【実施例】
【0094】
発明を実施するための形態
【0095】
以下、実施例を挙げて本出願をより詳細に説明する。しかし、これらの実施例は本出願を例示的に説明するためのものであり、本出願がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0096】
(空白)
【0097】
実施例1:微生物ラクトバチルス・サケイCJLS03菌株の分離及び同定
【0098】
(空白)
【0099】
新規なラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)菌株である本出願のCJLS03は、韓国の伝統食品であるキムチから分離し、基本特性検査と安全性検査によりプロバイオティクス候補菌株として選抜した。ラクトバチルス・サケイCJLS03は、20%グリセリンと混合して−80℃の急速冷凍庫に保管し、試験に用いる際はMRS固体又は液体培地で18時間〜48時間培養して用いた。
【0100】
本出願のラクトバチルス・サケイCJLS03は、微生物の同定及び分類のための16S rRNA塩基配列解析の結果、ラクトバチルス・サケイ標準菌株(Lactobacillus sakei gene for 16S ribosomal RNA, partial sequence, strain: qz1215)と最も高い相同性(99.9%)を示し、最も高い分子系統学的類縁関係を示すことが確認された。
【0101】
その結果、前記過程で選択した新規な微生物をラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)と同定し、ラクトバチルス・サケイCJLS03と命名し、ブダペスト条約上の国際寄託機関である韓国微生物保存センター(KCCM)に2016年9月26日付けで寄託番号(KCCM11905P)として寄託した。ラクトバチルス・サケイCJLS03の16S rRNA遺伝子の塩基配列は、本明細書に添付の配列表の配列番号:1の通りである。
【0102】
(空白)
【0103】
本出願のラクトバチルス・サケイCJLS03は、グラム陽性菌であり、好気的条件と嫌気的条件の両方で成長が可能な通性嫌気性(facultative anaerobe)であり、胞子を形成せず、運動性がなく、細胞の形態は桿菌である。ラクトバチルス・サケイCJLS03のより具体的な形態及び生理学的特性は、公知の方法で分析した結果、表1の通りであった。当該菌株の糖利用能は、API50CH及びAPI50CHLキット(ビオメリュー社製)を用いて判定した。結果として確認されたCJLS03菌株の形態及び生理学的特性を共に表1に示す。
【0104】
【表1-1】
【表1-2】
【0105】
(空白)
【0106】
+:陽性反応
【0107】
−:陰性反応
【0108】
(空白)
【0109】
実施例2:In vitro発酵による短鎖脂肪酸の確認実験
【0110】
(空白)
【0111】
In vitro発酵は、一般食餌を与えたマウス糞便/盲腸サンプルをそれぞれ乳酸菌株と共培養(co-culture)して短鎖脂肪酸の変化量を測定することにより菌株の腸内短鎖脂肪酸生成能を調査できる比較的簡単な試験方法であり、糞便サンプルを用いたin vitro発酵は既に公知の方法である(Yang et al., 2013, Salazar et al., 2009, Hughes et al 2008)。しかし、前記in vitro発酵方法は、腸内で吸収された後の糞便が基質として用いられるので、乳酸菌による発酵を試みる際に基質の量が十分でなく、発酵が適切に行われないという問題がある。よって、本試験においては、ブタの盲腸内容物により腸内代謝物質を研究する公知の方法(Labib et al., 2004)で、糞便より基質が豊富な盲腸内容物を用いたIn vitro発酵により実験を行った。
【0112】
具体的には、抗生剤及びプロバイオティクス処理を行っていない正常食餌投与マウスの盲腸内容物を回収し、直ちに嫌気パック(anaerobic pack, MGC)の入ったジッパーバックに入れ、実験を行うまで−80℃で保管した(Yang et al., 2013)。実験時に前述したように保管したサンプルを嫌気チャンバ(Coy laboratory)で溶解し、滅菌したPBSを1:2(w/v)で入れて2分間均質化した。実験に用いた試験群と対照群を表2に示す。
【0113】
【表2】
【0114】
(空白)
【0115】
短鎖脂肪酸を分析するために、公知のSCFA分析方法を用いた。具体的な方法は次の通りである。シグマ(Sigma(Supelco))社の揮発性脂肪酸混合物(volatile fatty acid mixture(ultrapure))を用いて、標準曲線(standard curve)とピーク検出の保持時間(retention time)を分析し、その後糞便と血液から短鎖脂肪酸を抽出し、標準曲線と対照して分析を行った。短鎖脂肪酸の抽出は公知の方法により行った(Schwiertz et al., 2010)。シュウ酸0.1mole/Lとアジ化ナトリウム(sodium azide)40mmole/Lが入った抽出液をサンプル(最大80mg)に混ぜ、次いで常温で1時間振盪培養(shaking incubation)し、その後遠心分離により上清を分離した。その後、遠心分離により得られた上清をGC(Shimadzu GC2010)とFID(flame ionized detector)により分析した。用いられたカラムはHP INNO−WAS 30m×32mmであり、splitter温度260℃、FID 260℃、カラム温度100℃から180℃まで25℃/mの速度、27.1psiの圧力で分析を行った。
【0116】
本実施例においては、表2に示す菌株を均質化した各盲腸サンプルに5×10
8CFU接種し、その後37℃の嫌気環境で最大24時間振盪培養(shaking incubation)した。培養中、各グループから3時間後、6時間後に培養物をサンプリングし、前記SCFA分析方法により各グループ内のSCFAを分析した。
【0117】
図1は各グループを盲腸サンプルで3時間培養し、その後測定したブチレート、アセテート及びプロピオネート量を示すグラフであり、
図2は各グループを盲腸サンプルで6時間培養し、その後測定したブチレート、アセテート及びプロピオネート量を示すグラフである。
【0118】
図1及び
図2に示すように、本出願によるラクトバチルス・サケイCJLS03を培養することにより生成された短鎖脂肪酸(アセテート、プロピオネート及びブチレート)の量は、従来周知のラクトバチルス菌株であるOK101又はLGGを培養することにより生成された短鎖脂肪酸の量より多かった。また、
図1と
図2を比較すると、短鎖脂肪酸の量的な差は、3時間培養したものより6時間培養したもののほうが大きかった。
【0119】
すなわち、本出願によるラクトバチルス・サケイCJLS03は、盲腸などの腸内で短鎖脂肪酸の生成を促進し、短鎖脂肪酸の量を増加させることが確認された。
【0120】
(空白)
【0121】
実施例3:In vitro発酵による菌叢変化の確認実験
【0122】
(空白)
【0123】
代謝性疾患と腸内菌叢の相関関係に関する研究によれば、バクテロイデス(Bacteroidetes)とフィルミクテス(Firmicutes)の相対量は代謝性疾患と関連性が高い。特に、腸内菌叢内のフィルミクテスの相対量は肥満又は代謝性疾患の発症率に比例することが報告されている。
【0124】
本実施例においては、乳酸菌が適用された盲腸サンプル内に形成される微生物を分析した。
【0125】
具体的には、抗生剤及びプロバイオティクス処理を行っていない正常食餌投与マウスの盲腸内容物を回収し、直ちに嫌気パック(anaerobic pack, MGC)の入ったジッパーバックに入れ、実験を行うまで−80℃で保管した(Yang et al., 2013)。実験時に保管したサンプルを嫌気チャンバ(Coy laboratory)で溶解し、滅菌したPBSを1:2(w/v)で入れて2分間均質化した。実験に用いた試験群と対照群を表3に示す。
【0126】
【表3】
【0127】
(空白)
【0128】
表3に示す準備した各菌株を均質化した盲腸サンプルに5×10
8CFU接種した。陰性対照群としては、滅菌したPBSを用いた。盲腸サンプルに接種した菌株は、37℃の嫌気環境で最大24時間振盪培養(shaking incubation)した。培養6時間後に各グループから培養物をサンプリングした。サンプリングしたマウスの盲腸内容物を、溶解バッファ(Promega ReliaPrep lysis buffer)600ulと0.3gの0.1mmジルコニウム/シリカ(zirconium/silica)ビーズ(bead)を用いてビーズビーティング(bead beating(Biospec, 607))した。ビーズビーティングが完了したサンプルを遠心分離し、その後その上清を採取して当該キットのマニュアルに従ってRNAを抽出した。
【0129】
最終20ulのelute bufferに抽出されたRNAをPromega GoScript逆転写システムでcDNAに逆転写し、その後タカラ(takara)RR820 SYBR Master Mixを用いてABI stepone plus又はABI7500 quantitative real time PCR機器によりサンプル内の菌叢を分析した。公知の方法(Bergstrom et al., 2012)であるGULDA(Gut Low-Density Array)を用いて、逆転写したDNA試料においてreal−time PCRにより菌叢を分析した。
【0130】
また、GULDA方法で標準化したprimerを用いて当該taxaのバクテリアを定量し、全バクテリア(universal bacteria)定量値及び各バクテリアの対照群の定量値を基準に、Delta delta Ct分析法で相対定量を行って分析した。
【0131】
図3は各グループを盲腸サンプルで6時間培養し、その後測定したフィルミクテスの相対量を示すグラフであり、
図4は各グループを盲腸サンプルで6時間培養し、その後測定したバクテロイデスの相対量を示すグラフである。
【0132】
図3及び
図4に示すように、本出願のラクトバチルス・サケイCJLS03を盲腸サンプルで6時間培養したものにおいて、菌叢内のフィルミクテス属微生物の量は減少したのに対して、バクテロイデス属微生物の量は増加することが確認された。しかし、従来周知のラクトバチルス菌株であるOK101又はLGGを培養したものにおいて、菌叢内のフィルミクテス属微生物の量は減少しなかったか、減少したとしても減少量は少なく、バクテロイデス属微生物の量は増加しなかった。
【0133】
また、
図5は各グループを盲腸サンプルで6時間培養し、その後測定したフィルミクテスとバクテロイデスの相対比率を示すグラフである。
【0134】
図5に示すように、本出願のラクトバチルス・サケイCJLS03を培養した盲腸サンプル内のバクテロイデスに対するフィルミクテスの比率は、他のラクトバチルス・サケイを用いたものに比べて非常に低いレベルであった。すなわち、本出願のラクトバチルス・サケイCJLS03は、腸内のバクテロイデスに対するフィルミクテスの比率を下げることができるので、肥満抑制効果と代謝疾患の予防又は治療効果を有することが確認された。
【0135】
また、
図6は各グループを盲腸サンプルで6時間培養し、その後測定したビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)の相対量を示すグラフである。ビフィドバクテリウムは、ラクトバチルスと共に代表的な腸内有益菌である。
【0136】
図6に示すように、本出願のラクトバチルス・サケイCJLS03を培養したものにおいて、ビフィドバクテリウムの量が大きく増加することが確認された。すなわち、本出願のラクトバチルス・サケイCJLS03は、従来公知の菌株に比べて、抗肥満効果、代謝疾患の予防及び治療効果を発揮すると共に腸内有益菌を増加させることができる。
【0137】
(空白)
【0138】
実施例4:ラクトバチルス・サケイCJLS03菌株の抗肥満効果に関する高脂肪食餌肥満誘導マウス動物実験
【0139】
(空白)
【0140】
1)投与方法及び試験期間
【0141】
全ての動物は入庫時から1週間の馴化過程を含む6週間の肥満誘導期間を経て、その後群分離当日(day 0)から6週間、グループ別に一般食餌(陰性対照群)と高脂肪食餌(陽性対照群及び試験群)に食餌を分けて給餌するが、食餌と飲料水は自由に摂取(ad libitum)させた。本出願によるCJLS03は濃度別に群を構成し(低:10
8CFU,中:10
9CFU,高:10
10CFU)、一般食餌対照群と高脂肪食餌対照群以外にも、正確な効果確認のために、市販薬物であるFDA承認抗肥満医薬品オルリスタット(製品名:ゼニカル)と機能性食品ガルシニアカンボジアを実験群に加えて乳酸菌の抗肥満機能と比較した。詳細な群構成を表4に示す。
【0142】
【表4】
【0143】
(空白)
【0144】
投与の際に、乳酸菌をPBSに均質に懸濁し、10ml/kgの投与ボリュームで1日2回、所定時間帯(午前10:00〜11:00,午後17:00〜18:00)に7週間経口投与し、対照群は同量の溶媒ビヒクル(PBS)のみ1日2回、7週間経口投与した。午前と午後の投薬菌株は、実験物質を新しく調製して投与した。全ての菌株は活性状態を保持するために冷蔵条件下で保管し、菌株試料洗浄及び溶液作製用PBSは冷蔵保管したものを用いた。各群の実験動物は、試験終了日(day 49)に16時間絶食させて屠殺し、血液生化学検査と組織学的評価分析に用いた。
【0145】
(空白)
【0146】
2)体重測定及び飼料摂取量測定
【0147】
試験個体の経時的体重変化を確認するために、肥満誘導期間(6週)は毎週1回、試験物質投与期間(7週)は毎週2回、一定時刻に測定した。1日飼料摂取量は、試験期間中に毎週1回(体重測定時)、一定時刻に給与量を測定し、24時間経過後に残量を測定し、給与量から残量を引いて計算した。
【0148】
図7は前記実施例により測定された各グループの体重変化を示すグラフである。
【0149】
図7に示すように、体重増加抑制効果の発現時期と抑制の程度を総合的に分析すると、投与された本出願のラクトバチルス・サケイCJLS03の濃度が高いほど、体重増加抑制効果が優れることが確認された。特に、ラクトバチルス・サケイCJLS03の体重増加抑制効果は、抗肥満機能性食品素材であるガルシニアより高いレベルであっただけでなく、FDA承認抗肥満薬品であるオルリスタットと同等のレベルであった。
【0150】
図8は前記実施例により測定された各グループの飼料摂取量を示すグラフであり、7週間にわたって週1回測定した1日飼料摂取量(daily food intake)を示すグラフである。
【0151】
図8に示すように、OLS群を除く全てのグループの飼料摂取量は、ND群と比較して全般的に低いか同等であり、7週間にわたって大きな増加、減少はなく、全般的に一定レベルを維持している。これは、オルリスタットを除く飼料添加剤が動物の飼料摂取量には大きな影響を及ぼさないことを示すものである。
【0152】
これらの結果をまとめると、本出願のラクトバチルス・サケイCJLS03が投与されたグループは、他のグループと同等の飼料摂取量を示すにもかかわらず、他のグループに比べて体重増加の幅が大きくなかった。すなわち、本出願のラクトバチルス・サケイCJLS03は、公知の抗肥満素材より優れた抗肥満効果を有し、その濃度が高いほど抗肥満効果がさらに向上することが確認された。
【0153】
(空白)
【0154】
3)剖検及び血液生化学検査
【0155】
実施例4−1の実験終了日(day 49)に実験動物を16時間絶食させて屠殺し、剖検を行った。全ての実験動物個体は、エーテル吸入麻酔下で、眼窩静脈叢からヘパリン未処理の毛細管(capillary tube)を用いて約500〜700ulずつ全採血した。採取した血液は、SST tubeに入れて室温下で30分〜1時間程度の凝固過程を経て4℃、4000rpmで10分間遠心分離して血清を分離し、その後分析時まで−80℃で保管した。分離された血清中のGLU(glucose)、TG(triglyceride)、TC(total cholesterol)、LDL(low-density lipoprotein cholesterol)、HDL(high-density lipoprotein cholesterol)、AST(GOT, Glutamate Oxaloacetate Transaminase)、ALT(GPT, Glutamate Pyruvate Transaminase)、CREA(creatinine)及びLDH(lactate dehydrogenase)の量をそれぞれ自動血液生化学分析装置(Accute TBA-40FR, Toshiba Medical System Co., Japan)で測定した。
【0156】
図9は前記実施例により測定された実験個体の血液成分を示す表である。
【0157】
図9に示すように、高脂肪飼料を与えたグループにおいて測定された血中グルコース、TC、LDL及びHDLの濃度は、一般飼料を与えたNDグループにおいて測定されたものより全般的に高いレベルであった。しかし、高脂肪飼料と共にオルリスタット又はCJLS03を与えたOLSグループ又はCJLS03グループにおいて測定された血中グルコース、TC、LDL及びHDLの濃度は、HFDグループ又はGCグループにおいて測定されたものより大きく減少することが確認された。また、CJLS03グループにおいて測定された肝臓、心臓、骨格筋又は腎臓疾患に対する指標である血中LDH濃度、ALT濃度及びクレアチン濃度は、全てNDグループにおいて測定されたものと同等であった。すなわち、CJLS03を摂取しても、腎臓、肝臓、心臓、及び骨格筋の機能には副作用がないことが確認された。特に、肝疾患の指標として知られるALT濃度は通常40u/l以下が正常であるが、オルリスタット又はガルシニアを与えたOLSグループ又はGCグループにおいて測定されたALTの濃度は40u/l以上であった。これは、添加剤を加えずに高脂肪飼料のみ与えたHFDグループにおいて測定されたALT濃度と同等のレベルであった。しかし、CJLS03を与えたグループにおいて測定されたALT濃度は、一般飼料を与えたNDグループにおいて測定されたものと同等のレベルであった。すなわち、従来から抗肥満効果を有することが知られている素材は肝損傷又は肝疾患をもたらすリスクがあるのに対して、CJLS03は優れた抗肥満効果を有するだけでなく、肝損傷を予防又は治療できることが確認された。
【0158】
(空白)
【0159】
4)臓器脂肪の重量測定
【0160】
血液採取後に目視検査により内部臓器の異常の有無を確認し、脂肪組織(副睾丸周囲脂肪,皮下脂肪,腸間膜脂肪)を摘出した。各脂肪組織は、生理食塩水で洗浄し、濾紙で水分を除去し、その後電子天秤で各脂肪組織の重量を測定した。また、体重100g当たりの臓器重量として、剖検前の絶食した体重に対するそれぞれの相対重量を算出した(計算式:相対臓器重量(%)=臓器重量(g)/剖検前絶食体重(g)×100)。前記絶食体重は、16時間絶食させて測定した重量であり、実験群を屠殺する前に測定した。
【0161】
図10は各グループの体重及び脂肪組織の重量を示すグラフであり、
図11は各グループの体重に対する脂肪組織の相対重量を示す表である。
【0162】
図10及び
図11に示すように、OLSグループ及びCJLS03グループの絶食体重及び脂肪組織の重量は、HFDグループの絶食体重及び脂肪組織の重量より減少した。特に、HFDグループと比較して、CJLS03グループの皮下脂肪及び腸間膜脂肪の重量は大きく減少し、それらはOLSグループと同等か、より大きな減少幅を示した。すなわち、本出願のラクトバチルス・サケイCJLS03は、体重及び脂肪増加を抑制する効果を有し、CJLS03の抗肥満効果は、抗肥満薬物として知られるオルリスタットと同等か、より優れたレベルであることが確認された。
【0163】
(空白)
【0164】
5)組織学的評価
【0165】
NDグループ、HFDグループ、OLSグループ、GCグループ及びCJLS03高濃度グループの肝組織について組織学的分析を行った。各グループの肝組織をパラフィン包埋し、その後ミクロトーム(microtome)でパラフィンブロックを4μmの厚さに薄切した。その後、キシレン(xylene)を用いてパラフィンを除去し、100、95、90、80、70%アルコールで親水化処理し、次いでhematoxylin & eosin(H & E)で染色し、再度系列アルコールで脱水過程を経て封入し、光学顕微鏡((Olympus MVX10 microscope, equipped with a DC71 camera, Center Valley, PA) Olympus, Japan)を用いて組織学的評価を行った。
【0166】
図12はNDグループ、HFDグループ、OLSグループ、GCグループ及びCJLS03高濃度グループの肝組織に対する組織学的分析写真である。
【0167】
図12に示すように、一般飼料を与えたNDグループの肝組織においては白色の脂肪粒子が認められなかったが、高脂肪飼料を与えたHFDグループの肝組織は白色の脂肪粒子を多数含んでいた。GCグループの肝組織も多数の脂肪粒子を含んでおり、HFDグループの肝組織と同等であった。しかし、OLSグループとCJLS03グループの肝組織においては脂肪粒子がほとんど認められず、一般飼料を与えたNDグループと同等であった。すなわち、本出願のラクトバチルス・サケイCJLS03は、肝組織の脂肪蓄積を抑制し、脂肪肝を改善することが確認された。
【0168】
(空白)
【0169】
6)脂肪細胞の大きさの測定
【0170】
脂肪細胞の大きさの測定は、抗肥満効果を立証する効果的な方法としてよく知られている。各実験グループ(CJLS03は高濃度グループ)から選択した5個体の組織スライドから脂肪細胞の写真を得た。
図14は各グループの脂肪細胞を示す写真である。脂肪細胞の写真はScion image program(derived from NIH Image)を用いて分析し、1個体当たり2つの脂肪細胞の大きさの平均値を算出した。
【0171】
図13は各グループの脂肪細胞の大きさを示すグラフである。
図13において、各グループの脂肪細胞の大きさは、HFDグループの脂肪細胞に対する相対的割合で示す。
【0172】
図13に示すように、OLSグループ及びCJLS03グループの脂肪細胞の大きさは、HFDグループ及びGCグループの脂肪細胞に比べて大きく減少することが確認された。脂肪細胞の由来組織によって多少差はあるが、CJLS03グループの脂肪細胞の大きさは、HFDグループの脂肪細胞の40〜70%のレベルに減少した。
【0173】
すなわち、本出願のラクトバチルス・サケイCJLS03は、脂肪重量を減少させるだけでなく、脂肪細胞の大きさも減少させることができる。
【0174】
(空白)
【0175】
実施例5:ラクトバチルス・サケイCJLS03(Lactobacillus sakei CJLS03)を含む生菌剤の製造
【0176】
(空白)
【0177】
実施例1で同定されたプロバイオティクス、ラクトバチルス・サケイCJLS03(Lactobacillus sakei CJLS03)を医薬品、食品、飼料、飼料添加剤又は化粧品の原料として適用するために大量生産し、それを凍結乾燥させて生菌剤にした。
【0178】
菌の生産のために、MRS液体培地(Difco)において25%NaOH溶液を用いてpHを6.0に調節し、37℃で約18時間培養し、遠心分離を行って菌体を回収した。回収した菌体は、デキストリン5%と脱脂牛乳10%を凍結保護剤として用いて、−40℃で凍結し、その後37℃で乾燥菌体をミキサーで粉砕して粉体化した。粉体化した生菌は、目標とする菌数に応じて、保管のために適量のグルコース、ラクトース、脱脂牛乳などの賦形剤と混合し、密封可能なアルミニウムパウチに入れて包装した。
【0179】
このように製造された生菌剤は、飼料の原料として用いられる穀粉と混合して飼料用生菌剤としたり、担体又は添加剤などを混合して錠剤、カプセルなどの医薬品、食品用生菌剤としたり、化粧品に用いられる原料に所定量を混合することにより、医薬品、食品、飼料、化粧品など様々な分野において当該技術分野における通常の方法で活用することができる。
【0180】
(空白)
【0181】
以上の説明から、本出願の属する技術分野の当業者であれば、本出願がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施できることを理解するであろう。なお、前記実施例はあくまで例示的なものであり、限定的なものでないことを理解すべきである。本出願の範囲は、前記詳細な説明ではなく後述する特許請求の範囲の意味及び範囲とその等価概念から導かれるあらゆる変更や変形された形態が含まれるものと解釈すべきである。
【0182】
【表5】