特許第6684853号(P6684853)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6684853
(24)【登録日】2020年4月1日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】音声学習システム、および音声学習方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/06 20060101AFI20200413BHJP
   G09B 5/06 20060101ALI20200413BHJP
   G10L 13/00 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   G09B19/06
   G09B5/06
   G10L13/00 100R
【請求項の数】6
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-99531(P2018-99531)
(22)【出願日】2018年5月24日
(65)【公開番号】特開2019-79026(P2019-79026A)
(43)【公開日】2019年5月23日
【審査請求日】2019年2月14日
(31)【優先権主張番号】特願2017-205921(P2017-205921)
(32)【優先日】2017年10月25日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516229092
【氏名又は名称】中野 泰宏
(74)【代理人】
【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂
(72)【発明者】
【氏名】中野 泰宏
【審査官】 宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−101737(JP,A)
【文献】 特開2015−176000(JP,A)
【文献】 特開2015−060074(JP,A)
【文献】 特許第4369529(JP,B1)
【文献】 特開2005−055849(JP,A)
【文献】 特開2015−011187(JP,A)
【文献】 特開平10−222049(JP,A)
【文献】 特開2010−231100(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0017617(US,A1)
【文献】 岡崎哲夫、外2名,"ARを用いた中学学習教材の開発",「電子情報通信学会2015年総合大会講演論文集 情報・システム1 電子情報通信学会2015年総合大会」,日本,一般社団法人 電子情報通信学会,2015年 2月24日,p.193
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 5/00−5/06,7/00−7/04,19/06
G10L 13/00,15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声を通じて学習者が第二言語を学習する音声学習システムであって、
少なくとも第一言語のテキストデータまたは音声データとそれに対応する第二言語のテキストデータまたは音声データとが収録された記憶装置と、前記記憶装置に収録された音声データを再生可能な音声再生装置と、前記記憶装置に収録されたテキストデータを表示可能な表示装置と、前記第二言語の文を構成する各単語の語順を入力するための回答入力装置と、前記音声再生装置による音声データの再生、または前記表示装置によるテキストデータの表示を行うための再生プログラムと、前記音声再生装置が再生した第一言語文の音声データまたは前記表示装置に表示されたテキストデータに対応する一または複数の第二言語文のテキストデータの語順と前記回答入力装置から入力されたテキストの語順との正誤判定するサイレント判定プログラムと、前記再生プログラムおよび前記サイレント判定プログラムを実行するコンピュータとを備え、
前記コンピュータが前記再生プログラムを実行することにより、前記音声再生装置による第一言語文の音声の再生、または前記表示装置による第一言語文の表示がなされ、前記コンピュータが前記サイレント判定プログラムを含む学習プログラムを実行することにより、学習者が前記第一言語文に対応して頭の中で翻訳した第二言語文を構成する各単語の頭文字を語順に沿って前記回答入力装置から入力する都度に、該単語の頭文字と、前記記憶装置に収録された前記第一言語文に対応する一または複数の第二言語文の各単語の頭文字との正誤判定がなされるとともに、
前記記憶装置に収録された前記第一言語文に対応する前記一または複数の第二言語文を構成する各単語の語順と、学習者が前記回答入力装置から入力した第二言語の頭文字に基づく各単語の語順との正誤判定がなされることを特徴とする音声学習システム。
【請求項2】
前記記憶装置は、前記第二言語文のテキストデータに対応した第二言語文の音声データをさらに収録し、
前記正誤判定の後に前記音声再生装置によって前記第二言語の音声データが再生されることを特徴とする請求項1に記載された音声学習システム。
【請求項3】
学習者が発声した音声を入力する音声入力装置と、前記音声入力装置に入力された音声をテキストデータとして認識する音声認識部と、前記音声認識部が認識したテキストデータと、前記再生プログラムにより再生された第一言語文のテキストデータに対応する一または複数の第二言語文のテキストデータとの正誤判定する音声判定プログラムとをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載された音声学習システム。
【請求項4】
前記コンピュータがサイレント判定プログラムおよび音声判定プログラムのいずれか一方を実行するように選択されることを特徴とする請求項3に記載された音声学習システム。
【請求項5】
前記第一言語と第二言語とは同一の言語であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された音声学習システム。
【請求項6】
少なくとも第一言語のテキストデータまたは音声データとそれに対応する第二言語のテキストデータまたは音声データとが収録された記憶装置と、前記記憶装置に収録された音声データを再生可能な音声再生装置と、前記記憶装置に収録されたテキストデータを表示可能な表示装置と、前記第二言語の文を構成する各単語の語順を入力するための回答入力装置と、前記音声再生装置による音声データの再生、または前記表示装置によるテキストデータの表示を行うための再生プログラムと、前記音声再生装置が再生した第一言語文の音声データまたは前記表示装置に表示されたテキストデータに対応する一または複数の第二言語文のテキストデータの語順と前記回答入力装置から入力されたテキストの語順との正誤判定するサイレント判定プログラムと、前記再生プログラムおよび前記サイレント判定プログラムを実行するコンピュータとを具備する音声学習システムにおいて、音声を通じて外国語を学習する音声学習方法であって、
前記コンピュータにより前記再生プログラムおよび前記サイレント判定プログラムが実行されることにより、
前記音声再生装置により第一言語文を再生、または前記表示装置により第一言語文を表示するステップと、
学習者が前記第一言語文に対応して頭の中で翻訳した第二言語文を構成する各単語の頭文字を語順に沿って前記回答入力装置から入力する都度に、該単語の頭文字と、前記記憶装置に収録された前記第一言語文に対応する一または複数の第二言語文の各単語の頭文字との正誤判定をするとともに、
前記記憶装置に収録された前記第一言語文に対応する前記一または複数の第二言語文を構成する各単語の語順と、学習者が前記回答入力装置から入力した第二言語の頭文字に基づく各単語の語順との正誤判定をするステップと、が実行されることを特徴とする音声学習方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声学習システム、および音声学習方法に関し、例えば母国語文(例題)に基づいて頭の中で外国語文を作成し、当該作成された外国語文の語順と記録された正確な外国語文(正解例)とに基づいて正誤判定をすることで、声を発することのできない公共の場所でも、声を発することなくスピーキングのトレーニングを行うことを目的とする音声学習システム、および音声学習方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、和文の音声出題に対して頭の中で英訳し、フレーズを発音することにより英会話のトレーニングをする方法がある。しかしながら、電車内、カフェ、飛行機内など、声を発することが適切でない公共の場所では、実際に発声をしてトレーニングをすることが憚られる状況もあった。
【0003】
発声する代わりに文字を入力するという、いわゆる翻訳的な訓練をすることに関しては、キーボードからの入力により回答し、コンピュータが正誤判定する構成が知られている(例えば特許文献1参照)。例えば、英単語を日本語に訳す問題の場合には、日本語の頭文字のみの入力で正誤判定することが開示され、英単語の和訳学習においてスピーディなトレーニングをすることが期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−101737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、翻訳的な訓練では文法やスペルの正確性またはライティング能力を主たる目的としたトレーニングであり、言いたいことを自然に文章にして口に出すという、会話に必要な能力をトレーニングする目的では適切ではない。会話に必要な能力を習得するには、直感的に素早く正しい語順で文章を組み立てる能力をトレーニングする必要がある。
そのため、声を発することのできない公共の場所でも、声を発することなく直感的に素早く正しい語順で文章を組み立てる能力をトレーニングすることのできる学習システムが望まれていた。
【0006】
本発明は、前記した点に着目してなされたものであり、音声を通じて言語を学習する音声学習システムにおいて、声を発することなく直感的に素早く正しい語順で文章や熟語等を組み立てる能力をトレーニングすることを目的とする。
更には、単語の学習への応用や、言語以外の学問の習得にも応用することが可能な音声学習システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した課題を解決するために、本発明に係る音声学習システムは、音声を通じて学習者が第二言語を学習する音声学習システムであって、少なくとも第一言語のテキストデータまたは音声データとそれに対応する第二言語のテキストデータまたは音声データとが収録された記憶装置と、前記記憶装置に収録された音声データを再生可能な音声再生装置と、前記記憶装置に収録されたテキストデータを表示可能な表示装置と、前記第二言語の文を構成する各単語の語順を入力するための回答入力装置と、前記音声再生装置による音声データの再生、または前記表示装置によるテキストデータの表示を行うための再生プログラムと、前記音声再生装置が再生した第一言語文の音声データまたは前記表示装置に表示されたテキストデータに対応する一または複数の第二言語文のテキストデータの語順と前記回答入力装置から入力されたテキストの語順との正誤判定するサイレント判定プログラムと、前記再生プログラムおよび前記サイレント判定プログラムを実行するコンピュータとを備え、前記コンピュータが前記再生プログラムを実行することにより、前記音声再生装置による第一言語文の音声の再生、または前記表示装置による第一言語文の表示がなされ、前記コンピュータが前記サイレント判定プログラムを含む学習プログラムを実行することにより、学習者が前記第一言語文に対応して頭の中で翻訳した第二言語文を構成する各単語の頭文字を語順に沿って前記回答入力装置から入力する都度に、該単語の頭文字と、前記記憶装置に収録された前記第一言語文に対応する一または複数の第二言語文の各単語の頭文字との正誤判定がなされるとともに、前記記憶装置に収録された前記第一言語文に対応する前記一または複数の第二言語文を構成する各単語の語順と、学習者が前記回答入力装置から入力した第二言語の頭文字に基づく各単語の語順との正誤判定がなされることに特徴を有する。
【0008】
このように構成することにより、学習者は、第一言語文が再生(テキスト表示、及び/或いは音声)されることによる「出題」がなされた後、その第一言語文に対応する第二外国語文の語順を回答入力装置にて入力し、正解の第二外国語文のテキストデータの語順と正誤判定することで、スペルの正確性や、語順を除く文法的エラー(細かい時制、単数複数型など)にこだわることなく直感的に素早くテンポよく言葉を話すかのように回答することができる。
また、前記出題と回答を繰り返し行うことにより、学習者は、直感的に素早く言葉を話すかのように正しい語順を考える文章組み立て力(スピーキング)を効率的にトレーニングすることができるだけでなく、回答後の正解を求める関心の高い状態で、音声やテキスト表示による正解文章を、何度も読み、聞き、することで理解力(リスニング、リーディング)を効率的にトレーニングすることができる。更には、直感的に素早く正しい語順を考え、繰り返し表示される正解文章を読むことにより頭にすり込まれた正しいスペルで文章を組み立てる力(ライティング)を効率的にトレーニングすることができる。
よって、学習者は、声を発することなく語学力を総合的に向上させることができる。
【0009】
また、前記サイレント判定プログラムにおける正誤判定は、前記音声再生装置が再生した第一言語文の音声データ、または前記表示装置に表示された第一言語文のテキストデータに対応する第二言語文のテキストデータにおける各単語の頭文字と、前記回答入力装置にて入力されたテキストの頭文字との正誤判定であることが望ましい。
【0010】
このような構成によれば、学習者は、スペルの正確性や、語順を除く文法的エラー(細かい時制、単数複数型など)にこだわることなく、頭文字の入力だけで直感的に素早くテンポよく言葉を話すかのように回答することができる。すなわち、学習者は、声を発することなく直感的に素早く正しい語順で文章を組み立てる能力をトレーニングすることができる。
【0011】
また、前記サイレント判定プログラムにおける正誤判定は、前記音声再生装置が再生した第一言語文の音声データ、または前記表示装置に表示された第一言語文のテキストデータに対応する第二言語文のテキストデータにおける各単語の語順と、前記回答入力装置にて選択された第二言語文の各単語の語順との正誤判定であることが望ましい。
【0012】
このような構成によれば、学習者は、スペルの正確性や、語順を除く文法的エラー(細かい時制、単数複数型など)にこだわることなく各単語の語順を選択するだけで直感的に素早くテンポよく言葉を話すかのように回答することができる。すなわち、学習者は、声を発することなく直感的に素早く正しい語順で文章を組み立てる能力をトレーニングすることができる。
【0013】
また、前記記憶装置は、前記第二言語文のテキストデータに対応した第二言語文の音声データをさらに収録し、前記正誤判定の後に前記音声再生装置によって前記第二言語文の音声データが再生されることが望ましい。
【0014】
このような構成によれば、学習者は、スペルの正確性や、語順を除く文法的エラー(細かい時制、単数複数型など)にこだわることなく直感的に素早くテンポよく言葉を話すかのように回答した後に、正確な文法やスペルをリスニングを通じても習得することができるので、スピーキング力、リスニング力を同時に習得しながら総合的な語学力を体得することができる。
【0015】
また、学習者が発声した音声を入力する音声入力装置と、前記音声入力装置に入力された音声をテキストデータとして認識する音声認識部と、前記音声認識部が認識したテキストデータと、前記再生プログラムにより再生された第一言語文のテキストデータに対応する第二言語文のテキストデータとの正誤判定する音声判定プログラムとをさらに備えることが望ましい。
【0016】
このような構成によれば、学習者は、声を発することが許される場所では、実際に発声をしてトレーニングをすることも可能になり、総合的な語学力(リスニング、スピーキング、ライティング、リーディング)を体得することができる。
【0017】
また、前記コンピュータがサイレント判定プログラムおよび音声判定プログラムの何れか一方を実行するように選択されることが望ましい。
【0018】
このような構成によれば、学習者は、声を発することが適切であるか、声を発することが憚られるかに従って、学習プログラムのモードを選択することができる。
【0019】
また、前記第一言語と第二言語とは同一の言語であってもよい。
例えば、第一言語と第二言語とを英語としてもよく、その場合は、英語で問題が出題され、英語で答えを入力することになり、上級者向けの高度な言語学習を行うことができる。
【0020】
あるいは、本発明に係る音声学習システムは、音声を通じて学習するための音声学習システムであって、少なくとも1つの単語からなる問題文のテキストデータまたは音声データとそれに対応する正解語句のテキストデータまたは音声データとが収録された記憶装置と、前記記憶装置に収録された音声データを再生可能な音声再生装置と、前記記憶装置に収録されたテキストデータを表示可能な表示装置と、学習者が回答語句を入力するための回答入力装置と、前記音声再生装置による音声データの再生、または前記表示装置によるテキストデータの表示を行うための再生プログラムと、前記音声再生装置が再生した問題文の音声データまたは前記表示装置に表示されたテキストデータに対応する正解語句の頭文字と前記回答入力装置から入力された回答語句の頭文字との正誤判定するサイレント判定プログラムと、前記再生プログラムおよび前記サイレント判定プログラムを実行するコンピュータとを備え、前記コンピュータが前記再生プログラムを実行することにより、前記音声再生装置による問題文の音声の再生、または前記表示装置による問題文の表示がなされ、前記コンピュータが前記サイレント判定プログラムを含む学習プログラムを実行することにより、前記記憶装置に収録された前記問題文に対応する正解語句の頭文字と、学習者が前記回答入力装置から入力した回答語句の頭文字との正誤判定がなされることに特徴を有する。
【0021】
このような構成によれば、学習者は、例えば単語の学習において、スペルの正確性にこだわることなく、頭文字の入力だけで直感的に素早くテンポよく回答することができる。すなわち、学習者は、声を発することなく多数の単語の記憶力を効率的にトレーニングすることができる。
また、この構成によれば、言語学習以外の学問、例えば歴史問題など、特に記憶力が必要な学問を効率的に学習したい場合にも有効である。
【0022】
尚、前記記憶装置は、前記正解語句に対応した音声データをさらに収録し、前記正誤判定の後に前記音声再生装置によって前記正解語句の音声データが再生されることが望ましい。
【0023】
このような構成によれば、単語学習の場合、学習者は、スペルの正確性にこだわることなく直感的に素早く回答した後に、正確なスペルをリスニングを通じても習得することができるので、スピーキング力、リスニング力を同時に習得することができ、また、言語以外の学問の場合には、視覚と聴覚を通じて効果的に習得することができる。
【0024】
また、学習者が発声した音声を入力する音声入力装置と、前記音声入力装置に入力された音声をテキストデータとして認識する音声認識部と、前記音声認識部が認識したテキストデータと、前記再生プログラムにより再生された問題文に対応する正解語句のテキストデータとの正誤判定する音声判定プログラムとをさらに備えることが望ましい。
【0025】
このような構成によれば、学習者は、声を発することが許される場所では、実際に発声をしてトレーニングをすることも可能となる。
【0026】
また、前記コンピュータがサイレント判定プログラムおよび音声判定プログラムのいずれか一方を実行するように選択されることが望ましい。
【0027】
このような構成によれば、学習者は、声を発することが適切であるか、声を発することが憚られるかに従って、学習プログラムのモードを選択することができる。
【0028】
また、前記した課題を解決するために、本発明に係る音声学習方法は、少なくとも第一言語のテキストデータまたは音声データとそれに対応する第二言語のテキストデータまたは音声データとが収録された記憶装置と、前記記憶装置に収録された音声データを再生可能な音声再生装置と、前記記憶装置に収録されたテキストデータを表示可能な表示装置と、前記第二言語の文を構成する各単語の語順を入力するための回答入力装置と、前記音声再生装置による音声データの再生、または前記表示装置によるテキストデータの表示を行うための再生プログラムと、前記音声再生装置が再生した第一言語文の音声データまたは前記表示装置に表示されたテキストデータに対応する一または複数の第二言語文のテキストデータの語順と前記回答入力装置から入力されたテキストの語順との正誤判定するサイレント判定プログラムと、前記再生プログラムおよび前記サイレント判定プログラムを実行するコンピュータとを具備する音声学習システムにおいて、音声を通じて外国語を学習する音声学習方法であって、前記コンピュータにより前記再生プログラムおよび前記サイレント判定プログラムが実行されることにより、前記音声再生装置により第一言語文を再生、または前記表示装置により第一言語文を表示するステップと、学習者が前記第一言語文に対応して頭の中で翻訳した第二言語文を構成する各単語の頭文字を語順に沿って前記回答入力装置から入力する都度に、該単語の頭文字と、前記記憶装置に収録された前記第一言語文に対応する一または複数の第二言語文の各単語の頭文字との正誤判定をするとともに、前記記憶装置に収録された前記第一言語文に対応する前記一または複数の第二言語文を構成する各単語の語順と、学習者が前記回答入力装置から入力した第二言語の頭文字に基づく各単語の語順との正誤判定をするステップと、が実行されることに特徴を有する。
【0029】
このような方法によれば、学習者は、第一言語が再生(音声及び/または表示)されることによる「出題」がなされた後、その第一言語文に対応する第二言語文の語順を回答入力装置にて入力し、正解の第二言語文のテキストデータの語順とで正誤判定することで、スペルの正確性や、語順を除く文法的エラー(細かい時制、単数複数型など)にこだわることなく直感的にテンポよく言葉を話すかのように回答することができる。
また、前記出題と回答を繰り返し行うことにより、学習者は、直感的に素早く言葉を話すかのように正しい語順を考える文章組み立て力(スピーキング)を効率的にトレーニングすることができるだけでなく、回答後の正解を求める関心の高い状態で、音声やテキスト表示による正解文章を、何度も読み、聞き、することで理解力(リスニング、リーディング)を効率的にトレーニングすることができる。更には、直感的に素早く正しい語順を考え、繰り返し表示される正解文章を読むことにより頭にすり込まれた正しいスペルで文章を組み立てる力(ライティング)を効率的にトレーニングすることができる。
よって、学習者は、声を発することなく語学力を総合的に向上させることができる。
【0030】
あるいは、本発明に係る音声学習方法は、少なくとも1つの単語からなる問題文のテキストデータまたは音声データとそれに対応する正解語句のテキストデータまたは音声データとが収録された記憶装置と、前記記憶装置に収録された音声データを再生可能な音声再生装置と、前記記憶装置に収録されたテキストデータを表示可能な表示装置と、学習者が回答語句を入力するための回答入力装置と、前記音声再生装置による音声データの再生、または前記表示装置によるテキストデータの表示を行うための再生プログラムと、前記音声再生装置が再生した問題文の音声データまたは前記表示装置に表示されたテキストデータに対応する正解語句の頭文字と前記回答入力装置から入力された回答語句の頭文字との正誤判定するサイレント判定プログラムと、前記再生プログラムおよび前記サイレント判定プログラムを実行するコンピュータとを具備する音声学習方法であって、前記コンピュータにより前記再生プログラムおよび前記サイレント判定プログラムが実行されることにより、前記音声再生装置による問題文の音声の再生、または前記表示装置による問題文の表示を行うステップと、前記記憶装置に収録された前記問題文に対応する正解語句の頭文字と、学習者が前記回答入力装置から入力した回答語句の頭文字との正誤判定を行うステップとが実行されることに特徴を有する。
【0031】
このような方法によれば、言語学習における文章や塾語等だけでなく、単語の学習や言語以外の学問の学習も可能である。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、学習者は、第一言語文が再生されることによる「出題」がなされた後、その第一言語文に対応する第二言語文の語順を回答入力装置にて入力し、正解の第二言語文のテキストデータの語順とで正誤判定することで、スペルの正確性や、語順を除く文法的エラー(細かい時制、単数複数型など)にこだわることなく直感的に素早くテンポよく言葉を話すかのように回答することができる。
また、前記出題と回答を繰り返し行うことにより、学習者は、直感的に素早く言葉を話すかのように正しい語順を考える文章組み立て力(スピーキング)を効率的にトレーニングすることができるだけでなく、回答後の正解を求める関心の高い状態で、音声やテキスト表示による正解文章を、何度も読み、聞き、することで理解力(リスニング、リーディング)を効率的にトレーニングすることができる。更には、直感的に素早く正しい語順を考え、繰り返し表示される正解文章を読むことにより頭にすり込まれた正しいスペルで文章を組み立てる力(ライティング)を効率的にトレーニングすることができる。
よって、学習者は、声を発することなく語学力を総合的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、本発明に係る音声学習システムの第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
図2図2は、日本語文の音声データと英語文のテキストデータと英語文の音声データとを対応付ける対応テーブルの例を示す図である。
図3図3は、サイレント判定モードにおける学習プログラムの実施の流れを示すフローチャートである。
図4図4は、図3のフローチャートの変形例である。
図5図5は、本発明に係る音声学習システムの第2の実施形態の構成を示すブロック図である。
図6図6は、音声判定モードにおける学習プログラムの実施の流れを示すフローチャートである。
図7図7は、サイレント判定モードと音声判定モードとを切り替えて実行する学習プログラムの動作の流れを示すフローである。
図8図8は、日本史の問題文のテキストデータ、音声データと解答文のテキストデータ、音声データとを対応付ける対応テーブルの例を示す図である。
図9図9は、本発明に係る音声学習システムの第3の実施形態において、学習プログラムの実施の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明に係る音声学習システム及び音声学習方法の実施の形態につき、図面に基づいて説明する。なお、以下で説明する本実施の形態のうち、第1及び第2の実施形態においては、第一言語(母国語)が日本語である学習者が第二言語(外国語)として英語を学習する場合を例にとって説明するが、本発明の実施は、第一、第二言語がそれぞれ特定の言語に限定されるものではない。
【0035】
(第1の実施形態)
本発明に係る音声学習システムの第1の実施形態について、図1から図3を用いて説明する。図1は、本発明に係る音声学習システムの第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
【0036】
図1に示すように、音声学習システム100は、コンピュータとしての機能を代表するCPU2と、音声再生装置として機能するスピーカ3および音声出力部4と、学習者が回答などを入力するための操作部5と、学習プログラム61等を実行するために一次記憶しておくメモリ6と、音声データおよびテキストデータなどを記憶しておく記憶装置7と、学習者に正解文その他の情報を表示するためのLCDなどの表示部8(表示装置)とを備えている。音声学習システム100は、通常のパーソナルコンピュータを用いても実現し得るし、タブレットコンピュータやスマートフォンを用いても実現し得る。
【0037】
CPU2は、メモリ6に記憶されている学習プログラム61などの一般的なプログラムを実行可能に構成された汎用マイクロプロセッサを用いることができる。すなわち、CPU2は、学習プログラム61だけでなく、音声学習システム100の各構成を制御するための制御プログラム62なども実行することができるように構成されている。これにより、CPU2が学習プログラム61を実行することによって、音声学習システム100は、実施の形態に係る音声学習方法を提供することが可能となっている。
【0038】
スピーカ3は、音声出力部4が出力した電気信号を音波に変換する機能を有するものである。なお、音声出力部4は、CPU2からの指令に従ってスピーカ3を制御するためにデジタル/アナログ変換等の処理を行う。ここで、スピーカ3は、電車内、カフェ、飛行機内など、声を発することが適切でない公共の場所での使用を想定しているので、ヘッドホンやイヤホンなどの形態とすることが望ましい。また、スピーカ3がヘッドホンやイヤホンである場合には、スピーカ3が音声学習システム100に対してコネクタを介して外部に接続することになるが、このような構成も本発明の実施の形態の範疇に属する。
【0039】
学習者は、スピーカ3から出力される日本語の音声を聞き取り、或いは、表示部8に表示された日本語文を見て、これを出題文として頭の中で英語に翻訳することになる。また、スピーカ3は、解答時間の開始や終了を示す触発音の出力にも用いられる。
【0040】
操作部5は、学習者が日本語文に対応する英語文の語順を入力する機能を提供する。操作部5は、例えばキーボードまたはタッチパネルなどを用いることができる。操作部5としてハードウェアキーボードを用いる場合、操作部5が音声学習システム100に対してコネクタを介して外部に接続することになるが、このような構成も本発明の実施の形態の範疇に属する。また、操作部5としてタッチパネル(ソフトウェアキーボードを含む)を用いる場合、操作部5と表示部8は一体の構成とすることが好ましい。
【0041】
メモリ6は、読み出しおよび書き込みが可能な、いわゆるRAM(揮発性メモリ)で構成されている。メモリ6は、CPU2が実行するためのプログラムおよびプログラムを実行するためのデータなどを一時的に記憶しておくための構成である。したがって、CPU2が実行する学習プログラム61(音声再生プログラム61a、表示プログラム61dおよびサイレント判定プログラム61bを含む)や制御プログラム62は、使用時にはメモリ6に展開されているが、未使用時には、別途の記憶装置に格納されている。また、この場合の記憶装置とは、音声学習システム100の内部に備えられている場合もあれば、有線または無線のネットワークを介してダウンロードし得るように構成された記憶装置である場合も含まれる。
【0042】
記憶装置7には、日本語文のテキストデータ75と、その日本語文のテキストデータに対応した音声データ71と、前記日本語文に対応する英語文のテキストデータ72と、その英語文のテキストデータに対応した英語文の音声データ73とが収録されている。日本語文の音声データと英語文のテキストデータと英語文の音声データとは、別途の対応テーブル74によって管理し、実体のデータはそれぞれ別のファイルとして収録してもよい。
【0043】
なお、日本語文と英語文との対応関係は、必ずしも1対1ではなく、1対多となることも許容する。例えば、「私は去年の夏この時計をハワイで手に入れました。」という日本語文には、「I got this watch in Hawaii last summer.」という英語文が対応し得るが、「I bought this watch in Hawaii last summer.」という英語文も対応し得る。
【0044】
また、記憶装置7は、例えばハードディスクやソリッドステートドライブ(SSD)を用いて音声学習システム100内に備える構成としてもよいし、例えばCD−ROMやDVD−ROMやSDカードなどの記憶媒体を用いて音声学習システム100に読み込ませる構成としてもよい。また、有線または無線のネットワークを介してダウンロードし得るように構成してもよい。
【0045】
表示部8は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)で構成されており、先述したように操作部5と一体的にタッチパネルとして構成してもよい。表示部8では、出題される日本語文や学習者が入力した英語文の語順や正解の英語文などを表示することができるように構成されている。
【0046】
図2は、日本語文の音声データと英語文のテキストデータと英語文の音声データとを対応付ける対応テーブルの例を示す図である。図2に示されるテーブルは、図1に示される対応テーブル74に相当している。
【0047】
図2に示されるように、対応テーブルには、各問題の日本語文のテキストデータ75及び音声データ71と英語文のテキストデータ72及び音声データ73の対応関係が記録されている。第1列には、「問題No.」が記録されており、例えば出題の通し番号や、出題カテゴリ別の番号を記録されている。第2列には、「出題テキストファイル」のファイル名が記録されており、出題時に表示すべきテキストデータを指定している。第3列には、「出題音声ファイル」のファイル名が記録されており、出題時に再生すべき音声データを指定している。第4列には、「正解テキスト」のファイル名が記録されており、学習者が入力した語順との間で正誤判定すべき正解文を指定している。第5列には、正解テキストに対応している「正解音声(通常)」のファイル名が記録されており、正誤判定の後に再生すべき音声データを指定している。なお、本例では、学習効果を高めるため、第6列には、正解文をゆっくり発声した「正解音声(スロー)」のファイル名も記録されている。
【0048】
なお、先述したように、音声学習システム100では、日本語文と英語文との対応関係は、必ずしも1対1ではなく、1対多となることも許容する。したがって、例えば、「問題No.n(nは整数)」のように、出題音声ファイルの「日本語n.mp3」に対応する正解テキストは、「英語n−1.txt」と「英語n−2.txt」になることもあり、また、正解テキストに対応する正解音声もこれに応じて複数であることも許容する。
【0049】
図3は、サイレント判定モードにおける学習プログラムの実施の流れを示すフローチャートである。音声学習システム100は、CPU2が学習プログラム61(音声再生プログラム61a、サイレント判定プログラム61b、及び表示プログラム61dを含む)を実行することによって、実施の形態に係る音声学習方法を提供すると共に、声を発することなく直感的に素早く正しい語順で文章を組み立てる能力をトレーニングすることを可能にする。
【0050】
図3に示すように、学習プログラム61が実行されると、表示プログラム61dが日本語文を表示する、或いは音声再生プログラム61aが日本語文を再生する(ステップS101)。音声再生プログラム61aが対応テーブル74を参照し、出題音声ファイルとして指定されている音声ファイルを選択し、これを音声再生装置として機能するスピーカ3および音声出力部4を用いて再生する。
その後、音声再生プログラム61aは、適切な触発音(例えば「ピー」という音)を再生し、学習者に回答開始を促す(ステップS102)。
【0051】
次に、サイレント判定プログラム61bが、学習者が入力した語順と正解となる英語文の語順との間で正誤判定を行う(ステップS103)。サイレント判定プログラム61bは、学習者が語順を操作部5に入力するまでの所定時間待機すると共に、対応テーブル74を参照し、入力された語順と正解テキストの語順との間で正誤判定を行う。
【0052】
ここで、サイレント判定プログラムにおける正誤判定は、正解となる英語文における各単語の頭文字と学習者が入力した頭文字との間で正誤判定する方式(語順と英単語の判定)や、正解となる英語文における各単語の語順と学習者が選択した語順との間で正誤判定する方式(語順に重きをおいた判定)などが採用し得る。
【0053】
正解となる英語文における各単語の頭文字と、学習者が入力した頭文字との間で正誤判定する方式では、学習者が頭文字を入力する都度に、入力した頭文字の正誤判定を行うものとすることができる。学習者が入力した頭文字が不正解の場合、表示部8に「?」などの表示を行い、学習者に再考を促し、学習者が入力した頭文字が正解の場合、頭文字以外の単語の文字も表示部8に表示し、次の単語の頭文字の正誤判定に移る方式が考えられる。
【0054】
正解となる英語文における各単語の語順と学習者が選択した語順との間で正誤判定する方式では、語順を問わず正解文の単語を予め表示部8に表示し、学習者が表示されている単語を並び替えることで、学習者が語順を入力する方式とし得る。単語を表示部8に表示させる方式としては、表示部8の表示領域の上方から並び替えるべき単語を落下(移動)させて、表示領域の下端に到達するまでに回答させる方式など、学習者が学習に惹きつけられるような方式を採用することがより好ましい。
【0055】
その後、音声再生プログラム61aが正解の英語文を再生する(ステップS104)。また、表示プログラム61dが正解の英語文を表示する。ここでは、学習効果を高めるため、正解文をゆっくり発声した音声ファイルを再生することが好ましい。学習者がリスニングを通じて正解を確実に習得するためである。
【0056】
さらに、音声再生プログラム61aは、適切な触発音(例えば「ピー」という音)を再生し、学習者に再度の回答開始を促す(ステップS105)。そして、サイレント判定プログラム61bが、学習者が入力した語順と正解となる英語文の語順との間で正誤判定を行う(ステップS106)。
【0057】
学習者は、ゆっくり発声された正解文をリスニングした後なので、1回目の回答よりも直感的に素早く正しい語順で文章を組み立てることができると考えられる。したがって、2回目の回答時間は、1回目の回答時間よりも短く設定することが好ましい。また、2回目回答時間は、1回目の回答の正誤や正解に至るまでの時間に応じて変化させることとしてもより好ましい。
【0058】
その後、音声再生プログラム61aが正解の英語文を再生する(ステップS107)。また、表示プログラム61dが正解の英語文を表示する。ここでは、学習効果を高めるため、正解文を通常の速度で発声した音声ファイルを再生する。学習者のリスニング力を強化し得ると共に、次の回答の際により直感的に素早く正しい語順で文章を組み立てることができるにするためである。
【0059】
学習者に通常の速度の正解文をリスニングさせたのちに、音声再生プログラム61aは、適切な触発音(例えば「ピー」という音)を再生し、学習者に再度の回答開始を促し(ステップS108)、サイレント判定プログラム61bが、学習者が入力した語順と正解となる英語文の語順との間で正誤判定を行う(ステップS109)。
【0060】
以上で、1つの問題に対する学習フローが終了する。したがって、学習プログラム61は、次の問題があるか否かを判断し、次の問題がある場合(Yes)には、ステップS101へ戻り、次の問題がない場合(No)には、プログラムを終了する(ステップS110)。
【0061】
次の問題に移る際には、ステップS103,S106,S109における回答の正確性や所要時間に従って、次の問題の難易度を変更することも考えられる。その場合、ステップS103,S106,S109における回答の正確性や所要時間を得点化することが好ましい。回答の正確性や所要時間の得点化には、学習者を学習により惹きつけるためにタイムボーナス制度や連続正解ボーナス制度などを設定することがより好ましい。
【0062】
以上のように本発明に係る第1の実施の形態によれば、学習者は、日本文が再生されることによる「出題」がなされた後、正解の英語文を聞く前に自ら英訳してその語順を回答し、その後、基準速度よりも遅いスピーキング速度での英語文再生(ここで発音や各ワードを確認する)に続いて、2度目の英語文の語順を回答し、さらに、速いスピーキング速度(基準速度)での英語文再生に続いて、3度目の英語文の語順を回答する。
このように、出題と回答を繰り返し行うことにより、学習者は、直感的に素早く言葉を話すかのように正しい語順を考える文章組み立て力(スピーキング)を効率的にトレーニングすることができるだけでなく、回答後の正解を求める関心の高い状態で、音声やテキスト表示による正解文章を、何度も読み、聞き、することで理解力(リスニング、リーディング)を効率的にトレーニングすることができる。更には、直感的に素早く正しい語順を考え、繰り返し表示される正解文章を読むことにより頭にすり込まれた正しいスペルで文章を組み立てる力(ライティング)を効率的にトレーニングすることができる。
よって、学習者は、声を発することなく語学力を総合的に向上させることができる。
【0063】
尚、前記実施の形態においては、問題文を日本語で再生し、それに対して学習者が英語で答えを入力するものとしたが、本発明にあっては、その構成に限定されるものではない。例えば、学習者が初級者の場合には、図4(a)に示すように日本語文で問題を再生後(ステップSP101)、正解となる英語文を再生し(ステップSP102)、その後の触発音に続いて(ステップSP103)、学習者が答えを入力する(ステップSP104)ようにしてもよい。
【0064】
或いは、学習者が上級者の場合には、図4(b)に示すように英語文で問題を再生後(ステップSP201)、触発音に続いて(ステップSP202)、学習者が答えを入力する(ステップSP203)ようにしてもよい。
【0065】
(第2の実施形態)
続いて、図5乃至図7を用いて本発明に係る音声学習システムの第2の実施形態について説明する。図5は、本発明に係る音声学習システムの第2の実施形態の構成を示すブロック図である。
【0066】
図5に示すように、音声学習システム200は、コンピュータとしての機能を代表するCPU2と、音声再生装置として機能するスピーカ3および音声出力部4と、学習者が回答などを入力するための操作部5と、学習プログラム61等を実行するために一次記憶しておくメモリ6と、音声データおよびテキストデータなどを記憶しておく記憶装置7と、学習者に正解文その他の情報を表示するための表示部8と、音声入力装置として機能するマイク9および音声入力部10と、音声認識部11とを備えている。音声学習システム200は、通常のパーソナルコンピュータを用いても実現し得るし、タブレットコンピュータやスマートフォンを用いても実現し得る。
【0067】
図5図1とを比較すると分かるように、第2の実施形態に係る音声学習システム200は、第1の実施形態に係る音声学習システム100に対してマイク9および音声入力部10と音声認識部11とを追加し、さらに学習プログラム61の一部に音声判定プログラム61cを追加したものである。したがって、第2の実施形態の説明では共通部分の説明は省略し、追加の構成のみ説明する。
【0068】
マイク9および音声入力部10は、学習者が発声した音声を入力するための機能を提供する。一方、音声認識部11は、マイク9および音声入力部10を用いて入力された学習者の音声をテキストデータとして認識するための機能を提供する。音声判定プログラム61cは、音声認識部11にてテキストデータとして認識された学習者の回答と正解文との間で正誤判定するための機能を提供する。
【0069】
ここで、マイク9は音波を電気信号へ変換することができる通常のマイクを用いることができる。音声入力部10は、マイク9が変換した電気信号をアナログ/デジタル変換等してCPU2および音声認識部11が処理し得る情報へ変換する。
【0070】
音声認識部11は、マイク9および音声入力部10から入力された学習者の音声情報を周波数ごとの強度に変換する音声解析部11aと、音声解析部11aが解析した解析情報と参照辞書(言語モデル、音響モデル、認識辞書等)とを照らし合わせて、学習者が発声した音声を認識する認識エンジン11bとを有する。この音声認識部11は、すべてソフトウエアプログラムにより構成されてもよいが、専用ICにより構成すれば、より安定した高速処理が可能である。
【0071】
音声判定プログラム61cは、図6に示す学習プログラムのフローの一部において、音声認識部11にてテキストデータとして認識された学習者の回答と正解文との間で正誤判定するための機能を提供する。図6は、音声判定モードにおける学習プログラムの実施の流れを示すフローチャートである。音声学習システム200は、CPU2が学習プログラム61(音声再生プログラム61aおよび音声判定プログラム61cを含む)を実行することによって、日本語文に基づいて頭の中で英語文を作成するとともに発声し、記録された正確な発音の正解文に基づいて、正確な発音及び発声を学習することで、スピーキング力(直感的に素早く正しい語順で文章を組み立てる能力)、リスニング力を多面的に習得しながら外国語の総合的な運用力をトレーニングすることを可能にする。
【0072】
図6に示すように、学習プログラム61が実行されると、表示プログラム61dが日本語文を表示し、音声再生プログラム61aが日本語文を再生する(ステップS201)。音声再生プログラム61aが対応テーブル74を参照し、出題音声ファイルとして指定されている音声ファイルを選択し、これを音声再生装置として機能するスピーカ3および音声出力部4を用いて再生する。
その後、音声再生プログラム61aは、適切な触発音(例えば「ピー」という音)を再生し、学習者に回答開始を促す(ステップS202)。
【0073】
次に、音声判定プログラム61cが、学習者が発声した英語文と正解となる英語文の語順との間で正誤判定を行う(ステップS203)。音声判定プログラム61cは、学習者がマイク9および音声入力部10を用いて音声を入力するまでの所定時間待機すると共に、対応テーブル74を参照し、音声認識部11によって音声認識された英語文と正解テキストの英語文との間で正誤判定を行う。
【0074】
尚、この音声判定プログラム61cによる正誤判定は、音声認識部11による音声認識と協働して、「正確な発音」、「声を発したか否か」、「音量」、「自信」などの要素を加味して行うことが好ましい。例えば、回答が正解の場合であっても、自信が無く声量が小さい場合などに、それを音声認識部11におけるプログラムで検出し、「say again」などの学習者への指示を、テキスト表示および音声で流し、再回答を促してもよい。
【0075】
その後、音声再生プログラム61aが正解の英語文を再生する(ステップS204)。また、表示プログラム61dが正解の英語文を表示する。ここでは、学習効果を高めるため、正解文をゆっくり発声した音声ファイルを再生することが好ましい。学習者がリスニングを通じて正解を確実に習得するためである。
【0076】
さらに、音声再生プログラム61aは、適切な触発音(例えば「ピー」という音)を再生し、学習者に再度の回答開始を促す(ステップS205)。そして、音声判定プログラム61cが、学習者が発生した英語文と正解となる英語文の語順との間で正誤判定を行う(ステップS206)。学習者は、ゆっくり発声された正解文をリスニングした後なので、1回目の回答よりも素早くスピーキングすることができると考えられる。したがって、2回目の回答時間は、1回目の回答時間よりも短く設定することが好ましい。
【0077】
その後、音声再生プログラム61aが正解の英語文を再生する(ステップS207)。また、表示プログラム61dが正解の英語文を表示する。ここでは、学習効果を高めるため、正解文を通常の速度で発声した音声ファイルを再生する。学習者のリスニング力を強化し得ると共に、次の回答の際により素早くスピーキングすることができるにするためである。
【0078】
学習者に通常の速度の正解文をリスニングさせたのちに、音声再生プログラム61aは、適切な触発音(例えば「ピー」という音)を再生し、学習者に再度の回答開始を促し(ステップS208)、音声判定プログラム61cが、学習者が入力した語順と正解となる英語文の語順との間で正誤判定を行う(ステップS209)。
【0079】
以上で、1つの問題に対する学習フローが終了する。したがって、学習プログラム61は、次の問題があるか否かを判断し、次の問題がある場合(Yes)には、ステップS101へ戻り、次の問題がない場合(No)には、プログラムを終了する(ステップS210)。
【0080】
第2の実施形態に係る学習プログラム61は、サイレント判定プログラム61bと音声判定プログラム61cとの両方を含んでいるので、サイレント判定プログラム61bを用いたサイレント判定モードと音声判定プログラム61cを用いた音声判定モードとの2つのモードで実行することができる。したがって、図7に示すように、第2の実施形態に係る音声学習システム200は、電車内、カフェ、飛行機内など、声を発することが適切でない場所であるか否かに従って、サイレント判定モードと音声判定モードとの2つのモードを選択して学習プログラムを実行することができる。
【0081】
図7は、サイレント判定モードと音声判定モードとを切り替えて実行する学習プログラムの動作の流れを示すフローである。
【0082】
図7に示すように、学習プログラム61が実行されると、まず、声を発することが適切であるか否かの判断が行われる(ステップS301)。この判断は、学習者が操作部5を操作することによって選択することとしてもよいし、マイク9からの入力を用いてCPU2が自動的に判断するようにプログラムしてもよい。
【0083】
声を発することが適切またはそのように選択された場合(Yes)、学習プログラムは、音声判定モードで実行される(ステップSS302)。音声判定モードは、図5を参照しながら説明した学習プログラムである。
【0084】
一方、声を発することが不適切またはそのように選択された場合(No)、学習プログラムは、サイレント判定モードで実行される(ステップSS303)。サイレント判定モードは、図3を参照しながら説明した学習プログラムである。
【0085】
以上のように本発明に係る第2の実施の形態によれば、声を発することのできない公共の場所でも、声を発することなくスピーキングのトレーニングを行うことができると共に、声を発することのできる場所では、実際に発声するトレーニングも行うことができるので、スピーキング力(直感的に素早く正しい語順で文章を組み立てる能力を含む)とリスニング力を多面的に習得することができる。
また、出題と回答を繰り返し行うことにより、学習者は、直感的に素早く言葉を話すかのように正しい語順を考える文章組み立て力(スピーキング)を効率的にトレーニングすることができるだけでなく、回答後の正解を求める関心の高い状態で、音声やテキスト表示による正解文章を、何度も読み、聞き、することで理解力(リスニング、リーディング)を効率的にトレーニングすることができる。更には、直感的に素早く正しい語順を考え、繰り返し表示される正解文章を読むことにより頭にすり込まれた正しいスペルで文章を組み立てる力(ライティング)を効率的にトレーニングすることができる。
よって、学習者は、語学力を総合的に向上させることができる。
【0086】
以上、本発明に係る第1及び第2の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態よって限定されるものではない。例えば、日本語文と英語文の繰り返し回数等は一例を示したものであり、その回数に限定されるものではない。より多くの回数、英語文の再生とスピーキング時間である無音再生を繰り返すようにしてもよい。また、母国語が日本語の学習者が英語文を習得するための例を示したが、言語の組み合わせは限定されるものではなく、母国語と外国語の組み合わせはいずれの言語の組み合わせであってもよい。
【0087】
また、前記第1及び第2の実施形態においては、例えば、第一言語文が再生されることによる「出題」がなされた後、学習者が、その第一言語文に対応する第二言語文の語順を回答入力装置にて入力し、それに対する正誤判定がなされるものとした。
しかしながら、本発明にあっては、文章学習のみに限定されるものではなく、単語、熟語、イディオム(句動詞)、慣用句などの語句の学習にも適用することができる。
【0088】
例えば、イディオムの例として出題された問題が「get along with」であれば、学習者は「g」、「a」、「w」と順に入力すれば正解と判定する。このようにイディオムの場合であっても、言葉を運用する上では、単語の正確なスペルを覚えることは第一に優先されるものではないため、単語の頭文字のみの入力判定が合理的である。
【0089】
また、単語の学習においても、学習者が大凡のスペルを記憶していなければ回答できないため、例として出題された問題が「coffee」であれば、学習者は頭文字「c」を入力すれば正解と判定する。
尚、単語の学習において、難易度を変えた複数のレベルの学習モードを備えてもよい。具体的には、単語自体の難易度でレベルを分けることに限らず、学習者のスキルレベルに合わせて、正誤判定するまでに複数の回答文字数を求めるようにしてもよい。例えば、スキルレベルの低い学習者が「コーヒー」を英訳してスペルを入力する場合、学習者が単語の頭文字「c」を入力すると、表示部8には「cof」まで表示され、続きの入力を求められる。次いで、学習者が「f」と入力すると、「coffee」と全て表示し、正解と判定する。問題が「政府」の場合は、学習者が「g」を入力すると、表示部8には「gover」まで表示され、続きの入力を求められる。次いで、学習者が「n」と入力すると、「government」と全てのスペルを表示し、正解と判定する。
【0090】
また、単語において、このように複数の回答文字数を求める箇所は、「coffee」の「f」や「e」のように綴りが複数続く箇所、「government」の「n」のように無発音の箇所であることが好ましい。更には、例えば、スペル中のL,R,S,C,E,I,Tなどは、「L」と「R」、「S」と「C」、「E」と「I」、「S」と「TH」をそれぞれ間違えやすいため、そのような文字を優先的に且つランダムに回答箇所として選ぶようプログラムすることが望ましい。そのようにすることで、スペルの正確性の判定精度、及び学習者の学習効果を向上させることができる。
【0091】
また、単語やイディオム等を解答として求める場合の出題形式は、母国語(前記例では日本語)とそれに対応する学習言語による訳の組み合わせに限定されない。
例えば、クイズのような形式で答えを解答させるようにしてもよく、また、学習言語による出題と、それに対する解答を求めるようにしてもよい。具体例をあげると、「a hot dark brown drink that has a slightly bitter taste」という問題に対し、正解の答えは「coffee」であるが、前記したように学習者は頭文字の「c」を入力すればよい。
【0092】
また、前記単語学習の例では、答えが英単語の場合(単語の英訳の場合)であるが、問題を学習言語の英単語とし、母国語である日本語の解答を求める場合(単語の和訳の場合)も有りうる。
例えば、問題が「government」の場合、正解の答えは「政府(せいふ)」であるが、この場合、学習者は仮名の頭文字「せ」と入力すれば正解となる。
このように日本語で解答を入力する場合にも、頭文字のみ入力すればよいため、効率的に学習を進めることができる。また、一般的な解答選択マークシート方式のテストのように、予め複数(例えば5つ)の解答候補が示されているもの(ヒントがあるもの)とは異なり、学習者自身がヒント無しに解答を導き出さなければならない。即ち、入力する頭文字の正解確率は、仮名文字50音の1/50であるため、頭文字のみの入力でも、正解とするための知識が必要となる。
【0093】
また、前記第1及び第2の実施の形態においては、問題文が表示部8に表示されるものとしたが、問題文を表示部8に表示せず、スピーカ3からの音声出力のみで出題するモードを設けてもよい。
その場合、ディクテーションによる学習が可能となり、本発明の場合、全文を入力しなければならない通常のディクテーションとは異なり、文章を構成する各単語の頭文字の入力のみでよいため、手間がかからず、効果的に学習することができる。具体例をあげると、音声のみによる問題文が「I got this watch in Hawaii last summer.」の場合、学習者はそれを聞き取り、各単語の頭文字「i」「g」「t」「w」「i」「h」「l」「s」と入力すれば正解となる。尚、問題の文章が難しい単語を用いている場合や、長文である場合には、全単語の頭文字を入力するのではなく、文章を構成する単語のうち、特定の単語の頭文字のみを入力するようにし、解答の容易さを調整するようにしてもよい。
【0094】
(第3の実施形態)
続いて本発明に係る第3の実施形態について説明する。
尚、前記第1及び第2の実施形態においては、言語学習の場合を例に説明したが、本発明にあっては、言語学習への適用に限定されるものではない。
この第3の実施形態においては、言語学習以外の、例えば、日本史の学習に適用した場合を例に説明する。ソフトウェア以外のシステム構成としては、例えば図5に示した構成(サイレント判定モードと音声判定モードのいずれかで動作)を採用することができる。
【0095】
この場合、記憶装置7には、図示しないが問題文のテキストデータと、その問題文のテキストデータに対応した音声データと、前記問題文に対応する解答文のテキストデータと、その解答文のテキストデータに対応した解答文の音声データとが収録されている。問題文の音声データと解答文のテキストデータと解答文の音声データとは、別途の対応テーブル74によって管理し、実体のデータはそれぞれ別のファイルとして収録してもよい。
前記対応テーブル74の記録内容は、第1及び第2の実施形態で示したものと異なる。例えば、図8は、日本史の問題文のテキストデータ、音声データと解答文のテキストデータ、音声データとを対応付ける対応テーブルの例を示す図である。
【0096】
図8に示されるように、対応テーブルには、日本史の各問題文のテキストデータ及び音声データと解答文のテキストデータ及び音声データの対応関係が記録されている。
第1列には、「問題No.」が記録されており、例えば出題の通し番号や、出題カテゴリ別の番号を記録されている。第2列には、「出題テキストファイル」のファイル名が記録されており、出題時に表示すべきテキストデータを指定している。第3列には、「出題音声ファイル」のファイル名が記録されており、出題時に再生すべき音声データを指定している。第4列には、「正解テキスト」のファイル名が記録されており、学習者が入力した答えとの間で正誤判定すべき正解文を指定している。第5列には、正解テキストに対応している「正解音声(通常)」のファイル名が記録されており、正誤判定の後に再生すべき音声データを指定している。
【0097】
図9は、本発明の第3の実施形態における学習プログラムの実施の流れを示すフローチャートである。
図9に示すように、学習プログラム61が実行されると、例えば日本史の問題文(例えば「1185年に起きた平氏が滅亡した戦いは?」)を表示プログラム61dが画面表示する、或いは音声再生プログラム61aが音声再生する(ステップS401)。音声再生プログラム61aは対応テーブル74を参照し、出題音声ファイルとして指定されている音声ファイルを選択し、これを音声再生装置として機能するスピーカ3および音声出力部4を用いて再生する。
その後、音声再生プログラム61aは、適切な触発音(例えば「ピー」という音)を再生し、学習者に回答開始を促す(ステップS402)。
【0098】
ここで、学習者は、サイレント判定モードの場合には、操作部5から解答(例えば「だ」)を入力し、音声判定モードの場合には、発声することによりマイク9および音声入力部10を介して解答を入力する。
次に、サイレント判定プログラム61b、あるいは音声判定プログラム61cが、学習者が入力した語句の頭文字(「だ」)と正解となる語句(この例の場合「壇ノ浦の戦い」)の頭文字(「だ」)との間で正誤判定を行う(ステップS403)。
【0099】
尚、サイレント判定プログラム61b、あるいは音声判定プログラム61cは、学習者が答えの頭文字を操作部5又はマイク3を介して入力するまでの所定時間待機すると共に、対応テーブル74を参照し、入力された回答語句の頭文字と正解語句の頭文字との間で正誤判定を行う。
前記正誤判定の後、音声再生プログラム61aは正解の語句を再生する(ステップS404)。また、表示プログラム61dが正解の語句を表示する。
【0100】
また、問題によっては、例えば虫食い(穴埋め)問題のように正解となる語句が複数の単語からなる場合もある。そのように、次の回答が必要な場合(ステップS405)、ステップS402の触発音再生により学習者に回答開始を促す。
このように虫食い(穴埋め)問題では、学習者が複数の単語の頭文字を順に入力する都度に、入力した頭文字の正誤判定を行うものとすることができる。また、学習者が入力した頭文字が不正解の場合、表示部8に「?」などの表示を行い、学習者に再考を促し、学習者が入力した頭文字が正解の場合、頭文字以外の単語の文字も表示部8に表示し、次の単語の頭文字の正誤判定に移る方式が考えられる。
【0101】
また、ステップS406では、それまでに実施した問題文に対し、対応テーブル74を参照し、問題に関する解説文がある場合には(ステップS406)、それを記憶装置7から読み出し、表示部8に表示し、スピーカ3から再生する(ステップS407)。
続く問題文がある場合には、ステップS401からステップS407までを繰り返し実施し、続く問題文がない場合には、終了となる(ステップS408)。
【0102】
このように本発明に係る第3の実施の形態によれば、声を発することのできない公共の場所でも、声を発することなく暗記学習を行うことができると共に、声を発することのできる場所では、五感を刺激して効果的に楽しく学習を進めることができる。
【0103】
尚、前記第1乃至第3の実施形態においては、1つの単語もしくは複数の単語からなる熟語などの語句を回答として求める場合を例に説明したが、本発明において規定する回答語句とは、単語の文字数や単語数が限定されるものではなく、1つの回答語句が例えば文章の形であってもよい。
【符号の説明】
【0104】
100,200 音声学習システム
2 CPU
3 スピーカ
4 音声出力部
5 操作部
6 メモリ
61 学習プログラム
61a 音声再生プログラム(再生プログラム)
61b サイレント判定プログラム
61c 音声判定プログラム
61d 表示プログラム(再生プログラム)
7 記憶装置
71 日本語文の音声データ
72 英語文のテキストデータ
73 英語文の音声データ
74 対応テーブル
8 表示部
9 マイク
10 音声入力部
11 音声認識部
11a 音声解析部
11b 認識エンジン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9