(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第二支持部の上端は、前記第一支持部の下端に対して、前記差込凹部に差込まれた前記基板が最も傾倒する姿勢での傾倒方向の直交方向に沿った方向に対向している、請求項1に記載の基板組付構造。
前記差込凹部には、前記傾斜部の上端と前記第二支持部の下端とを繋ぐと共に前記基板の前記一端部側の端面の一部を下側から支持する棚部が形成されている、請求項1又は請求項2に記載の基板組付構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような構造部においては、回路基板の組付け性を確保するために、プレートアウタの溝の幅が回路基板の板厚に対して十分に大きく設定されている。
【0005】
しかしながら、プレートアウタの溝の幅が回路基板の板厚に対して十分に大きく設定されていると、回路基板がその板厚方向にがたついて位置決めできない場合がある。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、基板の組付け性を確保しながら基板を位置決めすることができる基板組付構造及び基板組付方法を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載する本発明の基板組付構造は、表面側に端子が立設された基板と、前記基板の一端部側が差込まれていると共に前記基板が傾倒姿勢と起立姿勢との間で回動可能とされる差込凹部を備えると共に、電気部品組付部が設けられたベース部材と、前記電気部品組付部に組付けられて前記基板の表面側に対向配置され、前記起立姿勢の前記基板の前記端子が差込まれている端子差込部を備える電気部品と、前記差込凹部の深さ方向中間部に形成され、前記基板の表面側に対向すると共に前記基板を回動させる場合に回動支点となる支点部と、前記差込凹部において前記支点部に対向する側の底側に形成され
て前記差込凹部の底面と連続し、前記差込凹部における底側から開口側へ向けて前記電気部品の側とは反対側に傾斜すると共に、前記基板の前記一端部側を支持した状態で前記支点部を回動支点として前記基板を回動させた場合に前記端子の先端が前記端子差込部の高さ位置に維持されるように勾配が設定されている傾斜部と、前記差込凹部に形成され、前記起立姿勢の前記基板の表面に対してその起立方向に延びて当該表面と接触する第一支持部と、前記差込凹部に形成され、前記起立姿勢の前記基板の裏面に対してその起立方向に延びて当該裏面と接触する第二支持部と、を有する。
【0008】
請求項1に記載する本発明の基板組付構造によれば、基板の一端部側がベース部材の差込凹部に差込まれており、差込凹部に差込まれた基板は傾倒姿勢と起立姿勢との間で回動可能となっている。また、ベース部材に設けられた電気部品組付部には、電気部品が組付けられており、電気部品は基板の表面側に対向配置されている。さらに、基板の表面側には端子が立設されており、起立姿勢の基板の端子が電気部品の端子差込部に差込まれている。
【0009】
ここで、差込凹部の深さ方向中間部に形成された支点部は、基板の表面側に対向すると共に基板を回動させる場合に回動支点となる。また、差込凹部において支点部に対向する側の底側に形成された傾斜部は、
差込凹部の底面と連続し、差込凹部における底側から開口側へ向けて電気部品の側とは反対側に傾斜している。そして、傾斜部が基板の一端部側を支持した状態で支点部を回動支点として基板を回動させた場合に端子の先端が端子差込部の高さ位置に維持されるように傾斜部の勾配が設定されている。これにより、差込凹部に傾倒姿勢で差込まれた基板を回動させた場合に端子の先端が端子差込部の高さ位置に維持されながら端子差込部の中に差込まれていくので、基板の組付け性が確保される。
【0010】
また、差込凹部に形成された第一支持部は、起立姿勢の基板の表面に対してその起立方向に延びて当該表面と接触し、差込凹部に形成された第二支持部は、起立姿勢の基板の裏面に対してその起立方向に延びて当該裏面と接触している。したがって、起立姿勢の基板は、第一支持部及び第二支持部によって基板の板厚方向への移動が抑えられて位置決めされる。
【0011】
請求項2に記載する本発明の基板組付構造は、請求項1記載の構成において、前記第二支持部の上端は、前記第一支持部の下端に対して、前記差込凹部に差込まれた前記基板が最も傾倒する姿勢での傾倒方向の直交方向に沿った方向に対向している。
【0012】
請求項2に記載する本発明の基板組付構造によれば、第一支持部の下端と第二支持部の上端との高さ方向のギャップが抑えられているので、組付け状態の基板の板厚方向の変位が一層効果的に抑えられる。
【0013】
請求項3に記載する本発明の基板組付構造は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記差込凹部には、前記傾斜部の上端と前記第二支持部の下端とを繋ぐと共に前記基板の前記一端部側の端面の一部を下側から支持する棚部が形成されている。
【0014】
請求項3に記載する本発明の基板組付構造によれば、差込凹部には、傾斜部の上端と第二支持部の下端とを繋ぐ棚部が形成され、この棚部が基板の一端部側の端面の一部を下側から支持している。このため、基板の下方側への変位が棚部によって効果的に抑えられる。
【0015】
請求項4に記載する本発明の基板組付構造は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の構成において、前記差込凹部は、一対設けられて前記基板の一端部側の両サイドが差込まれている。
【0016】
請求項4に記載する本発明の基板組付構造によれば、例えば、基板の一端部側が全長に亘って差込凹部に差込まれる構成に比べて、軽量化を図ることができる。
【0017】
請求項5に記載する本発明の基板組付方法は、表面側に端子が立設された基板と、前記基板の一端部側が差込まれていると共に前記基板が傾倒姿勢と起立姿勢との間で回動可能とされる差込凹部を備えると共に、電気部品組付部が設けられたベース部材と、前記電気部品組付部に組付けられて前記基板の表面側に対向配置され、前記起立姿勢の前記基板の前記端子が差込まれている端子差込部を備える電気部品と、前記差込凹部の深さ方向中間部に形成され、前記基板の表面側に対向すると共に前記基板を回動させる場合に回動支点となる支点部と、前記差込凹部において前記支点部に対向する側の底側に形成され
て前記差込凹部の底面と連続し、前記差込凹部における底側から開口側へ向けて前記電気部品の側とは反対側に傾斜すると共に、前記基板の前記一端部側を支持した状態で前記支点部を回動支点として前記基板を回動させた場合に前記端子の先端が前記端子差込部の高さ位置に維持されるように勾配が設定されている傾斜部と、前記差込凹部に形成され、前記起立姿勢の前記基板の表面に対してその起立方向に延びて当該表面と接触する第一支持部と、前記差込凹部に形成され、前記起立姿勢の前記基板の裏面に対してその起立方向に延びて当該裏面と接触する第二支持部と、を有する基板組付構造における前記基板を組付けるための基板組付方法であって、前記電気部品組付部に前記電気部品が組付けられた状態で、前記電気部品の前記端子差込部の側に前記基板の表面側を向けながら前記基板の前記一端部側を前記差込凹部に差込んで前記基板を前記傾倒姿勢で配置すると共に前記端子の先端を前記端子差込部の高さ位置に配置する第一工程と、前記傾斜部に前記基板の前記一端部側を支持させて前記支点部を回動支点として前記基板を回動させることで、前記基板を前記起立姿勢にして前記端子を前記端子差込部に差込むと共に前記基板の表面を前記第一支持部に接触させかつ前記基板の裏面を
前記第二支持部に接触させる第二工程と、を有する。
【0018】
請求項5に記載する本発明の基板組付方法によれば、第一工程では、電気部品組付部に電気部品が組付けられた状態で、電気部品の端子差込部の側に基板の表面側を向けながら基板の一端部側を差込凹部に差込んで基板を傾倒姿勢で配置すると共に端子の先端を端子差込部の高さ位置に配置する。第二工程では、傾斜部に基板の一端部側を支持させて支点部を回動支点として基板を回動させることで、基板を起立姿勢にして端子を端子差込部に差込むと共に基板の表面を第一支持部に接触させかつ基板の裏面を第二支持部に接触させる。これにより、基板をその板厚方向にスライドさせずに組付けることができると共に、第一支持部及び第二支持部によって基板の板厚方向への移動が抑えられて基板が位置決めされる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、基板の組付け性を確保しながら基板を位置決めすることができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の基板組付構造が適用された一実施形態に係る車両用ドアミラー装置(車両用視認装置)について
図1〜
図5を用いて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印OUTは車両幅方向外側を示している。
【0022】
図1には、車両用ドアミラー装置10が車両後方側から見た状態の正面図で示されている。車両用ドアミラー装置10は、車両のドアとしてのサイドドア(特にフロントサイドドア)の上下方向中間部かつ車両前側端に設けられて、車両外側に配置されている。
【0023】
図1に示されるように、車両用ドアミラー装置10は、ステー12(設置部材)を備えており、ステー12の車両幅方向内側端がサイドドア(車体側)に固定されることで、車両用ドアミラー装置10がサイドドアに設置されている。ステー12の車両幅方向外側部分の上側には、格納機構14が支持されている。
【0024】
図2には、格納機構14が分解斜視図で示されている。
図2に示される格納機構14には、サイドドア側(車体側)に支持体としてスタンド16が設けられている。スタンド16の下部には、固定部16Aが設けられている。
図1に示されるように、固定部16Aがステー12に固定されることで、スタンド16がステー12に固定され、格納機構14がステー12に支持されている。固定部16Aの上側には、略円筒状の支持軸16Bが一体に立設されている。支持軸16Bは、その軸線方向が上下方向となるように配置されている。
図2に示されるように、スタンド16の下部には、支持軸16Bの下端部周りに環状凹部16Cが設けられている。環状凹部16Cにはスリップワッシャ40が設けられている。
【0025】
支持軸16Bの軸周りには回動体18が回動可能とされており、この回動体18は、スタンド16に下側から支持されている。
【0026】
回動体18の下側部分には、樹脂製で容器状のケース20(回動部材)が設けられている。このケース20の上側は開放されている。ケース20の車両幅方向内側部部分には、スタンド16の支持軸16Bが貫通されている。ケース20は、支持軸16Bに回動可能に支持されている。
【0027】
ケース20の上部内には、樹脂製のベース部材としてのモータベース22(組付部材)が固定されている。モータベース22の車両幅方向内側部分には、略円筒状の収容筒22Aが設けられている。収容筒22A内には、スタンド16の支持軸16Bが同軸上に収容されている。モータベース22の車両幅方向外側部分には、略矩形板状の底壁22Bが設けられている。底壁22Bの上面側には、略楕円筒状の組付筒22Cが一体に設けられている。組付筒22Cは、底壁22Bから上側に突出されて形成されており、その車両幅方向両サイドの上部側にはモータ係止用の爪部22C1が形成されている。組付筒22C及びその底側部分は、電気部品組付部としてのモータ組付部22Dを構成している。
【0028】
底壁22Bの外周側には、平面視で車両幅方向内側に開口したU字状の外周壁22Sが一体に設けられており、外周壁22Sは収容筒22Aの下端部と一体に設けられている。外周壁22Sの車両幅方向内側部分には、上方側に開口した差込凹部60が形成されている。差込凹部60は、車両正面視で収容筒22Aよりも車両幅方向外側で組付筒22Cよりも車両幅方向内側に設定されている。
図3に示されるように、差込凹部60は、一対設けられて車両前後方向において互いに対向している。なお、
図3には、格納機構14において後述する回路基板50及びカバー24(
図2参照)が組付けられる前の状態の斜視図が示されている。この
図3では、モータベース22の差込凹部60を示すために、ケース20の上部の一部を切り欠いて図示している。
【0029】
図3の部分拡大図に示されるように、底壁22Bの上面には、一対の差込凹部60の下端部側同士を繋ぐように直線状に延びる一対の第一補強リブ22Eが形成されると共に、一対の第一補強リブ22Eの長手方向中間部と交差(直交)する一対の第二補強リブ22Fが形成されている。一対の第一補強リブ22Eの間には後述する回路基板50の一端部側が入込み可能となっている。また、一対の第二補強リブ22Fにおいて一対の第一補強リブ22E同士を繋ぐ部位は、第一補強リブ22Eよりも一段低く、差込凹部60の底部と同等の高さ位置で後述する回路基板50と干渉しない高さ位置に設定されている。
【0030】
図2に示されるケース20及びモータベース22の上側には、樹脂製で容器状のカバー24(被覆部材)が設けられている。カバー24の下側は開放されている。カバー24の下端は、ケース20の上端部外周に固定されている。そして、カバー24は、ケース20及びモータベース22の上側を被覆している。
【0031】
格納機構14内には、駆動力の出力が可能な電気部品としてのモータ26(駆動手段)が設けられている。モータ26には、略楕円柱状の本体部26Aが設けられている。モータ26の本体部26Aは、モータベース22のモータ組付部22D内に上側から組付けられ、爪部22C1に係止されて固定されている。モータ26の本体部26Aからは、金属製の出力軸26B(モータシャフト)が同軸上に延出されている。出力軸26Bは、その軸方向が上下方向となるように配置され、モータ組付部22Dの底壁(モータベース22の底壁22B)を貫通して、モータベース22の下側に延出されている。また、モータ26が駆動されて出力軸26Bが回転されることで、格納機構14が作動される。
【0032】
モータ26の本体部26Aには、基板としての回路基板50が接続されている。回路基板50には、モータ26に駆動電力を供給するためのモータ駆動回路が搭載されている。回路基板50の表面50A側には、一対の端子(ターミナル)52が立設されている。一対の端子52は、組付状態で回路基板50の上部に設けられて回路基板50から車両幅方向外側に延出されている。
【0033】
モータ26の本体部26Aの車両幅方向内側面には、その上部に一対の端子差込部26Cが設けられている。一対の端子差込部26Cには起立姿勢50X(
図5(C)参照)の回路基板50の一対の端子52が差込まれている。端子差込部26Cに差込まれた端子52は、モータ26側の雌端子(図示省略)に接続されて挟持されており、これによりモータ26と回路基板50とが電気的に接続されている。また、回路基板50の一端部側である下端部側の両サイドは、モータベース22の差込凹部60に差込まれている。そして、差込凹部60に差込まれた回路基板50は、傾倒姿勢50Y(
図5(A)参照)と起立姿勢50X(
図5(C)参照)との間で回動可能とされ、組付状態では起立姿勢50X(
図5(C)参照)で差込凹部60に支持されている。これらにより、回路基板50がモータ26の車両幅方向内側に組付けられており、回路基板50の表面50A側にモータ26が対向配置されている。なお、回路基板50の組付構造(基板組付構造)については詳細後述する。
【0034】
回路基板50には、ソケット54が搭載されており、このソケット54には、ハーネス(図示省略)の一端側に設けられたコネクタ(図示省略)が差込まれる。そして、回路基板50は、前記ハーネス等を介して車両の制御装置(図示省略)に電気的に接続されている。この制御装置の制御により、モータ26に電力が供給されてモータ26が駆動されることで、モータ26の出力軸26Bが回転される。
【0035】
一方、ケース20内には、ギア機構28が設けられている。ギア機構28は、初段ギアとしてウォームギア30、中間ギアとしてウォームシャフト32、及び最終ギアとしてギアプレート34を備える。ウォームギア30は、モータ26の出力軸26Bと一体に回転されるようになっている。また、ウォームシャフト32は、ウォームギア30と噛合うヘリカルギア部32Aを備えると共に、ギアプレート34と噛合うウォームギア部32Bを備える。また、ギアプレート34の軸心部にはスタンド16の支持軸16Bが貫通されている。ギアプレート34は、支持軸16Bの軸周りに回転可能とされ、ケース20に下側から支持されている。
【0036】
ギアプレート34の上方側には略円筒状のクラッチプレート36(係合部材)が設けられている。クラッチプレート36の軸心部にはスタンド16の支持軸16Bが貫通されている。クラッチプレート36は、スタンド16の支持軸16Bの軸周りに回転不能で支持軸16Bの軸線方向に移動可能とされると共に、ギアプレート34と係合可能とされている。
【0037】
クラッチプレート36の上方側にはスタンド16の支持軸16Bの軸周りにコイルスプリング38(付勢部材)が設けられている。また、コイルスプリング38の上方側には、略円環板状のプッシュナット42(係止部材)が設けられている。プッシュナット42は、スタンド16の支持軸16Bに対して同軸的に固定されている。支持軸16Bに固定された状態のプッシュナット42は、コイルスプリング38を下方側に押圧して圧縮させており、コイルスプリング38は、クラッチプレート36を下方側に付勢してギアプレート34に接触させている。
【0038】
これらにより、ギアプレート34は、スタンド16の支持軸16Bの軸周りの回転を制限されている。そして、ウォームギア部32Bが回転される際には、ウォームギア部32Bがギアプレート34の周りを回動されることで、回動体18がウォームギア部32Bと一体にギアプレート34に対して回動されるようになっている。すなわち、ギアプレート34は、スタンド16の支持軸16Bの軸周りの回転が制限されながらモータ26の駆動力を受けた場合に当該回転の制限が維持されることでモータ26の駆動力を回動体18に回動力として作用させている。
【0039】
図1に示されるように、回動体18は、略直方体形で容器状のバイザ44(収容部材)の車両幅方向内側部分内に収容されている。バイザ44は、車両後方側が開放されている。バイザ44内には、開放部分の近傍において、ミラー46(視認手段)が配置されている。ミラー46は、略矩形板状とされ、バイザ44は、ミラー46の全周及び車両前側面を被覆している。
【0040】
バイザ44及びミラー46は、回動体18に連結されて支持されている。バイザ44及びミラー46は、回動体18と共に、サイドドアに対して突出されて、起立(展開)されている。ミラー46の鏡面46Aは、車両後方側へ向けられている。これにより、ミラー46は、車両の乗員(特に運転手)の車両後方側の視認を可能にして、乗員の視認を補助している。また、バイザ44及びミラー46は、回動体18と一体にスタンド16の支持軸16Bの軸周りに回動可能とされている。
【0041】
次に、回路基板50の組付構造(基板組付構造)について詳細に説明する。
図4(A)には、モータベース22の差込凹部60が拡大された状態の正面図で示され、
図5には、回路基板50の組付方法(基板組付方法)を説明するための模式図が示されている。なお、
図4(B)は、変形例に係る構成であり、後述する。
【0042】
図4(A)に示されるように、差込凹部60には、その開口側に設けられてモータ26の側に向く面として上側傾斜支持面62が形成されると共に、開口側よりも底側に設けられてモータ26の側とは反対側に向く面として下側傾斜支持面64が形成されている。上側傾斜支持面62及び下側傾斜支持面64は、ともに差込凹部60における開口側から底側へ向けてモータ26の側に傾斜している。上側傾斜支持面62の傾斜方向と下側傾斜支持面64の傾斜方向とは同じ方向に設定されている。
【0043】
図5(A)に示されるように、上側傾斜支持面62は、差込み直後(回動前)の傾倒姿勢50Yの回路基板50の裏面50Bと接触(本実施形態では面接触)する部位とされている。また、下側傾斜支持面64は、差込み直後(回動前)の傾倒姿勢50Yの回路基板50の表面50Aと接触(本実施形態では面接触)する部位とされている。
【0044】
図4(A)に示されるように、差込凹部60には、下側傾斜支持面64の上端から差込凹部60の開口側に向けて立ち上る第一支持部としての上側鉛直支持面66が形成されていると共に、上側傾斜支持面62の下端から差込凹部60の底側に垂下された第二支持部としての下側鉛直支持面68が形成されている。上側鉛直支持面66及び下側鉛直支持面68は、いずれも鉛直面とされ、上下方向を含む面を面方向として配置されている。
【0045】
図5(C)に示されるように、上側鉛直支持面66は、起立姿勢50X(モータベース22に対して起立した組付姿勢)の回路基板50の表面50Aに対してその起立方向に延びて当該表面50Aと接触(本実施形態では面接触)するようになっている。また、下側鉛直支持面68は、起立姿勢50Xの回路基板50の裏面50Bに対してその起立方向に延びて当該裏面50Bと接触(本実施形態では面接触)するようになっている。
【0046】
また、
図5(A)に示されるように、下側鉛直支持面68の上端68Uは、上側鉛直支持面66の下端(支点部70)に対して、差込凹部60に差込まれた回路基板50が最も傾倒する姿勢(傾倒姿勢50Y)での傾倒方向の直交方向に沿った方向(より正確には前記傾倒方向の直交方向に対して略平行であるが極僅かにずれた方向)に対向している。より詳細に説明すると、上側鉛直支持面66の下端(支点部70)を通って回路基板50の傾倒姿勢50Yでの傾倒方向に直交する方向に引いた仮想直線(図示省略)よりも下側鉛直支持面68の上端68Uは極僅かに下方側に設定されている。なお、上述した極僅かなずれは、
図5(A)に示される図のサイズでは殆ど分からない程度のものである。
図4(A)にて下側鉛直支持面68の上端68U及び上側鉛直支持面66の下端(支点部70)の各位置を参照されたい。
【0047】
図5(A)〜
図5(C)に示されるように、差込凹部60の深さ方向中間部には、回路基板50の表面50A側に対向すると共に回路基板50を回動させる場合に回動支点となる支点部70が形成されている。この支点部70は上側鉛直支持面66の下端とされている。
【0048】
図4(A)に示されるように、差込凹部60において支点部70に対向する側の底側には、下側鉛直支持面68の下端に連続して傾斜部72が形成されている。傾斜部72は、回路基板50(
図3参照)を組付ける際の受け面(ガイド面)とされ、差込凹部60における底側から開口側へ向けてモータ26の側とは反対側に傾斜している。
【0049】
図5(A)〜
図5(C)に示されるように、傾斜部72が回路基板50の下端部(一端部)側を支持した状態で支点部70を回動支点として回路基板50を回動させた場合に端子52の先端が端子差込部26Cの高さ位置(高さ位置の範囲内)に維持されるように傾斜部72の勾配が設定されている。すなわち、傾斜部72は、回路基板50を回動させて組付ける際における端子52の上下動(組付軌跡での端子52の上下方向への変位の範囲)を抑えるカムとして機能する。また、傾斜部72の下端と下側傾斜支持面64の下端とは、下方側に湾曲した底面74によって繋がれている。
【0050】
次に、上述した基板組付構造における回路基板50を組付けるための基板組付方法について
図5等を参照しながら説明すると共に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。なお、
図5(A)は第一工程終了時の状態を示し、
図5(B)は第二工程の途中状態を示し、
図5(C)は組付状態(第二工程終了時の状態)を示している。
【0051】
まず、本実施形態の基板組付方法の第一工程では、
図3に示されるように、モータ組付部22Dにモータ26が組付けられた状態で、モータ26の端子差込部26C(
図2参照)の側に回路基板50の表面50A側を向けながら
図5(A)に示されるように回路基板50の下端部(一端部)側を差込凹部60に差込んで回路基板50を傾倒姿勢50Yで配置すると共に端子52の先端を端子差込部26Cの高さ位置(高さ位置の範囲内)に配置する。
【0052】
次の第二工程では、差込凹部60の傾斜部72に回路基板50の下端部(一端部)側を支持させて
図5(A)〜
図5(C)に示されるように支点部70を回動支点として回路基板50を回動させることで、
図5(C)に示されるように回路基板50を起立姿勢50Xにして端子52を端子差込部26Cに差込むと共に回路基板50の表面50Aを上側鉛直支持面66に接触(本実施形態では面接触)させかつ回路基板50の裏面50Bを下側鉛直支持面68に接触(本実施形態では面接触)させる。これにより、回路基板50の組付時における端子52の上下動を抑えつつ回路基板50をその板厚方向にスライドさせずに組付けることができると共に、上側鉛直支持面66及び下側鉛直支持面68によって回路基板50の板厚方向への移動が抑えられて回路基板50が位置決めされる。
【0053】
また、本実施形態では、
図5(A)等に示されるように、下側鉛直支持面68の上端68Uは、上側鉛直支持面66の下端(支点部70)に対して、差込凹部60に差込まれた回路基板50が最も傾倒する姿勢(傾倒姿勢50Y)での傾倒方向の直交方向に沿った方向に対向している。この構成では、上側鉛直支持面66の下端(支点部70)と下側鉛直支持面68の上端68Uとの高さ方向のギャップが抑えられているので、
図5(C)に示される組付け状態の回路基板50の板厚方向の変位が一層効果的に抑えられる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態によれば、回路基板50の組付け性を確保しながら回路基板50を位置決めすることができる。また、回路基板50の組付け後に、回路基板50のがたつき(振動)が抑えられるので、モータ26への外力が抑えられ、モータ26を支持している部分への負荷が抑えられる。
【0055】
また、本実施形態の基板組付構造では、差込凹部60は一対設けられて(
図3参照)回路基板50の一端部側の両サイドが差込まれている。このため、例えば、回路基板の一端部側が全長に亘って差込凹部に差込まれる構成に比べて、軽量化を図ることができる。
【0056】
次に、上記実施形態の変形例について、
図4(B)を用いて説明する。
図4(B)には、上記実施形態の変形例における差込凹部80が正面図で示されている。この図に示されるように、この変形例では、棚部82を備える点で、上記実施形態とは異なる。他の構成は、上記実施形態と実質的に同様の構成となっている。よって、上記実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
【0057】
図4(B)に示されるように、差込凹部80には、傾斜部72の上端と下側鉛直支持面68の下端とを繋ぐ棚部82が形成されている。棚部82は、回路基板50の下端面(一端部側の端面)の一部を下側から支持する。このような変形例によれば、回路基板50の下方側への変位が棚部82によって効果的に抑えられる。
【0058】
なお、上記実施形態では、
図2に示されるように、端子差込部26Cを備える電気部品がモータ26とされているが、端子差込部を備える電気部品は、他の電気部品であってもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、
図5に示される第一支持部としての上側鉛直支持面66が起立姿勢50Xの回路基板50の表面50Aと面接触するようになっているが、上記実施形態の変形例として、第一支持部は、例えばリブ状とされて複数並設されると共に各々が起立姿勢50Xの回路基板50の表面50Aに対してその起立方向に延びて当該表面50Aと線接触するような構成も採り得る。
【0060】
同様に、上記実施形態では、第二支持部としての下側鉛直支持面68が起立姿勢50Xの回路基板50の裏面50Bと面接触するようになっているが、上記実施形態の変形例として、第二支持部は、例えばリブ状とされて複数並設されると共に各々が起立姿勢50Xの回路基板50の裏面50Bに対してその起立方向に延びて当該裏面50Bと線接触するような構成も採り得る。
【0061】
また、上記実施形態では、
図5(A)等に示されるように、第二支持部としての下側鉛直支持面68の上端68Uは、第一支持部としての上側鉛直支持面66の下端(支点部70)に対して、差込凹部60に差込まれた回路基板50が最も傾倒する姿勢(傾倒姿勢50Y)での傾倒方向の直交方向に沿った方向に対向しており、このような構成が好ましいが、第二支持部の上端は、第一支持部の下端に対して、差込凹部に差込まれた基板が最も傾倒する姿勢での傾倒方向の直交方向に沿った方向に対向していなくてもよい。
【0062】
なお、請求項2に記載の「傾倒方向の直交方向に沿った方向に対向」の概念には、傾倒方向の直交方向と完全に一致する方向に対向する場合が含まれる他、上記実施形態のように、(差込凹部60に差込まれた回路基板50が最も傾倒する姿勢での)傾倒方向の直交方向と極僅かにずれた方向に対向しているが前記傾倒方向の直交方向に沿った方向に対向していると把握される場合も含まれる。
【0063】
また、上記実施形態では、モータベース22の差込凹部60が一対設けられ、回路基板50の一端部側である下端部側の両サイドが差込凹部60に差込まれているが、例えば、基板の一端部側が全長に亘って差込凹部に差込まれるような構成も採り得る。
【0064】
また、上記実施形態では、本発明の基板組付構造が
図1等に示される車両用ドアミラー装置10に適用されているが、本発明の基板組付構造は、例えば車両用カメラ装置等のような他の車両用視認装置等に適用されてもよい。
【0065】
なお、上記実施形態及び上述の複数の変形例は、適宜組み合わされて実施可能である。
【0066】
以上、本発明の一例について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。