(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
0.3質量%以上3.0質量%以下の鉄と、0.8質量%以上1.5質量%以下のシリコンと、0.0001質量%以上0.011質量%以下の銅と、0.0001質量%以上0.6質量%以下のマンガンと、0.0001質量%以上0.011質量%以下のマグネシウムと、0.001質量%以上0.011質量%以下の亜鉛と、0.005質量%以上0.5質量%以下のチタンと、0.0001質量%以上0.3質量%以下のジルコニウムとを含み、残部がアルミニウムと不可避不純物とからなるアルミニウム合金を準備する工程と、
前記アルミニウム合金を連続鋳造によりアルミニウム合金片に形成する工程と、
前記アルミニウム合金片を厚みが0.5mm〜1.2mmのアルミニウム合金板に板圧延する工程と、
前記板圧延の途中工程で300〜400℃の中間焼鈍をおこなう工程と、
前記アルミニウム合金板を厚みが5〜100μmのアルミニウム合金箔に箔圧延する工程と、を含む、
150℃で240分まで軟化処理しても、引張強度が120N/mm2以上に保たれ、かつ、伸びを2.0%以上有しており、
180℃で240分まで軟化処理しても、引張強度は100N/mm2以上に保たれ、かつ、伸びを3.0%以上有しており、
200℃で240分まで軟化処理しても、引張強度が90N/mm2以上に保たれ、かつ、伸びを3.0%以上有している、アルミニウム合金箔の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
容器の素材となるアルミニウム合金箔の性状を工夫することによって、内容物の焼成時における容器の強度の低下を抑制し、容器を複数回にわたって再利用することができれば、内容物の焼成時のコストを低減することができる。
たとえば、内容物が菓子やパンの場合には、容器を4〜5回程度再利用することができれば、コストを大きく削減可能であるとの業界の要望がある。
【0006】
そこで本発明の解決すべき課題は、容器の素材となるアルミニウム合金箔について、容器が繰り返しの利用に耐えることができるよう、所望の耐熱特性を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するため、本発明にかかるアルミニウム合金箔として、150℃で240分まで軟化処理しても、引張強度が120N/mm
2以上に保たれ、かつ、伸びを2.0%以上有しており、180℃で240分まで軟化処理しても、引張強度は100N/mm
2以上に保たれ、かつ、伸びを3.0%以上有しており、200℃で240分まで軟化処理しても、引張強度が90N/mm
2以上に保たれ、かつ、伸びを3.0%以上有している構成を採用したのである。
【0008】
本発明にかかるアルミニウム合金箔を以上のように構成することで、内容物を一般的な温度および時間で焼成するための容器として用いても、焼成後の内容物の取り出しの際に、容器の撓みや変形を防止できるような十分な強度を維持することができる。
【0009】
本発明にかかるアルミニウム合金箔は、0.3質量%以上3.0質量%以下の鉄と、0.8質量%以上1.5質量%以下のシリコンと、0.0001質量%以上0.011質量%以下の銅と、0.0001質量%以上0.6質量%以下のマンガンと、0.0001質量%以上0.011質量%以下のマグネシウムと、0.001質量%以上0.011質量%以下の亜鉛と、0.005質量%以上0.5質量%以下のチタンと、0.0001質量%以上0.3質量%以下のジルコニウムとを含み、残部がアルミニウムと不可避不純物とからなるものが好ましい。
【0010】
本発明にかかるアルミニウム合金箔を以上のような組成に構成することで、合金中の大径の晶出物の発生を抑えることができ、十分な強度を有する箔の実現に資することができる。
【0011】
本発明にかかるアルミニウム合金箔は、連続鋳造後に厚みが0.5〜1.2mmに板圧延する際に、300℃以上400℃以下の中間焼鈍が施されているのが好ましい。また、厚みが5〜100μmであるのが好ましい。
【0012】
本発明にかかるアルミニウム合金箔を以上のような熱処理を経て構成することで、引張強度と伸びのバランスのとれた箔を確実に得ることができる。
【0013】
本発明にかかる容器は、以上のようなアルミニウム合金箔からなるのが好ましい。
なお、本発明にかかる合金箔は、電子部品等の容器以外の用途に使用することも可能であることは無論である。
【0014】
本発明にかかるアルミニウム合金箔は、0.3質量%以上3.0質量%以下の鉄と、0.8質量%以上1.5質量%以下のシリコンと、0.0001質量%以上0.011質量%以下の銅と、0.0001質量%以上0.6質量%以下のマンガンと、0.0001質量%以上0.011質量%以下のマグネシウムと、0.001質量%以上0.011質量%以下の亜鉛と、0.005質量%以上0.5質量%以下のチタンと、0.0001質量%以上0.3質量%以下のジルコニウムとを含み、残部がアルミニウムと不可避不純物とからなるアルミニウム合金を準備する工程と、前記アルミニウム合金を連続鋳造によりアルミニウム合金片に形成する工程と、前記アルミニウム合金片を厚みが0.5mm〜1.2mmのアルミニウム合金板に板圧延する工程と、前記板圧延の途中工程で300〜400℃の中間焼鈍をおこなう工程と、前記アルミニウム合金板を厚みが5〜100μmのアルミニウム合金箔に箔圧延する工程と、を含むのが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかるアルミニウム合金箔を以上のように構成したので、所定の温度および時間で軟化処理しても、十分な強度が保たれるため、容器に成形した場合に、内容物の焼成作業に対する繰り返しの使用に耐えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態にかかるアルミニウム合金箔について説明する。
実施形態のアルミニウム合金箔は、150℃〜200℃で軟化処理した場合に、つぎのような引張強度および伸びの特性を備えている。
150℃で240分まで軟化処理した場合に、引張強度が120N/mm
2以上に保たれ、かつ、伸びを2.0%以上有している。
180℃で240分まで軟化処理した場合に、引張強度は100N/mm
2以上に保たれ、かつ、伸びを3.0%以上有している。
200℃で240分まで軟化処理した場合に、引張強度が90N/mm
2以上に保たれ、かつ、伸びを3.0%以上有している。
このような特性を備える実施形態のアルミニウム合金箔は、たとえば以下のような組成のアルミニウム合金箔を、以下のような実施形態の製造方法により製造することで得られる。
【0018】
実施形態のアルミニウム合金箔の組成は特に限定されないが、次のような組成であることが好ましい。
0.3質量%以上3.0質量%以下の鉄(Fe)を含む。
0.8質量%以上1.5質量%以下のシリコン(Si)を含む。
0.0001質量%以上0.011質量%以下の銅(Cu)を含む。
0.0001質量%以上0.6質量%以下のマンガン(Mn)を含む。
0.0001質量%以上0.011質量%以下のマグネシウム(Mg)を含む。
0.001質量%以上0.011質量%以下の亜鉛(Zn)を含む。
0.005質量%以上0.5質量%以下のチタン(Ti)を含む。
0.0001質量%以上0.3質量%以下のジルコニウム(Zr)を含む。
その残部が、アルミニウム(Al)と不可避不純物とからなる。
【0019】
上記組成中、鉄は、アルミニウム合金中においてAl−Fe系の化合物として晶出し、アルミニウム合金箔の伸びの向上に資する。
鉄の含有量が0.3質量%未満であると、伸びの向上効果を十分に得ることができないおそれがある。
また鉄の含有量が3.0質量%を超えると、Al−Fe系の化合物が過剰に晶出することにより、引張強度が増大しすぎて、かえって伸びを低下させるおそれがある。
【0020】
上記組成中、シリコンは、アルミニウム合金箔の引張強度の向上に資する。
シリコンの含有量が0.8質量%未満であると、引張強度の向上効果を十分に得ることができないおそれがある。
またシリコンの含有量が1.5質量%を超えると、引張強度が増大しすぎて伸びを低下させるおそれがある。
【0021】
上記組成中、銅は、アルミニウムに固溶しやすく、アルミニウム合金箔の伸びを低下させる。
このため、銅の含有量を0.011質量%以下に限定することが好ましい。銅のより好ましい含有量は0.005質量%以下である。銅の含有量の下限値は特に限定されないが、通常は0.0001質量%程度である。
【0022】
上記組成中、マンガンは、アルミニウム合金箔の引張強度および伸びの向上に資する。
しかし、アルミニウム合金中においてAl−Mn系の化合物が過剰に晶出することにより、アルミニウム合金箔の引張強度が増大しすぎて、かえってアルミニウム合金箔の伸びを低下させるおそれがある。このため、マンガンの含有量を0.6質量%以下に限定することが好ましい。マンガンの含有量の下限値は特に限定されないが、通常は0.0001質量%程度である。
【0023】
上記組成中、マグネシウムは、アルミニウムに固溶しやすく、アルミニウム合金箔の伸びを低下させる。
このため、マグネシウムの含有量を0.011質量%以下に限定することが好ましい。マグネシウムのより好ましい含有量は0.005質量%以下である。マグネシウムの含有量の下限値は特に限定されないが、通常は0.0001質量%程度である。
【0024】
上記組成中、亜鉛は、アルミニウム合金箔の引張強度と伸びの向上に資するが、アルミニウム合金箔の耐食性を著しく低下させる。
このため、亜鉛の含有量を0.011質量%以下に限定することが好ましい。亜鉛の含有量の下限値は特に限定されないが、通常は0.001質量%程度である。
【0025】
上記組成中、チタンは、アルミニウム合金箔の引張強度および伸びの向上に資する。
チタンの含有量が0.005質量%未満であると、引張強度と伸びの向上効果を十分に得ることができないおそれがある。
またチタンの含有量が0.5質量%を超えると、アルミニウム合金箔の引張強度が増大しすぎて、伸びを低下させるおそれがある。
【0026】
上記組成中、ジルコニウムは、アルミニウム合金箔の引張強度および伸びの向上に資する。
ジルコニウムの含有量が0.0001質量%未満であると、引張強度および伸びの向上効果を十分に得ることができないおそれがある。
またジルコニウムの含有量が0.3質量%を超えると、アルミニウム合金箔の引張強度が増大しすぎて、伸びを低下させる恐れがある。
【0027】
実施形態のアルミニウム合金箔の厚みは特に限定されないが、5〜100μmであることが好ましい。
厚みが5μm未満だと、ピンホール(穴)が発生するおそれがあり、100μmを超えると箔の強度が高すぎて、成形性が悪くなるおそれがあるからである。
【0028】
実施形態のアルミニウム合金箔の製造方法は特に限定されないが、次のような製造方法が好ましい。
まず、上記のような組成のアルミニウム合金を準備する。
このアルミニウム合金を公知の連続鋳造法にて鋳造し、厚みが6mmの板状のアルミニウム合金片を得る。
次いで、当該アルミニウム合金片を公知の冷間圧延法にて板圧延し、厚みが0.5〜1.2mmのアルミニウム合金板を得る。
さらに、当該アルミニウム合金板を公知の冷間圧延法にて箔圧延し、厚みが5〜100μmの実施形態に係るアルミニウム合金箔を得る。
【0029】
実施形態のアルミニウム合金箔の製造方法においては、さらに前記板圧延の工程中に、焼鈍温度が300〜400℃、焼鈍時間が2〜48時間にて、中間焼鈍をおこなう。
特に限定されるものではないが、厚み1.2mmのアルミニウム合金板については、170℃及び400℃で5時間の中間焼鈍を、厚み0.5mmのアルミニウム合金板については、300℃及び500℃で5時間の中間焼鈍をおこなうことが例示できる。中間焼鈍の雰囲気は空気雰囲気で行ったが、不活性ガスや真空雰囲気で行ってもよい。
かかる中間焼鈍後のアルミニウム合金板は、後続の箔圧延工程で75μmの厚みまで圧延をおこなうことが例示できる。
中間焼鈍により、最終的に得られたアルミニウム箔の引張強度と伸びのバランスを、その箔を成形してなる容器を内容物の焼成に用いた場合に、繰り返しの利用に耐えられる最適のバランスに整えることが容易となる。
焼鈍温度が300℃を下回るか焼鈍時間が2時間を下回ると、500kg以上のコイル状のアルミニウム箔を処理する場合、巻芯まで温度が上がりきらない虞がある。焼鈍温度が400℃を上回るか焼鈍時間が48時間を上回ると、巻外での引張強度が不十分となるおそれがある。
【0030】
実施形態の容器は、実施形態のアルミニウム合金箔をプレス加工等の公知の成形方法により、成形することで得られる。
得られた実施形態の容器の用途は特に限定されないが、菓子やパンをオーブン等で焼成する際の容器として用いるのに好適である。
上記のような実施形態のアルミニウム合金箔の引張強度や伸びの特性から、容器は十分な強度を備え、パン等を取り出す際などに容器が撓んだり変形したりすることが抑制され、容器を後続の焼成作業に繰り返し利用することができる。このため、パン等の製造コストの低減に資することができる。
容器の形状については特に限定されないが、平面視円形等の底壁と、底壁の周縁から立ち上がる周壁と、周壁の周縁から水平に広がるフランジ、フランジの外縁に付属する縁巻からなるものが例示できる。
なお、実施形態のアルミニウム合金の用途は、容器に限定されず、電子部品等の容器以外の成形体へと成型する用途にも好適に用いられる。
【実施例】
【0031】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明を一層明確にする。
【0032】
実施例1から実施例3として、次表1の合金組成で連続鋳造により得られたアルミニウム合金片を、板圧延後0.5mmの厚みで300℃の温度で5時間中間焼鈍を行い、75μmの厚みのアルミニウム合金箔を得た。
また実施例4から実施例6として、次表1の合金組成で連続鋳造により得られたアルミニウム合金片を、板圧延後1.2mmの厚みで400℃の温度で5時間中間焼鈍を行い、75μmの厚みのアルミニウム合金箔を得た。
なお次表1における各元素の範囲は、大型溶解炉における合金調製において、工程能力を加味した化学成分の範囲を、特許請求の範囲における請求項2の範囲として規定したものである。
【0033】
【表1】
【0034】
さらに実施例7から実施例9として、合金純度が1N30(JIS H 4160− 1994)であり連続鋳造により得られたアルミニウム合金片を、板圧延後0.5mmの厚みで300℃の温度で5時間中間焼鈍を行い、75μmの厚みのアルミニウム合金箔を得た。
【0035】
これら実施例1から実施例9のアルミニウム合金箔を、深絞り法により、開口外径75mm、底径50mm、高さ50mmの平面視円形の焼型容器へと成形した。
この容器にパン生地を収容し、汎用されているコンベクションオーブンを用いてパンを焼成製造した。
実施例1、実施例4および実施例7においては、焼成温度を150℃とし、実施例2、実施例5および実施例8においては、焼成温度を180℃とし、実施例3、実施例6および実施例9においては、焼成温度を200℃とし、いずれも焼成時間は30分とした。
【0036】
これら実施例1から実施例9の焼型容器につき、パンの焼成調理作業を繰り返し、再利用可能な回数を評価した。結果を次表2に示す。再利用の回数は、焼型容器の開口の変位が5mm以下であった場合には、再利用可能としてさらにパンの焼成調理作業に用い、開口の変位が5mmを超えた場合には、再利用不可としてそれまでの利用回数を総計した。
表2からわかるように、実施例1〜9の焼型容器のいずれにおいても、複数回にわたって利用可能であることが確認された。
【0037】
【表2】
【0038】
次に、実施例10として、表1の合金組成で連続鋳造により得られたアルミニウム合金片を、板圧延後0.5mmの厚みで300℃の温度で5時間中間焼鈍を行い、75μmの厚みのアルミニウム合金箔を得た。
また、実施例11として、表1の合金組成で連続鋳造により得られたアルミニウム合金片を、板圧延後1.2mmの厚みで400℃の温度で5時間中間焼鈍を行い、75μmの厚みのアルミニウム合金箔を得た。
同様に、比較例1として、表1の合金組成で連続鋳造により得られたアルミニウム合金片を、板圧延後1.2mmの厚みで170℃の温度で5時間中間焼鈍を行い、75μmの厚みのアルミニウム合金箔を得た。
また、比較例2として、表1の合金組成で連続鋳造により得られたアルミニウム合金片を、板圧延後0.5mmの厚みで500℃の温度で5時間中間焼鈍を行い、75μmの厚みのアルミニウム合金箔を得た。
【0039】
これら実施例10および11ならびに比較例1および2につき、引張強度および伸びの評価をおこなった。結果を次表3に示す。
評価は、アルミニウム合金箔を150℃で240分まで軟化処理しても、引張強度が120N/mm
2以上に保たれ、かつ、伸びが3.0%以上有していたものを○とし、それ以外を×とした。
同様に、180℃で240分まで軟化処理しても、引張強度は100N/mm
2以上に保たれ、かつ、伸びが3.0%以上有していたものを○とし、それ以外を×とした。
また、200℃で240分まで軟化処理しても、引張強度が90N/mm
2以上に保たれ、かつ、伸びが3.0%以上有していたものを○とし、それ以外を×とした。
アルミニウム箔を、容器に深絞り成型加工するには、通常2.0%以上の伸びが必要だからである。
【0040】
【表3】
【0041】
これら実施例10および11ならびに比較例1および2につき、汎用されている加熱器を用いて加熱をおこない、加熱時間に応じた引張強度(N/mm
2)および伸び(%)の変化を測定した。結果を
図1から
図6に示す。
図1および
図2は、加熱温度が150℃における引張強度および伸びを示し、
図3および
図4は、加熱温度が180℃における引張強度および伸びを示し、
図5および
図6は、加熱温度が200℃における引張強度および伸びを示す。
なお、各図中、■のプロットは実施例10を、▲のプロットは実施例11を、◆のプロットは比較例1を、×のプロットは比較例2を示す。
【0042】
各図からわかるように、実施例10および11においては、150℃で240分まで加熱しても、引張強度が120N/mm
2以上に保たれ(加熱時間240分において、実施例10では、約170N/mm
2、実施例11では、約130N/mm
2)、かつ、伸びを2.0%以上有している(加熱時間240分において、実施例10では、約3.5%、実施例11では、約6.5%)。
また、180℃で240分まで加熱しても、引張強度は100N/mm
2以上に保たれ(加熱時間240分において、実施例10では、140N/mm
2、実施例11では、約110N/mm
2)かつ、伸びを3.0%以上有している(加熱時間240分において、実施例10では、約7.5%、実施例11では、約8.0%)。
また、200℃で240分まで加熱しても、引張強度が90N/mm
2以上に保たれ(加熱時間240分において、実施例10では、約130N/mm
2、実施例11では、約110N/mm
2)、かつ、伸びを3.0%以上有している(加熱時間240分において、実施例10では、約6.5%、実施例11では、8%超)。
【0043】
これに対して、比較例1においては、
図2、
図4および
図6のように、150℃で240分まで加熱した場合の伸びが2.0%を下回っており、180℃で240分まで加熱した場合の伸びが3.0%を下回っており、200℃で240分まで加熱した場合の伸びが3.0%を下回っており、所望の伸びが得られなかった。
また、比較例2においては、
図1、
図3および
図5のように、150℃で240分まで加熱した場合の引張強度が120N/mm
2を上回っており、180℃で240分まで加熱した場合の引張強度が100N/mm
2も上回っているが、200℃で240分まで加熱した場合の引張強度が75N/mm
2と90N/mm
2を下回っているため、本発明のアルミニウム合金箔としての所望の引張強度が得られなかった。
【0044】
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものであることが意図される。