特許第6684871号(P6684871)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6684871
(24)【登録日】2020年4月1日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】パッシブワイパシステム
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/44 20060101AFI20200413BHJP
【FI】
   B60S1/44 B
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-152351(P2018-152351)
(22)【出願日】2018年8月13日
(62)【分割の表示】特願2017-513793(P2017-513793)の分割
【原出願日】2015年10月23日
(65)【公開番号】特開2018-172120(P2018-172120A)
(43)【公開日】2018年11月8日
【審査請求日】2018年8月14日
(31)【優先権主張番号】14/529,482
(32)【優先日】2014年10月31日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ドアリー,グラハム
(72)【発明者】
【氏名】カープラス,ポール トーマス ハンセン
(72)【発明者】
【氏名】アヴラム,ピーター
【審査官】 小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭49−009080(JP,A)
【文献】 実開平05−028759(JP,U)
【文献】 特開2007−195037(JP,A)
【文献】 特開2012−066684(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第2098467(GB,A)
【文献】 米国特許第3058142(US,A)
【文献】 特表2015−531896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイパブレードアセンブリの移動を制御するシステムであって、
少なくとも1つのワイパブレードを含むワイパブレードアセンブリと、
1つ以上のプロセッサと、
を備え、前記1つ以上のプロセッサは、
ドームの表面上に光学的妨害物が存在することを示す信号を受信し、
前記信号を受信したことに応答して、リングを前記ドームの周囲で第1の方向に回転させることによって、前記ワイパブレードアセンブリを前記ドームの周囲で前記第1の方向に移動させ、それによって前記少なくとも1つのワイパブレードを収容状態から展開状態へと移動させ、
前記リングを第2の方向に回転させることによって、前記ワイパブレードアセンブリを前記ドームの周囲で前記第2の方向に移動させ、それによって前記少なくとも1つのワイパブレードを前記展開状態から前記収容状態へと移動させる
ように構成され、前記リングは前記ドームの基部の周囲に延び、前記第2の方向は前記第1の方向とは反対であ
前記ワイパブレードアセンブリは、ポスト部を有する枢動コネクタをさらに含み、前記リングは前記ドームの高さ方向に傾斜する傾斜部分を含み、前記ポスト部は前記傾斜部分と相互に作用して前記少なくとも1つのワイパブレードを前記展開状態から前記収容状態へと移動させるように構成される、システム。
【請求項2】
ワイパブレードアセンブリの移動を制御するシステムであって、
少なくとも1つのワイパブレードを含むワイパブレードアセンブリと、
1つ以上のプロセッサと、
を備え、前記1つ以上のプロセッサは、
ドームの表面上に光学的妨害物が存在することを示す信号を受信し、
前記信号を受信したことに応答して、リングを前記ドームの周囲で第1の方向に回転させることによって、前記ワイパブレードアセンブリを前記ドームの周囲で前記第1の方向に移動させ、それによって前記少なくとも1つのワイパブレードを収容状態から展開状態へと移動させ、
前記リングを第2の方向に回転させることによって、前記ワイパブレードアセンブリを前記ドームの周囲で前記第2の方向に移動させ、それによって前記少なくとも1つのワイパブレードを前記展開状態から前記収容状態へと移動させる
ように構成され、前記リングは前記ドームに直接隣接して前記ドームの周囲に延び、前記第2の方向は前記第1の方向とは反対であ
前記ワイパブレードアセンブリは、ポスト部を有する枢動コネクタをさらに含み、前記リングは前記ドームの高さ方向に傾斜する傾斜部分を含み、前記ポスト部は前記傾斜部分と相互に作用して前記少なくとも1つのワイパブレードを前記展開状態から前記収容状態へと移動させるように構成される、システム。
【請求項3】
前記ドームをさらに備える、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
車両をさらに備え、前記ドームは前記車両上に搭載される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の方向は時計回りの方向であり、前記第2の方向は反時計回りの方向である、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ以上のプロセッサは、前記ワイパブレードアセンブリが前記ドームの周囲を回転する速度を制御するようにさらに構成される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項7】
前記ワイパブレードアセンブリは前記リングに搭載される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項8】
前記信号は第1の信号であり、前記1つ以上のプロセッサは、
前記ドームから光学的妨害物が取り除かれたことを示す第2の信号を受信する
ようにさらに構成され、
前記1つ以上のプロセッサは、前記第2の信号を受信したことに応答して、前記ワイパブレードアセンブリを前記第2の方向に移動させるようにさらに構成される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項9】
前記リングを回転させるように構成された駆動モータをさらに備える、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項10】
噴射ノズルをさらに備え、前記1つ以上のプロセッサは、
位置センサから、前記ドームに対する第1の位置における前記少なくとも1つのワイパブレードの検出を示す信号を受信し、
前記第1の位置に基づいて、前記少なくとも1つのワイパブレードが所定の位置にあるときに噴射ノズルを通じて流体を分注させる
ようにさらに構成される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記少なくとも1つのワイパブレードが前記ドームの周囲を回転する際、前記少なくとも1つのワイパブレードの速度についての情報にアクセスし、
前記速度に基づいて、前記ドームに対する前記少なくとも1つのワイパブレードの第2の位置を判定し、
前記判定された第2の位置に基づいて、前記流体をさらに分注させる
ようにさらに構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのワイパブレードは、前記ドームの周囲を360度回転するように構成される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項13】
前記ポスト部は、前記傾斜部分と相互に作用して前記少なくとも1つのワイパブレードを前記収容状態から前記展開状態へと移動させるように構成される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項14】
前記ポスト部は、前記リングが前記第1の方向に回転するとき、前記傾斜部分の頂上面に沿って移動するように構成される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項15】
前記ポスト部は、前記リングが前記第2の方向に回転するとき、前記傾斜部分の底面に沿って移動するように構成される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項16】
前記傾斜部分は、前記少なくとも1つのワイパブレードを前記展開状態から前記収容状態へと移動させるために、枢動するように構成される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項17】
前記傾斜部分は、前記少なくとも1つのワイパブレードを前記収容状態から前記展開状態へと移動させるために、枢動するように構成される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項18】
前記ドームに対して固定される第2のリングをさらに備え、前記リングは前記第2のリングに対して回転可能であり、前記傾斜部分は前記第2のリング上に配置される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項19】
天板をさらに備え、前記ワイパブレードアセンブリは搭載部を介して前記リングに連結される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項20】
前記ワイパブレードアセンブリは、少なくとも2つのワイパブレードを含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2014年10月31日出願の米国特許出願第14/529,482号の継続出願であり、その開示を参照としてここに組み込む。
【背景技術】
【0002】
[0002] 人のドライバを要求しない車両等の自律型車両を使用して、1箇所から他の箇所への乗客又はアイテムの輸送を補助することができる。このような車両は、乗客が目的地等、何らかの初期入力を提供してもよい完全自律モードで作動してもよく、車両が自身をその目的地に操作する。そこで、このような車両は、任意の与えられた時間における自律型車両の位置を判定することができ、他の車両、停止信号、歩行者等、車両の外部の対象を検出及び識別することができるシステムに大きく依存してもよい。一例として、これらのシステムは、車両の種々の箇所に搭載された、レーザ走査装備及びカメラ等のセンサを含んでもよい。
【0003】
[0003] 場合によっては、埃、泥、岩屑等、種々の光学的妨害物がこのようなセンサのためのハウジングの表面上に蓄積し得る。これらの妨害物は、センサを閉塞することもあり、センサによって生成される情報の精度及び信頼性を低減し得る。これは、引いては、このような車両の安全操作に影響することもある。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 本開示の態様は、ドームの表面を清掃するワイパシステムを提供するものである。このシステムは、ドームの周辺を移動するように構成された複数のワイパブレードを含み、ドームの周辺におけるワイパブレードの第1の方向への回転により、ワイパブレードを被駆動位置に展開する。また第1の方向とは反対の第2の方向へのワイパブレードの回転により、ワイパブレードを折畳位置に収容する。
【0005】
[0005] このような態様の一例において、このシステムは、ドームのベースに隣接した1つ以上の噴射ノズルをさらに含む。噴射ノズルは、ドーム上にワイパ流体を放出するように構成される。他の例において、ワイパブレードが回転する第1の方向は、時計回り方向であり、第2の方向は、反時計回り方向である。
【0006】
[0006] 他の例において、このシステムは、ドームの周辺に延び、ドームに対して固定される軌道輪をさらに含む。天板は、軌道輪の周りを回転するように構成され、複数のワイパブレードは、天板に連結されてもよい。或いは、軌道輪は、枢動可能な傾斜部分をさらに含むことができ、ワイパブレードは、第1の方向への回転時、枢動可能な傾斜部分の頂上面に沿って移動するように構成されてもよい。ワイパブレードは、第2の方向への回転時、枢動可能な傾斜部分の底面に沿って移動するように構成される。他の例において、軌道輪は、また、凹部をさらに含んでもよい。他の例において、枢動可能な傾斜部分の少なくとも一部が凹部内に配置されてもよく、枢動可能な傾斜部分の頂上面の少なくとも一部が、凹部の外側に配置されてもよい。
【0007】
[0007] さらに他の例において、軌道輪は、頂上面と、底面とをさらに含んでもよい。傾斜部分の頂上面は、軌道輪の頂上面から離間する方向に延びる第1のスロープを含む。傾斜部分の底面は、軌道輪の頂上面から離間する方向に延びる第2のスロープを含む。第2のスロープは、第1のスロープより大きくてもよい。他の例において、ワイパブレードは、折畳位置にあるとき、天板の頂上面を横切って延びるように構成される。ワイパブレードの長さは、ワイパブレードが被駆動位置にあるとき、ドームの高さに沿って延びてもよい。
【0008】
[0008] 本開示の他の態様によると、360度の曲面を清掃するシステムが開示される。このシステムは、360度曲面のベースの周囲で延びる回転アセンブリと、少なくとも1つのワイパブレードアセンブリとを含む。少なくとも1つのワイパブレードアセンブリは、回転アセンブリに連結されるブレードベースを有するワイパブレードを含む。回転アセンブリは、曲面のベースの周囲で少なくとも1つのワイパブレードアセンブリを移動させるように構成されてもよく、ワイパブレードは、回転アセンブリから離間する方向に、360度の曲面の側壁に沿って延びる。
【0009】
[0009] 本態様の他の例において、360度の表面は、ドーム形状を含む。本態様の他の例において、ワイパブレードのベースは、さらに、曲面の外周の周囲を移動してもよい。ワイパブレードは、また、被駆動位置と収容位置との間で移動してもよい。被駆動位置は、回転アセンブリに対して第1の角度を有し、収容位置は、回転アセンブリに対して第2の角度を有し、第1の角度は、第2の角度より大きい。他の例において、このシステムは、駆動モータをさらに含み、回転アセンブリは、天板と、駆動モータに連結されたリングギアとをさらに含む。駆動モータは、ベースの周囲でリングギアと天板とを移動させるように構成されてもよい。ワイパブレードアセンブリは、天板に取り付けられたベース搭載部をさらに含むことができ、ワイパブレードは、ベース搭載部に連結されてもよい。本態様の他の例において、回転アセンブリは、曲面のベースの周囲でベース搭載部を360度移動させるように構成される。このシステムは、車両をさらに含んでもよく、曲面は、車両の外装部分に配置されてもよい。
【0010】
[0010] 本開示の他の態様によると、360度の表面を清掃する方法であって、360度の表面の周囲でワイパブレードアセンブリを第1の方向に回転させることと、第1の傾斜面に沿って降下位置から直立位置にワイパブレードアセンブリを移動させることと、ワイパブレードが直立位置にある間、360度表面の周囲でワイパブレードアセンブリを回転させることとを含む。
【0011】
[0011] 他の例において、方法は、第2の傾斜面に沿って第2の方向にワイパブレードアセンブリを回転させることにより、ワイパブレードアセンブリを直立位置から降下位置に移動させることをさらに含む。他の例において、この方法は、回転するワイパブレードアセンブリが第1の方向に移動する間、360度の表面上にワイパ流体を噴射することをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】[0012] 本開示の態様に係る車両に配置された一例としてのワイパアセンブリの斜視図である。
図2】[0013] 図1の拡大部分である。
図3】[0014] 本開示の態様に係る一例としてのワイパアセンブリの一例としての枢動コネクタの側面平面図である。
図4】[0015] 本開示の態様に係る、車両の部分を取り外してワイパアセンブリの追加構成要素を露出した、一例としてのワイパアセンブリの斜視図である。
図5】[0016] 本開示の態様に係る回転アセンブリの斜視図である。
図6】[0017] 本開示の態様に係る回転アセンブリの傾斜部分の斜視図である。
図7】[0018] 図6の構成要素の側面平面図である。
図8】[0019] 図4の一部の拡大図である。
図9】[0020] 本開示の態様に係る被駆動位置におけるワイパアセンブリの斜視図である。
図10】[0021] 本開示の態様に係る車両の一例としての外観図である。
図11】[0022] 本開示の態様に係る車両の一例としての制御システムである。
図12】[0023] 本開示の態様に係る一例としてのフロー図である。
図13】[0024] 本開示の態様に係る他の一例としてのフロー図である。
図14】[0025] 本開示に態様に係るさらに他の一例としてのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0026] 本開示は、車両に配置されるドーム形状の表面を清掃することができるパッシブワイパシステムを対象とする。このドームを使用して、車両の他のシステムと通信するカメラ及びレーザ走査装備を収納してもよい。上述の通り、ドームの表面に見られる、埃、泥、岩屑等、光学的妨害物の蓄積により、カメラを防ぎ、レーザ走査装備を減衰させ得る。これに対処するために、ワイパシステムは、光学的妨害物を連続的に清掃することができる。ワイパシステムは、光学的妨害物がドームの外面に検出されるときにワイパシステム自体をパッシブに展開してもよく、ドームの表面が十分に清浄であると判定されたとき、ワイパシステム自体をパッシブに収容してもよい。さらに、一例としてのワイパシステムにより、清掃及び/又は潤滑のための流体がドームの表面上に自動噴射され、除去プロセスを補助してもよい。この点に関して、ワイパシステムと通信する制御システムは、ワイパ位置を検出し、ワイパ速度、ソレノイドタイミング、及び流体放出のためのポンプ駆動を制御することができる。
【0014】
[0027] ワイパシステムは、駆動モータに駆動されるワイパブレードアセンブリを含むドームの周囲に配置された回転アセンブリを含んでもよい。例えば、回転アセンブリは、軌道輪と、天板に接合されたリングギアとを含んでもよい。リングギア及び天板は、軌道輪とドーム表面の周囲の一連のカム軸受上で360°フル回転することができる。回転アセンブリは、ファイバ補強ゴムタイミングベルトを介して駆動モータに取り付け可能である。一例において、ゴムタイミングベルトは、駆動モータの動きによってリングギア及び天板の双方の移動を生じるように、リングギアに取り付けられる。ワイパブレードアセンブリのワイパブレードは、天板上に配置され、天板がドームの周囲で回転するのに合わせて、ドームの周囲で移動されてもよい。軌道輪上の可動傾斜部分は、ワイパブレードを直立位置に展開し、且つ、ワイパブレードを折畳位置に収容することができる。
【0015】
[0028] 等間隔に離間したワイパブレードアセンブリは、ドームの両側に配置される。各ワイパブレードアセンブリは、ベース搭載部に連結されたワイパブレードを含むことができる。枢動コネクタは、ワイパブレードをベース搭載部に接合する。一例において、枢動コネクタの一端は、ベース搭載部に対して枢動可能に取り付けられ、枢動コネクタの第2の端部は、ワイパブレードに取り付けられる。
【0016】
[0029] 上述の通り、ワイパブレードは、収容位置と被駆動位置との間を移動してもよい。収容位置において、ワイパブレードは、ドームのベースに隣接して配置され、天板を横切って略水平方向に延びてもよい。ワイパシステムは、天板が軌道輪に対して第1の方向に回転されるとき、ワイパブレードを被駆動位置に展開し、天板が第1の方向とは反対の第2の方向に回転するとき、ブレードを収容することができる。被駆動位置において、ブレードは、ドームの周囲で移動可能であってもよく、ブレードがドームの周囲で回転する際、被駆動位置に留まることができる。
【0017】
[0030] ワイパシステムは、また、流体分注システムを含んでもよい。流体分注システムは、ワイパアセンブリと並行して動作し、ドームの表面から光学的妨害物を取り除いてもよい。例えば、清掃及び/又は潤滑のための流体噴射は、ワイパブレードがドームの周囲でスピンする際、ノズルから自動分注可能である。一例において、この噴射は、ワイパブレードが噴射ノズルを通過する度に、流体を放出するように時間設定可能である。
【0018】
[0031] ワイパシステムは、また、光学的妨害物がドーム上に存在するとき、ワイパブレードの位置を追跡し、この情報を車両に送信し、ワイパ流体の放出のトリガとし、ワイパブレードの駆動又は展開を生じる制御システムを含んでもよい。制御システムは、以下に検討する通り、ワイパシステムの態様を制御するために、情報を処理する1つ以上のプロセッサを含んでもよい。
【0019】
I.ワイパシステムの構造
[0032] 上述の通り、一例としてのワイパシステムは、車両のルーフ上に配置されるドームの周囲に配置されるワイパブレードアセンブリを含んでもよい。回転アセンブリは、ワイパブレードアセンブリのワイパブレードを収容位置と被駆動位置との間で移動させる。収容位置において、ワイパブレードは、ドームのベースに隣接して配置され、ドームのベースを横切って略水平方向に延びてもよい。被駆動位置において、ワイパブレードは、ドームのベースに対して略垂直方向に配置されてもよい。ワイパブレードは、ワイパブレードアセンブリがドームの周囲で第1の方向に回転されるとき、被駆動位置に展開され、ワイパブレードアセンブリが第1の方向と反対の第2の方向に回転されるとき、ブレードを収容することができる。
【0020】
[0033] 一例としてのワイパシステム100を図1に示す。ワイパシステム100を使用して、車両アセンブリの頂上部又はルーフ104に隣接して配置されたドーム102の表面106上に現れることのある光学的妨害物を取り除いてもよい。ドーム102は、平面状底面を含んでもよく、透明材料又は不透明材料からなってもよい。同様に、ドーム自体は、任意の所望の材料からなってもよく、不透明なものから透明なものまで、他の材料が塗布されてもよい。カメラ、レーザ走査装備等は、ドーム102内に収納され、マップ又は地球上の車両アセンブリの絶対位置又は相対位置と、他の車両、道路上の障害物、信号、木等、車両の外部の対象物の位置とについての情報を取得してもよい。
【0021】
[0034] ワイパシステムは、ドームの周囲に配置される1つ以上のワイパブレードアセンブリを含んでもよい。図1に示される通り、2つの等間隔に離間したワイパブレードアセンブリ110A、110Bは、ドーム102の両側に配置される。ワイパブレードアセンブリ110Aの拡大図(ワイパブレードアセンブリ110Bと同一又は略同様であってもよい)を図2に示す。ワイパブレードアセンブリ110Aは、ベース搭載部114に連結される第1のワイパブレード112Aを含む。
【0022】
[0035] 第1のワイパブレード112Aは、枢動コネクタ118に対して枢動可能に連結された中間ワイパアーム116を含む。枢動コネクタ118は、中間ワイパアーム116に接合された第1の端部120と、ベース搭載部114に対して枢動可能に接続された第2の端部122とを有する。検討を容易にするために、ワイパブレードアセンブリ110Aのみを参照するが、ワイパブレードアセンブリ110Aについての検討は、第2のワイパブレード112Bを含むワイパブレードアセンブリ110Bにも等しく適用可能であることが理解されなければならない。
【0023】
[0036] ワイパブレードアセンブリ110Aのベース搭載部114は、ワイパブレードアセンブリ110Aのベースを形成し、ワイパブレードアセンブリ110Aの構成要素を車両アセンブリに固定する。図2の例において、ベース搭載部114は、u字型を有し、天板128に取り付けられる。ベース搭載部114は、枢動コネクタ118及び第1のワイパブレード112Aを含むワイパブレードアセンブリ110Aの構成要素の残りを支持する。枢動コネクタ118は、ベース搭載部114及び枢動コネクタ118の双方を通って延びるねじ又はピン130により、ベース搭載部114に固定される。
【0024】
[0037] ワイパブレードアセンブリ110Aの枢動コネクタ118を図3により詳細に示す。本例において、枢動コネクタ118の第1の端部120は、互いに離間した第1のアーム伸長部124と第2のアーム伸長部126とを含む。第1のアーム伸長部124と第2のアーム伸長部126との間の高さH1は、ワイパブレードの中間アームを受容するのに十分な大きさでなければならない。開口132、134は、第1のアーム伸長部124と第2のアーム伸長部126とを通って延びる。ピン又はねじ136(図2)は、開口132、134と、第1のワイパブレード112Aの中間アームとを通って延び、第1のワイパブレード112Aを枢動コネクタ118に固定し、次いで中間アーム及び第1のワイパブレード112Aをベース搭載部114に固定することができる。
【0025】
[0038] 第1のワイパブレード112A及び第2のワイパブレード112Bは、ワイパブレードアセンブリ上に設けられ、ドーム表面から光学的妨害物を物理的に取り除いてもよい。例えば、第1のワイパブレード112A及び第2のワイパブレード112Bは、可撓性ゴム又はプラスチックからなってもよく、十分な圧力をドーム102の表面106に付与し、表面106から光学的妨害物を取り除いてもよい。枢動コネクタ118上のばね107(図2)を使用して、第1のワイパブレード112A及び第2のワイパブレード112Bをドームの表面に隣接して配置された状態に維持するために必要な力を提供してもよい。
【0026】
[0039] ワイパシステムは、回転アセンブリをさらに備え、ドームの周囲でワイパブレードアセンブリを移動させてもよい。一例としての回転アセンブリ138を図4に示す。図4は、車両のルーフの部分を取り除いた、車両の頂上部を示す図である。回転アセンブリ138は、ドーム102のベース103の周辺に配置される。回転アセンブリ138は、台板141に取り付けられた軌道輪140と、天板128に接合されたリングギア(図示せず)とを含んでもよい。ワイパブレードアセンブリ110A、110Bは、天板128に搭載され、ドーム102の周囲で天板128とともに移動する。軌道輪140及び台板141は、回転アセンブリ138のベース又は基礎部を提供してもよい。
【0027】
[0040] 軌道輪140は、ドーム102の周囲に配置されてもよい。例えば、軌道輪140は、ドーム102に直接隣接して配置された固定リングであってもよい。ワイパブレードアセンブリ110A、110Bを搭載した回転アセンブリ138の図である図5を参照すると、軌道輪140が環状リングとして示されている。軌道輪140は、アルミニウム、スチール、合金等の剛性金属、又はポリマー等のプラスチック材料からなってもよい。軌道輪140は、頂上面142と、底面144とを含む。図示の通り、カム軸受146、凹部148、及び傾斜部分150は、軌道輪140の周辺に配置される。
【0028】
[0041] 図5の例において、3つの凹部148は、軌道輪140の周辺に等間隔に離間する。各凹部148は、凹部148の第1の表面152が軌道輪140の頂上面142により近くなり、凹部148の第2の表面154が軌道輪140の底面144により近くなるように上下に並べられる。
【0029】
[0042] 傾斜部分150は、軌道輪140に固定されてもよい。一例において、3つの同一の傾斜部分150は、ねじ又はピン155等によって軌道輪140に対して枢動可能に取り付けられる。図6は、一例としての傾斜部分150の詳細図を含んでいる。傾斜部分150は、スロープ状頂上面156を含む長尺部材である。スロープ状頂上面156は、傾斜部分150の前方縁部162から傾斜部分150の後方縁部164に向かう方向に徐々に増す正の傾きを有する。
【0030】
[0043] 傾斜部分150の底面は、支点Pによって2つの主な部分に分割され、この点で、傾斜部分150が軌道輪140、前方底面158、及び後方底面160に取り付けられる。前方底面158は、支点Pによって形成される前方縁部162と中間後方縁部182との間に延びる表面を含む。前方底面158は、傾斜部分150の前方縁部162に向かって配置され、スロープ状頂上面156の下に横たわる。前方底面158は、略平面状である。後方底面160は、傾斜部分150の後方に向かって配置される。後方底面160は、支点Pと傾斜部分150の後方縁部164との間に延びる表面を含む。後方底面160は、後方縁部164から支点Pまで負の傾きを有する。
【0031】
[0044] 傾斜部分150のスロープ状頂上面156は、後方縁部164まで完全に延びる必要はない。例えば、スロープ状頂上面156の一部は、後方縁部164まで完全に延びず、代わりに、地点186まで延びる。中間後方縁部182は、地点186に形成される。中間後方縁部182は、スロープ状頂上面156が後方縁部164における幅W2よりも広い幅W1を含むように、後方縁部164から離間している。中間縁部表面188は、また、スロープ状頂上面156の反対の表面上に形成される。以下、図7を参照すると、中間縁部表面188は、後方底面160に沿って中間後方縁部182から地点190まで延びる。本例において、中間縁部表面188は、後方底面160に対する角度A2より大きな、後方底面160に対する角度A1を有する。
【0032】
[0045] 傾斜部分150は、凹部148内に配置される。例えば、図5の参照に戻ると、傾斜部分150は、軌道輪140に対して枢動可能に取り付けられ、各凹部148内で可動であってもよい。図示の通り、傾斜部分150の後方底面160は、完全に凹部148内に配置可能である。後方縁部164付近に配置される後方底面160の部分は、凹部148の第1の表面152に隣接し、支点Pのより近くに配置された後方底面160の部分は、凹部148の第2の表面154に隣接する。傾斜部分150が前方に枢動されるとき、傾斜部分150の各前方縁部162及び前方底面158は、軌道輪140の頂上面142に隣接する。この位置において、傾斜部分150の後方縁部164は、軌道輪140の頂上面142の僅か上方に延びる。
【0033】
[0046] 回転アセンブリ138は、リングギア192と、重ね合わさった天板128とをさらに含んでもよい。図5に示される通り、リングギア192は、軌道輪140に隣接して配置される円形構造である。リングギア192は、軌道輪140とドーム(図示せず)の双方を受容するのに十分な大きさの内側開口を含む。リングギア192は、リングギア192の周辺に延びる歯194を含む。天板128は、リングギア192に重なり、軌道輪140に隣接して配置される。本例において、軌道輪140の傾斜部分150及び頂上面142は、天板128の頂上面129の上方に延びる。天板128は、また、下方に向かって、且つ、天板128の頂上面129から離間する方向に延びるリップ131を含む。
【0034】
[0047] 天板128及びリングギア192は、軌道輪140及びドーム102の周りを360°回転可能である。一例において、駆動モータ196を使用して、軌道輪140の周囲に配置された一連のカム軸受146上でリングギア192及び取り付けられた天板128を360°回転させてもよい。図8に示される通り、駆動モータ196の軸144Aは、ファイバ補強ゴムタイミングベルト等のタイミングベルト198を介してリングギア192に連結される。軸144Aの移動又は回転により、ドーム102及び軌道輪140の周りにおけるリングギア192と天板128との双方の移動を生じる。この移動は、また、天板128に連結されたワイパブレードアセンブリ110A、110Bの移動を生じる。
【0035】
[0048] 上述の通り、第1のワイパブレード112A及び第2のワイパブレード112Bは、収容位置と被駆動位置との間で移動してもよい。収容位置において、ワイパブレード112A、112Bは、ドーム102のベース103に隣接して配置され、天板128を横切って略水平方向に延びてもよい。ワイパブレード112A、112Bは、図9に示されるような、より直立位置に配置される被駆動位置まで移動可能である。直立位置において、第1のワイパブレード112A及び第2のワイパブレード112B(図9には示さず)は、90°等、天板129に対して角度A3に配置可能である。他の例において、A3は、5°〜90°のいずれかの範囲であってもよい。本例において、中心軸Aは、ドーム102を通り、ドーム102の平面状底面(図示せず)と車両の表面とに垂直の方向に延びる。被駆動位置において、ワイパブレードアセンブリ110A、110Bは、ドーム102のベース103及び中心軸Aの周りを360°移動可能である。本実施形態において、第1のワイパブレード112A及び第2のワイパブレード112Bは、ドーム102の周りを回転する際、被駆動位置に維持可能である。ワイパブレード112A、112Bとドーム102の外面106との間の摩擦により、ワイパブレード112A、112Bを収容することが望ましくなるまで、ワイパブレードを被駆動位置に保つ。ドームの周囲の被駆動位置における第1のワイパブレード112A及び第2のワイパブレード112Bの連続的移動は、従来のワイパブレードアセンブリの移動とは異なることが認識されるはずである。表面を清浄にするために、このような従来のワイパブレードアセンブリは、降下位置と直立位置との間の連続弓状進路で移動するワイパブレードを含む。
【0036】
[0049] ワイパシステム100は、天板128が軌道輪140に対して第1の方向に回転されるとき、ワイパブレード112A、112Bを被駆動位置に展開可能である。例えば、ワイパシステム100の天板128が駆動モータ196によって軌道輪140に対して反時計回りの方向に移動されるとき、ワイパブレード112A、112Bは、収容位置から被駆動位置に移動可能である。
【0037】
[0050] 図5を参照すると、ポスト172等のポストがワイパブレードアセンブリ110A、110Bから延び、ワイパブレードを被駆動位置に移動させる。同図中、ワイパブレードアセンブリ110Bのポスト172は、視認でき、ワイパブレードアセンブリ110Bから延びる様子が示されている。ポスト172は、枢動コネクタ118に取り付けられてもよい。天板128が軌道輪140に対して移動されるとき、ポスト172は、軌道輪140上に配置された傾斜部分150のスロープ状頂上面156に接触する。ポスト172は、スロープ状頂上面156の立ち上がりの上方を通過し、枢動コネクタ118及びポスト172は、ワイパブレード112A、112Bが被駆動位置、又は直立位置に移動されるように押し上げられる。ワイパブレードアセンブリ110Bを参照すると、枢動コネクタ118は、枢動コネクタ118が直立位置に移動可能となるように、ピン130の周りを回転する。本例において、枢動コネクタ118上のタブ119は、ワイパブレード112A、112Bを直立位置に保つのを助け、枢動コネクタ118が過剰に回転することを防ぐために、ベース搭載部114の頂上面115に接触可能である。
【0038】
[0051] ポスト172等のポストは、また、ワイパブレードを収容位置に移動させてもよい。例えば、ワイパシステムは、天板128が第1のワイパブレード112A及び第2のワイパブレード112Bを被駆動位置に移動させるのに必要な方向とは反対の方向に回転するとき、第1のワイパブレード112A及び第2のワイパブレード112Bを収容してもよい。例えば、ワイパブレードアセンブリ110A、110Bの時計回りの方向への回転により、ポスト172を、傾斜部分150の中間下方面188に接触するように移動する。この移動により、傾斜部分150は、僅かに前方に枢動して、傾斜部分150の後方底面160の少なくとも一部を露出する。天板128の時計回りの方向におけるさらなる移動により、ポスト172を中間縁部表面188の下りのスロープに沿って進行させる。そして、ポスト172は、押し下げられて、ワイパブレード112A、112Bを収容位置に降下させる。
【0039】
II.流体分注システム
[0052] ワイパシステム100は、流体分注システムと通信を行ってもよい。例えば、図1及び図4の参照に戻ると、流体分注システム174(図4に示す)は、噴射ノズル108A、108B、108Cを含んでもよい。噴射ノズルは、ドーム102の周囲に配置され、清掃及び/又は潤滑のための流体等のワイパ流体をドーム102の表面106上に噴射してもよい。この点に関して、流体分注システムは、ワイパブレード112A、112Bがドーム102の周囲でスピンを行う際、噴射ノズル108A、108B、108Cを通じてワイパ流体を自動分注することができる。
【0040】
[0053] 一例において、流体分注システム174は、流体容器(図示せず)と、ソレノイド弁176と、ポンプ178と、3つのノズル108A、108B、108Cに接続された別々の流体ライン180とを含む。ノズル108A、108B、108Cは、清掃/潤滑のための流体等のワイパ流体を、ドーム102の表面106に噴射する。図示の通り、各流体ライン180は、各ノズル108A、108B、108C内に供給を行う。ノズル108、108B、108Cは、ドーム102の周囲で等間隔に離間してもよく、3つのノズル108A、108B、108Cがドーム102に対して互いから約120°離間するようにする。
【0041】
[0054] ワイパシステム100は、任意の種別の車両アセンブリとともに使用可能である。本開示の或る態様は、特定種別の車両とともに使用されると特に有用であるが、車両アセンブリは、車、トラック、バイク、バス、RV車等を含むが、これに限定されない任意の種別の車両アセンブリであってもよい。以下、図10を参照すると、ワイパシステム100の配置された一例としての車両アセンブリ200が示されている。図から分かる通り、車両アセンブリ200は、ヘッドライト202、フロントガラス203、テールライト/方向指示器、リアガラス204、ドア206、サイドミラー208、タイヤ及びホイール210、並びに方向指示/パーキングライト212等、一般的な車両の多くの特徴を含む。本例において、車両アセンブリ200は、人のドライバを必要とせず、一箇所から他の箇所への乗客又はアイテムの輸送を補助するのに使用可能な車両等の自律型車両である。このような車両は、乗客が目的地等、何らかの最初の入力を提供してもよい完全自律モードで動作してもよく、車両は、自らをその目的地まで操作する。他の例において、車両アセンブリ200は、人のドライバを必要としてもよい。
【0042】
[0055] 車両アセンブリ200は、また、ドーム形状であってもよいハウジング214を含む。ハウジング214は、車両アセンブリ200の頂上部に配置される平面状底面を含んでもよい。360°以下の視野を有する1つ以上のレーザ装置及び/又は1つ以上のカメラ装置がドーム102内に配置されてもよい。追加又は代替として、ハウジング214は、例えば、1つ以上のレーダ及び/又はソナー装置を含んでもよい。レーダ、カメラ、及びレーザ装置は各々、これらの装置からのデータを処理する処理構成要素に関連付けられ、本明細書中でさらに詳しく検討を行う制御システムを含む、車両アセンブリ200内の他のシステムにセンサデータを提供してもよい。このようなデータの例として、ハウジング214の部分が閉塞されているか否かが含まれてもよい。
III.ワイパシステム及び流体分注システムの制御システム
【0043】
[0056] ワイパシステムは、また、ワイパブレードの駆動又は展開を制御し、ワイパブレードの位置を追跡し、この情報を車両に送信し、ワイパ流体の放出のトリガとする制御システムを含む。制御システムは、以下に検討する通り、ワイパシステムの態様を制御するために情報を処理する1つ以上のプロセッサを含んでもよい。
【0044】
[0057] 図11は、上述の特徴が実施されてもよい車両アセンブリのための演算装置又は制御システムの例300を示している。演算装置は、1つ以上のプロセッサと、メモリと、通常、汎用演算装置において見出される他の構成要素とを含んでもよい。
【0045】
[0058] 図11に示される通り、本開示の一態様に係る車両アセンブリ300は、1つ以上のプロセッサ320と、メモリ330と、通常、汎用演算装置内に存在する他の構成要素とを含んだ車両演算装置310等の1つ以上の演算装置を有してもよい。
【0046】
[0059] メモリ330は、プロセッサ320によって実行又は使用されてもよいデータ332及び指示235を含む、1つ以上のプロセッサ320によってアクセス可能な情報を記憶する。メモリ330は、演算装置可読媒体、若しくは、ハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、又は他の光学ディスク等、電子機器の補助により読み取られてもよいデータを記憶する他の媒体、若しくは、他の書き込み可能メモリ及び読取専用メモリを含む、プロセッサによってアクセス可能な情報を記憶することができる任意の種別であってもよい。システム及び方法は、上述のものの異なる組み合わせを含んでもよく、指示及びデータの異なる部分が異なる種別の媒体に記憶される。
【0047】
[0060] 指示334は、プロセッサによって直接(機械コード等)又は間接(スクリプト等)に実行される任意のセットの指示であってもよい。例えば、指示は、演算装置可読媒体上に演算装置コードとして記憶されてもよい。この点に関して、「指示」及び「プログラム」という用語は、本明細書中、相互に入れ替え可能に使用されることもある。指示は、プロセッサによる直接の処理のために対象コードフォーマットで記憶されてもよく、又は、オンデマンドで解釈されるか、事前に編集されるスクリプト又は独立のソースコードモジュールの集合を含む、他の任意の演算装置言語で記憶されてもよい。指示の機能、方法、及びルーチンについては、以降、より詳細に説明する。
【0048】
[0061] データ332は、指示334に従って、プロセッサ320により、検索、記憶、又は修正されてもよい。例えば、クレームの主題は、任意の特定のデータ構造に限定されるものでないが、データは、演算装置レジスタにおいて、複数の異なるフィールド及び記録、XML文書又はフラットファイルを有するテーブルとして関係データベース内に記憶されてもよい。データは、また、任意の演算装置可読形式にフォーマットされてもよい。
【0049】
[0062] 1つ以上のプロセッサ320は、市販のCPU等、任意の従来のプロセッサでもよい。或いは、1つ以上のプロセッサは、ASIC又は他のハードウェアベースプロセッサ等、専用装置であってもよい。図11は、プロセッサ、メモリ、及び演算装置110の他の要素を同一ブロック内にあるものとして機能的に示しているが、当業者は、プロセッサ、演算装置、又はメモリが同一の物理的ハウジング内に保管されてもよく、保管されなくてもよい複数のプロセッサ、演算装置、又はメモリを実際に含んでもよいことを理解するであろう。例えば、メモリは、演算装置310とは異なるハウジングに配置されたハードドライブ又は他の記憶媒体であってもよい。従って、プロセッサ又は演算装置の参照には、並列に動作してもよく、又は動作しなくてもよいプロセッサ又は演算装置又はメモリの集合の参照が含まれることが理解されるであろう。
【0050】
[0063] 一例において、演算装置310は、車両アセンブリ200に組み込まれた制御システムであってもよい。制御システムは、車両の種々の構成要素と通信可能であってもよい。例えば、演算装置210は、車両アセンブリ200上のパッシブワイパシステム、流体分注システム338、及び対象検出システム340の移動を制御するワイパシステム336等、車両アセンブリ200の種々のシステムと通信してもよい。
【0051】
[0064] 制御システム310は、ワイパシステム336が展開すべきであることを示す、車両アセンブリ内の他のシステムからの信号を受信してもよい。このような例において、制御システム310は、駆動モータを駆動し、ワイパブレードアセンブリ110A、110Bもドーム102の周囲で回転を開始するように、駆動モータに回転を開始させてもよい。制御システム310は、また、ワイパシステムのワイパブレードの位置を示す信号を受信し、流体分注システム等の他のシステムに信号を提供し、ドームの周囲に配置された噴射ノズルを通じて流体を分注してもよい。また、ワイパシステム336は演算装置310の部品として示されているが、実際には、ワイパシステム336は、制御システム310と通信する別のシステムであってもよい。
【0052】
[0065] 制御システム310は、光学的妨害物がドーム上に存在するとき、ワイパシステム336のワイパブレードを展開することができる。例えば、雨、岩屑等が車両アセンブリのドーム表面上にあり、ドーム内に配置されたカメラ又はレーザを閉塞しているとき、制御システム310は、ドームが閉塞されている旨のメッセージ又は信号を受信してもよい。メッセージは、対象検出システム340等、ドーム上の光学的妨害物の存在を検出する、車両アセンブリ内の他のシステムから送信されてもよい。対象検出システムは、それ自体のメモリ、データ、指示、及び、プロセッサを含むことができる。一例において、対象検出システム340は、ドーム内にカメラ(図示せず)を含んでもよい。これらのカメラは、車両アセンブリを操作するための情報を集めるのに使用されるのと同一のカメラ、又は閉塞がドーム上に存在するか否かの判定を行う専用のカメラであってもよい。対象検出システムのプロセッサは、受信した画像にデジタルフィルタ及び論理を使用した複合後処理を施して、受信した画像の品質を評価し、閉塞がドーム上に存在するか否かを判定することができる。
【0053】
[0066] 図4の参照に戻ると、制御システム310がドーム表面が閉塞されている旨のメッセージを対象検出システム340から受信したとき、制御システム310は、駆動モータ196を駆動し、ワイパブレードアセンブリ110A、110Bを展開させることができる。例えば、制御システム310は、駆動モータ196を駆動し、リングギア、天板128、及びワイパブレードアセンブリ110A、110Bも反時計回りの方向等、第1の方向に回転するように、駆動モータ196を第1の方向に回転させることができる。ワイパブレードアセンブリ110A、110Bが第1の方向に回転することにより、本明細書中、以上に検討した通り、第1のワイパブレード112A及び第2のワイパブレード112Bが直立位置に移動されるように、ワイパブレードアセンブリ110A、110Bを展開することができる。
【0054】
[0067] 反対に、制御システム310が対象検出システム340から光学的妨害物がドーム表面から十分に取り除かれたこと、又はドーム表面上にもはや存在しないというメッセージを受信したとき、制御システム200は、駆動モータ196の駆動を停止し、駆動モータ196を反対方向に回転させて、リングギア192、天板128、及びワイパブレードアセンブリ110A、110Bが時計回り等の反対方向に回転して第1のワイパブレード112A及び第2のワイパブレード112Bを収容するようにすることができる。駆動モータ196は、第1のワイパブレード112A及び第2のワイパブレード112Bが収容されたとき、回転を停止することができる。
【0055】
[0068] 第1のワイパブレード112A及び第2のワイパブレード112Bのうちの少なくとも一方の位置が制御システムによって判定可能である。例えば、ワイパブレードアセンブリ110A、110Bが一旦展開されると、制御システム内の1つ以上の位置センサを使用して、ワイパブレードのうちの1つ以上の存在及び位置を判定することができる。
【0056】
[0069] 例えば、図4及び図8を参照すると、位置センサ302は、リングギア及び天板128に対して固定されたホールセンサであってもよい。本例において、位置センサ302は、台板141に固定され、駆動モータ196の軸144Aとリングギア192との間に配置される。位置センサ302は、ドーム102の周囲で移動する回転アセンブリ138の一部に配置された1つ以上の磁石の磁界を検出することができる。
【0057】
[0070] 磁石304は、ドームの周りを回転するワイパブレードアセンブリ110A、110Bのうちの1つ以上に隣接して配置されてもよい。磁石304は、例えば、第1のワイパブレードアセンブリ110Aのベース搭載部114に隣接して配置されてもよい。この点に関して、磁石304が位置センサ302の前を通過する度に、位置センサ302は磁石304の存在を検出する。
【0058】
[0071] 位置センサ302は、制御システム310と通信し、1つ以上のワイパブレードの検出を示してもよい。例えば、磁石304が位置センサ302の前を通過する度に、位置センサ302は、磁石304が検出された旨を示す信号を制御システム310に送信することができる。本例において、磁石304はワイパブレードアセンブリ110Aのベース搭載部114に隣接するため、磁石304の検出は、また、第1のワイパブレード112Aの検出を示す。さらに、磁石304の検出は、また、制御システム310に、ワイパブレード112Aがドーム102の周囲を完全に一回転した旨を示してもよい。
【0059】
[0072] 制御システム310は、制御システム210がドームに対する位置センサ202の位置についての情報にアクセスすることによって位置センサ302から信号を受信する度に、第1のワイパブレード112A及び/又は第2のワイパブレード112Bの位置を計算することができる。例えば、位置センサ302の位置は固定されるため、制御システム310は、第1及び第2のワイパブレード112の位置を容易に判定することができる。磁石302が第1のワイパブレード112Aのベース搭載部114に隣接して配置される一例において、第1のワイパブレードアセンブリ110Aが位置センサ302の直前、又は0°に配置されるとき、第2のワイパブレード112Bは、第1のワイパブレードから180°離間して配置されるであろう。
【0060】
[0073] 制御システム310は、また、第1のワイパブレード112Aが完全に一回転して位置センサ302のところへ戻る際、第1のワイパブレード112A及び/又は第2のワイパブレード112Bの位置を計算してもよい。例えば、制御システム310は、回転アセンブリの速度についての情報にアクセスすることができる。制御システム310は、判定された速度に基づき、第1のワイパブレード112A及び第2のワイパブレード112Bが与えられた期間内にどの程度遠くまで前進するかを判定することができる。例えば、第1のワイパブレード112Aは、9秒毎に一回転してもよい。本例において、第1のワイパブレード112Aは、3秒毎に120°進行し、第1のワイパブレード112Aは、毎秒40°進行する。他の例において、第1のワイパブレード112Aは、9秒超又は9秒未満の時間で一回転してもよい。例えば、ワイパブレード112Aは、毎秒完全に一回転してもよい。このシステムは、与えられた速度に基づき、回転中の任意の与えられた地点における第1のワイパブレード112Aの位置を簡単に計算することができる。制御システム310は、また、速度を制御し、速度の調整を行ってもよい。
【0061】
[0074] 第2のワイパブレード112Bの位置も同様に判定することができる。例えば、ワイパブレード112Bの位置は、第1のワイパブレード112Aから180°離れて固定される。第1のワイパブレード112Aの位置が一旦判定されると、制御システム310は、第1のワイパブレード112Aの現在の位置に180°加算することにより、第2のワイパブレード112Bの位置を計算することができる。他の例において、第2の位置センサを、第2のワイパ112Bのベース搭載部114に隣接して設けることができる。制御システム302は、第2位置センサの信号に基づき、第1のワイパブレード112Aの位置を計算するのと同一の方法で、第2のワイパブレード112Bの位置を計算することができる。
【0062】
[0075] ワイパブレード112の位置を一層正確に提供するため、又は第1のワイパブレード112A及び第2のワイパブレード112Bの位置を判定する代替方法として、駆動モータ196内に1つ以上の位置センサが配置されてもよい。例えば、駆動モータ196内に3つのホールセンサ(図示せず)が配置され、任意の与えられたときに駆動モータ196の位置を検出してもよい。ホールセンサは、駆動の動き196内における磁石の検出と、与えられたときにおけるモータ196内のギアの位置とを示す情報を制御システム210に送信することができる。
【0063】
[0076] 駆動モータ196の位置がホールセンサから得られたとき、ワイパブレード112の位置についてより正確な計算を行うことができる。例えば、以上に検討した通り、制御システム310は、ドームの周りの回転中の地点における、第1のワイパブレード112Aの予想位置を予測することができる。しかしながら、回転アセンブリの速度は、回転中に変化することもあり、又は変動することもあり、ワイパブレード112A、112Bの予想位置に影響を与える。駆動モータ196の正確な位置を把握することにより、任意の時点における第1のワイパブレード112A及び第2のワイパブレード112Bの一方又は双方の位置判定をより正確にする追加情報を、制御システム310に提供することができる。
【0064】
[0077] 制御システム310は、また、噴射ノズル108A、108B、108Cの位置についての情報にアクセスしてもよい。図4を再び参照すると、以上の例で検討した通り、3つの噴射ノズル108A、108B、及び108Cは、ドームに対して120°等間隔に離間してもよい。このような例において、0°が位置センサ302の固定位置にあり、位置センサ302に対する各噴射ノズル108A、108B、及び108Cの位置が既知である。例えば、図示の通り、第1の噴射ノズル108Aは、60°に配置されてもよく、第2の噴射ノズル108Bは、位置センサ302から時計回りの方向に180°離間して(すなわち、第1のノズル108Aから120°離間して)配置可能であり、第3の噴射ノズル108Cは、位置センサ202から時計回りの方向に約300度離間して配置されてもよい。制御システム310は、これらの位置にアクセスすることにより、判定された第1のワイパブレード112A及び/又は第2のワイパブレード112Bの位置に基づき、正確に流体を分注することができる。
【0065】
[0078] 制御システム310は、流体分注システム174を駆動するために、噴射ノズル110A、110B、110Cに対するワイパブレードの最適位置を特定する情報にアクセスすることができる。例えば、最適位置は、ワイパブレード112Aが各噴射ノズル110A、110B、110Cの前を通過する直前にワイパ流体が分注される位置であってもよい。これにより、ドーム表面106に流体を噴射するものの、第1のワイパブレード112Aによって直ちに拭き取ることで、過剰な流体の流出を防ぐ。一例において、第1のワイパブレード112Aがドームに対して360°移動する際、各噴射ノズル110A、110B、110Cから5°〜10°離間するなど、第1のワイパブレード112Aが各噴射ノズルから固定距離離間するときを流体のトリガとすべきであることが事前に決定されてもよい。第2のワイパブレード112Bの最適位置は、第1のワイパブレード112Aの最適位置と同様とすることができるが、代わりに異なるものとしてもよい。
【0066】
[0079] 制御システム310は、1つ以上のワイパブレードがいつ最適位置にくるかを計算することができる。以上に検討した通り、制御システム310は、磁石302が完全に一回転する度に、第1のワイパブレード112Aと第2のワイパブレード112Bの正確な位置を判定できてもよい。第1のワイパブレード112が第1の噴射ノズル110A、第2の噴射ノズル110B、及び第3の噴射ノズル110Cの各々から10°離間して配置されたとき、噴射ノズルが流体を噴射すべきである旨を判定する例において、制御システム310は、第1のワイパブレード112Aがいつ50°、110°、及び290°に配置されるかを判定することができ、ここでは0°が位置センサ302に位置にあるものとする。以上に検討した通り、一例において、制御システム310は、ワイパブレード310の速度及び予想位置に基づいて判定を行うことができる。
【0067】
[0080] 制御システム310は、第1のワイパブレード112Aが最適位置にあるときに各ノズル110A、110B、110Cがワイパ流体を噴射すべく、流体ライン180に流体を汲み上げるように、流体分注システム310に信号を送信してもよい。例えば、ワイパブレードが50°、110°、及び290°の最適位置にあるとき、流体分注システム174は、各噴射ノズルを通じて流体を分注するであろう。従って、噴射ノズル110A、110B、110Cは、第1のワイパブレード112Aがドームの周りを回転する際、制御システムによって連続的にトリガとすることができる。流体分注システム174は、また、第2のワイパブレード112Bが最適位置にくる度に、駆動可能である。
【0068】
[0081] 図12は、制御システム310等、1つ以上の演算装置によって実施されてもよい上述の態様のうちのいくつかに係る一例としてのフロー図400である。本例において、制御システム310は、ブロック410にて、信号を受信する。信号は、ドーム等、車両アセンブリの表面上に光学的妨害物が存在することを示す。ブロック420にて、制御システム310は、駆動モータを駆動し、駆動モータの第1の方向への回転を開始させてもよい。駆動モータの移動は、また、駆動モータに連結された回転アセンブリと、回転アセンブリに連結された任意のワイパブレードアセンブリとを第1の方向に回転させる。回転アセンブリの動きにより、1つ以上のワイパブレードアセンブリは、また、第1の方向へ回転し、ワイパブレードを直立位置に展開するであろう。ワイパブレードを収容することが望ましいとき、ブロック430において、制御システム310は、駆動モータの駆動を停止し、駆動モータを第1の方向とは反対の第2の方向に回転させて、回転アセンブリ及びワイパブレードアセンブリも第1の方向とは反対の第2の方向に回転させるであろう。これにより、また、ワイパブレードを収容位置に移動させるであろう。
【0069】
[0082] 図13は、制御システム310等、1つ以上の演算装置によって実施されてもよい上述の態様のうちのいくつかに係る一例としてのフロー図500である。ブロック510において、制御システム310は、位置センサから信号を受信する。信号は、ドーム及び位置センサに対する第1の位置におけるワイパブレードの検出を示す。ブロック520において、制御システム310により、回転アセンブリの速度についての情報にアクセスされる。回転アセンブリの速度についての情報を使用して、制御システム310は、ブロック530において、ワイパブレードがドームの周りに360°の回転を行う際、ワイパブレードの第2の位置を判定することができる。
【0070】
[0083] 図14は、制御システム310等、1つ以上の演算装置によって実施されてもよい上述の態様のうちのいくつかに係る一例としてのフロー図600である。ブロック610において、制御システム310は、位置センサから信号を受信する。信号は、ドーム及び位置センサに対する第1の位置におけるワイパブレードの検出を示す。制御システム310は、ブロック620において、回転アセンブリの速度についての情報にアクセスする。ブロック630において、制御システム310により、噴射ノズルの位置についての情報にアクセスされ、ブロック640において、制御システム310により、噴射ノズルに対するワイパブレードの最適位置についての情報にアクセスされる。例えば、ドームの周囲に等間隔に離間した3つの噴射ノズルが設けられる。制御システム310は、また、ワイパ流体の噴射前に、ワイパブレードが各噴射ノズルからどの程度遠くに離間すべきかということに関する情報にアクセスすることができる。制御システム310は、ワイパブレードが噴射ノズル及びドームに対していつ最適位置にくるかを判定することができる。例えば、最適位置は、ワイパブレードが噴射ノズルから5〜10度離間して配置された位置であってもよい。ブロック650において、制御システム310は、ワイパブレードがいつ最適位置にくるかを判定するであろう。制御システム310は、速度に基づき、ワイパブレードが与えられた期間に最適位置にくることを予測することができる。或いは、制御システム310は、システム内の種々のセンサに基づき、正確な位置を判定することができる。制御システム310によりワイパブレードが最適位置にあることを一旦判定すると、制御システムは、ブロック660において流体分注システムを駆動し、噴射ノズルを通じてワイパ流体を分注させることができる。
【0071】
[0084] 指摘のない限り、以上の代替例は互いに排他的でなく、独自の効果を達成するために種々の組み合わせで実施されてもよい。クレームに規定の主題から逸脱することなく、以上の特徴についてのこれらのバリエーション及び組み合わせと、他のバリエーション及び組み合わせとを利用することができ、実施形態についての以上の説明は、クレームに規定の主題の限定を意味するものでなく、例示とみなされなければならない。また本明細書中に述べた例と、「等」「含む」等のフレーズは、クレームの主題を特定の例に限定するものとして解釈されてはならず、これらの例は、可能な多数の実施形態のうちの1つのみを例示することが意図されている。さらに、異なる図面中の同一の参照符号は、同一又は同様の要素を特定し得る。
図1
図2
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図8
図9
図10
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図12
図13
図14