【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、本発明は、認証可能なメッセージを提供するための方法に関し、以下の方法ステップを有する。
−メッセージの反復メッセージコンテンツを決定するステップ。
−反復メッセージコンテンツに基づいてメッセージに対する部分認証符号(Teilauthentierundscodes)を計算するステップであって、反復メッセージコンテンツの認証のために、メッセージの少なくとも1つの部分に対する第1の認証符号が、部分認証符号の少なくとも1つの部分から計算可能であるステップ。そして、
−メッセージを提供するステップであって、メッセージが反復メッセージコンテンツおよびそれぞれ部分認証符号の少なくとも1つを含むステップ。
【0008】
以下の記載では特に明記されていない限り、用語「実行する」、「計算する(berechnen)」、「コンピュータ支援の」、「演算する(rechnen)」、「確定する」、「生成する」、「構成する」、「再構築する」、等は、好ましくは、データを変更および/または生成および/またはこれらのデータを他のデータに変換する、処理および/またはプロセスおよび/または処理ステップに関するものであり、ここでこれらのデータは特に物理的な大きさとして、たとえば電気的なパルスとして、表わされるかまたは存在する。特に「コンピュータ」なる表現は、できるかぎり広く解釈されるべきものであり、特に、データ処理機能を有する全ての電子機器をカバーするものである。こうしてコンピュータは、たとえばパーソナルコンピュータ、サーバ、可搬型コンピュータシステム、ポケットPC機器、モバイル通信機器、および他の、コンピュータ支援でデータを処理できる通信機器、プロセッサおよび他のデータ処理用の電子機器であってよい。
【0009】
「コンピュータ支援」とは、本発明に関しては、たとえば上記の方法を実装することであると理解されてよく、ここでは特にプロセッサが少なくとも1つの方法ステップを実行する。
【0010】
プロセッサとは、本発明に関しては、たとえば機械あるいは電子回路であると理解されてよい。プロセッサは、特にメインプロセッサ(英語:Central Processing Unit, CPU)、マイクロプロセッサ、またはマイクロコントローラ、たとえば特定用途向け集積回路または、場合によってはプログラム命令等の格納のためのメモリユニットと組み合わせる、デジタルシグナルプロセッサであってよい。プロセッサは、たとえばIC(integrierter Schaltkreis、英語ではIntegrated Circuit)であってよく、特に、FPGA(英語ではField Programmable Gate Array)またはASIC(特定用途向け集積回路、英語ではApplication Specific Integrated Circuit)、またはDSP(デジタルシグナルプロセッサ、英語ではDigital Signal Processor)であってよい。また、プロセッサは、仮想的プロセッサまたはソフトCPUであると理解されてよい。またたとえばプログラム可能なプロセッサであってよく、このプロセッサは、上述の本発明による方法の実行のための設定(コンフィギュレーション)ステップが搭載されるか、またはこのプログラム可能なプロセッサが本発明による方法の特徴、部品、モジュール、または他の本発明の態様および部分的な態様が実装または実現されるように、コンフィギュレーションステップを用いてコンフィギュレーションされていてよい。
【0011】
「メモリユニット」は、本発明に関しては、たとえばメインメモリ(英語ではRandom-Access Memory, RAM)の形態のメモリまたはハードディスクであると理解される。
【0012】
「モジュール」は、本発明に関しては、たとえばプロセッサおよび/またはプログラム命令の格納のためのメモリユニットであると理解される。たとえばこのプロセッサは特に、このプロセッサがこれらのプログラム命令を実行して、本発明による方法または本発明による方法のステップを実装するための機能を実行するように構成されている。
【0013】
「認証符号」は、本発明に関しては、たとえばメッセージ認証符号(英語でMessage Authentication Code, MAC)、チェックサム、暗号チェックサム、またはストリーム暗号であると理解され、これはたとえばメッセージコンテンツ、特に反復メッセージコンテンツによって形成される。たとえば認証符号はMACまたはHMAC(英語ではKeyed-Hash Message Authentication Code)であってよく、これは特に機能、好ましくは暗号機能、たとえば一方向性関数、ハッシュ関数、または暗号ハッシュ関数を計算する。認証符号は、たとえばデジタル署名であってよい。
【0014】
「第1の認証符号」は、本発明に関しては、たとえば第1のバッファあるいは編成された認証符号であると理解されてよく、これは特に1つ以上の部分認証符号を含む。換言すればこの第1の認証符号は、たとえば単一の部分認証符号から形成されてよく、または複数の部分認証符号から編成されてよい。
【0015】
「第3の認証符号」は、本発明に関しては、たとえば第3のバッファあるいは編成された認証符号であると理解されてよく、これは特に1つ以上のローカルな部分認証符号を含む。換言すればこの第3の認証符号は、たとえば単一のローカルな部分認証符号から形成されてよく、または複数のローカルな部分認証符号から編成されてよい。
【0016】
「部分認証符号」は、本発明に関しては、たとえば認証符号の部分またはセクションであると理解されてよい。たとえば認証符号はいくつかの部分またはセクションに分解することができる。特に256ビット長の認証符号は、それぞれ16ビット長の16個の部分またはセクションに分解することができる。部分認証符号は、たとえばそれぞれ16ビット長を有する複数の短い認証符号から形成されてよく、これらは特にそれぞれ反復メッセージコンテンツの異なるセクションから形成される。たとえば256ビット長の長い認証符号は、こうして特に複数の部分認証符号の編成によって長い認証符号となるように形成される。たとえば256ビット長の長い認証符号は、こうしてたとえば16個の部分認証符号が256ビット長の認証符号に編成されることによって計算することができる。好ましくはそれぞれのメッセージは、それぞれ互いに異なる部分認証符号(つまり特に、反復メッセージコンテンツの異なるセクションに関連する部分認証符号)を含む。特にメッセージは、複数の部分メッセージを含んでもよい。特に、これらのそれぞれのメッセージは、たとえば部分認証符号を重複して送信するために、それぞれ同じ部分認証符号を含んでよい。特に、たとえば受信器または反復メッセージコンテンツを認証するものによって形成される部分認証符号は、たとえばローカルな部分認証符号と呼ばれる。部分認証符号は、たとえば部分チェックサムであってよく、すなわち部分チェックサムとして実装されていてよい。
【0017】
「相関器」は、本発明に関しては、たとえば装置であると理解されてよく、この装置は相互相関を用いて、2つのシグナルの間の時間ずれを正確に決定する。可能な形態はたとえば特殊コンピュータ、アナログ回路、またはコンピュータプログラムである。これらの信号はたとえば技術的にコーディングされた無線シグナルであってよい。これらの無線シグナルは、たとえばレーダー、ソナー、または光シグナルであってよい。
【0018】
「反復メッセージコンテンツ」は、本発明に関しては、たとえば同一のメッセージコンテンツ、たとえば周期的に繰り返す拡散符号列であると理解されてよく、これは好ましくは繰り返し送信される。繰り返しメッセージコンテンツは、しかしながらたとえば受信器によって理解可能な、このメッセージコンテンツの変更であってもよい。これはたとえば、特に送信されたメッセージに対してインクレリントされるカウンタ、日付、時刻、またはほかの計算可能な値であってよい。たとえば、特に遅い変化周期のメッセージコンテンツが対象となることも可能である。ここではたとえば所定のタイムウィンドウ内で、メッセージコンテンツの所定の数のビット、好ましくはほんの僅かなビットが変化し、これらの変化したビットは好ましくは受信器によって識別可能である。換言すれば、たとえば「反復メッセージコンテンツ」は、実質的に同一のメッセージコンテンツであると理解されてよい。さらに、たとえば反復メッセージコンテンツは、周期的に、特に所定の時間スキームに従って送信されてよい。特にこの反復メッセージコンテンツの送信は、しかしながらたとえば要求またはトリガによって制御されてもよい。
【0019】
「提供」は、本発明に関しては、たとえばメッセージをメモリあるいはメモリモジュールに格納することであると理解されてよい。しかしながら「提供」は、たとえば受信器または認証機器へのメッセージの送信であると理解されてよい。特に、反復メッセージコンテンツを有するメッセージの提供の際に、それぞれのメッセージあるいは反復メッセージコンテンツのそれぞれの部分認証符号が、それぞれの部分認証符号を付加することによって、それぞれのメッセージあるいは反復メッセージコンテンツに提供されてよい。代替として、特にそれぞれの部分認証符号は、それぞれのメッセージあるいは反復メッセージコンテンツの部分を入れ替えるか、または排他的論理和演算を用いて、それぞれのメッセージあるいはこの反復メッセージコンテンツと結び付けられてよい。たとえば、部分認証符号が分離されて、独立したメッセージとして送信されてよく、ただし特に論理的にそれぞれのメッセージに関連付けられている。
【0020】
「十分な一致」は、本発明に関しては、たとえば2つの認証符号の間の実質的な一致であると理解されてよい。これは、これらの2つの認証符号が一致する場合に得られる。十分な一致は、たとえばこれら2つの認証符号の間に僅かな違いが確定された場合にも得ることができる。これはたとえば、特にそれから認証符号の1つが計算される所定の数の部分認証符号が、たとえば欠落している場合、不正確な値の場合、または正しい値からのずれの場合である。十分な一致は、たとえば所定の閾値が守られる場合に確定され得る。
【0021】
「最小長」、「長さ」等は、特にデータ、たとえばメッセージ、部分認証符号、認証符号、繰り返すメッセージに関して、本発明に関しては、ビットの長さ、特にデータ、たとえば認証符号またはメッセージの長さであると理解されてよい。
【0022】
「メッセージ」、「メッセージコンテンツ」等は、本発明に関しては、たとえばシグナルであると理解されてよく、これらのシグナルはたとえばメッセージをコーディングする。「メッセージ」、「メッセージコンテンツ」等は、たとえば拡散符号列、データ、ユーザデータ、またはデータ構造であると理解されてよく、これらには好ましくは情報が格納されるかまたはこれらを用いて特に情報が伝達される。特にメッセージあるいはメッセージのコンテンツは複数のメッセージ、たとえば少なくとも2つのメッセージ、好ましくは少なくとも10個のメッセージ、とりわけさらに好ましくは少なくとも20個のメッセージで繰り返される。
【0023】
「メッセージの認証」等は、特に反復メッセージコンテンツに関しては、たとえば第3の認証符号の第1の認証符号との十分な一致の際の、反復メッセージコンテンツの真正性および/または完全性の確定であると理解される。また有効な認証符号/部分認証符号、または認証符号/部分認証符号の有効性は、たとえば反復メッセージコンテンツの完全性および/または真正性の確定、または反復メッセージコンテンツのセクションの完全性および/または真正性の確定であると理解されてよい。
【0024】
「提供機器(Bereitstellungsgeraet(aeはアー・ウムラウト))」は、本発明に関しては、たとえば送信器(Sender)または送信機器(Sendegeraet(aeはアー・ウムラウト))であると理解されてよく、提供機器とはたとえばBluetooth Low Energy機器、RFID送信器、衛星システムの通信モジュール、衛星ナビゲーションシステムの送信モジュール、モバイル通信のベースステーションであってよい。特に、提供装置は装置または機器であってよく、これは特に、メッセージの送信用に僅かなリソースのみを有する。
【0025】
「認証機器」は、本発明に関しては、たとえば受信器であると理解されてよく、この認証機器は特にBluetooth Low Energy受信器、RFID受信器、または衛星ナビゲーションシステムの信号の受信モジュールであってよい。特に、認証機器は、装置または機器であってよく、これは好ましくは送信器より多くのリソースを有する。
【0026】
「リソース」は、本発明に関しては、たとえばメッセージの送信に利用できる帯域幅、送信器または提供機器を駆動するために利用できる電力、あるいは送信器または提供機器に利用できる演算能力であると理解されてよい。
【0027】
「演算能力」は、本発明に関しては、たとえばプロセッサのクロックレートまたはメモリ容量であると理解されてよい。
【0028】
「暗号保護」は、本発明に関しては、たとえばメッセージあるいはこれらのメッセージの反復メッセージコンテンツの保護であると理解されてよく、ここでたとえばこの反復メッセージコンテンツの完全性および認証が検証可能である。さらに、たとえば「暗号保護」は、たとえば、他の場所での他の送信器による、有効な反復メッセージコンテンツの複製が防止されることであると理解されてよい。
【0029】
なお、特に「方法ステップ」等なる表現によって、本発明による方法の方法ステップの実際の順序が示唆されるものではない。
【0030】
上記の方法はたとえば、特にメッセージの生成および送信用の僅かなリソースを有する送信器が、たとえばメッセージあるいはこれらのメッセージの反復メッセージコンテンツを暗号保護したい場合に有利である。本発明によって、特に、何回も送出される、反復メッセージコンテンツを有するメッセージの安全性(セキュリティ)のレベルが高くなる。たとえば受信器は、上記のメッセージも直ちに検証することができ、この際特に比較的弱い安全性レベルが達成される。この方法は、特にその意味で有利であり、これは反復メッセージコンテンツ(および好ましくは異なる部分認証符号)を有するメッセージが多いほど、特にその達成される安全性レベルが高くなるからである。換言すれば、たとえばこの安全性レベルは、受信されたメッセージの数と共に少しずつ高くなり、ここでこれらのメッセージは特にそれぞれ少なくとも1つの部分認証符号を含んでいる。
【0031】
たとえばその大きさがたとえば暗号の観点からは十分でないような、個々のメッセージにおける部分認証符号を利用することができる。特に、しかしながらたとえば複数のメッセージおよびこれらの部分認証符号を受信器によって評価することができることで、高い安全性レベルが達成される。複数の部分認証符号、特に異なる部分認証符号の検査によって、メッセージに、たとえば所定の安全性レベルを達成することができる。認証符号に対して、たとえば第1の認証符号に対して、たとえば128ビットの長さが要求されると、これよりこの認証符号はたとえば、それぞれ8ビットの長さを有する、異なる部分認証符号から編成される。これらの部分認証符号は、たとえばこれらの計算の際に、それぞれ反復メッセージコンテンツの異なるセクションから形成される。次に受信器が、好ましくは認証符号、たとえば第1の認証符号を、それぞれ異なる部分認証符号に基づいて計算し、あるいはこの反復メッセージコンテンツのぞれぞれのセクションに対してローカルな部分認証符号を形成し、これらのセクションは特にそれぞれ送信器から提供される部分認証符号を用いて保護されている。
【0032】
たとえば部分認証符号の計算のために、反復メッセージコンテンツが、所定の長さのセクションに分割され、たとえば4ビットに分割され、そしてそれぞれ短い、たとえば8ビットの長さを有する認証符号が、それぞれのセクションから計算され、これらはこうしてたとえば部分認証符号として用いることができる。
【0033】
こうしてメッセージは、好ましくはそれぞれ異なる部分認証符号を含み、ここでたとえば複数のメッセージは、それぞれ同じ部分認証符号を含んでよい。以上によりたとえばメッセージが損失した際に、特に第1の認証符号を、この損失にも関わらず、できる限り完全に計算することができる。メッセージは、特に部分認証符号または複数の同一または異なる部分認証符号も含んでよい。さらに加えて、メッセージは、たとえばさらに他のデータを含んでよく、たとえば速く変化するユーザデータを含んでよい。
【0034】
さらにメッセージは、たとえばデータフィールドを含んでよく、これらのデータフィールドは、それぞれのメッセージの反復メッセージコンテンツのセクションが、特にそれぞれのメッセージの部分認証符号に関連することを示す。たとえば、それぞれの部分認証符号がどれ位大きいか、たとえば8ビットかあるいは4ビットか、を示すデータフィールドが設けられていてよい。代替として、たとえばそれぞれの部分認証符号のそれぞれの反復メッセージコンテンツのセクションへの割り当てが、提供順序または受信順序によって決定されてもよい。
【0035】
上記の方法の第1の実施形態では、部分認証符号が第2の認証符号に基づいて計算され、そしてこの第2の認証符号は反復メッセージコンテンツに基づいて計算される。
【0036】
上記の方法は、たとえば容易に部分認証符号を形成するということで有利であり、これらの部分認証符号は特に所定の安全性ガイドラインに適合している。これはたとえば第1あるいは第2の認証符号の所定の長さであってよく、あるいはたとえば部分認証符号および/または第1の認証符号および/または第2の認証符号の指定された方法または指定されたアルゴリズムが必要とされ得る。部分認証符号および/または第1の認証符号および/または第2の認証符号はこの際、好ましくは暗号関数、たとえばハッシュ関数または一方通行関数によって生成される。たとえば部分認証符号および/または第1の認証符号および/または第2の認証符号の計算のため、反復メッセージコンテンツは、所定の長さを有するセクション、たとえば4ビットのセクションに分割され、そしてたとえば8ビットの長さを有する短い認証符号それぞれは、部分認証符号として使用することができるそれぞれのセクションを使用してそれぞれ計算される。たとえば第2の認証符号が反復メッセージコンテンツを使用して形成され、そして次に部分認証符号として使用される複数のセクションに分割される。
【0037】
方法のさらなる実施形態では、それぞれの部分認証符号の第1の長さがそれぞれのメッセージに対して確定される。
【0038】
上記の方法は、たとえば送信器で、メッセージ、部分認証符号メッセージの生成のため、あるいはメッセージの送信/提供のために使用できるリソースが変化するということで有利である。たとえばバッテリおよび太陽電池を用いて駆動される送信器には、特にこれらの太陽電池が丁度太陽光に曝されている場合、たとえば多数のリソースが使用可能である。このような状況では、たとえば送信器に、より多くの電力を供給し、こうしてこの送信器がもっと長いメッセージあるいは長い部分認証符号を送信することができる。次にこの送信器は、たとえば受信器にこれらの部分認証符号の長さの変化を、たとえば上記のメッセージにおける所定のデータフィールドによって通知することができる。
【0039】
上記の方法のさらなる実施形態では、第1の認証符号の所定の最小長が第1の数のメッセージによって決定される。
【0040】
上記の方法は、たとえば第1の認証符号の必要な最小長が達成されるということで有利である。この最小長は、たとえば、特に送信器によって受信されるようにするために、第1の認証符号が少なくともこの長さを備えることになることを示すことができる。たとえば第1の認証符号の必要な最小長が128ビットであると、たとえば所定の安全性レベルを達成するために、これよりたとえばそれぞれ16ビットの長さを有する8個の異なる部分認証符号が、これらから特に第1の認証符号を計算するために必要である。
【0041】
上記の方法のさらなる実施形態では、第2の数のメッセージおよびこれらのメッセージのそれぞれの部分認証符号に基づいて、メッセージの反復メッセージコンテンツの真正性および/または完全性が決定される。
【0042】
上記の方法は、たとえば、部分認証符号を出来る限り柔軟に生成し、そしてこれらからたとえば出来る限り柔軟に第1の認証符号を計算するということで有利である。このため特に部分認証符号および第2の数のメッセージに基づいて、たとえば反復メッセージコンテンツの真正性および/または完全性を決定するために、第1の認証符号が計算される。以上により、たとえば異なる状況、たとえばそれぞれ異なる安全性ガイドラインあるは安全性レベルが要求されている、信頼性のあるネットワークまたは信頼性のないネットワークを介してのメッセージの送信を、この方法を用いて実現することができる。これはたとえば、特にそれぞれの安全性ガイドラインの異なる安全性仕様/安全性レベルが、たとえば部分認証符号または認証符号の数および/または長さによって達成され、ここで安全性レベルが特に受信されたメッセージの数によって高められることによって行われる。反復メッセージコンテンツの真正性および/または完全性は、こうして特に、たとえば受信器によって受信された第2の数の部分認証符号に基づいて確定することができる。特に、第1の数が第2の数に対応することも、あるいはこの逆も可能である。
【0043】
特に第2の数のメッセージは、好ましくはそれぞれ異なる部分認証符号を有するメッセージに関するものである。
【0044】
しかしながらまた、たとえば反復メッセージコンテンツの真正性および/または完全性が、特に第3の数の部分認証符号に基づいて確定されることも可能であり、ここでこの第3の数は、好ましくは所定の時間間隔内に伝送される。
【0045】
特に第3の数のメッセージは、好ましくはそれぞれ異なる部分認証符号を有するメッセージに関するものである。
【0046】
真正性および/または完全性は、たとえば受信器によって、この受信器が特に、第3の認証符号を反復メッセージコンテンツから形成することによって確定される。特にこの第3の認証符号は、第1の認証符号と比較され、そしてこれらの2つの認証符号が十分に一致する場合に、反復メッセージコンテンツの真正性および/または完全性が確定される。
【0047】
上記の方法のさらなる実施形態では、第1の認証符号および/または第2の認証符号は、メッセージ認証符号および/またはストリーム暗号である。
【0048】
上記の方法は、たとえば認証符号を出来る限り容易に生成するということで有利である。特に、たとえばメッセージ認証符号は、複数のさらなるメッセージ認証符号から編成されていてよく、ここで特にこれらのさらなるメッセージ認証符号は、部分認証符号である。
【0049】
上記の方法のさらなる実施形態では、部分認証符号は、第2の認証符号のセクションであり、および/または部分認証符号は、ストリーム暗号またはストリーム暗号のセクションである。
【0050】
上記の方法は、たとえば、特に反復メッセージコンテンツのそれぞれの異なるセクションに対して出来る限り容易に部分認証符号を計算するということで有利である。
【0051】
第2の態様によれば、本発明は、認証可能なメッセージを認証するための方法に関し、以下の方法ステップを備える。
− メッセージの反復メッセージコンテンツを決定するステップと、
− 反復メッセージコンテンツに対する、メッセージの部分認証符号を検出するステップと、
− 反復メッセージコンテンツに基づいてメッセージに対する、ローカルな部分認証符号を計算するステップと、
− 部分認証符号を、対応するローカルな部分認証符号と比較するステップと、
− 部分認証符号が、対応するローカルな部分認証符号と十分に一致する場合に、反復メッセージコンテンツの真正性および/または完全性を確定するステップ。
【0052】
上記の方法は、たとえば特に、特にこれらのメッセージの生成および送信のために僅かなリソースしか有さない送信器からのメッセージあるいはこれらのメッセージの反復メッセージコンテンツが、これらの真正性および完全性が受信器によって検証されるということで有利である。本発明により、特に、反復メッセージコンテンツを有する、多数回送信されるメッセージの安全性レベルが高くなる。たとえば受信器はこれらのメッセージを直ちに検証することができ、この際ここで特に比較的弱い安全性レベルが達成される。この方法は、特に、反復メッセージコンテンツ(および好ましくは異なる部分認証符号)を有するメッセージが多いほど、これによって特に達成される安全性レベルが高くなるということで有利である。換言すれば、たとえばこの安全性レベルは、受信されたメッセージの数と共に少しずつ上昇し、この際これらのメッセージは、特にそれぞれ少なくとも1つの部分認証符号を含む。
【0053】
たとえば部分認証符号は、それらの大きさがたとえば暗号の観点から十分でないような、個々のメッセージにおいて利用することができる。特に、しかしながら、たとえば複数のメッセージそして特にこれらの部分認証符号を受信器によって評価することができることで、高い安全性レベルが達成される。たとえばメッセージの複数の部分認証符号を検証することにより、所定の安全性レベルを達成することができる。たとえば第1の認証符号に対して、たとえば認証符号に対して128ビットの長さが必要である場合に、この第1の認証符号は、異なる部分認証符号から編成することができ、これらはたとえばそれぞれ8ビットの長さを有する。これらの部分認証符号は、たとえばこれらの計算の際に、それぞれ反復メッセージコンテンツの異なるセクションによって形成される。次に受信器は、好ましくは反復メッセージコンテンツに対する認証符号、たとえば第1の認証符号を、それぞれ異なる部分認証符号に基づいて計算し、および/または反復メッセージコンテンツのそれぞれのセクションに対するローカルな部分認証符号を形成し、これらは特にそれぞれ送信器によって提供される部分認証符号を用いて保護される。
【0054】
ローカルな部分認証符号は、特に送信器によってメッセージにおいて提供される部分認証符号と同様に計算される。たとえばローカルな部分認証符号の計算のために、反復メッセージコンテンツは、所定の長さ、たとえば4ビット、を有するセクションに分割され、そしてそれぞれ短い、たとえば8ビットを有する認証符号が、それぞれのセクションから計算されると、次にこれらはローカルな部分認証符号として使用することができる。
【0055】
送信器によって提供されるメッセージは、好ましくはそれぞれ異なる部分認証符号を含み、たとえば複数のメッセージは、それぞれ同じ部分認証符号を含んでよい。以上によりたとえばメッセージが損失した際に、特に第1の認証符号を、この損失にも関わらず、できる限り完全に計算することができる。メッセージは、特に部分認証符号または複数の同一なまたは異なる部分認証符号も含んでよい。さらに加えて、メッセージは、たとえばさらに他のデータを含んでよく、たとえば速く変化するユーザデータを含んでよい。
【0056】
本発明による方法を用いて、たとえば異なる状況、特にそれぞれ異なる安全性ガイドラインあるは安全性レベルが要求されている、信頼性のあるネットワークまたは信頼性のないネットワークを介してのメッセージの送信を、実現することができる。これはたとえば、それぞれの安全性ガイドラインの異なる安全性仕様が、たとえば部分認証符号または認証符号の数および/または長さによってたとえば達成され、ここで安全性レベルが特に受信されたメッセージの数によって高められることによって行われる。反復メッセージコンテンツの真正性および/または完全性は、こうして特に、たとえば受信器によって受信された第2の数の部分認証符号に基づいて確定することができる。
【0057】
特に第2の数のメッセージは、好ましくはそれぞれ異なる部分認証符号を有するメッセージに関するものである。
【0058】
しかしながら、たとえば反復メッセージコンテンツの真正性および/または完全性が、特に第3の数の部分認証符号に基づいて確定されることも可能であり、ここでこの第3の数は、好ましくは所定の時間間隔内に伝送される。
【0059】
特に第3の数のメッセージは、好ましくはそれぞれ異なる部分認証符号を有するメッセージに関するものである。
【0060】
真正性および/または完全性は、たとえば受信器によって、この受信器が特に、第3の認証符号を反復メッセージコンテンツから形成することによって確定される。特にこの第3の認証符号は、第1の認証符号と比較され、これらの2つの認証符号が十分に一致する場合に、反復メッセージコンテンツの真正性および/または完全性が確定される。この第3の認証符号は、たとえばローカルな認証符号から、特に受信器によって形成することができる。
【0061】
さらにメッセージは、たとえばデータフィールドを含んでよく、これらのデータフィールドは、特にそれぞれのメッセージの部分認証符号に関連するそれぞれのメッセージの反復メッセージコンテンツのセクションを示す。たとえば、それぞれの部分認証符号がどれ位大きいか、たとえば8ビットかあるいは4ビットか、を示すデータフィールドが設けられていてよい。代替として、たとえばそれぞれの部分認証符号のそれぞれの反復メッセージコンテンツのセクションへの割り当てが、提供順序または受信順序によって決定されてよい。
【0062】
上記の方法のさらなる実施形態では、
− 第1の認証符号が、反復メッセージコンテンツに対する部分認証符号の少なくとも1つの部分から計算され、
− 第3の認証符号が、反復メッセージコンテンツに対して、あるいは反復メッセージコンテンツに対するローカルな部分認証符号から計算され、
− 比較するステップの際に、第1の認証符号が第3の認証符号と比較され、そして第3の認証符号が第1の認証符号と十分に一致した場合に、反復メッセージコンテンツの真正性および/または完全性が確定される。
【0063】
上記の方法のさらなる実施形態では、部分認証符号が第2の認証符号に基づいて計算され、そして第2の認証符号が反復メッセージコンテンツに基づいて計算される。
【0064】
上記の方法のさらなる実施形態では、それぞれの部分認証符号の第1の長さがそれぞれのメッセージに対して決定される。
【0065】
上記の方法のさらなる実施形態では、第1の認証符号の所定の最小長が第1の数のメッセージによって決定される。
【0066】
上記の方法のさらなる実施形態では、第1の認証符号および/または第2の認証符号および/または第3の認証符号は、メッセージ認証符号および/またはストリーム暗号である。
【0067】
上記の方法は、たとえば認証符号を出来る限り容易に生成するということで有利である。特に、たとえばメッセージ認証符号は、複数のさらなるメッセージ認証符号から編成されていてよく、ここで特にこれらのさらなるメッセージ認証符号は、部分認証符号である。
【0068】
第3の態様によれば、本発明は、認証可能なメッセージを提供するための提供機器に関し、以下のものを備える。
− メッセージの反復メッセージコンテンツを決定するための第1の計算モジュールと、
− 反復メッセージコンテンツに基づいてメッセージに対する部分認証符号を計算するための第2の計算モジュールであって、メッセージの少なくとも1つの部分に対して第1の認証符号が、反復メッセージコンテンツの認証のための部分認証符号の少なくとも1つの部分から計算可能である、第2の計算モジュールと、
− メッセージを提供するための第1の計算モジュールであって、メッセージが、反復メッセージコンテンツおよびそれぞれ部分認証符号の少なくとも1つを含む、第1の計算モジュール。
【0069】
提供機器のさらなる実施形態では、この提供機器は、認証可能なメッセージを提供する、本発明による方法を実施するための少なくとも1つのさらなるモジュールまたは複数のさらなるモジュールを備える。
【0070】
第4の態様によれば、本発明は、認証可能なメッセージを認証するための認証機器に関し、以下のものを備える。
− メッセージの反復メッセージコンテンツを決定するための第3の計算モジュールと、
− 反復メッセージコンテンツに対する、メッセージの部分認証符号を検出するための第4の計算モジュール。
− 反復メッセージコンテンツに基づいてメッセージに対するローカルな部分認証符号を計算するための第5の計算モジュールと、
− 部分認証符号を、対応するローカルな部分認証符号と比較するための第1の比較モジュールと、
− 部分認証符号が、対応するローカルな部分認証符号と十分に一致する場合に、反復メッセージコンテンツの真正性および/または完全性を確定するための第1の確定モジュール。
【0071】
認証機器のさらなる実施形態では、この認証機器は、認証可能なメッセージを認証する、本発明による方法を実施するための少なくとも1つのさらなるモジュールまたは複数のさらなるモジュールを備える。
【0072】
第5の態様によれば、本発明は、認証可能なメッセージを交換するためのシステムに関し、以下のものを備える。
− 少なくとも1つの本発明による提供機器と、
− 少なくとも1つの本発明による認証機器。
【0073】
システムのさらなる実施形態では、このシステムは、本発明による方法を実施するための、少なくとも1つのさらなるモジュールまたは複数のさらなるモジュールを備える。このシステムは、たとえば通信ネットワークを備えてよく、これを用いて少なくとも1つの提供機器および少なくとも1つの認証機器が通信ネットワークを介して互いに通信するように接続されている。
【0074】
さらに、上述の本発明による方法を実施するためのプログラム命令を有するコンピュータプログラム製品が特許請求され、ここでこれらのコンピュータプログラム製品を用いて、それぞれ本発明のよる方法の1つ、全ての本発明による方法、あるいは本発明による方法の組み合わせが実施可能である。
【0075】
さらに、プロセッサおよび/または機器の生成のために適したたとえば3Dプリンタや生成機器をコンフィギュレーションするための、プログラム命令を有するコンピュータプログラム製品の変形例が特許請求され、ここでこの生成機器はこれらのプログラム命令を用いて、本発明による提供機器および/または本発明による認証機器および/または本発明によるシステムが生成されるようにコンフィギュレーションされる。
【0076】
コンピュータプログラム製品を格納および/または提供するための提供装置が特許請求される。この提供装置は、たとえば、コンピュータプログラム製品を格納および/または提供する、データ記憶媒体である。代替としておよび/または追加的に、この提供装置は、たとえばネットワークサービス、コンピュータシステム、サーバシステム、特に分散されたコンピュータシステム、クラウドベースの計算機システムおよび/または仮想的計算機システムであり、これはコンピュータプログラム製品を、好ましくはデータストリームの形態で格納および/または提供する。
【0077】
この提供は、たとえばコンピュータプログラム製品全体のプログラムデータブロックおよび/または命令データブロック、好ましくはデータファイル、特にダウンロードデータファイル、またはデータストリーム、特にダウンロードデータストリーム、の形態でダウンロードすることで行われる。この提供はしかしながら、たとえば部分的なダウンロードとして行われてもよく、これは複数の部分からなっており、そして特にピアツーピアのネットワークを介してダウンロードされ、あるいはデータストリームとして提供されてもよい。このようなコンピュータプログラム製品は、たとえば提供装置をデータ媒体の形態で利用することで、システムに読み込まれ、そしてプログラム命令を実行し、こうして本発明による方法はコンピュータ上で実行されるようになり、あるいは生成機器はコンフィギュレーションされて、この生成機器が上述の本発明による提供機器および/または上述の本発明による認証機器および/または上述の本発明によるシステムを生成する。
【0078】
上記で説明した、本発明の特性、特徴および利点、ならびにその様態は、これらがどのように実現されるか、図に照らして詳述される以下の実施例の説明に即してさらに明瞭かつ明確に理解されるようになる。ここで以下の概略図が示される。