(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記複数のモードのいずれかのモードの選択から一定期間が経過するまで前記霧化部に対する電力供給を行わず、前記一定期間の経過後に前記霧化部に対する電力供給を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の非燃焼型香味吸引器。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下において、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0023】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0024】
[開示の概要]
背景技術で触れた非燃焼型香味吸引器では、霧化部から発生するエアロゾルの量をユーザが切り替えることができるが、このような切り替え(モード切替)が実際に機能しているか否か、即ち、エアロゾル量の変化の有無は主に味覚によって判別されるものであるため、当該変化をユーザが確認するのは困難である場合がある。
【0025】
実施形態に係る非燃焼型香味吸引器は、燃焼を伴わずにエアロゾル源を霧化するように構成された霧化部と、前記霧化部に供給する電力を蓄積する電源と、複数のモードの中から選択されたモードで前記霧化部を制御するように構成された制御部とを備え、前記複数のモードは、前記霧化部からエアロゾルを発生する複数の動作モードと、前記複数の動作モードとは別に定められており、前記霧化部の駆動を制限する制限モードとを含むことを要旨とする。
【0026】
実施形態では、複数の動作モードは、複数の動作モードに加えて、霧化部の駆動を制限する制限モードとを含む。従って、霧化部に対する電力供給を制御するモードを制限モードに切り替えることによって、エアロゾルの減少をユーザが明確に知覚することができる。そのため、霧化部から発生するエアロゾルの量の切り替え(モードの切替)が実際に機能しているか否かをユーザが容易に把握することができる。
【0027】
ここで、制限モードは、霧化部の駆動を制限するモードであればよい。従って、制限モードは、霧化部に対する電力供給を停止するモードであってもよい。或いは、制限モードは、霧化部に対する電力供給が行われるモードであるが、制限モードにおいて霧化部に供給される電力の量は所定値よりも小さい値(ユーザが知覚するレベルよりも少ないエアロゾルを発生させる値)ことが好ましい。
【0028】
但し、制限モードは、非燃焼型香味吸引器の全体として電源が切断された状態とは異なることに留意すべきである。例えば、制限モードにおいて、制御回路などに対する電力供給は継続する(通電状態である)。
【0029】
[第1実施形態]
(非燃焼型香味吸引器)
以下において、第1実施形態に係る非燃焼型香味吸引器について説明する。
図1は、第1実施形態に係る非燃焼型香味吸引器100を示す図である。非燃焼型香味吸引器100は、燃焼を伴わずに香喫味成分を吸引するための器具であり、非吸口端から吸口端に向かう方向である所定方向Aに沿って延びる形状を有する。
図2は、第1実施形態に係る霧化ユニット111を示す図である。なお、以下においては、非燃焼型香味吸引器100を単に香味吸引器100と称することに留意すべきである。
【0030】
図1に示すように、香味吸引器100は、吸引器本体110と、カートリッジ130とを有する。
【0031】
吸引器本体110は、香味吸引器100の本体を構成しており、カートリッジ130を接続可能な形状を有する。具体的には、吸引器本体110は、筒体110Xを有しており、カートリッジ130は、筒体110Xの吸口端に接続される。吸引器本体110は、燃焼を伴わずにエアロゾル源を霧化するように構成された霧化ユニット111と、電装ユニット112とを有する。
【0032】
第1実施形態では、霧化ユニット111は、筒体110Xの一部を構成する第1筒体111Xを有する。霧化ユニット111は、
図2に示すように、リザーバ111Pと、ウィック111Qと、霧化部111Rとを有する。リザーバ111P、ウィック111Q及び霧化部111Rは、第1筒体111Xに収容される。リザーバ111Pは、エアロゾル源を保持する。例えば、リザーバ111Pは、樹脂ウェブ等の材料によって構成される孔質体である。ウィック111Qは、リザーバ111Pに保持されるエアロゾル源を吸い上げるエアロゾル吸引部の一例である。例えば、ウィック111Qは、ガラス繊維によって構成される。霧化部111Rは、ウィック111Qによって吸い上げられたエアロゾル源を霧化する。霧化部111Rは、例えば、ウィック111Qに所定ピッチで巻き回される発熱抵抗体(例えば、電熱線)によって構成される。
【0033】
エアロゾル源は、グリセリン又はプロピレングリコールなどの液体である。エアロゾル源は、例えば、上述したように、樹脂ウェブ等の材料によって構成される孔質体によって保持される。孔質体は、非たばこ材料によって構成されていてもよく、たばこ材料によって構成されていてもよい。なお、エアロゾル源は、ニコチン成分等を含有する香味源を含んでいてもよい。或いは、エアロゾル源は、ニコチン成分等を含有する香味源を含まなくてもよい。エアロゾル源は、ニコチン成分以外の成分を含む香味源を含んでいてもよい。或いは、エアロゾル源は、ニコチン成分以外の成分を含む香味源を含まなくてもよい。
【0034】
第1実施形態では、霧化ユニット111として、加熱によってエアロゾル源を霧化する加熱タイプのユニットを例示している。しかしながら、霧化ユニット111は、超音波によってエアロゾル源を霧化する超音波タイプのユニットであってもよい。
【0035】
電装ユニット112は、筒体110Xの一部を構成する第2筒体112Xを有する。第1実施形態において、電装ユニット112は、通気孔112Aを有する。通気孔112Aから導入される空気は、
図2に示すように、霧化ユニット111(霧化部111R)に導かれる。詳細には、電装ユニット112は、電源10と、センサ20と、押しボタン30と、発光素子40と、制御回路50とを有する。
【0036】
電源10は、例えば、リチウムイオン電池である。電源10は、非燃焼型香味吸引器100の動作に必要な電力を蓄積する。例えば、電源10は、センサ20、発光素子40及び制御回路50に供給する電力を蓄積する。また、電源10は、霧化ユニット111(霧化部111R)に供給する電力を蓄積する。
【0037】
センサ20は、非吸口端から吸口端に向けて吸引される空気(即ち、ユーザのパフ動作)によって変化する応答値を出力する。センサ20は、例えば、マイクロフォンセンサである。
【0038】
押しボタン30は、非燃焼型香味吸引器100の外側から内側に向けて押し込むように構成される。実施形態では、押しボタン30は、非燃焼型香味吸引器100の非吸口端に設けられており、非吸口端から吸口端に向かう方向(即ち、所定方向A)に押し込むように構成される。例えば、押しボタン30が所定回数に亘って連続的に押し込まれた場合に、非燃焼型香味吸引器100の電源が投入される。なお、非燃焼型香味吸引器100の電源は、パフ動作が行われてから所定時間が経過した場合に切断される。
【0039】
発光素子40は、例えば、LEDや電灯などの光源である。発光素子40は、所定方向Aに沿って延びる側壁に設けられる。発光素子40は、非吸口端の近傍に設けられることが好ましい。これによって、所定方向Aの軸線上において非吸口端の近傍に発光素子が設けられるケースと比べて、ユーザは、パフ動作中において、発光素子40の発光パターンを容易に視認することができる。発光素子40の発光パターンは、非燃焼型香味吸引器100の状態をユーザに通知するパターンである。
【0040】
制御回路50は、非燃焼型香味吸引器100の動作を制御する。具体的には、制御回路50は、発光素子40の発光パターンを制御し、霧化ユニット111(霧化部111R)に供給される電力を制御する。
【0041】
カートリッジ130は、香味吸引器100を構成する吸引器本体110に接続可能に構成される。カートリッジ130は、吸口から吸い込まれる気体(以下、空気)の流路上において霧化ユニット111よりも吸口側に設けられる。言い換えると、カートリッジ130は、必ずしも物理空間的に霧化ユニット111よりも吸口側に設けられている必要はなく、霧化ユニット111から発生するエアロゾルを吸口側に導くエアロゾル流路上において霧化ユニット111よりも吸口側に設けられていればよい。即ち、第1実施形態において、「吸口側」は、エアロゾルの流れの「下流」と同義であると考えてもよく、「非吸口側」は、エアロゾルの流れの「上流」と同義であると考えてもよい。
【0042】
具体的には、カートリッジ130は、カートリッジ本体131と、香味源132と、網目133Aと、フィルタ133Bとを有する。
【0043】
カートリッジ本体131は、所定方向Aに沿って延びる筒状形状を有する。カートリッジ本体131は、香味源132を収容する。
【0044】
香味源132は、吸口から吸い込まれる空気の流路上において霧化ユニット111よりも吸口側に設けられる。香味源132は、エアロゾル源から発生するエアロゾルに香喫味成分を付与する。言い換えると、香味源132によってエアロゾルに付与される香味は、吸口に運ばれる。
【0045】
第1実施形態において、香味源132は、霧化ユニット111から発生するエアロゾルに香喫味成分を付与する原料片によって構成される。原料片のサイズは、0.2mm以上1.2mm以下であることが好ましい。さらには、原料片のサイズは、0.2mm以上0.7mm以下であることが好ましい。香味源132を構成する原料片のサイズが小さいほど、比表面積が増大するため、香味源132を構成する原料片から香喫味成分がリリースされやすい。従って、所望量の香喫味成分をエアロゾルに付与するにあたって、原料片の量を抑制できる。香味源132を構成する原料片としては、刻みたばこ、たばこ原料を粒状に成形した成形体を用いることができる。但し、香味源132は、たばこ原料をシート状に成形した成形体であってもよい。また、香味源132を構成する原料片は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、ハーブ等)によって構成されてもよい。香味源132には、メントールなどの香料が付与されていてもよい。
【0046】
ここで、香味源132を構成する原料片は、例えば、JIS Z 8801に準拠したステンレス篩を用いて、JIS Z 8815に準拠する篩分けによって得られる。例えば、0.71mmの目開きを有するステンレス篩を用いて、乾燥式かつ機械式振とう法によって20分間に亘って原料片を篩分けによって、0.71mmの目開きを有するステンレス篩を通過する原料片を得る。続いて、0.212mmの目開きを有するステンレス篩を用いて、乾燥式かつ機械式振とう法によって20分間に亘って原料片を篩分けによって、0.212mmの目開きを有するステンレス篩を通過する原料片を取り除く。即ち、香味源132を構成する原料片は、上限を規定するステンレス篩(目開き=0.71mm)を通過し、下限を規定するステンレス篩(目開き=0.212mm)を通過しない原料片である。従って、実施形態では、香味源132を構成する原料片のサイズの下限は、下限を規定するステンレス篩の目開きによって定義される。なお、香味源132を構成する原料片のサイズの上限は、上限を規定するステンレス篩の目開きによって定義される。
【0047】
第1実施形態において、香味源132は、アルカリ性のpHを有するたばこ源である。たばこ源のpHは、7よりも大きいことが好ましく、8以上であることがより好ましい。pHを7よりも大きくすることによって、たばこ源から発生する香喫味成分をエアロゾルによって効率的に取り出すことができる。これにより、所望量の香喫味成分をエアロゾルに付与するにあたって、たばこ源の量を抑制できる。一方、たばこ源のpHは、12以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。pHを12以下とすることによって、香味吸引器100(例えば、カートリッジ130又は吸引器本体110)に対するダメージ(腐食等)をより効果的に抑制することができる。
【0048】
なお、香味源132から発生する香喫味成分はエアロゾルによって搬送されており、香味源132自体を加熱する必要はないことに留意すべきである。
【0049】
網目133Aは、香味源132に対して非吸口側においてカートリッジ本体131の開口を塞ぐように設けられており、フィルタ133Bは、香味源132に対して吸口側においてカートリッジ本体131の開口を塞ぐように設けられている。網目133Aは、香味源132を構成する原料片が通過しない程度の粗さを有する。網目133Aの粗さは、例えば、0.077mm以上0.198mm以下の目開きを有する。フィルタ133Bは、通気性を有する物質によって構成される。フィルタ133Bは、例えば、アセテートフィルタであることが好ましい。フィルタ133Bは、香味源132を構成する原料片が通過しない程度の粗さを有する。
【0050】
(ブロック構成)
以下において、第1実施形態に係る非燃焼型香味吸引器のブロック構成について説明する。
図3は、第1実施形態に係る非燃焼型香味吸引器100のブロック構成を示す図である。
【0051】
図3に示すように、制御回路50は、制御部51を有する。制御部51は、センサ20及び操作インタフェース80に接続されるとともに、霧化部111R及び発光素子40に接続される。操作インタフェース80は、霧化部111Rに対する電力供給を制御するモードをユーザ操作によって切り替えるためのインタフェースである。第1実施形態において、操作インタフェース80は、押しボタン30である。
【0052】
第1に、制御部51は、複数のモードの中から選択されたモードで霧化部111Rに対する電力供給を制御するように構成される。第1実施形態では、制御部51は、センサ20によってから出力される応答値によって、パフ動作が行われているか否かを特定する。制御部51は、パフ状態において霧化部111Rに電力を供給し、パフ動作が行われていない非パフ状態において霧化部111Rに電力を供給しない。
【0053】
複数のモードは、霧化部111Rからエアロゾルを発生する複数の動作モードと、複数の動作モードとは別に定められており、霧化部111Rの駆動を制限する制限モードとを含む。
【0054】
複数の動作モードとは、ユーザがエアロゾルを吸引するためのモードであり、各動作モードにおいて霧化部111Rから発生するエアロゾルの量は互いに異なっている。複数の動作モードは、予め定められた切替順序に従って順に切り替えられることが好ましい。例えば、
図4に示すように、動作モードとして4つの動作モードが存在する場合に、切替順序は、第1動作モード→第2動作モード→第3動作モード→第4動作モード→制限モードのように定められる。このようなケースにおいて、切替順序が隣合う2つの動作モードにおいて霧化部111Rから発生するエアロゾルの量を示す指標は、互いに一定値以上の差異を有することが好ましい。
【0055】
ここで、各モードの切替順序は、切替順序が互いに隣接するモードにおけるエアロゾルの量を示す指標が可能な範囲で大きくなるように定められることが好ましい。例えば、エアロゾルの量を示す指標が大きい順に、動作モードA、動作モードB、動作モードC及び動作モードDが設けられるケースについて考える。このようなケースにおいて、切替順序は、動作モードC→動作モードA→動作モードD→動作モードB→制限モードであることが好ましい。或いは、動作モードB→動作モードD→動作モードA→動作モードC→制限モードであることが好ましい。このように、エロゾルの量を示す指標が大きい順(又は小さい順)に動作モードを並べた状態において隣接する指標を有する動作モードの切替順序が連続しないように切替順序が定められることが好ましい。なお、隣接する指標を有する動作モードの切替順序が連続せざるをえないケースにおいては、このような動作モードの間に制限モードを挟むように切替順序が定められることが好ましい。
【0056】
指標は、所定回数のパフ動作を繰り返す一連の動作であるパフ動作シリーズにおいて霧化部111Rから発生するエアロゾルの量である総エアロゾル量であってもよい。このようなケースにおいて、切替順序が隣合う2つの動作モードにおけるエアロゾルの総量は、互いに2.0mg以上の差異を有する。これによって、霧化部111Rに適用される動作モードが切り替えられた場合に、エアロゾルの量の違いをユーザが知覚しやすい。
【0057】
なお、各動作モードを選択した際に、所定回数のパフ動作を繰り返す一連の動作によって発生したエアロゾルの総量、即ち総エアロゾル量は、通常紙巻たばこにおいて用いられるエアロゾル量の測定手段を用いて測定することができる。具体的には、ISO法と呼ばれる喫煙機に関する国際標準法に準拠した方法を用いて測定することができる。本発明においては、当該方法によってエアロゾル量を測定するにあたり、所定回数のパフ動作を7回と規定して測定を行った。より具体的には、本発明の非燃焼型香味吸引器の吸い口端にケンブリッジフィルタを配した状態で35mlのパフ動作を2秒間に渡って行った後、58秒のインターバル(パフ動作を行わない待機時間)を置くという一連の操作を、7回繰り返した。その後、ケンブリッジフィルタに捕集された成分を定量分析することにより、エアロゾルの総量を測定した。同様の条件での分析を、各動作モードにおいて行うことにより、各動作モードにおけるエアロゾルの総量を測定した。尚、上記国際標準法に規定される喫煙条件及びより具体的な分析方法についてはWO2007010407(HARTMANN DIDIER et al.)に特に詳しく記載されている。
【0058】
或いは、指標は、1回のパフ動作において霧化部111Rから発生するエアロゾルの量である標準エアロゾル量であってもよい。このようなケースにおいて、切替順序が隣合う2つの動作モードにおける標準エアロゾル量は、互いに0.3mg以上の差異を有する。これによって、霧化部111Rに適用される動作モードが切り替えられた場合に、エアロゾルの量の違いをユーザが知覚しやすい。
【0059】
1回のパフ動作におけるエアロゾル量は、上記したエアロゾルの総量を測定する条件において7回繰り返した操作を1回で行うことにより測定した。あるいは、上記したエアロゾルの総量を測定する条件において得られた総量を、繰り返し操作回数である7で割ることによって、算術的に求めてもよい。当該測定条件からも明らかなように、非燃焼型香味吸引器の動作条件が極端に変化しない限りは、標準エアロゾル量とは即ち、総エアロゾル量の1/7の量である。即ち、動作条件が上記条件を満たす限りは、標準エアロゾル量における0.3mg以上の差異とは、総エアロゾル量における2.0mgの差異よりもより大きな差異である(2.0mg/7<0.3であるため)。
【0060】
或いは、指標は、喫煙動作が行われてからの単位時間における霧化部111Rから発生するエアロゾルの量である単位時間エアロゾル量であってもよい。このようなケースにおいて、切替順序が隣合う2つの動作モードにおける単位時間エアロゾル量は、互いに0.15mg/秒以上の差異を有する。これによって、霧化部111Rに適用される動作モードが切り替えられた場合に、エアロゾルの量の違いをユーザが知覚しやすい。
【0061】
単位時間あたりのエアロゾル量は、上記した1回のパフ動作におけるエアロゾル量の測定条件のうち、2秒間にわたって35mlを吸引するパフ動作を、1秒間にわたって17.5mlを吸引する動作に置き換えて測定した。尚、エアロゾル量の定量分析を行う際にピークが弱い(検出量が少ない)場合には、上記操作を複数回行ったうえで、回数分を割ることで定量分析の精度を高めることができる。当該測定条件からも明らかなように、非燃焼型香味吸引器の動作条件が極端に変化しない限りは、単位時間エアロゾル量とは即ち、標準エアロゾル量の1/2の量である。即ち、動作条件が上記条件を満たす限りは、単位時間エアロゾル量における0.15mg/秒の差異とは、標準エアロゾル量における0.3mg以上の差異と等しい。
【0062】
各々の指標が示すエアロゾル量は、例えば、許容する連続パフ動作の回数や、吸引センサが吸引を検知した際の発熱抵抗体への最大通電時間、発熱抵抗体の加熱温度、発熱抵抗体を構成する材料種、積算したパフ回数に伴う意図的な電力変化、電力のDuty制御等、種々の方法によって制御することができる。
【0063】
制限モードとは、霧化部111Rの駆動を制限するモードであればよい。従って、制限モードは、霧化部111Rに対する電力供給を停止するモードであってもよい。或いは、制限モードは、センサ20に対する電力供給を停止するモードであってもよい。これのように、センサ20に対する電力供給が停止されると、霧化部111Rに対する電力供給も停止することに留意すべきである。制限モードを霧化部111Rに対する電力供給を停止するモード、或いは、制限モードをセンサ20に対する電力供給を停止するモードとすることにより、エアロゾルの発生を停止することができるため、他の動作モードとのモード間の差異を、ユーザはより明確に知覚することができる。さらに詳しくは、上記した差異をユーザがより明確に知覚することができるため、操作インタフェース80が、エアロゾル量の変化を司るインタフェースであることをユーザに直感的に理解させやすくすることができる。
【0064】
或いは、制限モードは、霧化部111Rに対する電力供給が行われるモードであるが、制限モードにおいて霧化部111Rに供給される電力の量は所定値よりも小さい値(ユーザが知覚するレベルよりも少ないエアロゾルを発生させる値)ことが好ましい。具体的には、例えば、発熱抵抗体を100℃未満に加熱する程度の電力供給を行ってもよい。100℃未満であれば、実質的にユーザが知覚するレベルのエアロゾルの発生を抑制することができる。また、100℃未満に加熱することにより、再び動作モードが選択された際に、発熱抵抗体の温度を所望の値に近づけやすくすることができる。即ち、予備加熱を行うことができる。さらに、100℃未満に加熱することにより、動作モード時に加熱された発熱抵抗体が急激に冷却される際に生じ得る、発熱抵抗体近傍に残留した気体の急激な凝縮による微量なエアロゾルの発生を抑制することができる。尚、100℃未満の加熱は、所定時間後に終了してもよい。所定時間後に加熱を終了することにより、上記した気体の凝縮を抑制しつつ待機電力を低減することができる。
【0065】
但し、制限モードは、非燃焼型香味吸引器100の全体として電源が切断された状態とは異なることに留意すべきである。例えば、制限モードにおいて、発光素子40又は制御回路50に対する電力供給は継続する(通電状態である)。
【0066】
第1実施形態において、制御部51は、操作インタフェース80に対するユーザ操作に応じて、霧化部111Rに対する電力供給を制御するモードを切り替える。ユーザ操作は、複数の動作モードに含まれる2つの動作モードの間の切り替えを行うための第1操作と、複数の動作モードのいずれかの動作モードと制限モードとの間の切り替えを行うための第2操作とを含む。第2操作(
図4に示す例では、例えば、第4動作モードから制限モードへの切り替え)は、第1操作(
図4に示す例では、例えば、第1動作モードから第2動作モードへの切り替え、第2動作モードから第3動作モードへの切り替え、第3動作モードから第4動作モードへの切り替え)と異なる。これによって、ユーザは、制限モードにモードを切り替えた旨を明示的に知覚することができる。
【0067】
ここで、操作インタフェース80が押しボタン30であるケースを例に挙げると、ユーザ操作は、押しボタン30の押下である。このようなケースにおいて、第1操作は、例えば、押しボタン30を第1時間に亘って押下する操作である。第2操作は、例えば、押しボタン30を第1時間よりも長い第2時間に亘って押下する操作である。これによって、ユーザは、制限モードにモードを切り替えた旨を明示的に知覚することができる。なお、第1操作及び第2操作は、押しボタン30が所定回数に亘って連続的に押し込む操作(電源投入操作)と異なることは勿論である。
【0068】
第1実施形態において、制御部51は、複数のモードのいずれかのモードの選択から一定期間が経過するまで霧化部111Rに対する電力供給を行わず、一定期間の経過後に霧化部111Rに対する電力供給を行うことが好ましい。一定期間は比較的短い時間であることが好ましく、具体的には2秒以内であることが好ましく、1秒以内であることがより好ましい。モードの切り替えによってエアロゾルが発生しなくなるため、ユーザは、モードが誤って切り替えられた旨(誤動作ないし誤操作)などを知覚しやすい。また、モードの切り替えに伴って霧化部111Rに対する電力供給などの動作条件が急激に変化することによって、非燃焼型香味吸引器100を構成する部品の負荷を軽減することができる。霧化部111Rに対する電力供給の停止は、センサ20に対する電力供給を停止せずに、霧化部111Rに対する電力供給を停止する態様であってもよい。或いは、霧化部111Rに対する電力供給の停止は、センサ20に対する電力供給を停止する態様であってもよい。
【0069】
第2に、制御部51は、発光素子40を制御する。具体的には、制御部51は、モード選択状態、パフ状態及び非パフ状態の少なくともいずれかの状態において、発光素子40の発光態様を制御する。モード選択状態とは、あるモードから異なるモードへのモードの切り替えが行われたタイミングにおける瞬時的な状態、或いは、タイミングから一定期間が経過するまでの状態である。パフ状態とは、パフ動作が行われている状態である。非パフ状態とは、パフ動作が行われていない状態(パフ動作の間の待機状態)である。
【0070】
ここで、モード選択状態における発光素子40の発光態様は、あるモードから異なるモードへのモードの切り替えが行われたタイミングの直前における発光態様と異なることが好ましい。当該タイミングの直前における発光態様は、パフ状態における発光素子40の発光態様であってもよく、非パフ状態における発光素子40の発光態様であってもよく、発光素子40が発光していない発光態様(消灯)であってもよい。かかる構成とすることにより、モードの切り替えが行われたか否かをユーザが視覚で判別することができるため、モードが誤って切り替えられた旨(誤動作ないし誤操作)をユーザが知覚しやすい。或いは、モードが切り替えられたか否かをユーザが確認しやすい。このとき、一定期間とは1秒程度の比較的短い時間であってもよいし、一定時間とはパフ動作が行われる直前まで継続する時間であってもよい。即ち、モード選択状態は、非パフ状態を含んでもよく、非パフ状態を含まなくてもよい。
【0071】
また、発光素子40の発光態様は、複数の動作モードにおける第1発光態様と、制限モードにおける第2発光態様とを含む。第2発光態様は、第1発光態様と異なっていることが好ましい。これによって、モード選択状態、パフ状態及び非パフ状態の少なくともいずれかの状態において、ユーザが制限モードを容易に知覚することができる。また、各動作モードにおける第1発光態様は互いに異なっていることがより好ましい。
【0072】
例えば、第1発光態様の色温度及び第2発光態様の色温度は、5500K以下であることが好ましい。5500K以下である発光態様は、例えば、パフ状態における発光態様として用いられる。但し、実施形態は、これに限定されるものではなく、5500K以下である発光態様は、モード選択状態又は非パフ状態における発光態様として用いられてもよい。
【0073】
また、各モードにおける発光態様の色温度は、いずれも5500K以下であり、かつ、互いに異なっていることが好ましい。このようなケースにおいて、各モードにおける発光態様の色温度は、互いに200K以上異なることが好ましい。各モードにおける発光態様の色温度は、各モードにおけるエアロゾルの量が多い順に小さいことが好ましい。各モードにおけるエアロゾルの量を示す指標としては、上述した総エアロゾル量、標準エアロゾル量、単位時間エアロゾル量のいずれを用いてもよい。かかる構成とすることにより、エアロゾルの量と色温度との関係性に一定の法則を持たせることができ、ユーザは色温度とエアロゾルとの関係性を感覚的に把握しやすくすることができる。
【0074】
或いは、第1発光態様の色温度及び第2発光態様は、Lab色空間においてa
*が正の値であることが好ましい。Lab色空間においてa
*が正の値である発光態様は、例えば、パフ状態における発光態様として用いられる。但し、実施形態は、これに限定されるものではなく、a
*が正の値である発光態様は、モード選択状態又は非パフ状態における発光態様として用いられてもよい。
【0075】
また、各モードにおける発光態様は、Lab色空間においてa
*が正の値であり、かつ、互いに異なっていることが好ましい。このようなケースにおいて、各モードにおける発光態様の色差ΔE
*abは、互いに3.0以上異なることが好ましい。各モードにおける発光態様のa
*は、各モードにおけるエアロゾルの量が多い順に大きいことが好ましい。各モードにおけるエアロゾルの量を示す指標としては、上述した総エアロゾル量、標準エアロゾル量、単位時間エアロゾル量のいずれを用いてもよい。かかる構成とすることにより、エアロゾルの量と色空間との関係性に一定の法則を持たせることができ、ユーザは色空間とエアロゾルとの関係性を感覚的に把握しやすくすることができる。
【0076】
なお、モード選択状態、パフ状態及び非パフ状態のいずれの状態においても、各動作モードや制限モード等の各モードにおける発光態様が異なっていても良い。但し、パフ状態において、各モードにおける発光態様が異なっており、モード選択状態及び非パフ状態において、各モードにおける発光態様が同じであってもよい。
【0077】
さらに、モード選択状態、パフ状態及び非パフ状態における発光態様は、互いに異なっていてもよい。例えば、モード選択状態における発光態様は、発光素子40の点滅であり、パフ状態における発光態様は、発光素子40の点灯であり、非パフ状態における発光態様の色は、パフ状態における発光態様の色と異なっていてもよい。
【0078】
第1実施形態において、制御部51は、上述したように、複数のモードのいずれかのモードの選択から一定期間が経過するまで、即ち、モード選択状態において霧化部111Rに対する電力供給を行わず、一定期間の経過後に霧化部111Rに対する電力供給を行うことが好ましい。このようなケースにおいて、制御部51は、霧化部111Rに対する電力供給を停止している期間において、パフ状態及び非パフ状態における発光態様とは異なる発光態様で発光素子40を発光させてもよい。このとき、一定期間は比較的短い時間であることが好ましく、具体的には2秒以内であることが好ましく、1秒以内であることがより好ましい。
【0079】
(作用及び効果)
第1実施形態では、複数の動作モート゛は、複数の動作モードに加えて霧化部111Rの駆動を制限する制限モードとを含む。従って、霧化部111Rを制御するモードを制限モードに切り替えることによって、エアロゾルの減少をユーザが明確に知覚することができ、霧化部111Rから発生するエアロゾルの量の切り替え(モードの切替)が実際に機能しているか否かをユーザが容易に把握することができる。
【0080】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第1実施形態に対する差異について主として説明する。
【0081】
第1実施形態では、霧化部111Rを制御するモードをユーザ操作によって切り替えるための操作インタフェース80が押しボタン30であるケースを例示した。これに対して、変更例1では、操作インタフェース80は、回動可能に構成された環状部材30Aである。モードを切り替えるためのユーザ操作は、ユーザ操作は、環状部材の回動である。
【0082】
具体的には、環状部材30Aは、
図5に示すように、回転軸Xを中心として回動可能に構成される。ここで、非燃焼型香味吸引器100(即ち、吸引器本体110)は、非燃焼型香味吸引器100の内側に窪む持手部90を有しており、環状部材30Aは、持手部90よりも非吸口側に設けられる。これによって、吸引時において持手部90で非燃焼型香味吸引器100を保持するユーザが誤って環状部材30Aを操作する事態が抑制される。
【0083】
ここで、
図6に示すように、非燃焼型香味吸引器100(即ち、吸引器本体110)の表面には、霧化部111Rに適用されるモードを指し示す指示マーク300が設けられる。環状部材30Aの表面には、各モードの位置を指し示すモードマークが設けられる。モードマークは、複数の動作モードを示す動作モードマーク310(動作モードマーク310
1〜動作モードマーク310
4)と、制限モードを示す制限モードマーク320とを含む。なお、
図6は、環状部材30Aが回動方向に展開された状態を示していることに留意すべきである。
【0084】
このようなケースにおいて、動作モードマーク310と制限モードマーク320との間隔P
2は、互いに隣合う動作モードマーク310の間隔P
1よりも小さい。即ち、複数の動作モードに含まれる2つの動作モードの間の切り替えを行うための第1操作は、環状部材30Aを第1角度に亘って回動する操作であり、複数の動作モードのいずれかの動作モードと制限モードとの間の切り替えを行うための第2操作は、環状部材30Aを第1角度よりも大きい第2角度に亘って回動する操作である。これによって、ユーザは、制限モードにモードを切り替えた旨を明示的に知覚することができる。
【0085】
変更例1において、環状部材30Aは、非燃焼型香味吸引器100(即ち、吸引器本体110)よりも内側に入り込んでいることが好ましい。非燃焼型香味吸引器100が円柱形状であるケースにおいて、環状部材30Aは、非燃焼型香味吸引器100の表面に対して厚みDだけ内側に入り込んでいる。なお、環状部材30Aは、非燃焼型香味吸引器100のうち、最も大きな径を有する部分の表面に対して、厚みDだけ内側に入り込んでいればよい。厚みDは、1mm以上であることが好ましい。これによって、非燃焼型香味吸引器100を横置きで平面上に置いた場合であっても、環状部材30Aが平面と接することがなく、環状部材30Aの誤操作を抑制することができる。
【0086】
変更例1では、第1操作と第2操作との違いは、環状部材の回動角度であるが、変更例1はこれに限定されるものではない。第1操作は、環状部材を第1応力で回動する操作であり、第2操作は、環状部材を第1応力よりも大きい第2応力で回動する操作であってもよい。言い換えると、動作モードと制限モードとの間の切り替えを行うための第2操作における環状部材の回動しやすさ(反発力)は、2つの動作モードの間の切り替えを行うための第1操作において、環状部材の回動しやすさ(反発力)よりもお大きい。
【0087】
ここで、環状部材30Aの回動は、回転軸Xを中心として360°の回転を許容する態様であってもよい。例えば、
図4に示す例では、制限モードから第1動作モードへの切り替えが許容される。或いは、環状部材30Aの回動は、回転軸Xを中心として360°の回転を許容せずに、一定の回動角のみを許容する態様であってもよい。例えば、
図4に示す例では、制限モードから第1動作モードへの切り替えが許容されないが、制限モードから第4動作モードへの切り替え、第4モードから第3モードへの切り替えなどが許容される。
【0088】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0089】
実施形態では、制御部51は、センサ20によってから出力される応答値によって、パフ動作が行われているか否かを特定する。制御部51は、パフ状態において霧化部111Rに電力を供給し、パフ動作が行われていない非パフ状態において霧化部111Rに電力を供給しない。しかしながら、実施形態は、これに限定さえるものではない。非燃焼型香味吸引器100は、センサ20に代えて吸引ボタンを有していてもよい(以下、タンクタイプともいう)。制御部51は、吸引ボタンが操作(例えば、押下)されている間において霧化部111Rに電力を供給してもよい。なお、制御部51は、吸引ボタンが操作(例えば、押下)されていない間において霧化部111Rに電力を供給しない。このようなケースにおいて、吸引ボタンが操作されている状態は、パフ動作が行われているパフ動作であり、吸引ボタンが操作されていない状態は、パフ動作が行われていない非パフ動作である。
【0090】
上述したタンクタイプの非燃焼型香味吸引器100においては、モードを切り替えるための操作インタフェースは、上述した吸引ボタンとは別に設けられることが好ましい。但し、上述した吸引ボタンがモードを切り替えるための操作インタフェースを構成してもよい。このようなケースにおいては、所定時間内における吸引ボタンの押下回数、押下時間又は押下圧などに応じて、モードの切り替えが行われてもよい。なお、エアロゾル量の定量分析においては、上述した2秒間のパフ動作は、2秒間の吸引ボタンの押下と読み替えることに留意すべきである。
【0091】
実施形態では、ユーザ操作によってモードを切り替えるための操作インタフェース80として、押しボタン30及び環状部材30Aを例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、非燃焼型香味吸引器100は、電装ユニット112と霧化ユニット111とを接続する接続手段を有しており、接続手段は、モードを切り替えるための手段を構成してもよい。接続手段は、例えば、電装ユニット112に設けられるコネクタ及び霧化ユニット111に設けられるコネクタによって構成される。各コネクタは、電装ユニット112と霧化ユニット111との電気的な接点を構成する。電装ユニット112及び霧化ユニット111が螺合によって接続される場合には、各コネクタは、螺旋状の突起を有する雄コネクタ及び螺旋状の溝を有する雌コネクタである。各コネクタは、複数段階の電気的な接点を有しており、電気的に接続される接点の数によってモードが定められる。例えば、霧化ユニット111は、複数段階の電気的な接点毎に設けられる複数の発熱抵抗体(電熱線)を有しており、上述したコネクタの接続度合い(深度)によって、電気的に接続される接点(即ち、電力が供給される発熱抵抗体)の数が変化してもよい。電力が供給される発熱抵抗体の数が変化することによって、モードが切り替えられる。
【0092】
実施形態では、モードの切替順序が予め定められているケースにおいて、複数のモードが1つの制限モードを含むケースについて例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。複数のモードは、2以上の制限モードを含んでいてもよい。例えば、霧化部111Rから発生するエアロゾルの量を示す指標が互いに一定値以上の差異を有するように、切替順序が隣合う2つの動作モードを配列することができないようなケースにおいて、このような動作モードの間に制限モードを配列することが好ましい。これによって、エアロゾルの変化をユーザが明確に知覚することができ、霧化部111Rから発生するエアロゾルの量の切り替え(モードの切り替え)が実際に機能しているか否かをユーザが容易に把握することができる。
【0093】
実施形態では、霧化部111Rを制御するモードをユーザ操作によって切り替えるための操作インタフェース80として、押しボタン30や環状部材30Aについて例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。操作インタフェース80は、部材のスライドによってモードを切り替えるように構成されたインタフェースであってもよい。このようなケースにおいて、動作モードと制限モードとの間の切り替えを行うための第2操作が2つの動作モードの間の切り替えを行うための第1操作と異なっていればよい。
【0094】
実施形態では、押しボタン30が所定回数に亘って連続的に押し込まれた場合に、非燃焼型香味吸引器100の電源が投入される。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、電装ユニット112と霧化ユニット111との電気的な接続によって、非燃焼型香味吸引器100の電源が投入されてもよい。電装ユニット112と霧化ユニット111との電気的な非接続によって、非燃焼型香味吸引器100の電源が切断されてもよい。
【0095】
実施形態では、霧化ユニット111の吸口側にカートリッジ130(香味源132)が設けられる。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、非燃焼型香味吸引器100は、カートリッジ130(香味源132)を有していなくてもよい。このようなケースにおいて、エアロゾル源は香味成分を含むことが好ましい。エアロゾル源に含まれる香味成分は任意である。
【実施例】
【0096】
本発明の実施形態をより詳細に説明するために、以下、実施例を用いて説明する。
【0097】
市販の電子シガレットVUSE(RJR社製)の改造品を用いて、駆動電圧の異なるモードを複数実現できるような装置を作成した。具体的には、電子シガレットのコイルと電気的に接続している電極と電子シガレット本体内に格納されている電源とを電気的に断線する一方で、電力を自在に入力可能な電源と当該電極の末端とを電線によって電気的に接続した。かかる方法により、総エアロゾル量を変更可能な装置を作成した。電力ないしは電力の供給時間適宜変更することにより総エアロゾル量を変化させた。
【0098】
尚、総エアロゾル量の算出方法はISO法と呼ばれる喫煙機に関する国際標準法に準拠した方法を用いて測定した。より具体的には、作成した非燃焼型香味吸引器の吸い口端にケンブリッジフィルタを配した状態で35mlのパフ動作を2秒間に渡って行った後、58秒のインターバル(パフ動作を行わない待機時間)を置くという一連の操作を、7回繰り返した。その後、ケンブリッジフィルタに捕集された成分を定量分析することにより、エアロゾルの総量を測定した。
【0099】
喫煙者としての条件を満たし、且つ、非燃焼型香味吸引器を吸引する意思のある社内モニタ50人を対象に、上記した装置を用いた自由喫煙を行ってもらい、総エアロゾル量をある量から異なる量に変化した際に、当該変化を知覚できるか否かを検証した。具体的には、表1の「変化前」に示すエアロゾル総量の駆動条件から、表1の「変化後」に示すエアロゾル総量の駆動条件に変化させた際に、エアロゾル総量の変化を知覚できるか否かを検証した。実験条件及び結果を併せて、表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】
以上より明らかなとおり、動作モード間における総エアロゾル量の変化を2.0mg以上とすることにより、ユーザに当該モード間の変化をより明確に知覚させることができる。