(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つの締結具は、前記椎骨組織からの当該少なくとも1つの締結具のバックアウトを食い止める及び/又は防止するように前記本体と係合される、請求項1に記載の脊椎インプラント。
前記少なくとも1つの締結具は、前記第1の構成では前記少なくとも1つの開口部内で回転できるようになっている球状頭部を含んでいる、請求項1に記載の脊椎インプラント。
前記本体は前記軸方向スロットを画定している面を含んでおり、前記本体の前記面は前記椎骨組織からの前記少なくとも1つの締結具のバックアウトを食い止める及び/又は防止するように当該少なくとも1つの締結具に係合する、請求項4に記載の脊椎インプラント。
前記少なくとも1つの開口部に配置されていて前記少なくとも1つの締結具を支持するように構成されているクラウン、を更に備えている請求項1に記載の脊椎インプラント。
前記クラウンは、前記本体に固定されるねじの切られた面を含んでいて、前記少なくとも1つの締結具と滑動可能に係合できるようになっている、請求項6に記載の脊椎インプラント。
前記少なくとも1つの開口部は軸を画定しており、前記少なくとも1つの締結具は前記軸に対する0度から25度の範囲内での前記複数の軸方位へ動けるようになっている、請求項1に記載の脊椎インプラント。
前面と後面の間を延びていて、第1の椎骨係合面及び第2の椎骨係合面を含み、前記第1の椎骨係合面が前記第2の椎骨係合面に対して1つ又はそれ以上の椎骨の分節前弯を実現するための選択された角度方位に配置されている本体であって、
椎間板空間を画定している第1の椎骨面と整列して配置される第1の開口部と、椎間板空間を画定している第2の椎骨面と整列して配置される第2の開口部と、を画定している本体と、
前記第1の開口部に配置される頭部と、前記第1の椎骨面に定着されるように構成されているねじの切られたシャフトと、を含む第1の複軸骨ねじ、及び
前記第2の開口部に配置される頭部と、前記第2の椎骨面に定着されるように構成されているねじの切られたシャフトと、を含む第2の複軸骨ねじ、であって、
当該ねじの各々は、当該ねじが前記本体に対して複数の軸方位へ動けるようになっている第1の構成と当該ねじが前記本体に対して固定されている第2の構成の間で、前記本体と係合できるようになっている、第1及び第2の複軸骨ねじと、
前記本体へ接続されている前方プレートとを備え、
前記前方プレートは、当該前方プレートと係合できるようになっていて前記本体に対して複数の軸方位へ動けるようになっている第1の構成と前記本体に対して固定されている第2の構成の間で前記本体に固定されるねじ、を介して前記本体へ接続されている椎体間ケージ。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0030]開示されている外科用システム及び関連の使用方法の例示としての実施形態は、筋骨格障害の治療のための医療装置の観点から、より厳密には可変角度ねじ定着を有する脊椎インプラントを含む外科用システムの観点から論じられている。一部の実施形態では、本開示のシステム及び方法は、例えば、脊椎の頚部領域、胸部領域、腰部領域、及び/又は仙骨領域に係る脊椎関節融合と共に採用されている。一部の実施形態では、本外科用システムは、可変角度ねじ定着を有する脊柱前弯過度ケージを含む脊椎インプラントを備えている。一部の実施形態では、本外科用システムは、完全な経椎弓根的楔状骨切り術(PSO:Pedicle Subtraction Osteotomy)を用いることなく、弯曲を促し脊椎を後方から圧縮するように構成されている脊椎インプラントを含んでいる。一部の実施形態では、本外科用システムは、最後方骨構造の除去のためのスミス・ピータースン骨切り術(Smith-Petersen osteotomy)を含む方法と共に採用されている。
【0009】
[0031]一部の実施形態では、本外科用システムは、バックアウト防止ねじを含む脊椎インプラントを備えている。一部の実施形態では、ねじは、例えば多軸ねじ及び/又は複軸ねじの様な、脊椎インプラントと係合されたときの複数の自由度及び/又は遊びを含んでいる。一部の実施形態では、ねじは、係止され、脊椎の後方圧縮によるバックアウトが起きないようにされる。
【0010】
[0032]一部の実施形態では、本外科用システムは、脊椎に対し選択された前弯曲線を復元するように構成されている脊柱前弯過度楔型ケージを含む脊椎インプラントを備えている。一部の実施形態では、ケージは、ケージを貫いてバックアウト防止ねじと係合するように構成されている開口を含んでいる。一部の実施形態では、挿入時のねじは、やがて前弯の導入をもたらし支援するべく後方の力が加えられるときまでは多軸ねじである。一部の実施形態では、ねじは所定位置へ係止される。一部の実施形態では、ねじは、例えばケージに配置されているスロットに係止される。一部の実施形態では、ねじは、前弯がもたらされるときにスロットの中へ滑り込む頭部を含んでおり、ねじの近位端のねじ部が、ねじ穴の近位側周囲の周りのねじ部又はリッジに係合及び/又は穿通する。一部の実施形態では、ケージは、前弯力が加えられたときのバックアウトを防止するように構成されている多部分ねじ頭部を含んでいる。一部の実施形態では、ケージは骨移植片又は骨誘導性材料を配置させるように構成されている。
【0011】
[0033]一部の実施形態では、本外科用システムは、直接的外側進入椎体間固定術(DLIF:Direct Lateral Interbody Fusion)処置向けに構成されているケージを含む脊椎インプラントを備えている。一部の実施形態では、本外科用システムは2つのねじを利用している。一部の実施形態では、本外科用システムは3つ乃至4つ又はそれ以上のねじを利用している。一部の実施形態では、本外科用システムは、前方進入腰椎椎体間固定術(ALIF:Anterior Lumbar Interbody Fusion)処置向けに構成されているケージを含んでいる。一部の実施形態では、本外科用システムは、L5/S1円板空間についての4度から35度までの範囲内の選択された平均前弯を実現する方法と共に採用されている。一部の実施形態では、本外科用システムは、L5/S1円板空間についての15度の選択された平均前弯を実現する方法と共に採用されている。一部の実施形態では、本外科用システムは、L5椎体についての0度から19度の範囲内の選択された平均前弯を実現する方法と共に採用されている。一部の実施形態では、本外科用システムは、L5椎体についての9度の選択された平均前弯を実現する方法と共に採用されている。一部の実施形態では、本外科用システムは、L4/L5円板空間についての−2度から26度の範囲内の選択された平均前弯を実現する方法と共に採用されている。一部の実施形態では、本外科用システムは、L4/L5円板空間についての12度の選択された平均前弯を実現する方法と共に採用されている。一部の実施形態では、本外科用システムは、椎体についての4度から−14度の範囲内の選択された平均前弯を実現する方法と共に採用されている。一部の実施形態では、本外科用システムは、椎体についての3度の選択された平均前弯を実現する方法と共に採用されている。一部の実施形態では、本外科用システムは、L4/L5円板空間についての40度の選択された平均前弯を実現する方法と共に採用されている。
【0012】
[0034]一部の実施形態では、本外科用システムは、骨粗鬆症の終板へ突入してしまい後方矯正時の前弯増加に縮小を来たすことのないように構成されている脊椎インプラントを含んでいる。一部の実施形態では、本外科用システムは、円板空間からのバックアウト及び/又は追い出しを防止するよう構成されている脊椎インプラントを含んでいる。
【0013】
[0035]一部の実施形態では、本外科用システムは、前弯安定化ケージを含んでいる。一部の実施形態では、本外科用システムは、腰仙移行部にて25度から40度の範囲内で前弯を実現する及び/又は増加させる方法と共に採用されている。一部の実施形態では、ケージはバックアウトを防止するように構成されている。一部の実施形態では、本外科用システムは、後方椎弓根ねじの挿入中に前弯を矯正する脊椎辷り症処置を含む方法と共に採用される椎弓根ねじを含んでいる。
【0014】
[0036]一部の実施形態では、本外科用システムは、脊柱前弯ケージを含んでいる。一部の実施形態では、本外科用システムは、1つ又はそれ以上の自己保持式非係止型多軸ねじを含んでいる。一部の実施形態では、ねじはケージへ係止され、スイベル旋回するように配置構成される。一部の実施形態では、本外科用システムは、ねじがクラウンを含んでおり、ねじの当該クラウンがケージ内に係止されている状態でねじがバックアウトを防止しながらも角度的な運動を許容するように配置構成される、という様な方法と共に採用されている。一部の実施形態では、本外科用システムは、後方の手術及び圧縮中に前弯が増加し且つねじがケージからバックアウトしない、という様な方法と共に採用されている。一部の実施形態では、外科用システムは、後方圧縮時にねじを水平の向きに配置させ前弯を増加させてゆくとバックアウトが防止されることになる、という様な方法と共に採用されている。
【0015】
[0037]一部の実施形態では、本外科用システムは、係止され固定されるねじを含む脊椎インプラントを含んでいる。一部の実施形態では、本外科用システムは、後方からの脊柱前弯の矯正を可能にさせるねじを含む脊椎インプラントを含んでいる。一部の実施形態では、本外科用システムは、前弯を25度へ実現する及び/又は増加させる方法と共に採用されている。一部の実施形態では、本外科用システムは、25度から30度の範囲で前弯を実現する及び/又は増加させる方法と共に採用されている。一部の実施形態では、本外科用システムは、2部分から成る多軸非係止型ねじを含む脊椎インプラントを含んでいる。一部の実施形態では、脊椎インプラントは、ケージに係止されるようにケージの金属部分にねじ込まれるクラウンを有する部分を含んでいる。一部の実施形態では、脊椎インプラントは、クラウン内に保持され1つ又は複数の方向への25度の運動自由度を持つ球状多軸ねじ頭部を有する部分を含んでいる。一部の実施形態では、ねじは締められたときに脊椎インプラントからバックアウトしないように封鎖され及び/又は食い止められ及び/又は防止される。一部の実施形態では、スクリュードライバーが、ねじに係合するための部分とクラウンに係合するための部分を含む二重機構を有している。一部の実施形態では、ねじは星形頭部及び八角形部分と係合するように構成されている。
【0016】
[0038]一部の実施形態では、本外科用システムは、多軸非係止型ねじ又は単軸係止型ねじを含んでいる。一部の実施形態では、本外科用システムは、前弯が実現されそれ以上の前弯が所望されないなら係止型ねじの使用を許容する脊椎インプラントを含んでいる。一部の実施形態では、本外科用システムは、前弯を緩やかに増加させてゆく場合には第1の係止型ねじと第2の多軸ねじの使用を許容する。一部の実施形態では、前弯を最大化する場合、後方進入法ではどちらのねじも多軸である。一部の実施形態では、ねじの頭部は直径約7ミリメートル(mm)から約8mmである。一部の実施形態では、ねじのシャフトは約5mm又は6mmである。一部の実施形態では、ねじはセルフタッピング式多軸ねじである。一部の実施形態では、ねじは、ケージに係止されるように構成されている係止式ねじ部面を含んでいる。
【0017】
[0039]一部の実施形態では、本外科用システムは、自己保持式非係止型多軸ねじを含んでいる。一部の実施形態では、ねじはケージと一体に係止されるように構成されている金属のねじ部を含んでいる。一部の実施形態では、ねじは多軸ねじを係止するためにセルフタッピング式及びセルフドリリング式である。一部の実施形態では、本外科用システムは、例えばねじ用に六角形そしてクラウン用に星様という様に2部分又は2先端を有するねじドライバーを含んでいる。一部の実施形態では、ねじドライバーは、クラウンの中へ係止されるねじの切られた部分を備えている。
【0018】
[0040]一部の実施形態では、本外科用システムは、後方進入法の間に前弯を増加させるのに利用される多軸ねじ及び/又は単軸ねじを含んでいる。一部の実施形態では、本外科用システムは、バックアウトするのを防止するべくねじを封鎖する及び/又は係止するように構成されているキャップを含んでいる。一部の実施形態では、後方手術が必須でないなら単軸の係止式及び封鎖式のねじが使用される。
【0019】
[0041]一部の実施形態では、本外科用システムは、前方窓を有するケージを含んでいる。一部の実施形態では、窓は、ケージが組織と一体に挿入された際の骨移植片の追加充填を許容する。一部の実施形態では、本外科用システムは、ケージをL4/L5椎骨レベルに植え込む段階であって、一番下のねじが左へオフセットされ一番上のねじが右へオフセットされるような具合に植え込む段階を含んでいる。一部の実施形態では各ねじが僅かにオフセットされている。一部の実施形態では、ねじは収束する向きに配置されている。一部の実施形態では、より広いねじが仙骨S1の中へ挿入され、より短いねじが腰椎L5の中へ挿入される。
【0020】
[0042]一部の実施形態では、本外科用システムは、ケージが組織に挿入されたら骨を充填しそれによりケージ挿入時の骨移植片の損失が起こらないようにするための前方窓を、ねじに隣接して配置させているケージを含んでいる。一部の実施形態では、骨移植片材料は、骨移植片材料を前方窓を通してケージの中へ押し込めることによって、ケージの中へ、そして円板空間の中へ充填することができる。一部の実施形態では、本外科用システムは、椎弓根ねじの挿入を併用するスミス・ピータースン骨切り術を含む方法と共に採用されている。一部の実施形態では、ねじは、長さ約30mmであり、約4.5mmから約5mmの直径を有している。一部の実施形態では、約25度の前弯が実現される。
【0021】
[0043]一部の実施形態では、本外科用システムは、骨移植片のための室を含むケージを含んでいる。一部の実施形態では、ケージは、骨移植片のための複数の室を含んでいる。一部の実施形態では、ケージの外表面は、刻み付き又はスパイク付きである。一部の実施形態では、ケージは、例えば、後方可動性の様なねじの可動性のための室を備えている。一部の実施形態では、多軸ねじが室の中へ挿入される。一部の実施形態では、ケージは、長さ約26mm、幅約30mmから約38mmである。一部の実施形態では、室は、幅約8mmから約9mmである。一部の実施形態では、ねじのための室は約6mmである。一部の実施形態では、ケージの外表面は追い出しを予防するために歯付きである。一部の実施形態では、数本の多軸ねじがケージと共に提供されている。一部の実施形態では、4本の多軸ねじがL5/S1椎骨レベルのためのケージと共に使用されている。一部の実施形態では、ケージは組織に関し外側方から挿入されるねじを含んでいる。一部の実施形態では、4本のねじが後方進入法のためのケージと共に使用されている。一部の実施形態では、4本のねじが椎体間インプラントと共に使用されている。一部の実施形態では、腰部L4/5椎骨レベル、及び、頚部、胸部、及び腰部の椎骨レベルを含む他の椎骨レベルでは、より小さい多軸ねじが提供されている。一部の実施形態では、右への二股の解離を回避するためにケージのねじ穴には外側方から挿入することができる。一部の実施形態では、前弯を増加させたいとの所望に依存して単軸ねじ又は多軸ねじを挿入することができる。
【0022】
[0044]一部の実施形態では、本外科用システムは、頚椎用途を含む方法と共に採用されている。一部の実施形態では、本外科用システムは、ねじの切られたステップボルトねじ機構をその真ん中に備える頚部インプラントを含んでいる。一部の実施形態では、外科用システムは、複数の多軸ねじを有する頚部インプラントを含んでいる。一部の実施形態では、頚部インプラントは、ステップボルトねじのためのねじの切られた機構を含んでいる。
【0023】
[0045]一部の実施形態では、頚椎用途は、多軸ねじと、前方プレートシステムと一体で前弯を増加させるねじの切られたステップボルトねじ機構と、を備えている。一部の実施形態では、本外科用システムは、ステップボルトねじが脊椎を頚部プレートへ進ませる及び引き付けるためのねじの切られた機構をその真ん中に有する頚部ケージを含んでいる。一部の実施形態では、頚部ケージは、長さ約7mm、幅約15mmである。一部の実施形態では、ねじは幅約3.5mmである。一部の実施形態では、ねじの切られたステップボルトねじ機構は、約3mmのねじ部を有している。一部の実施形態では、ねじの切られたステップボルトねじ機構で使用するために7mmのスペーサーが提供されている。一部の実施形態では、ねじは長さ約30mmである。
【0024】
[0046]一部の実施形態では、本外科用システムは、ケージとプレートを含む独立型の器械を用いての頚椎後弯変形の矯正を含む方法と共に採用されている。一部の実施形態では、外科用システムは、ステップボルトねじと、標準的な頚部骨ねじと、前方プレートと、を含んでいる。一部の実施形態では、本外科用システムは、後弯頚椎の前弯頚椎への矯正を含む方法であって、自由に動けるが係止型の多軸ねじとステップボルトねじとを含んでいる前弯構成のインプラントが採用される、という様な方法と共に採用されている。
【0025】
[0047]一部の実施形態では、頚部ケージは、約17mmの幅を有していて、前方円板空間の形状に適合するように収束している。一部の実施形態では、ケージの頂部及び底部は、追い出しを防止するために刻み付きである。一部の実施形態では、ケージは、5度の増分を含む前弯を有している。一部の実施形態では、ステップボルト機構は、プレートを設置する場合及びステップボルトねじをプレートからプレートのねじの切られた内腔孔へ挿入する場合の公差を許容するように各方向に30度の運動自由度を有する多軸機構である。一部の実施形態では、頚部ケージは、頚椎での独立型ケージとして使用することができる。一部の実施形態では、単軸係止型ねじが採用されている。一部の実施形態では、融合を促進しケージの追い出しを防ぐべく隣接する終板内へのケージの少量の沈降を許容するために非係止型の多軸ねじが提供されている。一部の実施形態では、ケージは、追加の前弯を提供する後方脊椎インストルメンテーションと共に利用されている。
【0026】
[0048]一部の実施形態では、本外科用システムは、多軸ステップボルト機構の挿入を容易にするための細い頚部プレートを含んでいて、ケージの多軸ねじについて、後湾の整復がそれらのねじの多軸特性を使用した後の係止させる段階での伸張を許容する。一部の実施形態では、プレートは、椎骨間の細い部分と、前記椎骨レベルでの椎骨毎に2本のねじの挿入を可能させる広い部分と、を含んでいる。一部の実施形態では、各ねじについてねじのバックアウトを防止するように構成されている係止機構又は追い出し防止機構が提供されている。
【0027】
[0049]一部の実施形態では、本システム及び方法は腰部術式と共に採用されている。一部の実施形態では、患者は手術室(OR)の台の上で腰椎一面に台の放射線透過性部分がくるようにして仰臥位に位置決めされる。一部の実施形態では、ケージは骨移植片材料及び/又は骨強化剤で満たされる。一部の実施形態では、ケージが挿入されたら、OR台は腰椎の前弯を増加させるように向きを定められる。一部の実施形態では、Cアーム蛍光透視法で終板が接触していれば係止式ねじが挿入される。一部の実施形態では、終板が組織と面一接触になければ、後方圧縮中及び骨切り術中の更なる前弯を可能にさせるために多軸ねじが挿入される。一部の実施形態では、ひとたびケージが挿入されたら、追加の骨移植片を前方窓を通して挿入しケージの内部を一杯にし、骨が円板空間の中へ満ち溢れるようにすることもできる。一部の実施形態では、後方進入法が分節の後方圧縮と共に利用されて分節前弯を増加させる。一部の実施形態では、椎骨分節のスミス・ピータースン骨切り術を採用して前弯を実現させることもできる。一部の実施形態では、椎骨の前額面上の旋回が非係止型多軸ねじによって円滑化される。一部の実施形態では、ケージは多軸ねじによりバックアウトが防止される。
【0028】
[0050]一部の実施形態では、本外科用システムは、13度の前弯を実現するように20mmの高さを前部分に13mmの高さを後部分に含んでいる10度スペーサーを備える脊椎インプラントを含んでいる。一部の実施形態では、本外科用システムは、14度の前弯を実現するように20mmの高さを前部分に10mmの高さを後部分に含んでいる28度スペーサーを備える脊椎インプラントを含んでおり、後方には骨接触の無いギャップを存在させている。一部の実施形態では、前弯を24度へ増加させるために後部の圧縮が提供される。
【0029】
[0051]一部の実施形態では、本外科用システムは、多軸的運動自由度を維持しながらもバックアウトを防止する封鎖式ねじを含んでいる。一部の実施形態では、提供されている本システム及び方法は、腰部L3/L4レベルでスミス・ピータースン骨切り術と共に利用することができる。一部の実施形態では、本システム及び方法は、3つの椎骨レベルについて全体としての約30度から60度の前弯を実現することができる。
【0030】
[0052]一部の実施形態では、本外科用システムは、骨の終板とケージの上部分及び下部分との間に接触を実現するうえでの更なる後方圧縮のための椎弓根切除を含んでいる方法と共に採用されている。一部の実施形態では、ケージの前方窓は、ケージが挿入された後に、融合を実現するように詰められる追加の骨移植片材料の設置を可能にさせる。一部の実施形態では、本外科用システムは、後方進入椎間板切除術及び更なる後方圧縮を提供する経椎間孔的腰椎椎体間固定術(TLIF:Transforaminal Lumbar Interbody Fusion)手法を含む方法と共に採用されている。一部の実施形態では、本システム及び方法は約30度の矯正を提供する。
【0031】
[0053]本開示は、次に続く実施形態の詳細な説明をこの開示の一部を形成する添付図面各図と関連付けて考察することによってより容易に理解されるであろう。本願は、ここに説明及び/又は図示されている特定の装置、方法、条件、又はパラメータに限定されるものではなく、またここに使用されている用語は、特定の実施形態を単に一例として説明するのが目的であって、限定を課すことを意図するものではないことを理解されたい。更に、一部の実施形態では、付随の特許請求の範囲を含め明細書での使用に際し、原文の単数形「a」、「an」、及び「the」の対訳である「一」、「或る」、及び「当該」は複数形を含み、特定の数値への言及は、文脈により別途明白に指示されていない限り、少なくとも当該の特定の値を含む。範囲は、ここでは、「約」又は「大凡」に1つの特定値から、及び/又は「約」又は「大凡」に別の特定値まで、として表されていることがある。その様な範囲が表されているとき、別の実施形態は、当該一方の特定値から、及び/又は当該他方の特定値まで、を含んでいる。同様に、値が、先行詞「約」の使用によって近似として表されているとき、当該特定の値は別の実施形態を形成するものと理解しておきたい。更に、例えば、水平、垂直、上、上側、下側、下、左、及び右の様な全ての空間参照は、例示のみが目的であり、本開示の範囲内で変わり得るものと理解している。例えば、「上側」及び「下側」という参照は、相対であり、他方に対してという文脈でしか使用されず、必ずしも「上位」及び「下位」であるとは限らない。
【0032】
[0054]付随の特許請求の範囲を含め明細書での使用に際し、疾患又は病態を「治療する」又は疾患又は病態の「治療」とは、疾患又は病態の徴候又は症状を緩和しようとして、1つ又はそれ以上の薬物を患者(普通はヒト、或いはそれ以外に他の哺乳類)へ投与すること、植え込み式装置を採用すること、及び/又は、疾患を治療する器械、例えば膨れている部分即ちヘルニアを生じている円板及び/又は骨棘を除去するのに使用される顕微鏡下椎間板切除術(micro discectomy)器械の様な器械を採用すること、を含み得る処置を施行することをいう。緩和は、疾患又は病態の徴候又は症状が現われる前に起こることもあれば、それらの出現後に起こることもある。而して、治療する又は治療は、疾患又は望ましからざる病態を予防すること又は疾患又は望ましからざる病態の予防(例えば、疾患が当該疾患に罹りやすいかもしれないがまだそれに罹っていると診断されていない患者に起こるのを予防すること)を含む。加えて、治療する又は治療は、徴候又は症状の完全緩和を要件とするのでもなければ、治癒を要件とするのでもなく、具体的には、患者への限界効果しかない処置を含む。治療には、疾患を抑制することであって例えばその発症を停止させること、又は疾患を軽減することであって例えば疾患の退行を引き起こすこと、を含めることができる。例えば、治療は、急性又は慢性の炎症を低減すること、疼痛の緩和と沈静化及び新しい靭帯、骨、又は他の組織の再成長を誘導すること、手術時の補助として、及び/又は何らかの修復処置、を含み得る。更に、付随の特許請求の範囲を含め明細書での使用に際し、「組織」という用語は、別途特に言及されていない限り、軟組織、筋肉、靭帯、腱、軟骨、及び/又は骨、を含む。
【0033】
[0055]次に続く論考は、本開示の原理による外科用システム及び当該外科用システムを採用する関連の方法の説明を含んでいる。代わりの実施形態も開示されている。添付図に示されている本開示の例示としての実施形態を詳細に参照してゆく。
図1−
図10を見ると、例えば脊椎インプラントシステム10の様な外科用システムの構成要素が描かれている。
【0034】
[0056]脊椎インプラントシステム10の構成要素は、金属、合成ポリマー、セラミックス及び骨材料、及び/又はそれらの複合材を含め、医療用途に適した生物学的に受容され得る材料から製作することができる。例えば、脊椎インプラントシステム10の構成要素は、個別的に又は集合的に、ステンレス鋼合金、商業用純チタン、チタン合金、5等級チタン、超弾性チタン合金、コバルト−クロム合金、ステンレス鋼合金、超弾性金属系合金(例えば、ニチノール、GUM METAL(登録商標)の様な超弾塑性金属)、リン酸カルシウムの様なセラミックス及びその複合材(例えば、SKELITE(商標))、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、及びポリエーテルケトン(PEK)、を含む芳香族ポリエーテルケトン(PAEK)の様な熱可塑性プラスチック、炭素−PEEK複合材、PEEK−BaSO
4ポリマーゴム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、織物、シリコン、ポリウレタン、シリコン−ポリウレタンコポリマー、ポリマーゴム、ポリオレフィンゴム、ヒドロゲル、半剛性及び剛性材料、エラストマー、ゴム、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、エラストマー複合材、ポリフェニレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレン、エポキシ、を含む剛性ポリマー、自家移植片、同種移植片、異種移植片、又は遺伝子組み換え皮質骨及び/又は皮質海綿骨、を含む骨材料、及び組織成長又は分化因子、即ち、一部分解吸収性材料として、例えば、金属とカルシウムを基材とするセラミックスとの複合材、PEEKとカルシウムを基材とするセラミックスとの複合材、PEEKと分解吸収性ポリマーとの複合材、など、全分解吸収性材料として、例えば、ヒドロキシアパタイト(HA)、サンゴHA、二相系リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、又はフルオロアパタイト、の様なリン酸カルシウム、トリリン酸カルシウム(TCP)、HA−TCP、硫酸カルシウム、の様なカルシウムを基材とするセラミックス、など、又は他の分解吸収性ポリマーとして、ポリラクチド(polyaetide)、ポリグリコリド、ポリチロシンカーボネート、ポリカプロラクトン(polycaroplaetohe)、及びそれらの組合せ、など、生体適合性セラミックス、石灰化コラーゲン、生体活性ガラス、多孔質金属、骨粒子、骨繊維、小分割骨チップ(morselized bone chips)、骨形成タンパク質(BMP)として、例えば、BMP−2、BMP−4、BMP−7、rhBMP−2、又はrhMBP−7、など、脱灰骨基質(DBM)、形質転換成長因子(TGF、例えばTGF−β)、骨芽細胞、成長及び分化因子(GDF)、インスリン様成長因子1、血小板由来成長因子、繊維芽細胞増殖因子、又はそれらの何れかの組合せ、の様な材料から製作することができる。
【0035】
[0057]脊椎インプラントシステム10の様々な構成要素は、強度、剛性、弾性、伸展性、生体力学的性能、耐久性、及びX線透過性、又は画像化選好の様な、様々な所望の特性を実現するために上記材料を含む材料複合材を有していてもよい。脊椎インプラントシステム10の構成要素は、個別的に又は集合的に、更に、上述の材料の2つ又はそれ以上から成る組合せの様な混成材料から製作されていてもよい。脊椎インプラントシステム10の構成要素は、モノリシックに形成されていてもよいし、一体に接続されていてもよいし、又はここに説明されている様に締結用の要素及び/又は器械を含んでいてもよい。1つの実施形態では、脊椎インプラントは、ここに説明されている様に、実質的にチタンの様な生体適合性金属で形成されていて、HAの様な骨成長促進材料で選択的に被覆されていてもよい。1つの実施形態では、脊椎インプラントは、ここに説明されている様に、実質的にPEEKの様な生体適合性ポリマーで形成されていて、チタンの様な生体適合性金属又はHAの様な骨成長促進材料で選択的に被覆されていてもよい。一部の実施形態では、チタンを脊椎インプラントの表面へプラズマ噴霧して脊椎インプラントのX線シグネチャを修正するようにしてもよいし、及び/又はチタンの多孔質又は半多孔質被覆の適用によって脊椎インプラントへの骨のオングロース(ongrowth)を改善するようにしてもよい。
【0036】
[0058]脊椎インプラントシステム10は、インストルメンテーション及び/又は脊椎インプラント、例えば、一例として
図1に示されている椎体間ケージ12の様な椎体間インプラントを、患者の身体内の例えば椎骨Vを含んでいる手術部位に、送達及び導入するために、例えば、皮下的手技、小切開開放性手術(mini-open surgery)手技、及び/又は開放性手術手技、を含む低侵襲性処置と共に採用することができる。一部の実施形態では、脊椎インプラント10は、1つ又はそれ以上の骨締結具、例えばここに説明されている骨ねじ、脊椎ロッド、テザー、コネクタ、プレート、及び/又は器械など、を含む脊椎構築物を含むことができる。一部の実施形態では、脊椎インプラントシステム10は、矯正及び融合されるべき椎骨Vの脊椎分節に、整合する測定された前弯を実現するために、及び/又は後弯の誘発を食い止める及び/又は防止するために、採用されている。一部の実施形態では、脊椎インプラントシステム10は、椎骨Vの椎骨終板の強度特性を利用して沈降及び後弯を食い止める及び/又は防止するために採用されている。
【0037】
[0059]椎体間ケージ12は、前面14と後面16の間を延びている本体13を含んでいる。前面14は、身体の前方側を向くように構成されていて、例えば椎骨VのL5−S1椎間空間を含んでいる腰椎の前方部分A1の様な、椎骨の前方部分に隣接して配置されるように構成されている。後面16は、患者身体の後方側を向くように構成されていて、例えばL5−S1椎間空間の後方部分P1の様な、椎骨の後方部分に隣接して配置されるように構成されている。
【0038】
[0060]椎体間ケージ12は、椎骨係合面18及び椎骨係合面20を含んでいる。
図1及び
図5−
図8に示されている様に、面18は、実質的に平面状であり、例えばL5椎体の終板E1の様な、椎体の終板組織に係合するように構成されている。面20は、例えばS1椎体の終板E2の様な、椎体の終板組織に係合するように構成されている。一部の実施形態では、面18、20は歯を含んでいてもよい。一部の実施形態では、面18、20は、組織との係合を実現し易くするように、粗い、肌理のある、多孔、半多孔、窪み付き、刻み付き、歯付き、溝付き、及び/又は研磨処理された面であってもよい。一部の実施形態では、椎骨組織は、椎体間組織、終板面、及び/又は皮質骨を含む場合もある。
【0039】
[0061]面18は、楔形構成の椎体間ケージ12を形成するように面20に対して選択された角度方位αに配置されている。一部の実施形態では、この構成の椎体間ケージ12は、ここに説明されている様に、1つ又はそれ以上の椎骨の分節前弯を実現する。一部の実施形態では、角度αは−2度から26度の範囲を含んでいる。一部の実施形態では、角度αは12度を含んでいる。一部の実施形態では、角度αは4度から−14度の範囲を含んでいる。一部の実施形態では、角度αは3度を含んでいる。一部の実施形態では、角度αは40度を含んでいる。
【0040】
[0062]椎体間ケージ12は、椎体間ケージ12に沿って前方に配置されている面22を含んでいる。面22は、
図1及び
図6に示されている様に例えば軸方向スロット30の様な開口部の一部分を画定している。スロット30は、面22と面18の間を延びていて、面18の一部分を含んでいる。スロット30は、本体13の長手方向軸を横断して延びていて、組織との定着に向け椎骨L5と整列して配置される。
【0041】
[0063]スロット30は、ここに説明されている様に例えば骨ねじ32の様な骨締結具を配置させるように構成されている。脊椎インプラントシステム10は、ここに説明されている様に、椎体間ケージ12を組織と付着させるための、
図2に示されている1つ又はそれ以上の骨ねじ32を含んでいる。骨ねじ32は、例えば球状頭部50の様な部分と、組織を穿通するように構成されている例えば細長いねじの切られたシャフト52の様な部分と、を備えている。骨ねじ32は、骨ねじ32が椎体間ケージ12に対して、ここに記載の軸A2、A3に対する角度範囲β1、β2内の1つ又は複数の軸方位へ動けるようになっている第1の構成と、骨ねじ32が椎体間ケージ12に対して固定されている第2の構成との間で、椎体間ケージ12と係合できる。
【0042】
[0064]頭部50は、
図3に示されている様に、手術器械56を係合させるように構成されている係合部分54を含んでいる。シャフト52は、円筒状断面構成を有していて、外ねじ形態を有する外表面を含んでいる。一部の実施形態では、外ねじ形態は、一巻きだけのねじ部を含んでいてもよいし、複数の個別のねじ部を含んでいてもよい。一部の実施形態では、シャフト上には、シャフトと例えば椎骨の様な組織との係合を実現し易くするための他の係合構造、例えば、釘構成、逆棘、展開式要素、隆起状要素、及び/又はスパイクなど、が設けられていてもよい。
【0043】
[0065]一部の実施形態では、シャフト52の全部又は一部分のみが、例えば、楕円形、長円形、三角形、方形、多角形、不規則、均一、不均一、オフセット、互い違い、波状、弓状、可変、及び/又は先細の様な、代わりの断面構成を有していてもよい。一部の実施形態では、シャフト52の外表面は1つ又は複数の開口部を含んでいてもよい。一部の実施形態では、シャフト52の外表面の全部又は一部分のみが、例えば平滑の様な代わりの表面構成を有していてもよく、及び/又は組織との定着を強化するための、例えば、粗い、弓状、波状、多孔、半多孔、窪み付き、研磨処理された、及び/又は肌理のあるという様な表面構成を有していてもよい。一部の実施形態では、シャフト52の全部又は一部分のみはカニューレ型であってもよい。
【0044】
[0066]スロット30は、面18に対して横断構成に延びていて、軸A2を画定している。一部の実施形態では、スロット30は、軸A2に対するβ1の角度範囲内での1つ又は複数の軸方位への骨ねじ32の運動を実現し易くする。一部の実施形態では、骨ねじ32は、スロット30に配置され、骨ねじ32が本体13から延びる複軸及び/又は多軸締結具を構成するように本体13と係合できる。
【0045】
[0067]一部の実施形態では、スロット30の一部分は、ねじの切られた部分34を含んでいる。部分34は、例えばクラウン36の様な部材と係合するように構成されている。クラウン36は骨ねじ32を支持するように構成されている。一部の実施形態では、骨ねじ32は、クラウン36及び/又はスロット30を画定している面に滑動可能に係合し、及び/又はクラウン36及び/又はスロット30を画定している面に対し並進運動する。一部の実施形態では、骨ねじ32は、軸A2及びクラウン36に対するβ1の角度範囲内での1つ又は複数の軸方位へ動ける及び/又は回転できる。一部の実施形態では、骨ねじ32は組織及び/又は本体13からの骨ねじ32のバックアウトを食い止める及び/又は防止するようにクラウン36に当接する及び/又は摩擦係合する。
【0046】
[0068]面22は、
図5に示されている様に例えば軸方向スロット40の様な開口部の一部分を画定している。スロット40は、面22と面20の間を延びていて、面20の一部分を含んでいる。スロット30は、組織との定着に向け椎骨S1と整列して配置される。
【0047】
[0069]スロット40は、ここに説明されている様に骨ねじ32を配置させるように構成されている。スロット40は、面20に対して横断構成に延びていて、軸A3を画定している。一部の実施形態では、スロット40は、軸A3に対するβ2の角度範囲内での1つ又は複数の軸方位への骨ねじ32の運動を容易にする。一部の実施形態では、骨ねじ32は、スロット40に配置され、骨ねじ32が本体13から延びる複軸及び/又は多軸締結具を構成するように本体13と係合できる。一部の実施形態では、スロット40に配置される骨ねじ32は、スロット30に配置されている骨ねじ32に対比して代わりの構成であってもよいし、及び/又は、スロット30に配置される骨ねじ32に対比して代わりの運動性能又は回転性能を備えていてもよい。
【0048】
[0070]一部の実施形態では、スロット40部分はねじの切られた部分44を含んでいる。部分44は、ここに説明されている様にクラウン36と係合するように構成されている。クラウン36はスロット40に配置された骨ねじ32を支持するように構成されている。一部の実施形態では、骨ねじ32は、スロット40に配置されたクラウン36及び/又はスロット40を画定している面に滑動可能に係合し、及び/又はスロット40に配置されたクラウン36及び/又はスロット40を画定している面に対して並進運動する。一部の実施形態では、骨ねじ32は、軸A3及びスロット40と一体に配置されたクラウン36に対するβ2の角度範囲内での1つ又は複数の軸方位へ動く及び/又は回転する。一部の実施形態では、骨ねじ32は、スロット40に配置された骨ねじ32の組織及び/又は本体13からのバックアウトを食い止める及び/又は防止するようにスロット40に配置されたクラウン36に当接する及び/又は摩擦係合する。
【0049】
[0071]クラウン36は、スロット30、40それぞれに配置されるように構成されていて、部分34、44と係合可能である。クラウン36は、
図4に示されている様に面62及び面64を有する壁60を含んでいる。面62は、スロット30、40との係合を容易にするようにねじが切られている。面64は、例えば周方向フランジ66の様な突出部を画定している。フランジ66は、頭部50を保持し自己保持式非係止型複軸又は多軸ねじを形成する骨ねじ32の回転を容易にするように構成されている。一部の実施形態では、骨ねじ32は、ねじ32が椎体間ケージ12に対する複数の軸方位β1、β2内での運動を維持しながらもバックアウトすることのないようにクラウン36に係止される向きに配置構成される。一部の実施形態では、骨ねじ32は、ねじ32が角度の付いた運動を許容し椎体間ケージ12に対する複数の軸方位β1、β2内での運動を維持しながらもバックアウトすることのないようにクラウン36に係止される向きに配置構成される。
【0050】
[0072]一部の実施形態では、面64は、第1の構成では
図4の矢印Cにより示されている様にクラウン36内で椎体間ケージ12に対する複数の軸方位β1、β2内での頭部50の回転を容易にするように平滑である。骨ねじ32が回転する際、頭部50は面64と頭部50の間の摩擦嵌めを図って面64に係合し、骨ねじ32を椎体間ケージ12に対して固定する第2の構成へと入ってゆく。一部の実施形態では、面64の全部又は一部分のみが、頭部50との定着を強化するために、例えば、粗い、弓状、波状、多孔、半多孔、窪み付き、研磨処理された、及び/又は肌理のあるという様な、代わりの表面構成を有していてもよい。
【0051】
[0073]一部の実施形態では、スロット40は外側方向にオフセットされ、スロット30は対側方向にオフセットされている。一部の実施形態では、スロット30、40は僅かにオフセットされている。一部の実施形態では、スロット30、40は、収束する向きに配置されている。
【0052】
[0074]一部の実施形態では、例えば
図10に示されている様に、脊椎インプラントシステム10は、椎体間ケージ12と同様の椎体間ケージ12aであって、骨移植片(図示せず)を及び/又は定着又は融合治療で採用するためのここに記載の材料を含み得る作用物質を受け入れる構成の開口部を画定している面を含む椎体間ケージ12a、を含んでいる。一部の実施形態では、椎体間ケージ12aの断面幾何学形状は、例えば、円形、楕円形、長円形、三角形、平面状又は弓状の辺部分を有する多角形、不規則、均一、不均一、一定、可変、馬蹄形、U字形、又はそら豆形の様な、様々な構成を有することができる。一部の実施形態では、椎体間ケージ12aは、1つ又はそれ以上の前方窓29aを含んでいる。一部の実施形態では、窓29aは、椎体間ケージ12aが組織に挿入された際の骨移植片の追加充填を可能にさせる。
【0053】
[0075]一部の実施形態では、骨ねじ32は、例えば、直列、並列、オフセット、互い違い、及び/又は代わりの椎骨レベルの様な、様々な配置向きに組織と係合させることができる。一部の実施形態では、1つ又はそれ以上の骨ねじ32は、複軸ねじ、矢状角形成ねじ、椎弓根ねじ、単軸ねじ、単平面ねじ、ファセットねじ、固定式ねじ、組織穿通ねじ、従来式ねじ、展開式ねじ、楔、アンカー、ボタン、クリップ、スナップ、摩擦嵌め、圧縮嵌め、展開式リベット、ステープル、釘、接着剤、合釘、定着用プレート、及び/又は定着用合釘を備えていてもよい。
【0054】
[0076]組み立て、操作、及び使用時には、
図5−
図9に示されている様に、ここに説明されているシステムと同様の脊椎インプラントシステム10は、患者の脊椎の或る区分を冒しているここに説明されている様な脊椎障害の治療のための外科的処置と共に採用される。脊椎インプラントシステム10は他の外科的処置と共に採用することもできる。患者の対象身体の椎骨Vの患部を治療するため、患者は、選択された筋肉及び腹部の解剖学的構造を回避しつつもここに説明されている手術経路に沿ってL5−S1椎間空間への直接的な前方からのアクセスを提供するべく、処置を前方から施行できるように向きを定められる。ここに示されている一部の実施例はL5及びS1を描いているが、頚椎、胸椎、及び/又は腰椎を含め人の脊椎の何れかの選択されたレベルの治療処置では、限定するわけではないが
図10に示されている様にねじ32を有する椎体間ケージ12と同様の椎体間ケージ12aをL4−L5円板空間に配置することを含め、様々な実施形態が使用され得るものと理解されたい。一部の実施形態では、脊椎インプラントシステム10は、腹臥位の患者と共に採用され、及び/又は後方進入法、後方正中進入法、直接的外側(direct lateral)進入法、後外側進入法、及び/又は前外側進入法、を含め脊椎への様々な追加の外科的進入法と共に採用される。
【0055】
[0077]一部の実施形態では、L5−S1椎間空間に椎間板切除術が施行される。一部の実施形態では、順次試行インプラントを送達、使用して、L5−S1椎間空間を伸延しL5−S1椎間空間に適度な張力を加えて間接的除圧を可能にさせる。一部の実施形態では、椎体間ケージ12のサイズは試行後に選択され、椎体間ケージ12は、蛍光透視法によって視覚化され、L5−S1椎間空間内へのマレットによる打ち込みの前に向きを定められる。
【0056】
[0078]前処理器械を採用して、円板組織、流体、隣接する組織及び/又は骨を除去し、また椎骨L5の終板面E1及び/又は椎骨S1の終板面E2から組織を掻き取る及び/又は除去する。一部の実施形態では、例えばL5下関節面及びS1上関節面の様な椎骨関節面が切除されている。経椎間孔的椎間板切除術を施行して椎体L5と椎体S1の間に椎骨空間が作成される。
【0057】
[0079]一部の実施形態では、更なる後方圧縮が骨の終板と椎体間ケージ12の上下部分との間の接触を実現させるために、椎弓根の切除が行われる。一部の実施形態では、本外科用システムは、後方椎間板切除術及び更なる後方圧縮を提供するために経椎間孔的腰椎椎体間固定術(TLIF)手法を含む方法と共に採用されている。
【0058】
[0080]椎体間ケージ12が、ここに説明されている様に面18が面20に対して選択された角度方位αに配置されるように選択される。一部の実施形態では、椎骨Vの選択された椎骨L5及び椎骨S1にL5−S1椎間区間に隣接して、骨ねじ32を受け入れるためのパイロット孔又は同種のものが作られる。挿入器(図示せず)に椎体間ケージ12を取り付け、椎体間ケージ12を、L5−S1椎間空間に隣接する植え込みのための手術部位近くに送達させる。ここに説明されている様に、前面14は前方部分A1に隣接する身体の前方側に面し、後面16は身体の後方側P1に面する。面18は終板E1の終板組織に係合され、面20は終板E2の終板組織に面して配置される。
【0059】
[0081]スロット30が椎骨L5と整列され、骨ねじ32/クラウン36組立体を受け入れるように向きを定められる。一部の実施形態では、ねじ32とクラウン36は別々にスロット30に配置されそこに係合される。ここに説明されている様に、第1の構成では、クラウン36が骨ねじ32を支持し、骨ねじ32はクラウン36及び/又はスロット30を画定している面に滑動可能に係合し、及び/又はクラウン36及び/又はスロット30を画定している面に対し並進運動する。
【0060】
[0082]骨ねじ32が椎骨L5の組織と係合される。骨ねじ32は、軸A2及びクラウン36に対するβ1の角度範囲内での1つ又は複数の軸方位へ動ける及び/又は回転できる。骨ねじ32は、椎骨L5の組織及び/又は本体13からの骨ねじ32のバックアウトを食い止める及び/又は防止するようにクラウン36に当接する及び/又は摩擦係合する。
【0061】
[0083]スロット40が椎骨S1と整列され、骨ねじ32/クラウン36組立体を受け入れるように向きを定められる。一部の実施形態では、ねじ32及びクラウン36は別々にスロット40に配置されそこに係合される。ここに説明されている様に、第1の構成では、クラウン36が骨ねじ32を支持し、骨ねじ32はクラウン36及び/又はスロット40を画定している面に滑動可能に係合し、及び/又はクラウン36及び/又はスロット40を画定している面に対して並進運動する。
【0062】
[0084]骨ねじ32が椎骨S1の組織と係合される。骨ねじ32は、軸A3及びクラウン36に対するβ2の角度範囲内での1つ又は複数の軸方位へ動ける及び/又は回転できる。骨ねじ32は、椎骨S1の組織及び/又は本体13からの骨ねじ32のバックアウトを食い止める及び/又は防止するようにクラウン36に当接する及び/又は摩擦係合する。
【0063】
[0085]椎体間ケージ12は、椎骨L5、S1に、椎体間ケージ12が終板面E1とE2の間で支持台を構成するように配置される。終板面E1、E2は、選択された椎骨L5、S1の分節前弯を角度αによって促されながら実現するように面18、20に係合する。終板面E1、E2は、骨ねじ32がクラウン36に当接する及び/又は摩擦係合してねじ32及び椎体間ケージ12を椎骨L5、S1に固定された構成に係止するように、面18、20に係合する。
【0064】
[0086]一部の実施形態では、脊椎インプラントシステム10は、椎骨L5、S1を操作するのに採用されている
図6−
図9に示される手術器械Iを含んでいる。手術器械Iは、例えば、エクステンダー椎弓根ねじ70の様なレバーアームを含んでいる。椎弓根ねじ70は椎骨L5、S1を操作するために椎骨L5、S1に取り付けられる。手術器械Iは、終板面E1、E2が
図7の矢印Dで示される方向に椎体間ケージ12へ圧縮力を作用させるように椎骨L5、S1を操作してゆき、圧縮中は椎体間ケージ12が支持台を構成し、ねじ32がここに説明されている様に第1の構成での1つ又は複数の軸方位へ動けるような具合になっている。その様な状態で、手術器械Iは椎骨L5、S1を操作して、椎骨L5、S1を回転させて角度αによって決まる椎骨L5、S1の分節前弯を実現させ、ねじ32及び椎体間ケージ12を椎骨L5、S1に固定された構成に係止させる。一部の実施形態では、脊椎インプラントシステム10は、完全PSOを用いずに後方から脊椎を治療し椎骨を脊椎の選択された弯曲及び圧縮へ操作することを容易にする外科的処置及び外科的方法と関連して採用される椎体間ケージ12を含んでいる。例えば、椎体間ケージ12は、ここに説明されている様に椎骨Vの選択された椎骨レベルの最後方骨構造のみを除去するためのスミス・ピータースン骨切り術を含む外科的処置及び外科的方法と共に採用される。
【0065】
[0087]一部の実施形態では、脊椎インプラントシステム10は、例えば、ドライバー、エクステンダー、リデューサー、スプレッダー、ディストラクター、ブレード、クランプ、ピンセット、エレベーター、及びドリルの様な、様々な手術器械を備えていてもよく、それらを代替的なサイズ及び寸法にしてキットとして取り揃えてもよい。一部の実施形態では、脊椎インプラントシステム10は顕微鏡下手術技術及び画像誘導技術の使用を備えていてもよく、例えばエミッタとセンサを採用する手術ナビゲーション構成要素を、手術器械を含むシステム10の構成要素の手術部位への導入及び/又は送達を追跡するのに使用する、という様なこともできる。例えば、米国特許第6,021,343号、同第6,725,080号、及び同第6,796,988号に記載されている手術ナビゲーション構成要素及びそれらの使用を参照されたく、これらの文献それぞれの内容全体を参考文献としてここに援用する。
【0066】
[0088]ここに説明されている通りに処置が完了すると、脊椎インプラントシステム10の手術器械、組立体、及び植え込まれない構成要素は取り出され、(単数又は複数の)切開が閉じられる。脊椎インプラントシステム10の構成要素の1つ又はそれ以上は、ポリマーの様な放射線透過性材料で作られていてもよい。X線、蛍光透視法、CT、又は他の画像化技法下での識別のために放射線不透過性マーカーが含まれていてもよい。一部の実施形態では、脊椎の変質部又は損傷部にアクセスし、診察し、修復するのに、脊椎インプラントシステム10の支援と併せて、ここに説明されている様に手術ナビゲーション技術、顕微鏡下手術技術、及び画像誘導技術の使用を採用することもできる。一部の実施形態では、脊椎インプラントシステム10は、単一の椎骨レベル又は複数の椎骨レベルと共に使用するための、1つ又は複数の椎体間インプラント、ロッド、テザー、プレート、コネクタ、及び/又は骨締結具を含んでいてもよい。一部の実施形態では、脊椎インプラントシステム10は、複軸ねじ、矢状角形成ねじ、椎弓根ねじ、単軸ねじ、単平面ねじ、ファセットねじ、固定式ねじ、組織穿通ねじ、従来式ねじ、展開式ねじ、楔、アンカー、ボタン、クリップ、スナップ、摩擦嵌め、圧縮嵌め、展開式リベット、ステープル、釘、接着剤、合釘、定着用プレート、及び/又は定着用合釘、を備える1つ又は複数の骨締結具を含んでいてもよい。
【0067】
[0089]1つの実施形態では、脊椎インプラントシステム10は、脊椎インプラントシステム10の構成要素及び/又は表面の内に、上に、隣接して、又は周りに配置、充填、被覆、又は、積層させる作用物質、及び/又は組織に配置される作用物質、を含んでいる。一部の実施形態では、作用物質は、脊椎インプラントシステム10の構成要素及び/又は表面と椎骨との定着を強化する例えば骨移植片の様な骨成長促進材料を含むこともある。一部の実施形態では、作用物質は、例えば疼痛、炎症、及び変質を治療するために、徐放式を含め放出させるための1つ又は複数の療法剤及び/又は薬剤を含むこともある。
【0068】
[0090]1つの実施形態では、
図11に示されている様に、ここに説明されているシステム及び方法と同様の脊椎インプラントシステム10は、ここに説明されている椎体間ケージ12と同様の椎体間ケージ112を備えている。椎体間ケージ112は、ここに説明されている様に、例えばL5椎骨レベルの様な第1の椎骨レベルと締結される複数の骨ねじ32と、例えばS1椎骨レベルの様な第2の椎骨レベルと締結される複数の骨ねじ32を含んでいる。
【0069】
[0091]椎体間ケージ112は、ここに説明されているスロット30と同様の複数の離間されたスロット130a、130bを含んでおり、それらは椎骨L5と整列され、ここに説明されているものと同様の骨ねじ32/クラウン36組立体を受け入れるように向きを定められる。ここに説明されている様に、第1の構成では、クラウン36が骨ねじ32を支持し、骨ねじ32は、クラウン36及び/又はスロット130a、130bを画定している面に滑動可能に係合し、及び/又はクラウン36及び/又はスロット130a、130bを画定している面に対し並進運動する。スロット130a、130bに配置された骨ねじ32は、椎骨L5の組織と係合され、自身の軸及びクラウン36に対する選択された角度範囲内での複数の軸方位へ回転できる。骨ねじ32は、椎骨L5の組織及び/又は椎体間ケージ112からの骨ねじ32のバックアウトを食い止める及び/又は防止するようにスロット130a、130bのクラウン36に当接する及び/又は摩擦係合する。
【0070】
[0092]椎体間ケージ112は、ここに説明されているスロット40と同様の複数の離間されたスロット140a、140bを含んでおり、それらは椎骨S1と整列され、ここに説明されているものと同様の骨ねじ32/クラウン36組立体を受け入れるように向きを定められる。ここに説明されている様に、第1の構成では、クラウン36が骨ねじ32を支持し、骨ねじ32は、クラウン36及び/又はスロット140a、140bを画定している面に滑動可能に係合し、及び/又はクラウン36及び/又はスロット140a、140bを画定している面に対し並進運動する。スロット140a、140bに配置された骨ねじ32は、椎骨S1の組織と係合され、自身の軸及びクラウン36に対する選択された角度範囲内での複数の軸方位へ回転できる。骨ねじ32は、椎骨S1の組織及び/又は椎体間ケージ112からの骨ねじ32のバックアウトを食い止める及び/又は防止するようにスロット140a、140bのクラウン36に当接する及び/又は摩擦係合する。
【0071】
[0093]椎体間ケージ112は、椎体間ケージ112が、ここに説明されているものと同様の椎骨L5、S1の選択された分節前弯を実現するように椎骨L5、S1に配置される。椎骨L5、S1の終板面は、骨ねじ32がスロット130a、130b、140a、140bのクラウン36に当接する及び/又は摩擦係合して骨ねじ32及び椎体間ケージ112を椎骨L5、S1に固定された構成に係止するように、椎体間ケージ112の表面に係合する。
【0072】
[0094]1つの実施形態では、
図12に示されている様に、ここに説明されているシステム及び方法と同様の脊椎インプラントシステム10は、ここに説明されている椎体間ケージ12と同様の椎体間ケージ212を備えている。椎体間ケージ212は、ここに説明されている様に作用物質を配置させるように構成されている例えば室229の様な複数のキャビティを含んでいる。椎体間ケージ212の外表面は、組織との係合及び定着のために1つ又は複数の方向に向きを定められていてもよいとされる歯211を含んでいる。一部の実施形態では、椎体間ケージ212の外表面は、組織との係合を実現し易くするために、粗い、肌理のある、多孔、半多孔、窪み付き、刻み付き、溝付き、及び/又は研磨処理された面であってもよい。
【0073】
[0095]椎体間ケージ212は、例えば、球関節部230の様な開口部を画定している。球関節部230は、ここに説明されている様に、選択された椎骨レベルと整列され、骨ねじ32の頭部50を受け入れるように向きを定められる。ここに説明されている様に第1の構成では、球関節部230が頭部50を支持し、頭部50は球関節部230を画定している面にそこで相対運動するように滑動可能に係合する。
【0074】
[0096]球関節部230に配置された骨ねじ32は、選択された椎骨レベルの組織と係合され、自身の軸及び球関節部230に対する選択された角度範囲内での複数の軸方位へ回転できる。骨ねじ32は、選択された椎骨レベルの組織及び/又は椎体間ケージ212からの骨ねじ32のバックアウトを食い止める及び/又は防止するように球関節部230を画定している面に当接する及び/又は摩擦係合する。椎体間ケージ212は、椎体間ケージ212がここに説明されているものと同様の選択された椎骨レベルの選択された分節前弯を実現するように、選択された椎骨レベルに配置される。
【0075】
[0097]選択された椎骨レベルの終板面は、骨ねじ32が球関節部230を画定している面に当接する及び/又は摩擦係合して骨ねじ32及び椎体間ケージ212を選択された椎骨レベルに固定された構成に係止するように、椎体間ケージ212の表面に係合する。一部の実施形態では、椎体間ケージ212は、1つ又は複数の球関節部230を含むことができ、それらは、整列、同軸、軌道を画定、弓形の向き、オフセット、互い違い、直列、並列、横断、及び/又は離間、であってもよい。一部の実施形態では、
図13に示されている様に、椎体間ケージ212は、ねじ32の後方並進運動及び/又は可動性を実現し易くするための頭部50の後方並進運動及び/又は可動性の増加に係る延長された室231を有する球関節部230aを含んでいる。
【0076】
[0098]1つの実施形態では、
図14−
図16に示されている様に、ここに説明されているシステム及び方法と同様の脊椎インプラントシステム10は、ここに説明されている椎体間ケージ12と同様の椎体間ケージ312を備えている。椎体間ケージ312は、直接的外側進入椎体間固定術(DLIF)手法に沿った植え込み向けに構成されている。
【0077】
[0099]椎体間ケージ312が選択され、椎体間ケージ312の構成要素は、ここに説明されているものと同様に、面318が面320に対して選択された角度方位α2に配置されるように、外側進入手術経路を経由して手術部位へ送達される。椎骨の選択された椎骨L4及び椎骨L5にL4−L5椎間空間に隣接して、骨ねじ32を受け入れるためのパイロット穴又は同種のものが作られる。挿入器(図示せず)に椎体間ケージ312を取り付け、椎体間ケージ312をL4−L5椎間空間に隣接する植え込みのための手術部位の近くへ送達させる。ここに説明されている様に、前面314は、前方部分A1に隣接する身体の前方側に面しており、後面316は身体の後方側P1に面している。面318は終板E1の終板組織に係合し、面320は終板E2の終板組織に面して配置される。
【0078】
[0100]ここに説明されているスロット30と同様のスロット330が、椎骨L4と整列され、ここに説明されているものと同様の骨ねじ32/クラウン36組立体を受け入れるように向きを定められる。ここに説明されている様に第1の構成では、クラウン36が骨ねじ32を支持し、骨ねじ32はクラウン36及び/又はスロット330を画定している面に滑動可能に係合し、及び/又はクラウン36及び/又はスロット330を画定している面に対して並進運動する。
【0079】
[0101]骨ねじ32が椎骨L4の組織と係合される。骨ねじ32は、ここに説明されているものと同様に、自身の軸及びクラウン36に対する選択された角度範囲内での1つ又は複数の軸方位へ動ける及び/又は回転できる。骨ねじ32は椎骨L4の組織及び/又は椎体間ケージ312からの骨ねじ32のバックアウトを食い止める及び/又は防止するようにクラウン36に当接する及び/又は摩擦係合する。
【0080】
[0102]ここに説明されているスロット40と同様のスロット340が、椎骨L5と整列され、ここに説明されているものと同様の骨ねじ32/クラウン36組立体を受け入れるように向きを定められる。ここに説明されている様に、第1の構成では、クラウン36が骨ねじ32を支持し、骨ねじ32は、クラウン36及び/又はスロット340を画定している面に滑動可能に係合し、及び/又はクラウン36及び/又はスロット340を画定している面に対して並進運動する。
【0081】
[0103]骨ねじ32が椎骨L5の組織と係合される。骨ねじ32は、自身の軸及びクラウン36に対する選択された角度範囲内での1つ又は複数の軸方位へ動ける及び/又は回転できる。骨ねじ32は椎骨L5の組織及び/又は椎体間ケージ312からの骨ねじ32のバックアウトを食い止める及び/又は防止するようにクラウン36に当接する及び/又は摩擦係合する。
【0082】
[0104]椎体間ケージ312は、椎体間ケージ312が終板面E1とE2の間で支持台を構成するように椎骨L4、L5に配置される。終板面E1、E2は、選択された椎骨L4、L5の分節前弯を角度α2によって促されながら実現するように面318、320に係合する。終板面E1、E2は、骨ねじ32がクラウン36に当接する及び/又は摩擦係合してねじ32及び椎体間ケージ312を椎骨L4、L5に固定された構成に係止するように、面318、320に係合する。
【0083】
[0105]一部の実施形態では、脊椎インプラントシステム10は、椎骨L4、L5を操作するのに採用されている
図15及び
図16に示される手術器械Iを含んでいる。手術器械Iは、椎骨L4、L5を操作するために椎骨L4、L5に取り付けられるエクステンダー椎弓根ねじ70を含んでいる。手術器械Iは、終板面E1、E2が椎体間ケージ312へ圧縮力を作用させるように椎骨L4、L5を操作してゆき、圧縮中は椎体間ケージ312が支持台を構成し、ねじ32がここに説明されている様に第1の構成での1つ又は複数の軸方位へ動けるような具合になっている。その様な状態で、手術器械Iは椎骨L4、L5を操作して、椎骨L4、L5を回転させて角度α2によって決まる椎骨L4、L5の分節前弯を実現させ、ねじ32及び椎体間ケージ312を椎骨L4、L5に固定された構成に係止させる。
【0084】
[0106]1つの実施形態では、
図17に示されている様に、ここに説明されているシステム及び方法と同様の脊椎インプラントシステム10は、ここに説明されている椎体間ケージ312と同様の椎体間ケージ412を備えている。椎体間ケージ412の構成要素は外側進入手術経路を経由して手術部位へ送達され、L4椎骨レベルと締結されるここに記載の複数の骨ねじ32と、L5椎骨レベルと締結される複数の骨ねじ32を含んでいる。
【0085】
[0107]椎体間ケージ412は、ここに説明されているスロット330と同様の複数の離間されたスロット430a、430bを含んでおり、それらは、椎骨L4と整列され、ここに説明されているものと同様の骨ねじ32/クラウン36組立体を受け入れるように向きを定められる。ここに説明されている様に、第1の構成では、クラウン36が骨ねじ32を支持し、骨ねじ32は、クラウン36及び/又はスロット430a、430bを画定している面に滑動可能に係合し、及び/又はクラウン36及び/又はスロット430a、430bを画定している面に対して並進運動する。スロット430a、430bと一体に配置された骨ねじ32は、椎骨L4の組織と係合され、自身の軸及びクラウン36に対する選択された角度範囲内での複数の軸方位へ回転できる。骨ねじ32は、椎骨L4の組織及び/又は椎体間ケージ412からの骨ねじ32のバックアウトを食い止める及び/又は防止するようにスロット430a、430bのクラウン36に当接する及び/又は摩擦係合する。
【0086】
[0108]椎体間ケージ412は、ここに説明されているスロット340と同様の、複数の離間されたスロット440a、440bを含んでおり、それらは、椎骨L5と整列され、ここに説明されているものと同様の骨ねじ32/クラウン36組立体を受け入れるように向きを定められる。ここに説明されている様に、第1の構成では、クラウン36が骨ねじ32を支持し、骨ねじ32は、クラウン36及び/又はスロット440a、440bを画定している面に滑動可能に係合し、及び/又はクラウン36及び/又はスロット440a、440bを画定している面に対して並進運動する。スロット440a、440bと一体に配置された骨ねじ32は、椎骨L5の組織と係合され、自身の軸及びクラウン36に対する選択された角度範囲内での複数の軸方位へ回転できる。骨ねじ32は、椎骨L5の組織及び/又は椎体間ケージ412からの骨ねじ32のバックアウトを食い止める及び/又は防止するようにスロット440a、440bのクラウン36に当接する及び/又は摩擦係合する。
【0087】
[0109]手術器械Iが椎骨L4、L5を操作する。手術器械Iは、椎骨L4、L5を操作するために椎骨L4、L5と一体に取り付けられるエクステンダー椎弓根ねじ70を含んでいる。手術器械Iは、椎骨L4、L5の終板面E1、E2が椎体間ケージ412へ圧縮力を作用させるように椎骨L4、L5を操作してゆき、圧縮中は椎体間ケージ412が支持台を構成し、ねじ32がここに説明されている様に第1の構成での1つ又は複数の軸方位へ動けるような具合になっている。その様な状態で、手術器械Iは椎骨L4、L5を操作して、椎骨L4、L5を回転させて椎骨L4、L5の分節前弯を実現させ、ねじ32及び椎体間ケージ412を椎骨L4、L5と一体に固定された構成に係止させる。
【0088】
[0110]1つの実施形態では、
図18−
図22に示されている様に、ここに説明されているシステム及び方法と同様の脊椎インプラントシステム10は、ここに説明されている椎体間ケージと同様の椎体間ケージ512を備えている。椎体間ケージ512は、前面514と後面516の間を延びている。前面514は、身体の前方側に面するように構成されており、例えば頚椎の前方部分の様な椎骨の前方部分に、椎骨VのC2椎骨とC3椎骨の間の椎間空間に隣接して配置されるように構成されている。後面516は、患者身体の後方側に面するように構成されており、例えば、C2−C3椎間空間の後方部分の様な椎骨の後方部分に隣接して配置されるように構成されている。
【0089】
[0111]椎体間ケージ512は、ここに説明されているものと同様の、C2−C3椎間空間に隣接する1つ又はそれ以上の椎骨の分節前弯を実現するための椎体間ケージ512を形成するように、ここに説明されている面18、20と同様の、面520に対して選択された角度方位に配置されている面518を含んでいる。
【0090】
[0112]椎体間ケージ512は、ここに説明されているものと同様に、面518が面520に対して選択された角度方位に配置されるように選択される。椎骨の選択された椎骨C2及び椎骨C3にC2−C3椎間空間に隣接して、骨ねじ32を受け入れるためのパイロット孔又は同種のものが作られる。挿入器(図示せず)に椎体間ケージ512を取り付け、椎体間ケージ512を、C2−C3椎間空間に隣接する植え込みのための手術部位近くに送達させる。面518が椎骨C2の終板組織に係合し、面320は椎骨C3の終板組織に面して配置される。
【0091】
[0113]ここに説明されているスロット30と同様のスロット530が、椎骨C2と整列され、ここに説明されているものと同様の骨ねじ32/クラウン36組立体を受け入れるように向きを定められる。ここに説明されている様に、第1の構成では、クラウン36が骨ねじ32を支持し、骨ねじ32は、クラウン36及び/又はスロット530を画定している面に滑動可能に係合し、及び/又はクラウン36及び/又はスロット530を画定している面に対して並進運動する。骨ねじ32が椎骨C2の組織と係合される。骨ねじ32は、ここに説明されているものと同様に、自身の軸及びクラウン36に対する選択された角度範囲内での1つ又は複数の軸方位へ動ける及び/又は回転できる。骨ねじ32は椎骨C2の組織及び/又は椎体間ケージ512からの骨ねじ32のバックアウトを食い止める及び/又は防止するようにクラウン36に当接する及び/又は摩擦係合する。
【0092】
[0114]ここに説明されているスロット40と同様のスロット540が、椎骨C3と整列され、ここに説明されているものと同様の骨ねじ32/クラウン36組立体を受け入れるように向きを定められる。ここに説明されている様に、第1の構成では、クラウン36が骨ねじ32を支持し、骨ねじ32は、クラウン36及び/又はスロット540を画定している面に滑動可能に係合し、及び/又はクラウン36及び/又はスロット540を画定している面に対して並進運動する。骨ねじ32が椎骨C3の組織と係合される。骨ねじ32は、自身の軸及びクラウン36に対する選択された角度範囲内での1つ又は複数の軸方位へ動ける及び/又は回転できる。骨ねじ32は椎骨C3の組織及び/又は椎体間ケージ512からの骨ねじ32のバックアウトを食い止める及び/又は防止するようにクラウン36に当接する及び/又は摩擦係合する。
【0093】
[0115]椎体間ケージ512は、椎体間ケージ512が椎骨C2の終板面と椎骨C3の終板面の間で支持台を構成するように椎骨C2、C3と一体に配置される。終板面は、椎骨C2、C3の選択された分節前弯を実現するように面518、520に係合する。一部の実施形態では、終板面は、骨ねじ32がクラウン36に当接する及び/又は摩擦係合してねじ32及び椎体間ケージ512を椎骨C2、C3と一体に固定された構成に係止するように、面518、520に係合する。一部の実施形態では、
図23に示されている様に、脊椎インプラントシステム10は、頚部の脊柱後弯変形を単独型インストルメンテーションを用いて後弯頚椎がここに説明されている様に選択された前弯頚椎へ矯正されるよう治療するために、頚椎の複数の椎骨レベルの間の複数の椎間空間に関して植え込まれる複数の椎体間ケージ512を含んでいる。
【0094】
[0116]一部の実施形態では、椎体間ケージ512は、
図18に示されている様に、例えば球関節部550の様な開口部を画定している。球関節部550は、ステップボルトねじ570の頭部572を受け入れるように向きを定められる。ここに説明されている様に、第1の構成では、球関節部550が頭部572を支持し、頭部572は球関節部550を画定している面にそこで相対運動するように滑動可能に係合する。
【0095】
[0117]球関節部550と一体に配置されたステップボルトねじ570は、自身の軸及び球関節部550に対する選択された角度範囲内での複数の軸方位へ回転できる。一部の実施形態では、ステップボルトねじ570は、椎体間ケージ512からのステップボルトねじ570のバックアウトを食い止める及び/又は防止するように、球関節部550を画定している面に当接する及び/又は摩擦係合する。一部の実施形態では、ステップボルトねじ570は、ステップボルトねじ570及び椎体間ケージ512を椎骨C2、C3と一体に固定された構成に係止するように、球関節部550を画定している面に当接する及び/又は摩擦係合する。一部の実施形態では、椎体間ケージ512は、1つ又は複数の球関節部550を含むことができ、それらは、整列、同軸、軌道を画定、弓形の向き、オフセット、互い違い、直列、並列、横断、及び/又は離間、であってもよい。球関節部550は、
図19に示されている様に、スロット530とスロット540の間の中央に配置されている。
【0096】
[0118]椎体間ケージ512は、実質的に矩形構成を有しているプレート560を含んでいる。一部の実施形態では、プレート560は、例えば、管状、楕円形、長円形、三角形、方形、多角形、不規則、均一、不均一、可変、中空、及び/又は先細の様な、様々な構成をしていてもよい。プレート560は、
図20に示されている様に、例えば椎骨C2の様な椎骨レベルに係合するように構成されている部分562と、例えば椎骨C3の様な椎骨レベルに係合するように構成されている部分564を含んでいる。1つの実施形態では、プレート560は、植え込みに先立って又は現場にて、椎体間ケージ512と一体に取り付けることができる。
【0097】
[0119]プレート560は、プレート560を椎体間ケージ512と接続するステップボルトねじ570を配置させる構成の開口部566を含んでいる。ステップボルトねじ570は、開口部566と一体に配置されるように構成されている細長い柱部574を含んでいる。プレート560は、椎体間ケージ512の構成要素を椎骨と一体に固定するためのプレート560の椎骨に関する配置向き及び係合を容易にするべく柱部574に沿って並進運動及び角形成するように構成されている。ナット576にステップボルトねじ570を通してプレート560を椎体間ケージ512と一体に係止させ椎体間ケージ512の構成要素を椎骨に固定させる。一部の実施形態では、
図24に示されている様に、脊椎インプラントシステム10は、複数の椎体間ケージ512と、複数の椎骨レベルに亘って延在するプレート560を含んでいる。ここに説明されている様に頚部の脊柱後弯変形を単独型インストルメンテーションを用いて後弯頚椎が選択された前弯頚椎へ矯正されるよう治療するために、椎体間ケージ512が頚椎の複数の椎骨レベル間の複数の椎間空間に関して植え込まれ、プレート560が複数の椎骨レベルと接続される。
【0098】
[0120]ここに開示されている実施形態には様々な修正がなされ得るものと理解しておきたい。従って、以上の説明は限定を課すものと解釈されてはならず、単に様々な実施形態の例示と解釈されるべきである。当業者には、ここに付随の特許請求の範囲の範囲及び精神の内での他の修正形が構想されるであろう。