特許第6684944号(P6684944)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6684944植物油を用いたバイオエマルジョン燃料製造装置及び製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6684944
(24)【登録日】2020年4月1日
(45)【発行日】2020年4月22日
(54)【発明の名称】植物油を用いたバイオエマルジョン燃料製造装置及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   C10L 1/32 20060101AFI20200413BHJP
【FI】
   C10L1/32 D
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-105429(P2019-105429)
(22)【出願日】2019年6月5日
【審査請求日】2019年6月7日
(31)【優先権主張番号】16/411,112
(32)【優先日】2019年5月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519203747
【氏名又は名称】ジェームズ・チュン・コウ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・チュン・コウ
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 真二
【審査官】 森 健一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0225659(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0304798(US,A1)
【文献】 特開2008−063355(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/010635(WO,A1)
【文献】 特開昭63−254187(JP,A)
【文献】 特開平04−122791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10L 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物油を利用したバイオエマルジョン燃料製造装置において、
流入した植物油の不純物を除去し、精製されたオイルを保存するオイルタンク部;
流入した水を水タンク触媒を利用して前処理する水タンク部;
前記オイルタンク部と水タンク部とに接続されて、オイルタンク部から流入した精製されたオイルと水タンク部から流入した前処理された水とを物理的に攪拌して混合油を製造する、混合油生成部;及び、
合油生成部と接続されて、混合油生成部から流入した混合油をイオン化触媒を利用して、バイオエマルジョン燃料を生成するイオン化触媒部を含み、
前記オイルタンク部はさらに、
流入したオイルを移送するオイル供給ポンプ;
オイル供給ポンプで移送されたオイルを一時的に保存するオイルタンク;
前記オイルタンクの上部に接続されてオイル内の不純物を凝集させる凝集剤を投与する凝集剤投入機;
前記オイルタンク内のオイルや不純物を移送させるオイル移送ポンプ;
前記オイル移送ポンプによって移送されたオイルの不純物を凝固させて分離排出し精製されたオイルだけを生成させる遠心分離型デカンタ;
精製されたオイルを移送させる精製油移送ポンプ;及び
精製されたオイルを一時的に保存する精製油タンクを含むことを特徴とする植物油を利用したバイオエマルジョン燃料製造装置。
【請求項2】
前記水タンク触媒は、
トルマリン鉱物を含む第1の水タンク触媒剤;及び
二酸化ケイ素、ケイ酸塩鉱物、及びハロゲン化鉱物のいずれかを含む第2の水タンク触媒剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の植物油を利用したバイオエマルジョン燃料製造装置。
【請求項3】
混合油生成部は精製された前記オイルを高圧で移送させる高圧オイル移送ポンプ;
前処理された前記水を高圧で移送させる高圧水移送ポンプ
前記高圧オイル移送ポンプ及び前記高圧水移送ポンプによる移送で、精製された前記オイルと前処理された前記水のラインを一つに合わせ、物理的に混合させるY字型のインラインミキサー;及び、
混合油を一時的に保存する混合油タンクを含むことを特徴とする請求項1に記載の植物油を利用したバイオエマルジョン燃料製造装置。
【請求項4】
前記高圧オイル移送ポンプと前記インラインミキサーとの間のラインには、精製された前記オイルの流量を制御することができる開閉バルブ、及び精製された前記オイルの圧力を測定する圧力計、及び精製された前記オイルの量を測定する流量計が設けられ、
前記高圧水移送ポンプと前記インラインミキサーとの間のラインには、前処理された前記水の流量を制御することができる開閉弁、前処理された前記水の圧力を測定する圧力計、及び前処理された前記水の量を測定する流量計を含むことを特徴とする請求項に記載の植物油を利用したバイオエマルジョン燃料製造装置。
【請求項5】
前記インラインミキサーは通過する精製された前記オイルと前処理された前記水に乱流が発生するように内周面に複数の突起が形成される構造を含むことを特徴とする請求項に記載の植物油を利用したバイオエマルジョン燃料製造装置。
【請求項6】
精製された前記オイルの量と前処理された前記水の量を制御部で、それぞれの圧力計の値と流量計の値を自動的に監視し、開閉弁を調節することにより、油と水との量が一定の割合で維持されるようにすることを特徴とする請求項に記載の植物油を利用したバイオエマルジョン燃料製造装置。
【請求項7】
前記イオン化触媒部は、混合油タンクから混合油を移送する混合油移送ポンプ;及び
複数のイオン化触媒群;
を備えており、
前記複数のイオン化触媒群は、前記混合油を順次通過させる複数のイオン化触媒カートリッジを有する少なくとも一つ以上のイオン化の触媒群を含み、
前記イオン化触媒カートリッジには、前記イオン化触媒が配置されるものであることを特徴とする請求項1に記載の植物油を利用したバイオエマルジョン燃料製造装置。
【請求項8】
前記イオン化触媒群は、複数備えられ、互いに直列に接続されるか、シリアル及びパラレルの組み合わせで接続され、開閉弁を使用してイオン化触媒群の動作数を調節することができることを特徴とする請求項に記載の植物油を利用したバイオエマルジョン燃料製造装置。
【請求項9】
複数のイオン化触媒カートリッジのそれぞれは、
前記混合油内の水に含まれている炭素のイオン化を引き起こす第1イオン化触媒カートリッジ;
前記混合油内の水に含まれる炭素成分と、前記混合油の油に含まれる水素の成分の結合を誘導する第2イオン化触媒カートリッジ;及び
前記第1イオン化触媒カートリッジと前記第2イオン化触媒カートリッジとを通過した混合油を安定化させてくれる第3イオン化触媒カートリッジ;
を含むものであることを特徴とする請求項に記載の植物油を利用したバイオエマルジョン燃料製造装置。
【請求項10】
前記混合油は前記第1イオン化触媒カートリッジ、前記第2イオン化触媒カートリッジ、及び前記第3イオン化触媒カートリッジの順に前記イオン化触媒群を通過するものであることを特徴とする請求項に記載の植物油を利用したバイオエマルジョン燃料製造装置。
【請求項11】
前記イオン化触媒は、アルミナ、シリカゲル、ゲルマニウム、マグネシア、マグネシウム、酸化チタン、王石、ゼオライト、リチウム鉱、及びバナジウムを含むものである、ことを特徴とする請求項1に記載の植物油を利用したバイオエマルジョン燃料製造装置。
【請求項12】
植物油を利用したバイオエマルジョン燃料の製造方法であって、
オイルタンク部内に供給されたオイルを凝集剤と遠心分離型デカンタとを使用して、不純物を除去した精製された油を準備する段階;
水タンク部内に供給された水を水タンク触媒により前処理して、前処理された水を準備する段階;
混合油生成部内で、前記のオイルタンク部から流入した精製された前記オイルと前記水タンク部から流入した前処理された前記水を攪拌して混合油を形成する段階;及び、
イオン化触媒部内で、前記混合油生成部から流入した前記混合油をイオン化触媒を用いて、バイオエマルジョン燃料を生成する段階を含んでいる植物油を利用したバイオエマルジョン燃料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、植物油を用いたバイオエマルジョン燃料製造装置及び製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の化石燃料の枯渇問題や温室効果ガスの発生の問題が世界的に大きな問題となっている。
【0003】
この問題を解決するための発明に関連して、特許文献1(発明の名称:燃料の製造方法)には、水と軽油、灯油や重油など燃料油をそれぞれ磁力が印加される領域に供給してこれらを微粒化して混合することにより、汎用性が高く、微粒化が可能であり、安定した状態を持ったエマルジョン燃料を製造する方法及び装置が開示されている。
【0004】
しかし、このような従来の燃料の製造方法及び装置は、燃料がエマルジョンの形態を持っているので、水−オイルの分離が起こりオイルの成分が残ってしまう。したがって、引火点の大幅な上昇と発熱量の低下が起こり、化石燃料の消費量を大幅に削減することができないという問題点があった。
【0005】
このような問題点を解決するために、本発明者が出願した特許文献2(発明の名称:改質燃料の製造装置及び製造方法)は、水タンク部に超音波やプラズマ電界を印加し、水を微粒化し、酵素タンクを介して酵素を供給し、過酸化水素を分解することで、水とオイルが簡単に混合することができて、流水の分離が起こらず、エマルジョンの形態を持つ改質燃料の問題点である引火点の上昇、発熱量の低下などの問題点を解消した。
【0006】
しかし、このような従来の改質燃料製造装置及び製造方法は、プロセスが複雑で、酵素タンクを使用して酵素を管理するのが困難で、超音波や電場を印加する構成の構造が複雑であるため製作するのに費用が多く発生し、メンテナンスなどが大変であるという問題点があった。
【0007】
実際にシステムを生産し、販売する過程において、それぞれの国ごとに、化石燃料に添加する添加剤が異なりかつ水の性質に違いがあり、それに相当する触媒を状況に合わせて作ることが困難であるという現実的な問題が発生した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許101328151号明細書
【特許文献2】韓国登録特許101581235号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願は、それぞれ国ごとの添加剤を使用する化石燃料を使用せずに、簡単に入手できる植物油を原料に使用したバイオエマルジョン燃料を製造することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記技術的課題を達成するための技術的手段として、本明細書の第1番目の例示による植物油を用いたバイオエマルジョン燃料製造装置は、流入されたオイルを保存し、不純物を除去して精製された油を準備するオイルタンク部;流入した水を水タンク触媒を利用して前処理する水タンク部;上記オイルタンク部と上記水タンク部に接続されて、オイルタンク部から流入された精製された油と、水タンク部から流入した前処理された水を攪拌して混合油を形成する混合油生成部;前記混合油生成部と接続されて、前記混合油生成部から流入した混合油をイオン化触媒を利用して、バイオエマルジョン燃料に最終生成するイオン化触媒部を含むことができる。
【0011】
上記技術的課題を達成するための技術的手段として、本明細書の第2番目の例示による植物油を用いたバイオエマルジョン燃料の製造方法は、オイルタンク部内に供給されたオイルから凝集剤と遠心分離型デカンタを利用して不純物を除去して、精製された油を準備する段階;水タンク部内に供給された水を水タンク触媒により前処理して、前処理された水を準備する段階;混合油生成部内で、上記のオイルタンク部から流入された精製された油と、上記水タンク部から流入した前処理された水を攪拌して混合油を形成する段階;イオン化触媒部内で、前記混合油生成部内から流入した前記混合油をイオン化触媒を利用して、最終的に、バイオエマルジョン燃料を生成することができる。
【発明の効果】
【0012】
前述した本願の課題解決手段によれば、植物油を用いたバイオエマルジョン燃料は、燃焼時、既存の化石燃料を使用したエマルジョン燃料よりも、同じ容積より高いカロリーを発生し、既存の化石燃料を使用したエマルジョン燃料の短所を補完する役割をする。
【0013】
植物油を用いたバイオエマルジョン燃料は、エマルジョン燃料と同じ特徴的な公害物質の排出低減効果を持つ。
【0014】
植物油を用いたバイオエマルジョン燃料は、植物油の豊富な供給先の確保を通じ、化石燃料を利用したエマルジョン燃料比、生産単価を大幅に下げることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1(a)】本願の実施例による植物油を用いたバイオエマルジョン燃料製造装置の細分化された概念図である。
図1(b)】本願の実施例による植物油を用いたバイオエマルジョン燃料製造装置の細分化された概念図である。
図1(c)】本願の実施例による植物油を用いたバイオエマルジョン燃料製造装置の細分化された概念図である。
図2】本願の実施例によるオイルタンクを側面から見た概略図である。
図3】本願の実施例による水タンクを側面から見た概略図である。
図4】本願の実施例による混合油タンクを側面から見た概略図である。
図5】本願の実施例による混合油とイオン化触媒装置を側面から見た概略図である。
図6】本願の実施例による植物油を用いたバイオエマルジョン燃料の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
下記には、添付した図面を参照して、本願が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本願の実施例を詳しく説明する。しかし、本願明細書では、さまざまな異なる形態で具現されることがあり、ここで説明する実施例に限定されない。そして図面で本願を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて類似した部分については同様の符号を付した。
【0017】
本願明細書全体では、いくつかの部材が他の部材の「上」に位置するとき、これはどのような部材が他の部材に接しているだけではなく、両方の部材の間に別の部材が存在する場合も含む。
【0018】
本願明細書全体では、どの部分がどのような構成要素を「含む」とするとき、これは特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。本願明細書全体で使用される用語「約」、「実質的に」などは言及された内容に固有の製造及び油質の許容誤差が提示されるときに、その数値またはその数値に近いこととして使用され、本願書の理解を得るために正確で絶対的な数値が記載されている開示内容を非良心的な者が不当に利用することを防ぐために使用される。本願明細書全体で使用される用語「〜(する)段階」または「〜の段階」は「〜のための段階」の意味ではない。
【0019】
以下、添付された図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
【0020】
まず、本願の実施例による植物油を用いたバイオエマルジョン燃料製造装置(10)(以下、「本バイオエマルジョン燃料の製造装置(10)」について説明する。
【0021】
図1(a)、1(b)、1(c)をにおいて、本バイオエマルジョン燃料の製造装置(10)と関連する構成について説明する。
【0022】
図1に示すように、本製造装置(10)は、オイルタンク部(100)、水タンク部(200)、混合油生成部(300)、及びイオン化触媒部(400)を含んでいる。
【0023】
オイルタンク部(100)は、オイル供給ポンプ(110)からの植物油を供給することができる。供給された植物油は、オイルタンク(120)に一時的に保存することができる。植物油は、燃焼時に発電機やエンジンのパフォーマンスを悪化させる不純物を含んでいるので、バイオエマルジョン燃料を生成する前に、これを除去しなければならない。したがって、オイルタンク部(100)には、不純物を凝集、凝固させる凝集剤をオイルタンク(120)に投与するための凝集剤投入機(130)が含まれる。オイルタンク(120)のオイルはオイル移送ポンプ(140)を介して遠心分離型デカンタ(150)に移送される。遠心分離型デカンタ(150)は、高速で回転しながら凝固された不純物と精製された油を分離する役割をする。精製されたオイルは、オイル収集タンク(160)に一時保存され、精製油移送ポンプ(180)を介して精製オイルタンク(170)に送られる。
【0024】
水タンク部(200)は、流入した水を水タンク触媒を用いて前処理する。水タンク部(200)は、水供給ポンプ(210)からの水を供給することができる。
【0025】
混合油生成部(300)は、オイルタンク部(100)と水タンク部(200)とに接続される。混合油生成部(300)は、オイルタンク部(100)から流入した精製された油と、水タンク部(200)から流入した前処理された水をインラインミキサー(360)を使用して混合油を形成する。
【0026】
具体的には、精製オイルタンク(170)にある精製された油は、高圧オイル移送ポンプ(310)を介してインラインミキサー(360)に移送される。また、水タンク(220)の前処理された水は、高圧水移送ポンプ(320)を介してインラインミキサー(360)に移送される。それぞれの移送管には移送量を調整することができる開閉弁(330a、330b)が設置されている。開閉弁(330a、330b)の開度に応じて精製された油と前処理された水の混合割合が決定される。精製された油と前処理された水の割合は、一般的には1:1を基準にするが、状況に応じて、6:4または7:3の割合で混合することができる。また、それぞれの移送管には圧力計(340a、340b)と流量計(350a、350b)が設置されており、精製された油と前処理された水の圧力と流量をリアルタイムで測定することができる。これによりオイルと水の量を制御部(main controller)(図示せず)で正確に監視し、制御することにより、混合原油の割合を正確に調節することができる。
【0027】
インラインミキサー(360)を介して物理的に混合された混合油は混合油タンク(370)に移送され、一時的に保存される。
【0028】
イオン化触媒部(400)は、混合油生成部(300)と接続される。具体的にはイオン化触媒部(400)は、混合油タンク(370)から流入した混合油をイオン化触媒を用いて、最終的にバイオエマルジョン燃料を生成する。
【0029】
図2を用いて、本願の実施例によるオイルタンク(120)について詳細に説明する。
【0030】
オイルタンク(120)は、オイル導入ライン(121)、オイルヒーター(122)、オイル水位測定器(123)、エアベント(124)、オイル攪拌機(125)、及びオイル出口ライン(126)を含んでいる。
【0031】
オイル導入ライン(121)は、外部からのオイル供給ポンプ(110)を介してオイルタンク(120)の内部にオイルが供給されるラインである。
【0032】
オイルヒーター(122)は、凝集剤が植物性油内にある不純物をよく凝集することができるように理想的な温度を維持するために設置されている。例示的に、不純物を凝固させるための理想的な温度は50℃である。
【0033】
オイルレベル測定器(123)は、オイルタンク(120)の内部の水位を測定する装置である。
【0034】
オイルレベル測定器(123)を介して測定されたオイルタンク(120)の水位情報は、制御部に伝達することができる。制御部は、このような水位情報をチェックして、オイル供給ポンプ(110)の動作を制御することによりオイルタンク(120)の水位を調節することができる。
【0035】
エアベント(124)は、オイルタンク(120)の内部の圧力が高まることを防止するために、内部の空気を外部に放出する管である。
【0036】
オイル攪拌機(125)は、オイルタンク(120)の内部でオイルを攪拌する装置であって、いわばオイル攪拌モーターである。例示的に、オイル攪拌モーターはオイルタンク(120)の上部中心に設置されることができる。これらのオイル攪拌機(125)によってオイルが攪拌されることで、オイルの温度が均等に分布、維持することができる。
【0037】
オイル出口ライン(126)は、不純物が凝集されたオイルを、上述された遠心分離型デカンタ(150)に移送するラインである。例示的に、オイルはオイルタンク(120)の下部に装着されたオイル出口調節弁(127)を介してオイル出口ライン(126)に移送することができる。
【0038】
オイル前処理完了は、制御部によって決定されることができる。また、制御部は、オイル出口調整弁(127)の開閉も自動調節することができる。
【0039】
図3を用いて、本願の実施例による水タンク(220)に対して詳細に説明する。
【0040】
水タンク(220)は、水導入ライン(221)、水位計(222)、水タンク触媒カートリッジ(223)、水攪拌機(224)、及び水出口ライン(225)を含む。
【0041】
水導入ライン(221)は、外部からの水供給ポンプ(210)を介して水タンク(220)の内部に水が供給されるラインである。
【0042】
水位計(222)は、水タンク(220)の内部に収容された水の量(level)を測定する装置である。
【0043】
水位計(222)を介して測定された水タンク(220)の水の量については、制御部に伝達することができる。制御部は、このような水の量についての情報をチェックし、水供給ポンプ(210)の動作を制御することにより、水タンク(220)の水の量、つまり、レベルを調節することができる。
【0044】
水タンク触媒カートリッジ(223)は、内部に水タンク触媒を備える。これらの水タンクの触媒が水と接触して前処理が行われる。例示的に、水タンク触媒カートリッジ(223)は、水タンク(220)の内部の中心側、つまり中心下部に装着することができる。
【0045】
このとき、水タンク触媒はトルマリン原石のようなトルマリン鉱物を含む第1の水タンク触媒、及び二酸化ケイ素、ケイ酸塩の鉱物とハロゲン化鉱物のいずれかを含む第2の水タンク触媒を含むことができる。
【0046】
例示的に、第2の水タンク触媒は二酸化ケイ素、ケイ酸塩の鉱物とハロゲン化鉱物を含む矩形の触媒として利用されることができる。ここで、矩形の触媒は、約1cmの直径を持つことができる。
【0047】
これら二つの形態の触媒、つまり第1のタンク触媒と第2の水タンク触媒とを介して水タンク(220)の内部の水は水素に変わり、水の中に含まれている溶存酸素も除去することができる。
【0048】
このように、水タンク(220)には、水タンク触媒の水接触によって前処理された水が形成される。このように前処理された水のpHは、約7.5になることができて、ORP(酸化還元電位)は、約90〜約100で維持されることができる。
【0049】
水攪拌機(224)は、水タンク(220)の内部で水を攪拌する装置であって、水攪拌モーターである。例示的に、水攪拌モーターは水タンク(220)の上部中心に設置されることができる。これらの水攪拌機(224)により水が撹拌されることによって、水と水タンクの触媒の接触が最大化されることができる。
【0050】
水出口ライン(225)は、前処理が完了した水を、後述する混合油生成部(300)に移送するラインである。例示的に、前処理が完了した水は、水タンク(220)の下部に装着された水の出口調節弁(226)を介して水出口ライン(225)に移送することができる。
【0051】
水前処理完了は、制御部によって決定される。また、制御部は、水の出口調整弁(226)の開閉も自動調節することができる。
【0052】
図1(b)を参照し、精製されたオイルと前処理された水が、物理的に混合される混合油生成部(300)に流入される過程についてより詳細に説明する。
【0053】
オイルタンク部(100)から精製されたオイルは、精製オイル移送ポンプ(160)を介して精製オイルタンク(170)に流入し、一時的に保存される。精製されたオイルは、再び高圧オイル移送ポンプ(310)を介して高圧の形で移送される。この時、移送されるオイルの量は、開閉弁(330a)によって調節されることができる。また、移送ラインに設置された圧力計(340a)と流量計(350a)とを経て、Y字状のインラインミキサー(360)に流入される。
【0054】
水タンク部(200)で前処理された水は、高圧水移送ポンプ(320)を介して高圧の形で移送される。この時、移送される水の量は、開閉弁(330b)によって調節されることができる。また、移送ラインに設置された圧力計(340b)と流量計(350b)とを経て、Y字状のインラインミキサー(360)に流入される。
【0055】
それぞれの圧力計(340a、340b)と流量計(350a、350b)とは、混合油生成部(300)に供給される精製された油と前処理された水の量を測定する。また、制御部はこれらの測定量に基づいて精製されたオイルと前処理された水の割合を、それぞれの開閉弁(330a、330b)を介して自動的に調節することができる。
【0056】
このとき、混合油生成部(300)に供給される精製された油の流入量と前処理された水の流入量の比率は、1:1であることが一般的で、状況によっては6:4または7:3の割合も可能なように制御部で事前に設定されている。
【0057】
Y字状のインラインミキサー(360)は、通過する油と水に乱流が発生されるように、内周面に複数の突起が形成される。これらの乱流を介して、油と水の粒子がより多くのムーブメント(movement)を持つようになり、効果的で、物理的な混合ができるようになる。
【0058】
図4を用いて、本願の実施例による混合油タンク(370)について詳しく説明する。
【0059】
本願の混合油タンク(370)は、インラインミキサー(360)を介して物理的に混合された混合油を一時的に保存する場所である。
【0060】
そのため、混合油タンク(370)は、混合油攪拌機(371)、混合油ヒーター(372)、及び混合油水位計(373)を含むことができる。
【0061】
混合油攪拌機(371)は、混合油タンク(370)の内部に流入した混合油が継続的に維持されるように攪拌させる役割をする。例示的に、混合油攪拌機(371)は、上部に位置するモーターと、軸に形成されかつオイルと水とを混合するよう構成されたブレードとを含むことができる。これらのブレードは、混合油を継続的に攪拌することができるように、例えば、約250rpmで回転することができる。
【0062】
例示的に、混合油タンク(370)内には、混合原油が約5分以内留まり、その間混合油攪拌機(371)の攪拌作業によって、より均一に混合される。
【0063】
混合油ヒーター(372)は、混合油の温度を一定範囲内に維持させる役割をする。混合油の温度は、25〜35℃に維持されることが望ましい。
【0064】
混合油水位計(373)は、混合油量(レベル)を測定する役割をする。また、混合油水位計(373)の測定結果は、制御部から継続的に監視し、制御部は、これに基づいて混合油入出口を制御することができる。
【0065】
図5を用いて、本願の実施例によるイオン化触媒部(400)に関して詳細に説明する。
【0066】
混合油移送ポンプ(405)は、混合油タンク(370)からの混合油を後述するイオン化触媒部(400)に供給する役割をする。例示的に、混合油ポンプ(405)は、混合油の一定量を継続的にイオン化触媒部(400)に供給することができる。また、混合油ポンプ(405)ではトロコイドポンプを使用することができる。
【0067】
イオン化触媒部(400)は、少なくとも一つ以上のイオン化触媒群(410)を含み、イオン化触媒群(410)は、複数のイオン化触媒カートリッジ(411)を含むことができる。
【0068】
また、イオン化触媒群(410)は、複数備えられる場合には、互いに直列または並列に接続することができる。ただし、混合原油がイオン化触媒を繰り返し通過できるように、イオン化触媒群(410)は、直列に接続されるか、または直列及び並列の組み合わせで接続することができる。
【0069】
例示的に、図1(c)及び図5を参照すると、12個のイオン化触媒カートリッジ(411)が直列及び並列の組み合わせで接続されている。より具体的には、例えば、それぞれ3つのイオン化触媒室(411)を有するイオン化触媒群(410)が、4つ備えられており、これらの4つのイオン化触媒群(410)は、図1に示すように、直列及び並列の組み合わせで接続することができる。
【0070】
例えば混合油はイオン化触媒群(410)の引入ラインに設置された開閉弁(406)の開閉に応じて、単一または複数のイオン化触媒カートリッジ(411)を通ることができるように選択することができる。
【0071】
このように、複数のイオン化触媒群(410)が直列に接続されることにより、混合原油イオン化触媒群(410)を、単一または反復的に通過することになり、混合油をより高い効率でバイオエマルジョン燃料に変換することができる。
【0072】
一方、イオン化触媒は、アルミナ、シリカゲル、ゲルマニウム、マグネシア、マグネシウム、酸化チタン、王石、ゼオライト、リチウム鉱、及びバナジウムを主成分として含むことができる。例えば、イオン化触媒カートリッジ(411)は、アルミナ、シリカゲル、ゲルマニウム、マグネシア、マグネシウム、酸化チタン、王石、ゼオライト、リチウム鉱、及びバナジウムを主成分とする球状の触媒が管路に沿って充填される形で備えられている。例示的には、上記触媒の球状の直径は、約1cmである。
【0073】
イオン化触媒カートリッジ(411)は、上記主成分の成分量(成分比)に応じて3種類で分類する。
【0074】
つまり、イオン化触媒群(410)に含まれる複数のイオン化触媒カートリッジ(411)それぞれは、第1イオン化触媒カートリッジ(411a)、第2イオン化触媒カートリッジ(411b)、及び第3イオン化触媒カートリッジ(411c)を含むことができる。
【0075】
例示的に図1図5を参照すると、イオン化触媒部(400)において、それぞれ3つのイオン化触媒カートリッジ(411a、411b、411c)を有するイオン化触媒群(410)4つは直列及び並列の組み合わせに接続することができる。
【0076】
また、混合油は、第1イオン化触媒カートリッジ(411a)、第2イオン化触媒カートリッジ(411b)、第3イオン化触媒カートリッジ(411c)の順でイオン化触媒群(410)を通過する。
【0077】
例示的に図5を参照すると、混合油はイオン化触媒群(410)を2回繰り返して通過する。つまり、混合油は最初のイオン化触媒群(410)に含まれた第1イオン化触媒カートリッジ(411a)、第2イオン化触媒カートリッジ(411b)、及び第3イオン化触媒カートリッジ(411c)を順次通過した後、これらの最初のイオン化触媒群(410)と直列接続された第二のイオン化触媒群(410)に含まれた第1イオン化触媒カートリッジ(411a)、第2イオン化触媒カートリッジ(411b)、第3イオン化触媒カートリッジ(411c)を再度順次通過する。
【0078】
また、第1イオン化触媒カートリッジ(411a)は、混合油内の水に含まれている炭素のイオン化を引き起こす役割をする。
【0079】
第2イオン化触媒カートリッジ(411b)は、混合油内の水に含まれる炭素成分と油に含まれる水素の成分を結合させる役割をする。例示的に、混合油内の水に含まれる炭素成分は、第1イオン化触媒カートリッジ(411a)を通過し、イオン化された炭素である可能性がある。また、混合油の油に含まれる水素の成分は、前述したオイルタンク触媒を介してオイルが前処理されることによってイオン化された水素である可能性がある。
【0080】
第3イオン化触媒カートリッジ(411c)は、第1イオン化触媒カートリッジ(411a)と第2イオン化触媒カートリッジ(411b)とを通過した混合油を安定化させる役割をする。
【0081】
つまり、混合油は、これらのイオン化触媒部(400)を経て、バイオエマルジョン燃料に生成される。
【0082】
以下では、図6を参照して、本願の実施例による植物油を用いたバイオエマルジョン燃料の製造方法(以下、「本改質燃料の製造方法」という。)について説明する。
【0083】
本バイオエマルジョン燃料の製造方法は、オイルタンク部(100)内に供給されたオイルを凝集剤と遠心分離型デカンタを利用して精製された油を準備する段階(S10)を含む。
【0084】
また、本バイオエマルジョン燃料の製造方法は、水タンク部(200)内に供給された水を水タンク触媒により前処理して、前処理された水を準備する段階(S20)を含む。
【0085】
S20段階で、水タンク触媒はトルマリン鉱物を含む第1の水タンク触媒剤と、二酸化ケイ素、ケイ酸塩鉱物とハロゲン化鉱物いずれかを含む第2水タンク触媒剤と、を含む。
【0086】
また、本バイオエマルジョン燃料の製造方法は、混合油生成部(300)内で、オイルタンク部(100)から流入した精製された油と水タンク部(200)から流入した前処理された水を攪拌して混合油を形成する段階(S30)を含む。
【0087】
混合油生成部(300)内で油と水はそれぞれが分離されず、均一に物理的に混合された混合油が形成されることができる。
【0088】
また、本バイオエマルジョン燃料の製造方法は、イオン化触媒部(400)内で、混合油生成部(300)から流入した混合油をイオン化触媒を用いて、最終的バイオエマルジョン燃料を生成する段階(S40)を含む。
【0089】
前述のように、イオン化触媒は、イオン化触媒部(400)に備えられることができる。また、イオン化触媒部(400)は、複数のイオン化触媒群(410)を含む。そして、それぞれのイオン化触媒群(410)は、複数のイオン化触媒カートリッジ(411)を含む。
【0090】
前述した本明細書の説明は、例示のためのものであり、本明細書が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本明細書の技術や特徴を変更せず、他の具体的な形で容易に変形が可能であることを理解できると思量する。したがって、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり限定ではない事を理解されたい。例えば、単一型で説明されている各コンポーネントは、分散され、実施されることもあり、同様に分散されたものと説明されている構成要素も結合された形態で実施することもある。
【0091】
本願の範囲は、上記の詳細な説明ではなく、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導き出されるすべての変更または変形された形態が本明細書の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0092】
10:植物性原料を使用したバイオエマルジョン燃料製造装置
100:オイルタンク部
110:オイル供給ポンプ
120:オイルタンク
130:凝集剤投入機
140:オイル移送ポンプ
150:遠心分離型デカンタ
160:オイル収集タンク
170:精製オイルタンク
180:精製オイル移送ポンプ
200:水タンク部
210:給水ポンプ
220:水タンク
300:混合油生成部
310:高圧オイル移送ポンプ
320:高圧水移送ポンプ
330:開閉弁
340:流量計
350:圧力計
360:インラインミキサー
370:混合油タンク
400:イオン化触媒部
405:混合油移送ポンプ
406:開閉弁
410:イオン化触媒群
【要約】
【課題】国ごとの添加剤を使用する化石燃料を使用せずに、簡単に入手できる植物油を原料に使用したバイオエマルジョン燃料を製造すること。
【解決手段】植物油を用いたバイオエマルジョン燃料製造装置が開示され、前記植物油を用いたバイオエマルジョン燃料製造装置は、流入されたオイルを凝集剤と遠心分離型デカンタを利用して精製された油を生成するオイルタンク部、流入された水を水タンク触媒を利用して前処理する水タンク部、上記オイルタンク部は前記水タンク部に接続されて、前記オイルタンク部から流入された精製された油と、上記水タンク部から流入した前処理された前記水を攪拌して混合油を形成する混合油生成部、前記混合油生成部と接続されて、前記混合油生成部から流入した前記混合油をイオン化触媒を用いて、バイオエマルジョン燃料を生成するイオン化触媒部を含む。
【選択図】図1(a)
図1(a)】
図1(b)】
図1(c)】
図2
図3
図4
図5
図6