(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6684825
(24)【登録日】2020年4月1日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】反応制御のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
C21D 9/56 20060101AFI20200413BHJP
C23C 2/02 20060101ALI20200413BHJP
C23C 2/06 20060101ALI20200413BHJP
C23C 2/40 20060101ALI20200413BHJP
C21D 1/74 20060101ALN20200413BHJP
【FI】
C21D9/56 101C
C23C2/02
C23C2/06
C23C2/40
!C21D1/74 H
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-554601(P2017-554601)
(86)(22)【出願日】2016年4月25日
(65)【公表番号】特表2018-520261(P2018-520261A)
(43)【公表日】2018年7月26日
(86)【国際出願番号】EP2016059123
(87)【国際公開番号】WO2016177590
(87)【国際公開日】20161110
【審査請求日】2019年2月1日
(31)【優先権主張番号】15166714.4
(32)【優先日】2015年5月7日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】15196189.3
(32)【優先日】2015年11月25日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】511178599
【氏名又は名称】コケリル メンテナンス アンド インジェニエリー ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】デュボア, ミシェル
【審査官】
守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2006/068169(WO,A1)
【文献】
国際公開第2012/115291(WO,A1)
【文献】
特開昭62−040320(JP,A)
【文献】
特開2000−290762(JP,A)
【文献】
特開2006−233333(JP,A)
【文献】
特開平09−324209(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C21D 9/56
C21D 1/74
C23C 2/02
C23C 2/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一区域(2)、第二鉛直方向区域(3)、及び第三区域(4)を含む、シート(5)を焼きなますための炉(1)であって、前記第二鉛直方向区域(3)が、
− 酸化媒体を供給され、かつシート(5)の各側に面する開口(10)、及び
− シート(5)の各側上で酸化媒体の流量を別個に制御するための手段、
を含むものにおいて、
第二鉛直方向区域(3)が、別個のケーシングに位置され、かつ封止装置(11)で第一区域(2)及び第三区域(4)から分離されていること、第二鉛直方向区域(3)が、シート(5)によって消費されない酸化媒体を抽出するための抽出開口(12)を含み、抽出開口(12)が、シート(5)の各側に面すること、酸化媒体を供給される開口(10)が、第二鉛直方向区域(3)の一方の端に横方向に位置されること、及び抽出開口(12)が、第二鉛直方向区域(3)の他方の端に横方向に位置されることを特徴とする炉(1)。
【請求項2】
第二鉛直方向区域(3)が、シート(5)の各側にそれぞれ供給する二つの独立した注入管(7)を含み、前記手段が、各注入管(7)上にファン(9)を含む、請求項1に記載の炉(1)。
【請求項3】
第二鉛直方向区域(3)が、シート(5)の各側にそれぞれ供給する二つの注入管(7)を含み、一方の注入管(7)が、相互接続される他方の注入管(7)上に装着され、前記手段が、注入管(7)の一つに装着された単一のファン(9)を含み、かつ注入管(7)の一つに装着された弁(8)を含む、請求項1に記載の炉(1)。
【請求項4】
前記手段が、注入管(7)間の接続部の下流で注入管(7)上に装着された単一の弁(8)を含む、請求項3に記載の炉(1)。
【請求項5】
前記手段が、注入管(7)間の接続部の下流で各注入管(7)上に装着された弁(8)を含む、請求項3に記載の炉(1)。
【請求項6】
第二鉛直方向区域(3)が、酸化媒体の温度、及び酸化媒体中の酸化剤濃度を各側について別個に制御するための手段をさらに含む、請求項1又は2に記載の炉(1)。
【請求項7】
酸化媒体を供給された開口(10)が、第二鉛直方向区域(3)の頂部に位置される、請求項1〜6のいずれかに記載の炉(1)。
【請求項8】
酸化媒体を供給された開口(10)が、第二鉛直方向区域(3)の頂部に横方向に延びるスロットである、請求項1〜7のいずれかに記載の炉(1)。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の炉(1)の第二鉛直方向区域(3)内を走行するシート(5)上の表面反応を制御するための方法であって、シート(5)の各側上の酸化媒体の流量を別個に制御する工程、及びシート(5)の酸化後にシート(5)の各側上の酸化媒体を抽出する工程を含む方法。
【請求項10】
流量が、ファン(9)の回転数を変化することによって調整される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
シート(5)の各側上の酸化媒体の温度、及び酸化媒体中の酸化剤濃度を別個に制御する工程をさらに含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
第二鉛直方向区域(3)から抽出された酸化媒体が、第二鉛直方向区域(3)において循環される、請求項9〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
注入される酸化剤濃度が、第二鉛直方向区域(3)から抽出された酸化媒体中の酸化剤濃度の測定に基づく、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
酸化媒体の温度が、シート温度より50〜200℃低い、請求項9〜13のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続亜鉛めっき又は焼きなましラインにおいて輸送される鋼シート上の表面反応を制御するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高強度鋼グレードは、一般にケイ素、マンガン、及びクロムのような元素を高含有量(それぞれ典型的には0.5〜2重量%、1.5〜6重量%、及び0.3〜1重量%)で含む。高強度鋼グレードを被覆することは難しい。なぜなら、それらの元素の酸化物層が亜鉛めっき浴における浸漬に先行する焼きなまし時に形成されるためである。この酸化物層は、浴中に沈められるときに鋼表面のぬれ性を害する。結果として、被覆の覆われていない領域及び劣った付着性が得られる。
【0003】
これらの鋼グレードのぬれを改良するために良く知られた方法は、鋼が典型的には600〜750℃の温度を有するときに特別な室中で鋼表面を十分に酸化することにある。得られた酸化物層は、多量の酸化鉄を含み、それは、次いで焼きなまし炉及び続く熱処理の加熱及び保持区域の終了時に還元される。目的は、約50〜300nmの酸化物厚さを得ることであり、それは、2g/m
2以下の酸化鉄に相当する。
【0004】
還元工程の前に鋼表面を酸化するためには様々な方法がある。例えば、この酸化は、過剰空気で燃焼を実行する直接燃焼炉で実行されることができる。別の方法は、焼きなまし炉の中央に位置されかつ窒素と酸化剤の混合物を供給された専用室でこの酸化を行なうことにある。かかる実施法は、特許EP2010690B1及び
図1に記載されている。この酸化区域は、第一及び最終区域における酸化剤の導入を最小にするためにシールによって焼きなまし炉の他の部分から分離される。
【0005】
酸化物層の形成は、厚すぎる層、薄すぎる層、又は不均一な層(全ては、完成した製品に品質問題をもたらす)の形成を避けるために注意深く制御されなければならない。四つの主要なパラメータ、即ちストリップ温度、室の雰囲気中の酸素濃度、鋼表面への酸素の輸送、及び滞留時間は、層形成に影響する。
【0006】
これらのパラメータの変化は、酸化物形成に直接影響を有し、補償されなければばらない。例えば、ラインスピードの変化(それは製造ラインでは普通である)は、滞留時間の変化をもたらす。室中の酸素濃度の変化は、この変化を補償するための最も簡単な方法である。しかしながら、もし完全に新しい不活性ガス中の酸素含有量の調整が相対容積を制御することによって極めて簡単であるとしても、完全に消費されない酸化媒体が循環されるとき、それは、ずっと複雑である。
【0007】
ストリップ幅の頻繁な変化又は室中のストリップの非対称的な配置のような寸法パラメータはまた、酸化物形成に影響しうる。
【0008】
ストリップの両側間の異なる酸化物層形成もまた、観察されなければならない。なぜなら内部浮力流れのため又はストリップ同伴のため、鋼表面への酸化剤の物質移行が異なりうるからである。
【0009】
文献US2010/0173072,CN201908124、及びEP2458022は、ストリップの両側の注入手段が酸化区域で別個に制御されることができる装置を開示する。しかしながら、これらの装置は、酸化工程の微細な制御を可能にしない。なぜなら酸化区域は、他の区域の雰囲気から封止されていないからである。実際、それは、酸化区域の酸化剤媒体が他の区域で循環することを意味し、それは、酸化区域のにおける微細な制御を不可能にし、他の区域の雰囲気を汚染する。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、焼きなまし炉における酸化工程の制御についてのこれらの問題の解決策を提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、第一区域、第二鉛直方向区域、及び第三区域を含む、シートを焼きなますための炉に関し、前記第二鉛直方向区域が、酸化媒体を供給され、かつシートの各側に面する開口を含み、前記第二鉛直方向区域が、シートの各側上で酸化媒体の流量を別個に制御するための手段を含み、第二鉛直方向区域が、別個のケーシングに位置され、封止装置で第一区域及び第三区域から分離され、及び第二鉛直方向区域が、シートによって消費されない酸化媒体を抽出するための抽出開口を含む。
【0012】
特定の好ましい実施形態によれば、本発明による炉は、以下の特徴の少なくとも一つ又はそれらの好適な組み合わせをさらに含む:
− 第二鉛直方向区域は、シートの各側にそれぞれ供給する二つの独立した注入管を含み、前記手段は、各注入管上にファンを含む;
− 第二鉛直方向区域は、シートの各側にそれぞれ供給する二つの注入管を含み、一方の注入管が、相互接続される他方の注入管上に装着され、前記手段が、注入管の一つに装着された単一のファンを含み、かつ注入管の一つに装着された弁を含む;
− 前記手段は、注入管間の接続部の下流で注入管上に装着された単一の弁を含む;
− 前記手段は、注入管間の接続部の下流で各注入管上に装着された弁を含む;
− 第二鉛直方向区域は、酸化媒体の温度、及び酸化媒体中の酸化剤濃度を各側について別個に制御するための手段をさらに含む;
− 酸化媒体を供給された開口は、第二鉛直方向区域の頂部に位置される;
− 酸化媒体を供給された開口は、第二鉛直方向区域の頂部に横方向に延びるスロットである。
【0013】
本発明はまた、上記の炉の第二鉛直方向区域内を走行するシート上の表面反応を制御するための方法であって、シートの各側上の酸化媒体の流量を別個に制御する工程、及びシートの酸化後に酸化媒体を抽出する工程を含む方法に関する。
【0014】
特定の好ましい実施形態によれば、本発明による方法は、以下の特徴の少なくとも一つ又はそれらの好適な組み合わせをさらに含む:
− 流量は、ファンの回転数を変化することによって調整される;
− 方法は、シートの各側上の酸化媒体の温度、及び酸化媒体中の酸化剤濃度を別個に制御する工程をさらに含む;
− シートの酸化後、酸化媒体は、第二鉛直方向区域から抽出され、第二鉛直方向区域において循環される;
− 注入される酸化剤濃度は、第二鉛直方向区域から抽出された酸化媒体中の酸化剤濃度の測定に基づく;
− 酸化媒体の温度は、シート温度より50〜200℃低い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明は、例示的図面に基づいて以下により詳細に記載されるだろう。本発明は、例示的な実施形態に限定されない。ここに記載されかつ/又は示された全ての特徴は、本発明の実施形態において単独で使用されるか、又は異なる組み合わせで組み合わせられることができる。本発明の様々な実施形態の特徴及び利点は、以下に示す添付図面を参照して以下の詳細な記述を読むことによって明らかになるだろう。
【0016】
【
図1】
図1は、従来技術による酸化区域を含む焼きなまし炉を概略的に表わす。
【0017】
【
図2】
図2は、本発明による三つの分離された区域を含む焼きなまし炉を概略的に表わす。異なる区域を通って入ってくる及び出て行く流れもまた、概略的に表わされる。
【0018】
【
図3】
図3は、酸化媒体を注入するための横方向の開口を有する本発明による酸化室の上部を表わす。
【0019】
【
図4】
図4は、本発明による抽出開口を有する酸化室の下部を表わす。
【0020】
【
図5】
図5は、第二鉛直方向区域、即ち酸化区域における雰囲気のパラメータを調整するための制御手段を本発明の第一実施形態に従って表わす。
【0021】
【
図6】
図6は、第二鉛直方向区域における雰囲気のパラメータを調整するための制御手段を本発明の第二実施形態に従って表わす。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、鋼シートの各側上の酸化物形成を別個に制御するように調整された工程パラメータを有する方法を提供することを目的とする。この方法は、ストリップ幅、ラインスピード、及び鋼グレードに応じて酸化剤媒体の濃度及び流量を容易に調整することを可能にする。この目的のため、酸化室中に特定の制御手段を含む焼きなまし炉が開発された。酸化の微細な制御を可能にするため、酸化室は、各端に封止手段を含む分離したケーシング中に位置され、シートの酸化工程によって完全に消費されない酸素の流量を制御するために抽出手段を与えられている。
【0023】
図2に表わされている炉1は、Zn,Al、又はそれらの二つの様々な割合の組み合わせを含み、さらに0.1%より高い割合でMg及びSiを最終的に添加した液体金属によって被覆される鋼シートを焼きなますために作られている。本発明による炉はまた、溶融亜鉛めっき設備なしの連続焼きなましラインで使用されることができる。
【0024】
炉は、分離したケーシング中に各々位置される異なる区域を有する。
【0025】
炉1の第一区域2は、加熱要素及びローラーを含む従来からの加熱区域である。それは、抵抗加熱、誘導加熱、又は放射管加熱器であることができる。この区域は、合金化元素の外部酸化の危険を制限し、ある場合において酸化Feを形成することを潜在的に開始するためにわずかに酸化する。この目的のため、H
2含有量は、2%未満であり、O
2レベルは、0.1%未満であり、H
2OもしくはCO
2含有量又はH
2OとCO
2の合計(H
2O+CO
2)は、0.03%より多く、好ましくは0.035%より多いが、この雰囲気をわずかに酸化するために10%未満である。
【0026】
第二区域3は、酸化室であり、そこではO
2のような酸化剤とN
2のような不活性ガスから構成される酸化混合物が鋼シートの表面上で制御された酸化鉄層を形成するために注入される。この区域は、以下でさらに詳述されるだろう。
【0027】
第三区域4は、第二区域で形成された酸化鉄を還元するために還元雰囲気を有する。従来の実施法は、不活性ガスと混合されたH
2を使用することであり、H
2の濃度は、3〜30%、好ましくは5〜20%に調整される。
【0028】
第二区域3は、この区域を第一及び第三区域から分離し、炉の他の区域における酸化剤の流量を最小にするために区域の入口及び出口にローラー又はゲートのような封止装置11を有する鉛直方向区域である。酸化媒体は、開口、好ましくは成形スロットによってシート表面上に注入される。成形スロットは、室を横切る全ての流れの均一な分布を確実にする。開口10は、シート5の各側上に位置され、好ましくは
図3に示されるように酸化室3の一方の端に横方向に位置される。より好ましくは、以下に説明した理由のため、それらは、酸化室の頂部に位置される。開口10の反対側に、即ちもし酸化剤注入がその頂部で実施されるなら酸化室の底部に、室は、シートによって消費されない酸化剤を抽出し、かつ第二区域内の圧力を減少するための抽出開口を含む。
【0029】
本発明によれば、第二区域3は、鋼シートの各側上の酸化媒体の流量を別個に制御するための手段を与えられる。好ましくは、それはまた、鋼シートの各側について酸化剤濃度、及び酸化媒体の温度を別個に制御するための手段を含む。
【0030】
本発明の第一実施形態による制御システムは、
図5に記載されている。この実施形態では、流量、酸化剤濃度、及びその温度は、各側について別個に制御される。二つの側の注入管7は、独立しており、各側上の流量は、ファン9によって制御され、その回転数は、所望の流量に依存して調整される。酸化室中の過圧を避け、シートの両側上の酸化工程の微細制御を可能にするため、注入された流れが抽出される。経済的な理由のため、室から抽出されたガスは、循環されることが好ましい。注入された酸化剤は、鋼グレード、シート温度及び表面流量(m
2/秒)に依存して消費される百分率割合でシートによって部分的に消費されるので、新鮮な酸化剤は、抽出された流量分中の残留酸化剤の測定値に基づく濃度で注入され、流量は、ファン回転数によって固定される。酸化剤濃度が空気で調整される場合には、加えられる空気の量は、以下のような物質収支に基づいて計算される:
[加えられた空気流量*0.21+(注入された流量−加えられた空気)*抽出された流量中の%O
2]/(注入された流量)=注入中の目標O
2
− 但し、注入された流量は、抽出された流量+加えられた空気流量に相当し、流量は、Nm
3/hで表わされ、典型的には片側あたり50〜200Nm
3/hである;
− O
2における目標は、0.5〜5体積%であることが好ましい。
【0031】
図6に表わされた第二実施形態によれば、制御システムは、両側について単一のファン9及びヒーターだけを設けて単純化されている。この構成では、一方の側の注入管7は、他方の側の注入管7上に装着される。各側の流量は、各側の注入管7上に設置された弁8によって、又は
図6に示されるように注入管7の一つの上に設置された単一の弁8によって制御される。流量は、専用装置によって測定されることができる。単一の弁を有する後者の構成が好ましい。実際、全流量は、ファンの回転数によってわかり、弁は、各側を別個に均衡させるために使用されることができる。
【0032】
第二区域はまた、出願EP15183169に開示されているようなシートの縁上の酸化を特別に制御するための追加手段を与えられることができる。
【0033】
酸化混合物(例えばN
2+O
2)の温度は、浮力の原理を利用するためにシート温度より50℃〜200℃低く、それによってストリップより冷たいガスが下方に移動する。この理由のため、横方向の開口は、室の頂部に位置され、好ましくはストリップは、下方に移動する。逆に、ガスは、室の底部に位置される開口及びストリップより温かくすることができる。側間の最終的な変動を補償するため、各側についての温度は、
図5に示されているように別個に制御される。室はまた、熱損失を補償するために加熱要素を与えられることができる。
【0034】
本発明は、図面及び前述の記載において詳細に示されかつ記載されたが、かかる図示及び記載は、説明的又は例示的なものであり、限定されないと考えられるべきである。以下の請求項の範囲内で当業者は変更及び修正を行なうことができることが理解されるだろう。特に、本発明は、上及び下に述べた異なる実施形態からのいかなる組み合わせの特徴も有するさらなる実施形態を包含する。
【0035】
請求項に使用される用語は、前述の記載と一致するような最も広い合理的な解釈を持つと考えられるべきである。例えば、ある要素を導入する際の冠詞「a」又は「the」の使用は、複数の要素を除外するものとして解釈されるべきでない。同様に、「又は」の引用は、A及びBの一つだけが意図されるということが内容又は前述の記載から明らかでない限り、「A又はB」の引用は、「A及びB」を除外しないものとして解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0036】
1 焼きなまし炉
2 第一区域
3 第二区域(酸化室とも称する)
4 第三区域
5 ストリップ又はシート
6 封止ローラ―
7 注入管
8 弁
9 ファン
10 反応体を供給するための開口
11 封止ローラ―
12 抽出開口
13 亜鉛浴