(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の有機層は、酸素、二酸化炭素、または窒素をエッチングガスとして用いた第2のエッチングプロセスによりエッチングされる請求項1に記載の光学素子の製造方法。
前記第2のエッチングプロセス後、前記第1の有機層の一部は、前記複数の金属グリッドの側壁に残り、溶剤に浸漬させて除去されるか、或いは酸素、二酸化炭素、または窒素をエッチングガスとして用いた第3のエッチングプロセスにより除去される請求項3に記載の光学素子の製造方法。
前記第2の有機層および前記第1の有機層は、ハロアルキルガスをエッチングガスとして用いた第4のエッチングプロセスによりエッチングされ、前記複数の金属グリッドの間に前記第1の有機層の一部を残し、かつ前記複数の金属グリッドの間の前記第1の有機層は、溶剤に浸漬させて除去される請求項1に記載の光学素子の製造方法。
前記複数の金属グリッドの間と前記複数のパターン化された第2の有機層の間の前記基板の上にカラーフィルタを形成するステップを更に含む請求項1に記載の光学素子の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エッチングプロセスの間に基板への損傷を防止することができる光学素
子の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態による、光学素子の製造方法が提供される。この製造方法は以下のステップを含む。基板が提供される。基板の上に側壁を有する複数の金属グリッドが形成される。第1の有機層は、複数の金属グリッドの間の基板の上に形成される。第2の有機層は、第1の有機層および複数の金属グリッドの上に形成される。第2の有機層および第1の有機層はエッチングされて、複数の金属グリッドおよび複数の金属グリッドの上に形成された複数のパターン化された第2の有機層を残す。
【0006】
いくつかの実施形態では、第2の有機層は、ハロアルキルガスをエッチングガスとして用いた第1のエッチングプロセスによりエッチングされる。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1の有機層は、酸素、二酸化炭素、または窒素をエッチングガスとして用いた第2のエッチングプロセスによりエッチングされる。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1の有機層の一部は、第2のエッチングプロセス後、複数の金属グリッドの側壁に残る。
【0009】
いくつかの実施形態では、複数の金属グリッドの側壁に残った第1の有機層は、溶剤に浸漬させて除去されるか、または第3のエッチングプロセスにより除去される。
【0010】
いくつかの実施形態では、第3のエッチングプロセスは、酸素、二酸化炭素、または窒素をエッチングガスとして用いる。
【0011】
いくつかの実施形態では、第2の有機層および第1の有機層は、ハロアルキルガスをエッチングガスとして用いた第4のエッチングプロセスによりエッチングされ、複数の金属グリッドの間に第1の有機層の一部を残す。
【0012】
いくつかの実施形態では、複数の金属グリッドの間の第1の有機層は、溶剤に浸漬させて除去される。
【0013】
いくつかの実施形態では、製造方法は、第2の有機層が形成される前に第1の有機層がパターン化されるステップを更に含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、製造方法は、複数の金属グリッドの間と複数のパターン化された第2の有機層の間の基板の上にカラーフィルタが形成されるステップを更に含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1の有機層は約1.4〜約1.55の範囲の屈折率を有する。
【0016】
いくつかの実施形態では、第2の有機層は、約1.2〜約1.45の範囲の屈折率を有する。
【0017】
本発明の一実施形態による、光学素子が提供される。光学素子は、基板と、幅、高さ、および側壁を有する複数の金属グリッドと、酸化物層と、幅と側壁を有する複数の有機層を含む。複数の金属グリッドは基板の上に形成される。酸化物層は、複数の金属グリッドの間の基板の上に形成される。複数の有機層は、複数の金属グリッドの上に形成される。有機層の幅は、金属グリッドの幅より大きい。有機層と酸化物層との間に高さと幅を有する隙間が存在する。
【0018】
いくつかの実施形態では、有機層は、約1.2〜約1.45の範囲の屈折率を有する。
【0019】
いくつかの実施形態では、隙間の高さは、有機層と酸化物層との間の距離として定義され、ゼロより大きく、金属グリッドの高さ以下である。
【0020】
いくつかの実施形態では、隙間の幅は、金属グリッドの側壁と有機層の側壁との間の距離として定義され、ゼロより大きく、有機層の幅と金属グリッドの幅との間の差以下である。
【0021】
いくつかの実施形態では、光学素子は、隙間に充填されたバッファ層を更に含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、バッファ層は約1.4〜約1.55の範囲の屈折率を有する。
【0023】
本発明では、マイクロレンズ(ML)構造をカラーフィルタの上に配置する必要がない。光は、金属グリッドの上に形成された導波素子を介してフォトダイオード(PD)領域に導かれる。本発明は、導波構造を製造するための二段階プロセスを提供する。まず、第1の有機層(屈折率:約1.4〜約1.55)が金属グリッドの間に形成される。第1の有機層は、後続のエッチングプロセスのためのバッファ層として用いられる。次いで、第2の有機層(屈折率:約1.2〜約1.45)が第1の有機層と金属グリッドの上に形成される。第2の有機層は、導波素子を形成するのに用いられる。例えばハロアルキルガスをエッチングガスとして用いた第1のエッチングプロセスが行われたとき、第2の有機層はエッチングされるが第1の有機層は残る。次いで、残りの第1の有機層は、例えば酸素(強力な横方向エッチングの能力を有する)をエッチングガスとして用いた第2のエッチングプロセスにより除去される、または残りの第1の有機層は溶剤に浸漬させて除去される。このような技術を用いることにより、エッチングプロセス中に基板の上の酸化物層への損傷を効果的に防止することができる。
【0024】
また、いくつかの実施形態では、第2の有機層が形成される前、第1の有機層は、例えばリフロープロセスによりパターン化されて第1の有機層の上面を平坦化し、第1の有機層が金属グリッドの上に残るのを回避し、導波効果を向上させる。さらに、光学的性能、例えば本構造設計のQEプロファイル(例えば、導波要素の下に特定の寸法を有し、かつ金属グリッドの両側に位置する隙間を形成し; バッファ層をその隙間に充填する)は、ML構造のない従来の導波構造よりよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、エッチングプロセスの間に基板への損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1A】
図1Aは、本発明の一実施形態による光学素子の断面図である。
【
図1B】
図1Bは、本発明の一実施形態による光学素子の断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による光学素子の断面図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図3C】
図3Cは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図3D】
図3Dは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図3E】
図3Eは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図3F】
図3Fは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図3G】
図3Gは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図4C】
図4Cは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図4D】
図4Dは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図4E】
図4Eは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図4F】
図4Fは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図4G】
図4Gは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図5B】
図5Bは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図5C】
図5Cは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図5D】
図5Dは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図5E】
図5Eは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図5F】
図5Fは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図5G】
図5Gは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図6B】
図6Bは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図6C】
図6Cは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図6D】
図6Dは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図6E】
図6Eは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図6F】
図6Fは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【
図6G】
図6Gは、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の説明は、本発明を実施するベストモードに関するものである。この説明は、本発明の一般的な原理を例示する目的のものであり、本発明を限定するものではない(本発明の範囲は、添付の請求の範囲を参考にして決定される)。
【0028】
図1Aに示すように、本発明の一実施形態による光学素子10が提供される。
図1Aは、光学素子10の断面図を示している。
【0029】
光学素子10は、基板12、複数の金属グリッド14、酸化物層16、および複数の有機層18を含む。複数の金属グリッド14は、基板12の上に形成される。酸化物層16は、複数の金属グリッド14の間の基板12の上に形成される。複数の有機層18は、複数の金属グリッド14の上に形成される。有機層18の幅Xは、金属グリッド14の幅Wより大きい。具体的には、有機層18と酸化物層16の間に隙間20が形成される。なお、以降では、有機層18と酸化物層16の間にある空間を隙間と称して説明するが、有機層18と酸化物層16の間にある空間は、間隙、ギャップとも称される。
【0030】
いくつかの実施形態では、有機層18は、約1.2〜約1.45の範囲の屈折率を有する任意の適切な低屈折率有機材料を含むことができる。
【0031】
有機層18と酸化物層16の間に形成された隙間20の寸法は、
図1Bに詳細に説明される。
【0032】
図1Bに示されるように、隙間20の高さH1は、有機層18と酸化物層16の間の距離として定義される。
【0033】
いくつかの実施形態では、隙間20の高さH1は、ゼロより大きく、金属グリッド14の高さH以下である。
【0034】
また、隙間20の幅W1は、金属グリッド14の側壁S1と有機層18の側壁S2との間の距離として定義される。
【0035】
いくつかの実施形態では、隙間20の幅W1は、ゼロより大きく、有機層18の幅Xと金属グリッド14の幅Wとの間の差以下である。例えば、
図1Bにおいて、縦方向をZ方向、横方向をX方向と仮定すると、隙間20の高さH1は、Z方向における有機層18と酸化物層16の間の距離である。また、隙間20の幅W1は、X方向における金属グリッド14の側壁S1と有機層18の側壁S2との間の距離である。
【0036】
いくつかの実施形態では、有機層18は、金属グリッド14の側壁S1の一部を覆い、金属グリッド14の側壁S1の少なくとも一部は、有機層18から露出している。
【0037】
図2に示すように、本発明の一実施形態による光学素子10が提供される。
図2は、光学素子10の断面図を示している。
【0038】
光学素子10は、基板12、複数の金属グリッド14、酸化物層16、および複数の有機層18を含む。複数の金属グリッド14は、基板12の上に形成される。酸化物層16は、複数の金属グリッド14の間の基板12の上に形成される。複数の有機層18は、複数の金属グリッド14の上に形成される。有機層18の幅Xは、金属グリッド14の幅Wより大きい。具体的には、バッファ層22は、有機層18と酸化物層16の間、かつ金属グリッド14の側壁S1の上に形成される。
【0039】
いくつかの実施形態では、有機層18は、約1.2〜約1.45の範囲の屈折率を有する任意の適切な低屈折率有機材料を含むことができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、バッファ層22は、約1.4から約1.55の範囲の屈折率を有する任意の適切な有機材料を含むことができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、有機層18とバッファ層22の材料は同じ、または異なってもよい。
【0042】
有機層18と酸化物層16の間、かつ金属グリッド14の側壁S1の上に形成されたバッファ層22の寸法は、以下のように詳細に説明される。
【0043】
図2に示されるように、バッファ層22の高さH1’は、ゼロより大きく、金属グリッド14の高さH以下である。
【0044】
バッファ層22の幅W1’は、ゼロより大きく、有機層18の幅Xと金属グリッド14の幅Wとの間の差以下である。
【0045】
いくつかの実施形態では、有機層18は、金属グリッド14の側壁S1の一部を覆い、バッファ層22の少なくとも一部は、有機層18と酸化物層16との間、かつ金属グリッド14の側壁S1の上に形成される。
【0046】
図3A〜
図3Gに示すように、本発明の一実施形態による
図1Aの光学素子10を製造する方法が提供される。
図3A〜
図3Gは、光学素子10を製造する方法の断面図を示している。
【0047】
図3Aに示すように、基板12が提供される。複数の金属グリッド14は、基板12の上に形成される。酸化物層16は、複数の金属グリッド14の間の基板12の上に形成される。第1の有機層22は、複数の金属グリッド14の間の基板12の上に形成される。
【0048】
いくつかの実施形態では、第1の有機層22の上面22’は、金属グリッド14の上面14’と同じかそれより低くてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、第1の有機層22は、約1.4から約1.55の範囲の屈折率(Re)を有する任意の適切な有機材料を含むことができる。
【0050】
次いで、
図3Bに示すように、第2の有機層18は、第1の有機層22と複数の金属グリッド14の上に形成される。
【0051】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18は、約1.2〜約1.45の範囲の屈折率を有する任意の適切な低屈折率有機材料を含むことができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18は、二酸化チタンのような無機材料を更に含むことができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18および第1の有機層22の材料は、同じまたは異なってもよい。
【0054】
次いで、
図3Cに示すように、パターン化されたマスク層19が第2の有機層18の上に形成され、続いて形成される導波構造を定義する。
【0055】
次いで、
図3Dに示すように、第2の有機層18がパターン化されたマスク層19をマスクとして用いた第1のエッチングプロセス21によりエッチングされ、パターン化された第2の有機層18を形成する(即ち、導波構造)。
【0056】
いくつかの実施形態では、第1のエッチングプロセス21のエッチングガスは、CF
4、CHF
3またはCH
2F
2などのハロアルキルガスであってもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18は、第1のエッチングプロセス21のガス種、エッチング時間、流量、およびエッチング選択性などの条件を最適に制御することによって、第1の有機層22が露出されるまでエッチングされる。
【0058】
次いで、
図3Eに示されるように、第1の有機層22は、パターン化されたマスク層19をマスクとして用いた第2のエッチングプロセス23によりエッチングされる。第2のエッチングプロセス23の後、第1の有機層22の一部は、複数の金属グリッド14の側壁S1の上に残される。
【0059】
いくつかの実施形態では、第2のエッチングプロセス23のエッチングガスは、酸素、二酸化炭素、または窒素であってもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、第1の有機層22はエッチングされ、第2のエッチングプロセス23のガス種、エッチング時間、流量、およびエッチング選択性などの条件を最適に制御することによって、複数の金属グリッド14の側壁S1の上に第1の有機層22の一部を残す。
【0061】
次いで、
図3Fに示すように、パターン化されたマスク層19は、任意の適切な方法を用いて除去される。
【0062】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18と酸化物層16の間、かつ金属グリッド14の側壁S1の上に残された第1の有機層22の寸法は、
図2に詳細に説明される。
【0063】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18は、金属グリッド14の側壁S1の一部を更に覆い、第1の有機層22の少なくとも一部は、第2の有機層18と酸化物層16の間、かつ金属グリッド14の側壁S1の上に残される。
【0064】
次いで、
図3Gに示すように、複数の金属グリッド14の側壁S1の上に残った第1の有機層22は、溶剤に浸漬させて除去され、第2の有機層18と酸化物層16の間に隙間20が形成される。
【0065】
いくつかの実施形態では、複数の金属グリッド14の側壁S1の上に残された第1の有機層22を除去するために用いられる溶剤は、任意の適切な有機溶剤を含むことができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18の幅Xは、金属グリッド14の幅Wより大きい。
【0067】
第2の有機層18と酸化物層16の間に形成された隙間20の寸法は、
図1Bに詳細に説明される。
【0068】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18は、金属グリッド14の側壁S1の一部を更に覆い、金属グリッド14の側壁S1の少なくとも一部が第2の有機層18から露出される。
【0069】
次いで、赤色、緑色、または青色カラーフィルタなどのカラーフィルタ(図示せず)が、複数の金属グリッド14の間、および複数のパターン化された第2の有機層18の間の基板12の上に形成される。
【0070】
従って、複数の金属グリッド14と、複数の金属グリッド14の上に形成された複数のパターン化された第2の有機層18を有する光学素子10が形成される。
【0071】
図4A〜
図4Gに示すように、本発明の一実施形態による
図1Aの光学素子10を製造する方法が提供される。
図4A〜
図4Gは、光学素子10を製造する方法の断面図を示している。
【0072】
図4Aに示すように、基板12が提供される。複数の金属グリッド14は、基板12の上に形成される。酸化物層16は、複数の金属グリッド14の間の基板12の上に形成される。第1の有機層22は、複数の金属グリッド14の間の基板12の上に形成される。
【0073】
いくつかの実施形態では、第1の有機層22の上面22’は、金属グリッド14の上面14’と同じかそれより低くてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、第1の有機層22は、約1.4から約1.55の範囲の屈折率(Re)を有する任意の適切な有機材料を含むことができる。
【0075】
次いで、
図4Bに示すように、第2の有機層18は、第1の有機層22と複数の金属グリッド14の上に形成される。
【0076】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18は、約1.2〜約1.45の範囲の屈折率を有する任意の適切な低屈折率有機材料を含むことができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18は、二酸化チタンのような無機材料を更に含むことができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18および第1の有機層22の材料は、同じまたは異なってもよい。
【0079】
次いで、
図4Cに示すように、パターン化されたマスク層19が第2の有機層18の上に形成され、続いて形成される導波構造を定義する。
【0080】
次いで、
図4Dに示すように、第2の有機層18および少なくとも一部の第1の有機層22が、パターン化されたマスク層19をマスクとして用いた第1のエッチングプロセス21によりエッチングされ、パターン化された第2の有機層18を形成する(即ち、導波構造)。
【0081】
いくつかの実施形態では、エッチングプロセス25のエッチングガスは、CF
4、CHF
3またはCH
2F
2などのハロアルキルガスであることができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18および少なくとも一部の第1の有機層22がエッチングされ、エッチングプロセス25のガス種、エッチング時間、流量、およびエッチング選択性などの条件を最適に制御することによって、複数の金属グリッド14の間に適切な厚さを有する第1の有機層22を残す。
【0083】
次いで、
図4Eに示すように、パターン化されたマスク層19は、任意の適切な方法を用いて除去される。
【0084】
次いで、
図4Fに示すように、複数の金属グリッド14の間に残った第1の有機層22は、溶剤に浸漬させて除去される。
【0085】
いくつかの実施形態では、複数の金属グリッド14の間に残された第1の有機層22を除去するために用いられる溶剤は、任意の適切な有機溶剤を含むことができる。
【0086】
次いで、
図4Gに示すように、表面デスカム処理(surface descum process)が行われ、第2の有機層18と酸化物層16の間に隙間20が形成される。
【0087】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18の幅Xは、金属グリッド14の幅Wより大きい。
【0088】
第2の有機層18と酸化物層16の間に形成された隙間20の寸法は、
図1Bに詳細に説明される。
【0089】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18は、金属グリッド14の側壁S1の一部を更に覆い、金属グリッド14の側壁S1の少なくとも一部が第2の有機層18から露出されていてもよい。
【0090】
次いで、赤色、緑色、または青色カラーフィルタなどのカラーフィルタ(図示せず)が、複数の金属グリッド14の間、および複数のパターン化された第2の有機層18の間の基板12の上に形成される。
【0091】
従って、複数の金属グリッド14と、複数の金属グリッド14の上に形成された複数のパターン化された第2の有機層18を有する光学素子10が形成される。
【0092】
図5A〜
図5Gに示すように、本発明の一実施形態による
図1Aの光学素子10を製造する方法が提供される。
図5A〜
図5Gは、光学素子10を製造する方法の断面図を示している。
【0093】
図5Aに示すように、基板12が提供される。複数の金属グリッド14は、基板12の上に形成される。酸化物層16は、複数の金属グリッド14の間の基板12の上に形成される。第1の有機層22は、複数の金属グリッド14の間の基板12の上に形成される。
【0094】
いくつかの実施形態では、第1の有機層22の上面22’は、金属グリッド14の上面14’と同じかそれより低くてもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、第1の有機層22は、約1.4から約1.55の範囲の屈折率(Re)を有する任意の適切な有機材料を含むことができる。
【0096】
次いで、
図5Bに示すように、第2の有機層18は、第1の有機層22と複数の金属グリッド14の上に形成される。
【0097】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18は、約1.2〜約1.45の範囲の屈折率を有する任意の適切な低屈折率有機材料を含むことができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18は、二酸化チタンのような無機材料を更に含むことができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18および第1の有機層22の材料は、同じまたは異なってもよい。
【0100】
次いで、
図5Cに示すように、パターン化されたマスク層19が第2の有機層18の上に形成され、続いて形成される導波構造を定義する。
【0101】
次いで、
図5Dに示すように、第2の有機層18が、パターン化されたマスク層19をマスクとして用いた第1のエッチングプロセス21によりエッチングされ、パターン化された第2の有機層18を形成する(即ち、導波構造)。
【0102】
いくつかの実施形態では、第1のエッチングプロセス21のエッチングガスは、CF
4、CHF
3またはCH
2F
2などのハロアルキルガスであることができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18は、第1のエッチングプロセス21のガス種、エッチング時間、流量、およびエッチング選択性などの条件を最適に制御することによって、第1の有機層22が露出されるまでエッチングされる。
【0104】
次いで、
図5Eに示すように、第1の有機層22が、パターン化されたマスク層19をマスクとして用いた第2のエッチングプロセス23によりエッチングされる。第2のエッチングプロセス23の後、第1の有機層22の一部は、複数の金属グリッド14の側壁S1の上に残される。
【0105】
いくつかの実施形態では、第2のエッチングプロセス23のエッチングガスは、酸素、二酸化炭素、または窒素であってもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、第2のエッチングプロセス23のガス種、エッチング時間、流量、およびエッチング選択性などの条件を最適に制御することによって、複数の金属グリッド14の側壁S1の上に第1の有機層22の一部を残すように、第1の有機層22がエッチングされる。
【0107】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18と酸化物層16の間、かつ金属グリッド14の側壁S1の上に残された第1の有機層22の寸法は、
図2に詳細に説明される。
【0108】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18は、金属グリッド14の側壁S1の一部を更に覆い、第1の有機層22の少なくとも一部は、第2の有機層18と酸化物層16の間、かつ金属グリッド14の側壁S1の上に残される。
【0109】
次いで、
図5Fに示すように、複数の金属グリッド14の側壁S1の上に残った第1の有機層22が、パターン化されたマスク層19をマスクとして用いた第3のエッチングプロセス27によって除去され、第2の有機層18と酸化物層16の間に隙間20が形成される。
【0110】
いくつかの実施形態では、第3のエッチングプロセス27のエッチングガスは、酸素、二酸化炭素、または窒素であってもよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、複数の金属グリッド14の側壁S1の上に残された第1の有機層22はエッチングされ、第3のエッチングプロセス27のガス種、エッチング時間、流量、およびエッチング選択性などの条件を最適に制御することによって、第2の有機層18と酸化物層16の間に隙間20を形成する。
【0112】
次いで、
図5Gに示すように、パターン化されたマスク層19は、任意の適切な方法を用いて除去される。
【0113】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18の幅Xは、金属グリッド14の幅Wより大きい。
【0114】
第2の有機層18と酸化物層16の間に形成された隙間20の寸法は、
図1Bに詳細に説明される。
【0115】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18は、金属グリッド14の側壁S1の一部を更に覆い、金属グリッド14の側壁S1の少なくとも一部が第2の有機層18から露出される。
【0116】
次いで、赤色、緑色、または青色カラーフィルタなどのカラーフィルタ(図示せず)が、複数の金属グリッド14の間、および複数のパターン化された第2の有機層18の間の基板12の上に形成される。
【0117】
従って、複数の金属グリッド14と、複数の金属グリッド14の上に形成された複数のパターン化された第2の有機層18を有する光学素子10が形成される。
【0118】
図6A〜
図6Gに示すように、本発明の一実施形態による
図1Aの光学素子10を製造する方法が提供される。
図6A〜
図6Gは、光学素子10を製造する方法の断面図を示している。
【0119】
図6Aに示すように、基板12が提供される。複数の金属グリッド14は、基板12の上に形成される。酸化物層16は、複数の金属グリッド14の間の基板12の上に形成される。第1の有機層22は、複数の金属グリッド14の間の基板12の上に形成される。
【0120】
いくつかの実施形態では、第1の有機層22の上面22’は、金属グリッド14の上面14’と同じかそれより低くてもよい。
【0121】
いくつかの実施形態では、第1の有機層22は、約1.4から約1.55の範囲の屈折率(Re)を有する任意の適切な有機材料を含むことができる。
【0122】
次いで、
図6Bに示すように、複数の金属グリッド14の間の第1の有機層22が、例えばリフロープロセスによりパターン化され、第1の有機層22の上面22’を平坦化し、次いで第1の有機層22と金属グリッド14の間に隙間28が形成される。
【0123】
次いで、
図6Cに示すように、第2の有機層18は、第1の有機層22と複数の金属グリッド14の上に形成され、第1の有機層22と金属グリッド14の間の隙間28に充填される。
【0124】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18は、約1.2〜約1.45の範囲の屈折率を有する任意の適切な低屈折率有機材料を含むことができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18は、二酸化チタンのような無機材料を更に含むことができる。
【0126】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18および第1の有機層22の材料は、同じまたは異なってもよい。
【0127】
次いで、
図6Dに示すように、パターン化されたマスク層19が第2の有機層18の上に形成され、続いて形成される導波構造を定義する。
【0128】
次いで、
図6Eに示すように、第2の有機層18が、パターン化されたマスク層19をマスクとして用いた第1のエッチングプロセス21によりエッチングされ、パターン化された第2の有機層18を形成する(即ち、導波構造)。
【0129】
いくつかの実施形態では、第1のエッチングプロセス21のエッチングガスは、CF
4、CHF
3またはCH
2F
2などのハロアルキルガスであることができる。
【0130】
いくつかの実施形態では、第1のエッチングプロセス21のガス種、エッチング時間、流量、およびエッチング選択性などの条件を最適に制御することによって、第1の有機層22が露出されるまで、第2の有機層18がエッチングされる。
【0131】
次いで、
図6Fに示すように、第1の有機層22が、パターン化されたマスク層19をマスクとして用いた第2のエッチングプロセス23によりエッチングされ、有機層18と酸化物層16の間に隙間20が形成される。
【0132】
いくつかの実施形態では、第2のエッチングプロセス23のエッチングガスは、酸素、二酸化炭素、または窒素であってもよい。
【0133】
いくつかの実施形態では、第1の有機層22は、第2のエッチングプロセス23のガス種、エッチング時間、流量、およびエッチング選択性などの条件を最適に制御することによって、第2の有機層18と酸化物層16の間に隙間20が形成されるまでエッチングされる。
【0134】
次いで、
図6Gに示すように、パターン化されたマスク層19は、任意の適切な方法を用いて除去される。
【0135】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18の幅Xは、金属グリッド14の幅Wより大きい。
【0136】
第2の有機層18と酸化物層16の間に形成された隙間20の寸法は、
図1Bに詳細に説明される。
【0137】
いくつかの実施形態では、第2の有機層18は、金属グリッド14の側壁S1の一部を更に覆い、金属グリッド14の側壁S1の少なくとも一部が第2の有機層18から露出される。
【0138】
次いで、赤色、緑色、または青色カラーフィルタなどのカラーフィルタ(図示せず)が、複数の金属グリッド14の間、および複数のパターン化された第2の有機層18の間の基板12の上に形成される。
【0139】
従って、複数の金属グリッド14と、複数の金属グリッド14の上に形成された複数のパターン化された第2の有機層18を有する光学素子10が形成される。
【0140】
本発明では、マイクロレンズ(ML)構造をカラーフィルタの上に配置する必要がない。光は、金属グリッドの上に形成された導波素子を介してフォトダイオード(PD)領域に導かれる。本発明は、導波構造を製造するための二段階プロセスを提供する。まず、第1の有機層(屈折率:約1.4〜約1.55)が金属グリッドの間に形成される。第1の有機層は、後続のエッチングプロセスのためのバッファ層として用いられる。次いで、第2の有機層(屈折率:約1.2〜約1.45)が第1の有機層と金属グリッドの上に形成される。第2の有機層は、導波素子を形成するのに用いられる。例えばハロアルキルガスをエッチングガスとして用いた第1のエッチングプロセスが行われたとき、第2の有機層はエッチングされるが第1の有機層は残る。次いで、残りの第1の有機層は、例えば酸素(強力な横方向エッチングの能力を有する)をエッチングガスとして用いた第2のエッチングプロセスにより除去される、または残りの第1の有機層は溶剤に浸漬させて除去される。このような技術を用いることにより、エッチングプロセス中に基板の上の酸化物層への損傷を効果的に防止することができる。
【0141】
また、いくつかの実施形態では、第2の有機層が形成される前、第1の有機層は、例えばリフロープロセスによりパターン化されて第1の有機層の上面を平坦化し、第1の有機層が金属グリッドの上に残るのを回避し、導波効果を向上させる。さらに、光学的性能、例えば本構造設計のQEプロファイル(例えば、導波要素の下に特定の寸法を有し、かつ金属グリッドの両側に位置する隙間を形成し; バッファ層をその間隙に充填する)は、ML構造のない従来の導波構造よりよい。
【0142】
本発明は、例として及び望ましい実施の形態によって記述されているが、本発明は開示された実施形態に限定されるものではない。逆に、当業者には自明の種々の変更及び同様の配置をカバーするものである。よって、添付の特許請求の範囲は、最も広義な解釈が与えられ、全てのこのような変更及び同様の配置を含むべきである。