特許第6684829号(P6684829)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6684829
(24)【登録日】2020年4月1日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】胸部収縮の欠落を監視する人工換気装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20200413BHJP
【FI】
   A61M16/00 315
   A61M16/00 311
   A61M16/00 366
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-559361(P2017-559361)
(86)(22)【出願日】2016年4月28日
(65)【公表番号】特表2018-521712(P2018-521712A)
(43)【公表日】2018年8月9日
(86)【国際出願番号】FR2016051000
(87)【国際公開番号】WO2016198757
(87)【国際公開日】20161215
【審査請求日】2019年1月17日
(31)【優先権主張番号】1555191
(32)【優先日】2015年6月8日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】517363089
【氏名又は名称】エール・リキード・メディカル・システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ジャコー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ペノーズ
(72)【発明者】
【氏名】マルソー・リゴロット
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−クリストフ・リチャード
【審査官】 段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】 仏国特許出願公開第03000893(FR,A1)
【文献】 特表2009−526594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスの流れを患者(P)に送達するための呼吸補助装置(1)であって、
−ガスの流れを搬送するためのガス送達導管(2)と、
−前記ガスの流れを表す少なくとも1つのパラメータを測定し、前記ガスの流れを表す前記少なくとも1つのパラメータに対応する少なくとも1つの信号を供給するように設計された測定手段(6)と、
−前記測定手段(6)からの前記少なくとも1つの信号を処理し、前記信号から、胸部収縮(CT)の実行および/または中断された実行に関する少なくとも1つの情報項目を推測するように設計された信号処理手段(8)と、
−胸部収縮(CT)の中断または欠落に関する少なくとも1つの情報項目が前記信号処理手段(8)によって決定される胸部収縮の中断または欠落の少なくとも1つの継続時間(tNCT)を計算するように構成された計算手段と、
−前記計算手段によって計算された胸部収縮の中断または欠落の前記少なくとも1つの継続時間(tNCT)を記録するように設計された記憶手段(12)と
を含み、
前記計算手段が、胸部収縮の中断または欠落がその間に決定される胸部収縮の中断または欠落の前記継続時間(tNCT)を合計することによって胸部圧迫の欠落の合計継続時間(Ttot)を決定するように構成される、呼吸補助装置(1)。
【請求項2】
前記測定手段(6)が、ガス圧力(P)およびガス流量(Q)の中から選択される前記ガスの流れを表す少なくとも1つのパラメータを測定するように設計されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記測定手段(6)および前記計算手段が、胸部収縮のあらゆる中断または欠落を連続的に検出および計算するような方法で連続的に作動するように構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
胸部収縮の中断または欠落の少なくとも1つの継続時間(tNCT)または胸部収縮の中断または欠落の前記合計継続時間(Ttot)を表示するように設計された表示手段(
7)を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記信号処理手段(8)が、少なくとも1つの電子基板を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記表示手段(7)が、情報を見るためのスクリーンを含むことを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記計算手段が、マン・マシン・インターフェースを介したユーザによる心臓マッサージの開始の指示に応答して、心臓マッサージ中に、胸部収縮のない全ての決定された継続時間(tNCT)に基づいて、胸部圧迫の欠落の合計継続時間(Ttot)の測定を可能にする計算機の増分を開始するように構成されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記計算手段がカウンタまたはタイマを含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記電子基板が前記計算手段を含むことを特徴とする請求項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、救急医、消防士、看護師またはそれらに類する人など応急処置提供者によって行われる心臓マッサージを確実に監視するために、特に、圧迫の無い時間を確実に監視するために、換気されている患者に対する心臓マッサージの間に使用可能な人工換気装置に関し、および、そのような装置によって用いられる監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
心停止時、心肺蘇生(cardiopulmonary resuscitation:CPR)が行われる場合、応急処置提供者は、胸部圧迫の中断を最小限に抑えて、胸部圧迫によって生じる心拍出量を決して止めないように、および心臓ポンプを枯渇させないように努めなければならない。
【0003】
無流量時間(no−flow time)と呼ばれる時間、すなわち患者が心拍出量を伴わない時間は、後遺症のない患者の生存に関する信頼性のある予後指標である。
【0004】
心停止の開始と最初の胸部圧迫との間に経過した時間(すなわち継続時間)に対応する初期無流量(またはtNFinit)と、合計無流量(またはtNFtot)とを区別することが必要である。合計無流量(またはtNFtot)は、救急サービスによって、すなわち消防士、救急医またはそれらに類する人など応急処置提供者によって提供され特別な心肺蘇生とも呼ばれる処置中の胸部圧迫(CT)のすべての中断も含む。CTの各中断時間は、「無CT時間」(またはtNCT)と呼ばれる。
【0005】
これは次式:tNFtot=tNFinit+S(tNCT)で表され、
式中、S(tNCT)は、胸部圧迫の全中断時間の合計である。
【0006】
さらに、特別な心肺蘇生局面は人工的換気の実施を系統的に必要とすると仮定すると、マスクや挿管カニューレなどの患者インターフェイスを介して空気などの呼吸ガスを患者に送達する呼吸補助装置によって行われるほとんどの事例では、特に患者に挿管する、除細動器のリズムを分析する、患者を動かすなど心臓マッサージが中断される機会は多数回に及ぶ。
【0007】
短時間でありかつまた何度も生じるこれらの中断のすべてを医療従事者が定量化することは困難である。しかしながら、それらは生存の機会を損なうため、特定することが重要である。
【0008】
心停止の人に応急処置を提供する応急処置提供者は、胸部圧迫を施すことによってその人の生命を救うことにかかりきりなので、胸部圧迫が行われなかったすべての期間の正確なカウントを維持する可能性を有していないことは容易に理解されるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、問題は、心停止状態にありCPR中に呼吸補助装置によって換気される人、すなわち患者の胸部圧迫(CT)のない合計時間(Ttot)、すなわち合計継続時間「無CT」を特定できることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明の解決策は、ガスの流れを患者に送達するための呼吸補助装置、すなわち医療用人工呼吸器であって、
−ガスの流れ、特に空気の流れを搬送するためのガス送達導管と、
−ガスの流れを表す少なくとも1つのパラメータを測定し、前記ガスの流れを表す前記少なくとも1つのパラメータに対応する少なくとも1つの信号を供給するように設計された測定手段と、
−測定手段からの前記少なくとも1つの信号を処理し、前記信号から、胸部収縮(chest contractions)(CT)の実行および/または中断された実行に関する少なくとも1つの情報項目を推測するように設計された信号処理手段と、
−胸部収縮(CT)の中断または欠落に関する少なくとも1つの情報項目が信号処理手段によってその間に決定される胸部収縮の中断または欠落の少なくとも1つの継続時間(tNCT)を計算するように構成された計算手段と、
−計算手段によって計算された胸部収縮の中断または欠落の前記少なくとも1つの継続時間(tNCT)を記録するように設計された記憶手段と
を含む呼吸補助装置に関する。
【0011】
状況に応じて、本発明の呼吸補助装置または医療用人工呼吸器は、以下の1つまたは複数の技術的特徴を含むことができる。
−測定手段は、ガス圧力(P)およびガス流量(Q)、特に患者に吹送されるガスの流量または患者が吐き出したガスの流量の中から選択されるガスの流れを表す少なくとも1つのパラメータを測定するように設計される。
−測定手段は、少なくとも1つのガス圧力センサまたはガス流量センサを含む。
−計算手段は、胸部収縮の中断または欠落がその間に決定される胸部収縮の中断または欠落(tNCT)のいくつかの連続した継続時間S(tNCT)を計算するように構成される。別の言い方をすると、計算手段は、胸部収縮の中断または欠落の連続継続時間(tNCT)の合計S(tNCT)を計算する。この手段により、胸部圧迫の欠落の合計継続時間(Ttot)を得ることが可能になる。
−計算手段()は、収縮の中断または欠落がその間に決定される胸部収縮の中断または欠落の継続時間(tNCT)を合計するS(tNCT)ことによって、胸部圧迫の欠落の合計継続時間(Ttot)を決定するように構成される、すなわち、収縮のない異なる時間(tNCT)の合計S(tNCT)が計算される。
−測定手段および計算手段は、胸部収縮の中断または欠落を連続的に検出および計算するような方法で連続的に作動するように構成される。
−それは、胸部収縮の中断または欠落の少なくとも1つの継続時間(tNCT)または胸部収縮の中断または欠落の合計継続時間(Ttot)を表示するように設計された表示手段を含む。
−信号処理手段は、少なくとも1つの電子基板、好ましくは少なくとも1つのアルゴリズムを実装する少なくとも1つのマイクロプロセッサを含む電子基板を含む。
−ある(またはその)電子基板は計算手段を含む。
−「計算デバイス」または「計算機」とも呼ばれる計算手段はタイマを含む。
−表示手段はマン・マシン・インターフェースを含む。
−表示手段は、情報を見るためのスクリーン、好ましくはタッチスクリーンおよび/またはカラースクリーンを備える。
−計算手段は、心臓マッサージ中に、全ての決定された収縮のない継続時間(tNCT)に基づいて、胸部収縮のない合計時間(Ttot)の測定を可能にする計算機を増分および/または停止するように構成される。
−計算手段は、患者に対する心臓マッサージの最終的な終了後に計算機の増分を停止するように構成される。
−それは、ユーザ、すなわち応急処置提供者またはそれに類する人がデータを入力または選択できるように設計された調整または選択手段を含む。
−調整または選択手段は、例えば応急処置提供者または現場に居た目撃者による、患者の心停止の開始と、前記患者に実行された最初の胸部圧迫との間に経過した時間(すなわち継続時間)に対応する初期無流量(またはtNFinit)の継続時間に関する情報を提供するように設計される。初期無流量(またはtNFinit)の継続時間は、おおよその時間であってもよい。
−調整または選択手段は、人工呼吸器と相互作用し、すなわち人工呼吸器に指示を与え、送達される換気のパラメータを変更する、またはデータを入力または選択するように設計されている。
−調整または選択手段は、人工呼吸器に心臓マッサージの開始を知らせるように設計されている。
−計算手段は、調整または選択手段の起動を介したユーザによる心臓マッサージの開始の指示に応答して、心臓マッサージ中に、全ての決定された収縮のない継続時間(tNCT)に基づいて、胸部収縮のない合計時間(Ttot)の測定を可能にする計算機の増分を開始するように構成される。
−マン・マシン・インターフェースは、調整または選択手段、例えば1つまたは複数の起動または選択ボタン、1つまたは複数の回転ノブ、1つまたは複数の摺動式カーソル、またはそれらに類するものを含む。
−マン・マシン・インターフェースは、継続時間入力手段、特にタッチ・ボタンを含むタッチスクリーンを含む。
−計算手段は、初期無流量の継続時間(tNFinit)を、心臓マッサージの間の胸部収縮のない合計時間(Ttot)に加え、それから患者の合計無流量の継続時間(tNFtot)を推測するように構成される。
−それは、情報および/またはデータを記憶するように設計された記憶手段を備える。
−記憶手段は、少なくとも1つのデータ記憶メモリ、特にフラッシュメモリまたはそれに類するものを含む。
−体積換気(VAC)、気圧換気(VPC、VSAI、CPAP、Duoレベル)および/または断続的換気(VACI、PVACI)の1つまたは複数のモードなどの1つまたは複数の換気モードを記憶するように構成された記憶手段。
−信号処理手段は、連続的に動作し、心臓マッサージの実行または非実行の情報項目に対応する胸部収縮の検出を確実にし、胸部収縮の、すなわち心臓マッサージの存在または欠落に応じて計算機を増分するまたはしないような方法で計算手段に前記情報を送達するように構成される。
−信号処理手段および/または計算手段は、少なくとも1つの電子基板、好ましくは1つまたは複数のアルゴリズムを実装する(マイクロ)コントローラを含む。
−マン・マシン・インターフェースは、初期無流量継続時間(tNFinit)、心臓マッサージの間の胸部収縮のない合計時間(Ttot)、および/または患者の合計無流量継続時間(tNFtot)を含む心臓マッサージのない継続時間に関する少なくとも1つの情報項目を含む情報項目を表示することができ、また表示するように設計されている。
−それは、計算機を初期化または再初期化する、すなわちそれを000(すなわちゼロ)に設定または再設定するように構成された再初期化手段を含む。
−再初期化手段は、人工呼吸器に心臓マッサージの開始を知らせるためにユーザが調整または選択手段に作用した後に、計算機を初期化または再初期化するように構成される。換言すると、継続時間「tNCT」の計算機は、人工呼吸器の始動時、すなわち患者の変化を示すユーザの動作により、000で初期化される。
−それは、心臓マッサージの介入の終わりにレポートを、すなわち、心臓マッサージの実行の継続時間、胸部圧迫の欠落の合計継続時間(Ttot)、初期無流量継続時間(tNFinit)および/または合計無流量継続時間(tNFtot)の中から選択される1つまたは複数の情報項目を含むアカウントまたはそれに類するものを作成する手段を含む。
【0012】
ここで本発明は、非限定的な例として与えられ、添付図面を参照する以下の詳細な説明から、より深く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明による呼吸補助装置の実施形態を示しており、ガス供給源はマイクロブロワである。
図2】患者に吹送されるガスの圧力および流量を示すグラフであり、胸部圧迫の有無の期間、および本発明による人工呼吸器によって行われるオペレーションを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明による換気補助装置または医療用人工呼吸器1の実施形態の概略図である。
【0015】
それは、呼吸補助ガス流、典型的には空気流または酸素富化空気流を送達するガス供給源4を備え、それはここではタービンとも呼ばれる電動マイクロブロワである。空気は人工呼吸器1のシェル9内に形成される1つまたは複数の入口オリフィス4aを介してマイクロブロワによって吸引される。
【0016】
代替実施形態(不図示)において、ガス供給源4は、内部導管を介してガスを供給される被制御弁を備え、内部導管はそれ自体、ガスリザーバまたは壁ソケットを内部導管に接続する可撓性導管を介して、ガスリザーバまたはガス管網に接続されるガス供給壁ソケットと流体連通している。
【0017】
1つまたは複数の通路、導管またはガスラインを備えた、患者回路とも呼ばれる換気回路2、16は、人工呼吸器1のガス供給源4を、呼吸マスクまたは挿管カニューレなどの患者インターフェイス3を介して患者20の気道に流体的に接続することを可能にする。
【0018】
換気回路2、16は、患者20に呼吸ガスを運ぶための少なくとも1つの吸気分岐管2を含む。それはまた、患者20によって吐き出された、COが豊富であるガスを収集するように設計された呼気分岐管16を含むことができる。
【0019】
呼気分岐管16は、電子基板などの制御手段5に電気的に接続された呼気流量センサ17、例えば熱線センサと、制御手段5によって制御される呼気弁19とを含む。呼気分岐管16は下流端部でガス出口オリフィス18を介して大気と連通する一方、上流端でY字形のピースを介して吸気分岐管2に接続されるか、または直接患者インターフェイス3に接続される。
【0020】
ガスの流れ、特にガス圧力またはガス流量(人工呼吸器によって吹送された流量か、および/または患者20によって吐き出されたガスの流量か)を表す少なくとも1つのパラメータを測定し前記少なくとも1つの測定されたパラメータを表す少なくとも1つの信号を送達することができかつそれを実行するように設計された、センサおよび/または流量などの測定手段6が設けられている。
【0021】
測定は、ガス送達導管として働く前記吸気分岐管2内のガスの圧力または流量を測定できるようなやり方で換気ガス回路2、16の吸気分岐管2において行われる。図1に示す実施形態では、測定手段6は人工呼吸器の外側に配置されている。しかしながら、別の実施形態によれば、それらは人工呼吸器1内に配置することもできる。
【0022】
ガスの流れを表す1つまたは複数のパラメータが一度測定されると、この測定されたパラメータはガスの流れを表す少なくとも1つの信号に変換され、次いでこの信号は信号処理手段8、すなわち典型的には制御手段5として働く電子基板に送信され、それによって分析され、前記信号から、心停止に陥っている患者に対して行われる心臓マッサージに関する少なくとも1つの情報項目、具体的には胸部収縮CTの実行および/または中断された実行に関する少なくとも1つの情報項目を推測する。
【0023】
したがって、信号処理手段8は、人工呼吸器1の制御手段5の一部を形成し、1つまたは複数のアルゴリズムを実装するマイクロプロセッサを有する1つまたは複数の電子基板を備える。
【0024】
人工呼吸器1は、さらに、信号処理手段8と協働する計算手段、例えばカウンタまたはタイマを備える。
【0025】
より正確には、計算手段は、信号処理手段8による胸部収縮(CT)の中断または欠落に関する情報項目の検出に応答して、胸部収縮の中断または欠落の各継続時間(tNCT)を計算するように構成される、すなわち、計算するように設計され、計算することができる。
【0026】
胸部収縮の中断または欠落の連続的な継続時間tNCTのすべてを計算し、合計して、胸部圧迫の欠落の合計継続時間Ttotを得る。
【0027】
フラッシュメモリなどの記憶手段12は、計算手段によって計算された胸部収縮の中断または欠落の1つまたは複数の継続時間(tNCT)の、およびまた胸部圧迫の欠落の合計継続時間Ttotの記録を可能にする。
【0028】
人工呼吸器1は、ユーザ、すなわち医療従事者、例えば救急隊員によって起動されることができる1つまたは複数の制御ボタン11と、情報表示スクリーン7とを含むマン・マシン・インターフェースをさらに備え、前記マン・マシン・インターフェースは、その特定の領域が制御キーを構成するカラー表示を有するタッチスクリーンを備えると好ましい。
【0029】
信号処理手段8が、測定手段6から来る1つまたは複数の信号を処理し、それから患者20に対して行われた心臓マッサージの情報特性の項目を推測すると、次に計算手段は、その間収縮の中断または欠落が決定される胸部収縮の中断または欠落の異なる継続時間tNCTを数え始め、すなわち、これらの継続時間を合計し始め、それらから胸部圧迫の欠落の合計継続時間Ttotを推測できるようにする。
【0030】
好ましくは、測定手段6および計算手段は、胸部収縮の任意の中断または欠落、ならびに心臓マッサージの任意の再開を連続的に検出するような方法で連続的に動作するように構成される。
【0031】
好ましくは、計算手段は、カウンタの増分を開始するように構成され、このカウンタの増分の開始により、心臓マッサージ中の、すべての決定された収縮のない継続時間tNCTに基づく胸部収縮のない合計時間Ttotの測定が可能になるが、測定は、例えばユーザが心臓マッサージの開始を示すボタンを押した後に、調節または選択手段を作動させることによって、ユーザによる心肺蘇生に特有の換気モードの開始の指示に応答して可能になる。
【0032】
最後に、人工呼吸器1は、マン・マシン・インターフェース上に、胸部収縮の中断または欠落の継続時間tNCT、または胸部収縮の中断または欠落の継続時間tNCTのすべての合計S(tNCT)に対応する胸部収縮の中断または欠落の合計継続時間(Ttot)を表示する。
【0033】
介入の終了時のレポートの表示、またはUSB記憶装置または同様のものに対する介入の終了時にレポートを読み出す可能性など、レポートを作成するための手段が提供される。これらは、好ましくは、心臓マッサージ後の介入のレポート、すなわち、心臓マッサージの実行の継続時間、胸部圧迫の欠落の合計継続時間Ttot、初期「無流量」継続時間tNFinitおよび/または合計「無流量」継続時間tNFtotの中から選択された1つまたは複数の情報項目を含むアカウントまたはそれに類するものを作成するように設計される。
【0034】
信号は、適切なリンク、すなわちケーブルまたはそれに類するものなど電気的リンク10を介して、人工呼吸器1の異なる構成要素間で伝送される。
【0035】
人工呼吸器1はまた、持ち運び用ハンドル13および/または装置を支持体に固定する働きをするフックまたはそれに類するものなどの固定システム14を含むことができる。人工呼吸器1は、剛性のケースまたは柔軟なバッグの中に入れて輸送することもできる。
【0036】
図2は、本発明による人工呼吸器、例えば図1の人工呼吸器を用いて時間tにわたって患者に吹送されるガスの流れの圧力Pおよび流量Qを示すグラフであり、グラフから胸部圧迫あり(局面aおよびc)およびなし(局面b)の期間を区別することが可能であり、また呼吸器によって行われる動作の表示を区別することが可能である。
【0037】
より正確には、呼吸器1が、使用される流量または圧力センサ6から来る流量Qおよび/または圧力Pの信号を分析することによって心臓マッサージの存在を検出するとき(局面aおよびc)、胸部圧迫なしで経過した継続時間tNCTは増分されない。
【0038】
逆に、呼吸器が、流量Qおよび/または圧力Pの信号を分析する際に心臓マッサージを検出しないとき(局面b)、胸部圧迫なしで経過した継続時間tNCTが増分される、すなわち、継続時間tNCTは、胸部圧迫CTの欠落を反映する合計継続時間Ttotを定めるために、先に検出することができまた互いに加算され合った他の継続時間tNCTに加算される。
【0039】
長期間(例えば1分)胸部圧迫のない場合(局面d)、人工呼吸器は、患者が蘇生されたか、または蘇生の試みが放棄されたとみなす。この局面eにおいて、カウンタtNCTはもはや増分されない。
【0040】
tNCTの認識は、医療従事者が100%の理想的な値に近づくために胸部圧迫を中断することを決して促さないように、その間圧迫が行われる蘇生時間のパーセンテージを計算して表示することを可能にする。この指標は%CTと呼ばれ、次のように計算される:
【0041】
【数1】
【0042】
その後、心臓マッサージの実行の継続時間、胸骨圧迫の欠落の合計継続時間Ttot、初期「無流量」継続時間tNFinit、および/または合計「無流量」継続時間tNFtotを人工呼吸器1のタッチスクリーン7上に表示することができ、および/またはそれらは医療従事者を対象とした介入レポートの主題であることができる。
【0043】
一般に、本発明の人工換気装置は、救急医、消防士、看護師またはそれらに類する人など、応急処置提供者によって実行される心臓マッサージの監視を確実にするために、換気される患者に対する心臓マッサージの間に使用されるように好ましくは適合されている。
図1
図2