインを設けることなく、圧力計から出力された信号に応じて、自動開閉弁のアクチュエータを駆動して、自動開閉弁が開閉されるようにしてもよい。この場合の自動開閉弁は、エア弁には限定されない。
【0015】
ガス供給ラインから導入されるガスをエア弁の駆動ガスとして、自動開閉弁を開閉すると、エア弁に駆動ガスを導入するための別途の構成が不要とでき、サイクルパージユニットをより一層小型化することができる。
【0016】
また、前記開閉弁が自動開閉弁であり、予め設定された時間に沿って前記開閉弁を開閉する自動開閉弁開閉装置をさらに備えていることがある。すなわち、自動開閉弁の開閉については、自動開閉弁開閉装置に予め設定された時間に沿って行うことができ、このようにすると、圧力計から出力された信号を使用しなくて済み、圧力計を省略または簡単な構成とできる分、サイクルパージユニットをより一層簡素化することができる。
【0017】
前記対象装置に接続されるラインとして、前記対象装置のパージラインに接続されるパージ接続ラインと、前記対象装置の真空ラインに接続される真空接続ラインとが設けられており、前記パージ接続ラインおよび前記真空接続ラインにそれぞれ開閉弁が設けられていることが好ましい。
【0018】
このようにすると、対象装置側に2つのポート(パージ接続ラインとの接続用のポートおよび真空接続ラインとの接続用のポート)準備することで、サイクルパージを簡単に行うことができる。
【0019】
前記排気ラインの前記開閉弁は、常時開の自動開閉弁であり、前記パージ接続ラインの前記開閉弁は、常時閉の自動開閉弁であり、前記真空接続ラインの前記開閉弁は、常時開の自動開閉弁であることがより好ましい。
【0020】
このようにすると、真空工程と加圧工程との切替は、センサ出力を読み取ることで自動で行うことが可能となり、サイクルパージをより一層簡単に行うことができる。
【0021】
前記排気ラインの前記開閉弁、前記パージ接続ラインの前記開閉弁および前記真空接続ラインの前記開閉弁は、一つの電磁弁により供給される駆動ガスにより開閉されることが好ましい。
【0022】
排気ラインの開閉弁を電磁弁で開閉し、さらに、同じ電磁弁を使用して、パージ接続ラインの開閉弁および真空接続ラインの開閉弁を開閉することにより、サイクルパージユニットの構成を簡略化することができ、小型化が容易となる。
【発明の効果】
【0023】
この発明のサイクルパージユニットによると、開閉弁を開閉することで、真空引きと加圧とを自動的に繰り返して実施することができる。したがって、ガスを供給するガス供給ラインとしては、バキュームジェネレータにパージガスを供給するガス供給ラインを1つだけにして、サイクルパージを実施することができるので、サイクルパージユニットを小型化して携帯可能とすることができるとともに、簡単にサイクルパージを行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、この発明によるサイクルパージユニットの第1実施形態の機能を配管記号を用いて示すもので、
図2から
図4までは、サイクルパージユニットの具体的な1実施形態を簡略化して示す三面図である。
【0027】
サイクルパージユニット(1)は、パージが必要な装置のサイクルパージを行うもので、真空引きを行うバキュームジェネレータ(2)と、バキュームジェネレータ(2)にパージガスを供給するガス供給ライン(3)と、バキュームジェネレータ(2)からガスを排気する排気ライン(4)と、バキュームジェネレータ(2)とパージが必要な対象装置とを接続する接続ライン(5)と、自動弁開閉装置(6)とを備えている。
【0028】
ガス供給ライン(3)は、パージガスを導入する配管が接続される継手(11)と、継手(11)から導入されたパージガスを所定の圧力に減圧する減圧弁(12)と、バキュームジェネレータ(2)へのパージガスの導入通路(13)を開閉する手動弁(14)とを有している。
【0029】
パージガスとしては、この実施形態では、元圧が1.0MPaG以下のN
2ガスが使用されており、減圧弁(12)によって、N
2ガスは、0.5MPaG程度に減圧される。
【0030】
排気ライン(4)は、バキュームジェネレータ(2)からのパージガスの排気通路(15)を自動で開閉する常時開型のエア弁(自動開閉弁)(16)と、排気パージガスを外部に排出する配管が接続される継手(17)とを有している。
【0031】
接続ライン(5)は、装置に通じる配管(18)途中に設けられて配管(18)内のガス圧力を測定する圧力計(19)と、サイクルパージユニット(1)を装置に接続するための配管が接続される継手(20)とを有している。
【0032】
排気ライン(4)は、除害設備等、安全にガスを捨てる配管に合流するように接続され、接続ライン(5)は、対象装置の所要のポート(例えば、パージラインのポート)に接続される。
【0033】
図1において、エア弁(16)が開の状態で、バキュームジェネレータ(2)にN
2ガスを供給すると、N
2ガスは、バキュームジェネレータ(2)から排気ライン(4)に流れて排気される。これにより、パージが必要な装置内のガスがバキュームジェネレータ(2)に吸引されて、N
2ガスとともに排気(パージ)される。
【0034】
自動弁開閉装置(6)は、ガス供給ライン(3)から分岐してエア弁(16)の駆動ガス導入部に通じる分岐ライン(21)と、分岐ライン(21)に設けられた電磁弁(22)と、接続ライン(5)に設けられた圧力計(19)から出力された信号を取り込んで電磁弁(22)を開閉する制御装置(23)(
図1では図示略)とを有している。
【0035】
分岐ライン(21)は、ガス供給ライン(3)の減圧弁(12)と手動弁(14)との間から分岐しており、電磁弁(22)の出口通路とエア弁(16)の駆動ガス導入部とが計装用配管(24)によって接続されている。分岐ライン(21)から計装用配管(24)に通じる通路が電磁弁(22)によって開閉される。
【0036】
制御装置(23)は、リレー機能、タイマ機能、カウンタ機能およびタイムスイッチ機能を有しているプログラムリレーとされている。
【0037】
圧力計(19)は、接点2点付きのもので、圧力計(19)から出力された信号を制御装置(23)に取り込むことで、接続ライン(5)の配管(18)内の圧力に応じて、電磁弁(22)を開閉することができる。
【0038】
制御装置(23)は、圧力計(19)が所定値未満(十分大気圧より低く)なったときに、電磁弁(22)に開信号を出力する。これにより、ガス供給ライン(3)のパージガスは、電磁弁(22)内の通路から計装用配管(24)に至り、エア弁(16)を閉じるための駆動ガスとして、エア弁(16)の駆動ガス導入部に導入され、エア弁(16)は、開状態から閉状態に移行する。エア弁(16)の閉状態において、制御装置(23)から電磁弁(22)に閉信号が送られると、電磁弁(22)が閉じ、これにより、エア弁(16)への駆動ガスの導入が停止することで、エア弁(16)が開状態に復帰する。
【0039】
サイクルパージユニット(1)は、
図2から
図4までに示すように、幅約200mm×高さ約200mm×奥行き約120mmのハウジング(7)内にコンパクトにユニット化されている。したがって、サイクルパージユニット(1)は、携帯可能であり、必要に応じて、サイクルパージが必要な装置のところまで運んで、その場でサイクルパージを行うことができる。
【0040】
なお、
図2から
図4までにおいて、(25)は、エア弁(16)の駆動用圧力確認を行うためのエアライン圧力計で、(26)は、サイクルパージユニット(1)に電源を供給する24VのDCスイッチング電源である。
【0041】
エア弁(16)は、常時開型とされているので、エア弁(16)のアクチュエータに駆動ガスが導入されていない場合に、真空引きが実施される。したがって、上記サイクルパージユニット(1)を使用してのサイクルパージ工程(真空工程と加圧工程との繰り返し)は、
図5に示すように、以下のステップで行われる。
【0042】
まず、手動弁(14)が開とされることでサイクルパージが開始される(S1)。そして、制御装置(23)において、真空引きの実施が必要かどうかが判定される(S2)。具体的には、圧力計(19)が示す圧力値が所定値(大気圧よりも十分低い値)以上であるかどうかが判定される。サイクルパージ開始時は、圧力計(19)が示す圧力値が所定値より大きいので、制御装置(23)は、真空引きが必要と判定して、電磁弁(22)に電磁弁閉信号を出力する(S3)。
【0043】
これにより、電磁弁(22)が閉状態とされる(S4)。電磁弁(22)が閉じることで、エア弁(16)の駆動ガスとしてのN
2ガスが電磁弁(22)を通過することはなく(S5)、エア弁(16)は、開状態を維持する(S6)。
【0044】
これにより、ガス供給ライン(3)のN
2ガスは、バキュームジェネレータ(2)からエア弁(16)内を通過して排気通路(15)から排気される。これに伴い、装置内のガスが吸引されて、排気通路(15)から排気され、真空引き工程が開始される(S7)。真空引き工程は、ステップS2において、圧力計(19)が示す圧力値が所定値未満になるまで実施される。
【0045】
ステップS2において、圧力計(19)が示す圧力値が所定値未満になった場合、すなわち、真空引きが完了した場合、制御装置(23)は、1回目の真空引き工程が完了したとして、引き続いて加圧が必要かどうかを判定する(S13)。加圧が必要と判断すれば、制御装置(23)は、電磁弁(22)に電磁弁開信号を出力する(S8)。
【0046】
これにより、電磁弁(22)が開く(S9)。電磁弁(22)が開くことで、N
2ガスは、分岐ライン(21)から電磁弁(22)を通過して、計装用配管(24)を経てエア弁(16)の駆動ガス導入部に導入される(S10)。
【0047】
これにより、エア弁(16)が閉状態となる(S11)。エア弁(16)が閉じて、N
2ガスが排気通路(15)から排気されなくなったことに伴い、装置内がガス供給ライン(3)のN
2ガスによって加圧され、加圧工程が実施される(S12)。加圧によって圧力計(19)が示す圧力値がN
2ガスの供給圧に達した場合に、ステップS13において、制御装置(23)は、加圧工程完了と判定する。
【0048】
サイクルパージは、真空引きおよび加圧を所定回数繰り返すことで完了するようになっており、1回目の加圧工程完了後では、サイクルパージ完了判定ステップ(S14)において、サイクルパージが未完了と判定されて、ステップS2に戻る。ステップS2では、圧力計(19)が示す圧力値が所定値(大気圧よりも十分低い値)以上であることから、ステップS3以降の真空引きが実施され、さらに、加圧が実施される。そして、ステップS14において、所定回数の真空引きおよび加圧を行ったことが確認されることで、サイクルパージが完了し、手動弁(14)を閉じることで、サイクルパージ作業が終了となる(S15)。
【0049】
こうして、上記サイクルパージユニット(1)によると、加圧ラインと真空引きラインとを別のラインとすることなく、加圧工程および真空工程を自動的に繰り返すことができる。
【0050】
図6は、この発明によるサイクルパージユニットの第2実施形態の機能を配管記号を用いて示すもので、この第2実施形態のサイクルパージユニット(30)は、真空引きを行うバキュームジェネレータ(2)と、バキュームジェネレータ(2)にパージガスを供給するガス供給ライン(3)と、バキュームジェネレータ(2)からガスを排気する排気ライン(4)と、バキュームジェネレータ(2)とパージが必要な対象装置のパージラインとを接続するパージ接続ライン(31)と、対象装置の真空ラインに接続される真空接続ライン(32)と、自動弁開閉装置(6)とを備えている。
【0051】
すなわち、第2実施形態のサイクルパージユニット(30)は、第1実施形態のサイクルパージユニット(1)の接続ライン(5)が対象装置のパージラインに接続されるパージ接続ライン(31)とされるとともに、パージ接続ライン(31)から分岐して対象装置の真空ラインに接続される真空接続ライン(32)が付加されたものとなっている。
【0052】
第2実施形態のものによると、第1実施形態のものでは、1つの接続ライン(5)で対象装置へのN
2ガスの導入(加圧工程)および真空引き(真空工程)の両方が行われていたのに対し、対象装置へのN
2ガスの導入(加圧工程)はパージ接続ライン(31)を使用して行われ、真空引き(真空工程)は真空接続ライン(32)を使用して行われる。
【0053】
バキュームジェネレータ(2)、ガス供給ライン(3)、排気ライン(4)および自動弁開閉装置(6)は、第1実施形態のサイクルパージユニット(1)と同じものとされている。
【0054】
パージ接続ライン(31)は、第1実施形態の接続ライン(5)の継手(20)の上流側にエア弁(開閉弁)(33)が追加されたものとされている。エア弁(33)は、常時閉型の自動弁とされている。
【0055】
真空接続ライン(32)は、パージ接続ライン(31)の圧力計(19)とエア弁(33)との間から分岐させられている。真空接続ライン(32)には、対象装置の真空ラインに接続するための配管が接続される継手(34)が設けられており、継手(34)の上流側にエア弁(開閉弁)(35)が設けられている。エア弁(35)は、常時開型の自動弁とされている。
【0056】
排気ライン(4)のエア弁(16)は、第1実施形態と同様に、分岐ライン(21)に設けられた電磁弁(22)によって開閉される。そして、パージ接続ライン(31)のエア弁(33)および真空接続ライン(32)のエア弁(35)も、同じ電磁弁(22)により供給される駆動ガスにより開閉される。
【0057】
第2実施形態のサイクルパージユニット(30)は、使用に際して、まず、パージ接続ライン(31)を継手(20)を介して対象装置のパージラインの配管(ポート)に接続するとともに、真空接続ライン(32)を継手(34)を介して対象装置の真空ラインの配管(ポート)に接続する。次いで、排気ライン(4)に排気用の配管を接続する。
【0058】
このとき、
図7(a)に示すように、各エア弁(16)(33)(35)については、排気ライン(4)のエア弁(16)が開(常時開型の通常状態)、パージ接続ライン(31)のエア弁(33)が閉(常時閉型の通常状態)、真空接続ライン(32)のエア弁(35)が開(常時開型の通常状態)とされる。
【0059】
この状態で、バキュームジェネレータ(2)にN
2ガスを供給すると、N
2ガスは、バキュームジェネレータ(2)から排気ライン(4)に流れて排気される。これにより、パージが必要な装置の真空ライン内のガスがバキュームジェネレータ(2)に吸引されて、N
2ガスとともに排気(パージ)される。
【0060】
次いで、
図7(b)に示すように、各エア弁(16)(33)(35)が自動で切り替えられて、排気ライン(4)のエア弁(16)が閉、パージ接続ライン(31)のエア弁(33)が開、真空接続ライン(32)のエア弁(35)が閉とされる。
【0061】
これにより、バキュームジェネレータ(2)に供給されたN
2ガスは、パージ接続ライン(31)のエア弁(33)だけを通ることになり、対象装置のパージラインにN
2ガスが供給(加圧)される。
【0062】
この後、再び、
図7(a)の状態に戻され、
図7(a)の状態と
図7(b)の状態とが設定回数分(例えば10回)繰り返される。
【0063】
こうして、第2実施形態のサイクルパージユニット(30)によると、第1実施形態のものからバキュームジェネレータ(2)にパージガスを供給するガス供給ライン(3)を変更することなく、対象装置側のパージラインおよび真空ラインの両方を使用して、加圧工程および真空工程を自動的に繰り返すことができる。
【0064】
図2から
図4までに対応する第2実施形態のサイクルパージユニット(30)の図は省略するが、第2実施形態のもので追加されている部材は、パージ接続ライン(31)のエア弁(33)と、真空接続ライン(32)の継手(34)およびエア弁(35)とだけであり、第2実施形態のものも、携帯可能であり、必要に応じて、サイクルパージが必要な装置のところまで運んで、その場でサイクルパージを行うことができる。
【0065】
なお、上記第1および第2の実施形態において、圧力計(19)が示す圧力値を判定に用いてエア弁(16)の開閉を行っているが、パージが必要な装置の内容積が判明していれば、加圧、真空引きにかかる時間は自動的に決定される。そのため、例えば、制御装置(23)としてのプログラムリレーに内蔵されているタイマ機能、タイムスイッチ機能などを用い、エア弁(16)の開閉のタイミングを予め設定した時間を用いて行うようにしてもよい。