(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記[1]に記載のように、左右一対のランプユニットを、単一の取付プレートを介してボディに取り付けたものでは、左右のランプユニットの全体的な位置調節を同時的に行い易いものである。しかしながら、ボディに対する単一の取付プレートがその端部近くを支点にして光軸調整を行えるようにしているので、ボディに対する取付プレートの支持箇所のスパンが、左右一対のランプユニットを跨ぐためにかなり広くなり、ボディに対する取付プレートの支持強度を十分に確保し難い虞がある。このため、取付プレート自体の強度を向上させるとともに、ボディに対する支持箇所の強度を向上させる必要があって、全体に大型化し易い傾向がある。
【0005】
上記[2]に記載のように、ランプユニットとランプボディとが直接的に連結される構造のものでは、前照灯全体としての強度をボディのみが担うようになっている。そのため、前照灯全体として高い強度を確保するには、成形面での自由度が高い樹脂成形品で構成されたボディ自体を、高い強度を有する複雑な形状に成形する、あるいは、ボディに補強用の別部材を付加する、などの補強を行う必要があることから、ボディ形状の複雑化や新たな補強部材の付加に起因した製造コストの高騰や構成の複雑化を招くようになっていた。
また、この構造では、各ランプユニット毎のエイミングスクリューと玉継ぎ手による連結位置が、隣り合うランプユニット同士の隣接側端部における二箇所の連結位置と、ランプユニット同士の隣接側端部から離れた部位における一箇所の連結位置とに設定されている。このため、隣り合うランプユニット同士の隣接側端部における二箇所の連結位置は、その連結位置での調節操作等のために所要スペースを確保する必要があって、必然的に、ある程度隣接側端部同士の間隔を大きくして配設する必要がある。
【0006】
本発明は、左右一対の取付プレートを介して左右一対のランプユニットを作業性良く、かつ十分な取付強度を確保しながらコンパクトに取付可能な車両の前照灯取付装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における車両の前照灯取付装置は、光源、リフレクタ、及びレンズ部が備えられたランプユニットを、車両のボンネット前部に取り付けるための車両の前照灯取付装置であって、車両のボンネット前部に配設されたボディ部材と、前記ランプユニットを支持して前記ボディ部材に固定可能な取付プレートと、が備えられ、前記ボディ部材には、前記ボンネットの左右方向で左右一対の前記取付プレートが固定されるとともに、前記取付プレートの夫々に前記ランプユニットが支持され、前記取付プレートに連結支持される前記ランプユニットの連結位置が、前記ランプユニットの光軸周りの三箇所に設定され、左右一対の前記取付プレートの夫々に連結支持された前記ランプユニットのうちの、一方の前記ランプユニットの光軸周りにおける前記連結位置を結ぶ仮想三角形が、他方の前記ランプユニットの光軸周りにおける前記連結位置を結ぶ仮想三角形とは、互いの頂点の向きが逆向きとなる仮想三角形であるように、前記各ランプユニットの光軸周りにおける前記連結位置が設定されているという特徴構成を有している。
【0008】
本発明によれば、ボディ部材にボンネットの左右方向で左右一対の取付プレートが固定され、その取付プレートの夫々にランプユニットが支持されている。したがって、ボディ部材のみで左右一対のランプユニットを支持する場合に比べて、各取付プレートとボディ部材との両者の協働でランプユニットを強固に支持し易い。しかも、取付プレートは単一のもので一対のランプユニットの全体を支持するのではなく、各取付プレートが個別にランプユニットを支持することができるので、ボディ部材に対する各取付プレートの支持箇所におけるスパンは短くして、強固に固定し易い。
そして、上記構成のものでは、一方のランプユニット側の連結位置を結ぶ仮想三角形と他方のランプユニット側の連結位置を結ぶ仮想三角形が、互いの頂点の向きが逆向きとなるように、各ランプユニットの光軸周りにおける連結位置が設定されている。このため、隣り合う位置のランプユニット同士を最大限近接させた状態で夫々の取付プレートに連結しても、隣り合う位置のランプユニット同士の連結位置は、左右方向で比較的離れて位置する状態となり、前照灯全体の小型化を図り易いという利点がある。
【0009】
上記構成において、前記ボディ部材に対する前記取付プレートの固定位置が、前記ランプユニットの光軸周りの三箇所に設定され、前記ボディ部材に対する前記取付プレートの前記固定位置を結ぶ仮想三角形は、前記取付プレートに対する前記ランプユニットの前記連結位置を結ぶ仮想三角形とは、互いの頂点の向きが逆向きとなる仮想三角形であるように、前記各ランプユニットの光軸周りにおける前記固定位置が設定されていると好適である。
【0010】
本構成によれば、ボディ部材と取付プレートとの間においても、ボディ部材に対する取付プレートの固定位置が、ランプユニットの光軸周りの三箇所に設定されている。そして、ボディ部材に対する取付プレートの固定位置を結ぶ仮想三角形は、取付プレートに対するランプユニットの連結位置を結ぶ仮想三角形とは、互いの頂点の向きが逆向きとなる仮想三角形であるように、各固定位置が設定されているので、この固定位置が取付プレートに対するランプユニットの連結位置と干渉することもない。
【0011】
上記構成において、前記取付プレートに対する前記ランプユニットの連結は、前記ボンネットの内方側から螺入可能な連結ボルトによって行われ、前記ボディ部材に対する前記取付プレートの固定は、前記ボンネットの外方側から螺入可能な固定ボルトによって行われていると好適である。
【0012】
本構成によれば、取付プレートに対するランプユニットの連結に関しては、車両への前照灯の組み込み前に予め大まかな光軸調整を行い、その後、前照灯を車両へ組み込む際に、ボディ部材に対する取付プレートの固定を、ボンネットの外方側から螺入可能な固定ボルトによって行うことができる。
したがって、最終的な光軸調整を行いながらの前照灯の取り付けや、保守点検の際の光軸調整作業を、ボンネット外の広い空間からの作業によって効率良く行い易いものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面の記載に基づいて説明する。
尚、本実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載している。つまり、本発明を適用した多目的車両(車両の一例)の作業走行時における前進側の進行方向(
図1における矢印F参照)が「前」、後進側への進行方向(
図1における矢印B参照)が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての右側に相当する方向(
図2における矢印R参照)が「右」、同様に左側に相当する方向(
図2における矢印L参照)が「左」である。
【0015】
〔全体構成〕
図1に示される多目的車両は、荷物の運搬やレクリエーション等の多目的な用途に用いられるものである。この多目的車両には、走行機体の骨組みを形成する車体フレーム1の前部に操向可能な左右一対の前輪1F,1Fが支持され、車体フレーム1の後部には操向不能な左右一対の後輪1R,1Rが支持されている。これらの前輪1F,1F及び後輪1R,1Rには、後述する走行用出力装置から駆動力が伝達可能に構成されている。これによって、多目的作業車は、四輪走行式の四輪駆動車に構成されている。
【0016】
走行機体の前後方向での中間部には、ステアリングホイール11等の操縦操作具を設置したダッシュボード12、及び運転座席13を備えた運転部10が設けられている。
そして、この運転部10を囲むように、ステアリングホイール11の前方側から運転座席13の後方側にわたって、側面視で運転座席13に搭座する運転者の頭上を覆うように保護フレーム14が備えられている。
【0017】
運転部10の後方には、後端側を揺動支点としてダンプ作動する荷台15が配備されており、荷台15の下方には、水冷式のガソリンエンジン(以下、「エンジン30」と略称する)等を備える原動部3が設けられている。
【0018】
原動部3には、前述したエンジン30、ギヤ式変速機構を内装したハウジングに相当するミッションケース31、及びエンジン30の出力軸30aとミッションケース31の入力軸(図示せず)とにわたって巻回されたベルト式無段変速機構32、等が備えられている。これによって、エンジン30から出力される動力が、ベルト式無段変速機構32を介してミッションケース31内のギヤ式変速機構に伝達され、その変速された後に動力が、後輪駆動軸16(動力伝達軸に相当する)を介して、後輪1Rに伝達される。
また、ミッションケース31内で変速された動力は、ミッションケース31の前部から、前輪伝動軸17を介して前輪駆動軸18にも伝達される。
【0019】
〔ボンネット〕
走行機体の機体前部には、運転部10の前部に備えたダッシュボード12の前方に位置するボンネット2が設けられている。
このボンネット2は、車体フレーム1側に固定された下部ボンネット2Aと、その下部ボンネット2Aの上側で揺動開閉可能に設けられた上部ボンネット2Bとを備えている。
下部ボンネット2Aは、走行機体の前部側を覆う前部カバー20と、その前部カバー20の左右両側に連続して走行機体の横側部に位置する側部カバー21,21とを備えている。
上部ボンネット2Bは、前部カバー20及び側部カバー21,21の上側に位置して、後方側を揺動支点として上下揺動開閉可能な開閉カバー22によって構成されている。
このボンネット2の内部空間には、前記原動部3に配置されているエンジン30を冷却するためのラジエータ(図示せず)等が配置されている。
【0020】
図1及び
図2に示されるように、上記の開閉カバー22のうち、前部側に相当する箇所に、開閉カバー22の閉塞姿勢で光軸x1,x2が前方側へ向く前照灯23が設けられている。
前照灯23には、
図5及び
図6に示すように、光源となるバルブ24aと、リフレクタ24bと、レンズ部24cとを備えるランプユニット24が用いられ、このランプユニット24の一対を左右方向に併設して二灯式の前照灯23が構成されている。この二灯式の前照灯23は、開閉カバー22の左右方向における左側端部と右側端部との夫々に設けられ、合計四個のランプユニット24が用いられている。
【0021】
〔前照灯取付装置〕
図2乃至
図6に示すように、前照灯23は、前照灯取付装置4を介して、ボンネット2の前部に取り付けられている。
前照灯取付装置4は、ボンネット2の前部に配設されたボディ部材40と、ランプユニット24を支持してボディ部材40に固定可能な取付プレート41と、ボディ部材40に取付プレート41を固定するための固定具42と、取付プレート41にランプユニット24を支持させるための連結具43と、を備えている。
【0022】
ボディ部材40には、左右一対のランプユニット24を挿通可能な左右一対の開口40a,40aが形成されている。この開口40aは、ランプユニット24における円筒状のレンズ部24cの前部側の外径よりも大きい内径を有し、レンズ部24cの前部側が挿通された状態で、ランプユニット24が取付プレート41に取り付けられる。
左右一対の開口40a,40aは、光源となるバルブ24aの光軸x1,x2と合致する位置に、その開口中心が存在している。つまり、左右一対の開口40a,40aは、左右方向のみならず上下方向でも開口中心が位置ずれしている。具体的には、走行機体の横幅方向で外方側に位置する開口40aが内方側に位置する開口40aよりも高い位置に設けられている。
これによって、左右の開口40a,40aは、左右方向での最大径部分が上下に位置ずれするため、左右方向での最大径部分が同一水平面上に存在する場合よりも、左右の開口40a,40aの開口中心を、左右方向でより近接させて設けることができる。
【0023】
上記の取付プレート41に対するランプユニット24の装着は次のようにして行われる。
図3乃至
図6に示すように、左右一対のランプユニット24,24のうち、左側の光軸x1を有した図中左方のランプユニット24は、取付プレート41に対して、光軸x1周りの三箇所の連結位置a1,a2,a3で連結されている。
この三箇所の連結位置a1,a2,a3を結ぶ二点鎖線で示す仮想三角形D1は、光軸x1のほぼ直上で上部側に位置する連結位置a1が頂点となり、下部側に位置する連結位置a2,a3を結ぶ線分が底辺となる、ほぼ二等辺三角形状に形成されたものである。
各連結位置a1,a2,a3では、リフレクタ24bの背面側から後方に膨出した雌ネジ付きの柱状部43aと、取付プレート41の後方側から差し込んで前記柱状部43aの雌ネジ部に螺合可能な連結ボルト43bとによる連結具43で、取付プレート41にランプユニット24が連結固定されている。
【0024】
左右一対のランプユニット24,24のうち、右側の光軸x2を有した図中右方のランプユニット24は、取付プレート41に対して、光軸x2周りの三箇所の連結位置a1,a2,a3で連結されている。
この三箇所の連結位置a1,a2,a3を結ぶ二点鎖線で示す仮想三角形D2は、光軸x2のほぼ直下で下部側に位置する連結位置a1が下向きの頂点となり、上部側に位置する連結位置a2,a3を結ぶ線分が底辺となる、逆向きのほぼ二等辺三角形状に形成されたものである。
各連結位置a1,a2,a3では、リフレクタ24bの背面側から後方に膨出した雌ネジ付きの柱状部43aと、取付プレート41の後方側から差し込んで前記柱状部43aの雌ネジ部に螺合可能な連結ボルト43bとによる連結具43で、取付プレート41にランプユニット24が連結固定されている。
【0025】
ボディ部材40に対する取付プレート41の装着は次のようにして行われる。
図3乃至
図6に示されるように、左側の光軸x1を有した図中左方のランプユニット24を支持する取付プレート41は、ランプユニット24の光軸x1周りの三箇所の固定位置b1,b2,b3で、ボディ部材40に連結されている。
この三箇所の固定位置b1,b2,b3を結ぶ一点鎖線で示す仮想三角形D3は、光軸x1のほぼ直下で下部側に位置する固定位置b1が下向きの頂点となり、上部側に位置する固定位置b2,b3を結ぶ線分が底辺となる、ほぼ二等辺三角形状となる。したがって、取付プレート41に対するランプユニット24の三箇所の連結位置a1,a2,a3を結ぶ仮想三角形D1とは逆向きに形成されている。
【0026】
各固定位置b1,b2,b3では、取付プレート41の背面側に溶接固定された止めナット42aと、ボディ部材40の前方側からボディ部材40を貫通して差し込み可能な固定ボルト42bとによる固定具42が備えられる。この固定具によって、ボディ部材40の前方側からの固定ボルト42bの係脱操作で、ボディ部材40に対して取付プレート41を連結固定、あるいは固定解除可能に構成されている。
固定ボルト42bの外周部にはコイルスプリング44が外嵌されている。このコイルスプリング44は、ボディ部材40と取付プレート41の間で圧縮状態に介装され、ボディ部材40に対して取付プレート41をコイルスプリング44の付勢力によって弾性的に支持している。
【0027】
図3乃至
図6に示されるように、右側の光軸x2を有した図中右方のランプユニット24を支持する取付プレート41は、ランプユニット24の光軸x2周りの三箇所の固定位置b1,b2,b3で、ボディ部材40に連結されている。
この三箇所の固定位置b1,b2,b3を結ぶ一点鎖線で示す仮想三角形D4は、光軸x2のほぼ直上で上部側に位置する固定位置b1が上向きの頂点となり、下部側に位置する固定位置b2,b3を結ぶ線分が底辺となる、ほぼ二等辺三角形状となる。したがって、光軸x2を有するランプユニット24における仮想三角形D4は、同じ光軸x2を有するランプユニット24の取付プレート41に対する三箇所の連結位置a1,a2,a3を結ぶ仮想三角形D2とは逆向きに形成されている。
【0028】
また、右方のランプユニット24における光軸x2周りの三箇所の固定位置b1,b2,b3は、左方のランプユニット24における光軸x1周りの三箇所の固定位置b1,b2,b3に対しても、頂点となる固定位置b1の位置が、上下で逆向きとなっている。
したがって、光軸x2を有する右方のランプユニット24における仮想三角形D4は、左方のランプユニット24の光軸x1周りの三箇所の固定位置b1,b2,b3を結ぶ仮想三角形D3に対しても、頂点となる固定位置b1の位置が、上下で逆向きとなっている。
【0029】
右方のランプユニット24における光軸x2周りの三箇所の固定位置b1,b2,b3においても、左方のランプユニット24における光軸x1周りの三箇所の固定位置b1,b2,b3と同様に、取付プレート41の背面側に溶接固定された止めナット42aと、ボディ部材40の前方側からボディ部材40を貫通して差し込み可能な固定ボルト42bとによる固定具42が備えられる。
そして、この固定具42においても、固定ボルト42bの外周部にはコイルスプリング44が外嵌され、ボディ部材40と取付プレート41の間で圧縮状態に介装されている。
【0030】
上記のランプユニット24における光軸x1及び光軸x2周りの仮想三角形D1,D2,D3,D4における底辺及び頂点は、本発明では、次のように定義している。
つまり、仮想三角形D1,D2,D3,D4の各辺のうち、左右のランプユニット24の光軸x1と光軸x2を結ぶ線分に対して、平行もしくは最も平行に近い線分に相当する辺を底辺とし、底辺に対向する位置の角部を頂点としている。
したがって、上記の実施形態では、仮想三角形D1における光軸x1周りの連結位置a2,a3を結ぶ線分、及び仮想三角形D2における光軸x2周りの連結位置a2,a3を結ぶ線分が底辺となり、仮想三角形D1における光軸x1周りの連結位置a1、及び仮想三角形D2における光軸x2周りの連結位置a1が頂点となる。
同様に、仮想三角形D3における光軸x1周りの固定位置b2,b3を結ぶ線分、及び仮想三角形D4における光軸x2周りの固定位置b2,b3を結ぶ線分、が底辺となり、仮想三角形D3における光軸x1周りの固定位置b1、及び仮想三角形D4における光軸x2周りの固定位置b1が頂点となる。
【0031】
図示はしないが、仮に、仮想三角形D1,D2,D3,D4の各辺のうち、左右のランプユニット24の光軸x1と光軸x2を結ぶ線分に対して、平行もしくは最も平行に近い線分に相当する辺が一つに特定できない場合には、複数の辺のいずれかを底辺と仮定して、各辺毎に頂点を求め、その向きを判断してもよい。
つまり、一方の光軸x1周りの連結位置a1,a2,a3のうちの、例えば、連結位置a1と連結位置a2とを結ぶ線分を底辺と仮定した場合における仮想三角形D1では、連結位置a3が頂点となる。このとき、他方の光軸x2において対比すべき底辺となる線分は、光軸x1周りの連結位置a1と連結位置a2を結ぶ線分と平行、もしくは最も平行に近い線分、つまり光軸x2周りの連結位置a1と連結位置a2を結ぶ線分となる。したがって、この仮想三角形D2の頂点は連結位置a3となる。
同様に、光軸x1周りの連結位置a2,a3を底辺とした場合における仮想三角形D1では、連結位置a1が頂点となり、光軸x2周りの仮想三角形D2では、連結位置a2と連結位置a3を結ぶ線分が底辺となる。したがって、この仮想三角形D2の頂点は連結位置a1となる。
さらに、光軸x1周りの連結位置a3,a1を底辺とした場合における仮想三角形D1では、連結位置a2が頂点となり、光軸x2周りの仮想三角形D2では、連結位置a3と連結位置a1を結ぶ線分が底辺となる。したがって、この仮想三角形D2の頂点は連結位置a2となる。
【0032】
ボディ部材40と取付プレート41の間における固定位置b1,b2,b3に関しても、光軸x1,x2周りの三箇所における固定位置b1,b2,b3を結ぶ仮想三角形D3,D4における底辺及び頂点の位置は同様に定められる。
つまり、光軸x1周りの固定位置b1,b2を底辺とした場合における仮想三角形D3では、固定位置b3が頂点となり、光軸x2周りの仮想三角形D4では、固定位置b1とb2を結ぶ線分が底辺となる。したがって、この仮想三角形D4の頂点は固定位置b3となる。
同様に、光軸x1周りの固定位置b2,b3を底辺とした場合における仮想三角形D3では、固定位置b1が頂点となり、光軸x2周りの仮想三角形D4では、固定位置b2とb3を結ぶ線分が底辺となる。したがって、この仮想三角形D4の頂点は固定位置b1となる。
さらに、光軸x1周りの固定位置b3,b1を底辺とした場合における仮想三角形D3では、固定位置b2が頂点となり、光軸x2周りの仮想三角形D4では、固定位置b3とb1を結ぶ線分が底辺となる。したがって、この仮想三角形D4の頂点は固定位置b2となる。
【0033】
ボンネット2の前部に設けられる前照灯23は、前照灯取付装置4を介して、ボンネット2の左右両側に設けられている。
図3乃至
図6においては、ボンネット2の左側の前照灯23及び前照灯取付装置4の構造について説明したが、右側の前照灯23及び前照灯取付装置4は、走行機体の前後方向の中心線(図示せず)を境にして左右対称に配置され、左右対称の構造に構成されているので、右側の前照灯23及び前照灯取付装置4については、その説明を省略する。
【0034】
〔別実施形態の1〕
上記実施形態では、ランプユニット24の取付プレート41に対する光軸x1,x2周りの三箇所における連結位置a1,a2,a3を結ぶ仮想三角形D1,D2や、取付プレート41のボディ部材40に対する光軸x1,x2周りの三箇所における固定位置b1,b2,b3を結ぶ仮想三角形D3,D4は、それぞれの頂点が、光軸x1や光軸x2のほぼ直下、あるいはほぼ直上である場合を例示したが、この構造に限られるものではない。
例えば、図示はしないが、仮想三角形D1,D2や仮想三角形D3,D4の頂点が、光軸x1,x2周りで、光軸x1,x2のほぼ直下、あるいはほぼ直上位置から外れた箇所に位置するように設けても良い。
この場合、光軸x1周りの仮想三角形D1と光軸x2周りの仮想三角形D2との間では、互いに頂点の向きが逆であり、光軸x1周りの仮想三角形D3と光軸x2周りの仮想三角形D4との間では、互いに頂点の向きが逆である関係が維持されるように設定されているのが望ましい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0035】
〔別実施形態の2〕
上記実施形態では、二灯式の前照灯23の光源となるバルブ24aとして、左右で同一のものを採用したが、この構造に限定されるものではない。
例えば、一方のバルブ24aを主照明とし、他方のバルブ24aを、フォグランプなどの別機能を有したもので構成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0036】
〔別実施形態の3〕
上記実施形態では、前照灯23を、ボンネット2の揺動開閉可能に設けられた上部ボンネット2Bに設けた構造のものを例示したが、この構造に限定されるものではない。
例えば、前照灯23を、ボンネット2のうち、車体フレーム1側に固定された下部ボンネット2Aの前部に設けたものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。