【文献】
Ran Klein,"PRECISE 82RB INFUSION SYSTEM FOR CARDIAC PERFUSION MEASUREMENT USING 3D POSITRON EMISSION TOMOGRAPH,A thesis submitted to the Faculty of Engineering at University of Ottawa,2005年 2月,p.7-10,16-30,50-56,64-68,121-122,[平成30年3月28日検索],インターネット,URL,https://ruor.uottawa.ca/bitstream/10393/27144/1/MR14917.PDF
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
当技術分野で周知であるように、ルビジウム(
82Rb)は、心筋灌流(血流)の非侵襲測定のためのポジトロン放出断層撮影(PET)トレーサとして使用される。
【0004】
PET技術の近年の改良は、3次元ポジトロン放出断層撮影(3D PET)を導入してきた。3D PET技術は、冠状動脈疾患の疑いがある患者において、より効率的な診断および予後を可能にし得るが、3D PETの感度は、査定されている患者への
82Rb活性の送達の非常に正確な制御を必要とする。
【0005】
図1および2は、心筋灌流撮像に使用される従来のルビジウム溶出システムを図示する。
図1で見られ得るように、溶出システムは、無菌食塩水(例えば、0.9%塩化ナトリウム注射)の貯留部4と、ポンプ6と、ストロンチウム・ルビジウム(
82Sr/
82Rb)発生器8とを備えている。動作時に、ポンプは、
82Rbを溶出するように、貯留部4から発生器8を通して生理食塩水を流動させる。次いで、発生器8から出力される活性溶液が、患者出口10を介して患者(図示せず)に供給される。
【0006】
システム2が使用されていないとき、
82Rb産生(つまり、
82Sr減衰)率と
82Rb減衰率との間で平衡に達するまで、発生器8内の
82Rbの量が蓄積する。結果として、発生器8から生じる活性生理食塩水中の
82Rb活性レベルは、
図2aの実線によって示される「ボーラス」プロファイル12を辿る傾向がある。具体的には、
82Rb溶出「実行」の開始時に、蓄積した
82Rbが発生器8から流出されると、活性レベルは、急速に上昇してピークに達する。その後、活性レベルは、実質的に一定の値に再び降下する。実行中に得られる最大活性レベルA
max(ボーラスピーク)は、発生器8中の蓄積した
82Rbの量に依存し、したがって、概して、システムの最近の使用履歴、主に、現在の
82Rb産生率、前の溶出実行の終了時に残っている蓄積した
82Rbの量(存在する場合)、および前の実行以降のアイドル時間の関数である。ボーラス最後の略一定レベルは、
82Rb産生率およびポンプ6によって産生される生理食塩水の流量に依存している。
【0007】
当技術分野で周知であるように、
82Rbは、
82Srの放射性減衰によって生成され、したがって、任意の特定の時間における
82Rb産生率は、残りの
82Srの質量の関数である。理解されるように、この値は、発生器8の耐用年数を通して(指数関数的に)減少するであろう。結果は、発生器8の耐用年数にわたる溶出システム性能の変化をマップする、
図2aの鎖線によって図示されるボーラス曲線群である。
【0008】
発生器8において可能である
82Rbの高い活性レベルにより、任意の所与の溶出実行中に患者に送達される全活性投与量を制限することが望ましい。したがって、各曲線の下の領域によって表される全活性が両方の場合において等しい、
図2bで見られ得るように、(任意の所与の流量について)この最大許容線量に達するために必要とされる全溶出時間は、発生器8内の
82Sr変化の期間わたって変動するであろう。
【0009】
特に3D PET撮像について、このアプローチの制限は、短期間にわたる高い活性率の送達が、画質を劣化させる傾向があることである。比較的長期間にわたって供給される低い活性率が好ましい。結果として、ユーザは、両方ともボーラスピークおよび最後レベルに影響を及ぼすであろう、発生器の年代およびその最近の使用履歴を考慮して、可能な限り最良の画質を得るであろう、生理食塩水流量を推定するように要求される。
82Srが減衰するので、本推定値は、発生器8の寿命の全体を通して連続的に調整されなければならない。
【0010】
82Sr/
82Rb発生器の状態から独立して、所望の期間にわたって所望の活性レベルが供給されることを可能にする、
82Rb溶出システムを制御することに関する多くの問題があり、そのうちのいくつかが周知である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付図面の全体を通して、類似特徴が類似参照数字によって識別されることに留意されたい。
【0015】
本発明は、
82Sr/
82Rb発生器の状態から実質的に独立して、患者に送達される
82Rb活性率を制御することができる、ルビジウム(
82Rb)溶出および制御システムを提供する。代表的な実施形態が、
図3―8を参照して以下で説明される。
【0016】
図3の実施形態では、溶出システムは、無菌食塩水(例えば、0.9%塩化ナトリウム注射)の貯留部4と、所望の流量で貯留部4から5の発生器ラインを通して生理食塩水を引き込むためのポンプ6と、ストロンチウム・ルビジウム(
82Sr/
82Rb)発生器8と発生器8を迂回するバイパスライン18との間で生理食塩水流を配分するための発生器弁16と、発生器およびバイパス流が合流する、合流点22の下流に位置する陽電子検出器20と、患者出口10および廃棄物貯留部26への活性生理食塩水の供給を制御するための患者弁24とを備えている。以下でさらに詳細に説明されるように、所望の制御アルゴリズムに従って溶出システム14を制御するように、コントローラ28が、ポンプ6、陽電子検出器20、ならびに弁16および24に接続される。
【0017】
所望であれば、ストロンチウム・ルビジウム(
82Sr/
82Rb)発生器8は、米国特許第8,071,959号に従って構築され得る。そのような場合において、ポンプ6は、蠕動ポンプ等の低圧ポンプであり得る。しかしながら、他の種類の発生器が使用され得る。同様に、選択されるポンプが、医療用途に適切であり、発生器を通して所望の生理食塩水流量を維持することが可能であれば、他の種類のポンプが使用され得る。
【0018】
発生器および患者弁16、24は、種々の方法で構築され得る。原則として、発生器弁は、発生器8とバイパスライン18との間の生理食塩水流を配分することが可能である、任意の好適な弁16配列として提供され得る。所望であれば、発生器弁は、生理食塩水流が分割される、分岐点30と統合され得る。代替として、発生器弁16は、
図3に示されるように、分岐点30の下流に位置付けられ得る。可撓性(例えば、シリコン)管が生理食塩水流を搬送するために使用される実施形態では、発生器弁16は、
図4で図示される種類の1つ以上の従来の「ピンチ」弁として提供され得る。ピンチ弁の使用は、生理食塩水と弁の構成要素との間に直接接触を伴わずに、容易に繰り返し可能な様式で生理食塩水流が制御されることを可能にするという点で、有益である。患者弁24の設計と関連付けられる要因は、患者弁24を通る生理食塩水流が放射性
82Rbを運搬している(またはそのように仮定されなければならない)ことを除いて、発生器弁16について上記で議論されるものと実質的に同一である。したがって、任意の好適な弁設計が患者弁24のために選択され得るが、活性生理食塩水と弁構成要素との間の直接接触を回避することが特に有益である。この理由により、ピンチ弁が患者弁24に好まれる。
【0019】
図5で見られ得るように、陽電子検出器20は、好適に、活性生理食塩水を運搬する送給ライン33に直接隣接して位置するシンチレータ32、シンチレータ32に光学的に連結される光子カウンタ34、ならびにシンチレータ32および光子カウンタ34を包囲する放射線遮蔽36として提供され得る。シンチレータ32は、光子を産生するために、
82Rb減衰によって生成されるベータ(e+)線を吸収する1本の蛍光性光ファイバによって提供され得る。光子カウンタ34(例えば、Hamamatsu製のH7155検出器であり得る)は、入射光子を検出し、各検出された光子に対応する検出信号38を生成する。鉛(Pb)で構築され得る遮蔽36は、周囲ガンマおよびベータ線からシンチレータ32および光子カウンタ34を保護する働きをする。いくつかの実施形態では、放射線遮蔽36は、シンチレーションファイバ32の近傍で約1/2インチの厚さであり、シンチレーションファイバ32から、送給ライン33の外径の少なくとも5倍(両方向に)延在し得る。この配列は、送給ライン33が通るチャネルに沿った周囲ガンマおよびベータ線の進入を効果的に抑制する。結果として、スプリアス光子が抑制され、光子が光子カウンタ34によって数えられる速度は、シンチレータ32に隣接する活性生理食塩水の
82Rb活性濃度に比例するであろう。図示した実施形態では、所定の期間内に検出される光子の数が、(例えば、コントローラ28によって)数えられ、カウント値C
detが、
82Rb活性濃度に比例する活性パラメータとして使用される。所望であれば、活性パラメータC
detと
82Rb活性濃度との間の比例定数Kを実験的に決定することができる。
【0020】
動作時に、ポンプ6および弁16、24は、
図6a―6dで見られ得るように、種々の動作モードに従ってシステム14を通して生理食塩水を送るように制御されることができる。したがって、例えば、
図6aで図示されるシステムの「廃棄物への迂回」モードでは、発生器および患者弁16、24は、バイパスライン18を通して廃棄物貯留部26の中へ生理食塩水流全体を送るように位置付けられる。この動作モードは、溶出実行を開始する直前にシステム14を初期化するために好適である。
【0021】
図6bは、バイパスライン18を通して患者出口10から外へ生理食塩水流を送るように発生器および患者弁16、24が位置付けられる、システム14の「患者ライン洗浄」モードを図示する。この動作モードは、例えば、患者の静脈への患者出口の挿入に備えて、患者ライン40を下準備する(つまり、そこから空気を放出する)ために、溶出実行に先立って使用され得る。溶出実行の終了時に、このモードはまた、患者ライン40内に残っている任意の
82Rb活性を患者の中へ洗い流すために使用され得、それによって、患者がPET撮像のために必要とされる活性線量全体を受容することを確実にする。
【0022】
図6cは、発生器8を通して廃棄物貯留部26の中へ生理食塩水流を送るように発生器および患者弁16、24が位置付けられる、システム14の「閾値待機」モードを図示する。この動作モードは、
82Rb濃度がゼロから増加しているが、まだ所望のレベルに達していない間に、溶出実行の開始中に好適である。
82Rbボーラス12のこの主要部分を廃棄物貯留部26へ洗い流すことは、患者を不必要な
82Rb活性に暴露させることを回避し、患者に送達される全活性投与量が密接に制御されることを可能にする。
【0023】
図6dは、発生器8およびパスライン18の両方を通る生理食塩水流を配分するように、発生器弁16が陽電子検出器20からの制御ループ42を介して積極的に制御される、システム14の「溶出」モードを図示する。次いで、発生器8およびバイパス生理食塩水流は、所望の
82Rb活性濃度を有する活性生理食塩水を産生するように、発生器8の下流で(22において)再結合される。患者弁24は、活性生理食塩水を患者出口10に向かわせるように位置付けられる。
【0024】
前述の説明では、各動作モードは、患者のPET撮像を支援するように溶出実行を行う際の関連ステップに関して説明される。しかしながら、この前後関係は必須ではないことが理解されるであろう。したがって、例えば、上記の動作モードのうちの1つ以上は、システムの較正を促進するために使用され得、その場合、患者出口10は、患者よりもむしろ従来の線量較正器(図示せず)の内側の収集バイアルに接続されるであろう。
【0025】
前述の議論から理解されるように、溶出システムの動作モードの各々は、ソフトウェアコントロールの下で動作するコントローラユニット28によって制御される。結果として、必要に応じて、多種多様の自動プロセスを実装することが可能である。したがって、例えば、ユーザ入力標的パラメータに基づいて、溶出実行を完全に自動化することができ、これは、ユーザが不必要な放射線暴露を回避することを可能にする。同様に、所望のシステム較正および
82Sr破過検出プロトコルを自動化することが可能であり、これは、一貫性ならびにユーザの放射線暴露の制限を確保する。ソフトウェアベースの溶出システム制御のさらなる利益としては、各溶出実行からのデータログを容易に維持することができ、これは、システム診断を支援するだけでなく、PET撮像のために特定される溶出パラメータ(例えば、溶出濃度および持続時間)が満たされていることを確実にするために使用されることもできる。
【0026】
上記で説明されるように、「溶出」動作モード(
図6d)では、発生器弁16は、発生器8およびバイパスライン18の両方を通る生理食塩水流を配分するように、陽電子検出器20からの制御ループ42を介して能動的に制御される。発生器8の下流で対応する発生器およびバイパス生理食塩水流を再結合することにより、所望の
82Rb活性濃度を有する活性生理食塩水を産生する。好ましくは、制御ループ42は、コントローラ28で実行される好適なソフトウェアを使用して実装される。制御ループ42を実装するための代表的なアルゴリズムが、
図7および8を参照して以下で説明される。
【0027】
図7の実施形態では、コントローラ28は、所望の活性濃度との測定された活性濃度の比較によって発生器弁16が制御される、閾値ベースの制御アルゴリズムを実装する。測定された濃度が所望の濃度より高い場合、発生器弁16は、生理食塩水流を発生器8よりもむしろバイパスライン18に向かわせ、その逆も同様である。
【0028】
一般に、溶出実行は、時間的に所望の関数C
M(t)に従う標的
82Rb活性濃度を生成するように設計されている。
図7の実施形態では、C
M(t)は、
図7bの点線によって見られ得るように、所定の一定の活性濃度C
Mおよび持続時間(t
2―t
1)を有する、方形波関数である。これらのパラメータは、ユーザインターフェース44(
図3)を使用して、明示的なユーザ入力によって提供され、または全活性投与量および生理食塩水流量等の他のユーザ入力パラメータから計算され得る。理解されるように、標的活性プロファイルC
M(t)は、方形波関数である必要はなく、所望であれば、ランプ関数等の他のプロファイルが使用され得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、標的活性プロファイルC
M(t)は、患者出口10における所望の
82Rb活性濃度を定義し得る。そのような場合において、陽電子検出器20と患者出口10との間の患者供給ライン40における期待
82Rb減衰(したがって、活性の損失)を計上するように、選択された流量および患者供給ライン長に基づいて、調整された標的プロファイルC’
M(t)が算出され得る。この配列は、ユーザが患者に送達される活性の量(活性濃度または全線量のいずれか)を特定することを可能にするという点で、有利であり、制御ループ42は、システム14内の
82Rb減衰を考慮して、この仕様に合致するように動作するであろう。
【0030】
図7aは、
図7の実施形態で使用され得る、代表的な閾値ベースの弁制御アルゴリズムを図示する、フローチャートである。例証を容易にするために、
図7aのフローチャートは、制御ループのみを図示する。種々の動作モード間の遷移に関係付けられる、プロセスステップおよび閾値は示されていない。
【0031】
溶出実行に備えて、ユーザは、溶出のための標的パラメータを入力する。これらのパラメータは、全活性線量、標的活性濃度、溶出持続時間、および生理食塩水流量のうちのいずれか3つを含み得る。入力されたパラメータから、残りのパラメータを計算することができ、所望であれば、調整された標的プロファイルC’
M(t)を得ることができる(ステップS2)。
【0032】
溶出実行の開始時に、ラインを洗い流し、患者ライン40を下準備するために、「廃棄物への迂回」ステップが随意に使用される。次いで、コントローラ28は、溶出システム14を「閾値待機」モードにするように、(
図7bの時間t
0で)発生器弁16を開放する。この期間中に、陽電子検出器によって検出される活性レベルは、「自然」ボーラス曲線12(
図2a)の前縁を辿って上昇し始めるであろう。この期間中に、発生器8から溶出される任意の活性が廃棄物貯留部26に渡されるように、患者弁24は閉鎖されたままである。検出された活性濃度C
detが標的値C
Mを超える場合、コントローラ28は、(
図7bの時間t
1で)患者弁24を解放し、「溶出」動作モードに移行する。
【0033】
溶出モード中に、コントローラ28は、陽電子検出器における瞬間活性濃度を示す、更新された濃度パラメータC
detを(S4で)反復して取得する。次いで、濃度パラメータC
detは、所望の濃度C
Mと比較される。(S6で)C
detが所望の濃度C
Mを下回る場合、生理食塩水が発生器8を通って流動し、
82Rb活性を溶出するように、(S8で)発生器弁16が開放される。(S10で)C
detが所望の濃度C
Mを上回る場合、生理食塩水がバイパスライン18を通って流動するように、(S12で)発生器弁16が閉鎖される。
図7bで見られ得るように、応答の遅延により、この動作の結果は、標的濃度C
M(またはC’
M)を中心とした鋸歯状活性濃度プロファイル46である。溶出実行の終了時(
図7bの時間t
2)に、コントローラ28は、発生器弁16を閉鎖し、溶出システム14を「患者ライン洗浄」モードにし、これは、発生器8からの
82Rb活性の溶出を終了させ、患者ライン40内の任意の残りの
82Rb活性を患者の中へ洗い流す。
【0034】
図7cは、上記のプロセスの結果として患者に送達される活性濃度プロファイルを図示する。
図7cから分かり得るように、「閾値待機」モード(t
0―t
1)中に、いかなる
82Rb活性も患者に送達されない。「溶出」モード(t
1―t
2)中に、活性濃度46は、標的濃度C
M(またはC’
M)を中心とした鋸歯状パターンに従う。最終的に、「患者ライン洗浄」モード(t
2に続く)では、
82Rb溶出が終了させられ、残留活性が患者供給ライン40から洗い流されると、活性濃度が急速に降下する。
【0035】
理解されるように、送達された活性濃度が標的プロファイルC
M(t)に従う精度は、大部分が、合流点22と陽電子検出器20との間のライン体積に依存している。場合によっては、標的プロファイルC
M(t)からの比較的大きい偏位が容認可能である。しかしながら、制御ループ応答は、ある限界を過ぎると、差を削減できないようなものである。結果として、標的プロファイルC
M(t)と送達された濃度プロファイル46(
図7c)との間の「誤差」を、
図7の実施形態では排除することができない。この制限を克服するパルス幅変調技法が、
図8を参照して以下で説明される。
【0036】
図8の実施形態は、主に発生器弁16が制御される様式において、
図7の実施形態とは異なる。
図7の実施形態では、発生器弁16は、検出された活性濃度C
detと所望の活性濃度との間の比較に基づいて、開放または閉鎖される。対照的に、
図8の実施形態では、発生器弁は、所定の周波数で連続的に開放および閉鎖される。主に発生器弁16の物理的性質に応じて、任意の所望の周波数が使用され得る。いくつかの実施形態では、1Hz〜10Hz(例えば、5Hz)の周波数が使用され得る。発生器8とバイパスライン18との間の生理食塩水流の分配を制御するために、弁16のディーティサイクルが変動させられる。したがって、例えば、「0」のディーティサイクルは、バイパスライン18を通して生理食塩水流全体を向かわせる効果を有し得、「100」のディーティサイクルは、発生器8を通して生理食塩水流全体を向かわせる。これらの限界の間のディーティサイクルは、ディーティサイクル値に従って発生器8とバイパスライン18との間で生理食塩水流を分割する。生理食塩水流を発生器8とバイパスライン18との間で分割することができる精度は、プログラム可能な値であり得る、最小調整ステップサイズによって決定されるであろう。
【0037】
上記で説明されるように、発生器8から溶出される
82Rbの量は、任意の所与の流量について、溶出システム14の最近の使用履歴、および発生器8内の
82Rbの瞬間産生率に依存するであろう。したがって、所与のデューティサイクル設定について発生器8から溶出されるであろう
82Rb活性の量を予測するために、弁16および発生器性能のモデルが使用される予測制御アルゴリズムを実装することによって、溶出システム14の精度を向上させることが可能である。
【0038】
具体的には、以下でさらに詳細に説明されるために、所与の流量について発生器から溶出されるであろう
82Rb活性の量を予測するように、発生器性能をモデル化することができる。いくつかの実施形態では、例えば、
82Rb活性濃度対溶出体積に関して、発生器性能を測定するために、線量較正器(図示せず)が使用される。このデータは、任意の所与の生理食塩水流量について溶出される
82Rb活性濃度を予測するために使用されることができる。
【0039】
加えて、(ポンプ制御設定によって決定されるような)任意の所与の全生理食塩水流量および弁デューティサイクルについて、発生器を通る流量の予測を可能にするために、発生器弁応答をモデル化することができる。いくつかの実施形態では、デューティサイクルの上限および下限.PI.
maxおよび.PI.
Min、ならびに流量比対上限と下限との間のデューティサイクル傾斜Lを定義する、それぞれのパラメータに関して、弁応答がモデル化され得る。この配列を用いると、デューティサイクル上限.PI.
maxは、それを超えて流動の全てが発生器8の中へ向かわせられると見なされる値を表す。逆に、デューティサイクル下限.PI.
Minは、それを下回って流動の全てがバイパスライン18の中へ向かわせられると見なされる値を表す。流量比対デューティサイクル傾斜Lは、上限と下限との間に位置するデューティサイクル値について、発生器8およびバイパスライン18を通るそれぞれの流量間の比の変化を定義する。
【0040】
弁応答が非線形である場合において、流量比対デューティサイクル傾斜パラメータLを、数学的弁応答曲線を定義する1つ以上のパラメータと交換することが有利であり得る。
【0041】
溶出実行の開始時に、コントローラ28は、溶出システムを「閾値待機」モードにするように、(
図8bの時間t
0で)発生器弁16を開放する。この期間中に、陽電子検出器20によって検出される活性レベルは、「自然」ボーラス曲線12(
図2a)の前縁を辿って上昇し始めるであろう。この期間中に、発生器から溶出される任意の活性が廃棄物貯留部26に渡されるように、患者弁24は閉鎖されたままである。検出された活性濃度が標的濃度C
M(または適用可能であれば調節された標的C’
M)に達するとき、コントローラ28は、(
図8bの時間t
1で)患者弁24を解放し、「溶出」動作モードに移行する。
【0042】
溶出モード中に、コントローラ28は、溶出実行の選択された流量について、陽電子検出器20における標的活性濃度C
M(またはC’
M)をもたらすであろう流量比を推定するために、以前に記憶された発生器性能データが(S14で)使用される、予測制御アルゴリズムを実装する。次いで、この推定(予測)流量比は、発生器弁16のデューティサイクルを制御するために使用される。次いで、コントローラ28は、陽電子検出器20における瞬間活性濃度を示す、更新された濃度パラメータC
detを(S16で)得る。次いで、濃度パラメータC
detは、(S18で)誤差関数ΔCを得るために標的濃度C
M(またはC’
M)と比較される。誤差関数ΔCの値に基づいて、発生器弁16のデューティサイクルが調整される。ΔC<0(ステップS20)である場合、比率的により多くの生理食塩水が発生器8を通って流れ、より多くの
82Rb活性を溶出するように、(S22で)デューティサイクルが増加させられる。ΔC>0(ステップS24)である場合、比率的により多くの生理食塩水がバイパスライン18を通って流れるように、(S26で)デューティサイクルが減少させられる。いずれの条件も満たされない場合、デューティサイクルは、その現在の状態で維持される(S28)。
図8bで見られ得るように、この動作の結果は、標的濃度C
M(またはC’
M)に密接に合致する、低誤差濃度プロファイル48である。溶出実行(
図8bの時間t
2)の終了時に、コントローラ28は、発生器弁16を閉鎖し(つまり、デューティサイクルを「0」まで低減させ)、溶出システム14を「患者ライン洗浄」モードにし、これは、発生器8からの
82Rb活性の溶出を終了させ、患者ライン40内の任意の残りの
82Rb活性を患者の中へ洗い流す。
【0043】
図8cは、上記のプロセスの結果として患者に送達される、活性濃度プロファイル48を図示する。
図8cから分かり得るように、「閾値待機」モード(t
0―t
1)中に、いかなる
82Rb活性も患者に送達されない。「溶出」モード(t
1―t
2)中に、活性濃度は、標的濃度C
M(またはC’
M)に密接に従う。最終的に、「患者ライン洗浄」モード(t
2に続く)では、
82Rb溶出が終了させられ、残留活性が患者供給ライン40から洗い流されると、活性濃度が急速に降下する。
【0044】
実践では、上記の予測制御アルゴリズムは、有意な予測誤差が起こり得る、溶出の最初の数秒間を除いて、所望の標的プロファイルC
M(t)に密接に合致する
82Rb活性濃度を産生することが分かっている。要求された全投与量に達するように、発生器からの活性の全てが溶出されなければならない場合において、この誤差は容認されなければならない。しかしながら、他の場合においては、「溶出」動作モードの開始を遅延させることによって、誤差を排除することが可能である。したがって、例えば、「閾値待機」モード中に、検出された活性レベルC
detを監視し、閾値(例えば、標的濃度C
Mの90%)と比較することができる。閾値レベルに達するとき、発生器弁制御ループ42は、
図8aおよび8bを参照して上記で説明されるように動作し始めるが、患者弁24は、活性溶液が廃棄物貯留部26へ送られ続けるように、閉鎖されたままである。所定の遅延後、患者弁24は、開放して活性生理食塩水を患者出口10に供給し始める。遅延の持続時間は、溶出の相対活性に基づいて計算され得る。例えば、標的活性濃度C
Mが、発生器8が産生することができる最大濃度の10%未満である溶出では、約10秒の遅延が使用され得る。逆に、標的活性濃度C
Mが、発生器8が産生することができる最大濃度の約70%より大きい溶出については、いかなる遅延も要求されなくてもよい。標的活性濃度がこれら2つの限界の間に位置する、溶出については、中間遅延が計算され得る。
【0045】
上記で説明されるように、予測制御アルゴリズムは、発生器性能をモデル化し、それによって、陽電子検出器20における標的活性濃度C
M(またはC’
M)をもたらすであろう弁流量比(または同等にデューティサイクル)の予測を可能にするために、記憶された発生器性能データを使用する。発生器性能データを取得する1つの方法は、患者出口10が従来の線量較正器(例えば、Capintec CRC―15)に接続された状態で、事前定義された溶出実行を行うことによって、溶出システム14を較正することである。そのような較正溶出実行は、例えば、
82Rb活性濃度対溶出体積に関して、発生器性能を測定するために、線量較正器が使用されることを可能にする。このデータは、較正実行以降に経過した時間とともに徐々に減退するであろう精度で、任意の所与の生理食塩水流量について、溶出された
82Rb活性濃度を予測するために使用されることができる。規則的な間隔で(例えば、1日に1回)較正実行を繰り返すことは、発生器8が経年劣化するにつれての発生器性能の変化を追跡し、それによって、連続的な較正実行の間で正確な流量比予測を可能にするように、発生器性能データが更新されることを可能にする。所望であれば、例えば、毎日のプロトコルの一部として、較正溶出を自動的に実行するように予定に入れることができ、それは、システム精度を確保し、同時に、人的過誤の可能性を制限する。
【0046】
好ましくは、較正溶出実行は、同一の流量(例えば、15ml/分)で同一の持続時間(例えば、1分)にわたって行われる。これは、線量較正器によって検出される活性の減衰時間を予測するために、
82Rbの既知の半減期(76秒)が使用されることを可能にする。予測の減衰時間と実際の減衰時間との間の差は、
82Srの破過を示す。したがって、各較正溶出実行の持続時間の全体を通して規則的な間隔で、かつ較正実行の完了後の所定の期間にわたって、線量較正器内で活性レベルをサンプリングすることによって、予定されたシステム較正プロトコルの一部として、
82Sr破過を自動的に検出することができる。結果として生じる較正データは、時間および活性生理食塩水体積の両方の関数として、線量較正器内の活性レベルを辿る。溶出中に収集される較正データは、溶出が停止した後の
82Rb減衰曲線の予測を可能にする。この予測減衰曲線と、溶出後に収集される較正データとの間の比較は、
82Sr破過の検出を可能にする。
【0047】
溶出中に収集される較正データはまた、活性パラメータC
detと
82Rb活性濃度との間の比例定数Kを計算するために使用されることもできる。具体的には、較正溶出中に線量較正器によって検出される瞬間活性は、活性濃度および周知の
82Rb減衰曲線のコンボリューションである。生理食塩水の体積流量が把握されているので、線量較正器に進入する活性生理食塩水の実際の活性濃度、したがって、比例定数Kを計算するために、溶出中に収集される較正データを使用することができる。
【0048】
前述の説明では、予測制御アルゴリズムは、陽電子検出器における標的活性濃度C
M(またはC’
M)をもたらすであろう弁デューティサイクルを予測するために、記憶された発生器性能データを使用し、この推定は、発生器弁16を制御するために使用される。次いで、検出された濃度パラメータC
detと標的活性濃度C
Mとの間の誤差ΔCが計算され、誤差ΔCは、発生器弁16の流量比(デューティサイクル)を調整するために使用される。この誤差はまた、発生器弁応答パラメータを更新するための自己調節アルゴリズムのためのデータ入力として使用され得る。この機能性は、予測制御アルゴリズムの精度を確保するとともに、例えば、構成要素の経年劣化および摩耗による弁性能変化を補償するために有用である。
【0049】
いくつかの実施形態では、自己調節アルゴリズムは、いくつかの溶出実行にわたって蓄積される誤差データを使用する。したがって、例えば、各溶出実行中に、(例えば、生理食塩水流量、標的活性濃度C
M、および記憶された発生器性能データに基づいて)所望の流量比を計算することができ、誤差関数ΔC値を所望の流量比の関数として記憶することができる。次いで、傾斜誤差ΔLを得るために、いくつかの溶出実行にわたる誤差値対流量比データの蓄積が処理されることができる。次いで、この誤差値は、ゼロに向かって傾斜誤差ΔLを駆動するよう、値の流量比対デューティサイクル傾斜パラメータLを増分的に調整するために使用されることができる。
【0050】
デューティサイクル上限.PI.
maxは、発生器からの予測活性濃度が所望の標的値C
Mを満たすことができない溶出中に蓄積される誤差データに基づいて調整され得る。この状況は、
82Rb産生率が最低である場合の発生器8の耐用年数の終了近くで行われる溶出実行中に起こり得る。発生器8からの予測活性濃度が所望の標的値C
Mより小さいとき、予測制御アルゴリズムは、デューティサイクルをその上限値.PI.
maxに設定するように動作するであろう。この状態で、測定された濃度パラメータC
detが標的値C
Mより小さい場合、誤差関数値ΔCは、ゼロではない値になり、是正ループ(
図8a)は、デューティサイクルをさらに増加させようとするであろう。(関数値ΔCの変化によって示されるような)濃度パラメータC
detのさらなる増加が起こらない場合には、上限値.PI.
maxが所定のステップサイズ(例えば、10
―5)だけ低減させられ得る。一方で、是正ループの動作が検出された濃度C
detの増加を生じない場合、上限値.PI.
maxを増加させるために、誤差データの傾斜が使用されることができる。
【0051】
所望であれば、弁16のヒステリシスを補正するために、類似アプローチを使用することができる。ヒステリシスとは、通常は遅延した応答を伴う、入力パラメータの変化の方向に応じて異なって挙動するシステムを指す。
図4で図示される種類の2状態ピンチ弁の場合、開放待ち時間と閉鎖待ち時間とが異なり得る。この弁ヒステリシスは、
図7を参照して上記で説明される閾値ベースの溶出制御アルゴリズムにおいて現れ、(所望の溶出活性線量を達成するために必要とされる)予測溶出持続時間と、その線量を得るために必要とされる実際の溶出持続時間との間の差として現れる。したがって、「全活性線量」型溶出実行のための実際の溶出時間を監視することによって、弁ヒステリシスを補償するために、閾値設定点(すなわち、標的活性濃度C
M)に適用されることができるヒステリシス係数Hを計算することが可能である。
【0052】
前述の実施形態では、発生器弁は、発生器8の中へ生理食塩水流の全てを向かわせるように「オン」であるか、またはバイパスライン18の中へ生理食塩水流の全てを向かわせるように「オフ」であるかのいずれかである2状態弁として制御される。
図7の実施形態では、発生器弁16は、閾値比較に応答して、このようにして正確に制御される。
図8の実施形態では、弁16は、所定の周波数(例えば、5Hz)で連続的に循環させられ、デューティサイクルは、連続的(または段階的)可変分配弁を模倣するように調整される。弁制御のこれらの方法の両方は、例えば、
図4の弁がソレノイドおよびばねによって制御される、実施形態に特に適している。しかしながら、所望であれば、連続的可変弁を使用できることが理解されるであろう。例えば、
図4の弁の位置は、サーボモータによって制御されることができ、その場合、「オン」および「オフ」状態の間で弁を循環させることなく、発生器とバイパスラインとの間の生理食塩水流の正確な分配を得ることができる。明確に、異なる発生器弁制御技法の使用は、弁制御信号および応答パラメータにおける対応する差を示唆するであろう。しかしながら、本明細書で提供される教示に基づいて、全てのそのような修正は、十分に当業者の範囲内となり、したがって、本発明の範囲内で検討されることが考慮される。
【0053】
図9―14は、本発明の追加の実施形態を描写する。
【0054】
図9は、本発明の別の実施形態による、ルビジウム溶出システムの主要要素を概略的に図示するブロック図である。
図9のルビジウム溶出システムは、
図1のルビジウム溶出システムと類似する要素を有し得る。
図9のルビジウム溶出システムはまた、追加の要素を有し得る。これらの追加の要素は、プリンタ50およびUSB(ユニバーサルシリアルバス、または他の通信ポート)ポート52、圧力検出器62、線量較正器56、流量調節器66、およびUPS(無停電電力供給部)54のうちのいずれか1つ以上を含み得る。
【0055】
図9のルビジウム溶出システムは、発生器から溶出される流体中の
82Rb、
82Sr、または
85Srの濃度、発生器から溶出される流体の体積、またはシステムの少なくとも一部分を通って流動する流体の圧力等のシステムの種々の側面を査定するために使用され得る。システムのこれらの側面についての情報は、システムの種々の要素によって収集され、コントローラに送信され得る。コントローラおよび/またはユーザインターフェースコンピュータ(プロセッサおよびメモリを備え得る)は、システムの状態を査定するために、この収集されたデータを分析し得る。
【0056】
描写されるように、圧力検出器62は、バイパスラインのインライン圧力を検出するように、およびこの圧力についての情報をコントローラに伝えるように構成される。圧力検出器は、送給ライン(生理食塩水供給ライン)等のシステム内の他の場所でインライン圧力を検出するように構成され得る。
【0057】
ユーザインターフェースコンピュータは、プリンタ50に接続され、USBポートを有するものとして描写される。ユーザインターフェースコンピュータのユーザインターフェースは、査定の結果に基づいて、措置方針または措置方針なしを推奨する出力をユーザインターフェース上で生成するために使用され得る。プリンタ50は、発生器から溶出される流体中の
82Rb、
82Sr、または
85Srの濃度、発生器から溶出される流体の体積、またはシステムの少なくとも一部分を通って流動する流体の圧力等のシステムの状態についての情報を印刷するために使用され得る。USBポートは、査定の結果の指示をフラッシュドライブ等のメモリ場所に記憶するために使用され得る。
【0058】
加えて、ユーザインターフェースコンピュータは、サーバまたはクラウドコンピューティングサービス等の遠隔コンピュータと通信するように構成され得る。ユーザインターフェースコンピュータは、通信ネットワークを介して、査定の結果の指示をコンピュータにアップロードし得る。遠隔コンピュータは、複数のコンピュータから情報を収集し、単一の溶出システムの状態を識別するか、または複数の
82Sr/
82Rb溶出システムの統計を集計するために、この収集された情報を使用し得る。
【0059】
図9の溶出システムは、加えて、線量較正器56を有し得る。線量較正器56は、流体を患者出口または線量較正器に向かわせるように構成され得る弁とともに、患者出口の代わりに、または患者出口に加えて使用され得る。線量較正器56は、さもなければ流体が溶出システムから退出するような、流体を収集するバイアル(50mLバイアル等)を備え得る。線量較正器56は、コントローラに通信可能に連結され、発生器から溶出される流体中の
82Rb、
82Sr、または
85Srの活性濃度、あるいは発生器から溶出される流体の体積等の情報をコントローラに送信するように構成され得る。線量較正器56は、放射能遮蔽材料を含み得る。
【0060】
ある実施形態では、本システムは、発生器、プロセッサ、ポンプ、メモリ、患者ライン、バイパスライン、陽電子検出器、および線量較正器のうちのいくつかまたは全てを収納する可搬性カートで具現化される。
図9A、9B、および9Cは、そのような可搬性カート68で具現化されるシステムの図を描写する。カート68自体は、振動吸収材料でコーティングされている内部70を備えていることができる。いくつかある要素の中でも、
図9Aは、プリンタ50および線量較正器コントローラ57を描写する。いくつかある特徴の中でも、
図9Bは、線量較正器56、患者ライン40(線量較正器ラインとも称される)、発生器8内で
82Rb活性を測定するための生理食塩水入口35および出口33を有する発生器8、廃棄物収集容器26、廃棄物ライン60、圧力センサ62(ここではバイパスラインに連結されるものとして描写される)、生理食塩水が流入し得るY字接合部64、バイパスライン上の流量調節器66、5の発生器ライン、蠕動ポンプ6を描写する。いくつかある特徴の中でも、
図9Cは、タッチスクリーンモニタを備えているユーザインターフェース44、およびカートを押すハンドル45を描写する。
【0061】
図10は、ルビジウム溶出システムの体積流量を査定するための例示的な動作を図示するフローチャートである。
図10(および
図11―13)の動作の全てを実装するわけではない本発明の実施形態、または異なる順番で描写された動作を実装する本発明の実施形態があることが理解され得る。
【0062】
動作は、直近に検出された、または「最後の」体積値を取り出すことから始まる。これは、発生器が最後に交換されてから発生器によって溶出されてきた流体の体積であり得る。次いで、発生器を通る流体の流動が開始される。発生器(カラムとも称される)を通過する流体の体積が監視され得、その体積が周期的に記録され得る。描写した実施例では、体積は、1秒に1回記録される。記録された体積は、閾値、例えば、30Lに対して比較され得る。記録された体積が特定された最大体積限界より小さい場合、動作は、発生器を通過する流体の体積の監視に戻る。記録された体積が限界に達する場合、コントローラは、発生器が交換されるまで、システムがさらなる溶出を行うことを防止するように構成され得る。
【0063】
図11は、ルビジウム溶出システムの周期的品質チェック査定のための例示的な動作を図示する、フローチャートである。描写されるように、動作は、随意に、線量較正器の恒常性を検証することによって、次いで、
図9で描写される線量較正器等の線量較正器内にバイアル(50mLバイアル等)を設定することによって始まり得る。次いで、品質チェック査定が始まり得る。ある量の流体が、システムを通して廃棄物に送られ得る。この流体は、システム内に存在し得る任意の残留活性生理食塩水を取り除くために使用される、不活性生理食塩水であり得る。例えば、流体は、発生器を迂回するバイパスライン介して送られ得る。
【0064】
次いで、より多くの流体が、発生器を通して線量較正器に送られ得、
82Rbの濃度が、この流体について計算され得る。
82Rbの濃度は、例えば、30分にわたって1秒に1回、周期的に監視され得る。加えて、誰もシステムを改ざんしないことを確実にするように、流体中の
82Rbの半減期が測定され得る。連続減衰が測定されない場合、それは、改ざんまたはシステム誤作動が起こっており、エラーが発生され得ることを示し得る。
【0065】
約76秒の半減期を有する流体の同位体がある場合、流体中の他の放射性部分のそれぞれの濃度が決定され得る。例えば、流体中の
82Srおよび
85Srの濃度が決定され得る。次いで、
82Srに対する
82Rbの濃度の比、および
85Srに対する
82Rbの濃度の比が決定され得る。次いで、これらの比は、データログに記録され得る。
【0066】
次いで、適用可能なUSP(米国薬局方協会標準)に対する放射性部分の濃度の測定が行われ得、この測定に基づいて措置が講じられ得る。測定値が適用可能なUSP標準の最大閾値(例えば、少なくとも50%)に達する場合、本システムは、失敗またはエラー状態にされ得、発生器が交換され、および/またはUSPに対する放射性部分の濃度が許容レベルであることを査定が示すまで、さらなる患者溶出が行われない。測定値が適用可能なUSP標準の警告レベル(例えば、その20%)より小さい場合、溶出が正常に起こり得、患者が処置され得る。測定値が警告および限界閾値の間である場合、追加の査定または較正が要求される前に、区切られた数の患者(例えば、1人から4人の患者)が処置され得る。描写されるように、測定値が、適用可能なUSP標準の少なくとも20%であるが、50%より小さい場合、さらなる査定が要求される前に、最大4人の患者が溶出システムによって処置され得る。
【0067】
図11(または
図10あるいは12―13)の動作は、1日に1回等、周期的に行われ得る。例えば、特定の瞬間に先行する所定の期間内(例えば、過去1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、12時間、18時間、24時間、36時間、または48時間以内に)査定が実施されていないことが決定される場合、本システムは、追加の溶出を行う前に査定チェックが行われることを要求し得る。他の実施形態では、行われる査定から、
82Srまたは
85Sr濃度が閾値を上回ることが決定される場合、患者溶出を実施する前に洗浄溶出が行われ得る。洗浄溶出は、バイパスラインを介して、システムを通して不活性生理食塩水を流すことによって等、システムを洗い流す溶出と考えられ得る。患者溶出は、医療処置目的で、活性部分を含む生理食塩水を患者に送達する溶出と考えられ得る。代替として、
82Srまたは
85Sr濃度が閾値を上回る場合、本発明の実施形態は、洗浄溶出および成功した較正溶出が行われるまで、患者溶出が行われることを防止し得る。
【0068】
図12は、ルビジウム溶出システムにおける任意の誤動作の検出のための例示的な動作を図示する、フローチャートである。描写されるように、動作は、溶出を開始することから始まる。次いで、この場合、圧力測定値を
図9のコントローラに送信する
図9の圧力検出器によって、インライン圧力等のパラメータが測定される。次いで、コントローラが、この圧力を査定し得る。圧力が許容範囲外である場合、流体を発生器およびバイパスラインに送出するポンプは、動作停止させられるか、または別様に停止させられる。圧力が限界内である場合、溶出が進み得、圧力がさらに監視され得る。同様の検証が、ポンプデバイスに関して行われ得る。例えば、コントローラは、現在のポンプ速度を要求速度と周期的に比較し得る。差が許容限界を超える場合、コントローラ溶出が停止させられる。最終的に、コントローラは、各ピンチ弁の状態を連続的に検証し得る。ピンチ弁が期待状態と同期化されていない場合、エラーが信号伝達され、コントローラが溶出を停止する。したがって、本システムのメモリは、プロセッサ上で実行されると、例えば、ポンプ、圧力センサ、ピンチ弁、または光子カウンタの誤動作の決定に応答して、システムにポンプを停止させるプロセッサ実行可能命令を有し得る。
【0069】
図13は、ルビジウム溶出システムの活性監視のための例示的な動作を図示する、フローチャートである。動作は、患者溶出の開始から始まる。患者溶出が起こっている間に、
図9のe+検出器内等の光電子増倍管(PMT)を用いて、リアルタイム活性が監視される。この監視されたデータは、
図9のコントローラに送信され得る。データをコントローラに送信することに加えて、データが記録され得る。描写されるように、データは、周期的に(例えば、1秒に1回)記録され、
図9のユーザインターフェースコンピュータ上のファイル等のファイルに保存される。データをコントローラに送信すること、およびデータを記録することの組み合わせは、患者溶出の持続時間にわたって継続し得る。プロセス中にコントローラによって検出される任意のPMT誤動作が、溶出の中断をトリガし得る。
【0070】
図14は、ルビジウム溶出システムのポンプを動作停止させる際に使用される主要要素を概略的に図示する、ブロック図である。
図9のユーザインターフェースコンピュータであり得るコンピュータ、
図9のコントローラであり得るコントローラ、および
図9のポンプであり得るポンプが描写されている。コントローラは、コンピュータおよびポンプの両方に通信可能に連結されるものとして描写される。コントローラがコンピュータ(プロセッサを含み得る)との通信を失うとき、コントローラは、これを検出し、それに応答してポンプを動作停止し得る。これは、十分な安全監視が起こるときのみシステムが動作するように、またはユーザがシステムを改ざんすること、あるいはおそらく安全ではない様式でシステムを操作することを防止するように、安全特徴として行われ得る。
【0071】
図10―14の動作の実装を通して、完全自動品質管理検証の以下の側面が達成され得る。線量較正器上の毎日恒常性チェックが行われ得る。システムの毎日の洗浄が、廃棄物に送られ得る。患者ラインが、自動的に下準備され得る。流量が、全ての新しい発生器について較正され得る。発生器を通過する全体積が、監視され、データファイルに記録され得る。
82Srおよび
85Srレベルの毎日の自動検証が行われ得、バイアルが時期尚早に除去されていないことを確実にするように、減衰が監視される。患者の安全を確保し、発生器に関する任意の問題を予測する動向を可能にするように、全溶出中に圧力検証が行われ得る(例えば、増加する圧力が、ライン内または発生器カラム内の閉塞を示し得る)。ライン内の光電子増倍管は、注入された活性の量の正確な決定、すなわち、(1)患者によって受け取られる放射能の正確な決定、(2)患者のサイズに基づく適正な量の活性の注入(例えば、小児患者では37MBqほども低く、肥満患者では370MBqほども高い)を可能にし、(3)各発生器上の使用中動向を可能にし、(4)3つの注入モデル、すなわち、一定の流量、一定の体積、および一定の活性率を可能にする。非患者特有のデータが、各溶出システムから遠隔サーバへ毎日アップロードされ得る。次いで、データが発生器の製造業者によって取り出され得、使用中発生器性能が決定され得る。これは、発生器および注入器性能の毎日の監視、ならびに患者が影響を受ける前の予防干渉を可能にする。一定のフィードバックが、コンピュータから蠕動ポンプに送信され得る。ユーザインターフェースが動作できない場合、蠕動ポンプは、患者へのリスクを防止するように動作停止させられ得る。
【0072】
本発明の実施形態は、プロセッサと、システムが動作するときにプロセッサに通信可能に連結されるメモリとを備えている、コンピュータシステム上で実装され得、メモリは、プロセッサ上で実行されると、システムに本発明の実施形態を行わせる、プロセッサ実行可能命令を有し。本発明の実施形態はまた、コンピュータ実装方法として実装され得る。加えて、本発明の実施形態は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体上に記憶されたコンピュータ実行可能命令として実装され得る。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、一過性の信号を含むコンピュータ読み取り可能な通信媒体と区別され得る。
【0073】
上記で説明される本発明の実施形態は、例示的にすぎないことを目的としている。