特許第6684876号(P6684876)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6684876ガーネット型シンチレータのシンチレーション及び光学特性を改変するための共ドーピング方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6684876
(24)【登録日】2020年4月1日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】ガーネット型シンチレータのシンチレーション及び光学特性を改変するための共ドーピング方法
(51)【国際特許分類】
   C09K 11/00 20060101AFI20200413BHJP
   C09K 11/80 20060101ALI20200413BHJP
   C09K 11/08 20060101ALI20200413BHJP
   C30B 29/28 20060101ALI20200413BHJP
   C04B 35/50 20060101ALI20200413BHJP
   C04B 35/44 20060101ALI20200413BHJP
   C30B 15/04 20060101ALI20200413BHJP
   C30B 33/02 20060101ALI20200413BHJP
   C30B 15/10 20060101ALI20200413BHJP
   G01T 1/20 20060101ALI20200413BHJP
   G01T 1/202 20060101ALI20200413BHJP
【FI】
   C09K11/00 E
   C09K11/80
   C09K11/08 A
   C30B29/28
   C04B35/50
   C04B35/44
   C30B15/04
   C30B33/02
   C30B15/10
   G01T1/20 B
   G01T1/202
【請求項の数】12
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2018-181381(P2018-181381)
(22)【出願日】2018年9月27日
(62)【分割の表示】特願2015-553932(P2015-553932)の分割
【原出願日】2014年1月23日
(65)【公開番号】特開2019-48765(P2019-48765A)
(43)【公開日】2019年3月28日
【審査請求日】2018年9月28日
(31)【優先権主張番号】61/755,799
(32)【優先日】2013年1月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504326686
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ テネシー リサーチ ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】100110249
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 昭
(74)【代理人】
【識別番号】100113022
【弁理士】
【氏名又は名称】赤尾 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】モヒット チャギ
(72)【発明者】
【氏名】メリー エー コシャン
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ エル メルヒャー
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル ブラッドレー ドナルド
【審査官】 谷本 怜美
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第99/033934(WO,A1)
【文献】 特開2006−233158(JP,A)
【文献】 特開平10−247750(JP,A)
【文献】 特開2012−066994(JP,A)
【文献】 特開2007−217456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C30B 1/00−35/00
C09K 11/00−11/89
G01T 1/20−1/208
JSTPlus/JSTChina/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式 Gd3−x−y−zAl5−sGa12
(式中、RはLu又はYを表し、DはCe3+及びPr3+から選択されるドーパントイオンを表し、EはBaの共ドーパントイオンを表し、0≦x≦2; 0.0001≦y≦0.15; 0.003≦z≦0.15;及び1≦s≦4.0である。)で表される材料であって、この材料は単結晶、多結晶、又はセラミック材料である材料から成るシンチレータ
【請求項2】
前記xが0ではない請求項1に記載のシンチレータ
【請求項3】
前記xが0であり、且つsが2又は3である請求項1に記載のシンチレータ
【請求項4】
前記yが0.006である請求項1〜3のいずれか一項に記載のシンチレータ
【請求項5】
前記zが0.006と0.012の間である請求項1〜4のいずれか一項に記載のシンチレータ
【請求項6】
前記zが0.006又は0.012である請求項1〜5のいずれか一項に記載のシンチレータ
【請求項7】
共ドーパントイオンEに対するドーパントイオンDの比が、10:1から1:10の範囲である請求項1〜6のいずれか一項に記載のシンチレータ
【請求項8】
前記材料が、単結晶である請求項1〜7のいずれか一項に記載のシンチレータ
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のシンチレータを含む放射線検出器。
【請求項10】
請求項に記載の検出器を使用することから成る、ガンマ線、X線、宇宙線、及び1keV又はそれ以上のエネルギーを有する粒子を検出する方法。
【請求項11】
希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータの1又はそれ以上のシンチレーション及び/又は光学特性を変化させる方法であって、ドーパントイオン及び共ドーパントイオンの存在下で、この希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータを製造し、その結果共ドープされた希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータを得る工程を含み、該希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータが請求項1〜8のいずれか一項に記載のシンチレータである方法。
【請求項12】
前記ドーパントイオンが、Ce3+であり、前記共ドーパントがBa2+であり、当該方法が、共ドープされていない希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータと比較して、高い熱消光温度を示す共ドープされた希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータを提供する請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2013年1月23日に出願された米国仮特許出願第61/755799号に基づき且つその利益を主張するものであり、その開示全体は参照され本明細書に組み込まれる。
本発明は、米国エネルギー省により授与された契約De-NA0000473の下で米国政府の支援を受けて完成された。米国政府は本発明に一定の権利を有する。
この発明は、ガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータ材料のようなガーネット型単結晶、多結晶及びセラミックシンチレータ材料のシンチレーション及び/又は光学特性を変化させる共ドーピング方法に関する。更に、この発明は、共ドープされたシンチレータ材料、この共ドープされたシンチレータ材料を含む放射線検出器、及びこの放射線検出器を用いて高エネルギー粒子を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セリウムがドープされたシンチレータは、高エネルギー物理学、医学イメージング、地質探査、及び国土安全保障を含む様々な用途において、高エネルギー光子及び粒子を検出するために光検出器と共に使用される科学的及び経済的に重要な材料である。これらの用途におけるその価値を最大化するために、これらのシンチレータにおいて、いくつかの特定の特性が望まれている。即ち、高シンチレーション光収率、高速シンチレーション動態(減衰時間及び立上り時間の両方において)、良好なエネルギー解像度、高比例性、及び/又は外光の曝露に相対的に非感受であること、が一般的に望まれている。これらの要望を達成するために、シンチレーション過程を妨げる可能性がある電子/正孔トラップやその他の欠陥の無い又は比較的無い組成物を得ることが望ましい。シンチレータが広い温度範囲にわたって良好な性能を有する、良好な熱応答特性もまた望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、例えば、増加した光収率、増加したエネルギー解像度、増加した比例性、縮小した光感度、温度独立性、長い減衰時間、短い減衰時間、及び/又はより短い立上り時間を有する追加のシンチレータ材料に対して継続的な要望がある。また、様々な用途における1つ又は複数の特定のニーズを満たすために、希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネットのようなシンチレータ材料の特性を調整するための追加の方法に対しても継続的な要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明は、一般式
Gd3−x−y−zAl5−sGa12
(式中、RはLu又はYを表し、Dは少なくとも一つの三価ドーパントイオンを表し、Eは少なくとも一つの共ドーパントイオンを表し、0≦x≦2; 0.0001≦y≦0.15; 0.0001≦z≦0.15;及び1≦s≦4.0である。)で表される材料を提供し、この材料は、単結晶、多結晶、又はセラミック材料である。任意に、Eは、Sc、Mg、Ni、Ti、Zr、Hf、Si及びGeから成る群の1又はそれ以上から選択される元素のイオンではない。
本発明において、上記三価ドーパントイオン(D)は、Ce3+又はPr3+であり、共ドーパントイオン(E)は、Ba2+である
いくつかの実施態様において、上記少なくとも一つの三価ドーパントイオンは、Ce3+又はPr3+である。いくつかの実施態様において、Eは、Ba、B、Ca、Fe、Bi、Cr、Zn、Ag、Nb、K、Na、Sr及びCu又はこれらの任意のサブセットから選択される元素のイオンである。いくつかの実施態様において、上記少なくとも一つの共ドーパントイオンは、Ca2+、B3+又はBa2+である。
いくつかの実施態様において、xは0であり、且つsは2又は3である。またいくつかの実施態様において、yは約0.006である。またいくつかの実施態様において、zは約0.006と約0.012の間である。またいくつかの実施態様において、共ドーパントに対するドーパントイオンの比は、約10:1から約1:10の範囲である。
いくつかの実施態様において、その材料は単結晶である。
【0005】
いくつかの実施態様において、本発明は、
Gd3−x−y−zAl5−sGa12
(式中、RはLu又はYを表し、Dは少なくとも一つの三価ドーパントイオンを表し、Eは少なくとも一つの共ドーパントイオンを表し、0≦x≦2; 0.0001≦y≦0.15; 0.0001≦z≦0.15;及び1≦s≦4.0である。)から成る材料を含む放射線検出器を提供し、この材料は、単結晶、多結晶又はセラミック材料である。任意に、Eは、Sc、Mg、Ni、Ti、Zr、Hf、Si及びGeから成る群の1又はそれ以上から選択される元素のイオンではない。
いくつかの実施態様において、この検出器は、医療診断装置、石油探査のための装置、及び/又はコンテナ、車両、人間、動物、又は手荷物走査のための装置である。
いくつかの実施態様において、この医療用診断装置は、陽電子放射断層撮影(PET)装置、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)装置、又は平面核医学イメージング装置である。
【0006】
いくつかの実施態様において、本発明は、ガンマ線、X線、宇宙線及び/又は1keV又はそれ以上のエネルギーを有する粒子を検出する方法を提供し、この方法は、
Gd3−x−y−zAl5−sGa12
(式中、RはLu又はYを表し、Dは少なくとも一つの三価ドーパントイオンを表し、Eは少なくとも一つの共ドーパントイオンを表し、0≦x≦2; 0.0001≦y≦0.15; 0.0001≦z≦0.15;及び1≦s≦4.0である。)から成る材料から成る検出器を使用することから成り、この材料は、単結晶、多結晶、又はセラミック材料である。任意に、Eは、Sc、Mg、Ni、Ti、Zr、Hf、Si及びGeから成る群の1又はそれ以上から選択される元素のイオンではない。
【0007】
いくつかの実施態様において、本発明は、
Gd3−x−y−zAl5−sGa12
(式中、RはLu又はYを表し、Dは少なくとも一つの三価ドーパントイオンを表し、Eは少なくとも一つの共ドーパントイオンを表し、0≦x≦2; 0.0001≦y≦0.15; 0.0001≦z≦0.15;及び1≦s≦4.0である。)から成る材料を製造する方法を提供し、この材料は、単結晶、多結晶、又はセラミック材料である。任意に、Eは、Sc、Mg、Ni、Ti、Zr、Hf、Si及びGeから成る群の1又はそれ以上から選択される元素のイオンではない。任意に、この材料は単結晶であり、この方法は溶融物から結晶を得る工程を含む。
【0008】
いくつかの実施態様において、本発明は、希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータ(例えば、Gd3−x−y−zAl5−sGa12から成る材料)の1又はそれ以上のシンチレーション及び/又は光学特性を変化させる方法を提供し、この方法は、ドーパントイオン及び共ドーパントイオンの存在下で、希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータを製造する工程を含む。任意に、この共ドーパントイオンは、Sc、Mg、Ni、Ti、Zr、Hf、Si及びGeから成る群の1又はそれ以上から選択される元素のイオンではない。
【0009】
いくつかの実施態様において、この希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータは単結晶であり、当該方法は、(a)このガーネット型シンチレータの成長のための混合物を形成する工程であって、この混合物を形成することが、所定量のドーパントイオンと所定量の少なくとも一つ共ドーパントイオンを提供することから成る工程、(b)この混合物を溶融して溶融物を形成する工程、及び(c)この溶融物から結晶を成長させて、共ドープされた単結晶ガーネット型シンチレータを得る工程を含む。
【0010】
いくつかの実施態様において、当該1又はそれ以上のシンチレーション及び/又は光学特性のそれぞれは、シンチレーション光収率、減衰時間、立上り時間、エネルギー解像度、比例性、及び光の曝露に対する感度である。
いくつかの実施態様において、ドーパントイオンは、Ce3+であり、共ドーパントはCa2+であり、当該方法は、共ドープされていない希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータと比較して、速い減衰時間、短い立上り時間、及び低下した光感度のうちの1又はそれ以上を示す希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータを提供する。いくつかの実施態様において、ドーパントイオンは、Ce3+であり、共ドーパントはBa2+であり、当該方法は、共ドープされていない希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータと比較して、高い光収率を示す希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータを提供する。いくつかの実施態様において、ドーパントイオンは、Ce3+であり、共ドーパントはB3+であり、当該方法は、共ドープされていない希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータと比較して、良好なエネルギー解像度、高い光収率、長い減衰時間、短い立上り時間、良い比例性、及び低下した光感度のうちの1又はそれ以上を示す希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータを提供する。
【0011】
いくつかの実施態様において、当該方法は、更に、共ドープされたガーネット型シンチレータ(例えば、前記の単結晶希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータ)をアニーリングする工程を含む。いくつかの実施態様において、このアニーリングは、空気、窒素、又は窒素と水素の混合物中で行われる。いくつかの実施態様において、このアニーリングは、約800℃と約1600℃の間の温度で行われる。
【0012】
いくつかの実施態様において、本発明は、セリウムがドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)、例えば、GdGaAl12又はGdGaAl12、から成る組成物であって、共ドーパントイオンが共ドープされたGGAGから成る組成物を提供する。いくつかの実施態様において、この共ドーパントイオンは、Ca2+、B3+、及びBa2+から成る群から選択される。いくつかの実施態様において、セリウムがドープされたGGAGは、溶融物から製造される。いくつかの実施態様において、セリウムがドープされたGGAGは、単結晶又はセラミックである。
いくつかの実施態様において、本発明は、光検出器及びセリウムがドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)、例えば、GdGaAl12又はGdGaAl12、であって、共ドーパントイオンが共ドープされたGGAGから成る組成物を含む装置を提供する。いくつかの実施態様において、この装置は、医療イメージング、地質探査、又は国土安全保障における使用に適合している。
【0013】
いくつかの実施態様において、本発明は、光検出器及びセリウムがドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)、例えば、GdGaAl12又はGdGaAl12、であって、共ドーパントイオンが共ドープされたGGAGから成る組成物を含む装置を用いる工程を含む、高エネルギー光子及び粒子を検出する方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本発明は、セリウムがドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)、例えば、GdGaAl12又はGdGaAl12、であって、共ドーパントイオンが共ドープされたGGAGから成る組成物を製造する方法であって、溶融した原材料から単結晶を引き出す工程を含む方法を提供する。
【0014】
いくつかの実施態様において、本発明は、セリウムがドープされたGGAG(例えば、GdGaAl12又はGdGaAl12)シンチレータ材料のシンチレーション及び/又は光学特性の1又はそれ以上を変化させる方法であって、共ドーパントイオンの存在下で、セリウムがドープされたGGAGシンチレータ材料を製造し、それにより共ドープされたGGAGシンチレータ材料(例えば、共ドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12シンチレータ材料)を提供することから成る方法を提供する。いくつかの実施態様において、共ドーパントイオンは、Ca2+、B3+、及びBa2+から成る群から選択される。
いくつかの実施態様において、この共ドープされたGGAGシンチレータ材料は、単結晶から成り、当該方法は、(a)当該セリウムがドープされたGGAG(例えば、セリウムがドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12)シンチレータ材料の成長のための溶融物を形成する工程、(b)当該溶融物に共ドーパントを添加する工程、及び(c)当該溶融物から結晶を引き出す工程、から成る。
【0015】
いくつかの実施態様において、当該1又はそれ以上のシンチレーション及び/又は光学特性のそれぞれは、シンチレーション光収率、減衰時間、立上り時間、エネルギー解像度、比例性、及び光の曝露に対する感度である。いくつかの実施態様において、共ドーパントはCa2+であり、当該方法は、共ドープされていないGGAGシンチレータ(例えば、共ドープされていないGdGaAl12又はGdGaAl12シンチレータ)と比較して、速い減衰時間、短い立上り時間、及び低下した光感度のうちの1又はそれ以上を示す共ドープされたGGAG(例えば、共ドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12)シンチレータを提供する。いくつかの実施態様において、共ドーパントはBa2+であり、当該方法は、共ドープされていないGGAGシンチレータ(例えば、共ドープされていないGdGaAl12又はGdGaAl12シンチレータ)と比較して、高い光収率を示す共ドープされたGGAG(例えば、共ドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12)シンチレータを提供する。いくつかの実施態様において、共ドーパントはB3+であり、当該方法は、共ドープされていないGGAGシンチレータ(例えば、共ドープされていないGdGaAl12又はGdGaAl12シンチレータ)と比較して、良好なエネルギー解像度、高い光収率、長い減衰時間、短い立上り時間、良い比例性、及び低下した光感度のうちの1又はそれ以上を示す共ドープされたGGAG(例えば、共ドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12)シンチレータを提供する。
【0016】
いくつかの実施態様において、当該方法は、更に、共ドープされたGGAGシンチレータ(例えば、共ドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12シンチレータ)をアニーリングする工程を含む。いくつかの実施態様において、このアニーリングは、空気、窒素、又は窒素と水素の混合物中で行われる。
【0017】
従って、本発明の目的は、共ドープされた希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータ材料、当該シンチレータ材料を含む放射線検出器、当該放射線検出器を用いてガンマ線、X線、宇宙線及び/又は1keV又はそれ以上のエネルギーを有する粒子を検出する方法、当該シンチレータ材料の製造方法、及び当該シンチレータ材料の1又はそれ以上のシンチレーション及び/又は光学特性を変化させる方法を提供する。
本発明の目的を以上述べたが、その目的は本発明によって全体的に又は部分的に達成され、他の目的は、以下に示すように説明が進むにつれて明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】セリウムドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)型単結晶シンチレータにおける、相対シンチレーション光出力(LO)に対するカルシウム(Ca)、ホウ素(B)及びバリウム(Ba)を共ドーピングする効果を、基準(即ち、ゲルマニウム酸ビスマス(BGO))の光出力(LO)をチャンネル100に設定したスケールで示すグラフである。0.2原子%のセリウムがドープされ、0.2原子%のカルシウム(Ca)が共ドープされたGGAG結晶(GGAG:0.2Ce,0.2Ca;中間の灰色線);0.2原子%のセリウムがドープされ、0.2原子%のホウ素(B)が共ドープされたGGAG結晶(GGAG:0.2Ce,0.2B;明るい灰色線);及び0.2原子%のセリウムがドープされ、0.2原子%のバリウム(Ba)が共ドープされたGGAG結晶(GGAG:0.2Ce,0.2Ba;黒色線)の光出力(LO)を示す。比較のため、共ドーパントを含まない0.2原子%のセリウムがドープされたGGAG結晶(GGAG:0.2Ce;暗い灰色線)の光出力(LO)を示す。全てのドーパントと共ドーパントの原子%は、結晶を成長させる出発溶融物中のガドリニウム(Gd)を基準とする。
図2】セリウムドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)型シンチレータにおける、室温でのシンチレーションの減衰時間と立上り時間に対するカルシウム(Ca)及びホウ素(B)の共ドーピングの効果を示すグラフである。データを、0.2原子%のセリウムがドープされ、0.2原子%のカルシウム(Ca)が共ドープされたGGAG結晶(GGAG:0.2Ce,0.2Ca;中間の灰色線);0.2原子%のセリウムがドープされ、0.2原子%のホウ素(B)が共ドープされたGGAG結晶(GGAG:0.2Ce,0.2B;明るい灰色線);及び0.2原子%のセリウムがドープされ、0.4原子%のホウ素(B)が共ドープされたGGAG結晶(GGAG:0.2Ce,0.4B;暗い灰色線)について示す。共ドーパントを含まない0.2原子%のセリウムがドープされたGGAG結晶(GGAG:0.2Ce;黒色線)の光出力(LO)を示す。全てのドーパントと共ドーパントの原子%は、結晶を成長させる出発溶融物中のガドリニウム(Gd)を基準とする。チャンネル(x軸)は時間に比例する。
図3図3は、セリウム(Ce)ドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)型シンチレータにおける、相対的光収率のエネルギー依存性に対するカルシウム(Ca)及びホウ素(B)の共ドーピングの効果を示すグラフである。セリウムがドープされ、ホウ素(B)が共ドープされたGGAG(GGAG:Ce,B)のデータを灰色の三角形で示し、セリウムがドープされ、カルシウム(Ca)が共ドープされたGGAG(GGAG:Ce,Ca)のデータを黒色の四角形で示し、比較のため、共ドープされていないセリウムがドープされたGGAG(GGAG:Ce)のデータを灰色の丸で示す。全てのサンプルは305キロエレクトロンボルト(keV)において1に規格化されている。
図4】セリウム(Ce)ドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)型シンチレータにおける、アニール後の規格化光出力(LO)に対するカルシウム(Ca)及びホウ素(B)の共ドーピングの効果を示すグラフである。セリウムのみがドープされたGGAGシンチレータ(Ce;黒四角)、セリウムがドープされ、カルシウム(Ca)が共ドープされたGGAGシンチレータ(Ce,Ca;明るい灰色丸)、及びセリウムがドープされ、ホウ素(B)が共ドープされたGGAGシンチレータ(Ce,B;暗い灰色三角)を、x軸に示す4つの異なる温度で空気中でアニールし、引き続いて、外光に曝さずに光出力(LO)を測定した。
図5】セリウム(Ce)ドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)型シンチレータにおける、光感度(光出力(LO)における変化(%)で示す)に対するカルシウム(Ca)及びホウ素(B)の共ドーピングの効果を示すグラフである。セリウムのみがドープされたGGAGシンチレータ(Ce;黒四角)、セリウムがドープされ、カルシウム(Ca)が共ドープされたGGAGシンチレータ(Ce,Ca;明るい灰色丸)、及びセリウムがドープされ、ホウ素(B)が共ドープされたGGAGシンチレータ(Ce,B;暗い灰色三角)を、x軸に示す4つの異なる温度で空気中でアニールし、その後、光出力(LO)を測定する前に短時間外光に曝した。
図6】セリウムがドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)型シンチレータにおける、欠陥とトラップに対するカルシウム(Ca)、ホウ素(B)及びバリウム(Ba)の共ドーピングの効果(熱ルミネッセンス(TL)測定によって示される)を示すグラフである。データは、セリウムのみがドープされたGGAGシンチレータ(Ce;明るい灰色四角)、セリウムがドープされ、カルシウム(Ca)が共ドープされたGGAGシンチレータ(Ce,Ca;暗い灰色四角)、セリウムがドープされ、ホウ素(B)が共ドープされたGGAGシンチレータ(Ce,B;黒星角)及びセリウムがドープされ、バリウム(Ba)が共ドープされたGGAGシンチレータ(Ce,Ba;明るい灰色三角)について示す。
図7A】12〜300°Kの温度範囲における、セリウムのみがドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)型シンチレータの減衰時間(τとτ)と立上り時間を示すグラフである。立上り時間のデータは黒星形で示し、減衰時間(τ)のデータは白丸で示し、減衰時間(τ)のデータは黒四角で示す。
図7B】セリウムがドープされ、カルシウム(Ca)が共ドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)型シンチレータの減衰時間と立上り時間を示すグラフである。立上り時間のデータは黒星形で示し、減衰時間(τ)のデータは白丸で示し、減衰時間(τ)のデータは黒四角で示す。
図8A】350nmで励起した後の、セリウムがドープされ共ドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)型シンチレータの発光の温度依存性を示すグラフである。セリウムがドープされ、0.2原子%のカルシウムが共ドープされたGGAG(Ce、Ca)のデータは明るい灰色円で示され、セリウムがドープされ、0.2原子%のホウ素が共ドープされたGGAGのデータ(Ce、B)は、中間の灰色の三角形で示され、セリウムがドープされ、0.2原子%のバリウムが共ドープされたGGAG(Ce、Ba)のデータは濃い灰色三角形で示す。比較のために、セリウムのみがドープされたGGAG(Ce)のデータを黒四角で示す。
図8B】450nmで励起した後の、セリウムがドープされ共ドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)型シンチレータの発光の温度依存性を示すグラフである。セリウムがドープされ、0.2原子%のカルシウムが共ドープされたGGAG(Ce、Ca)のデータは明るい灰色円で示され、セリウムがドープされ、0.2原子%のホウ素が共ドープされたGGAGのデータ(Ce、B)は、中間の灰色の三角形で示され、セリウムがドープされ、0.2原子%のバリウムが共ドープされたGGAG(Ce、Ba)のデータは濃い灰色三角形で示す。比較のために、セリウムのみがドープされたGGAG(Ce)のデータを黒四角で示す。
図9A】350nmで励起した後の、セリウムがドープされ共ドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)型シンチレータの550nmの発光の温度依存性を示すグラフである。セリウムがドープされ、0.2原子%のカルシウムが共ドープされたGGAG(Ce、Ca)のデータは明るい灰色円で示され、セリウムがドープされ、0.2原子%のホウ素が共ドープされたGGAGのデータ(Ce、B)は、中間の灰色の三角形で示され、セリウムがドープされ、0.2原子%のバリウムが共ドープされたGGAG(Ce、Ba)のデータは濃い灰色三角形で示す。比較のために、セリウムのみがドープされたGGAG(Ce)のデータを黒四角で示す。
図9B】450nmで励起した後の、セリウムがドープされ共ドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)型シンチレータの550nmの発光の温度依存性を示すグラフである。セリウムがドープされ、0.2原子%のカルシウムが共ドープされたGGAG(Ce、Ca)のデータは明るい灰色円で示され、セリウムがドープされ、0.2原子%のホウ素が共ドープされたGGAGのデータ(Ce、B)は、中間の灰色の三角形で示され、セリウムがドープされ、0.2原子%のバリウムが共ドープされたGGAG(Ce、Ba)のデータは濃い灰色三角形で示す。比較のために、セリウムのみがドープされたGGAG(Ce)のデータを黒四角で示す。
図10】セリウムがドープされ共ドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)型シンチレータについて、シンチレーション寿命(ナノ秒単位、ns)の温度依存性を示すグラフである。組成物は、350nmで励起され、発光を390nm又は530nmで測定した。セリウムでドープされ、0.2原子%のカルシウムで共ドープされたGGAGのデータ(390nmの発光)(Ce,Ca 390)を、中間灰色の丸で示す。セリウムでドープされ、0.2原子%のカルシウムで共ドープされたGGAGのデータ(530nmの発光)(Ce,Ca 530)を、中間灰色の上向きの三角形で示す。セリウムでドープされ、0.2原子%のホウ素で共ドープされたGGAGのデータ(Ce,B)を、暗い灰色の下向きの三角形で示す。セリウムでドープされ、0.2原子%のバリウムで共ドープされたGGAGのデータ(Ce,Ba)を、中間灰色の菱形で示す。セリウムでドープされ、0.4原子%のホウ素で共ドープされたGGAGのデータ(Ce,4B)を、暗い灰色の左向きの三角形で示す。セリウムでドープされ、0.4原子%のバリウムで共ドープされたGGAGのデータ(Ce,4Ba)を、黒の右向きの三角形で示す。比較のための、セリウムのみでドープされたGGAG(Ce)のデータを、明るい灰色の四角で示す。
図11A】セリウムがドープされ共ドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)型シンチレータについて、シンチレーション光収率(LY)の温度依存性を示すグラフである。0.2原子%のセリウムでドープされ、0.2原子%のカルシウムで共ドープされたGGAGのデータ(0.2%Ce,0.2%Ca)を、明るい灰色の丸で示す。0.2原子%のセリウムでドープされ、0.2原子%のホウ素で共ドープされたGGAGのデータ(0.2%Ce,0.2%B)を、暗い灰色の三角形で示す。0.2原子%のセリウムでドープされ、0.2原子%のバリウムで共ドープされたGGAGのデータ(0.2%Ce,0.2%Ba)を、中間灰色の三角形で示す。比較のための、0.2原子%のセリウムのみでドープされたGGAG(0.2%Ce)のデータを、黒い四角で示す。
図11B図11Aのシンチレータについて、規格化されたシンチレーション光収率(LY)の温度依存性を示すグラフである。
図12】セリウムがドープされ共ドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)型シンチレータの残光を示すグラフである。セリウムでドープされ、0.2原子%のカルシウムで共ドープされたGGAGのデータ(Ce,Ca)を、黒丸で示す。セリウムでドープされ、0.2原子%のホウ素で共ドープされたGGAGのデータ(Ce,B)を、中間の灰色の丸で示す。セリウムでドープされ、0.2原子%のバリウムで共ドープされたGGAGのデータ(Ce,Ba)を、明るい灰色の三角形で示す。比較のための、セリウムのみでドープされたGGAG(Ce)のデータを、中間の灰色の四角で示す。
図13】還元雰囲気(2%の水素を含む窒素)中1300℃のアニールの効果を示すグラフである。セリウムのみがドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータのシンチレーション減衰曲線(GGAG:Ce;白丸)と、セリウムがドープされ、カルシウムが共ドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータのシンチレーション減衰曲線(GGAG:Ce、Ca;黒星形)を示す。
図14A】活性剤/ドーパントイオンとしてセリウム(Ce)を含み固相反応を介して製造された様々に共ドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)型セラミック又は多結晶ペレットの放射線ルミネッセンス曲線を示す。共ドーパントは、鉄(Fe)、ビスマス(Bi)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)及びニオブ(Nb)である。
図14B】活性剤/ドーパントイオンとしてセリウム(Ce)を含み固相反応を介して製造された様々に共ドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)型セラミック又は多結晶ペレットの光ルミネッセンス曲線を示す。共ドーパントは、カルシウム(Ca)、銅(Cu)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)、銀(Ag)、ニオブ(Nb)である。
図15A】活性剤/ドーパントイオンとしてプラセオジム(Pr)を含み固相反応を介して製造された様々に共ドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)型セラミック又は多結晶ペレットの放射線ルミネッセンス曲線を示す。共ドーパントは、ホウ素(B)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、ビスマス(Bi)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、ナトリウム(Na)及びカリウム(K)である。
図15B】活性剤/ドーパントイオンとしてプラセオジム(Pr)を含み固相反応を介して製造された様々に共ドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)型セラミック又は多結晶ペレットの光ルミネッセンス曲線を示す。共ドーパントは、ホウ素(B)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、ビスマス(Bi)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、ナトリウム(Na)及びカリウム(K)である。
図16】本発明の放射線検出装置の概略図を示す図である。装置10は、シンチレータ材料14に光学的に連結された光子検出器12を含む。装置10は、任意に、光子検出器12からの電気信号を記録及び/又は表示するための電子機器16を含んでもよい。従って、任意の電子機器16は、光子検出器12と電子的に連絡することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、以下で十分に説明される。しかし、本発明は、異なる形式で具現することが可能であり、以下で実施例を伴って記載された実施形態に限定されると解釈されるべきではない。これらの実施形態は、むしろ、この開示が徹底的かつ完全となり、その実施態様の範囲が当業者に十分に伝達されるように提供される。
ここに記載された、全ての特許、特許出願及びそれらの刊行物、並びに科学雑誌論文を含むがこれらに限定されない全ての参考文献は、それらが、補足し、説明し、背景を提供し、又は方法、技術及び/又は組成物を教えるために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
本明細書では以下の略語を使用する:%=パーセント、°K=ケルビン度、Al=アルミニウム、B=ホウ素、Ba=バリウム、C=摂氏、Ca=カルシウム、Ce=セリウム、cm=センチメートル、CT=コンピュータ断層撮影、Ga=ガリウム、Gd=ガドリニウム、GGAG=ガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット、K=ケルビン、keV=キロエレクトロンボルト、LO=光出力、Lu=ルテチウム、MeV=メガエレクトロンボルト、MPa=メガパスカル、nm=ナノメーター、ns=ナノ秒、PET=陽電子放射断層撮影、PL=光ルミネッセンス、PMT=光電子増倍管、Pr=プラセオジム、RL=放射線ルミネッセンス、SPECT=単光子放出コンピュータ断層撮影、TL=熱ルミネッセンス、Y=イットリウム
【0021】
I.定義
以下の用語は、当業者によって理解されると考えられるが、以下の定義は本発明の説明を容易にするために記載される。
他に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
長年の特許法の慣習に従って、用語「a」、「an」及び「the」は、特許請求の範囲を含む本出願において使用される場合、「1又はそれ以上」を意味する。
二つ以上の項目又は条件を説明する際に使用される場合、用語「及び/又は」は、すべての挙げられた項目又は条件が存在するか又は適用可能な状況、又はその項目又は条件のうちただ一つの(又は全てより少ない)項目又は条件が存在するか又は適用可能な状況を意味する。
特許請求の範囲における用語「又は」は、開示が代替物のみ及び「及び/又は」を意味する定義を裏付けているが、明確に代替物のみを意味することを示していない限り、又はその代替物が相互に排他的でない限り、「及び/又は」を意味するように用いられる。本明細書で使用される「別の」は、少なくとも第二の又はそれ以上を意味してもよい。
【0022】
「から成る(comprising)」は、「含む(containing)」、「含む(including)」又は「で特徴づけられる(characterized by)」と同義語であり、包括的又はオープンエンドであり、追加的な、列挙されていない要素及び/又は方法の段階を排除するものではない。「から成る(comprising)」は、挙げられた要素が必須であることを意味する用語であるが、他の要素が追加されても、まだクレームの範囲内に入ることを意味する。
本明細書において用いられる用語「のみから成る(consisting of)」は、クレームに特定されていない任意の要素、工程、又は成分を除外する。この用語「のみから成る(consisting of)」が、プレアンブルに続かないで、クレームの本体に用いられた場合、そこに記載された要素のみに限定され、他の要素は、クレーム全体から除外される。
「consisting essentially of (必須にから成る)」は、請求範囲を、明記した材料又は段階に限定し、さらに請求範囲の発明の基本的及び新規の特徴に実質的に影響しない材料又は段階を制限する。
「comprising(から成る)」、「consisting of(のみから成る)」及び「consisting essentially of(必須にから成る)」に関して、これらの3種の用語の1種が本明細書で用いられた場合、本発明は、他の2種の用語のいずれかの使用を含めることができる。
特に断らない限り、時間、温度、光出力、原子割合(%)など明細書及び特許請求の範囲で用いられる量を表すすべての数字は、全ての場合、「約」という用語により変更されたものとして理解される。従って、特に断らない限り、明細書及び特許請求の範囲で用いられる数的パラメータは、本発明によって得られることが求められている所望の性質によって変動することができる。
本明細書において、値に言及する場合、用語「約」は、ある例では特定した量の±20%又は±10%、別の例では同様に±5%、更に別の例では同様に±1%、また別の例では同様に±0.1%の変動を包含することを意味し、このような変動は開示された方法を実行するのに適切である。
【0023】
本明細書において、用語「ガーネット」及び「ガーネット型」シンチレータは、主として、化学式
12
(式中、カチオンA、B及びCは、異なった3種のサイトを有し、各サイトは酸素イオンに囲まれている。)で表される。Aは十二面体で酸素に配位され、Bは八面体で酸素に配位され、Cは四面体で酸素に配位されている。いくつかの実施態様において、Aは希土類元素のカチオンである。このシンチレータは、1又はそれ以上のドーパントイオン(例えば、ドーパントイオンと共ドーパントイオン)のそれぞれを少量(例えば、Aに対して約5原子%より少ない、又はAに対して約1原子%より少ない)含んでもよい。いくつかの実施態様において、各ドーパント又は共ドーパントはAに対して0.5原子%又はそれ以下で存在する。いくつかの実施態様において、この希土類元素はGd、Y又はLuである。いくつかの実施態様において、この希土類元素Aの少なくとも一部はGdである。いくつかの実施態様において、B及びCは、ガリウムカチオン又はアルミニウムカチオン(又はガリウムカチオンとアルミニウムカチオンの混合物)であってもよい。
【0024】
いくつかの実施態様において、このガーネット型シンチレータは、ガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)である。本明細書において、GGAGは、化学式
(Gd,R)(Ga,Al)12
(式中、Rは、Y又はLuのような希土類元素である。)で表される。いくつかの実施態様において、この化学式は、約1〜約3のGdイオンを含んでもよい(即ち、このGGAGは0〜約2のRイオンを含んでもよい。)。GGAGは例示として、GdGaAl12、GdGaAl12、GdGaAl12、GdLuGaAl12等を含むが、これらに限定されるわけではない。いくつかの実施態様において、このGGAGは、GdGaAl12又はGdGaAl12である。
【0025】
いくつかの実施態様において、シンチレータ材料の組成式の表現は、コロン「:」を含んでもよく、これはコロン「:」の左側が主たるマトリックス材料であることを示し、コロン「:」の右側が活性化イオンと共ドーパントイオンであることを示す。例えば、「GGAG:Ce、B」は、セリウムによって活性化され、ホウ素が共ドープされた、ガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネットを表す。
用語「シンチレータ」は、高エネルギー放射線(例えば、X、β、又はγ放射線)による刺激に応答して光(例えば、可視光)を発光する材料を意味する。
用語「高エネルギー放射線」は、紫外線よりも高いエネルギーを有する電磁放射線を意味し、X線(すなわち、X線照射)、ガンマ(γ)放射線、及びベータ(β)放射を含むが、これらに限定されるわけではない。いくつかの実施態様において、この高エネルギー放射線は、γ線、宇宙線、X線、及び/又は1keV又はそれ以上のエネルギーを有する粒子を意味する。本明細書に記載するように、シンチレータ材料は、例えば、カウンタ、イメージインテンシファイア、及びコンピュータ断層撮影(CT)スキャナのような装置における放射線検出器の部品として使用することができる。
【0026】
II.一般的な考慮事項
一般的に、「ガーネット」は、化学式
12
(式中、A(例えば、Gd又はLu)は十二面体サイトであり、B(例えば、Ga又はAl)は八面体サイトであり、C(例えば、Ga又はAl)は四面体サイトであり、各サイトは酸素イオンで囲まれている。)で表される立方晶構造を有する。Ce3+等の希土類元素の活性化剤を有する希土類元素・ガリウム及び/又はアルミニウム・ガーネットは、通常十二面体サイトを置換する。従って、希土類元素の活性化剤は、D2点群対称性を有するリガンドイオン(酸素)により十二面体で配位される。典型的なガーネット型物質GdGaAl12を、活性化剤であるCe3+でドープした場合には、Ce3+の5dレベルから4fレベルへの許容遷移の結果として、光が放出されることができる。
【0027】
いくつかの実施態様において、本発明は、共ドープされたガーネット型シンチレータ材料を提供する。これらの共ドープされたシンチレータは、共ドープされていないもの(例えば、同じ化学式で表されるが、活性化剤イオンをドープしただけのシンチレータ)とは異なる光学特性及び/又はシンチレーション特性を有する。共ドーパント(即ち、Ce3+やPr3+等の活性剤ドーパントイオンに更に加えるドーパント)の少量添加により、ガーネット型単結晶及び/又はセラミック又は多結晶シンチレータのシンチレーション特性を改変することができ、様々な用途に最適化された特性を得ることができる。例えば、共ドープにより、結晶場分裂を変更することができ、その結果、活性剤イオンのエネルギー伝達及び発光特性に影響を与えることができる。その代替として又はそれに加えて、共ドープにより、シンチレータ材料の欠陥構造(例えば、浅い、室温、深い、及び/又は正孔トラップセンター)を変更することができ、これは、その結晶の立上り時間や光感度などの特性に影響を与えることができる。
【0028】
ガドリニウム・ガリウム・ガーネットは、高密度と潜在的に優れたシンチレーション特性を有する、シンチレータの有望なクラスである。この材料は、近年この分野で一部の関心の対象とされてきた。例えば、カマダらは、(LuGd1−y(Ga、Al1−x12単結晶中のマトリックス組成物を改変する実験を行い、この結晶中のGd及びGaの相対比を変えることにより、伝導帯に対するCeの励起状態の位置を変更することができることを見出した。Kamada et al., 2011を参照されたい。
セリウム又はプラセオジムをドープした単結晶LuAl12(LuAG)は、高い光収率と短い減衰時間に加えて、同時に興味深い特性も持っている。Kamada et al., 2012aやKamada et al., 2012bを参照されたい。これらの材料はまたセラミックの形態で製造されてきた。Cherepy et al,.2010やCherepy et al,.2007を参照されたい。
【0029】
三価のホウ素(B)は、LEDに使用するためのGGAG:Ce粉末蛍光体の合成を補助するために使用されてきた。Kang et al., 2008と国際公開2007/018345を参照されたい。追加のホウ素のドープした試料は、セリウムのみをドープした試料と比較して、470 nmの光子の励起下でフォトルミネセンス強度が増加した。カンら(Kang et al)は、この結果は蛍光体粉末の結晶化度が増加したことに起因すると示唆している。しかし、本発明は、単結晶、多結晶材料及び/又はセラミックに関するものであり、粉末蛍光体に関するものではない。単結晶その他の本発明で開示される材料の合成方法が蛍光体の合成方法とは非常に違うことや、本発明の材料における目的達成に要するドーパントの濃度が非常に低いことなどから、当業者は、ここで開示される単結晶、多結晶、及びセラミック材料におけるホウ素共ドープが、粉末蛍光体を用いた作業から予測することができないことを理解するであろう。
【0030】
いくつかの実施態様において、本発明は、三価活性剤/ドーパントイオンと共ドーパントイオンを含む、ガーネット型単結晶、多結晶及び/又はセラミック材料を提供する。いくつかの実施態様において、このガーネット型材料は、希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネットである。いくつかの実施態様において、この希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネットの希土類元素は、Sc以外である。いくつかの実施態様において、この希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネットの希土類元素は、ガドリニウム(Gd)、ルテチウム(Lu)、イットリウム(Y)、又はこれらの混合物である。いくつかの実施態様において、この希土類元素成分の少なくとも一部はガドリニウムである。いくつかの実施態様において、三価活性剤/ドーパントイオンは、希土類元素(例えば、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Dy、Ho、Er又はTm)のイオンである。いくつかの実施態様において、この三価の活性剤/ドーパントイオンは、Ce3+又はPr3+である。
【0031】
この材料中の活性剤/ドーパントイオンと共ドーパントイオンの量は、主ガーネットマトリックス中に存在する希土類元素(単数又は複数)の量に比べて少ない、例えば、約1.0、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3若しくは0.2原子パーセント又はそれ以下である。特に断りのない限り、ドーパント又は共ドーパントイオンの原子パーセントを記載する場合、この原子パーセントは、シンチレータ材料を(例えば、最初の溶融物中で)製造するために使用される出発物質中に存在するドーパント又は共ドーパントイオンの量に基づく。この量は、例えば、溶融物の成長中の分離により、製造されたシンチレータによって変わることがある。いくつかの実施態様において、ドーパントの量は、主ガーネットマトリックス中の希土類元素に対して、約0.5原子%又はそれ以下である。いくつかの実施態様において、ドーパントの量は、主ガーネットマトリックス中の希土類元素に対して約0.2原子%である。
【0032】
いくつかの実施態様において、この材料は、
Gd3−x−y−zAl5−sGa12から成る。
式中、
Rは、Y又はLuであり;
Dは少なくとも一つの三価ドーパントイオンであり;
Eは、少なくとも一つの共ドーパントイオンであり;
0≦x≦2;
0.0001≦y≦0.15;
0.0001≦z≦0.15;
1≦s≦4.0であり、かつ
この材料は、単結晶、多結晶、及び/又はセラミック材料である。
【0033】
上記Dの適切なドーパントイオンとして、Ce3+、Pr3+、Nd3+、Sm3+、Eu3+、Dy3+、Ho3+、Er3+、及びTm3+が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの三価ドーパントイオンDは、Ce3+又はPr3+である。
上記Eの適切な共ドーパントイオンは、Ba、B、Ca、Fe、Bi、Cr、Zn、Ag、Nb、K、Na、Sr及びCuのような元素(又はこれらのうちの任意の一つ、又はこれらのサブコンビネーション)のイオンである。いくつかの実施態様において、1以上の種類の共ドーパントイオンが存在する。いくつかの実施態様において、この共ドーパントは、Mg、Zr、Sc、Hf、Si、Ge、Ti又はNi以外の元素のイオンである。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの共ドーパントは、Ca2+、B3+又はBa2+である。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの共ドーパントは、Ca2+又はBa2+である。
【0034】
値xは、主たるガーネットマトリックス中(即ち、ドーパント及び/又は共ドーパントイオンを除くシンチレータ材料中)の希土類元素Rの組成を記述することができる。いくつかの実施態様において、xは0と約2の間である。いくつかの実施態様において、xは0と約1の間であり、いくつかの実施態様において、xは0であって、主たるガーネットマトリックス中の唯一の希土類元素はGdである。
値sは、Alに対するGaの比率を記述することができる。この比率を変化させることによって、結晶格子を変更することができ、それは結晶場の変化とエネルギーバンド構造の変化をもたらすことができる。いくつかの実施態様において、sは約2又は約3である。いくつかの実施態様において、xは0であって、sは2又は3である。
【0035】
値yは、活性剤/ドーパントイオンの組成を記載している。活性剤の量が少なすぎると、その材料によって吸収されたエネルギーは、効率よく光に変換されない。一方、活性剤の量が多すぎると、活性剤イオン同士の間の距離が小さくて、消光(クエンチング)をもたらす。いくつかの実施態様において、活性剤/ドーパントイオンは(例えば、主たるガーネットマトリックス中の希土類元素(Gd+R)の含有量に対して)約0.1〜約0.5原子%で提供される。従って、いくつかの実施態様において、yは約0.003と約0.015の間である。上述したように、シンチレータを製造するために用いられる出発混合物中の希土類元素(Gd+R)に対する、ドーパントの量を記載するために、一般的方法が使用される(例えば、溶融物からその材料を成長させるとして、その溶融物中に存在する量)。製造されたままの材料中のドーパントの実際の量は、この値と異なることがある(例えば、固体−液体分離に依るため等)。いくつかの実施態様において、活性剤/ドーパントイオンは約0.2原子%で提供される。従って、いくつかの実施態様において、yは約0.006である。
【0036】
値zは共ドーパントの組成を決定することができる。いくつかの実施態様において、さらに以下の記載のように、共ドーパントイオンは、シンチレータ材料の欠陥構造を変更し、その結果、共ドープされていない同様の材料と比較して、シンチレーション特性及び/又は材料性能の変化をもたらすことができると考えられる。いくつかの実施態様において、この共ドーパントは、(例えば、主たるガーネットマトリックス中の希土類元素(Gd+R)の含有量に対して)約0.1〜約0.5原子%で提供される。従って、zは約0.003と約0.015の間であってもよい。ドーパントイオンについて上述したように、共ドーパントの量は、シンチレータ材料を製造するために使用される出発物質中に存在する共ドーパントの量に基づいて表現される。いくつかの実施態様において、共ドーパントは、主たるガーネットマトリックス中の希土類元素に対して、約0.2〜約0.4原子%で提供される。従って、いくつかの実施態様において、zは約0.006と約0.012の間であってもよい。いくつかの実施態様において、共ドーパントイオンに対するドーパントイオンの比は約10:1と約1:10の間である。いくつかの実施態様において、この比は約2:1と約1:3の間である。いくつかの実施態様において、この比は約1:1と約1:2の間である。
【0037】
いくつかの実施態様において、この材料は、単結晶材料である。「単結晶」は、液相法で製造され、結晶粒界を少し有し又は全く有せず、それぞれ隣接する結晶粒が一般的に同じ方向を持つような、材料を意味する。いくつかの実施態様において、この材料は、多結晶及び/又はセラミックであってもよく、サイズ及び/又は配向が異なる結晶を含んでもよい。
【0038】
いくつかの実施態様において、本発明は、セリウムがドープされたガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネット(GGAG)、例えば、GdGaAl12又はGdGaAl12、から成る組成物であって、共ドーパントイオンが共ドープされたGGAGから成る組成物を提供する。いくつかの実施態様において、共ドーパントイオンは、Ca2+、B3+、及びBa2+から成る群から選択される。従って、いくつかの実施態様において、この組成物はGGAG:Ce,Caから成る。いくつかの実施態様において、この組成物は、GGAG:Ce,Bから成る。いくつかの実施態様において、この組成物は、GGAG:Ce,Baから成る。いくつかの実施態様において、この組成物は、溶融物から製造される。いくつかの実施態様において、この組成物は、単結晶又はセラミックである。
【0039】
いくつかの実施態様において、この組成物は、セリウムドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12から成り、このセリウムドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12は、共ドーパントイオンが共ドープされている。
いくつかの実施態様において、この共ドーパントイオンは、Ca2+、B3+、及びBa2+から成る群から選択される。このセリウムドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12(即ち、共ドープされ、セリウムドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12)は、溶融物から製造される。いくつかの実施態様において、このセリウムドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12(即ち、共ドープされ、セリウムドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12)は、単結晶又はセラミックである。
【0040】
IV.放射線検出器、その関連装置及び方法
いくつかの実施態様において、本発明は、上述したような共ドープされたガーネット型シンチレータ材料を含む放射線検出器を提供する。この放射線検出器は、如何なる適当なシンチレータ(放射線を吸収して光を放出する)及び検出器(放出された光を検出する)から成ってもよい。この光検出器は、如何なる適当な単一の検出器又は複数の検出器であってもよく、シンチレータ材料に光学的に連結され、シンチレータ材料からの発光に応答して電気信号を生成する。従って、この光検出器は、光子を電気信号に変換するように構成されてもよい。例えば、フォトダイオードからの出力信号を電圧信号に変換するために信号増幅器を設けることができる。この信号増幅器は、この電圧信号を増幅するように設計されていてもよい。この電子信号を整えデジタル化するために、この光検出器に関連する電子機器を用いてもよい。
【0041】
図16を参照すると、いくつかの実施態様において、本発明は、光子検出器12とシンチレータ材料14(即ち、GGAG:Ce,B、GGAG:Ce,Ca及びGGAG:Ce,Baのような、しかしこれらに限定されない、共ドープされたGGAG単結晶、多結晶及び/又はセラミック材料)から成る装置10を提供する。このシンチレータ材料14は、放射線を光に変換し、この光をCCDやPMT又は他の光子検出器12によって効率的かつ高速で収集することができる。
図16を再び参照すると、光子検出器12は、如何なる適当な単一の検出器又は複数の検出器であってもよく、シンチレータ材料(即ち、共ドープされたGGAG)に光学的に連結され、シンチレータ材料からの発光に応答して電気信号を生成する。従って、光子検出器12は、光子を電気信号に変換するように構成されてもよい。この電子信号を整えデジタル化するために、光子検出器12に関連する電子機器を用いてもよい。適切な光子検出器12としては、光電子増倍管、フォトダイオード、CCDセンサ、及びイメージ増倍管が挙げられるが、これらに限定されない。装置10は、また、この電気信号を記録及び/又は表示するための電子機器16を有してもよい。
【0042】
いくつかの実施態様において、この放射線検出器は、医学的又は獣医学的診断装置、油その他の地質探査(例えば、油井探索用具)、又は警備及び/又は軍関連の目的(例えば、コンテナ、車両、又は手荷物走査するため、又はヒトやその他の動物をスキャンするために)のための放射線検知装置の一部として使用するために構成される。いくつかの実施態様において、この医学的又は獣医学診断装置は、陽電子放出断層撮影(PET)装置、X線コンピュータ断層撮影(CT)装置、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)装置、又は平面核医学撮像装置から選択されるが、これらに限定されるわけではない。例えば、この放射線検出器は、ヒト又は動物被験体のような試料の上又はその周りを、この試料上の如何なる所望の部位(単一又は複数)から放出される放射線を検出することができるように、移動するように(例えば、機械的及び/又は電子的制御を介して)構成されていてもよい。いくつかの実施態様において、この検出器は、検出器を試料の周りに回転させるために回転体上に設置され又は取り付けられてもよい。
いくつかの実施態様において、この装置は、放射線源を含むことができる。例えば、本発明のX線CT装置は、X線を放射するX線源とこのX線を検出する検出器を含むことができる。いくつかの実施態様において、この装置は、複数の放射線検出器を備えることができる。この複数の放射線検出器は、試料表面上の様々な位置から放出される放射線を検出するために、例えば、円筒形又は他の所望の形状に配置されてもよい。
【0043】
いくつかの実施態様において、本発明は、上述の共ドープされたガーネット型シンチレータを含む放射線検出器を用いて放射線を検出する方法を提供する。従って、いくつかの実施態様において、本発明は、ガンマ線、X線、宇宙線及び/又は1keV又はそれ以上のエネルギーを有する粒子を検出する方法を提供し、この方法は、
Gd3−x−y−zAl5−sGa12
(式中、
RはLu又はYを表し、
Dは少なくとも一つの三価ドーパントイオンを表し、
Eは少なくとも一つの共ドーパントイオンを表し、
0≦x≦2; 0.0001≦y≦0.15; 0.0001≦z≦0.15;及び1≦s≦4.0である。)
から成る材料から成る検出器を使用することから成り、この材料は、単結晶、多結晶、又はセラミック材料である。いくつかの実施態様において、Dは、例えば、Ce3+、Pr3+、Nd3+、Sm3+、Eu3+、Dy3+、Ho3+、Er3+、及びTm3+から成る群から選択されるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの三価ドーパントイオンは、Ce3+又はPr3+である。
【0044】
Eは、Ba、B、Ca、Fe、Bi、Cr、Zn、Ag、Nb、K、Na、Sr及びCuのような元素のイオンである。いくつかの実施態様において、この共ドーパントEは、Mg、Zr、Sc、Hf、Si、Ge、Ti又はNi以外の元素のイオンである。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの共ドーパントは、Ca2+、B3+又はBa2+である。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの共ドーパントは、Ca2+又はBa2+である。
いくつかの実施態様において、xは0と約1の間である。いくつかの実施態様において、xは0であって、主たるガーネットマトリックス中の唯一の希土類元素はGdである。いくつかの実施態様において、sは約2又は約3である。いくつかの実施態様において、xは0であって、sは2又は3である。
【0045】
いくつかの実施態様において、この共ドーパントは、(例えば、主たるガーネットマトリックス中の希土類元素(Gd+R)の含有量に対して)約0.1〜約0.5原子%で提供される。従って、zは約0.003〜約0.015であってもよい。いくつかの実施態様において、共ドーパントは、主たるガーネットマトリックス中の希土類元素に対して、約0.2〜約0.4原子%で提供される。従って、いくつかの実施態様において、zは約0.006〜約0.012であってもよい。
いくつかの実施態様において、共ドーパントイオンに対するドーパントイオンの比は約10:1と約1:10の間である。いくつかの実施態様において、この比は約2:1と約1:3の間である。いくつかの実施態様において、この比は約1:1と約1:2の間である。
いくつかの実施態様において、放射線検出器用のシンチレータは単結晶材料である。いくつかの実施態様において、このシンチレータは、多結晶及び/又はセラミックであってもよい。
【0046】
いくつかの実施態様において、本発明は、セリウムがドープされたGGAG(例えば、GdGaAl12又はGdGaAl12)から成る装置を提供し、このセリウムがドープされたGGAGは共ドーパントイオンが共ドープされる。いくつかの実施態様において、共ドーパントイオンは、Ca2+、B3+、及びBa2+から成る群から選択される。従って、いくつかの実施態様において、この装置はGGAG:Ce,Caから成る。いくつかの実施態様において、この装置は、GGAG:Ce,Bから成る。いくつかの実施態様において、この装置は、GGAG:Ce,Baから成る。いくつかの実施態様において、この装置は、セリウムがドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12から成り、このセリウムがドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12は共ドーパントイオンが共ドープされる。
【0047】
いくつかの実施態様において、セリウムがドープされ共ドープされたGGAGは、溶融物から製造される。いくつかの実施態様において、このセリウムがドープされ共ドープされたGGAGは、単結晶又はセラミックである。
いくつかの実施態様において、光検出器と共ドープされたセリウムがドープされたGGAGを含む装置は、医療イメージング、地質探査、又は国土安全保障における使用のために適合している。
いくつかの実施態様において、本発明は、高エネルギー光子と粒子を検出する方法であって、光検出器と共ドープされたセリウムがドープされたGGAGを含む装置を使用する方法を提供する。
【0048】
V.製法
いくつかの実施態様において、本発明は、共ドープされたガーネット型シンチレータ材料の製造方法を提供する。いくつかの実施態様において、本発明は、溶融物から結晶を調製することから成るシンチレータ材料の製造方法を提供する。例えば、いくつかの実施態様において、この共ドープされたガーネット型シンチレータ材料は、チョクラルスキー(Czochralski)法(引き上げ法)により成長した結晶であってもよい。しかし、他の方法によって成長させた又は製造された単結晶又は多結晶材料及び/又はセラミックも本発明のシンチレータ材料として使用することができる。ガーネット型材料の代替製法として、例えば、マイクロ引き下げ法、ブリッジマン法、ゾーンメルト法、縁部限定薄膜供給結晶成長法(EFG法)、及び熱間静水圧プレス(HIP)焼結法が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
任意の結晶の製造方法において、酸化物又は炭酸塩材料を出発原料として使用することができる。従って、結晶を製造するための適当な出発材料として、Gd、β−Ga、α−Al、CeO、Pr、Luなどが挙げられるが、これらに限定されない。この結晶をシンチレータ用の結晶として使用する場合、高純度の原料(例えば、99.99%又はそれ以上の純度を有する、及び/又は1ppmより高い不純物を含有しない)を用いてもよい。溶融物を形成する際に所望の組成物が得られるように、これらの出発原料を秤量し、混合してもよい。
【0050】
いくつかの実施態様において、共ドープされた希土類元素・ガリウム結晶ブールを成長させるために、チョクラルスキー(Czochralski)法(この方法においては、溶融した原料から大きな単結晶を引き上げる)を使用してもよい。原料(例えば、Gd、Al、Ga、セリウム塩(例えば、硝酸セリウム)等)を秤量し、混合し(例えば、ボールミルを用いて)、そしてこの混合粉体をルツボに入れてもよい。焼成を、1000〜1700℃で数時間行ってもよい。適当なルツボ材料として、白金、イリジウム、ロジウム、レニウム、及びそれらの合金が挙げられる。高周波発振器、集中加熱装置、又は抵抗加熱器を使用してもよい。更に、アルゴン、ヘリウム、又は窒素の流動雰囲気を使用してもよい。いくつかの実施態様において、少量(例えば、約0.1〜約5体積%)の酸素を含む窒素雰囲気を使用してもよい。
【0051】
いくつかの実施態様において、本発明の材料は、例えば、ホットプレス又は熱間等方圧加圧法(HIP)法によるセラミックスとして提供することができる。この方法では、原料(例えば、Gd、Al、Ga、セリウム塩(例えば、硝酸セリウム)等)を秤量し、混合し(例えば、ボールミルを用いて)、そしてこの混合粉体をルツボ(例えば、アルミナ製ルツボ)に入れ、焼成(例えば、1200〜1500℃で)を数時間行ってもよい。ホットプレス法の場合には、焼成後、適当な開口部を有する篩を用いて粉末を造粒した後、金型を用いてプレス成形を行い、成形された物体を得ることができる。そして、この成形された物体を、炭素金型にセットし、ホットプレス焼結を、例えば1500〜1700℃で、10Mpa〜80MPaの圧力で、不活性ガス雰囲気下で行うことができる。このHIP法の場合、焼結粉末を、ボールミルなどを用いて粉砕し、型を用いてプレス成形を行い、成形された物体を得ることができる。この成形された物体を冷間静水圧プレス法によって高密度化し、アルミナ製のサヤに入れ、焼結を、例えば1500〜1700℃で、不活性ガス雰囲気下で行うことができる。得られたセラミックスに、更に50MPa又はそれ以上の圧力で、1300〜1700℃の温度で、HIP焼結を行ってもよい。
【0052】
いくつかの実施態様において、本発明は、
Gd3−x−y−zAl5−sGa12
(式中、
RはLu又はYを表し、
Dは少なくとも一つの三価ドーパントイオンを表し、
Eは少なくとも一つの共ドーパントイオンを表し、
0≦x≦2; 0.0001≦y≦0.15; 0.0001≦z≦0.15;及び1≦s≦4.0である。)
から成る材料を製造する方法であって、溶融物から結晶(例えば、単結晶)を製造する工程を含む方法を提供する。
【0053】
いくつかの実施態様において、Dは、Ce3+、Pr3+、Nd3+、Sm3+、Eu3+、Dy3+、Ho3+、Er3+、及びTm3+から成る群から選択されるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの三価ドーパントイオンDは、Ce3+又はPr3+である。Eは、Ba、B、Ca、Fe、Bi、Cr、Zn、Ag、Nb、K、Na、Sr及びCuのような元素のイオンであってもよいがこれらに限定されない。いくつかの実施態様において、共ドーパントイオンEは、Mg、Zr、Sc、Hf、Si、Ge、Ti又はNi以外の元素のイオンである。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの共ドーパントは、Ca2+、B3+又はBa2+である。いくつかの実施態様において、この少なくとも一つの共ドーパントは、Ca2+又はBa2+である。
【0054】
いくつかの実施態様において、xは0と約1の間であり、いくつかの実施態様において、xは0であって、主たるガーネットマトリックス中の唯一の希土類元素はGdである。いくつかの実施態様において、sは約2又は約3である。いくつかの実施態様において、xは0であって、sは2又は3である。
いくつかの実施態様において、活性剤/ドーパントイオンは(例えば、主たるガーネットマトリックス中の希土類元素(Gd+R)の含有量に対して)約0.1〜約0.5原子%で提供される。従って、いくつかの実施態様において、yは約0.003と約0.015の間である。いくつかの実施態様において、活性剤/ドーパントイオンは約0.2原子%で提供される。従って、いくつかの実施態様において、yは約0.006である。
【0055】
いくつかの実施態様において、この共ドーパントは、(例えば、主たるガーネットマトリックス中の希土類元素(Gd+R)の含有量に対して)約0.1〜約0.5原子%で提供される。従って、zは約0.003と約0.015の間であってもよい。いくつかの実施態様において、共ドーパントは、主たるガーネットマトリックス中の希土類元素に対して、約0.2〜約0.4原子%で提供される。従って、いくつかの実施態様において、zは約0.006〜約0.012であってもよい。
いくつかの実施態様において、共ドーパントイオンに対するドーパントイオンの比は約10:1〜約1:10である。いくつかの実施態様において、この比は約2:1〜約1:3である。いくつかの実施態様において、この比は約1:1〜約1:2である。
【0056】
いくつかの実施態様において、本発明は、セリウムがドープされたGGAGから成る群から選択される組成物を製造する方法であって、このセリウムがドープされたGGAGは共ドーパントイオンが共ドープされ、この方法は、溶融した原料から結晶(例えば、単結晶)を調製する工程を含む。いくつかの実施態様において、この方法は、セリウムがドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12から成る組成物を製造する方法であって、このセリウムがドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12は共ドーパントイオンが共ドープされ、この方法は、溶融した原料から結晶(例えば、単結晶)を調製する(例えば、引き上げる)工程を含む。
【0057】
VI.シンチレーション及び/又は光学特性を変更する方法
いくつかの実施態様において、本発明は、ガーネット型シンチレーション材料の1又はそれ以上のシンチレーション及び/又は光学特性を変化させる方法を提供する。このシンチレーション及び/又は光学特性は、シンチレーション光収率、減衰時間、立上り時間、エネルギー解像度、比例性、及び光の曝露に対する感度などであるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、この方法は、ドーパントイオン及び1又はそれ以上の共ドーパントイオンの存在下でシンチレーション材料の製造する工程を含む。いくつかの実施態様において、このガーネット型シンチレーション材料は、希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネットである。いくつかの実施態様において、このガーネット型シンチレーション材料は、ガドリニウム・ガリウム・アルミニウム・ガーネットである。
【0058】
このドーパントイオンは、三価イオン、例えば、三価の希土類元素イオンであってもよい。いくつかの実施態様において、このドーパントイオンは、Ce3+又はPr3+である。このガーネット型シンチレータの組成及び所望のシンチレーション特性に応じて、共ドーパントの同一性を変えることができる。いくつかの実施態様において、この共ドーパントイオンは、Mg、Zr、Sc、Hf、Si、Ge、Ti又はNi(又はこれら単独もしくはこれらのサブコンビネーション)以外の元素のイオンである。いくつかの実施態様において、共ドーパントイオンは、Ba、B、Ca、Fe、Bi、Cr、Zn、Ag、Nb、K、Na、Sr及びCuから成る群から選択される元素のイオンである。いくつかの実施態様において、この共ドーパントは、Ca、B及びBaから成る群から選択される元素のイオンである。いくつかの実施態様において、この共ドーパントイオンはCa2+である。いくつかの実施態様において、この共ドーパントイオンはB3+である。いくつかの実施態様において、この共ドーパントイオンはBa2+である。
【0059】
いくつかの実施態様において、この方法は、単結晶の希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータを製造することから成る。いくつかの実施態様において、この方法は、(a)このガーネット型シンチレータを成長させるための混合物を形成する工程であって、この混合物を形成する工程が、予め定めた量のドーパントと予め定めた量の少なくとも一つの共ドーパントから成る混合物を形成する工程から成る、工程、(b)この混合物を溶融して一つの溶融物を形成する工程、及び(c)この溶融物から結晶を成長させ、その結果、共ドープされた単結晶ガーネット型シンチレータを得る工程、から成る。
【0060】
いくつかの実施態様において、このドーパントイオンは、Ce3+であり、この共ドーパントはCa2+であり、この方法は、共ドープされていない希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータと比較して、速い減衰時間、短い立上り時間、及び低下した光感度のうちの1又はそれ以上を示す希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータを提供する。いくつかの実施態様において、このドーパントイオンは、Ce3+であり、この共ドーパントはBa2+であり、当該方法は、共ドープされていない希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータと比較して、高い光収率を示す希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータを提供する。いくつかの実施態様において、このドーパントイオンは、Ce3+であり、この共ドーパントはB3+であり、この方法は、共ドープされていない希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータと比較して、良好なエネルギー解像度、高い光収率、長い減衰時間、短い立上り時間、良い比例性、及び低下した光感度のうちの1又はそれ以上を示す希土類元素・ガリウム・アルミニウム・ガーネット型シンチレータを提供する。
【0061】
いくつかの実施態様において、この方法は、更に、この共ドープされたガーネット型シンチレータをアニーリングする工程を含む。このアニーリングは、例えば、空気、窒素、又は窒素と水素の混合物中で行われる。このアニーリングは、約800〜約1600℃の温度のような適当な温度(例えば、約800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600℃)で行うことが出来る。
いくつかの実施態様において、この方法は、さらに、このシンチレータ材料を一定期間(即ち、この材料をシンチレータとして使用する前に)、光又は暗闇に曝す工程を含む。
【0062】
いくつかの実施態様において、本発明は、セリウムがドープされたGGAGシンチレータ材料のシンチレーション及び/又は光学特性の1又はそれ以上を変化させる方法であって、共ドーパントイオンの存在下で、セリウムがドープされたGGAGシンチレータ材料を製造し、それにより共ドープされたGGAGシンチレータ材料を提供することから成る方法を提供する。いくつかの実施態様において、本発明は、セリウムがドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12シンチレータ材料のシンチレーション及び/又は光学特性の1又はそれ以上を変化させる方法であって、共ドーパントイオンの存在下で、セリウムがドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12シンチレータ材料を製造し、それにより共ドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12シンチレータ材料を提供することから成る方法を提供する。いくつかの実施態様において、この共ドーパントイオンは、Ca2+、B3+、及びBa2+から成る群から選択される。いくつかの実施態様において、この共ドープされたGGAGシンチレータ材料(例えば、共ドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12)は、単結晶であり、この方法は、(a)このセリウムがドープされたGGAGシンチレータ材料(例えば、セリウムがドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12シンチレータ材料)の成長のための溶融物を形成する工程、(b)この溶融物に共ドーパントを添加する工程、及び(c)この溶融物から結晶を引き出す又はその他の方法で結晶を得る工程、から成る。
【0063】
いくつかの実施態様において、この共ドーパントはCa2+であり、この方法は、共ドープされていないGGAGシンチレータ(例えば、共ドープされていないGdGaAl12又はGdGaAl12シンチレータ)と比較して、速い減衰時間、短い立上り時間、及び低下した光感度のうちの1又はそれ以上を示す共ドープされたGGAGシンチレータ(例えば、共ドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12シンチレータ)を提供する。いくつかの実施態様において、この共ドーパントはBa2+であり、この方法は、共ドープされていないGGAGシンチレータと比較して、高い光収率を示す共ドープされたGGAGシンチレータ(例えば、共ドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12シンチレータ)を提供する。いくつかの実施態様において、この共ドーパントはB3+であり、この方法は、共ドープされていないGGAGシンチレータと比較して、良好なエネルギー解像度、高い光収率、長い減衰時間、短い立上り時間、良い比例性、及び低下した光感度のうちの1又はそれ以上を示す共ドープされたGGAGシンチレータ(例えば、共ドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12シンチレータ)を提供する。
いくつかの実施態様において、この方法は、更に、共ドープされたGGAGシンチレータ(例えば、共ドープされたGdGaAl12又はGdGaAl12シンチレータ材料)をアニーリングする工程を含む。いくつかの実施態様において、このアニーリングは、空気、窒素、又は窒素と水素の混合物中で行われてもよい。
【実施例】
【0064】
以下の実施例は、本発明の代表的な実施形態を実施するために当業者に指針を提供するためのものです。この開示と当業者の一般的なレベルに照らしてみれば、当業者は、以下の実施例が例示のみを意図していることを理解することができ、本発明の範囲を逸脱せずに、多くの改変、修正、及び変更が可能であることを理解することができる。
【0065】
実施例1
一般的方法
結晶成長: 結晶はチョクラルスキー(Czochralski)法によって成長させた。より具体的には、サイバスターオキシプラーチョクラルスキー成長施設(Cyberstar Oxypuller Czochralski growth station (Cyberstar, Echirolles, France))で、少量の(数パーセントの)酸素を含む窒素雰囲気下で、誘導加熱されたイリジウム製るつぼの中で結晶を成長させた。ここで示されるドーパントと共ドーパント濃度は、最初の出発溶融物に対する濃度であり、希土類元素イオン(例えば、結晶がGdGaAl12である場合にはGd3+)に対する濃度である。いくつかの実施態様において、最初の出発溶融物はドーパントを0.2原子%含有した。最終ブール中のこの濃度は、固−液界面における分離のため、溶融物中の濃度とは異なる場合がある。気化して失われたGaの損失を考慮して、この溶融物に過剰量のGaを添加してもよい。Donnald et al., 2013を参照されたい。一貫性のあるドーパント濃度を確保するために、サンプルを各ブールにおける類似の位置から採取した。所望であれば、最終サンプル中のドーパント及び/又は共ドーパントイオン濃度を、例えば、グロー放電質量分析(GDMS)法で決定してもよい。
【0066】
結晶のキャラクタリゼーションを、他の文献等でより詳細に記載されている方法に従って実施した。例えば、Donnald et al., 2013; Tyagi et al., 2013a; and Tyagi et al.; 2013b. Bを参照されたい。簡単に説明すると、バリアンキャリー5000紫外可視近赤外分光光度計(Varian Cary 5000 UV-Vis-NIR spectrophotometer、Agilent Technologies, Santa Clara, California, USA) を用いて、透過スペクトルを測定した。堀場ジョバンイボンフルオロログ−3分光蛍光光度計(HORIBA Jobin Yvon Fluorolog-3 spectrofluorometer、堀場製作所、京都、日本)を用いて、低温放射及び励起スペクトルを測定した。先端研究システム(ARS)DE−202AE閉サイクルヘリウムクライオスタットシステム(Advanced Research Systems (ARS) DE-202AE closed cycle helium cryostat system、Advanced Research Systems, Macungie, Pennsylvania, USA))を用いて、サンプルの冷却を制御した。放射及び励起スペクトルについては、450W連続キセノンランプを励起源として使用した。光ルミネッセンス(PL)については、堀場ジョバンイボンノラルLED(HORIBA Jobin Yvon NanoLEDs (パルス光を放射する発光ダイオード、堀場製作所、京都、日本))を励起源として使用した。放射線ルミネッセンス(RL)測定のために、X線管を励起源として使用した。
【0067】
光収率及びエネルギー解像度の測定: 光収率及びエネルギー解像度の測定は、他の文献等に記載されている方法で行った。Donnald et al., 2013; Tvaqi et al.. 2013a; and Tvaqi et al.. 2013b.を参照されたい。簡潔に記すと、パルス処理用の一連の装置を用いて、5×5×5mm3サンプル上で、絶対光出力(LO)とエネルギー解像度の測定を行った。この一連の装置は、R2059光電子増倍管(PMT、浜松ホトニクス、浜松、日本)、オーテック(R)672アンプ(Ortec (R) 672 amplifier、Advanced Measurement Technology, Inc., Oak Ridge, Tennessee, USA)、キャンベラ2005プリアンプ(Canberra 2005 preamplifier、Canberra Industries, Inc., Meridan, Connecticut, USA)、及びツカン8Kマルチチャネルアナライザ(Tukan 8k multichannel analyzer (MCA)、National Center for Nuclear Research, Swierk, Poland)から成る。この光電子増倍管(PMT)を、光学グリースを介して、直接各サンプルに結合し、半球状のスペクトラロン(R)反射器(SPECTRALON(R) reflector、Labsphere, North Sutton, New Hampshire, USA)を用いて、光を最大限に収集した。相対光出力(LO)の測定は、ゲルマニウム酸ビスマス(BGO)の基準結晶を用いて行った。サンプルを137Cs源で照射した。
【0068】
実施例2
光出力と減衰時間に対する共ドーピングの効果
光出力と減衰時間に対する共ドーピングの効果を、セリウムがドープされ、カルシウム、ホウ素及びバリウムが共ドープされたGGAG(GGAG:Ce)単結晶について測定し、共ドーパントなしのGGAG:Ceの結果と比較した。特に断りのない限り、主たるマトリックス材料として典型的なGGAG(GdGaAl12)を使用した。また、特に断りのない限り、共ドープされた結晶を製造するための出発溶融物中に、共ドーパントを(Gdに対して)0.2原子%存在させ、この出発溶融物中のCeの存在量もまた(Gdに対して)0.2原子%とした。
異なる共ドープされた試料について測定された相対シンチレーション光出力(LO)を図1に示す。最高の光出力(LO)はBの共ドーピングによるものであり、Caの共ドーピングは、光出力(LO)を下げた。Baの共ドーピングは良好なエネルギー解像度も提供することが見出された。図2は、室温でのシンチレーションの減衰時間と立上り時間に対するCaとBの共ドーピングの効果を示す。0.2と0.4原子%の共ドーピングBのデータが提供されている。両方の共ドーパントは動特性を改変したが、異なる方法で改変した。カルシウム(Ca)の共ドーピングは減衰時間を短縮し、一方ホウ素(B)の共ドーピングは減衰時間を長くする。カルシウム(Ca)とホウ素(B)の両方とも、立上り時間を短縮する。従って、カルシウム(Ca)共ドープは、光収率を犠牲にして、速い減衰時間を提供することができる。
【0069】
実施例3
光収率の非比例性に対する共ドーピングの効果
シンチレーション材料開発の目標は、シンチレーション光子の数が、材料に蓄積されたエネルギーに比例するような材料を提供することである。しかし、実際には、無機シンチレータは、一般的に、ある程度、光収率が非比例性を示す。本発明のGGAG:Ceサンプルも、このような傾向を示し、その光出力は低エネルギーにおいて非比例的に減少する。図3に示すように、GGAG:Ceにホウ素を添加すると、この光収率の比例性に全体的に正の効果を有する。これとは対照的に、カルシウムの添加は、光収率の比例性に負の影響を与える。
【0070】
実施例4
光感度に対する共ドーピングの効果
シンチレータに基づく検出器を製造することになった場合、光の曝露に対する感度が良いことは望ましい品質である。GGAG結晶は、室温トラップセンター(捕獲中心)のような欠陥を示し、これは、この材料が光に敏感になる原因となりうる。異なる雰囲気で加熱するアニール試験を行って、光感度を変化させることができる。例えば、大気圧下での加熱に対する真空中での加熱や、窒素(中性)又は窒素と水素(還元性)中での加熱に対する、空気(酸化性)中での加熱が挙げられる。
共ドープされたGGAG:Ceサンプルを異なる温度及び異なる雰囲気中で加熱した。4つの異なる温度で空気中でアニールしたGGAG:Ce;GGAG:Ce,Ca;及びGGAG:Ce,Bの各サンプルのアニール後の光収率に対する共ドーピングの効果を図4に示す。引き続いて、これらのサンプルを外光に曝さずに光収率を測定した。この測定の前に露光から保護されていたアニールされた結晶は、アニール後の光収率を変化させ、この共ドープされた結晶は、Ceのみドープされた結晶とは異なる挙動を示す。
図5は、4つの異なる温度で空気中でアニールした後、光収率の測定の前に光に曝されたサンプルにおける共ドーピングの効果を示す。共ドーピングは、他のアニール特性に対する影響とは全く別のように、シンチレータの光感度に対して明確かつ測定可能な効果を示した。Caが共ドープされた結晶において光感度は減少する。いかなる理論に拘束されるものではないが、カルシウムの共ドーピングは、欠陥を抑制することができると考えられる。
【0071】
実施例5
熱ルミネッセンスに対する共ドーピングの効果
図6は、GGAG:Ce;GGAG:Ce,Ca;GGAG:Ce,Ba;及びGGAG:Ce,Bの各サンプルの熱ルミネッセンスの測定結果を示す。発光の曲線は、Caの共ドーピングが深い(低温の)トラップを抑制するのに対し、Bの共ドーピングが浅く室温のトラップにより顕著な効果を持っていることを示唆している。
この明らかなトラップ抑制が顕著であることは、図7A及び図7Bに示すような、シンチレータの減衰時間と立上り時間の温度依存性に見ることができる。図7Aは、12〜300KにおけるCeのみドープした結晶の減衰時間と立上り時間を示す。図7Bは、Caが共ドープされた結晶の同様のデータを示す。Ceのみドープした結晶の場合、減衰時間と立上り時間は温度が下がるにつれて増えた。一方、Caの共ドープは、減衰時間と立上り時間が温度の変化に対して一定であるように動特性を改変した。
【0072】
シンチレーション動特性の温度依存性におけるトラップセンターの役割をよりよく理解するために、これらの結晶について、スペクトル分解熱ルミネッセンス特性も調べた。熱的に励起された発光スペクトルは、特有のCe5d−4f遷移を示し、電子が、トラップセンターに捕獲され、熱放出後に、続いてCeサイトにトラップされた正孔と再結合することを示す。従って、GGAG:Ce結晶において、浅く室温のトラップセンターの存在は、シンチレーション減衰時間と立上り時間に寄与すると考えられる。
従って、要約すると、熱ルミネッセンススペクトルは、浅いトラップセンターと室温トラップセンターが、カルシウムの共ドープによって抑制され、ホウ素の共ドーピングが室温トラップセンターを抑制していることが示す。GGAG:Ce結晶のシンチレーションの立上り時間は、温度に依存し、温度が10Kから300Kに上がると、約60ナノ秒(ns)から約8ナノ秒に短くなることが分かった。一方Caの共ドーピングにより、立上り時間は温度に対して一定であることが分かった。シンチレーション減衰時間の長成分の温度依存性もまた、カルシウム共ドープにより変更される。いずれかの理論に縛られることなく、このデータは、トラップセンターが、シンチレーションの立上り時間において役割を果たすこと、及びカルシウム共ドープが、これらのトラップを抑制するように働いていることの両方を示唆している。
【0073】
実施例6
Ca、Ba及びBが共ドープされたGGAG:Ceの追加データ
Tyagiら、2013bに記載されているように、GGAG:Ce結晶の吸収スペクトルは、Ce3+の4f−5d遷移に帰属する440nm及び340nmに主要な吸収バンドを示す。274nm及び310nmの鋭いバンドはGd3+の遷移に帰属させることができる。カルシウムの共ドープは、より高いエネルギーでの吸収を増加させ、Ce3+の4f−5d遷移に関連する340nmにおけるより高いエネルギー吸収バンドを抑制する。ホウ素とバリウムの共ドープは、高エネルギー領域における透過をわずかに増した。3つの共ドーパントのいずれも、可視光領域の長波長における追加の吸収バンドをもたらさなかった。
【0074】
光ルミネッセンス測定によって、GGAG:Ceの結晶が、Ce3+イオンの4f−5d遷移による340nm及び440nmでの励起バンドを持つことが示された。440nmの単色光を用いて発光スペクトルが記録された。Cd3+の最低励起5d状態から基底4f状態への遷移による発光バンドは520nmと565nmの二つのバンドを持っている。励起及び発光バンドの位置は共ドーピングによって影響されなかったが、より高いエネルギーの励起バンドは、カルシウム共ドープによって抑制され、B又はBaの共ドープによって僅かに増強された。熱消光エネルギーは共ドーピングによって影響を受けなかった。345nmの励起及び550nmの発光で観察された非指数関数型光ルミネッセンス(PL)減衰の速い成分は、GGAG:Ce、GGAG:Ce,Ca及びGGAG:Ce,Bについて、それぞれ50ns、42ns及び55nsであった。光ルミネッセンス(PL)減衰の遅い成分は、GGAG:Ceについては80ns、GGAG:Ce,Caについては112nsであった。GGAG:Ce,BとGGAG:Ce,Baの減衰曲線は、指数関数型であった。
いずれかの理論に束縛されることなく、これらの吸収、発光及び励起スペクトルのデータは、ここで研究された共ドープされた試料におけるCeの励起状態の結晶場、バンドギャップ、又は位置に変化がなかったことを示していると考えられる。従って、少なくともこれらの試料において、共ドープは、結晶場の変化を引き起こすというより、欠陥構造に影響を与えるように思われる。
【0075】
光出力(LO)の絶対値とこの光出力に対する自己吸収の影響を表1に示す。エネルギースペクトルからエネルギー解像度を測定した。ホウ素の共ドープは、自己吸収を減らし、エネルギー解像度を9%から7.8%へ改善させた。Tyagiら, 2013b及びDonnaldら, 2013を参照されたい。
【表1】
【0076】
ガンマ励起により室温で測定されたシンチレーションの立上り時間(τ)と減衰時間(τとτ)を表2に示す。Tvaqiら, 2013bを参照されたい。時間はすべてナノ秒である。減衰時間の括弧内の値は、それらの相対比を表す。
【表2】
【0077】
図8Aと8Bは、それぞれ350nmと450nmで励起された共ドープされたGGAGシンチレータからの発光の温度依存性を示す。図9Aと9Bは、それぞれ350nmと450nmで励起の温度依存性を示す。図10は、シンチレータの寿命の温度依存性を示す。図11Aと11Bは、シンチレータの光収率の温度依存性を示す。図12は、共ドープされたシンチレータの残光を示す。
図13は、CeのみをドープしたGGAG結晶と比べた、GGAG:Ce、Ca結晶の、2%Hを含む窒素中1300℃でのアニールの効果を示す。アニール後のGGAG:Ce及びGGAG:Ce,Bのシンチレーション減衰時間はより遅く、残光はより強い(図示せず)。一方、Ca共ドープされた結晶については観察可能な変化は検出されなかった。
まとめると、ホウ素の共ドープは、シンチレーション光出力、エネルギー解像度、及び比例性を向上させ、一方、カルシウムの共ドープは逆の効果を有するといえる。いずれかの理論に束縛されることなく、共ドープは、格子の欠陥構造を変更するが、発光するCe3+ドーパントイオンの周辺の結晶場を変更しないといえる。さらに、再度いずれかの理論に束縛されることなく、異原子価のCa2+の共ドーピングは、ホールトラップセンターとCe4+イオン濃度に有利であり、一方、ホウ素の共ドープは電子トラップセンター濃度を低減すると考えられる。
【0078】
実施例7
Nbが共ドープされたGGAG:Ce
ニオブ(Nb)の共ドープの効果をGGAG:Ce,Nb単結晶で調べた。ドーパントイオンの濃度は、0.2%であり、共ドーパントイオン濃度は0.2%であった。GGAG:Ce,Nbブールの上半分を少量の空気を含む窒素中で成長させた。次の半分の成長の間、この空気は除かれた。
GGAG:Ce,Nb結晶のシンチレーションの光収率、立上り時間及び減衰時間を測定し、CeのみをドープしたGGAG並びにCa、B及びBaが共ドープされたGGAGと比較した。表3を参照されたい。減衰時間と立上り時間はナノ秒単位で示されている。各減衰時間の相対的割合を括弧内に示す。GGAG:Ce,Nbの相対光収率を270として測定した。
【表3】
【0079】
共ドープされたGGAG材料についてCe3+の活性化エネルギーの計算値を示す(励起波長は345nm、の発光波長は550nm)。活性化エネルギーは、光ルミネッセンス強度(I(T))の温度依存性から、下記モット・サイツ式を用いて計算した。
【数1】
式中、dEは活性化エネルギーを示す。
【表4】
【0080】
様々に共ドープされた材料のトラップパラメータを決定するために、熱ルミネッセンス(TL)グロー曲線を用い、Yangら,2012に記載の方法を用いた。温度Tmaxで生じる各グロー曲線のピークについて、Noは、トラップセンターの数、Eは活性化エネルギー、Sは頻度因子を示す。また、室温トラップ寿命(τ298K)を算出した。結果を表5〜9に示す。
【表5】
【0081】
【表6】
【0082】
【表7】
【0083】
【表8】
【0084】
【表9】
【0085】
実施例8
以下の組成の透明なセラミック又は多結晶ペレットを用意した:GGAG:Ce; GGAG:Ce,Fe; GGAG:Ce,Bi; GGAG:Ce,Cr; GGAG:Ce,Zn; GGAG:Ce,Ag; GGAG:Ce,Nb; GGAG:Ce,Ca; GGAG:Ce,Cu; GGAG:Ce,Na; GGAG:Ce,K; GGAG:Pr; GGAG:Pr,B; GGAG:Pr,Ca; GGAG:Pr,Ba; GGAG:Pr,Mg; GGAG:Pr,Sr; GGAG:Pr,Zr; GGAG:Pr,Fe; GGAG:Pr,Bi; GGAG:Pr,Cr; GGAG:Pr,Zn; GGAG:Pr,Ag; GGAG:Pr,Nb; GGAG:Pr,Cu; GGAG:Pr,Na; 及び GGAG:Pr,K。
共ドープしたGGAG:Ceペレットのいくつかについて、放射線ルミネッセンスと光ルミネッセンスを測定した。その結果をそれぞれ図14A及び14Bに示す。図14Aから、セリウムをドープしたGGAGをクロム(Cr)で共ドーピングすると、約650nmと約800nmの間に発光ピークが追加され、一方、鉄(Fe)で共ドーピングすると発光抑制効果があることが分かる。図14Bに示す共ドーパントについては、約345nmのピークでは発光強度は変化するが、放射及び励起ピーク波長は大きく変わらないことが分かる。
共ドープされたGGAG:Prペレットのいくつかについて、放射線ルミネッセンスと光ルミネッセンスを測定した。その結果をそれぞれ図15A及び15Bに示す。図15A及び図15Bにおいて、プラセオジム(Pr)がドープされたGGAGをCrで共ドープすると、新たなピークが付加されることが分かる。
【0086】
参考文献
下に挙げる参考文献は、明細書に引用された全ての文献、特許、特許出願公報、及び雑誌記事と同様に、それらが方法、技術、及び/又は組成物を、補足し、説明し、背景を提供し、又は教示する限り、参照され本明細書に組み込まれる。

Cherepy, N.J., et al. (2007) Nuclear Instruments & Methods in Physics Research Section A: Accelerators Spectrometers Detectors and Associated Equipment, Vol. 579, No. 1 , 38-41.
Cherepy, N.J., et al. (2010) Proc. SPIE 7805, 780501.
Donnald, S.B., et al. (2013) IEEE Transactions on Nuclear Science, Vol. 60, No. 5, 4002-4006.
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Kamada, K., et al. (2012b) Journal of Crystal Growth, Vol. 352, No. 1, 91-94.
Kang, J.-G., et al., (2008) Materials Research Bulletin, Vol. 43, 1982-1988.
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Tyagi, M., et al. (2013a) IEEE Transactions on Nuclear Science, Vol. PP, Issue 99, 1-4 (September 4, 2013).
Tyagi, M., et al. (2013b) Journal of Physics D: Applied Physics, Vol. 46, No. 47, 475302.
U.S. Patent No. 8,278,624.
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Yang et al. (2012) J. Luminescence, Vol. 132, 1824-1829.

本明細書に開示された発明の様々な詳細は、本発明の範囲から逸脱することなく変更することができることは理解されるであろう。さらに、上記明細書の記載は、単に例示する目的のためのものであり、本発明を限定する目的のものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図16