(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
可変表示手段において変動表示する識別情報が遊技者の操作に基づいて停止表示されることにより、1回の遊技が終了し、当該可変表示手段における識別情報の停止表示態様に応じて利益を付与可能な遊技機において、
第1遊技状態と、当該第1遊技状態とは異なる遊技状態である第2遊技状態と、当該第2遊技状態よりも有利な第3遊技状態と、を含む複数の遊技状態のうち、いずれかに制御可能な遊技状態制御手段と、
前記第2遊技状態において、第1遊技期間と、当該第1遊技期間よりも後に実行される第2遊技期間と、を含む複数の遊技期間を規定可能な遊技期間規定手段と、
遊技者に有利な権利を付与可能な権利付与手段と、
第1権利付与状態と、当該第1権利付与状態よりも前記権利が付与され易い状態である第2権利付与状態と、を含む複数の権利付与状態のうち、いずれかに制御可能な権利付与状態制御手段と、
を備え、
前記第2遊技状態は、
前記第1遊技状態において前記可変表示手段に特別停止表示態様で識別情報が停止表示されたことに基づいて、移行可能な遊技状態であって、特定回数の遊技が行われることで、前記第1遊技状態に移行可能であり、
前記第1遊技期間及び前記第2遊技期間において、所定の移行条件が成立したことに基づいて、前記第1権利付与状態から前記第2権利付与状態に移行可能であり、
前記権利付与手段は、
前記権利付与状態制御手段により前記第2権利付与状態に制御されている場合において、前記第1遊技期間及び前記第2遊技期間のうち、何れか一方の遊技期間に制御されている場合よりも、何れか他方の遊技期間に制御されている場合の方が、前記権利を付与し易い
ことを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、
図1〜
図19を参照して説明する。
【0008】
[第1実施形態]
スロットマシン1は、本発明に係る遊技機の一実施形態であり、通常のスロットマシンと同様、前面に開口部を有する筐体1bと、開口部を開閉可能に覆う前扉1aとを備えている。
前扉1aは、リール41a〜41cそれぞれに表された連続する3つの図柄(識別情報)を機外から識別可能に構成されるとともに、遊技者により操作される複数の操作手段(2a,3,5)を備え、筐体1bは、リール41a〜41cを回転駆動させるドラムユニット4、メダルの払い出しを行うメダル払出装置7などの複数の装置、コンピュータとして動作する主制御部10、副制御部20などを備えている。
【0009】
このようなスロットマシン1は、主制御部10が当選役決定手段などとして動作することにより、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成されている。
【0010】
ゲームの開始にあたり、メダル(クレジットメダルも含む)を用いて掛け数の設定を行う。
掛け数の設定は、メダル投入口2から直接メダルを投入して設定する方法と、ベットボタン2aを押下操作して設定する方法とがある。
【0011】
メダル投入口2からメダルを投入して掛け数を設定する方法では、投入されたメダルが前扉1a裏面に設けられたメダルセレクタ2b(メダル検出手段)によって検知されることにより、投入分のメダル枚数に対応する掛け数(ただし、メダル3枚に対応する掛け数「3」が上限)が設定されることになる。
なお、掛け数の上限は、「1」、「2」、又は「4」以上でもよい。
【0012】
ベットボタン2aは、掛け数の設定に係る遊技者の操作を受け付け可能な操作手段の一例であり、これが押下操作されると、内部的にデータとして記憶されたクレジットメダルから、所定数(例えば、3枚)のメダル数が減算され、減算された分が掛け数として設定されることになる。
なお、ベットボタンは、ベットボタン2aのみに限らず、設定される掛け数のそれぞれ異なるベットボタンを複数設けることもできる。また、クレジットメダルは、メダル投入口2からのメダル投入や入賞により加算され、例えば、メダル50枚までクレジット(記憶)することができる。
【0013】
このように、メダル投入口2からの直接投入やベットボタン2aの押下操作により設定された掛け数は、主制御部10に備えるRAMなどの記憶手段に記憶される。
そして、掛け数が所定数(例えば、3枚)になったときに、1回の遊技を実行可能な権利を保有するゲーム開始可能な状態となる。
【0014】
このゲーム開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール41a〜41cが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役などの複数の当選役(はずれを含む)の中から今回ゲームの抽選結果をリール41の停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される(当選役決定手段)。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。
なお、本実施形態では、内部抽選処理は、後述するリール41a〜41cが定常回転に達する前に完了するものとするが、リール41a〜41cが回転を開始する前に完了するようにしてもよい。
【0015】
各リール41a〜41cは、可変表示手段の一例であり、各リール41a〜41cの周面には、識別情報となる複数(通常21個)の図柄として、例えば、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「7」などがそれぞれ表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール41a〜41cに対応して設けられた停止ボタン5a〜5cが押下操作可能な状態(停止ボタン5操作の有効化)となる。
【0016】
停止ボタン5a〜5cは、リール41の停止操作を行うための操作手段の一例であり、例えば、停止ボタン5a〜5cに内蔵されたLED等の発光手段が点灯することにより押下操作可能な状態となり、このような状態において各停止ボタン5が押下操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止するように、各リール41a〜41cが停止制御される。
【0017】
停止状態では、リール41a〜41cそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が表示窓6から機外に臨むように停止(停止表示ということもある)し、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無が判定される。
入賞の判定は、所定の入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定され、例えば、上・中・下段3つのラインと斜め2つのラインの計5ラインいずれかの入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定される。
判定される図柄の組合せには、「小役」に対応する図柄の組合せとして、「左リール41a・中リール41b・右リール41c」の順で、「ベル・ベル・ベル」(ベル役)、「チェリー・ANY・ANY」(チェリー役、ただしANYは任意の図柄)、「スイカ・スイカ・スイカ」(スイカ役)などがある。
また、「リプレイ役」に対応する図柄の組合せとして、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」(通常リプレイという)、「リプレイ・ベル・リプレイ」(チャンスリプレイ)、「リプレイ・リプレイ・チェリー」(昇格リプレイという)、「リプレイ・リプレイ・スイカ」(転落リプレイ1という)、「リプレイ・リプレイ・7」(転落リプレイ2という)、「リプレイ・リプレイ・ベル」(転落リプレイ3という)などがある。
また、「ボーナス役」に対応するボーナス図柄の組合せとして、「7・7・7」などがある。
また、「シングルボーナス役」に対応するボーナス図柄の組合せとして、「7・7・チェリー」などがある。
そして、入賞ライン上に停止した図柄の組合せを判定した結果、その図柄の組合せが小役などに対応する図柄の組合せであるときに、図柄の組合せに応じた遊技価値が付与される。
【0018】
例えば、ベル役、チェリー役、スイカ役などの小役に対応する図柄の組合せの停止により、小役入賞が判定され、メダル払出装置7が駆動制御されることにより、メダルの貯留されたホッパー7aからメダル払出口7bを介して所定数のメダルが払い出される。
具体的には、「ベル役」に対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)の停止により8枚のメダルが払い出され、「スイカ役」に対応する図柄の組合せ(「スイカ・スイカ・スイカ」)の停止表示により5枚のメダルが払い出される。
また、「チェリー役」では、左リール41aに停止する「チェリー」の位置に応じて、メダルの払い出し枚数が異なり、「チェリー」が「上段」又は「下段」に停止したときには(上段チェリー又は下段チェリーという)、2枚のメダルが払い出され、「チェリー」が「中段」に停止したときには(中段チェリーという)、1枚のメダルが払い出される。
なお、各当選役の当選確率は、後述する全てのRT状態(RT0〜RT6)において、「ベル役」>「上段・下段チェリー役」>「スイカ役」>「チャンスリプレイ役」>「中段チェリー役」の関係性を有していることが好ましい。
また、「ベル役」については、RT状態とAT状態とが組み合されたART中において、1ゲーム当りメダルが2枚増加するような当選確率に設定されることが好ましい。
また、メダルの払い出しは、クレジットメダルの上限数を超える分のみが払い出されるように構成することもできるが、図示しない所定の設定ボタンを事前に操作することにより、入賞が発生するごとに、入賞に対応するメダルが払い出されるように構成することもできる。
【0019】
また、「リプレイ役」に対応する図柄の組合せ(例えば、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」など)の停止により、リプレイ入賞が判定され、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく、すなわち、メダルを費やすことなく遊技可能な状態となる。
また、「ボーナス役」に対応するボーナス図柄の組合せ(例えば、「7・7・7」など)の停止により、所定の小役に高確率で当選するボーナス遊技に移行する。
また、「シングルボーナス役」に対応するボーナス図柄の組合せ(「7・7・チェリー」)の停止により、次回の1ゲームにおいて所定の小役に高確率で当選するシングルボーナス遊技となる。
なお、「ボーナス役」はそれに当選したゲーム及び当該ゲーム以降のゲームにおいても対応する図柄の組合せが停止しない限り、当選した権利を持ち越すことが可能な当選役であり、「シングルボーナス役」は当選したゲームにおいて対応する図柄の組合せが停止しないときには、その権利が消滅する当選役である。
【0020】
このような一連の動作を1回の遊技とするスロットマシン遊技は、
図3に示すように、主制御部10が、ベットボタン2a、スタートレバー3、停止ボタン5などの操作手段やメダルセレクタ2bなどの入力手段からの入力情報に基づいて、リール41a〜41cやこれらを回転駆動させるパルスモータなどを備えるドラムユニット4、メダル払出装置7などの出力手段を制御することにより実現される。
【0021】
また、スロットマシン1では、このようなスロットマシン遊技に同期した遊技演出も行われる。例えば、ART状態(RT5)などへの移行を示す画像演出、ファンファーレ音、及びランプ演出などがそれぞれ、液晶TVなどの表示器8、スピーカ9、及びLED等の発光手段を備えるランプ11などの報知手段を介して出力される。
このような報知手段は、副制御部20により制御される。また、副制御部20は、主制御部10から所定の遊技タイミングごとに受信する制御コマンドに基づいてこれらを制御する。
【0022】
副制御部20は、演出制御手段の一例であり、主制御部10からの指令に従った動作を実行可能に構成される。
例えば、副制御部20は、主制御部10に設けられた出力ポートなどの送信手段から所定の遊技タイミングごとに送信される制御コマンドを、当該副制御部20に備える入力ポートなどの受信手段を介して受信するとともに、受信した制御コマンドを解読し、制御コマンドに応じた演出を行うように表示器8などの報知手段を制御する。
【0023】
スロットマシン1は、このような通常のスロットマシンと同様の構成に加えて、以下に示す特徴なゲーム性を備えている。
【0024】
本実施形態に係るスロットマシン1は、
図4に示す状態遷移図と、
図5に示す突入契機及び終了契機に基づいて移行する複数の遊技状態を有している。
本実施形態の遊技状態は、ボーナス遊技(以下、単にボーナスということもある)と、RT0〜6状態(以下、単にRT0〜6ということもある)とから構成され、各遊技状態は、主制御部10が遊技状態制御手段として動作することによりそれぞれの遊技状態に制御(以下、移行ともいう)されるようになっている。
【0025】
ボーナスは、「ベル役」などの小役に高確率で当選する遊技者に有利な遊技状態である。
このボーナスは、所定条件の成立を契機として、この状態に突入するとともに、この状態が終了して他の遊技状態に移行する。
【0026】
具体的には、ボーナスへの突入は、RT6において「7・7・7」などのボーナス図柄の組合せの停止を契機とし、その後、RT6からボーナスに移行する。
また、ボーナスの終了は、「ベル役」などの小役に8回入賞するか又は12ゲームの実行を契機とし、その後、ボーナスからRT1に移行する。
このように、ボーナスは、所定回数のゲームの実行により終了する有限の遊技状態である。また、本実施形態のボーナスは、いわゆる、ビックボーナス(BB)ではなく、レギュラーボーナス(RB)としてあるが、ビックボーナス(BB)としてもよい。
【0027】
このようなボーナスに対して、RT0〜6は、内部抽選処理において抽選される「リプレイ役」(「チャンスリプレイ」は除く)の当選確率の違いによって区分けされる遊技状態であり、それぞれが以下のような特徴を有している。
【0028】
例えば、RT0は、第1遊技状態の一例であり、内部抽選処理において1/4の確率で「リプレイ役」に当選するように設定され(
図6参照)、「リプレイ役」の当選確率においてRT1〜4よりも遊技者に有利な遊技状態である。
このRT0は、所定条件の成立を契機として、この状態に突入するとともに、この状態が終了して他の遊技状態に移行する。
【0029】
具体的には、RT0への突入は、RT1において所定図柄の組合せが停止したこと、又は、RT2〜5において規定された特定回数の遊技が実行されたことを契機とし、RT1〜5からRT0に移行する。
所定図柄の組合せとは、例えば、「シングルボーナス役」に当選した場合、これに対応する図柄の組合せ(例えば、「7・7・チェリー」)が停止しないときに導出される、いわゆる「こぼし目」とすることができる。
この「こぼし目」は、「シングルボーナス役」に当選したときの停止ボタン5に対する遊技者の操作態様に違いに応じて停止し、例えば、操作態様として所定の操作タイミングで停止ボタン5を操作したときに、「シングルボーナス役」に対応する図柄の組合せ(例えば、「7・7・チェリー」が停止し、上記操作タイミング以外で停止ボタン5を操作したときには、「こぼし目」となる、例えば、「ベル・チェリー・チェリー」が停止する。すなわち、「こぼし目」は、いわゆる「目押し」に失敗したときに停止する図柄の組合せとすることができる。
なお、「こぼし目」は、「シングルボーナス役」に限らず、他の役(例えば、ベル役)の「こぼし目」でもよい。
また、「シングルボーナス役」は、「ボーナス役」とは異なる当選役であるため、以下の説明における「ボーナス」の記載には、「シングルボーナス」は含まれないものとして説明する。
【0030】
また、RT0の終了は、RT0において転落リプレイ1〜3に対応する図柄の組合せ(例えば、「リプレイ・リプレイ・スイカ」、「リプレイ・リプレイ・7」、「リプレイ・リプレイ・ベル」)がそれぞれ停止したことを契機とし、その後、RT0から転落リプレイ1〜3それぞれに対応するRT2〜4に移行する。
また、RT0において昇格リプレイに対応する図柄の組合せ(例えば、「リプレイ・リプレイ・チェリー」)が停止したことを契機とし、その後、RT0からRT5に移行する。
このように、RT0は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、昇格リプレイや転落リプレイ1〜3などに対応する図柄の組合せが停止しない限り他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
【0031】
RT1は、第1遊技状態の一例であり、内部抽選処理において1/7.3の確率で「リプレイ役」に当選することから(
図6参照)、「リプレイ役」の当選確率においてRT0,5,6よりも遊技者に不利な遊技状態である。
このRT1は、所定条件の成立を契機として、この状態に突入するとともに、この状態が終了して他の遊技状態に移行する。
【0032】
具体的には、RT1への突入は、所定の初期化スイッチ(例えば、設定値変更スイッチ)等の操作を伴う電源投入を契機とし、その後、RT1に移行する。
また、RT1への突入は、ボーナスの終了を契機とし、その後、ボーナスからRT1に移行する。
また、RT1の終了は、RT1において「シングルボーナス役」の「こぼし目」に対応する図柄の組合せ(例えば、「ベル・チェリー・チェリー」)が停止したことを契機とし、その後、RT1からRT0に移行する。
このように、RT1は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、「シングルボーナス役」の「こぼし目」などの所定の図柄の組合せが停止しない限り他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
なお、所定の初期化スイッチ等の操作を伴う電源投入後において、RT1に移行するものとしたが、このような電源投入後にRT0に移行することもできるし、RT2〜5のいずれかにも移行することもできる。
また、RT0〜6において、所定の初期化スイッチ等の操作を伴わない電源のオンオフが発生した場合、電源オン後は電源オフ前のRT0〜6の状態を引き継ぐものとする。
【0033】
RT2は、第2遊技状態の一例であり、内部抽選処理において1/7.3の確率で「リプレイ役」に当選することから(
図6参照)、「リプレイ役」の当選確率においてRT0,5,6よりも遊技者に不利な遊技状態である。
このRT2は、所定条件の成立を契機として、この状態に突入するとともに、この状態が終了して他の遊技状態に移行する。
【0034】
具体的には、RT2への突入は、RT0において転落リプレイ1に対応する図柄の組合せ(例えば、「リプレイ・リプレイ・スイカ」)が停止したことを契機とし、その後、RT0からRT2に移行する。
また、RT2の終了は、RT2において特定回数の遊技として128ゲームが実行(消化)されることを契機とし、その後、RT2からRT0に移行する。つまり、RT2は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態(有限RTゲーム数「128」)となっている。
【0035】
RT3は、第2遊技状態の一例であり、内部抽選処理において1/7.3の確率で「リプレイ役」に当選することから(
図6参照)、「リプレイ役」の当選確率においてRT0,5,6よりも遊技者に不利な遊技状態である。
このRT3は、所定条件の成立を契機として、この状態に突入するとともに、この状態が終了して他の遊技状態に移行する。
【0036】
具体的には、RT3への突入は、RT0において転落リプレイ2に対応する図柄の組合せ(例えば、「リプレイ・リプレイ・7」)が停止したことを契機とし、その後、RT0からRT3に移行する。
また、RT3の終了は、RT3において特定回数の遊技として256ゲームが実行(消化)されることを契機とし、その後、RT3からRT0に移行する。つまり、RT3は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態(有限RTゲーム数「256」)となっている。
【0037】
RT4は、第2遊技状態の一例であり、内部抽選処理において1/7.3の確率で「リプレイ役」に当選することから(
図6参照)、「リプレイ役」の当選確率においてRT0,5,6よりも遊技者に不利な遊技状態である。
このRT4は、所定条件の成立を契機として、この状態に突入するとともに、この状態が終了して他の遊技状態に移行する。
【0038】
具体的には、RT4への突入は、RT0において転落リプレイ3に対応する図柄の組合せ(例えば、「リプレイ・リプレイ・ベル」)が停止したことを契機とし、その後、RT0からRT4に移行する。
また、RT4の終了は、RT4において特定回数の遊技として512ゲームが実行(消化)されることを契機とし、その後、RT4からRT0に移行する。つまり、RT4は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態(有限RTゲーム数「512」)となっている。
【0039】
RT5は、第3遊技状態の一例であり、内部抽選処理において1/2の確率で「リプレイ役」に当選することから(
図6参照)、「リプレイ役」の当選確率においてRT0〜4,6よりも遊技者に有利な遊技状態である。
このRT5は、所定条件成立により、RT0から移行し、また、RT0に移行するようになっている。
【0040】
具体的には、RT5への突入は、RT0において昇格リプレイに対応する図柄の組合せ(例えば、「リプレイ・リプレイ・チェリー」)が停止したことを契機とし、その後、RT0からRT5に移行する。
また、RT5の終了は、RT5において特定回数の遊技として64ゲームが実行されることを契機とし、その後、RT5からRT0に移行する。つまり、RT5は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態(有限RTゲーム数「64」)となっている。
【0041】
RT6は、内部抽選処理において1/4の確率で「リプレイ役」に当選することから(
図6参照)、「リプレイ役」の当選確率においてRT1〜4よりも遊技者に有利な遊技状態である。
このRT6は、所定条件の成立を契機として、この状態に突入するとともに、この状態が終了して他の遊技状態に移行する。
【0042】
具体的には、RT6への突入は、RT0〜5中の内部抽選処理においてボーナス当選したことを契機とし、その後、RT0〜5からRT6に移行する。
また、RT6の終了は、ボーナス図柄の組合せ(例えば、「7・7・7」)が停止したことを契機とし、その後、RT6からボーナスに移行する。
このように、RT6は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、ボーナス図柄の組合せが停止しない限り他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
【0043】
以上のようなRT0〜6の説明から、遊技者にとって、RT1〜4よりもRT0,5,6の方が「リプレイ役」の当選確率において比較的有利な遊技状態、また、RT0,6よりもRT5の方が「リプレイ役」の当選確率において比較的有利な遊技状態となっていることが分かる。
本実施形態では、このような有利度の異なる遊技状態を複数設けるとともに、RT0を基点の遊技状態として位置づけ、このRT0を介して、遊技者に比較的不利なRT2〜4、又は、遊技者に比較的有利なRT5のいずれかの遊技状態に移行させるという、ゲーム性を有している。
【0044】
このようなゲーム性においては、電源投入後はRT1に滞在することから、RT1からRT0に、続いて、RT0からRT5に順次移行(昇格ともいう)させることが遊技者にとって好ましいことになる。そして、RT5の終了後にはRT0に移行(復帰)することから、再びRT0からRT5に移行(昇格)するというループを繰り返すことが遊技者にとって最も好ましいことになる。
ここで、RT1からRT0に移行(昇格ともいう)することとなる「シングルボーナス役」の「こぼし目」と、RT0からRT2〜4に移行(転落ともいう)することとなる「転落リプレイ1〜3」と、RT0からRT5に移行(昇格ともいう)することとなる「昇格リプレイ」について、
図7,8を参照しながら説明する。
【0045】
図7に示す「シングルボーナス役」は、例えば、RT1において内部抽選処理における抽選対象の一部であって、RT状態の移行に係る抽選対象として設定されている。
前述したように、例えば、「シングルボーナス役」に当選した場合、これに対応する図柄の組合せ(例えば、「7・7・チェリー」)が停止せずに、「こぼし目」となる、例えば、「ベル・チェリー・チェリー」が停止したときには、RT1からRT0に移行(昇格)することになる。
一方、「シングルボーナス役」に当選した場合、これに対応する図柄の組合せ(例えば、「7・7・チェリー」)が停止したときには、RT1からRT0に移行(昇格)することができず、RT1にそのまま滞在することになる。
なお、「シングルボーナス役」は、RT1中において、例えば、1/10で当選するように設定され、さらに、この当選を示唆する演出などの報知を行わないこととしている。これにより、遊技者が1ゲームごとに「目押し」を行わない限り、通常、「シングルボーナス役」に当選すると「こぼし目」が停止し、RT1からRT0に移行(昇格)することになる。
【0046】
「転落リプレイ1〜3」と「昇格リプレイ」は、
図8に示すように、RT0において、内部抽選処理における抽選対象の一部であって、RT状態の移行に係る抽選対象として設定されている。
例えば、「転落リプレイ1〜3」と「昇格リプレイ」は、抽選番号1〜4にそれぞれ割り当てられて設定されており、また、これらはそれぞれ「通常リプレイ」に重複して当選する重複当選役としてある。また、抽選番号1〜4には、それぞれ均等な確率(抽選番号1〜4以外の他の抽選対象を含めたトータルの確率は、例えば1/7)で当選することが好ましい。なお、RT0以外のRTでは、抽選番号1〜4に当選しないこととするが、当選してもよい。
図表中の分数は、各当選役に対応する図柄の組合せが停止する割合を示している。
この割合は、例えば、停止ボタン5a〜5cに対する操作順序(押し順という)として6通りある押し順(例えば、「5a→5b→5c」,「5c→5b→5a」など)のうちの何通りの押し順によって、各当選役に対応する図柄の組合せが停止するかを示している。
【0047】
例えば、抽選番号1に当選したときには、6通りの押し順のうち1通りの押し順で停止ボタン5を操作したときに(1/6)、「通常リプレイ」に対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・リプレイ」)が停止し、6通りの押し順のうち5通りの押し順で停止ボタン5を操作したときに(5/6)、「転落リプレイ1」に対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・スイカ」)が停止することになる。
【0048】
すなわち、RT0中において抽選番号1に当選したときには、6通りある押し順のうち5通りの押し順で停止ボタン5を操作したときに、「転落リプレイ1」に対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・スイカ」)が停止し、その結果、RT0からRT2に移行(転落)するようになっている。一方、6通りある押し順のうち1通りの押し順で停止ボタン5を操作したときに、「通常リプレイ」に対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・リプレイ」)が停止し、その結果、RT0からRT2に移行(転落)せずに、RT0にそのまま滞在することになる。
【0049】
また、例えば、抽選番号2に当選したときには、6通りの押し順のうち1通りの押し順で停止ボタン5を操作したときに(1/6)、「通常リプレイ」に対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・リプレイ」)が停止し、6通りの押し順のうち5通りの押し順で停止ボタン5を操作したときに(5/6)、「転落リプレイ2」に対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・7」)が停止することになる。
【0050】
すなわち、RT0中において抽選番号2に当選したときには、6通りある押し順のうち5通りの押し順で停止ボタン5を操作したときに、「転落リプレイ2」に対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・7」)が停止し、その結果、RT0からRT3に移行(転落)するようになっている。一方、6通りある押し順のうち1通りの押し順で停止ボタン5を操作したときに、「通常リプレイ」に対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・リプレイ」)が停止し、その結果、RT0からRT3に移行(転落)せずに、RT0にそのまま滞在することになる。
【0051】
また、例えば、抽選番号3に当選したときには、6通りの押し順のうち1通りの押し順で停止ボタン5を操作したときに(1/6)、「通常リプレイ」に対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・リプレイ」)が停止し、6通りの押し順のうち5通りの押し順で停止ボタン5を操作したときに(5/6)、「転落リプレイ3」に対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・ベル」)が停止することになる。
【0052】
すなわち、RT0中において抽選番号3に当選したときには、6通りある押し順のうち5通りの押し順で停止ボタン5を操作したときに、「転落リプレイ3」に対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・ベル」)が停止し、その結果、RT0からRT4に移行(転落)するようになっている。一方、6通りある押し順のうち1通りの押し順で停止ボタン5を操作したときに、「通常リプレイ」に対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・リプレイ」)が停止し、その結果、RT0からRT4に移行(転落)せずに、RT0にそのまま滞在することになる。
【0053】
また、例えば、抽選番号4に当選したときには、6通りの押し順のうち5通りの押し順で停止ボタン5を操作したときに(5/6)、「通常リプレイ」に対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・リプレイ」)が停止し、6通りの押し順のうち1通りの押し順で停止ボタン5を操作したときに(1/6)、「昇格リプレイ」に対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・チェリー」)が停止することになる。
【0054】
すなわち、RT0中において抽選番号4に当選したときには、6通りある押し順のうち1通りの押し順で停止ボタン5を操作したときに、「昇格リプレイ」に対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・チェリー」)が停止し、その結果、RT0からRT5に移行(昇格)するようになっている。一方、6通りある押し順のうち5通りの押し順で停止ボタン5を操作したときに、「通常リプレイ」に対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・リプレイ」)が停止し、その結果、RT0からRT5に移行(昇格)せずに、RT0にそのまま滞在することになる。
【0055】
このように、RT0からRT5に昇格することとなる「昇格リプレイ」に対応する図柄の組合せと、RT0からRT2〜4に転落することとなる「転落リプレイ1〜3」は、停止ボタン5に対する押し順の違いによって停止されることから、RT0においては、「昇格リプレイ」に対応する図柄の組合せが停止するように、又は「転落リプレイ1〜3」に対応する図柄の組合せが停止しないように、停止ボタン5を操作することが遊技者にとって好ましい。
しかしながら、RT0において抽選番号1〜4に当選したかどうかは見かけ上、判別できないようになっている。
そこで、所定の条件が成立したときに、停止ボタン5に対する押し順を表示器8などの報知手段(操作情報報知手段)を通して報知(ナビゲート)することにより、「昇格リプレイ」に対応する図柄の組合せが停止するように、又は「転落リプレイ1〜3」に対応する図柄の組合せが停止しないように、アシストするという特典を遊技者に付与し、RT0からRT5への昇格を支援する。
【0056】
具体的には、押し順の報知例として、例えば、RT0中において抽選番号4に当選したときに、停止ボタン5が「5a→5b→5c」の順に操作されると、「昇格リプレイ」に対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・チェリー」)が停止する場合、表示器8において「左→中→右」などの表示を行い、スピーカ9から「左」、「中」、「右」の順でそれぞれの音声を出力する。
また、このとき、
図1,3に示す主制御部10によって制御されるナビランプ12(操作情報報知手段)を、「12a→12b→12c」の順に点灯させる。
つまり、表示器8、スピーカ9、ナビランプ12などの操作情報報知手段を通じて停止ボタン5に対する操作をナビゲートする。
その結果、このナビゲート(報知)に従って遊技者が停止ボタン5を操作することにより、「昇格リプレイ」が停止することになる。
また、RT0中において抽選番号1〜3に当選したときにも同様に、「転落リプレイ1〜3」に対応する図柄の組合せが停止しないように、すなわち、「通常リプレイ」に対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・リプレイ」)の停止をナビゲートする押し順が報知される。
このようなRT0中における押し順の報知は、RT5に移行する権利(以下、「RT5移行権利」という)を保有していることを条件に発動されることが好ましい。
【0057】
「RT5移行権利」は、所定条件の成立に基づいて遊技者に付与され、さらには所定条件が成立する度にその数量が増加することが好ましい。
また、「RT5移行権利」は、RT5への移行という条件の成立に基づいて1つの権利が消失することが好ましいが、RT5の終了という条件の成立に基づいて1つの権利が消失してもよい。
ここで、「RT5移行権利」の獲得条件について
図9〜13を参照しながら説明する。
【0058】
「RT5移行権利」は、RT0〜RT6、好ましくはRT2〜RT5中における所定条件の成立に基づいて獲得することができる。
例えば、RT2〜RT5において、内部抽選処理における抽選対象の一部に当選したときに、「RT5移行権利」の獲得をかけた「RT5移行権利獲得抽選処理」を主制御部10において実行し、この処理において当選したときに、「RT5移行権利」を付与することが好ましい。
具体的には、RT2〜RT5の内部抽選処理において「ベル役」に当選したときに、「RT5移行権利獲得抽選処理」を実行することが好ましい。
また、「ベル役」に当選したときのみならず、「チェリー役」、「スイカ役」、「チャンスリプレイ役」などの、いわゆる「レア役」に当選したときに「RT5移行権利獲得抽選処理」を実行することが好ましい。
「RT5移行権利獲得抽選処理」における当選のし易さは、「上段・下段チェリー役」>「スイカ役」>「チャンスリプレイ役」>「中段チェリー役」>「ベル役」の順に、設定されていることが好ましい。
【0059】
また、「ベル役」及び「レア役」に当選したとき常に「RT5移行権利獲得抽選処理」を実行することもできるが、RT2〜5中において「RT5移行権利獲得抽選処理」を実行し難い遊技状態と、「RT5移行権利獲得抽選処理」を実行し易い遊技状態とをそれぞれ設けることもできる。
本実施形態では、「RT5移行権利獲得抽選処理」を実行し難い遊技状態となる低確率状態と、「RT5移行権利獲得抽選処理」を実行し易い遊技状態となる高確率状態とをそれぞれ設けることとする。
【0060】
例えば、各確率状態において、「ベル役」及び「レア役」にそれぞれ当選したときには、低確率状態では「RT5移行権利獲得抽選処理」を実行し難く、高確率状態では低確率状態よりも「RT5移行権利獲得抽選処理」を実行し易く設定する。
具体的には、本実施形態では、低確率状態で「ベル役」及び「レア役」に当選したときには、「0%」の確率で「RT5移行権利獲得抽選処理」を実行し、高確率状態で「ベル役」及び「レア役」に当選したときには、「100%」の確率で「RT5移行権利獲得抽選処理」を実行するように設定する。つまり、本実施形態では、RT2〜RT5において、高確率状態のときに、「ベル役」及び「レア役」にそれぞれ当選した場合、「RT5移行権利獲得抽選処理」を実行することとし、RT2〜RT5において、低確率状態のときに、「ベル役」及び「レア役」にそれぞれ当選した場合、「RT5移行権利獲得抽選処理」を実行しないこととする。
その結果、低確率状態が第1権利付与状態となり、高確率状態が第1権利付与状態よりも「RT5移行権利」が付与され易い第2権利付与状態となる。
なお、低確率状態及び高確率状態において、「RT5移行権利獲得抽選処理」を実行可能なそれぞれの確率は、「0%」、「100%」などの数値に限らず、低確率状態と高確率状態との間に差異を設ければ、それぞれの確率を任意の値に設定することができる。
【0061】
また、低確率状態と高確率状態は、主制御部10が権利付与状態制御手段として動作することにより、所定条件の成立に基づいて、一方の状態から他方の状態に移行させることが好ましい。
本実施形態では、「ベル役」及び「レア役」に当選したときに、低確率状態から高確率状態、又は高確率状態から低確率状態への移行を抽選により決定する「移行抽選処理」を主制御部10において実行することとし、この「移行抽選処理」において当選したときに、一方の状態から他方の状態に移行するものとする。
具体的には、「ベル役」当選時の移行抽選は、
図10に示す高確率移行管理テーブルに記載された確率に基づいて実行される。
例えば、移行前の確率状態が低確率状態のときに、「ベル役」に当選した場合、2/3の確率で低確率状態にそのまま滞在し、1/3の確率で高確率状態に移行する「移行抽選処理」を実行する。
また、移行前の確率状態が高確率状態のときに、「ベル役」に当選した場合、1/3の確率で低確率状態に移行し、2/3の確率で高確率状態にそのまま滞在する「移行抽選処理」を実行する。
【0062】
また、「レア役」当選時の移行抽選は、
図11に示す高確率移行管理テーブルに記載された確率に基づいて実行される。
例えば、移行前の確率状態が低確率状態のときに、「レア役」に当選した場合、1/1の確率で高確率状態に移行する「移行抽選処理」を実行する。
また、移行前の確率状態が高確率状態のときに、「レア役」に当選した場合、1/1の確率で高確率状態にそのまま滞在する「移行抽選処理」を実行する。
なお、上記の移行確率は、1/1なので、「レア役」に当選した場合、「移行抽選処理」を実行せずに、無条件で高確率状態に移行することにしてもよい。
また、
図10及び11に示す高確率移行管理テーブルは、主制御部10に備えるROMなどの記憶手段に記憶され、内部抽選処理において「ベル役」及び「レア役」に当選したときに、主制御部10(CPU)が「移行抽選処理」を実行するにあたり、当該高確率移行管理テーブルを適宜参照して当否を決定することが好ましい。
【0063】
また、本実施形態では、高確率状態のときに、「ベル役」及び「レア役」にそれぞれ当選した場合、「RT5移行権利獲得抽選処理」を実行することにするが、高確率状態においても、「RT5移行権利」の獲得し易さを遊技期間に応じて異ならせることができる。
例えば、
図12のRT5移行権利管理テーブル1に示すように、1〜512ゲームを所定のゲーム数単位で複数の遊技期間「第1〜9ゲーム区間」にそれぞれ分け、それぞれのゲーム区間に応じて「RT5移行権利」の獲得し易さ示すモードを設定する。
このモードは、モードA<モードB<モードC<モードDの順に、「RT5移行権利」の獲得の期待度が高くなるように設定する。
特に、モードAに対してモードBは、モードAの実行後に実行されるゲームに割り当てることが好ましく、モードA,Bに対してモードCは、モードA,Bの実行後に実行されるゲームに割り当てることが好ましく、モードA,B,Cに対してモードDは、モードA,B,Cの実行後に実行されるゲームに割り当てることが好ましい。
【0064】
つまり、例えば、モードAに対応する第1ゲーム区間を第1遊技期間とし、モードBに対応する第2ゲーム区間を第2遊技期間としたときには、「RT5移行権利」の獲得の期待度に関して、モードA<モードBの関係を有することから、第1ゲーム区間よりも第2ゲーム区間の方が「RT5移行権利」が付与され易く設定されていることになる。
同様に、モードA,Bに対応する第1〜7ゲーム区間を第1遊技期間とし、モードCに対応する第8ゲーム区間を第2遊技期間としたときには、モードA,B<モードCの関係を有することから、第1〜7ゲーム区間よりも第8ゲーム区間の方が「RT5移行権利」が付与され易く設定されていることになる。
同様に、モードA,B,Cに対応する第1〜8ゲーム区間を第1遊技期間とし、モードDに対応する第9ゲーム区間を第2遊技期間としたときには、モードA,B,C<モードDの関係を有することから、第1〜8ゲーム区間よりも第9ゲーム区間の方が「RT5移行権利」が付与され易く設定されていることになる。
また、モードA,Bに対応する第1〜7ゲーム区間を第1遊技期間とし、モードCに対応する第8ゲーム区間を第2遊技期間とし、モードDに対応する第9ゲーム区間を第3遊技期間としたときには、モードA,B<モードC<モードDの関係を有することから、第1〜7ゲーム区間よりも第8ゲーム区間の方が、さらには、第8ゲーム区間よりも第9ゲーム区間の方が「RT5移行権利」が付与され易く設定されていることになる。
【0065】
このようなモード間における「RT5移行権利」の獲得期待度の違いは、「ベル役」及び「レア役」それぞれに当選した場合に実行される「RT5移行権利獲得抽選処理」において当選率に違いを設けることにより実現される。
例えば、
図13のRT5移行権利管理テーブル2に示すように、「ベル役」当選時に実行される「RT5移行権利獲得抽選処理」においては、モードAに対応するゲーム区間では、1/256で「RT5移行権利」の獲得に当選するように設定され、モードBに対応するゲーム区間では、1/64で「RT5移行権利」の獲得に当選するように設定されている。つまり、同じ「ベル役」に当選したときでも、モードAよりもモードBの方が「RT5移行権利」が付与され易くなっている。
同様に、「レア役」当選時に実行される「RT5移行権利獲得抽選処理」においては、モードAに対応するゲーム区間では、1/8で「RT5移行権利」の獲得に当選するように設定され、モードBに対応するゲーム区間では、1/4で「RT5移行権利」の獲得に当選するように設定されている。さらに、モードAに対応するゲーム区間で「RT5移行権利」の獲得に当選したときには、付与される権利の数は1つであるのに対して、モードBに対応するゲーム区間で「RT5移行権利」の獲得に当選したときには、付与される権利の数が2つに設定されている。つまり、同じ「レア役」に当選したときでも、モードAに対応するゲーム区間よりもモードBに対応するゲーム区間の方が「RT5移行権利」が付与され易く、さらには付与される「RT5移行権利」の数も多くなっている。
このような「ベル役」及び「レア役」に対応する「RT5移行権利獲得抽選処理」における当選率の傾向は、他のモードでも同様であり、モードBに対応するゲーム区間よりもモードCに対応するゲーム区間の方が「RT5移行権利」が付与され易く、モードCに対応するゲーム区間よりもモードDに対応するゲーム区間の方が「RT5移行権利」が付与され易く、さらには付与される「RT5移行権利」の数も多くなるように設定されている。
このような各ゲーム区間に対応する当選率や権利獲得数に違いを設けることにより、モード間における「RT5移行権利」の獲得期待度の違いを実現することができる。
なお、
図12及び13に示すRT5移行権利管理テーブル1,2は、主制御部10に備えるROMなどの記憶手段が遊技期間規定手段として動作することにより、当該記憶手段に記憶され、高確率状態の内部抽選処理において「ベル役」及び「レア役」に当選したときに、主制御部10(CPU)が「RT5移行権利獲得抽選処理」を実行するにあたり、当該RT5移行権利管理テーブル1,2を適宜参照して当否を決定することが好ましい。
【0066】
また、このようなモードの違いは遊技者に対して報知されることが好ましい。
本実施形態では、モードの違いを、例えば、表示器8において識別可能に報知する。
具体的には、モードの違いを表示する表示態様として、例えば、表示器8の背景画像により報知し、
図14に示すように、モードAのときには「昼」の背景画像、モードBのときには「夕方」の背景画像、モードCのときには「夜」の背景画像、モードDのときには「宇宙」の背景画像を表示器8に表示する。
このような報知により、遊技者はモードの違いを背景画像により識別することができる。
なお、上記の報知(表示)態様は一例であり、報知態様がそれぞれのモードに関連付けてあれば、任意の報知態様を採用することができる。
また、このようなモードの違いの報知は、「低確率状態」で行うことが好ましいが、「高確率状態」で当該報知を行ってもよい。
【0067】
また、このような報知に加えて、一の遊技期間において当該一の遊技期間よりも後に実行される他の遊技期間に関連する情報の報知を行うこともできる。
例えば、第1ゲーム区間を実行中において、第2ゲーム区間に関連する情報の報知を行ったり、第7ゲーム区間を実行中において、第8ゲーム区間に関連する情報の報知を行ったりすることもできる。
特に、「RT5移行権利」が付与され難く設定されているモードに対応するゲーム区間(一の遊技期間)において、これよりも後のゲーム区間であって「RT5移行権利」が付与され易く設定されているモードに対応するゲーム区間(他の遊技期間)に関連する情報の報知を行うことが好ましい。
報知例としては、例えば、残り10ゲームの実行により第2ゲーム区間に突入する第1ゲーム区間や、残り10ゲームの実行により第8ゲーム区間に突入する第7ゲーム区間において、
図15に示すように、「後10ゲームでいいことが起こるかも?」などのメッセージを表示器8に表示させることもできる。
また、報知内容をモード(ゲーム区間)の種類に応じて変えることもできる。例えば、他のゲーム区間をモードBとするときには「後10ゲームでいいことが起きるかも?」を、他のゲーム区間をモードCとするときには「後10ゲームでとてもいいことが起きるかも??」を、他のゲーム区間をモードDとするときには「後10ゲームで超いいことが起きるかも???」などのメッセージを、一(先)のゲーム区間においてそれぞれ表示させるなどのように、後のゲーム区間に対応するモードの種類に応じて報知内容を変えることもできる。
このような一の遊技期間よりも後に実行される他の遊技期間に関連する情報の報知を行うことにより、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。
【0068】
このように設定された
図12、13に示すRT5移行管理テーブル1,2を用いて、RT2〜5の高確率状態において「ベル役」及び「レア役」にそれぞれ当選した場合に実行される「RT5移行権利獲得抽選処理」における当選確率を管理することにより、「RT5移行権利」の獲得し易さに遊技期間に応じた違いを設けることができる。
そして、このRT5移行管理テーブル1,2は、RT2〜5の高確率状態において「ベル役」及び「レア役」にそれぞれ当選した場合に共通のテーブルとして参照される。
RT2〜5は、実行ゲーム数(有限RTゲーム数)がそれぞれ異なることから、それぞれに含まれる遊技期間も以下のように異なることになる。
【0069】
例えば、RT2は、128回のゲームが実行可能な有限RTであることから、第1ゲーム区間と、第2ゲーム区間の2つのゲーム区間から構成されることになる。
また、RT3は、256回のゲームが実行可能な有限RTであることから、第1ゲーム区間から第4ゲーム区間までの4つのゲーム区間から構成されることになる。
また、RT4は、512回のゲームが実行可能な有限RTであることから、第1ゲーム区間から第9ゲーム区間までの9つのゲーム区間から構成されることになる。
また、RT5は、64回のゲームが実行可能な有限RTであることから、第1ゲーム区間のみから構成されることになる。
【0070】
このような実行可能なゲーム数の違いを設けることにより、実行可能なゲーム数の多いRT状態は、モードB、モードC、及びモードDなどの第2遊技期間を少なくとも含み、実行可能なゲーム数の多いRT状態の方が実行可能なゲーム数の少ないRT状態よりも「RT5移行権利」が付与され易く設定されていることになる。
例えば、RT3とRT4とを比較すると、実行可能なゲーム数の多いRT4は、実行可能なゲーム数の少ないRT3では含まれないモードC及びモードDに対応するゲーム区間を少なくとも含み、RT4はRT3よりも「RT5移行権利」が付与され易く設定されていることになる。
また、例えば、RT2とRT3とを比較すると、実行可能なゲーム数の多いRT3は、実行可能なゲーム数の少ないRT2よりもモードBに対応するゲーム区間を数多く含み、RT3はRT2よりも「RT5移行権利」が付与され易く設定されていることになる。
このような設定により、RT0に移行するまでに実行可能なゲーム数が多くても、その見返りとして、「RT5移行権利」が付与され易いことから、遊技者はRT0に移行するまでに実行しなければならないゲーム数の多さに落胆することなく、遊技意欲を持続することができる。
【0071】
また、このような実行可能なゲーム数に違いを設けることにより、実行可能なゲーム数の多いRT状態は、実行可能なゲーム数の少ないRT状態において規定されている遊技期間のすべてを含み、実行可能なゲーム数の少ないRT状態は、実行可能なゲーム数の多いRT状態において規定されている遊技期間のすべてを含まないように設定されていることになる。
例えば、RT2とRT3とを比較すると、実行可能なゲーム数の多いRT3は、実行可能なゲーム数の少ないRT2において規定されている第1ゲーム区間及び第2ゲーム区間の遊技期間のすべてを含むように設定されているものの、RT2はRT3において規定されている第1ゲーム区間から第4ゲーム区間までの遊技期間のすべてを含まないように設定されている。
また、例えば、RT3とRT4とを比較すると、実行可能なゲーム数の多いRT4は、実行可能なゲーム数の少ないRT3において規定されている第1ゲーム区間から第4ゲーム区間までの遊技期間のすべてを含むように設定されているものの、RT3はRT4において規定されている第1ゲーム区間から第9ゲーム区間までの遊技期間のすべてを含まないように設定されている。
つまり、実行可能なゲーム数の多いRT状態は、実行可能なゲーム数の少ないRT状態よりもモードBに対応するゲーム区間を数多く含むか、実行可能なゲーム数の少ないRT状態に含まれないモードC、モードDを含むことから、「RT5移行権利」が付与され易いことになる。
このような設定により、RT0に移行するまでに実行可能なゲーム数が多くても、その見返りとして、「RT5移行権利」が付与され易いことから、遊技者はRT0に移行するまでに実行しなければならないゲーム数の多さに落胆することなく、遊技意欲を持続することができる。
【0072】
このようなRT5移行権利管理テーブル1,2に基づいて当選確率の管理される、「RT5移行権利獲得抽選処理」が主制御部10において実行され、これに当選することにより、「RT5移行権利」が付与される。
また、「RT5移行権利」は、「RT5移行権利獲得抽選処理」が実行され、これに当選する度に主制御部10のRAMなどの記憶手段に累積的に記憶される。
このように、主制御部10が権利付与手段として動作することにより、遊技者に有利な権利が付与されることになる。
そして、この「RT5移行権利」を保有(記憶)していることに基づいて、RT0において、
図8に示すRT状態移行抽選対象(抽選番号1〜4)に当選したときに、「昇格リプレイ」に対応する図柄の組合せが停止するように、又は「転落リプレイ1〜3」に対応する図柄の組合せが停止しないように、押し順が報知され、RT0からRT5への昇格が支援される。
なお、RT0において、「RT5移行権利」を保有(記憶)していないときには、上記の支援は受けられないが、この支援を受けることなく偶発的に「昇格リプレイ」に対応する図柄の組合せが停止することもあり、このときには、RT0からRT5に昇格することになる。
【0073】
このような支援を受けてRT5に移行したときには、「RT5移行権利」が1つ消失することになるが、RT5は、
図13に示すRT5移行管理テーブル2の第1ゲーム区間に対応することから、高確率状態への移行、さらに、高確率状態での「ベル役」又は「レア役」に当選した場合に実行される「RT5移行権利獲得抽選処理」において当選することにより、「RT5移行権利」が付与されることもある。
また、RT5では、RT0において「RT5移行権利」を保有(記憶)していることに基づいてRT0からRT5に昇格したときには、内部抽選処理において1/2の確率で「リプレイ役」に当選するRT状態に加えてAT状態が重複する、ART状態とすることが好ましい。
この場合、RT0〜6中における内部抽選処理の抽選対象としての「ベル・ベル・ベル」(ベル役)に、押し順のそれぞれ異なる「押し順ベル」を6種類設定しておき、RT5中の各ゲームにおいてこれらに当選したときに、それぞれに対応する押し順を報知することにより、RT状態にAT状態が重複するART状態とすることができる。
一方、RT0において「RT5移行権利」を保有(記憶)していないにもかかわらず、偶発的にRT0からRT5に昇格したときには、RT状態にAT状態が重複しない、単なるRT状態とすることが好ましい。
また、RT1〜4においては、「RT5移行権利」を保有(記憶)していても、「押し順ベル」に対応する押し順を報知することはないが、押し順を報知してもよい。
【0074】
また、このようなART状態となったときのRT5や、ボーナス、さらに「RT3〜5移行権利」を保有している状態、又はこれらの一又は二以上の状態を組合せた状態を「有利状態」と定義し、この「有利状態」中は、
図1,3に示す主制御部10によって制御される有利状態ランプ13を点灯、点滅させることが好ましい。
【0075】
このような「有利状態」は、上記有利状態の条件を一つも満たさなくなり、非有利状態(通常状態)に移行するまで、複数ゲームに亘って継続することになるが、この「継続ゲーム数」が1500回に達したときには、その時点で保有している「RT5移行権利」をすべて消失させることが好ましい。なお、「継続ゲーム数」が1500回に達した時点が、ボーナス中のときには、そのボーナスの終了時に、その時点で保有している「RT5移行権利」をすべて消失させることが好ましい。
なお、ボーナスの終了後ではなく、ボーナス中であっても、継続ゲーム数が1500回に達した時点で、「RT5移行権利」をすべて消失させてもよい。
また、「継続ゲーム数」が1500回に達したときには、その後は、達したときのRT状態を継続させることが好ましいが、RT1に強制的に移行させてもよい。
【0076】
主制御部10に備えるROMなどの記憶手段には、「RT5移行権利」獲得までの手順を制御するプログラムやデータが記憶されており、このプログラムを主制御部10に備えるCPUがデータを参照しながら実行することにより、以上説明したような特徴的な動作が実現される。
図16は、このプログラムのフローチャートを示しており、これを参照しながら、上述した特徴的な動作について説明する。
図16は、例えば、「RT2〜5」において主制御部10が実行する処理であって、「RT5移行権利」獲得までの手順を制御する「RT5移行権利獲得制御処理」を示すフローチャートである。
【0077】
この処理では、最初に、現在の状態が高確率状態か否かの判定を行う(S1)。
高確率状態でないときには(S1−No)、処理を終了する。
一方、高確率状態と判定されたときには(S1−Yes)、「ベル役」及び「レア役」などの「RT5移行権利獲得抽選処理」を実行可能な抽選役に当選したか否かの判定を行う(S2)。
抽選役に当選していないときには(S2−No)、処理を終了する。
一方、抽選役に当選したときには(S2−Yes)、そのときのゲーム回数(有限RTの実行ゲーム回数)を取得する(S3)。そして、
図13に示すRT5移行権利管理テーブル2を参照しながら取得したゲーム回数に対応する当選確率に基づいて「RT5移行権利獲得抽選処理」を実行する(S4)。
「RT5移行権利獲得抽選処理」において当選しなかったときには(S5−No)、処理を終了する。
一方、当選したときには(S5−Yes)、
図13に示すRT5移行権利管理テーブル2を参照しながら取得したゲーム回数に対応する数の「RT5移行権利」を付与し(S6)、処理を終了する。
なお、S3において取得するゲーム回数は、残りゲーム回数(有限RTの残りゲーム回数)でもよい。これは、残りゲーム回数から現在のゲーム回数を特定できるからである。
【0078】
以上のように、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、「RT5移行権利」の獲得期待度を、遊技の進行に係るゲーム数に応じて異ならせることができるため、遊技の単調化を防止し、興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、RT2〜RT5それぞれで実行可能なゲーム数が異なるものの、同じRT5移行権利管理テーブルを用いることから、データ容量を削減することができる。
【0079】
一方、特許文献1には、所定の条件が成立したときに、ARTを継続させるための権利(ARTの継続権利)としてのARTのセット数を付与する遊技機が開示されている。
しかしながら、上記遊技機では、ARTの継続権利が付与される確率が一律であったため、遊技が単調となり、興趣の低下を招いていた。
このように、本実施形態のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべき、このような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0080】
以上説明した本実施形態に係る発明において、以下の事例を変形又は応用実施形態として適用することもできる。
【0081】
例えば、RT機に本発明を適用してもよい。すなわち、RT5において、押し順ベルを非搭載としてもよい。
また、AT機に本発明を適用してもよい。すなわち、RT5において、RTを非搭載とし、AT状態だけでもよい。
また、本実施形態では、RB(レギュラーボーナス)を設けたが、これに代えて又はこれに加えてBB(ビッグボーナス)を設けてもよい。
また、ボーナスを設けないようにしてもよい。この場合には、RTの種類をもう一つ設け、当該RTをボーナスの代わりの遊技状態(擬似ボーナス)としてもよい。
また、RT2〜RT5において、ゲーム数をそれぞれ規定したがこれ以外のゲーム数でもよい。
また、RT5は、ゲーム数が規定されているRT(いわゆる「有限RT」)であるが、ゲーム数を規定しないRT(いわゆる「無限RT」)としてもよい。なお、RT5を無限RTとした場合には、「RT5移行権利」の付与に代えて、ゲーム数上乗せにすることが好ましい。
また、「シングルボーナス役」の「こぼし目」の停止により、RT1からRT0に移行するようにしたが、小役の停止表示、又は、小役のこぼし目の停止表示、又は所定ゲーム数の経過等により、RT1からRT0に移行するようにしてもよい。
また、RTの種類に応じて、リプレイ確率が設定されているが、この数値に限られるものではない。ただし、RT5については、他のRTよりもリプレイ確率が高いことが好ましい。
【0082】
また、RT0から移行可能な第2遊技状態は、RT2〜4の3種類としたが、これ以下又はこれ以上の数の種類を設けてもよい。
また、RT0から移行可能な第3遊技状態は、RT5の1種類としたが、2種類以上としてもよい。また、2種類以上の第3遊技状態を設けた場合には、停止表示される昇格リプレイの種類に応じて異なる第3遊技状態に移行するものとし、第3遊技状態のそれぞれで滞在ゲーム数を異なるようにしてもよい。
【0083】
また、ベル役やレア役で、低確率状態から高確率状態などの一方の状態から他方の状態に移行するようにしたが、リプレイ等のその他の役で移行するようにしてもよい。
また、高確率状態よりもさらに「RT5移行権利」の獲得期待度が高くなる超高確率状態を設け、高確率のときにレア役などに当選したことに基づいて、当該超高確率状態に移行するようにしてもよい。
また、各ゲーム区間(高確率時)における「RT5移行権利獲得抽選処理」において当選する確率、これに当選したときに付与される「RT5移行権利」の数は上述したものに限定されずに任意な値に設定可能である。
また、ベル役やレア役だけでなく、リプレイなどのその他の役に当選したときに「RT5移行権利獲得抽選処理」を実行してもよい。
また、モードは、モードA<モードB<モードC<モードDの順に、「RT5移行権利」の獲得の期待度が高くなるように設定したが、モードA>モードB>モードC>モードDの順に、「RT5移行権利」の獲得の期待度が高くなるように、すなわち、先に実行されるモードの方が、後に実行されるモードよりも期待度が高くなるようにしてもよい。
【0084】
また、RT2〜RT5において、同一の「RT5移行権利管理テーブル」を利用したが、異なる「RT5移行権利管理テーブル」を利用するようにしてもよい。
具体的には、RT4については、
図12に示す「RT5移行権利管理テーブル1」を利用し、RT2、RT3、RT5についてはそれぞれ、
図17、
図18、
図19に示す「RT5移行権利管理テーブル1」を利用してもよい。
この場合、同じ第1ゲーム区間(第1遊技期間)であっても、
図17に示すRT2の第1ゲーム区間(1〜64)と、
図18に示すRT3の第1ゲーム区間(1〜128)と、
図19に示すRT5の第1ゲーム区間(1〜12)とでは、遊技期間の長さがそれぞれ異なるが、
図17に示すRT2の第1ゲーム区間(1〜64)と
図12に示すRT4の第1ゲーム区間(1〜64)のように、遊技期間の長さが等しいRTが2以上あってもよい。
同様に、同じ第2ゲーム区間(第2遊技期間)であっても、
図17に示すRT2の第2ゲーム区間(65〜128)と、
図18に示すRT3の第2ゲーム区間(129〜179)と、
図19に示すRT5の第2ゲーム区間(13〜61)とでは、遊技期間の長さがそれぞれ異なるが、
図17に示すRT2の第2ゲーム区間(65〜128)と
図12に示すRT4の第2ゲーム区間(65〜128)のように、遊技期間の長さが等しいRTが2以上あってもよい。
上記において、第1遊技期間は第1ゲーム区間、第2遊技期間は第2ゲーム区間に限られるものではなく、例えば、
図18に示すRT3の第2ゲーム区間と
図19に示すRT5の第2ゲーム区間を第1遊技期間とし、
図18に示すRT3の第3ゲーム区間と
図19に示すRT5の第3ゲーム区間を第2遊技期間としてもよく、つまり、第2遊技状態を複数の遊技期間に規定したときに、実行する順番が等しい遊技期間同士を第1遊技期間とし、第1遊技期間の後に実行される順番が等しい遊技期間同士を第2遊技期間とするものである。
【0085】
また、上述したように、RT0から移行可能な第2遊技状態を4種類以上設け、かつ、同じ規定ゲーム数の第2遊技状態が複数存在する場合には、高確率状態に移行した際に、「RT5移行権利」の獲得期待度が相対的に高い「RT5移行権利管理テーブル」が利用される第2遊技状態と、「RT5移行権利」の獲得期待度が相対的に低い「RT5移行権利管理テーブル」が利用される第2遊技状態とをそれぞれ設けることで、同じ規定ゲーム数でも、「RT5移行権利」の獲得期待度が異なるようにしてもよい。
また、RT0から移行可能な第3遊技状態を2種類以上設けた場合にも、それぞれが「RT5移行権利」の獲得期待度が相対的に異なる「RT5移行権利管理テーブル」を利用することにより、獲得期待度に差異を設けることもできる。
【0086】
[第2実施形態]
第2実施形態に係るスロットマシン1は、第1実施形態と同様な構成を有しているものの、以下の点において相違する。
具体的には、第1実施形態では、RT5はゲーム数が固定(例えば、64ゲームに固定)の有限RTであったものの、第2実施形態では、RT5は無限RTであって、当初実行可能なゲーム数(初期ゲーム数)のみが設定されているものの、「RT5移行権利」の付与に基づいてRT5のゲーム数を上乗せして増加可能とする点において相違する。
すなわち、第2実施形態では、第2遊技状態となるRT2〜4において付与された「RT5移行権利」に基づいて、RT0においてRT5への移行が支援されるとともに、付与された「RT5移行権利」は、RT5のゲーム数を増加させるための「上乗せゲーム数」となる。
【0087】
例えば、RT2〜4における1つの「RT5移行権利」の獲得は、上乗せゲーム数5〜300のいずれか該当するものとし(例えば、抽選により5〜300ゲームのいずれかに決定)、RT0からRT5に移行したときに、その上乗せゲーム数が加算される。
具体的には、RT5において当初実行可能なゲーム数(初期ゲーム数)を、例えば50ゲームと予め設定しておき、RT2〜4における「RT5移行権利」の獲得に基づき100ゲームの上乗せゲーム数を獲得したときには、RT5に移行時において、その100ゲームが上乗せ加算され、RT5ではトータル150ゲームが実行可能となる。
【0088】
また、本実施形態においても第1実施形態と同様に、
図13に示す「RT5移行権利管理テーブル2」に基づいて、「RT5移行権利」が付与、言い換えると「上乗せゲーム数」が付与されることから、実行可能なゲーム数の多いRT状態ほど、上乗せされ易いことはいうまでもない。
また、このRT5において、
図13に示す「RT5移行権利管理テーブル2」(
図19に示すRT5移行権利管理テーブル1でも可)に基づいて、「RT5移行権利」(上乗せゲーム数)を獲得したときには、このゲーム数が現在保有しているゲーム数に上乗せ加算されることになる。
このような第2実施形態に係るスロットマシン1においても、「RT5移行権利」すなわち「上乗せ」の獲得期待度を、遊技の進行に係るゲーム数に応じて異ならせることができるため、遊技の単調化を防止し、興趣の向上を図ることができる。
【0089】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0090】
例えば、各実施形態では、遊技状態制御手段などの各種手段としての動作を主制御部10が行ったが、副制御部20がその一部又は全部を行い、副制御部20が各種手段として動作することもできる。
また、反対に、副制御部20が実行する動作を、主制御部10がその一部又は全部を行い、主制御部10が各種手段として動作することもできる。
【0091】
また、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコ(例えば、玉スロ)などその他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
【0092】
また、各実施形態では、可変表示手段としてモータにより駆動制御されるリールを用いたが、これに代えて又はこれに加えて、液晶表示器などの表示器にリール等の図柄が変動する画像を表示させることにより、表示器を識別情報の可変表示手段として用いることもできる。