【実施例】
【0029】
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。なお、以下の例で作製されるLDHセパレータの評価方法は以下のとおりとした。
【0030】
評価1:LDHセパレータの同定
X線回折装置(リガク社製 RINT TTR III)にて、電圧:50kV、電流値:300mA、測定範囲:10〜70°の測定条件で、LDHセパレータの結晶相を測定してXRDプロファイルを得た。得られたXRDプロファイルについて、JCPDSカードNO.35−0964に記載されるLDH(ハイドロタルサイト類化合物)の回折ピークを用いて同定を行った。
【0031】
評価2:緻密性判定試験
LDHセパレータがガス不透過性を呈する程の緻密性を有することを確認すべく、緻密性判定試験を以下のとおり行った。まず、
図4A及び4Bに示されるように、蓋の無いアクリル容器130と、このアクリル容器130の蓋として機能しうる形状及びサイズのアルミナ治具132とを用意した。アクリル容器130にはその中にガスを供給するためのガス供給口130aが形成されている。また、アルミナ治具132には直径5mmの開口部132aが形成されており、この開口部132aの外周に沿って試料載置用の窪み132bが形成されてなる。アルミナ治具132の窪み132bにエポキシ接着剤134を塗布し、この窪み132bにLDHセパレータを載置してアルミナ治具132に気密かつ液密に接着させた。そして、LDHセパレータ136が接合されたアルミナ治具132を、アクリル容器130の開放部を完全に塞ぐようにシリコーン接着剤138を用いて気密かつ液密にアクリル容器130の上端に接着させて、測定用密閉容器140を得た。この測定用密閉容器140を水槽142に入れ、アクリル容器130のガス供給口130aを圧力計144及び流量計146に接続して、ヘリウムガスをアクリル容器130内に供給可能に構成した。水槽142に水143を入れて測定用密閉容器140を完全に水没させた。このとき、測定用密閉容器140の内部は気密性及び液密性が十分に確保されており、LDHセパレータ136の一方の側が測定用密閉容器140の内部空間に露出する一方、LDHセパレータ136の他方の側が水槽142内の水に接触している。この状態で、アクリル容器130内にガス供給口130aを介してヘリウムガスを測定用密閉容器140内に導入した。圧力計144及び流量計146を制御してLDHセパレータ136内外の差圧が0.5atmとなる(すなわちヘリウムガスに接する側に加わる圧力が反対側に加わる水圧よりも0.5atm高くなる)ようにして、LDHセパレータ136から水中にヘリウムガスの泡が発生するか否かを観察した。その結果、ヘリウムガスに起因する泡の発生は観察されなかった場合に、LDHセパレータ136はガス不透過性を呈する程に高い緻密性を有するものと判定した。
【0032】
評価3:断面微構造の観察
イオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、IM4000によって、LDHセパレータの断面研磨面を得た後に、この断面研磨面の微構造を走査型電子顕微鏡(SEM、JSM−6610LV、JEOL社製)を用いて10kVの加速電圧で500倍、1000倍、2500倍、5000倍、10000倍の倍率で各1視野ずつ取得し、観察した。
【0033】
評価4:デンドライト短絡確認試験
図5に示されるような測定装置210を構築して亜鉛デンドライトを連続的に成長させる加速試験を行った。具体的には、ABS樹脂の直方体型の容器212を用意して、その中に亜鉛極214a及び銅極214bを互いに0.5cm離間し且つ対向するように配置した。亜鉛極214aは金属亜鉛板であり、銅極214bは金属銅板である。一方、LDHセパレータについてはその外周に沿ってエポキシ樹脂系接着剤を塗布して、中央に開口部を有するABS樹脂製の治具に取り付けて、LDHセパレータ216を含むLDHセパレータ構造体とした。このとき、治具とLDHセパレータの接合箇所で液密性が確保されるように上記接着剤で十分に封止した。そして、容器212内にLDHセパレータ構造体として配置して、亜鉛極214aを含む第一区画215aと銅極214bを含む第二区画215bとを互いにLDHセパレータ216以外の箇所で液体連通を許容しないように隔離した。このとき、エポキシ樹脂系接着剤を用いてLDHセパレータ構造体の外縁3辺(すなわちABS樹脂製の治具の外縁3辺)を容器212の内壁に液密性を確保できるように接着させた。すなわち、LDHセパレータ216を含むセパレータ構造体と容器212の接合部分は液体連通を許容しないように封止された。第一区画215aと第二区画215bにアルカリ水溶液218として5.4mol/LのKOH水溶液を飽和溶解度相当のZnO粉末とともに入れた。亜鉛極214a及び銅極214bを定電流電源の負極と正極にそれぞれ接続するとともに、定電流電源と並列に電圧計を接続した。第一区画215a及び第二区画215bのいずれにおいてもアルカリ水溶液218の水位はLDHセパレータ216の全領域がアルカリ水溶液218に浸漬されるようにし、かつ、LDHセパレータ構造体(治具を含む)の高さを超えない程度とした。こうして構築された測定装置210において、亜鉛極214a及び銅極214bの間に20mA/cm
2の定電流を最大200時間にわたって継続的に流した。その間、亜鉛極214a及び銅極214b間に流れる電圧の値を電圧計でモニタリングし、亜鉛極214a及び銅極214b間における亜鉛デンドライト短絡(急激な電圧低下)の有無を確認した。このとき、100時間以上にわたって短絡が生じなかった場合は「短絡なし」と判定し、100時間未満で短絡が生じた場合は「短絡あり」と判定した。
【0034】
評価5:He透過測定
He透過性の観点からLDHセパレータの緻密性を評価すべく、He透過試験を以下のとおり行った。まず、
図6A及び
図6Bに示されるHe透過度測定系310を構築した。He透過度測定系310は、Heガスを充填したガスボンベからのHeガスが圧力計312及び流量計314(デジタルフローメーター)を介して試料ホルダ316に供給され、この試料ホルダ316に保持されたLDHセパレータ318の一方の面から他方の面に透過させて排出させるように構成した。
【0035】
試料ホルダ316は、ガス供給口316a、密閉空間316b及びガス排出口316cを備えた構造を有するものであり、次のようにして組み立てた。まず、LDHセパレータ318の外周に沿って接着剤322を塗布して、中央に開口部を有する治具324(ABS樹脂製)に取り付けた。この治具324の上端及び下端に密封部材326a,326bとしてブチルゴム製のパッキンを配設し、さらに密封部材326a,326bの外側から、フランジからなる開口部を備えた支持部材328a,328b(PTFE製)で挟持した。こうして、LDHセパレータ318、治具324、密封部材326a及び支持部材328aにより密閉空間316bを区画した。支持部材328a,328bを、ガス排出口316c以外の部分からHeガスの漏れが生じないように、ネジを用いた締結手段330で互いに堅く締め付けた。こうして組み立てられた試料ホルダ316のガス供給口316aに、継手332を介してガス供給管334を接続した。
【0036】
次いで、He透過度測定系310にガス供給管334を経てHeガスを供給し、試料ホルダ316内に保持されたLDHセパレータ318に透過させた。このとき、圧力計312及び流量計314によりガス供給圧と流量をモニタリングした。Heガスの透過を1〜30分間行った後、He透過度を算出した。He透過度の算出は、単位時間あたりのHeガスの透過量F(cm
3/min)、Heガス透過時にLDHセパレータに加わる差圧P(atm)、及びHeガスが透過する膜面積S(cm
2)を用いて、F/(P×S)の式により算出した。Heガスの透過量F(cm
3/min)は流量計314から直接読み取った。また、差圧Pは圧力計312から読み取ったゲージ圧を用いた。なお、Heガスは差圧Pが0.05〜0.90atmの範囲内となるように供給された。
【0037】
例1
(1)高分子多孔質基材の準備
気孔率60%、平均気孔径0.05μm及び厚さ20μmの市販のポリプロピレン製多孔質基材を、2.0cm×2.0cmの大きさになるように切り出した。
【0038】
(2)高分子多孔質基材へのアルミナ・チタニアゾルコート
無定形アルミナ溶液(Al−ML15、多木化学株式会社製)と酸化チタンゾル溶液(M6、多木化学株式会社製)をTi/Al(モル比)=2となるように混合して混合ゾルを作製した。上記(1)で用意された基材をエタノール中へ1分間含浸させた後、基材が乾燥しないように素早く混合ゾル中へ移し、基材に混合ゾルをディップコートにより塗布した。ディップコートは、混合ゾル100mlに基材を浸漬させてから垂直に引き上げ、90℃の乾燥機中で5分間乾燥させることにより行った。
【0039】
(3)原料水溶液の作製
原料として、硝酸ニッケル六水和物(Ni(NO
3)
2・6H
2O、関東化学株式会社製、及び尿素((NH
2)
2CO、シグマアルドリッチ製)を用意した。0.015mol/Lとなるように、硝酸ニッケル六水和物を秤量してビーカーに入れ、そこにイオン交換水を加えて全量を75mlとした。得られた溶液を攪拌した後、溶液中に尿素/NO
3−(モル比)=16の割合で秤量した尿素を加え、更に攪拌して原料水溶液を得た。
【0040】
(4)水熱処理による成膜
テフロン(登録商標)製密閉容器(オートクレーブ容器、内容量100ml、外側がステンレス製ジャケット)に原料水溶液とディップコートされた基材を共に封入した。このとき、基材はテフロン(登録商標)製密閉容器の底から浮かせて固定し、基材両面に溶液が接するように水平に設置した。その後、水熱温度120℃で24時間水熱処理を施すことにより基材表面と内部にLDHの形成を行った。所定時間の経過後、基材を密閉容器から取り出し、イオン交換水で洗浄し、70℃で10時間乾燥させて、多孔質基材の孔内にLDHを形成させた。こうして、LDHセパレータを得た。
【0041】
(5)評価結果
得られたLDHセパレータに対して以下の評価1〜5を行った。評価1の結果、本例のLDHセパレータは、LDH(ハイドロタルサイト類化合物)であることが同定された。評価2の結果、本例のLDHセパレータは、ヘリウムガスに起因する泡の発生は観察されなかった。評価3の結果、
図7A及び7Bに示されるように、本例のLDHセパレータは、1対のLDHセパレータ本体部の間にLDHが無いか又は欠乏している内部多孔層が存在することが確認された。評価4及び5の結果は表1に示されるとおりであった。
【0042】
例2
上記(2)においてエタノールへの含浸を経ることなく、基材への混合ゾルのディップコートを行ったこと以外は、例1と同様にして、内部多孔層の無いLDHセパレータ層を作製した。こうして作製された2枚のLDHセパレータ層を積層して1対のPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラー(登録商標)、厚さ40μm)で挟み、ロール回転速度3mm/s、ローラ加熱温度100℃、ロールギャップ150μmにてロールプレスを行って、剥離性界面層を含むLDHセパレータを得た後、例1と同様にしてLDHセパレータの評価を行った。評価1の結果、本例のLDHセパレータは、LDH(ハイドロタルサイト類化合物)であることが同定された。評価2の結果、本例のLDHセパレータは、ヘリウムガスに起因する泡の発生は観察されなかった。評価3の結果、
図8に示されるように、本例のLDHセパレータは、1対のLDHセパレータ本体部の間に2つのLDHセパレータ本体部が剥離可能に接触する剥離性界面層が存在することが確認された。評価4及び5の結果は表1に示されるとおりであった。また、
図10に評価4におけるデンドライト短絡確認試験後のLDHセパレータの状態を撮影した断面SEM画像を示す。図中、Dなる符号はデンドライトを意味する。
【0043】
例3
上記(2)においてエタノールへの含浸を経ることなく、基材への混合ゾルのディップコートを行ったこと以外は、例1と同様にして、内部多孔層の無いLDHセパレータ層を作製した。こうして作製された2枚のLDHセパレータ層を互いに約5μm程度離間させて隣り合うように配置させて、内部空間層を含む全体として1つのLDHセパレータを得た後、例1と同様にしてLDHセパレータの評価を行った。評価1の結果、本例のLDHセパレータは、LDH(ハイドロタルサイト類化合物)であることが同定された。評価2の結果、本例のLDHセパレータは、ヘリウムガスに起因する泡の発生は観察されなかった。評価3の結果、
図9に示されるように、本例のLDHセパレータは、1対のLDHセパレータ本体部の間
にLDH及び多孔質基材が存在しない内部空間層が存在することが確認された。評価4及び5の結果は表1に示されるとおりであった。
【0044】
例4(比較)
上記(2)においてエタノールへの含浸を経ることなく、基材への混合ゾルのディップコートを行ったこと以外は、例1と同様にして内部多孔層の無いLDHセパレータを作製し、例1と同様にしてLDHセパレータの評価を行った。評価1の結果、本例のLDHセパレータは、LDH(ハイドロタルサイト類化合物)であることが同定された。評価2の結果、本例のLDHセパレータは、ヘリウムガスに起因する泡の発生は観察されなかった。評価3の結果、本例のLDHセパレータは、単層のLDHセパレータでのみからなり、デンドライト緩衝層と見受けられる層は存在しなかった。評価4及び5の結果は表1に示されるとおりであった。
【0045】
例5
下記a)〜c)以外は、例1と同様にしてLDHセパレータの作製及び評価を行った。
a)上記(1)の高分子多孔質基材として、気孔率40%、平均気孔径0.05μm及び厚さ20μmの市販のポリエチレン製多孔質基材にしたこと。
b)上記(3)の原料として、硝酸ニッケル六水和物の代わりに、硝酸マグネシウム六水和物(Mg(NO
3)
2・6H
2O、関東化学株式会社製)を用い、0.03mol/Lとなるように、硝酸マグネシウム六水和物を秤量してビーカーに入れ、そこにイオン交換水を加えて全量を75mlとし、得られた溶液を攪拌した後、溶液中に尿素/NO
3−(モル比)=8の割合で秤量した尿素を加え、更に攪拌して原料水溶液を得たこと。
c)上記(4)の水熱温度を90℃としたこと。
【0046】
評価1の結果、本例のLDHセパレータは、LDH(ハイドロタルサイト類化合物)であることが同定された。評価2の結果、本例のLDHセパレータは、ヘリウムガスに起因する泡の発生は観察されなかった。評価3の結果、例1と同様にように、本例のLDHセパレータは、1対のLDHセパレータ本体部の間にLDHが無いか又は欠乏している内部多孔層が存在することが確認された。評価4及び5の結果は表1に示されるとおりであった。
【0047】
例6
下記a)〜d)以外は、例1と同様にして内部多孔層の無いLDHセパレータ層を作製した。
a)上記(1)の高分子多孔質基材として、気孔率40%、平均気孔径0.05μm及び厚さ20μmの市販のポリエチレン製多孔質基材にしたこと。
b)上記(2)においてエタノールへの含浸を経ることなく、基材への混合ゾルのディップコートを行ったこと。
c)上記(3)の原料として、硝酸ニッケル六水和物の代わりに、硝酸マグネシウム六水和物(Mg(NO
3)
2・6H
2O、関東化学株式会社製)を用い、0.03mol/Lとなるように、硝酸マグネシウム六水和物を秤量してビーカーに入れ、そこにイオン交換水を加えて全量を75mlとし、得られた溶液を攪拌した後、溶液中に尿素/NO
3−(モル比)=8の割合で秤量した尿素を加え、更に攪拌して原料水溶液を得たこと。
d)上記(4)の水熱温度を90℃としたこと。
【0048】
こうして作製された2枚のLDHセパレータ層を積層して1対のPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラー(登録商標)、厚さ40μm)で挟み、ロール回転速度3mm/s、ローラ加熱温度100℃、ロールギャップ150μmにてロールプレスを行って、剥離性界面層を含むLDHセパレータを得た後、例1と同様にしてLDHセパレータの評価を行った。評価1の結果、本例のLDHセパレータは、LDH(ハイドロタルサイト類化合物)であることが同定された。評価2の結果、本例のLDHセパレータは、ヘリウムガスに起因する泡の発生は観察されなかった。評価3の結果、例2と同様に、本例のLDHセパレータは、1対のLDHセパレータ本体部の間に2つのLDHセパレータ本体部が剥離可能に接触する剥離性界面層が存在することが確認された。評価4及び5の結果は表1に示されるとおりであった。
【0049】
例7
下記a)〜d)以外は、例1と同様にして内部多孔層の無いLDHセパレータ層を作製した。
a)上記(1)の高分子多孔質基材として、気孔率40%、平均気孔径0.05μm及び厚さ20μmの市販のポリエチレン製多孔質基材にしたこと。
b)上記(2)においてエタノールへの含浸を経ることなく、基材への混合ゾルのディップコートを行ったこと。
c)上記(3)の原料として、硝酸ニッケル六水和物の代わりに、硝酸マグネシウム六水和物(Mg(NO
3)
2・6H
2O、関東化学株式会社製)を用い、0.03mol/Lとなるように、硝酸マグネシウム六水和物を秤量してビーカーに入れ、そこにイオン交換水を加えて全量を75mlとし、得られた溶液を攪拌した後、溶液中に尿素/NO
3−(モル比)=8の割合で秤量した尿素を加え、更に攪拌して原料水溶液を得たこと。
d)上記(4)の水熱温度を90℃としたこと。
【0050】
こうして作製された2枚のLDHセパレータ層を互いに約5μm程度離間させて隣り合うように配置させて、内部空間層を含む全体として1つのLDHセパレータを得た後、例1と同様にしてLDHセパレータの評価を行った。評価1の結果、本例のLDHセパレータは、LDH(ハイドロタルサイト類化合物)であることが同定された。評価2の結果、本例のLDHセパレータは、ヘリウムガスに起因する泡の発生は観察されなかった。評価3の結果、例3と同様に、本例のLDHセパレータは、1対のLDHセパレータ本体部の間
にLDH及び多孔質基材が存在しない内部空間層が存在することが確認された。評価4及び5の結果は表1に示されるとおりであった。
【0051】
例8(比較)
下記a)〜c)以外は、例1と同様にして内部多孔層の無いLDHセパレータを作製しし、例1と同様にしてLDHセパレータの評価を行った。
a)上記(1)の高分子多孔質基材として、気孔率40%、平均気孔径0.05μm及び厚さ20μmの市販のポリエチレン製多孔質基材にしたこと。
b)上記(2)においてエタノールへの含浸を経ることなく、基材への混合ゾルのディップコートを行ったこと。
c)上記(3)の原料として、硝酸ニッケル六水和物の代わりに、硝酸マグネシウム六水和物(Mg(NO
3)
2・6H
2O、関東化学株式会社製)を用い、0.03mol/Lとなるように、硝酸マグネシウム六水和物を秤量してビーカーに入れ、そこにイオン交換水を加えて全量を75mlとし、得られた溶液を攪拌した後、溶液中に尿素/NO
3−(モル比)=8の割合で秤量した尿素を加え、更に攪拌して原料水溶液を得たこと。
d)上記(4)の水熱温度を90℃としたこと。
【0052】
評価1の結果、本例のLDHセパレータは、LDH(ハイドロタルサイト類化合物)であることが同定された。評価2の結果、本例のLDHセパレータは、ヘリウムガスに起因する泡の発生は観察されなかった。評価3の結果、本例のLDHセパレータは、単層のLDHセパレータでのみからなり、デンドライト緩衝層と見受けられる層は存在しなかった。評価4及び5の結果は表1に示されるとおりであった。
【0053】
【表1】